JP2006306326A - 操舵制御装置及び操舵制御方法 - Google Patents

操舵制御装置及び操舵制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 前後輪の舵角を制御可能な操舵制御装置において、前輪もしくは後輪の一方のアクチュエータの異常を検出したとしても、車両性能及びロバスト性の低下を回避可能な操舵制御装置及び操舵制御方法を提供すること。
【解決手段】 車両の走行状況に基づいて、前輪操舵手段及び後輪操舵手段を用いる挙動制御則により前後輪舵角を制御する操舵制御装置において、一方の操舵手段の異常が検出されたときは、正常な操舵手段のみを用いる挙動制御則により正常な操舵手段の舵角を制御する状態へ遷移させ、この遷移過程を、車両の走行状況に基づいて制御することとした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、前輪と後輪に所望の車両特性を達成可能な補助舵角を付与する操舵制御装置及び操舵制御方法の技術分野に属する。
従来、運転者のステアリングホイール操舵角に対し、電動モータにより作動するアクチュエータを介して補助舵角を付与し、ステアリング操舵角と前輪転舵角の間のギヤ比(前輪転舵角/操舵角)を変更する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、アクチュエータが異常(例えば過熱状態)となったときは、制御停止温度に達する前から徐々にギヤ比を小さく(スローに)することで、応答性を確保しつつ過熱を防止している。
特開2003−182622号公報
上記技術思想を、前後輪舵角制御システムを備えた車両に適用する場合、下記に示す問題があった。前後輪舵角制御システムでは、所望の車両挙動を得るべく、前輪側のギヤ比と後輪舵角を演算しているため、前輪側のギヤ比を徐々に小さく(スローに)し、後輪舵角を制御するアクチュエータは通常制御を継続すると、最適な車両挙動が得られない虞があった。また、一方のアクチュエータにささいな異常が発生する度に他方のアクチュエータも停止する構成とすると、車両の操舵特性が頻繁に変化するといったロバスト性の低下を招く虞があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、前後輪の舵角を制御可能な操舵制御装置において、前輪もしくは後輪の一方のアクチュエータの異常を検出したとしても、車両性能及びロバスト性の低下を回避可能な操舵制御装置及び操舵制御方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、ステアリング操舵角と操向輪転舵角との間のギヤ比を変更可能な前輪操舵手段と、後輪舵角を変更可能な後輪操舵手段と、車両の走行状況に基づいて、前記前輪操舵手段及び前記後輪操舵手段を用いる挙動制御則により目標前後輪舵角制御量を出力する前後輪制御手段と、を備えた操舵制御装置において、前記前輪操舵手段と前記後輪操舵手段の異常を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により一方の操舵手段の異常が検出されたときは、正常な操舵手段のみを用いる挙動制御則により正常な操舵手段に対し目標舵角制御量を出力する異常時制御手段と、車両の走行状況に基づいて、前記前後輪制御手段から前記異常時制御手段への遷移過程を制御する遷移制御手段と、を備えた。
本発明の操舵制御装置にあっては、一方の操舵手段の異常が検出されたとしても、正常な操舵手段により挙動制御を継続することでロバスト性の向上を図ることができる。また、遷移制御手段により車両の走行状況に基づいて遷移過程を制御することが可能となり、車両性能の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
[車両用操舵制御装置のシステム構成]
図1は実施例1の操舵制御装置のシステム構成図である。運転者が操舵するステアリングホイール1には、車体側に回転可能に支持されるとともにステアリングホイール1に接続されたステアリングシャフト2が接続されている。
ステアリングシャフト2には、運転者の操舵角θdを検出する操舵角センサ8が設けられ、操舵角θdをコントロールユニット100へ出力する。また、操舵角センサ8よりも前輪20側には、ギヤ比(前輪転舵角に対する運転者の操舵角θdの比)を変更する可変舵角アクチュエータ3(前輪操舵手段に相当)が設けられている。この可変舵角アクチュエータ3には、前輪モータ3aが設けられ、前輪モータ回転角θmfを操舵角θdに対し加減算することでギヤ比を変更する。
前輪モータ3aにはエンコーダ10が設けられ、前輪モータ3aの回転角θmfがコントロールユニット100へ出力される。可変舵角アクチュエータ3の前輪20側には、ピニオン4が設けられ、所謂ラック&ピニオン機構によってラック軸5を軸方向左右に移動させ、前輪20を操舵する。
後輪30には、後輪舵角を付与する後輪操舵アクチュエータ6(後輪操舵手段に相当)が設けられている。後輪操舵アクチュエータ6には、後輪30に対し舵角を付与する後輪モータ6aが設けられている。この後輪モータ6aには、後輪舵角に相当する後輪モータ回転角θmrを検出するエンコーダ11が設けられ、後輪モータ6aの回転角θmrがコントロールユニット100へ出力される。また、車速センサ7が設けられ、検出された車速VSPがコントロールユニット100へ出力される。また、前輪モータ3aや後輪モータ6aのモータ温度を検出する温度センサSGが設けられ、検出されたセンサ信号がコントロールユニット100へ出力される。尚、温度センサに限らず、モータ電流値を検出する電流センサ等を有する各種センサが入力されるものとし、特に限定しない。
[コントロールユニットの制御構成]
図2はコントロールユニット100の構成を表すブロック図である。コントロールユニット100は、メインコントローラ100aと、前輪操舵コントローラ100bと、後輪操舵コントローラ100cから構成されている。
メインコントローラ100a内には、操舵角センサ8及び車速センサ7の検出値θd及びVSPに基づいて目標ヨーレイトと目標横速度を生成する目標値生成部110と、目標ヨーレイトと目標横速度に基づいて目標前輪舵角θ*p及び目標後輪舵角δ*を出力する目標出力値生成部120から構成されている。
前輪操舵コントローラ100bは、目標出力値生成部120から出力された目標前輪舵角θ*pに基づいて前輪操舵アクチュエータとしての前輪モータ3aに舵角指令値を出力し、前輪モータ3aとの間でサーボ制御を実行する。
後輪操舵コントローラ100cは、目標出力値生成部120から出力された目標後輪舵角δ*に基づいて後輪操舵アクチュエータとしての後輪モータ6aに舵角指令値を出力し、後輪モータ6aとの間でサーボ制御を実行する。
図3は目標値生成部110の制御ブロック図、図4は目標出力値生成部120の制御ブロック図である。
目標値生成部110は、車両モデル演算部111と、前後輪操舵用目標値演算部112(前後輪制御手段に相当)と、前輪操舵用目標値演算部113(異常時制御手段に相当)と、後輪操舵用目標値演算部114(異常時制御手段に相当)とを有する。車両モデル演算部111は、操舵角θdと車速VSPから2輪モデルを用いて車両パラメータを演算する。前後輪操舵用目標値演算部112,前輪操舵用目標値演算部113,及び後輪操舵用目標値演算部114では、車両パラメータから各演算部に応じた車両の目標ヨーレートと目標横速度を決定する。
目標出力値生成部120は、前後輪操舵用制御演算部121(前後輪制御手段に相当)と、前輪操舵用制御演算部122(異常時制御手段に相当)と、後輪操舵用制御演算部123(異常時制御手段に相当)とを有し、これら各演算部121,122,123は、目標ヨーレートと目標横速度から、前後輪操舵用目標前後輪舵角、前輪操舵用目標前輪舵角、後輪操舵用目標後輪舵角を決定する。
次に、目標値生成部110及び目標出力値生成部120の演算内容について説明する。
[車両モデル演算]
車両モデル演算部111で実行される車両パラメータ演算について説明する。
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨーレートと横速度は、下記の式(1)で表せる。
Figure 2006306326
ここで、
Figure 2006306326
Figure 2006306326
である。
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレート、横速度の伝達関数を求めると、下記の式(3),(4)となる。
Figure 2006306326
Figure 2006306326
Figure 2006306326
ヨーレート伝達関数は、式(3)より下記の式(5)と表される。
Figure 2006306326
ここで、
Figure 2006306326
である。
同様に、横速度伝達関数は、式(4)より下記の式(7)と表される。
Figure 2006306326
ここで、
Figure 2006306326
である。
以上から、車両パラメータ
Figure 2006306326

が求められる。
[目標値演算]
目標値生成部110で実行される目標値演算について説明する。
まず、車体速、車両パラメータと後述する目標値パラメータから、目標ヨーレートψ'*と目標横速度Vy *を求める。
目標ヨーレートψ'*は、式(5)から下記の式(9)により表される。
Figure 2006306326
目標横速度Vy *は、式(7)から下記の式(10)により表される。
Figure 2006306326
〔目標特性決定〕
ここで、各目標値演算部112,113,114の目標特性パラメータは、下記の式(11)〜(13)で表される。
(1)前後輪操舵用パラメータ
Figure 2006306326
ただし、yrate_gain_map1,yrate_omegn_map1,yrate_zeta_map1,yrate_zero_map1,vy_gain_map1,vy_omegn_map1,vy_zeta_map1,vy_zero_map1は前後輪操舵用チューニングパラメータである。
(2)前輪操舵用パラメータ
Figure 2006306326
ただし、yrate_gain_map2,yrate_omegn_map2,yrate_zeta_map2,yrate_zero_map2,vy_gain_map2,vy_omegn_map2,vy_zeta_map2,vy_zero_map2は前輪操舵用チューニングパラメータである。
(3)後輪操舵用パラメータ
Figure 2006306326
ただし、yrate_gain_map3,yrate_omegn_map3,yrate_zeta_map3,yrate_zero_map3,vy_gain_map3,vy_omegn_map3,vy_zeta_map3,vy_zero_map3は後輪操舵用チューニングパラメータである。
〔目標前後輪舵角演算〕
(1)前後輪操舵用目標前後輪舵角演算
前後輪操舵時は、ヨーレイト及び横加速度制御であるため、前後輪操舵用目標前輪舵角θFR *と前後輪操舵用目標後輪舵角δFR *は下記式(14),(15)より求められる。
Figure 2006306326
Figure 2006306326
(2)前輪操舵用目標前後輪舵角演算
前輪操舵時(後輪操舵停止)はヨーレイト制御とすると、前輪操舵用目標前輪舵角θF *と前輪操舵用目標後輪舵角δF *は下記式(16),(17)より求められる。
Figure 2006306326
Figure 2006306326
ただし、この実施例では前輪制御時はヨーレイト制御としたが、横速度制御を用いてもよく制御方式は特に限定しない。
(3)後輪操舵用目標前後輪舵角演算
後輪操舵時(前輪操舵停止)はヨーレイト制御とすると、後輪操舵用目標前輪舵角θR *と後輪操舵用目標後輪舵角δR *は下記式(18),(19)より求められる。
Figure 2006306326
Figure 2006306326
ただし、この実施例では後輪制御時はヨーレイト制御としたが、横速度制御を用いてもよく制御方式は特に限定しない。
〔制御切換演算〕
次に、制御切換演算部124について説明する。制御切換演算部124には、システムの異常を検出する異常検出部124a(異常検出手段に相当)と、各制御演算部121,122,123間の遷移過程を制御する遷移制御部124b(遷移制御手段に相当)を有する。
〔異常検出について〕
異常検出部124aでは、可変舵角アクチュエータ3の前輪モータ3aや、後輪操舵アクチュエータ6の後輪モータ6aのモータ温度、モータ電流値やモータ回転角等を検出し、可変舵角アクチュエータ3もしくは後輪操舵アクチュエータ6を即座に停止(即時停止)する異常かどうかを判断する。具体的にはモータ電流値の異常や、モータ回転角が検出できないといったときは、即座に制御を停止する異常と判断する。
一方、モータ温度の上昇といった場合は、制御を即座に停止する必要がないが、モータ温度を低下させるように適宜制御を停止した方がよい暫定異常(一時停止)と判断する。このとき、モータ温度に対して第1の異常判定閾値TLと第2の異常判定閾値TH(>TL)を有し、モータ温度が第1の異常判定閾値TLを越えると、第2の異常判定閾値THに上昇するまでの間に遷移が完了するように制御される。
〔暫定異常からの復帰条件について〕
この暫定異常は、例えばモータ温度の上昇による場合には、モータ温度が低下すれば、再度制御を開始することができる所謂復帰可能な異常である。よって、異常検出部124aでは、暫定異常状態において、モータ温度を監視し、モータ温度が復帰判定閾値TRよりも低くなったかどうかによって、正常状態に復帰可能かどうかについても検出している。ここで、正常状態への復帰時は、モータ温度に加えて、運転者の操舵角θd及び操舵角速度(dθd/dt)を監視し、操舵状態が中立近傍で安定しているかどうかを判定する。
すなわち、略中立位置を表す所定範囲内(−θg<θd<θg)かどうかを判定し、かつ、ほとんど操舵していない状態を表す所定値未満(|dθd/dt|<P)かどうかを判定し、両条件が成立したときは、一気に正常状態に復帰させる。操舵状態が中立近傍で安定していれば、基本的に前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *もほとんど出力されていない状態であり、制御を一気に復帰させたとしても車両挙動に何ら影響を与えることがない。
〔正常状態から暫定異常への遷移について〕
遷移制御部124bでは、異常検出部124aにおいて検出された異常の種類が暫定異常の場合、各制御演算部121,122,123間を遷移させると共に、車両の走行状況に基づいて遷移過程を制御する。尚、本実施例では、一方が復帰不能で、即時停止により停止する異常の場合には、基本的に両方の制御を即座に停止することとしているが、制御可能な他方を継続して制御してもよく特に限定しない。異常検出部124aにおいて暫定異常が検出されたときは、前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *から前輪操舵用目標前後輪舵角θF *,δF *もしくは後輪操舵用目標前後輪舵角θR *,δR *に遷移させる。
ここで、遷移過程における遷移時目標前輪舵角θc *及び遷移時目標後輪舵角δc *は、次の各式により表される。
・前輪システムに暫定異常が発生した場合
θc *=θFR *−(θFR *−θR *)×{(TH−TL)/100}×Mf
δc *=δFR *−(δFR *−δR *)×{(TH−TL)/100}×Mr
・後輪システムに暫定異常が発生した場合
θc *=θFR *−(θFR *−θF *)×{(TH−TL)/100}×Mf
δc *=δFR *−(δFR *−δF *)×{(TH−TL)/100}×Mr
ただし、Mfは遷移時の目標前輪舵角特性を設定するゲインであり、Mrは遷移時の目標後輪舵角特性を設定するゲインである。ゲイン特性については後述する。
〔目標前輪舵角の遷移について〕
図6は遷移時の目標前輪舵角特性を設定するゲインMfとモータ温度との関係を表す前輪側遷移特性マップである。図6の前輪側の遷移特性マップF1に示すように、目標前輪舵角の遷移では、車両安定性をより確保するように遷移させる。例えば、通常制御状態における前後輪操舵用目標前後輪舵角のうち、前輪舵角が運転者の操舵角θdよりも減算された切り戻し側にあるときは、遷移開始時点においては極力切り戻し状態を維持するように、言い換えると図6中下に凸の関係となるように遷移させる。一方、前輪舵角が運転者の操舵角θdよりも加算された切り増し側にあるときは、遷移開始時点においては早めに切り戻し状態となるように、言い換えると図6中上に凸の関係となるように遷移させる。よって、目標前輪舵角は、遷移特性として、切り戻し傾向が強まるように徐々に変更される。この遷移特性は、ヨーレイトが減少する傾向であり、車両安定性をより確保することができる。
〔目標後輪舵角の遷移について〕
図7は遷移時の目標後輪舵角特性を設定するゲインMfとモータ温度との関係を表す後輪側遷移特性マップである。図7の後輪側の遷移特性マップR1に示すように、目標後輪舵角の遷移では、車両安定性をより確保するように遷移させる。例えば、通常制御状態における前後輪操舵用目標前後輪舵角のうち、後輪舵角が前輪転舵角に対して同相側にあるときは、遷移開始時点においては極力同相を維持するように、言い換えると図7中下に凸の関係となるように遷移させる。一方、後輪舵角が前輪転舵角に対して逆相側にあるときは、遷移開始時点においては早めに同相状態となるように、言い換えると図7中上に凸の関係となるように遷移させる。よって、目標後輪舵角は、遷移特性として、同相傾向が強まるように徐々に変更される。この遷移特性は、ヨーレイトが減少する傾向であり、車両安定性をより確保することができる。
〔目標出力値生成制御処理〕
図5は目標出力値生成部120における制御処理を表すフローチャートである。
ステップ201では、操舵角θdと車速VSPから前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *と、前輪操舵用目標前後輪舵角θF *,δF *と、後輪操舵用目標前後輪舵角θR *,δR *を計算する。
ステップ202では、各種センサ値からシステム作動状態を判断し、異常のときはステップ217に進み、全てのシステムを停止する。一方、暫定異常のときはステップ203に進む。
ステップ203では、前輪操舵制御システム(可変舵角アクチュエータ3等)に異常が発生したかどうかを判断し、前輪操舵制御システムに異常が発生したときはステップ204に進み、それ以外のときはステップ209へ進む。
ステップ204では、目標前後輪舵角をシステム作動状態(本実施例ではモータ温度)に応じて後輪側遷移特性に沿って、徐々に前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *から後輪操舵用目標前後輪舵角θR *,δR *へ遷移させる。
ステップ205では、後輪操舵用目標前後輪舵角θR *,δR *に基づいて、後輪操舵制御を実行する。
ステップ206では、暫定異常が解消したか、すなわちモータ温度が復帰判定閾値TRよりも低下したかどうかを判断し、復帰可能なときはステップ207へ進み、それ以外のときはステップ204〜ステップ206を繰り返す。
ステップ207では、目標前後輪舵角をシステム作動状態(本実施例では操舵角θdが0°を中心として所定範囲内であって、かつ、操舵角速度dθd/dtの絶対値が所定値未満)のときは、後輪操舵用目標前後輪舵角θR *,δR *から前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *へ一気に復帰させる。
ステップ208では、復帰が完了したかどうかを判断し、復帰が完了するまでステップ207を繰り返し、復帰が完了したときは本制御フローを終了する。
ステップ209では、後輪操舵制御システム(後輪操舵アクチュエータ6等)に異常が発生したかどうかを判断し、後輪操舵制御システムに異常が発生したときはステップ210に進み、それ以外のときはステップ215へ進む。
ステップ210では、目標前後輪舵角をシステム作動状態に応じて(本実施例ではモータ温度)に応じて前輪側遷移特性に沿って、徐々に前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *から前輪操舵用目標前後輪舵角θF *,δF *へ遷移させる。
ステップ205では、前輪操舵用目標前後輪舵角θF *,δF *に基づいて、前輪操舵制御を実行する。
ステップ206では、暫定異常が解消したか、すなわちモータ温度が復帰判定閾値TRよりも低下したかどうかを判断し、復帰可能なときはステップ213へ進み、それ以外のときはステップ210〜ステップ212を繰り返す。
ステップ213では、目標前後輪舵角をシステム作動状態に応じて、(本実施例では操舵角θdが0°を中心として所定範囲内であって、かつ、操舵角速度dθd/dtの絶対値が所定値未満)のときは、前輪操舵用目標前後輪舵角θF *,δF *から前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *へ一気に復帰させる。
ステップ214では、復帰が完了したかどうかを判断し、復帰が完了するまでステップ213を繰り返し、復帰が完了したときは本制御フローを終了する。
ステップ215では、目標前後輪舵角として前後輪操舵用目標前後輪舵角θFR *,δFR *を使用し、ステップ216では、前後輪制御を実行する。
〔目標出力値生成制御処理の作用〕
次に、上記制御処理の作用について、図8のタイムチャートに基づいて説明する。図8は、前輪操舵制御システムである前輪モータ3aの温度が上昇し、暫定異常と判定された場合の前輪側の操舵角に対するギヤ比と、後輪側の操舵角に対するギヤ比との関係を表すタイムチャートである。
時刻t1において、前輪モータ3aの温度が第1の異常判定閾値TLを越えると、暫定異常と判断して前輪側のギヤ比を、前後輪操舵用目標前輪舵角θFR *と操舵角θdによる通常ギヤ比から、遷移時目標前輪舵角θC *と操舵角θdとのギヤ比に変更を開始する。同時に、後輪側のギヤ比を、前後輪操舵用目標後輪舵角δFR *と操舵角θdによる通常ギヤ比から、遷移時目標後輪舵角δC *と操舵角θdとのギヤ比に変更を開始する。
本タイムチャートの場合、前輪舵角が運転者の操舵角θdよりも加算された切り増し側にあるため、遷移開始時点においては早めに切り戻し状態となるように、目標前輪舵角は、遷移特性として、切り戻し傾向が強まるように徐々に変更される。この遷移特性は、ヨーレイトが減少する傾向であり、車両安定性をより確保することができる。
また、後輪舵角が前輪転舵角に対して同相側にあるとため、遷移開始時点においては極力同相を維持するように遷移させる。よって、目標後輪舵角は、遷移特性として、同相傾向が強まるように徐々に変更される。この遷移特性は、ヨーレイトが減少する傾向であり、車両安定性をより確保することができる。
遷移時目標前後輪舵角θC *及びδC *は、モータ温度が第2の異常判定閾値THとなると遷移が完了するように遷移特性が設定される。よって、モータ温度が第2の異常判定閾値THとなる時刻t2において、前輪側のギヤ比は制御停止状態の1に遷移が完了し、後輪側のギヤ比は後輪操舵用のギヤ比に遷移が完了する。
その後、時間の経過と共に前輪モータ3aの温度が低下し始め、時刻t3において、復帰判定閾値TRを下回り、かつ、操舵状態が中立近傍で安定しているときに一気に前輪側及び後輪側の制御が異常時制御から通常制御に切り換えられ、車両挙動に影響を与えることなく再び前後輪操舵制御が開始される。
以下、本実施例の作用効果について列挙する。
(1)異常検出部124aにおいて、一方の操舵アクチュエータ等の異常が検出されたときは、異常時制御として、正常な操舵アクチュエータのみを用いる挙動制御則により正常な操舵アクチュエータに対し目標舵角制御量を出力することとした。また、遷移制御部124bにおいて、車両の走行状況に基づいて、前後輪制御から異常時制御への遷移過程を制御することとした。よって、一方の操舵アクチュエータ等の異常が検出されたとしても、正常な操舵アクチュエータにより挙動制御を継続することでロバスト性の向上を図ることができる。また、遷移制御により車両の走行状況に基づいて遷移過程を制御することで、不安定な挙動変化を回避することが可能となり、車両性能の向上を図ることができる。
(2)一時停止でシステムを停止する暫定異常が検出されたときは、前輪操舵アクチュエータと後輪操舵アクチュエータの両方の遷移過程を制御することとした。よって、更に安全サイドで制御を遷移させることが可能となり、車両性能の向上を図ることができる。
(3)暫定異常から正常状態へと復帰可能と検出され、かつ、操舵状態が中立近傍で安定しているときに、異常時制御手段から前後輪制御手段への遷移を実行することとした。よって、運転者に違和感を与えることなく素早く制御を復帰することができる。
(4)遷移制御部124bは、前後輪操舵制御手段による目標前輪舵角制御量から異常時制御手段による前輪舵角制御量への遷移特性を、切り戻し傾向が強まるように徐々に変更する特性とした。よって、制御の遷移に伴うヨーレイトの発生を抑制することが可能となり、車両の安定性を更に高めることができる。
(5)遷移制御部124bは、前後輪操舵制御手段による目標前輪舵角制御量から異常時制御手段による後輪操舵制御量への遷移特性を、前輪転舵角に対する同相傾向が強まるように徐々に変更する特性とした。よって、制御の遷移に伴うヨーレイトの発生を抑制することが可能となり、車両の安定性を更に高めることができる。
実施例1の操舵制御装置を示す全体システム図である。 前輪転舵コントローラの制御ブロック図である。 目標値生成部の制御ブロック図である。 目標出力値生成部の制御ブロック図である。 目標出力値生成制御処理を表すフローチャートである。 実施例1における遷移時の目標前輪舵角特性を設定するゲインMfとモータ温度との関係を表す前輪側遷移特性マップである。 実施例1における遷移時の目標後輪舵角特性を設定するゲインMrとモータ温度との関係を表す後輪側遷移特性マップである。 実施例1における前輪操舵制御システムの異常時における遷移制御を表すタイムチャートである。
符号の説明
SG 温度センサ
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a 前輪モータ
3 可変舵角アクチュエータ
6a 後輪モータ
6 後輪操舵アクチュエータ
7 車速センサ
8 操舵角センサ
100 コントロールユニット
100a メインコントローラ
100b 前輪操舵コントローラ
100c 後輪操舵コントローラ
110 目標値生成部
112 前後輪操舵用目標値演算部
113 前輪操舵用目標値演算部
114 後輪操舵用目標値演算部
120 目標出力値生成部
121 前後輪操舵用制御演算部
122 前輪操舵用制御演算部
123 後輪操舵用制御演算部
124 制御切換演算部
124a 異常検出部
124b 遷移制御部

Claims (6)

  1. ステアリング操舵角と前輪転舵角との間のギヤ比を変更可能な前輪操舵手段と、
    後輪舵角を変更可能な後輪操舵手段と、
    車両の走行状況に基づいて、前記前輪操舵手段及び前記後輪操舵手段を用いる挙動制御則により目標前後輪舵角制御量を出力する前後輪制御手段と、
    を備えた操舵制御装置において、
    前記前輪操舵手段と前記後輪操舵手段の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により一方の操舵手段の異常が検出されたときは、正常な操舵手段のみを用いる挙動制御則により正常な操舵手段に対し目標舵角制御量を出力する異常時制御手段と、
    車両の走行状況に基づいて、前記前後輪制御手段から前記異常時制御手段への遷移過程を制御する遷移制御手段と、
    を備えたことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記各操舵手段を即時停止する異常かどうか、もしくは一時停止する暫定異常かどうかを検出する手段であり、
    前記遷移制御手段は、前記異常検出手段により暫定異常が検出されたときは、前記前輪操舵手段と前記後輪操舵手段の両方の遷移過程を制御することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の操舵制御装置において、
    前記異常検出手段は、前記各操舵手段を正常状態に復帰可能な異常かどうか、及び復帰可能な異常状態から正常状態に復帰可能な状態かどうかを検出する手段であり、
    前記遷移制御手段は、前記異常検出手段により復帰可能な状態と検出され、かつ、操舵状態が中立近傍にあるときに、前記異常時制御手段から前記前後輪制御手段への遷移を実行することを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の操舵制御装置において、
    前記遷移制御手段は、前後輪操舵制御手段による目標前輪舵角制御量から異常時制御手段による前輪舵角制御量への遷移特性を、切り戻し傾向が強まるように徐々に変更する特性としたことを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の操舵制御装置において、
    前記遷移制御手段は、前後輪操舵制御手段による目標前輪舵角制御量から異常時制御手段による後輪操舵制御量への遷移特性を、前輪転舵角に対する同相傾向が強まるように徐々に変更する特性としたことを特徴とする操舵制御装置。
  6. 車両の走行状況に基づいて、前輪操舵手段及び後輪操舵手段を用いる挙動制御則により前後輪舵角を制御する操舵制御方法において、
    一方の操舵手段の異常が検出されたときは、正常な操舵手段のみを用いる挙動制御則により正常な操舵手段の舵角を制御する状態へ遷移させ、この遷移過程を、車両の走行状況に基づいて制御することを特徴とする操舵制御方法。
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