JPH05244968A - α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造法 - Google Patents
α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造法Info
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- JPH05244968A JPH05244968A JP4183699A JP18369992A JPH05244968A JP H05244968 A JPH05244968 A JP H05244968A JP 4183699 A JP4183699 A JP 4183699A JP 18369992 A JP18369992 A JP 18369992A JP H05244968 A JPH05244968 A JP H05244968A
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- C12P7/62—Carboxylic acid esters
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- C07C231/00—Preparation of carboxylic acid amides
- C07C231/06—Preparation of carboxylic acid amides from nitriles by transformation of cyano groups into carboxamide groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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- C12P13/02—Amides, e.g. chloramphenicol or polyamides; Imides or polyimides; Urethanes, i.e. compounds comprising N-C=O structural element or polyurethanes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドを効率よく生産し、該アミドを用いて、
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸を生産する。 【構成】アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドを生成する能力を有する微生物の培養
液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてアセトン
シアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソブチル
アミドを生産する。また、該アミドと水及び/または脂
肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、150℃の温度で
気相または気液混合相で反応させてα,β−不飽和カル
ボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和
カルボン酸を生産する。
ソブチルアミドを効率よく生産し、該アミドを用いて、
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸を生産する。 【構成】アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドを生成する能力を有する微生物の培養
液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてアセトン
シアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソブチル
アミドを生産する。また、該アミドと水及び/または脂
肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、150℃の温度で
気相または気液混合相で反応させてα,β−不飽和カル
ボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和
カルボン酸を生産する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトンシアンヒドリ
ンからα−ヒドロキシイソブチルアミドを製造する方
法,並びに該アミドからα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を製造する方法に関する。α−ヒドロキシイソブチルア
ミドは、メチルメタクリレートの中間原料として、また
メチルメタクリレートはアクリル樹脂の原料として工業
的に有用な物質である。
ンからα−ヒドロキシイソブチルアミドを製造する方
法,並びに該アミドからα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を製造する方法に関する。α−ヒドロキシイソブチルア
ミドは、メチルメタクリレートの中間原料として、また
メチルメタクリレートはアクリル樹脂の原料として工業
的に有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、α−ヒドロキシイソブチルアミド
の代表的製法としては、マンガン酸化物を触媒として、
アセトンシアンヒドリンの水和反応により製造する方法
が知られている(例えば、DE 2527120)。一方、微生物
の産生する酵素であるニトリルヒドラタ−ゼの作用によ
り各種アミドを対応するニトリルより生産する方法が知
られており、アクリルアミド、アセトアミド、メタクリ
ルアミド、クロトンアミド、3−ヒドロキシプロピオン
アミド、ニコチンアミド、ベンズアミドなどがそれぞれ
対応するニトリルから酵素的に生産可能である(例え
ば、EP 307926)。しかしながら、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する微
生物や酵素は全く知られていない。更に、コリネバクテ
リウム・ニトリロフィラス(Corynebacteriumnitriloph
ilus)起源のニトリルヒドラタ−ゼにおいては、アセト
ンシアンヒドリンは基質とならないばかりか、ニトリル
ヒドラターゼの活性を強力に阻害する物質であることが
報告されている(Biotechnology and Applied Biochemi
stry,Vol.11 p.49-59 (1989))。
の代表的製法としては、マンガン酸化物を触媒として、
アセトンシアンヒドリンの水和反応により製造する方法
が知られている(例えば、DE 2527120)。一方、微生物
の産生する酵素であるニトリルヒドラタ−ゼの作用によ
り各種アミドを対応するニトリルより生産する方法が知
られており、アクリルアミド、アセトアミド、メタクリ
ルアミド、クロトンアミド、3−ヒドロキシプロピオン
アミド、ニコチンアミド、ベンズアミドなどがそれぞれ
対応するニトリルから酵素的に生産可能である(例え
ば、EP 307926)。しかしながら、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する微
生物や酵素は全く知られていない。更に、コリネバクテ
リウム・ニトリロフィラス(Corynebacteriumnitriloph
ilus)起源のニトリルヒドラタ−ゼにおいては、アセト
ンシアンヒドリンは基質とならないばかりか、ニトリル
ヒドラターゼの活性を強力に阻害する物質であることが
報告されている(Biotechnology and Applied Biochemi
stry,Vol.11 p.49-59 (1989))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアセトンシア
ンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成
する能力を有する微生物を用いて、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを効率よく生
産し、該アミドを用いてα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を生産することを目的とするのもである。
ンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成
する能力を有する微生物を用いて、アセトンシアンヒド
リンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを効率よく生
産し、該アミドを用いてα,β−不飽和カルボン酸脂肪
族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸
を生産することを目的とするのもである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−ヒド
ロキシイソブチルアミドの新しい製造法について研究を
重ねた結果、アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキ
シイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物を見
い出し、更に、これらの微生物の培養液、菌体もしくは
菌体処理物を酵素源として水性媒体中にてアセトンシア
ンヒドリンに作用させることにより、効率良くα−ヒド
ロキシイソブチルアミドが生成することさらには該アミ
ドを用いてメチルメタクリレートを生産するを見出し、
本発明を完成するに至った。
ロキシイソブチルアミドの新しい製造法について研究を
重ねた結果、アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロキ
シイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物を見
い出し、更に、これらの微生物の培養液、菌体もしくは
菌体処理物を酵素源として水性媒体中にてアセトンシア
ンヒドリンに作用させることにより、効率良くα−ヒド
ロキシイソブチルアミドが生成することさらには該アミ
ドを用いてメチルメタクリレートを生産するを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明はアセトンシアンヒドリンよ
りα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力を有
する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒
体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させてα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成させることを特徴とする
α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造方法、並びに該
アミドと水及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒
の存在下、150℃以上の温度で気相または気液混合相で
反応させることを特徴とする、α,β−不飽和カルボン
酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カル
ボン酸の製造方法を提供するものである。
りα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力を有
する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒
体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させてα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成させることを特徴とする
α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造方法、並びに該
アミドと水及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒
の存在下、150℃以上の温度で気相または気液混合相で
反応させることを特徴とする、α,β−不飽和カルボン
酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β−不飽和カル
ボン酸の製造方法を提供するものである。
【0006】本発明において使用する微生物は、アセト
ンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミド
を生成する能力を有するものであれば特に制限はなく、
自然界から分離されたものでも、突然変異、遺伝子操作
等の手段により創製されたものでも良い。これらの微生
物の例としては次のような菌株をあげることができる。
ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythro
polis) ATCC 4277、ATCC 11048、MT 20082 (FERM P-828
2)、ロドコッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 2
0118 (FERM P-13015)、アースロバクター・パラフィネ
ウス (Arthrobacter paraffineus) ATCC 21003、アク
ロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis)
IFO 12668、アシネトバクター・カルコセティカス (Ac
inetobacter calcoaceticus) IFO 12552、シュードモナ
ス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IF
O 3925 本発明において用いられる微生物を培養する培地は、目
的を達する限り何ら特別の制限はなく、使用菌株の利用
し得る炭素源、窒素源、無機塩類、更に微量の有機栄養
物などを適当に含有するものであれば合成培地、天然培
地のいずれも使用できる。また、培養に当たってはクロ
トンアミドなどのアミド類を培地に添加することによ
り、アセトンシアンヒドリンからのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミド生成能力が高い微生物菌体を得ることがで
きることもある。その際、該アミド類の好ましい添加量
は0.1〜5.0%程度である。培養条件としては、菌株や培
地によっても異なるが、培養温度は20〜40℃、培地のpH
は、4〜9が望ましい。本発明においては、このようにし
て得られた培養液、培養液を遠心分離或は濾過等により
集菌した菌体または菌体処理物を酵素源として用いる。
菌体処理物としては、菌体を機械的破壊、超音波処理、
凍結融解処理、乾燥処理、溶媒処理、加圧減圧処理、浸
透圧処理、自己消化、界面活性剤処理、酸素処理したも
の、これらより得られる酵素画分、菌体および菌体抽出
物の固定化物などがある。また、酵素や菌体などの固定
化法としては従来の方法を用いることが出来(Method i
n Enzymology,vol.44,(1976)、同vol.135,vol.136,(198
7)、同vol.137,(1988))、例えば、 水不要性の担体
に物理的吸着、イオン結合、または共有結合により酵素
または菌体を結合させる担体結合法。2個またはそれ
以上の官能基を持った試薬で酵素または菌体を架橋する
架橋法。高分子ゲルの微細な格子の中に酵素または菌
体を取り込む格子型や半透膜の高分子皮膜によって酵素
または菌体を被覆するマイクロカプセル型の包括法等の
方法を適宜選択して用いればよい。菌体の添加量に特に
制限はないが、通常1〜100g-dry cell/l(反応溶液あた
りの乾燥菌体重量、以後断りのある場合以外は単にg/l
と記す)が適当である。反応は通常 0〜50℃、pH 5〜10
の範囲で、静置またはゆるやかな攪拌下に酵素源とアセ
トンシアンヒドリンを水性媒体中で接触させることによ
り行われる。水性媒体にアセトンを添加することにより
α−ヒドロキシイソブチルアミドの収量を高めることが
出来る。アセトンの添加量は4M以下が好ましく、該濃
度以上では酵素活性が阻害される恐れがある。アセトン
シアンヒドリンは反応媒体中ではアセトンおよび青酸と
解離平衡にあるのでアセトンシアンヒドリンの代わりに
アセトンと青酸(または青酸の塩)の混合物を基質とし
て用いることも出来る。反応時間は、酵素力価や基質濃
度等の反応条件により異なるが、通常は1〜50時間程度
である。基質であるアセトンシアンヒドリンの濃度には
特に制限はないが、通常は0.1 〜30重量%程度である。
また、アセトンシアンヒドリンは連続的または間欠的に
反応液に添加しても良い。このようにして反応を行うと
反応液中にはα−ヒドロキシイソブチルアミドが生成す
る。反応液からα−ヒドロキシイソブチルアミドを採取
する方法としては、濃縮晶析等公知の方法が用いられ
る。
ンシアンヒドリンよりα−ヒドロキシイソブチルアミド
を生成する能力を有するものであれば特に制限はなく、
自然界から分離されたものでも、突然変異、遺伝子操作
等の手段により創製されたものでも良い。これらの微生
物の例としては次のような菌株をあげることができる。
ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythro
polis) ATCC 4277、ATCC 11048、MT 20082 (FERM P-828
2)、ロドコッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 2
0118 (FERM P-13015)、アースロバクター・パラフィネ
ウス (Arthrobacter paraffineus) ATCC 21003、アク
ロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis)
IFO 12668、アシネトバクター・カルコセティカス (Ac
inetobacter calcoaceticus) IFO 12552、シュードモナ
ス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IF
O 3925 本発明において用いられる微生物を培養する培地は、目
的を達する限り何ら特別の制限はなく、使用菌株の利用
し得る炭素源、窒素源、無機塩類、更に微量の有機栄養
物などを適当に含有するものであれば合成培地、天然培
地のいずれも使用できる。また、培養に当たってはクロ
トンアミドなどのアミド類を培地に添加することによ
り、アセトンシアンヒドリンからのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミド生成能力が高い微生物菌体を得ることがで
きることもある。その際、該アミド類の好ましい添加量
は0.1〜5.0%程度である。培養条件としては、菌株や培
地によっても異なるが、培養温度は20〜40℃、培地のpH
は、4〜9が望ましい。本発明においては、このようにし
て得られた培養液、培養液を遠心分離或は濾過等により
集菌した菌体または菌体処理物を酵素源として用いる。
菌体処理物としては、菌体を機械的破壊、超音波処理、
凍結融解処理、乾燥処理、溶媒処理、加圧減圧処理、浸
透圧処理、自己消化、界面活性剤処理、酸素処理したも
の、これらより得られる酵素画分、菌体および菌体抽出
物の固定化物などがある。また、酵素や菌体などの固定
化法としては従来の方法を用いることが出来(Method i
n Enzymology,vol.44,(1976)、同vol.135,vol.136,(198
7)、同vol.137,(1988))、例えば、 水不要性の担体
に物理的吸着、イオン結合、または共有結合により酵素
または菌体を結合させる担体結合法。2個またはそれ
以上の官能基を持った試薬で酵素または菌体を架橋する
架橋法。高分子ゲルの微細な格子の中に酵素または菌
体を取り込む格子型や半透膜の高分子皮膜によって酵素
または菌体を被覆するマイクロカプセル型の包括法等の
方法を適宜選択して用いればよい。菌体の添加量に特に
制限はないが、通常1〜100g-dry cell/l(反応溶液あた
りの乾燥菌体重量、以後断りのある場合以外は単にg/l
と記す)が適当である。反応は通常 0〜50℃、pH 5〜10
の範囲で、静置またはゆるやかな攪拌下に酵素源とアセ
トンシアンヒドリンを水性媒体中で接触させることによ
り行われる。水性媒体にアセトンを添加することにより
α−ヒドロキシイソブチルアミドの収量を高めることが
出来る。アセトンの添加量は4M以下が好ましく、該濃
度以上では酵素活性が阻害される恐れがある。アセトン
シアンヒドリンは反応媒体中ではアセトンおよび青酸と
解離平衡にあるのでアセトンシアンヒドリンの代わりに
アセトンと青酸(または青酸の塩)の混合物を基質とし
て用いることも出来る。反応時間は、酵素力価や基質濃
度等の反応条件により異なるが、通常は1〜50時間程度
である。基質であるアセトンシアンヒドリンの濃度には
特に制限はないが、通常は0.1 〜30重量%程度である。
また、アセトンシアンヒドリンは連続的または間欠的に
反応液に添加しても良い。このようにして反応を行うと
反応液中にはα−ヒドロキシイソブチルアミドが生成す
る。反応液からα−ヒドロキシイソブチルアミドを採取
する方法としては、濃縮晶析等公知の方法が用いられ
る。
【0007】以上の様にして得られるα−ヒドロキシイ
ソブチルアミドは、該アミドと水及び/または脂肪族ア
ルコールを固体酸触媒の存在下、150℃以上の温度で気
相または気液混合相で反応させることによりα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸の製造に用いることが出来る。該方
法としては、例えば特公昭63-10940号公報(米国特許:
第4464539号)に記載の方法が好適に使用できる。この
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸の製造において固体酸触
媒とは、金属元素および元素周期律表のIIIa、IV
a、Va族の非金属元素から選ばれた少なくとも一種の
リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物及び硫化物の
うち少なくとも一種を含有する触媒、更に特殊な例とし
て、活性炭、カチオン交換樹脂、α−ほう素及びニッケ
ル金属である。脂肪族アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の種々
の脂肪族アルコール及び置換脂肪族アルコールが挙げら
れる。α−ヒドロキシイソブチルアミドからα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸を生成する反応は反応物質と固体酸
触媒を接触させる方法が好ましく、気相または気液混合
相で実施される。水の使用量は特に制限はないが、通常
α−ヒドロキシイソブチルアミド1モルに対して0〜200
モル好ましくは1〜50モルの範囲で用いればよい。アル
コールの使用量は特に制限はないが、α,β−不飽和カ
ルボン酸のみを得るためにはアルコールを使用する必要
はなく、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエ
ステルを得るためには通常α−ヒドロキシイソブチルア
ミド1モルに対して0〜200モル好ましくは1〜50モルの
範囲で用いればよい。反応温度は150℃〜500℃、好まし
くは200℃〜450℃である。反応物質の接触時間は触媒、
反応温度等の反応条件によって異なるが、通常0.5〜360
秒の範囲であればよい。
ソブチルアミドは、該アミドと水及び/または脂肪族ア
ルコールを固体酸触媒の存在下、150℃以上の温度で気
相または気液混合相で反応させることによりα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸の製造に用いることが出来る。該方
法としては、例えば特公昭63-10940号公報(米国特許:
第4464539号)に記載の方法が好適に使用できる。この
α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルま
たはα,β−不飽和カルボン酸の製造において固体酸触
媒とは、金属元素および元素周期律表のIIIa、IV
a、Va族の非金属元素から選ばれた少なくとも一種の
リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物及び硫化物の
うち少なくとも一種を含有する触媒、更に特殊な例とし
て、活性炭、カチオン交換樹脂、α−ほう素及びニッケ
ル金属である。脂肪族アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の種々
の脂肪族アルコール及び置換脂肪族アルコールが挙げら
れる。α−ヒドロキシイソブチルアミドからα,β−不
飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステルまたはα,β
−不飽和カルボン酸を生成する反応は反応物質と固体酸
触媒を接触させる方法が好ましく、気相または気液混合
相で実施される。水の使用量は特に制限はないが、通常
α−ヒドロキシイソブチルアミド1モルに対して0〜200
モル好ましくは1〜50モルの範囲で用いればよい。アル
コールの使用量は特に制限はないが、α,β−不飽和カ
ルボン酸のみを得るためにはアルコールを使用する必要
はなく、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエ
ステルを得るためには通常α−ヒドロキシイソブチルア
ミド1モルに対して0〜200モル好ましくは1〜50モルの
範囲で用いればよい。反応温度は150℃〜500℃、好まし
くは200℃〜450℃である。反応物質の接触時間は触媒、
反応温度等の反応条件によって異なるが、通常0.5〜360
秒の範囲であればよい。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るがα−ヒドロキシイソブチルアミドの定量は、強酸性
カチオン交換樹脂充填カラムとUV吸光検出器を備えた
液体クロマトグラフィーにより行った。
るがα−ヒドロキシイソブチルアミドの定量は、強酸性
カチオン交換樹脂充填カラムとUV吸光検出器を備えた
液体クロマトグラフィーにより行った。
【0009】実施例1 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis)
MT 20082 (FERM P-8282) を接種し、28℃で24時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結乾燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/
l、凍結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH によ
り8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しな
がら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液
体クロマトグラフィーにより分析したところ、30g/lの
α−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル
収率 62%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis)
MT 20082 (FERM P-8282) を接種し、28℃で24時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結乾燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/
l、凍結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH によ
り8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しな
がら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液
体クロマトグラフィーにより分析したところ、30g/lの
α−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル
収率 62%)。
【0010】実施例2 使用菌株のみ、表−1(表1)に示した各菌株に変更
し、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−1(表1)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
し、実施例1と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−1(表1)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0011】実施例3 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにアー
スロバクター・パラフィネウス (Arthrobacterparaffi
neus) ATCC 21003 を接種し、28℃で24時間振盪培養し
た。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾
燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/l、凍
結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH により
8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しなが
ら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液体
クロマトグラフィーにより分析したところ、27 g/lのα
−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル収
率 57%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにアー
スロバクター・パラフィネウス (Arthrobacterparaffi
neus) ATCC 21003 を接種し、28℃で24時間振盪培養し
た。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾
燥した。反応は、アセトンシアンヒドリン 40 g/l、凍
結乾燥菌体 20 g/lを含む水溶液(pHは NaOH により
8.5 に調整)中で、8℃、10時間ゆるやかに攪拌しなが
ら行った。反応終了後、反応液の一部を希釈して、液体
クロマトグラフィーにより分析したところ、27 g/lのα
−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた(モル収
率 57%)。
【0012】実施例4 使用菌株のみ、表−2(表2)に示した各菌株に変更
し、実施例3と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−2(表2)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
し、実施例3と同様の方法で反応を行った。その結果、
それぞれの反応液中には表−2(表2)に示した濃度の
α−ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0013】実施例5 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、30℃で36時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結した。反
応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、凍結菌体 2 g/
lを含む水溶液(pHは NaOH により 8.5 に調整)中
で、8℃、8時間ゆるやかに攪拌しながら行った。反応終
了後、反応液の一部を希釈して、液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ、16 g/lのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミドが蓄積していた(モル収率 66%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、30℃で36時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結した。反
応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、凍結菌体 2 g/
lを含む水溶液(pHは NaOH により 8.5 に調整)中
で、8℃、8時間ゆるやかに攪拌しながら行った。反応終
了後、反応液の一部を希釈して、液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ、16 g/lのα−ヒドロキシイソ
ブチルアミドが蓄積していた(モル収率 66%)。
【0014】実施例6 反応液にアセトンを 58 g/l添加した以外は、実施例5
と同様の方法で反応を行った。反応終了後、反応液に
は、22.5 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積
していた(モル収率 93%)。
と同様の方法で反応を行った。反応終了後、反応液に
は、22.5 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積
していた(モル収率 93%)。
【0015】実施例7 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlに表−
3(表3)に示した各菌株を接種し、28℃で40時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結した。反応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、
アセトン 0 または 58 g/l、凍結菌体 50 g/lを含む
水溶液(pHは NaOH により 7.5 に調整)中で、10℃、
12時間ゆるやかに攪拌しながら行った。その結果、それ
ぞれの反応液中には表−3(表3)に示した濃度のα−
ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlに表−
3(表3)に示した各菌株を接種し、28℃で40時間振盪
培養した。培養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち
凍結した。反応は、アセトンシアンヒドリン 20 g/l、
アセトン 0 または 58 g/l、凍結菌体 50 g/lを含む
水溶液(pHは NaOH により 7.5 に調整)中で、10℃、
12時間ゆるやかに攪拌しながら行った。その結果、それ
ぞれの反応液中には表−3(表3)に示した濃度のα−
ヒドロキシイソブチルアミドが生成していた。
【0016】実施例8 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、25℃で56時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。反
応は、アセトン 58 g/l、湿菌体 150 g/l(乾燥菌体換
算で40g-dry cell/l )を含む水溶液100ml中に、ポンプ
を用いて青酸カリを2時間おきに 80 mgの量で断続的に
添加し、pHは H2SO4 により 8.8に調整しながら 5℃で
ゆるやかに攪拌して行った。20時間後、反応液の一部を
希釈して、液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、10 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積し
ていた(青酸カリに対するモル収率 78%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 100mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FE
RM P-13015) を接種し、25℃で56時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。反
応は、アセトン 58 g/l、湿菌体 150 g/l(乾燥菌体換
算で40g-dry cell/l )を含む水溶液100ml中に、ポンプ
を用いて青酸カリを2時間おきに 80 mgの量で断続的に
添加し、pHは H2SO4 により 8.8に調整しながら 5℃で
ゆるやかに攪拌して行った。20時間後、反応液の一部を
希釈して、液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、10 g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積し
ていた(青酸カリに対するモル収率 78%)。
【0017】実施例9 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 6000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で45時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾燥し
た。反応は、アセトン 6 g/l、凍結乾燥菌体 25 g/lを
含む水溶液30ml中に、ポンプを用いてアセトンシアンヒ
ドリンを1時間あたり 0.45 gの量で連続的に添加し、p
Hは NaOH により 8.3 に調整しながら 6℃でゆるやかに
攪拌して行った。24時間後、反応液の一部を希釈して、
液体クロマトグラフィーにより分析したところ、303 g/
lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 93%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 6000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で45時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち凍結乾燥し
た。反応は、アセトン 6 g/l、凍結乾燥菌体 25 g/lを
含む水溶液30ml中に、ポンプを用いてアセトンシアンヒ
ドリンを1時間あたり 0.45 gの量で連続的に添加し、p
Hは NaOH により 8.3 に調整しながら 6℃でゆるやかに
攪拌して行った。24時間後、反応液の一部を希釈して、
液体クロマトグラフィーにより分析したところ、303 g/
lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 93%)。
【0018】実施例10 肉エキス1%、ペプトン1%、NaCl 0.5% およびクロト
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 5000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で50時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。50
mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)75ml、アクリルアミ
ド8.4g、ジメチルアミノメチルメタクリレート塩化メチ
ル4級化物0.8g、メチレンビスアクリルアミド0.8gを均
一に混合した後、洗浄菌体100g(乾燥菌体重量として27
g)を懸濁した。これに10%ジメチルアミノプロピオニト
リル5ml、5%過硫酸カリウム10mlを均一に混合し氷水中
で重合ゲル化させた。この菌体含有ゲルをブレンダーに
て小片に破砕し、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)6
00ml、50%グルタルアルデヒド1mlと混合して氷水中で穏
やかに攪拌しながら30分間処理した。これを洗浄し固定
化菌体とした。反応は、アセトン 28 g/lを含む水溶液5
0ml中に固定化菌体 35 gを加え、ポンプを用いてアセト
ンシアンヒドリンを1時間あたり 0.15 g連続的に添加
し、pHは NaOH により 8.5 に調整しながら 6℃でゆる
やかに攪拌して行った。40 時間後、反応液中には 101
g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 78%)。
ンアミド 0.2% を含むpH 7.0 の液体培地 5000mlにロド
コッカス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT20118 (FER
M P-13015) を接種し、28℃で50時間振盪培養した。培
養液より菌体を遠心分離し、洗浄したのち集菌した。50
mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)75ml、アクリルアミ
ド8.4g、ジメチルアミノメチルメタクリレート塩化メチ
ル4級化物0.8g、メチレンビスアクリルアミド0.8gを均
一に混合した後、洗浄菌体100g(乾燥菌体重量として27
g)を懸濁した。これに10%ジメチルアミノプロピオニト
リル5ml、5%過硫酸カリウム10mlを均一に混合し氷水中
で重合ゲル化させた。この菌体含有ゲルをブレンダーに
て小片に破砕し、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.8)6
00ml、50%グルタルアルデヒド1mlと混合して氷水中で穏
やかに攪拌しながら30分間処理した。これを洗浄し固定
化菌体とした。反応は、アセトン 28 g/lを含む水溶液5
0ml中に固定化菌体 35 gを加え、ポンプを用いてアセト
ンシアンヒドリンを1時間あたり 0.15 g連続的に添加
し、pHは NaOH により 8.5 に調整しながら 6℃でゆる
やかに攪拌して行った。40 時間後、反応液中には 101
g/lのα−ヒドロキシイソブチルアミドが蓄積していた
(モル収率 78%)。
【0019】
【表1】 表−1 --------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) --------------------------------------------------------------- ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATCC 4277 4 ロドコッカス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATCC 11048 11 ---------------------------------------------------------------
【0020】
【表2】 表−2 --------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) --------------------------------------------------------------- アクロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis) IFO 12668 8 アシネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter calcoaceticus) IFO 12552 4 シュードモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IFO 3925 2 ---------------------------------------------------------------
【0021】
【表3】 表−3 ---------------------------------------------------------------------- 使用菌株 α−ヒドロキシイソブチルアミド(g/l) アセトン無添加 アセトン添加 ---------------------------------------------------------------------- アクロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosis) IFO 12668 9 14 アシネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter calcoaceticus) IFO 12552 5.5 13 アースロバクター・パラフィネウス (Arthrobacter paraffineus) IFO 12552 11 19 シュードモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluorescens) IFO 3925 3 8 ----------------------------------------------------------------------
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、アセトンシアンヒドリ
ンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力
を有する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水
性媒体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させること
により効率良くα−ヒドロキシイソブチルアミドが生産
出来る。また、該α−ヒドロキシイソブチルアミドと水
及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、
150℃以上の温度で気相または気液混合相で反応させ
ることによりα,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコー
ルエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸が生産でき
る。
ンよりα−ヒドロキシイソブチルアミドを生成する能力
を有する微生物の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水
性媒体中にてアセトンシアンヒドリンに作用させること
により効率良くα−ヒドロキシイソブチルアミドが生産
出来る。また、該α−ヒドロキシイソブチルアミドと水
及び/または脂肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、
150℃以上の温度で気相または気液混合相で反応させ
ることによりα,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコー
ルエステルまたはα,β−不飽和カルボン酸が生産でき
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 13/02 C12R 1:025) (C12P 13/02 C12R 1:39) (C12P 13/02 C12R 1:01)
Claims (16)
- 【請求項1】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物の
培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてアセ
トンシアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソブ
チルアミドを生成させることを特徴とするα−ヒドロキ
シイソブチルアミドの製造方法。 - 【請求項2】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
が、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物で
あることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
が、アースロバクター(Arthrobacter)属に属する微生
物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項4】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
が、アクロモバクター(Achromobacter)属に属する微
生物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項5】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
が、アシネトバクター(Acinetobacter)属に属する微
生物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項6】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
が、シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物
であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項7】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、ロドコッ
カス(Rhodococcus)属に属する微生物が、ロドコッカ
ス・エリスロポリス (Rhodococcus erythropolis) ATC
C 4277、ATCC11048またはMT 20082 (FERM P-8282)であ
ることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項8】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、ロドコッ
カス(Rhodococcus)属に属する微生物が、ロドコッカ
ス・エスピー (Rhodococcus sp.) MT 20118 (FERM P-1
3015)であることを特徴とする請求項2に記載の製造方
法。 - 【請求項9】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒドロ
キシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アースロ
バクター(Arthrobacter)属に属する微生物が、アース
ロバクター・パラフィネウス (Arthrobacter paraffin
eus) ATCC 21003であることを特徴とする請求項3に記
載の製造方法。 - 【請求項10】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アクロ
モバクター(Achromobacter)属に属する微生物が、ア
クロモバクター・キセロシス (Achromobacter xerosi
s) IFO 12668であることを特徴とする請求項4に記載の
製造方法。 - 【請求項11】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、アシネ
トバクター(Acinetobacter)属に属する微生物が、ア
シネトバクター・カルコセティカス (Acinetobacter c
alcoaceticus) IFO 12552であることを特徴とする請求
項5に記載の製造方法。 - 【請求項12】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有し、シュー
ドモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が、シュー
ドモナス・フルオレッセンス (Pseudomonas fluoresce
ns) IFO 3925であることを特徴とする請求項6に記載の
製造方法。 - 【請求項13】 アセトンシアンヒドリンよりα−ヒド
ロキシイソブチルアミドを生成する能力を有する微生物
の培養液、菌体もしくは菌体処理物を水性媒体中にてア
セトンシアンヒドリンに作用させてα−ヒドロキシイソ
ブチルアミドを生成させ、該アミドと水及び/または脂
肪族アルコールを固体酸触媒の存在下、150℃以上の温
度で気相または気液混合相で反応させることを特徴とす
る、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステ
ルまたはα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。 - 【請求項14】 脂肪族アルコールがメタノールであ
り、α,β−不飽和カルボン酸脂肪族アルコールエステ
ルがメチルメタクリレートであり、α,β−不飽和カル
ボン酸がメチルメタアクリル酸であることを特徴とする
請求項15に記載の製造方法。 - 【請求項15】 水性媒体にアセトンを添加することを
特徴とする請求項1から請求項14の何れか一項に記載
の製造方法。 - 【請求項16】 水性媒体に添加するアセトンの添加量
が4M以下であることを特徴とする請求項15に記載の
製造方法。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20603291 | 1991-08-16 | ||
JP30599591 | 1991-11-21 | ||
JP3-206032 | 1991-11-21 | ||
JP3-305995 | 1991-11-21 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05244968A true JPH05244968A (ja) | 1993-09-24 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4183699A Pending JPH05244968A (ja) | 1991-08-16 | 1992-07-10 | α−ヒドロキシイソブチルアミドの製造法 |
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---|---|
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EP (1) | EP0528669A3 (ja) |
JP (1) | JPH05244968A (ja) |
KR (1) | KR930004467A (ja) |
TW (1) | TW212204B (ja) |
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DE102006055426A1 (de) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Evonik Röhm Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Alkyl(meth)acrylaten unter Verwendung einer enzymatischen Cyanhydrinhydrolyse |
US10351487B2 (en) | 2014-10-14 | 2019-07-16 | Gevo, Inc | Methods for conversion of ethanol to functionalized lower hydrocarbons and downstream hydrocarbons |
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US5179014A (en) * | 1985-01-08 | 1993-01-12 | Nitto Chemical Industry Co., Ltd. | Process for the preparation of amides using microorganisms |
JPS61162195A (ja) * | 1985-01-11 | 1986-07-22 | Nitto Chem Ind Co Ltd | 微生物によるアミド類の製造法 |
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JPH0733358B2 (ja) * | 1986-05-15 | 1995-04-12 | 軽質留分新用途開発技術研究組合 | 固定化生体触媒を用いたアミド結晶の製造法 |
DD274631A5 (de) * | 1987-09-18 | 1989-12-27 | Kk | Verfahren zur biologischen herstellung von amiden |
JP2778131B2 (ja) * | 1989-07-14 | 1998-07-23 | 三菱瓦斯化学株式会社 | メタクリル酸メチルの製造方法 |
JPH05219972A (ja) * | 1992-02-05 | 1993-08-31 | Nitto Chem Ind Co Ltd | α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの生物学的製造法 |
-
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- 1992-07-10 JP JP4183699A patent/JPH05244968A/ja active Pending
- 1992-08-10 TW TW081106295A patent/TW212204B/zh active
- 1992-08-14 EP EP19920307487 patent/EP0528669A3/en not_active Withdrawn
- 1992-08-14 KR KR1019920014632A patent/KR930004467A/ko not_active Application Discontinuation
- 1992-08-19 US US07/929,574 patent/US5443973A/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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