JPH05238421A - 車輌におけるステアリングメンバ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】車輌のインストルメントパネルの内側に側突対
策として横設されたステアリングメンバーにおいて、こ
のステアリングメンバーを構成する筒体に対する車装部
品取付用のブラケットの取付位置を適正にし、取付作業
の簡易化を図り、併せて従来の溶接取付けによるステア
リングメンバーの歪発生を有効に防止する。 【構成】ステアリングメンバーを形成する筒体１０の外
周面に軸線方向に延在する車装部品取付用のブラケット
１１を取付けるフランジ１２を一体に設けておくか、又
は同筒体を多角形にしこれにブラケットを外嵌めする
か、又は同筒体の外周面に軸線方向の溝を形成し、この
溝にブラケットを内嵌めする構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車輌の前部座席のインス
トルメントパネルの内側に横設されるステアリングメン
バーに関する。

【０００２】

【従来の技術】図８、図９に示すように、ステアリング
メンバー１は車輌２の前部座席のインストルメントパネ
ルの内側に横設され、側面衝突に対し補強し乗員の生存
空間を確保する手段となっており、従来はこれを鋼管に
て形成し、その外周面に図９に示すように、鋼板をプレ
ス加工した多数のブラケット３を溶接４にて取付け固装
し、これに灰皿、メーター類、グローブボックス、ハー
ネス用金具、エヤーダクト等の車装部品を取付けてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】ところが上記従来例
のステアリングメンバーは、鋼管で形成されているた
め、重量がかさむことに加えて、ステアリングメンバー
を形成する鋼管の外周面の所定位置にブラケットを溶接
にて固装しているために、溶接熱によってステアリング
メンバーが歪み精度が低下する問題があった。又ブラケ
ットのステアリングメンバーに対する固装位置が同ステ
アリングメンバーの全外周面に制限なく及んでおり、同
溶接工程数の増加を招いており、又取付位置を定める位
置設定手段に欠け、周方向の張出位置に狂いを生ずる問
題があった。

【０００４】そこで、本発明はステアリングメンバ−本
体への従来例の如きブラケット溶接を排して、同ステア
リングメンバ−（筒体）の溶接熱による歪発生の問題を
解消し、又ブラケット取付位置を適切に設定し、車装部
品取付用ブラケットのステアリングメンバ−への取付作
業を容易にしたステアリングメンバーを提供するもので
ある。

【０００５】

【問題を解決するための手段】上記従来例が有する各問
題点を解決する手段として、本発明は前記ステアリング
メンバーにおいて、上記筒体の外周面に筒体長手方向に
亘って延在するフランジを設け、該フランジに車装部品
取付用ブラケットを取付ける構成とした車輌におけるス
テアリングメンバーを構成したものである。

【０００６】又本発明は上記筒体からなるステアリング
メンバーにおいて、上記筒体を多角形又は楕円形にし、
該筒体に車装部品取付用のブラケットを外嵌めし、上記
多角形面又は楕円形面による規制にて上記ブラケットの
周方向の張出し位置を設定する構成とすると共に、所定
の外嵌め位置にて筒体に固着したステアリングメンバー
を構成したものである。又本発明は上記筒体からなるス
テアリングメンバーにおいて、上記筒体の外周面に軸線
方向に延在する溝を形成し、該溝に車装部品取付用のブ
ラケットを内嵌めし固着した車輌におけるステアリング
メンバーを構成したものである。

【０００７】

【作用】上記構成により本発明はステアリングメンバー
を形成する筒体の外周面にフランジを予じめ張出してお
くことにより、このフランジに車装部品取付用ブラケッ
トが取付けられ、ステアリングメンバーを形成する筒体
の外周面に直ちに溶接する場合の如き、溶接熱によるス
テアリングメンバーの歪を有効に防止し、又フランジの
存在が筒体の歪防止効果を向上する。

【０００８】又フランジによって車装部品取付用ブラケ
ットの取付位置が適正に設定されボルト付け、溶接工程
を可及的に削減し取付作業の省力化、コストダウンを図
ることができる。同様に、ステアリングメンバーを多角
形にし、これに車装部品取付用ブラケットを外嵌めする
構成により、多数のブラケットの周方向の張出位置が適
正に定まり、車装部品の取付作業が簡素化され省力化さ
れる。

【０００９】又同様にステアリングメンバーを形成する
筒体に軸線方向の溝を形成して置き、この溝にブラケッ
トを内嵌めし取付けることにより、ブラケットの取付作
業が簡素化され、各ブラケットを整然と配向することが
できる。

【００１０】

【実施例】以下本発明を図面に示す各実施例を参照して
説明する。図１は本発明の第１実施例を示し、この実施
例は筒体１０からなるステアリングメンバーの外周面に
外方へ張出した平板状のフランジ１２を一体に設け、こ
のフランジ１２を筒体１０の長手方向に延在し一体に設
けている。このフランジ１２は筒体１０の周方向に等間
隔をおいて軸線方向に延在するよう複数張出しこれを前
記車装部品取付用ブラケット１１の取付手段とする。

【００１１】上記ステアリングメンバーを形成する筒体
１０は円筒形を呈する。上記筒体１０にフランジ１２を
形成したステアリングメンバーはアルミニウム（アルミ
ニウム合金含む）、合成樹脂等の軽量な材質を用いて押
し出し成形するか、或は引き抜き成形にて一体成形す
る。

【００１２】上記フランジ１２には各種車装部品を取付
け支持するための各種ブラケット１１が例えば接着剤、
カシメ、リベット、ボルト等の固着手段１３、或いは溶
接により固装される。

【００１３】上記フランジ１２は上記の如く筒体１０の
一端から他端に亘り一体成形し、上記ブラケット１１を
固装する必要のない不要部１２′は切除することができ
る。

【００１４】上記各種ブラケット１１は周方向に間隔を
置いて配されたフランジ１２の何れかを選択して取付け
られ、そのブラケット形状及びフランジ１２に対する固
装位置はブラケット１１に取付け支持される車装部品に
よって決定される。

【００１５】本発明は上記ステアリングメンバーを形成
する筒体１０の断面形状を図１に示す円形にする場合の
他、多角形又は楕円形等の非円形にする場合を含む。例
えば、図２に示すようにステアリングメンバーを形成す
る筒体１０の断面形状を多角形にし、その角部から放射
状にフランジ１２を張出し、軸線方向に延在させること
ができる。

【００１６】図３は本発明の第２実施例を示し、ステア
リングメンバーを形成する筒体１０の断面形状を例えば
多角形又は楕円形等の非円形に形成し、他方上記筒体１
０の外形及びその寸法とほぼ同じ形状及び寸法を有する
外嵌め部１４と、該外嵌め部１４から張出された車装部
品を取付け固装するための平板状の取付板部１５とを有
するブラケット１１′を形成し、このブラケット１１′
を該外嵌め部１４を以って上記ステアリングメンバーを
形成する筒体１０の外周面に外嵌めし、同ブラケット１
１′を軸線方向の所定の外嵌め位置にてリベット、接着
等の非溶接手段を以って固着する。

【００１７】上記ブラケット１１′は筒体１０の多角形
面又は非円形面にて回動が阻止され、周方向の張出し位
置が設定される。

【００１８】上記角ブラケット１１′は図４に示すよう
に、アルミニウム等の押し出し成形又は引き抜き成形に
より長尺に形成し、これを所定の長さに切断し、必要な
切欠き、曲げ、孔穿け等の加工が施され上記筒体１０に
外嵌めされる。この切欠き、孔穿け等の加工はステアリ
ングメンバーを形成する筒体１０に外嵌めした後に行な
っても良い。

【００１９】図５は本発明と同様の外嵌め形のブラケッ
ト構造とした第３実施例を示し、第２実施例が外嵌め部
１４を筒形にしたのに対し、第３実施例は筒体の一側面
を除去した形態にして外嵌めを図る構造にした例を示
す。

【００２０】即ち、第２実施例と同様、ステアリングメ
ンバーを形成する筒体１０の断面形状は多角形又は非円
形に形成し、他方上記筒体１０一側面で開放する外嵌め
部１４と、該外嵌め部１４から張り出された取付板部１
５を有するブラケット１１′を形成し、このブラケット
１１′を外嵌め部１４を以て上記筒体１０に外嵌めし、
所定の外嵌め位置にて上記固装手段１３で筒体１０に固
装し、このブラケット１１′に車装部品を取付ける。

【００２１】図７は本発明の第３実施例を示し、図示の
ようにステアリングメンバーとして多角形又は円筒形の
筒体１０を形成し、この筒体１０の外周面には軸線方向
に沿ってアリ溝等の溝１６を筒体１０の両端で開放する
ように成形し、他方取付板部１５の一端に上記溝１６と
略同一形状の取付キー１７を持ったブラケット１１″を
形成し、このブラケット１１″を上記取付けキー１７を
以って溝１６に内嵌めし、所定位置で固着する。

【００２２】この筒体１０及びブラケット１１″も前記
第１、第２実施例と同様、アルミニウムの一体成形品に
て形成することができる。

【００２３】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば上記構
成によりステアリングメンバーを形成する筒体の外周面
にフランジを予じめ張出しておくことにより、このフラ
ンジに車装部品取付用ブラケットが取付けられ、ステア
リングメンバーを形成する筒体の外周面に直に溶接する
場合の如き、溶接熱によるステアリングメンバーの歪を
有効に防止し、又フランジの存在が筒体の歪防止効果を
向上する。

【００２４】又フランジによって車装部品取付用ブラケ
ットの取付位置が適正に設定されボルト付け、溶接工程
を可及的に削減し取付作業の省力化、コストダウンを図
ることができる。同様に、ステアリングメンバーを多角
形にし、これに車装部品取付用ブラケットを外嵌めする
構成により、多数のブラケットの周方向の張出位置が適
正に定まり、車装部品の取付作業が簡素化され省力化さ
れる。

【００２５】又同様にステアリングメンバーを形成する
筒体に軸線方向の溝を形成して置きこの溝にブラケット
を内嵌めし取付けることにより、ブラケットの取付作業
が簡素化され、各ブラケットを整然と配向することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のステアリングメンバーに
ブラケットを固装した状態の斜視図である。

【図２】上記第１実施例におけるステアリングメンバー
の実施態様例を示す断面図である。

【図３】本発明の第２実施例のステアリングメンバーの
断面図である。

【図４】本発明の第２実施例におけるブラケットを例示
する斜視図である。

【図５】第２実施例におけるステアリングメンバーの実
施態様例を示す断面図である。

【図６】上記図５におけるブラケットの斜視図である。

【図７】本発明の第３実施例のステアリングメンバ−を
示す断面図である。

【図８】従来のステアリングメンバーを車輌のインスト
ルメントパネル内側に横設した状態の車輌透視図であ
る。

【図９】図９のステアリングメンバーの斜視図である。

【符号の説明】

１０ ステアリングメンバーを形
成する筒体 １１，１１′，１１″ ブラケット １２ フランジ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前部座席のインストルメントパネルの内側
   に横設される筒体からなるステアリングメンバーにおい
   て、上記筒体の外周面に筒体長手方向に亘って延在する
   フランジを設け、該フランジに車装部品取付用ブラケッ
   トを取付ける構成としたことを特徴とする車輌における
   ステアリングメンバー。
2. 【請求項２】上記ステアリングメンバーは円筒体から成
   り、上記フランジが該円筒体の軸線方向に延在すること
   を特徴とする上記請求項１記載のステアリングメンバ
   ー。
3. 【請求項３】前部座席のインストルメントパネルの内側
   に横設される筒体からなるステアリングメンバーにおい
   て、上記筒体を多角形又は楕円形にし、該筒体に車装部
   品取付用のブラケットを外嵌めし、上記多角形面又は楕
   円形面による規制にて上記ブラケットの周方向の張出し
   位置を設定する構成とすると共に、所定の外嵌め位置に
   て筒体に固着したことを特徴とする車輌におけるステア
   リングメンバー。
4. 【請求項４】前部座席のインストルメントパネルの内側
   に横設される筒体からなるステアリングメンバーにおい
   て、上記筒体の外周面に軸線方向に延在する溝を形成
   し、該溝に車装部品取付用のブラケットを内嵌めし固着
   したことを特徴とする車輌におけるステアリングメンバ
   ー。
5. 【請求項５】上記ステアリングメンバーを形成する筒体
   はアルミニウム製又は合成樹脂製であることを特徴とす
   る請求項１又は２記載の車輌におけるスアリングメンバ
   ー。