JPH0524021Y2

JPH0524021Y2 -

Info

Publication number: JPH0524021Y2
Application number: JP1983020803U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-20
Filing date: 1983-02-15
Publication date: 1993-06-18
Also published as: JPS5953239U; CH656712A5; US4496014A; DE8315237U1

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、過負荷保護装置を備えた、運動工
程の短い、いわゆるシヨートストローク型の秤に
関するものである。

〔従来の技術及びその課題〕

この種のシヨートストローク型の秤の場合、秤
の計量範囲を超える負荷が秤皿にかかつた場合
に、秤の各部品を損傷から守るために過負荷保護
装置を設けるのが普通である。これまで、過負荷
保護装置としては、秤皿に連結した上部部材の下
方運動工程を制限する固定止め手段を儲け、か
つ、前記上部部材と、荷重受け部材に連結する下
部部材（上部部材より下方に位置する）との間に
止めばね手段を配することが提案されてきた。

ドイツ公開特許公報第2933415号では、このよ
うな過負荷保護装置を、秤皿の真下にある秤ハウ
ジングの外部に配するか、もしくは過負荷保護装
置を秤皿の一部として形成するという構成を開示
している。しかし、このような構成では、秤の構
造が、高さの点で大きなものとなるという欠点が
ある。

この考案の課題は、秤の高さを減少させること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、この考案にあつて
は、ハウジング内に、秤セルを設けるとともに、
その周囲に、その全周を囲む上下の水平な環状フ
レームを儲け、その下フレームを、前記秤セルの
側面に荷重受け部材を介して固着し、上フレーム
は、下フレームに平行状態を保つて接離可能に連
結されているとともにその下フレームに対しばね
により離反方向に付勢されており、ハウジング内
面には上フレームが下降により係止してそれ以上
の下降を阻止する止め具を儲け、上フレーム上面
には、ハウジング上面から突出する支持杆を儲
け、この支持杆に秤皿を設けてなる構成を採用し
たのである。

この構成においては、上下フレーム、ばね及び
止め具によつて過負荷保護装置が構成され、これ
の基本構成は、前述のドイツ公開特許公報第
2933415号に記載のごとく新規なものでない。

上フレームを、下フレームに平行状態を保つて
接離可能に連結する手段としては、同公開特許公
報に記載のように、上下フレーム間に、上下方向
ほぼ45度に傾むけた平行な案内アームを設け、そ
の案内アームの上下端を上下フレームに回転可能
に係止した構成を採用できるが、この連結手段は
種々の周知のものがあり、それらを適宜に採用す
ればよい。

また、上記ばねとしては、同じく同公開特許公
報に記載のように、引張り状態のものとして、そ
の上フレームへの接続点が下フレームへの接続点
よりも低くなるように、ばねの両端を両フレーム
に接続したものとすることができる。しかし、他
の周知の構造のものを採用できることは勿論であ
る。

〔作用〕

このように構成するこの考案に係る秤にあつて
は、秤皿にかかる荷重は、上フレーム、ばね、下
フレームを介して、荷重受け部材に伝達され、秤
セルにより測定される。

このとき、秤皿に過負荷がかかると、上下フレ
ームは急激に下降するが、上フレームの下降運動
は、止め具により制限を受けるため、秤セルは過
負荷による衝撃から守られる。過負荷を取り除く
と、上下フレームは、ばねの付勢力により、元の
位置へと戻る。

そして、この考案においては、秤セルの周囲を
囲む環状の上下フレーム等により過負荷保護装置
を構成したことにより、過負荷保護装置がハウジ
ング内部に配置されるので、ハウジング上に過負
荷保護装置を配置したものに比し、秤全体の高さ
が低くなる。

〔実施例〕

図は実施例の切断正面図を示し、この実施例
は、薄板の基台３と合成プラスチツク製の上部部
分５とから成る４角箱状のハウジングを備えてい
る。このハウジングの中には秤セル１が配されて
おり、この秤セル１は、例えば振動測定弦を備え
たタイプのものである。秤セル１は基台３上に複
数の緩衝ばね４により支持されており、その両端
面（図において前後）から荷重受け部材２が水平
方向に延びている。この荷重受け部材２に過負荷
保護装置を介して秤皿６が設けられている。

過負荷保護装置は、ハウジング３，５内にあつ
て、秤セル１の周囲に、その全周を囲むように間
隔をおいて配された水平方向に延びる長方形枠状
の開放フレーム構造体を備える。この開放フレー
ム構造体は、相対的に上下方向に変位することの
できる長方形枠状の上フレーム７と下フレーム８
から成つている。

上フレーム７は、前後に間隔をおいて左右方向
に延びる一対のＵ字状部材９と、このＵ字状部材
９に結合され、左右に間隔をおいて前後方向に延
びる一対のＵ字状部材１０とから成る。また、下
フレーム８は、前後に間隔をおいて左右方向に延
びる一対のＵ字状部材１１と、このＵ字状部材１
１に係合された、左右に間隔をおいて前後方向に
延びる一対のＵ字状部材１２とから成つている。

上フレーム７の上面にはスペーサボルト１３が
固着され、このスペーサーボルト１３は、ハウジ
ングの上部部分５に形成された開口部を貫通して
垂直に延びて、秤皿６に固着されて上フレーム７
を秤皿６に連結している。また、下フレーム８は
荷重受け部材２に固着されて、しつかりと結合さ
れている。

上フレーム７と下フレーム８との間には、両者
を上下方向に離すように両フレームを付勢する平
行案内手段を設けている。具体的に言えば、上下
方向ほぼ45°の角度で、前後のＵ字状部材９，９，
１１，１１に亘つて配された一対の平行案内アー
ム１４を、そのＵ字状部材９，１１のそれぞれの
フランジ部に形成した対向溝１５，１６の間に取
り付けたのである。この平行案内アーム１４は、
秤皿６に荷重がかかると下方へと回転して、上フ
レーム７を下フレーム８に対して平行に上下に案
内する。また、この平行案内アーム１４は、薄板
で形成され、その上端と下端に前後方向へのすべ
り止めタブ１７を備えており、このタブ１７は、
両フレームのフランジ部の対向側に接して延び
て、平行案内アーム１４の上下端を上下フレーム
７，８に回転可能に係止している。

さらに、上下フレーム７，８間には左右方向に
延びる引張りばね１８が設けられている。この引
張りばね１８は、上フレーム７と下フレーム８よ
り下方と上方とに突出する突出部１９，２０にそ
れぞれ接続されている。なお、図面上では、両フ
レーム７，８の一方の前部にある引張りばねのみ
が示されているにすぎないが、同様の第２の引張
りばねが、両フレーム７，８の後部にも同じよう
に設けられている（図示省略）。引張りばね１８
と突出部２０の接続点は、引張りばね１８と突出
部１９の接続点よりも高い位置にあるため、引張
りばね１８により上部フレーム７は下部フレーム
８に対して常に上方へと付勢される。

ハウジングの上部部分５の内側面には上フレー
ム７の前後のＵ字状部材９，９両端下方に臨む止
め具２３が設けられており、この止め具２３に下
降する上フレーム７が係止して所要以上の下降が
制限される。

このように、過負荷保護装置は構成されてお
り、秤皿６の無負荷状態では、図示のごとく、平
行案内アーム１４がほぼ45度の傾斜状態に維持さ
れ、秤皿６にかかる荷重が許容負荷の範囲内にあ
る場合には、上フレーム７と下フレーム８を間隔
をおいて保持する。両フレーム７，８の間隔は、
ボルト２１の長さにより決定される。ボルト２１
は、上フレーム７の前後のＵ字状部材９の左右に
取り付けられており、下フレーム８のＵ字状部材
１１を貫通して延び、かつ頭部２２により支持さ
れている。

この状態においては、秤皿６に荷重が加わる
と、その荷重は、上フレーム７、ばね１８、下フ
レーム８を介して荷重受け部材２に伝達されて、
秤セル１により測定される。

一方、秤皿６に静的なもしくは動的な過負荷が
かかると、平行案内アーム１４は急激に下方へ回
転し、上フレーム７が下フレーム８に向つて下降
する。この下降運動は、上フレーム７が止め具２
３に係止することにより制限される。すなわち、
秤セル１への過負荷が阻止される。したがつて、
秤セル１への負荷は上フレーム７のストローク、
すなわち止め具２３の位置で決定されるため、そ
の位置は、秤セル１の許容負荷を考慮して適宜に
決定する。このとき、秤セル１の下面に設けられ
た緩衝ばね４のばね行程をも考慮する。

秤皿６から過負荷を取り去ると、引張りばね１
８により、平行案内アーム１４は付勢されて図示
する位置へと向い、上フレーム７と下フレーム８
とを、ボルト２１の制限を受けるまで相互に引き
離す。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のように構成して、過負荷保
護装置を秤セルの周囲でなしてハウジング内に収
めたので、ハウジング上に過負荷装置をなしてい
た従来のものに比べ、秤全体の高さを低くできる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案に係る過負荷保護装置付き秤の
一実施例の切断正面図である。１……秤セル、２……荷重受け部材、３，５…
…ハウジング、６……秤皿、７……上フレーム、
８……下フレーム、１３……支持杆（スペーサボ
ルト）、１４……平行案内アーム、１８……引張
りばね。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) ハウジング３，５内に、秤セル１を設けると
ともに、その周囲に、その全周を囲む上下の水
平な環状フレーム７，８を設け、その下フレー
ム８を、前記秤セル１の側面に荷重受け部材２
を介して固着し、上フレーム７は、下フレーム
８に平行状態を保つて接離可能に連結されてい
るとともにその下フレーム８に対しばね１８に
より離反方向に付勢されており、ハウジング５
内面には上フレーム７が下降により係止してそ
れ以上の下降を阻止する止め具２３を設け、上
フレーム７上面には、ハウジング５上面から突
出する支持杆１３を設け、この支持杆１３に秤
皿６を設けてなる過負荷保護装置付き秤。 (2) 上下フレーム７，８間に、上下方向ほぼ45度
に傾むけた平行な案内アーム１４，１４を設
け、その案内アーム１４の上下端を上下フレー
ム７，８に回転可能に係止して、上フレーム７
を、下フレーム８に平行状態を保つて接離可能
に連結するとともに、上記ばね１８を引張り状
態として、その上フレーム７への接続点が下フ
レーム８への接続点よりも低くなるように、ば
ね１８の両端を両フレーム７，８に接続したこ
とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
記載の過負荷保護装置付き秤。