JP3041495B2 - 四輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵装置

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JP3041495B2
JP3041495B2 JP2105092A JP2105092A JP3041495B2 JP 3041495 B2 JP3041495 B2 JP 3041495B2 JP 2105092 A JP2105092 A JP 2105092A JP 2105092 A JP2105092 A JP 2105092A JP 3041495 B2 JP3041495 B2 JP 3041495B2
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友幸 城戸
三津男 中村
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、四輪操舵装置に関
し、詳しくは、後輪の転舵制御を行う制御手段の異常を
検出するとともに、後輪転舵機構を駆動する電動モータ
を停止させるフェイルセイフ回路を設けた四輪操舵装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の走行状況に応じて最適な走行性能
を得るため、前輪に加えて後輪をも転舵するように構成
した四輪操舵装置が広く普及している。四輪操舵装置
は、一般に、ステアリングの操舵角が小さい場合には、
後輪を前輪と同方向へ、すなわち、同位相へ転舵させる
一方、ステアリングの操舵角が所定値より大きくなる場
合には、後輪を前輪と逆方向へ、すなわち、逆位相へ転
舵するように構成されている。
【0003】中・高速時の旋回やレーンチェンジを行う
場合には、概してステアリングの操舵角は小さく、この
ときに後輪を前輪と同位相に転舵させることにより、遠
心力に起因する車両の横滑りを抑制して走行安定性を高
めることができる。一方、低速時にUターン等の比較的
急な旋回を行う場合には、ステアリングの操舵角が大き
くなり、このときに、後輪を逆位相に転舵させることに
より、車両の旋回半径を小さくして小回り性を向上させ
ることができる。
【0004】このような四輪操舵装置には、たとえば、
特公昭60−44186号公報に記載されているよう
な、ステアリングホイールの回転を機械的に後輪転舵機
構に伝達して後輪を転舵させるように構成されるもの
や、特開平1−204867号公報に記載されているも
ののように、電動モータや油圧アクチュエータで後輪転
舵機構を駆動するように構成されるもの等種々のタイプ
のものがある。
【0005】上記後輪転舵機構を電動モータ等で駆動す
るタイプの四輪操舵装置においては、後輪転舵機構が、
前輪転舵機構と機械的には完全に切り離されて独立させ
られるとともに、ステアリングの操舵角を検出する操舵
角センサ、車速センサ等によって検出される情報に基づ
いて、上記電動モータを駆動して後輪を転舵させなけれ
ばならない。通常、上記電動モータを駆動するための制
御手段が設けられており、この制御手段としてマイクロ
コンピュータが採用されることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記制御手
段を構成するマイクロコンピュータに異常が生じた場
合、操舵角センサ等のセンサが正常に作動していても、
後輪を適正に転舵制御することができなくなる。すなわ
ち、後輪を前輪と逆位相に転舵させるべきであるのに同
位相に転舵させたり、後輪の転舵角度が所定の値になら
ないような制御が行われるおそれがある。特に、後輪が
前輪と同位相に転舵される同位相領域において、後輪の
転舵角が大きくなりすぎると、走行安定性が害されるお
それも生じる。
【0007】従来、四輪操舵装置の上記のような異常を
検出するものとして、たとえば、特開平1−20486
7号公報に記載されているもののように、操舵角センサ
や、制御手段に接続されている各種回路等にショートあ
るいは断線等の異常が生じたとき、それを検知して制御
の異常を判断するフェイルセイフ装置が設けられてい
る。
【0008】ところが、上記従来のフェイルセイフ装置
は、制御手段自体の異常を判断するのではなく、センサ
から出力される検出出力、あるいは、電動モータを駆動
する制御出力の異常を判断するためのフェイルセイフ装
置であり、マイクロコンピュータ等の制御手段自体の異
常を判断することはできなかった。このため、制御手段
自体に異常が生じてもただちに後輪の制御をストップさ
せることができず、十分なフェイルセイフ機能を発揮す
るとはいえなかった。
【0009】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、電動モー
タを制御する制御手段自体に異常が発生した場合にこれ
を検知するとともに、後輪転舵機構の制御をただちにス
トップさせて2WS状態に戻し、車両の走行安定性が害
されるおそれのない四輪操舵装置を提供することをその
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。すな
わち、本願の請求項1に記載した発明は、ステアリング
操作に応じて前輪を転舵する前輪転舵機構と、制御手段
によって制御される電動モータで駆動される後輪転舵機
構とを備え、上記制御手段は、少なくとも車速センサか
ら出力される車速情報および後輪舵角センサから出力さ
れる後輪転舵角情報に基づいて上記電動モータの制御を
行うように構成されている四輪操舵装置において、フェ
イルセイフ回路を上記制御手段とは別途に設け、このフ
ェイルセイフ回路は、上記車速センサから出力される車
速情報および上記後輪舵角センサから出力される後輪転
舵角情報に基づき、車速が所定の値以上であって、後輪
が所定のしきい舵角を超えて転舵されているときをもっ
て上記制御手段の異常を検出するとともに、上記電動モ
ータの駆動を停止することを特徴とする。
【0011】また、本願の請求項2に記載した発明は、
ステアリング操作に応じて前輪を転舵する前輪転舵機構
と、制御手段によって制御される電動モータで駆動され
る後輪転舵機構とを備え、上記制御手段は、少なくとも
横Gセンサから出力される横加速度情報および後輪舵角
センサから出力される後輪転舵角情報に基づいて上記電
動モータの制御を行うように構成されている四輪操舵装
置において、フェイルセイフ回路を上記制御手段とは別
途に設け、このフェイルセイフ回路は、上記横Gセンサ
から出力される横加速度情報および後輪舵角センサから
出力される後輪転舵角情報に基づき、横Gが所定の値以
上であって、後輪が所定のしきい舵角を超えて転舵され
ているときをもって上記制御手段の異常を検出するとと
もに、上記電動モータの駆動を停止することを特徴とす
る。
【0012】
【発明の作用および効果】本願発明に係る四輪操舵装置
においては、車速センサから出力される車速情報および
後輪舵角センサから出力される後輪転舵角情報に基づい
て後輪転舵制御の異常を検出するとともに、後輪を転舵
させる電動モータの駆動を停止するフェイルセイフ回路
を設けている。
【0013】上記フェイルセイフ回路は、車速と後輪転
舵角との間で成立すべき関係を利用することにより、制
御手段の異常を検出するものである。すなわち、車速が
一定の値以上である場合には、後輪は同位相に転舵され
ているはずであり、かつ、この場合の後輪の転舵角は、
あらかじめ設定された一定の値を超えないという関係で
ある。しかも、上記同位相転舵領域において許容される
後輪の最大転舵角は、逆位相転舵領域おいて許容される
最大転舵角よりはるかに小さく、このため、走行安定性
が害される前にフェイルセイフ機能を発揮させることが
できる。
【0014】また、上記車速情報は、制御手段に入力さ
れる最も基本的な入力情報であり、また、上記後輪転舵
角情報は、制御手段によって達成される最も基本的な出
力情報である。しかも、車速を検出する車速センサおよ
び後輪転舵角を検出する舵角センサは非常に信頼性が高
く、故障が生じにくい。このため、制御回路が異常であ
るか否かをきわめて信頼性高く判断することが可能とな
る。
【0015】上記フェイルセイフ回路は、上記同位相転
舵領域内において、後輪が所定のしきい舵角を超えて転
舵させられている場合に、制御手段に異常が発生したと
判断する。上記しきい舵角は、同位相転舵領域内の最大
転舵角より若干大きく設定されており、上記フェイルセ
イフ回路が制御手段の異常を検出すると同時に、後輪転
舵機構を駆動する電動モータの駆動を停止する。本願発
明に係るフェイルセイフ回路によって達成される上記制
御は、上記電動モータの駆動を停止するというきわめて
簡単なものであるため、信頼性のきわめて高いフェイル
セイフ機能を発揮させることができる。
【0016】しかも、上記フェイルセイフ回路は、上記
制御手段と別途に独立して設けられてる。すなわち、上
記制御手段によって演算等されたデータを用いることな
く、車速センサおよび後輪舵角センサの出力を直接用い
て判断するように構成されている。このため、制御手段
に異常が発生しても上記フェイルセイフ回路の機能が影
響を受けることが全くなく、信頼性の高いフェイルセイ
フ機能を得ることができる。
【0017】加えて、本願発明に係るフェイルセイフ回
路は、後輪の同位相転舵領域内の転舵角の異常を検出す
るように構成されているため、しきい舵角を小さく設定
できる。このため、後輪が大きく転舵させられる前にフ
ェイルセイフ機能を発揮させることができる。したがっ
て、走行性能が大きく低下することを未然に防止するこ
とができる。
【0018】
【実施例の説明】以下、本願発明に係る四輪操舵装置の
実施例を図を参照して具体的に説明する。図1に、本願
発明に係る四輪操舵装置を備えた四輪操舵車両の全体構
成を概略的に示す。
【0019】前輪転舵機構には、一般的なものを用いる
ことができ、本実施例の場合、ラックピニオン式の前輪
転舵機構1を採用している。これは、ステアリングシャ
フト2を介して伝達されるステアリングホイール3の回
転が、ギヤボックス4内でラック杆5の車幅方向動に変
換され、さらに、このラック杆5の車幅方向の動きが、
両端のタイロッド6,6を介してナックルアーム7,7
の軸8,8を中心とした回転に変換される。そして、こ
のナックルアーム7,7の回転により、前輪9,9が転
舵される。
【0020】一方、後輪転舵機構10は、本例の場合、
カム機構から構成されるものを採用しており、ボデーフ
ロア下面等に固定されるハウジング11内を車両前後方
向に延びる伝動シャフト12の後端部に連結固定された
カム体13と、このカム体13の両側方に配置される左
右一対の回転ローラ状のカムフォロア14,14と、こ
れらカムフォロア14,14を中間部に支持し、かつ、
上記ハウジング11に車幅方向スライド可能に支持され
た枠状の動杆15とを備えて構成されている。
【0021】本実施例に係る上記カム体13は、図6に
示すように、略おむすび状を呈するプロファイルに形成
されており、その外周面には、所定の回転方向位置にお
いて上記カムフォロア14,14を車幅方向に押動する
カム面25,26が設けられている。後輪21を、ステ
アリング3の操舵角が小さい範囲では前輪と同位相に転
舵させ、ステアリング3の操舵角が所定以上になったと
きに逆位相に転舵させるにあたっては、たとえば、上記
カム体13に、これが中立回転位置から回転したとき
に、まず一方のカムフォロア14を押動するカム面26
を、さらに回転角が大きくなったときに、他方のカムフ
ォロア14を押動するカム面25を設けることにより容
易に構成することができる。また、後輪21の転舵量
も、カム面25,26をその回転軸心Oからの距離が回
転角位置によって変化するように形成することにより、
ステアリング3の操舵角に応じて増減させることができ
る。
【0022】上記動杆15の両端には、ハウジング11
の軸支部11a,11aにスライド可能に支持されるス
ライド軸部17,17が一体的に突設されており、この
スライド軸部17,17の先端部に、タイロッド23お
よびナックルアーム22を介して後輪21がそれぞれ連
結されている。したがって、カム体13が所定量回転さ
せられてそのカム面25,26がカムフォロア14,1
4を押動すると、これにより動杆15が所定方向に車幅
方向動させられ、これに伴い後輪21,21が所定方向
に所定量転舵される。
【0023】本実施例においては、上記後輪転舵機構1
0は、図4に示すように、マイクロコンピュータ等から
なる制御手段29によって制御される電動モータ28で
駆動される。さらに、上記電動モータ28には、電磁ブ
レーキ31が連繋されており、これにより、電動モータ
28の回転を適宜制動できるように構成している。ま
た、カム体13に対して充分な回転トルクを得ることが
できるように、電動モータ28と伝動シャフト12との
間には、減速機構30が設けられている。なお、符号2
8bで示されるのは、電動モータ28に駆動電流を供給
するモータドライバである。
【0024】上記制御手段29は、たとえば、車速やス
テアリング3の操舵角等に応じて後輪21の転舵角およ
び転舵方向を決定する。車速がある程度以上で、ステア
リング3の操舵角が小さい範囲では、後輪21を同位相
に転舵させ、車速がある程度以下でステアリング3の操
舵角が所定値(たとえば240°程度)より大きくなる
場合には、後輪21を逆位相に転舵させるように、電動
モータ28の駆動を制御する。
【0025】中・高速時での旋回走行時やレーンチェン
ジの際には、ステアリングの操舵角は小さく、このとき
に後輪21を同位相に転舵させることにより、遠心力に
起因する車両の横滑りを抑制して速やかな方向変換を可
能としつつ、旋回時の走行安全性を高めることができ
る。また、このような同位相転舵においては、車速に応
じて後輪21の転舵量を増減させ、車速が高くなるにつ
れて、後輪21の転舵量を大きくする。高速になるほど
遠心力の影響が大きくなって車両の横滑り傾向が強くな
るからである。
【0026】一方、低速時においてUターン等の旋回を
行う場合には、ステアリングの操舵角は比較的大きく、
このとき後輪21を逆位相に転舵させることにより、車
両の旋回半径を小さくして小回り性を向上させることが
できる。上記制御手段29には、車速センサ32や、ス
テアリング3の操舵角を検出する操舵角センサ33、シ
フト位置センサ34、電動モータ28の回転角を検出す
ることにより後輪21の転舵角を検出する後輪舵角セン
サ35等からの信号が、制御情報として入力される。
【0027】上記制御手段29には、図示はしないが、
上記車速センサ32および操舵角センサ33からの情報
に基づいて、旋回時等に理論上発生する横G(車両の中
心点に作用する横加速度)を演算する横G演算手段、上
記横G演算手段によって演算した横G等に基づいて、後
輪21を転舵すべき方向およびその転舵量を決定する後
輪転舵角決定手段、上記後輪転舵角決定手段から受けた
後輪転転舵角情報に基づいてカム体13を回転させるべ
き方向およびその回転量を決定し、かつ上記後輪を後輪
舵角センサ35からのフィードバック信号を受けて、モ
ータドライバ28bを制御するモータ制御手段、上記後
輪舵角センサ35からの後輪転舵角情報(カム体の回転
角情報)を受けて、後輪21が所定の転舵角に達したと
きに、上記電磁ブレーキ31を作動させるブレーキ制御
手段等が設けられている。
【0028】次に、上記構成の四輪操舵装置によって実
現される本願発明の後輪の操舵制御方法を、図2および
図3に記載したフローチャートを参照しながら説明す
る。なお、図2および図3は、一つのフローチャートを
分割したものである。
【0029】イグニッションスイッチキーをONしてエ
ンジンを始動させると、制御手段29は、イニシャライ
ズ(s101)される。ついで、走行時、車速センサ3
2からの車速情報、および操舵角センサ33からのステ
アリング操転舵角情報が読み取られ(s102,s10
9)、これらから、横加速度G(以下、横Gという。)
が演算される(s110)。そして、この横Gの大きさ
等に応じて、後輪21が所定方向に所定角度転舵させら
れる。
【0030】横Gの大きさが、0.1G以下であって
(s112でYES,s113でYES)、シフト位置
がファーストまたはリバースであり(s114でYE
S)、かつステアリングの操舵角が所定位置(たとえば
240°)以上ある場合には(s115でYES)、後
輪21が前輪9に対して逆位相に転舵される(s11
6)。このように、横Gが小さく、また変速機のシフト
位置がファーストまたはリバースにあり、かつステアリ
ングが比較的大きく切られる場合は、概して低速時にお
いてUターン等の旋回を行う場合であり、このときに後
輪21を逆位相に転舵させることにより、車両の回転半
径を小さくして小回り性を向上させることができる。ま
た、この場合、後輪21の転舵角をステアリング3の操
舵角に応じて増減させることにより、ドライバの運転感
覚と車両の挙動を一致させて、ステアリングの操舵フィ
ーリングを向上させることができる。
【0031】一方、横Gの大きさがある範囲にある場合
(s112でYES,s113でNO)、横Gの大きさ
が所定値以下であるが、シフト位置がファーストまたは
リバース以外である場合(s113でNO)、および、
横Gの大きさは、所定値以下であり、かつ、シフト位置
がファーストまたはリバースであるが、ステアリング操
舵角が所定の値より小さい場合(s115でNO)に
は、後輪21は中立位置に戻される(s104)。この
ような場合は、車両が直線走行等する場合であり、後輪
21を中立位置に戻して2WS状態で走行する方が走行
安定性がよいからである。
【0032】横Gの大きさが所定値よりも大きい場合は
(s112でNO)、後輪21は、前輪に対して同位相
に転舵される。横Gの大きさが比較的大きくなる場合
は、概して中・高速域においてレーンチェンジ、あるい
は旋回を行う場合であり、このときに後輪21を同位相
に転舵させることにより、車両の横滑りを抑制し、速や
かな方向転換を可能にして走行安全性を向上させること
ができる。なお、この場合、横Gの大きさに応じて(s
203,s204,s205)、後輪21の同位相方向
の転舵量も制御される(s206,s207,s20
8,s209)。横Gが大きくなるほど車両の横滑りの
傾向も強くなるため、横Gの大きさに応じて後輪21の
転舵量を増減させる必要があるからである。
【0033】また、本実施例においては、後輪21を同
位相に転舵させる場合には、その転舵開始時期を、ステ
アリング操舵(前輪転舵)の開始に対して所定時間遅ら
せ(s201)、かつ、その遅れ時間がステアリングの
操舵角速度が大きいほど長くなるように設定する。これ
により、旋回初期に適切な大きさのヨーイングを促すこ
とができ、また、旋回過渡期において充分なヨー角加速
度を得ることができる。この結果、回頭性が高まり、方
向変換をきびきびと行うことが可能となる。さらに、速
度が高くなるほど上記遅れ時間を小さく設定する。これ
は、高速になるほど舵のききが鈍くなる、言い換えると
ヨーイングの立ち上がりが速くなることから、高速時に
おける遅れ時間を中速時の場合と同じに設定すると、後
輪の転舵が遅れ過ぎるという状況が発生し、かえって走
行安定性が悪くなるからである。
【0034】また、本実施例においては、後輪21を同
位相に転舵するにあたり、ステアリング操舵角速度の大
きさに応じて、後輪21の転舵速度が制御される。(s
202)。すなわち、ステアリングの操舵角速度が大き
くなるほど後輪の転舵速度を大きくするように制御する
ことにより、ドライバの運転感覚と車両の挙動を一致さ
せて、ステアリングの操舵フィーリングを向上させてい
る。
【0035】さて、本実施例においては、図4に示すよ
うに、上記車速センサ32から出力される車速情報およ
び上記後輪舵角センサ35から出力される後輪転舵角情
報に基づいて後輪転舵制御の異常を検出するフェイルセ
イフ回路36を設けている。上記フェイルセイフ回路3
6は、図1および図4に示すように、上記制御手段29
と別個に独立して設けられており、上記車速センサ32
および後輪舵角センサ35からの出力が直接入力される
ように構成されている。なお、本実施例においては、電
動モータ28の回転角あるいは回転位置を検出すること
により間接的に後輪転舵角を検出するように構成されて
いる。
【0036】すなわち、本実施例に係る上記フェイルセ
イフ回路36は、図5に示すように、上記後輪舵角セン
サ35からのパルス信号をカウントして後輪舵角信号を
算出するUP−DOWNカウンタ37と、車速センサ3
2からのパルス信号の平均パルス幅から車速信号を算出
する車速信号算出手段38とを備える。また、上記フェ
イルセイフ回路36は、しきい角設定スイッチ39によ
ってあらかじめ設定されたしきい角信号と上記UP−D
OWNカウンタ37によって検出された後輪舵角信号と
をデジタル的に比較し、後輪転舵角が所定のしきい角
(たとえば、1.25°)より大きい場合に出力信号を
発生する比較手段40と、上記車速信号算出手段38に
よって算出された車速信号とあらかじめ設定された車速
(たとえば、20km/h)に対応するしきい車速信号
とを比較し、車速がしきい車速より大きい場合に出力信
号を発生する比較手段41とを備えている。
【0037】なお、実施例においては、信頼性を向上さ
せるため、車速センサ32を二つ設けるとともに、これ
ら車速センサ32,32に対応して車速信号算出手段3
8および比較手段41をそれぞれ二つずつ設けている。
そして、二つの比較手段41,41のうち一方の比較手
段から信号が発生した場合に出力信号を発生するOR回
路42を設け、一方の車速センサが万一故障しても、フ
ェイルセイフ回路36が作動するように構成している。
さらに、上記比較手段40からの出力信号と、上記OR
回路42からの出力信号の双方の出力信号があった場合
に信号を発生するアンド回路43を設けている。
【0038】すなわち、後輪転舵角および車速が所定の
しきい値を越えた場合にのみフェイルセイフ回路36か
らの信号が出力されるように構成されている。そして上
記アンド回路43から出力された信号は、制御出力手段
46に入力され、ここから出力される制御出力によって
電動モータ28の作動を停止させるOFFリレー44お
よび電磁ブレーキ31を作動させるONリレー45が同
時に作動させられる。
【0039】本実施例においては、上記OFFリレー4
4は、図4に示すように、上記電動モータ28を駆動す
るモータドライバ28bと電動モータ28との間に設け
られており、上記フェイルセイフ回路36からの制御出
力によりモータドライバ28bと電動モータ28との間
の回路を開いて、電動モータ28の駆動を停止するよう
に構成されている。すなわち、上記OFFリレー44に
よって、モータドライバ28bの駆動出力のいかんにか
かわらず、電動モータ28の駆動を強制的に停止するの
である。
【0040】一方、上記ONリレー45は、電磁ブレー
キ31とバッテリー48との間に設けられており、上記
フェイルセイフ回路36からの制御出力によって上記電
磁ブレーキ31とバッテリー48との間の回路を閉じ
て、電磁ブレーキ31を駆動させる。すなわち、上記O
Nリレー45によって、上記制御手段29の出力のいか
んにかかわらず、電磁ブレーキ31を強制的に作動させ
るのである。なお、上記リレー45として、タイマリレ
ーを採用し、電磁ブレーキ31を所定時間(たとえば、
1秒間)だけ作動させるように構成してもよい。また、
実施例においては、上記フェイルセイフ回路36が作動
した場合、運転者に異常を知らせる異常警報手段50が
設けられている。
【0041】上記制御手段29において、車速が後輪同
位相転舵領域内(20km/h以上)であるにもかかわ
らず、後輪21が所定の転舵角以上(1.25°以上)
に転舵させられている場合には、上記制御手段29によ
って行われている制御に異常がある場合である。この場
合には、後輪転舵機構10の制御をストップさせて、た
だちに2WSの状態に保持するのである。上記制御によ
り、異常な制御が行われている場合には、後輪の転舵角
度をその状態に保持し、それ以上の後輪転舵が行われな
いように構成している。そして、後輪21が中立位置に
もどされた状態で、かつエンジンが再びスタートされる
まで後輪21の転舵制御が行われないように構成してい
る。
【0042】上記構成によって、制御手段29の異常を
いち早く検出するとともに、ただちに、後輪21の制御
をストップさせることができるため、走行安定性が大き
く害されるというようなことはなくなる。しかも、上記
同位相転舵領域において許容される後輪の最大転舵角
(1.2°)は、逆位相転舵制御領域おいて許容される
最大転舵角よりはるかに小さく、この小さい後輪転舵角
を基準としてしきい舵角(1.25°)を設定できるた
め、走行安定性が大きく低下する前にフェイルセイフ機
能を発揮させることができる。
【0043】また、上記車速情報は、制御手段29に入
力される最も基本的な入力情報であり、また、上記後輪
転舵角情報は、制御手段29によって達成される最も基
本的な出力情報である。しかも、車速を検出する車速セ
ンサ32および後輪転舵角を検出する後輪舵角センサ3
5は非常に信頼性が高く、故障が生じにくい。このた
め、制御回路が異常であるか否かをきわめて信頼性高く
判断することが可能となる。さらに、比較手段40,4
1およびアンド回路43等のきわめて簡単な回路構成で
フェイルセイフ回路36を構成することができるため、
フェイルセイフ回路36自体の故障等もきわめて少な
い。
【0044】さらにまた、上記フェイルセイフ回路36
は、制御回路29と別途に独立して設けられており、し
かも、上記車速センサ32および後輪舵角センサ35の
出力が直接フェイルセイフ回路36に入力されるように
構成されている。このため、制御手段29に異常が生じ
てもその影響を受けることは全くない。このため、制御
手段29の異常を確実かつ迅速に判断することができる
とともに、信頼性がきわめて高いものとなる。
【0045】加えて、制御手段29の異常を発見した場
合、ただちに電動モータ28を停止させ、2WSに切り
換えることができる。このため、きわめて簡単な制御に
よって、走行安定性の低下を防止し、フェイルセイフ機
能を発揮させることができる。
【0046】図7に、本願発明の第二の実施例に係るシ
ステムブロック図を示す。第一の実施例においては、車
速センサ35から検出される車速情報および後輪舵角セ
ンサ35から出力される後輪転舵角情報に基づいて後輪
転舵制御の異常を検出したが、図7に示すように、車速
センサ32および操舵角センサ33に換えて、横Gセン
サ47を設け、この横Gセンサ47から直接出力される
横Gの情報に基づいて後輪の転舵制御を行うとともに、
後輪転舵制御の異常を検出することもできる。すなわ
ち、図2に示すように、横Gが所定の値以上(実施例に
おいては、0.2G以上)である場合、後輪21は同位
相に転舵されているという関係を利用したものであり、
この横加速度情報と後輪舵角センサ35によって検出さ
れる後輪転舵角情報にもとづいて、上記第一の実施例と
同様のフェイルセイフ機能を備えるフェイルセイフ回路
36aを構成することができる。
【0047】本願発明の範囲は上述の実施例に限定され
ることはない。実施例においては、同位相領域内におけ
る後輪転舵角の最大値を1.2°に設定するとともに、
フェイルセイフ回路が作動するしきい舵角を1.25°
に設定したが、これらの値も車両の特性等に応じて変更
することができる。また、フローチャートにおいて示し
た横Gの基準等は、大まかなものであり、さらに細分化
して後輪転舵条件を定めることもできる。また、四輪操
舵装置の構造についても特に限定を受けるものではな
く、たとえば、後輪が油圧アクチュエイター等によって
駆動させられる四輪操舵装置にも本願発明を適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例に係る四輪操舵車両の全体構
成の概略を示した図である。
【図2】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本願発明に係る制御方法の一例を示すシステム
ブロック図である。
【図5】本願発明に係るフェイルセイフ回路の一例を示
すシステムブロック図である。
【図6】実施例に係るカム体およびカムフォロアを図1
の矢印A方向から見た図であり、カム機構の動作を示す
ための図である。
【図7】本願発明の第二の実施例を示すシステムブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 前輪転舵機構 3 ステアリングホイール 9 前輪 10 後輪転舵機構 28 電動モータ 29 制御手段 32 車速センサ 35 後輪舵角センサ 36,36a フェイルセイフ回路 47 横Gセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 117:00 125:00 (72)発明者 稲葉 隆史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−189278(JP,A) 特開 平3−114973(JP,A) 特開 昭61−218483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング操作に応じて前輪を転舵す
    る前輪転舵機構と、制御手段によって制御される電動モ
    ータで駆動される後輪転舵機構とを備え、上記制御手段
    は、少なくとも車速センサから出力される車速情報およ
    び後輪舵角センサから出力される後輪転舵角情報に基づ
    いて上記電動モータの制御を行うように構成されている
    四輪操舵装置において、フェイルセイフ回路を上記制御手段とは別途に設け、こ
    のフェイルセイフ回路は、上記車速センサから出力され
    る車速情報および上記後輪舵角センサから出力される後
    輪転舵角情報に基づき、車速が所定の値以上であって、
    後輪が所定のしきい舵角を超えて転舵されているときを
    もって上記制御手段の異常を検出するとともに、上記電
    動モータの駆動を停止することを 特徴とする、四輪操舵
    装置。
  2. 【請求項2】 ステアリング操作に応じて前輪を転舵す
    る前輪転舵機構と、制御手段によって制御される電動モ
    ータで駆動される後輪転舵機構とを備え、上記制御手段
    は、少なくとも横Gセンサから出力される横加速度情報
    および後輪舵角センサから出力される後輪転舵角情報に
    基づいて上記電動モータの制御を行うように構成されて
    いる四輪操舵装置において、フェイルセイフ回路を上記制御手段とは別途に設け、こ
    のフェイルセイフ回路は、上記横Gセンサから出力され
    る横加速度情報および後輪舵角センサから出力される後
    輪転舵角情報に基づき、横Gが所定の値以上であって、
    後輪が所定のしきい舵角を超えて転舵されているときを
    もって上記制御手段の異常を検出するとともに、上記電
    動モータの駆動を停止することを 特徴とする、四輪操舵
    装置。
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JP5260100B2 (ja) * 2008-03-24 2013-08-14 本田技研工業株式会社 後輪転舵制御装置の異常監視装置
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