JPH0674505U - ルーフラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量化及び低コスト化を図るとともに、製造
効率を高めたルーフラックを提供する。 【構成】 ルーフラック１は直状のラック部２と、該ラ
ック部２の両端部に形成れたレッグ部３，３とから構成
されている。ラック部２とレッグ部３とは共に中空状で
あって、液圧プレス成形を用いて加工することにより一
体的に成形されている。レッグ部３には、下方に湾曲す
る湾曲部４が成形されているとともに、その内部に形成
されている中空部１３の径が、先端部の開口部５側に拡
開する形状を有している。開口部５には、ルーフとの取
付面を形成するブラケット６が固定されている。ブラケ
ット６には、一対のボルト７，７が貫通固定され、周縁
部にはフランジ８が形成されている。そして、このブラ
ケット６は、前記フランジ８を開口部５の内周縁部に位
置させて、開口部５の外部よりカシメを行うことにより
固定されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車体のルーフに装着されるルーフラックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のルーフラックとしては、図６に示したものが実用されている（１９９０ 年 日産自動車（株）発行「ＮＩＳＳＡＮアベニール整備要領書」Ｄ−３０頁参 照）。すなわち、ルーフラック３１は直状のラック部３２と、該ラック部２２の 両端部に嵌着されたレッグ部３３とから構成されている。該レッグ部３３は中実 状であって、下方に湾曲する湾曲部３４を有するとともに、先端に略水平状のル ーフ取付面３５を有し、該ルーフ取付面３５側に径が拡開した形状に形成されて いる。前記ルーフ取付面３５には、一対のボルト３６，３６が突設されており、 前記ルーフ取付面３５と車体のルーフ間に座面部材３７を介挿して、前記ボルト ３６，３６により車体のルーフに固定される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のルーフラック３１において、ラック部３２は単に直状である ことから押し出し成形等により中空状に成形されている。しかし、前記レッグ部 ３３は前述のような特有の形状であり、必要な強度を確保することからアルミ材 のダイキャストにより成形され、よって中実状に形成されている。このため、レ ッグ部３３の成形には多くの材料が必要となり、製造コスト上の不利が生ずるば かりでなく、レッグ部３３が高重量であることより、ルーフラック３１全体が高 重量となる。よって、該ルーフラック３１を車体のルーフに取り付ける際の作業 に労力を要し、さらには燃費の悪化を招いてしまう。

【０００４】 また、前記ルーフ取付面３５に、固定用のボルト３６を設けるためには、中実 状のレッグ部３３に、ルーフ取付面３５側から一対の螺孔を形成し、該一対の螺 孔に各々無頭状のボルト３６を回転操作して螺合させる必要がある。このため、 無頭上のボルト３６を回転操作して螺着する際の作業に手間取り、製造効率を高 めることも困難なものであった。

【０００５】 本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、軽量化及び低 コスト化を図るとともに、製造効率を高めたルーフラックを提供することを目的 とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本考案にあっては、ラック部の両端部に、湾曲して ルーフとの取付面側に径が拡開した形状のレッグ部を設けるとともに、該レッグ 部を液圧プレス成形で中空状に形成してある。

【０００７】

【作用】

前記構成において、両端部のレッグ部は液圧プレス成形により成形され、この とき、両レッグ部のみならずその間のラック部を一体的に液圧プレスで成形し得 る。また、レッグ部を中空状に形成することにより、重量及び必要となる材料が 減少する。さらに、レッグ部が中空状であれば、取り付け用のボルトが植設され たブラケットを、カシメにより、レッグ部に固定することが可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図にしたがって説明する。すなわち、図１、 〜３は本考案の第１実施例を示すものであり、ルーフラック１は直状のラック部 ２と、該ラック部２の両端部に形成れたレッグ部３，３とから構成されている。 前記ラック部２とレッグ部３とは共に中空状であって、スチール、ステンレス、 アルミ等を液圧プレス成形を用いて加工することにより、一体的に成形されてい る。前記レッグ部３には、下方に湾曲する湾曲部４が成形されているとともに、 その内部に形成されている中空部１３の径が、先端部の開口部５側に拡開する形 状を有している。

【０００９】 該開口部５には、ルーフとの取付面を形成するブラケット６が固定されている 。該ブラケット６には、一対のボルト７，７が貫通固定され、周縁部にはフラン ジ８が形成されている。そして、このブラケット６は、前記フランジ８を開口部 ５の内周縁部に位置させて、開口部５の外部よりカシメを行うことにより固定さ れている。

【００１０】 一方、車体のルーフ９には前記ボルト７，７に対応する部位に一対に貫通孔１ ０，１０が設けられている。そして、前記ブラケット６とルーフ９間に座面部材 １１を介挿して、ボルト７，７を貫通孔１０に挿入し、該ボルト７，７にルーフ ９の下面側からナット１５螺合させることにより、ルーフラック１は車体のルー フ９に固定される。

【００１１】 以上の構成にかかる本実施例においては、ルーフラック１は、両端部のレッグ 部３のみならず、ラック部２も一体的に液圧プレス成形により成形されているこ とから、ラック部２の両端部にレッグ部３を嵌着させる作業は不要となる。また 、予め別工程でボルト７を貫通固定したブラケット６を製造しておき、ラック部 ２及びレッグ部３が一体的に形成された段階で、前述したカシメによりブラケッ ト６をレッグ部３に固定することにより、ルーフラック１を効率的に製造するこ とができる。

【００１２】 また、レッグ部３はラック部２と共に中空状であることから、従来より少ない 材料でルーフラック１を製造することができ、これにより製造コストは低減する 。さらに、ラック部２のみならずレッグ部３も中空状であることにより、ルーフ ラック１の全体重量が軽減し、ルーフラック１を車体のルーフに取り付ける際の 作業が容易となるとともに、燃費への影響を改善することができる。

【００１３】 図４は、本考案の第２実施例を示すものであり、ラック部２とレッグ部３とは 別体に成形されており、レッグ部３はその端部に設けられた小径部１２にて、ラ ック部１の端部に嵌着されている。かかる第２実施例においては、ラック部２と して廉価なパイプを用いることができ、これにより低コスト化が可能となる。ま た、レッグ部３のみを液圧プレス成形により製造すればよいことから、液圧プレ ス装置が小型化し、液圧プレス装置に要する設備コストを抑制しつつ実施化が可 能となる。

【００１４】 図５は、本考案の第３実施例を示すものであり、ラック部２とレッグ部３とが 別体成形されている構造は第２実施例と同様であるが、レッグ部３には湾曲部か ら小径部１２に亙る部分に蛇腹状の脆弱部１４が設けられている。したがって、 かかる実施例において、走行時にラック部２上に載置固定された荷物が振動して 、ラック部２に上下方向の荷重が入力された際には、ラック部２は脆弱部１４を 支点にして上下方向に振動することができる。したがって、ラック部２に前記荷 重が入力された際に、ルーフ９のレッグ部３回りに生ずる曲げモーメントＭを減 少させて、ルーフ９の歪みを防止することができる。

【００１５】 なお、この第３実施例においては、別体に成形されたレッグ部２に脆弱部１４ を設けるようにしたが、第１実施例として示したラック部２とレッグ部３とが一 体成形されたルーフラック１にあっても、同様の部位に脆弱部１４を設けること により、同様の作用効果を奏することが可能である。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、ラック部の両端部に設けられ、湾曲してルーフ との取付面側に径が拡開した形状のレッグ部を液圧プレス成形で中空状に形成す るようにした。よって、レッグ部の成形に要する材料を削減して製造コストを低 減させることができ、また、レッグ部の軽量化、延いてはルーフラック全体の軽 量化を図って、ルーフラックを車体のルーフに取り付ける際の作業に要する労力 を軽減し、さらには燃費の改善を図ることができる。

【００１７】 さらに、ルーフラックを車体のルーフに取り付けるための部材を予め製造して おき、これを中空状のレッグ部に単一作業のカシメにより固定することができる 。よって、従来の製造過程で行われていたルーフラック毎に、螺孔を形成したり 、該螺孔に無頭状のボルトを回転操作して固定する等の手間取る作業を不要にし て、ルーフラックの製造効率を高めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同実施例の端部における垂直断面図である。

【図３】同実施例において用いられるブラケットの斜視
図である。

【図４】本考案の第２実施例を示す端部における垂直断
面図である。

【図５】本考案の第３実施例を示す端部における垂直断
面図である。

【図６】従来のルーフラックを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ルーフラック ２ ラック部 ３ レッグ部 ４ 湾曲部 １３ 中空部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ラック部の両端部に、湾曲してルーフと
   の取付面側に径が拡開した形状のレッグ部を設けるとと
   もに、該レッグ部を液圧プレス成形で中空状に形成した
   ことを特徴とするルーフラック。