JP2008030610A - 車両前進判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速走行時において車両が前進しているか否かを精度よく判定する。
【解決手段】車両前進判定装置は、運転者の操舵入力を受け付けるステアリングホイール11と、ステアリングホイール11への操舵入力に応じて操舵される操舵輪24FL及び24FRと、操舵入力に対応して発生する操舵輪24FL及び24FRのセルフアライニングトルクに基づいて車両が前進しているか否かを判定するVSC用ECU40と、を備える。車両前進判定装置は、ステアリングホイール11への操舵入力に当該操舵入力に応じたアシストトルクが付加されたタイヤステアトルクを作用させてタイヤを操舵する車両操舵装置10をさらに備え、VSC用ECU40は、操舵入力に応じて設定されている前進判定基準トルクとタイヤステアトルクとの比較結果に基づいて車両が前進しているか否かを判定してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両が前進しているか否かを判定するための技術に関する。
従来から、車輌の走行状態に基づき車輌の前進状態を検出する前進状態検出手段と車輌の前進状態が検出されていないときには前進時用の挙動制御の実行を禁止する手段とを有する車輌の挙動制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この装置によれば、車輌が後退状態にある状況において前進時用の挙動制御が実行されることが防止される。車輌の前進状態は、車輌の実ヨーレートと車輌の走行状態に基づき演算される推定ヨーレートとに基づいて判定される。
特開2000−318588号公報
ハンドル角が一定であれば車両のヨーレートは低速走行時には比較的小さな値となり、中速ないし高速走行時には大きな値となる傾向がある。このため、車両のヨーレートを用いると中速ないし高速走行時には車両が前進しているか否かを相対的に精度よく判定することができる。ところが、車両が前進していることを前提とする制御を車両の走行開始後すみやかに実行可能とするためには、車両の走行開始直後の低速の段階から車両が前進しているか否かを精度よく判定できることが望ましい。
そこで、本発明は、低速走行時に車両が前進しているか否かを精度よく判定するための技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両前進判定装置は、運転者の操舵入力を受け付けるステアリングホイールと、ステアリングホイールへの操舵入力に応じて操舵されるタイヤと、操舵入力に対応して発生するタイヤのセルフアライニングトルクに基づいて車両が前進しているか否かを判定する前進判定部と、を備える。
この態様によれば、タイヤのセルフアライニングトルクに基づいて車両が前進しているか否かが判定される。低速走行時には右左折等のステアリングホイールへの操舵入力が大となる機会が多い。タイヤのセルフアライニングトルクは、ステアリングホイールへの操舵入力に対応して発生し、ステアリングホイールへの操舵入力が大きいほど前進時と後進時との値の違いが大きくなる。よって、セルフアライニングトルクを利用することにより低速走行時において車両が前進しているか否かを精度よく判定することが可能となる。
ステアリングホイールへの操舵入力に当該操舵入力に応じたアシストトルクが付加されたタイヤステアトルクを作用させてタイヤを操舵するステアリング機構をさらに備え、前進判定部は、操舵入力に応じて設定されている前進判定基準トルクとタイヤステアトルクとの比較結果に基づいて車両が前進しているか否かを判定してもよい。
この態様によれば、操舵入力に応じて設定されている前進判定基準トルクとステアリング機構によるタイヤステアトルクとが比較される。前進判定基準トルクを適切に設定することにより車両が前進しているか否かを精度よく判定することができる。例えば、前進判定基準トルクの絶対値を、前進中に想定されるタイヤステアトルクの絶対値よりも小さく設定することができる。
前進判定部は、タイヤステアトルクの時間変化率及び車両ヨーレートの時間変化率に基づいて車両が前進しているか否かを判定してもよい。このようにしても、車両が前進しているか否かを判定することが可能である。
本発明によれば、とくに低速走行時において車両が前進しているか否かを精度よく判定することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両前進判定装置が適用された車両を示す概略構成図である。同図に示される車両は、操舵輪である左右一対の前輪24FL,24FRを操舵するための車両操舵装置10を含む。本実施形態では車両操舵装置10は、電動パワーステアリング(EPS、Electric Power Steering)機構として構成されている。運転者によりステアリングホイール11が回転操作されてトルクが入力されると、その入力トルクに応じた大きさのトルクがパワーステアリングにより付加されて前輪24FL及び24FRが操舵される。なお、車両操舵装置10として液圧式のパワーステアリング機構を採用することも可能である。
便宜上、以下では適宜、運転者によりステアリングホイール11に入力されるトルクをハンドルトルクと称し、ハンドルトルクに応じてパワーステアリングにより付加されるトルクをアシストトルクと称する。ハンドルトルクとアシストトルクの合計のトルクにより前輪24FL及び24FRが操舵される。ハンドルトルクとアシストトルクの合計であり操舵トルクとしてタイヤに作用するトルクをタイヤステアトルクと称することとする。
車両操舵装置10は、ステアリングホイール11の回転を左右の直線運動に変換する操舵ギヤボックス12を含む。ステアリングホイール11と操舵ギヤボックス12とは、ステアリングシャフト13を介して連結されている。操舵ギヤボックス12は、ステアリングシャフト13の先端に固定されたピニオンギヤ14と、このピニオンギヤ14と噛合するラック15とを含む。ラック15の両端は、ボールジョイント等を介してタイロッド17L,17Rへと連結されている。左右のタイロッド17L及び17Rはナックルアームやナックル等を介してそれぞれ左右の前輪24FL及び24FRへと連結されている。
ステアリングシャフト13の中途には、アシストトルクを発生させるためのパワーステアリングモータ16が装着されている。ステアリングシャフト13は、公知の構造を採用することが可能である。例えばステアリングシャフト13は、ステアリングホイール側シャフトとギヤボックス側シャフトに分割されており、ステアリングホイール側シャフトとギヤボックス側シャフトとは回転伝達機構を介して連結される。回転伝達機構にはパワーステアリングモータ16の出力を伝達するモータ出力伝達機構が連結される。このような機構によりハンドルトルク及びアシストトルクをステアリングシャフト13を介して操舵ギヤボックス12へと伝達することができる。
パワーステアリングモータ16は、EPS用ECU32により制御される。EPS用ECU32は、ハンドルトルクや車速などに基づいてパワーステアリングモータ16の出力すなわちアシストトルクを制御する。EPS用ECU32はハンドルトルクや車速等から操舵に必要なアシストトルクを演算し、演算されたアシストトルクを発生させるようにパワーステアリングモータ16への制御電流をフィードバック制御により制御する。
ここで、ハンドルトルクはステアリングシャフト13に設けられたハンドルトルクセンサ18により検出される。ハンドルトルクセンサ18は、検出されたハンドルトルクを示す信号をEPS用ECU32に送信する。車速は例えば車輪速度センサ(図示せず)の検出値から演算される。パワーステアリングモータ16は供給されている制御電流の大きさを示す信号をEPS用ECU32に送信することができるよう電流計を内蔵している。
また、図1に示される車両は、例えば前輪24FL及び24FRを駆動するための内燃機関、電気モータ、あるいはこれらを組み合わせたハイブリッド動力ユニットといった駆動源(図示省略)を有する。駆動源はエンジンECU(図示省略)により制御される。エンジンECUは、駆動源の作動状態を検出する各種センサからの信号に基づいて例えば駆動源が内燃機関であれば燃料噴射制御や点火制御、吸気制御等の各種制御を実行する。駆動源の出力は動力伝達機構を介して前輪24FL及び24FRに伝達される。
左右の前輪24FL、24FR及び左右の後輪24RL、24RRの制動力は、車輪ごとに設けられたホイールシリンダ46FL、46FR、46RL、46RRに供給される液圧が制御されることによって制御される。各ホイールシリンダ46FL、46FR、46RL、46RRの液圧は、液圧ブレーキユニット20により制御される。液圧ブレーキユニット20は、各ホイールシリンダ46FL、46FR、46RL、46RRに供給される作動液を蓄圧する液圧源や種々の弁装置等を含むブレーキアクチュエータ等を備えて構成される。液圧ブレーキユニット20は、ブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、液圧ブレーキユニット20の動作状態や運転者からの制動要求を検出する各種センサからの信号に基づいて各車輪24FL、24FR、24RL、24RRに付与される制動力を制御する。
本実施形態に係る車両は、車両挙動安定化制御を実行可能に構成されている。車両挙動安定化制御として例えばVSC(Vehicle Stability Control)制御を実行することができる。VSC制御は、車両の旋回時における車輪の横滑りを抑制するための制御である。VSC制御は、操舵角や横加速度、ヨーレート、車輪速などに基づいてVSC用ECU40により実行される。VSC用ECU40は、EPS用ECU32、ブレーキECU70及びエンジンECUと相互に通信可能であり、これらのECUからの制御信号や車両の挙動を検出する各種センサからの信号に基づいてVSC制御を実行する。
ここで、ステアリングホイール11の回転角度はステアリングシャフト13に設けられた操舵角センサ19により検出される。以下では適宜、ステアリングホイール11の回転角度をハンドル角と呼ぶ場合がある。また、ヨーレートは車両に設けられたヨーレートセンサ22により検出される。操舵角センサ19及びヨーレートセンサ22はそれぞれ検出されたハンドル角及びヨーレートを示す信号をVSC用ECU40に送信する。
上述のEPS用ECU32やVSC用ECU40、ブレーキECU70、エンジンECUは、いずれもCPUを含むマイクロプロセッサとして構成されている。これらのECUは、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。これらのECUは、双方向性のコモンバスにより互いに接続された周知の構成のマイクロコンピュータであってもよい。
本実施形態においては、VSC制御は前進中の車両の挙動を制御するものであり、車両が前進していることを前提として実行される。このため、VSC用ECU40は、VSC制御の実行に先立って車両が前進しているか否かを判定し、前進中であると判定されたことを1つの条件としてVSC制御を実行する。車両の予防安全性能を高めるという観点からは、車両の走行開始時から速やかにVSC制御を実行可能であることが望ましい。そのためには、走行開始直後の比較的低速の段階において精度よく前進判定を行うことが望まれる。
ところが、従来の例えば車両ヨーレートに基づく判定方法では、中速ないし高速走行時には車両が前進しているか否かを比較的精度よく判定することができるものの、低速の段階で高精度に前進判定をしにくい傾向がある。ヨーレートセンサの測定値には、温度などの環境条件の影響によりばらつきが生じる場合がある。通常、車両のヨーレートはハンドル角が一定であれば低速走行時には比較的小さな値となり、中速ないし高速走行時には大きな値となる。このため、ヨーレートセンサの測定値に対する上述のばらつきの影響は、低速走行時に比較的大きくなってしまう。
そこで、本発明者は、タイヤのセルフアライニングトルク(以下適宜SATという)が前進時と後退時とで異なることに着目して、低速走行時においても車両が前進しているか否かを精度よく判定する方法を見出した。図2は、前進時と後進時のタイヤステアトルクのハンドル角に対する変化の一例を模式的に示す図である。図2の横軸はハンドル角を示し、縦軸はタイヤステアトルクを示す。なお、横軸のハンドル角は左に旋回する方向を正としている。前進時のタイヤステアトルクを実線により示し、後退時のタイヤステアトルクを破線により示す。
車両操舵装置10は、タイヤの切れ角をゼロに戻そうとする復元トルクに抗してタイヤを操舵すべくタイヤステアトルクを発生させる。タイヤの復元トルクはSAT、キャスタトレール量、及び接地荷重の3つの要素から定まる。これらの3つの要素のうちキャスタトレール量から定まるトルクはハンドル角に対してほぼ一定であり、また接地荷重から定まるトルクは積荷が一定で走行路面が平坦であるとすれば一定である。キャスタトレール量及び接地荷重から定まるトルクは左右の操舵輪で逆向きに作用するため、車両操舵装置10が発生させるタイヤステアトルクとしては互いに打ち消されることになる。このため、図2に示されるタイヤステアトルクのハンドル角に対する変化は、SATのハンドル角に対する変化に相当する。
図2に示されるように、前進中はタイヤステアトルクすなわちSATはハンドル角の変化に対して直線的に増減する。これに対して後退中は、ハンドル角が大きくなるにつれてSATの増加量は小さくなり、ある大きさのハンドル角で極値を取る。更にハンドル角が大きくなるとSATは減少していく。なお、このことは直感的には、後退中に運転者が大きくハンドルを切ってハンドルから手を離した場合には前進中ほどハンドルが初期位置つまり直進状態に戻ろうとする力が強くないというように体感される。
よって、この前進時と後進時とのSATの違いをふまえて適切に前進判定基準トルクを設定することにより、車両が前進しているか否かを判定することが可能となる。この判定方法では、図2からわかるように、ハンドル角が大きいときほど容易に高精度に前進判定を行うことができる。大舵角のときは通常車両は低速に走行しているから、低速走行時の前進判定を精度よく行うことができる。一般に走行開始直後には駐車場からの右左折を伴う発進等、低速かつ大舵角で走行することが予想されるから、走行開始時に速やかに精度よく前進判定を行うことが可能となる。
図3は、本実施形態に係る前進判定における前進判定基準トルクの一例を模式的に示す図である。図2と同様に、図3の横軸はハンドル角を示し、縦軸はタイヤステアトルクを示す。図3には、図2に示される前進中及び後退中のそれぞれのタイヤステアトルクの一例と、ハンドル角に応じて設定された前進判定基準トルクとが示されている。
本実施形態における前進判定部としてのVSC用ECU40は、ハンドル角に応じたタイヤステアトルクと当該ハンドル角に設定された前進判定基準トルクとを比較して車両が前進しているか否かを判定する。本実施形態においては、VSC用ECU40は、検出されたタイヤステアトルクの絶対値が前進判定基準トルクの絶対値よりも大きい場合に車両が前進していると判定し、逆にタイヤステアトルクの絶対値が前進判定基準トルクの絶対値よりも小さい場合に車両が後退していると判定する。言い換えれば、VSC用ECU40は、図3上においてハンドル角とタイヤステアトルクとにより指定される位置がハッチング領域つまり横軸と前進判定基準トルク線とに囲まれる三角形状領域に含まれる場合には車両が後退していると判定する。逆に、ハンドル角とタイヤステアトルクとにより指定される位置がハッチング領域に含まれない場合には、VSC用ECU40は車両が前進していると判定する。
前進判定基準トルクは、本実施形態においては、基準となるハンドル角まではゼロに設定され、この基準ハンドル角を超えるとハンドル角の増加に対して直線的に増加するように設定されている。基準ハンドル角は例えば45度程度に設定することができる。本実施形態では前進判定基準トルクは直線的に変化するように設定されているが、これに限られず曲線的あるいは折れ線状に変化するように設定されてもよい。本実施形態では、前進中のタイヤステアトルクよりも後退中のタイヤステアトルクのほうが絶対値が小さいことを利用して前進判定を行っている。このため、前進判定基準トルクは、前進中に想定されるタイヤステアトルクの絶対値を下回り、かつ所定舵角以上では後退中に想定されるタイヤステアトルクの絶対値を超えるように例えば実験等により適切に設定することが望ましい。なお、本実施形態では前進判定基準トルクは低速走行時における判定を前提として車速に対して均一に設定しているが、前進判定基準トルクを車速に応じて変化させて設定してもよい。
ここで、VSC用ECU40は、EPS用ECU32からハンドルトルクとアシストトルクとを取得して両者を合計することによりタイヤステアトルクを算出する。ハンドルトルクはハンドルトルクセンサ18により検出されてEPS用ECU32に送信され、アシストトルクはパワーステアリングモータ16への供給電流に基づいてEPS用ECU32により演算される。また、ハンドル角は操舵角センサ19により検出されVSC用ECU40に送信される。
次に図4を参照し本実施形態の変形例として、タイヤステアトルクの時間変化と車両ヨーレートの時間変化とに基づいて車輌が前進しているか否かを判定する方法を説明する。ここで説明する方法は、ヨーレートを用いることから、低速走行時よりも中速ないし高速走行時により適した方法であるといえる。その意味においてこの変形例は、走行開始直後の低速走行時に速やかに前進判定を行うという目的のもとでは補完的に採用しうる判定方法である。
図4は、本実施形態の変形例に係る前進判定しきい値を模式的に示す図である。図4の横軸はタイヤステアトルクの時間変化率ΔTを示し、縦軸は車両ヨーレートの時間変化率ΔYRを示す。図4には、前進中及び後退中のそれぞれにおけるタイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとの関係の一例も模式的に示されている。前進中を実線により、後退中を破線により示す。
この変形例においては、タイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとの比であるΔYR/ΔTの正負に基づいて車輌が前進しているか否かを判定する。VSC用ECU40は、基本的には、ΔYR/ΔTが正である場合には車輌が前進していると判定し、ΔYR/ΔTが負である場合には車輌が後退していると判定する。
ΔYR/ΔTが正であるということは、タイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとがともに正またはともに負であるということである。これは、時間とともにヨーレートの絶対値が増加するにつれてタイヤステアトルクの絶対値も増加するという状況である。ヨーレートの増減とハンドル角の増減とは制御上同視し得るから、この状況においては、ハンドル角の増加につれてタイヤステアトルクも増加すると言える。図2を参照して説明したように、これは基本的に前進中に見られる現象である。
逆に、ΔYR/ΔTが負であるということは、タイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとが異符号であるということである。これは、時間とともにヨーレートの絶対値が増加するにつれてタイヤステアトルクの絶対値は減少する、つまりハンドル角の増加につれてタイヤステアトルクが減少するという状況である。あるいは、時間とともにヨーレートの絶対値が減少するにつれてタイヤステアトルクの絶対値は増加する、つまりハンドル角の減少につれてタイヤステアトルクが増加するという状況である。これらは図2を参照して説明したように後退中に見られる現象である。
よって、VSC用ECU40は、図4に示されるように、タイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとにより指定される位置がハッチング領域に含まれる場合には後退していると判定し、逆に含まれない場合には前進していると判定する。本実施形態においては、タイヤステアトルクの時間変化率ΔT及び車両ヨーレートの時間変化率ΔYRをそれぞれ横軸及び縦軸とする座標平面における第2象限及び第4象限において、縦軸及び横軸から若干の間隔をもって前進判定しきい値が設定されている。このようにすれば、より確実に後退状態を検出することができる。なお、前進判定しきい値は適宜実験等により設定することが望ましい。
この変形例においては、ヨーレートはヨーレートセンサ22により検出されVSC用ECU40に送信される。VSC用ECU40は、最新のヨーレートと直前のヨーレートとの差を両者の時間間隔で除することにより車両ヨーレートの時間変化率ΔYRを算出する。また、VSC用ECU40は、最新のタイヤステアトルクと直前のタイヤステアトルクとの差を両者の時間間隔で除することによりタイヤステアトルクの時間変化率ΔTを算出する。
引き続いて上述の車両前進判定方法を実行するときの処理の流れの一例を図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る車両前進判定方法を説明するためのフローチャートである。図5に示される処理は、車両の駆動源の始動後に所定の周期で繰り返し実行される。
図5に示される処理が開始されると、まずVSC用ECU40は、前進判定に必要なセンサ等のシステムが正常に動作しているか否かをチェックする(S10)。正常な動作を確認できない場合には(S10のNo)、VSC用ECU40は、前進判定をすることなく処理を終了する。システムが正常に動作することが確認された場合には(S10のYes)、前進判定に関するいずれかの判定条件が成立しているか否かを判定する(S12)。前進判定条件には、上述のタイヤステアトルク測定値の絶対値が前進判定基準トルクの絶対値を超えていること、及びタイヤステアトルクの時間変化率ΔTと車両ヨーレートの時間変化率ΔYRとの比が正であることが含まれる。これら以外にも前進判定条件として、従来と同様に、車速が後退時の最大速度以上であることやシフトポジションがDポジションであること等を含めてもよい。車両ヨーレートに基づく前進判定を併用してもよい。いずれかの前進判定条件が成立している場合には(S12のYes)、VSC用ECU40は、車両が前進していると判定し前進判定フラグを立てて(S14)、処理を終了する。いずれの前進判定条件も成立していない場合には(S12のNo)、VSC用ECU40は処理を終了する。VSC用ECU40は、前進判定フラグが立っていることを前提とし、他の制御開始条件が成立した場合にVSC制御を実行する。
本実施形態によれば、前進時と後進時とのSATの違いがタイヤステアトルクに反映されることを利用して、VSC用ECU40は、タイヤステアトルク測定値と前進判定基準トルクとの比較結果に基づいて車両が前進しているか否かを判定する。このため、低速走行時の前進判定を精度よく行うことが可能となり、走行開始後に速やかに前進判定を精度よく行うことができる。また、このように各種の前進判定条件を並列に取り扱い、いずれか1つの前進判定条件が成立する場合に車両が前進していると判定するので、より迅速に前進判定を行うことができる。
また、シフトポジションセンサをはじめとして駆動制御システムの異常時においても他の前進判定条件から前進判定を行うことができるので、車両のフェイルセーフ性の向上という観点から見て好ましい。更に、前進と後退とを識別することができる高機能の車輪速度センサを搭載することなく低速走行での前進判定を精度よく行うことができるので、車両のコストアップを抑えるという観点から見て好ましい。
本発明の一実施形態に係る車両前進判定装置が適用された車両を示す概略構成図である。 前進時と後進時のタイヤステアトルクのハンドル角に対する変化の一例を模式的に示す図である。 本実施形態に係る前進判定基準トルクの一例を模式的に示す図である。 本実施形態の変形例に係る前進判定しきい値を模式的に示す図である。 本実施形態に係る車両前進判定方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 車両操舵装置、 11 ステアリングホイール、 16 パワーステアリングモータ、 18 ハンドルトルクセンサ、 19 操舵角センサ、 22 ヨーレートセンサ、 32 EPS用ECU、 40 VSC用ECU。

Claims (3)

  1. 運転者の操舵入力を受け付けるステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールへの操舵入力に応じて操舵されるタイヤと、
    前記操舵入力に対応して発生する前記タイヤのセルフアライニングトルクに基づいて車両が前進しているか否かを判定する前進判定部と、
    を備えることを特徴とする車両前進判定装置。
  2. 前記ステアリングホイールへの操舵入力に当該操舵入力に応じたアシストトルクが付加されたタイヤステアトルクを作用させて前記タイヤを操舵するステアリング機構をさらに備え、
    前記前進判定部は、前記操舵入力に応じて設定されている前進判定基準トルクと前記タイヤステアトルクとの比較結果に基づいて車両が前進しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両前進判定装置。
  3. 前記前進判定部は、前記タイヤステアトルクの時間変化率及び車両ヨーレートの時間変化率に基づいて車両が前進しているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車両前進判定装置。
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