JPH05237530A - 熱間圧延における先端反り制御方法 - Google Patents

熱間圧延における先端反り制御方法

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JPH05237530A
JPH05237530A JP4078714A JP7871492A JPH05237530A JP H05237530 A JPH05237530 A JP H05237530A JP 4078714 A JP4078714 A JP 4078714A JP 7871492 A JP7871492 A JP 7871492A JP H05237530 A JPH05237530 A JP H05237530A
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Tokuo Mizuta
水田篤男
Kenichi Oe
大江憲一
Hirotsugu Ueda
上田太次
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間圧延時に圧延材先端部の下面を冷却する
先端反り制御において、上面温度差がない場合でも先端
反りを効果的に制御する。 【構成】 圧延機入側に圧延材の下面を水冷する水冷装
置と、圧延材の板厚方向の各位置における温度を算出す
る手段と、下面冷却による下面温度の降下量を求める手
段を有する熱間圧延ラインにおいて、圧延時に圧延材先
端部の下面を冷却する先端反り制御を実施するに際し
て、下面冷却を実施する際の下面温度域が、下面冷却を
実施した際の復熱後の圧延時における圧延材先端部の下
面温度が当該圧延材のAc3点以上となる温度域におい
て、下面冷却を適用することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱間圧延における先端反
り制御方法に関し、より詳しくは、上下面温度差制御法
による先端反り制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】熱間圧
延において圧延材の先端部に発生する先端反りは、主
に、圧延工程においてデスケーリング水等により圧延材
の上面側の温度が下面側の温度より低下するために生じ
る板厚方向の温度偏差に起因することが知られている。
【0003】従来、このような先端反りの制御方法の1
つとして、圧延時に圧延材の先端部の下面を冷却して圧
延材の上下面温度差を制御する方法があった。
【0004】この従来法では、当該制御パスの偶数パス
前での反り形状等から当該制御パスの上下面温度差を制
御する手段が採られる。すなわち、上面温度が低い場合
や、当該制御パスの偶数パス前での先端反りが上反りで
ある場合、上下面温度が同一となるように下面を冷却す
る。
【0005】しかし、この従来の方法では、変態塑性に
起因して必ずしも効果を発揮し得ず、かえつて当該制御
パスの反りが助長されて大きくなる場合があった。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、熱間圧延時に圧延材先端部の下面を冷却する先端反
り制御方法において先端反りを効果的に制御できる方法
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、従来の反り制御法において上下面温度
差がない場合にも先端反りが発生する原因について検討
し、更にその解決策について鋭意研究を重ねた結果、こ
こに本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、圧延機入側に圧延材
の下面を水冷する水冷装置と、圧延材の板厚方向の各位
置における温度を算出する手段と、下面冷却による下面
温度の降下量を求める手段を有する熱間圧延ラインにお
いて、圧延時に圧延材先端部の下面を冷却する先端反り
制御を実施するに際して、下面冷却を実施する際の下面
温度域が、下面冷却を実施した際の復熱後の圧延時にお
ける圧延材先端部の下面温度が当該圧延材のAc3点以上
となる温度域において、下面冷却を適用することを特徴
とする熱間圧延における先端反り制御方法を要旨とする
ものである。
【0009】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
【作用】
【0011】本発明者は、圧延材の相変態と先端反りの
関係について種々の研究・調査を行うことにより効果的
な方法を見い出したものであり、以下にそのために実施
した基礎実験の結果について説明する。
【0012】図1は熱間加工シュミレータにより測定し
た0.09%C−0.3%Si−1.39%Mn鋼の圧延温
度範囲における熱間変形抵抗を示している。圧延材の熱
間変形抵抗がこのような温度特性を呈する時、すなわ
ち、相変態温度域において変形塑性を呈している時に、
各圧延温度域において上下面温度が異なる圧延材に下面
冷却を施した場合の先端反り状態を剛塑性有限要素を用
いた解析により算定した。その一例を図2に示す。
【0013】図2は、各圧延温度域において下面温度が
上面温度より50℃高い圧延材に対して、下面冷却を施
して圧延時における上下面温度差がなくなるようにし
て、すなわち、板厚方向の温度分布を板厚中央に対して
対称となるようにして1パス圧延した時の先端反りの反
り曲率と、比較として同一条件下で下面冷却を行わず圧
延した時の反り曲率を求めたものである。図2におい
て、下面冷却を施した場合の反り曲率は、相変態の影響
を受けて圧延温度に対して大きく変化しており、圧延温
度域によっては上下面温度差がないにも拘らず上反りを
呈していることがわかる。その原因は以下の理由による
ものである。
【0014】すなわち、下面冷却停止時に下面温度が圧
延材のAr3点以下とならない温度域及び下面冷却停止時
に下面温度がAr3点以下となるが下面冷却後から圧延ま
での復熱により下面温度が圧延材のAc3点以上となる温
度域においては、圧延材はγ(オーステナイト)単相であ
り、上下面温度差がない場合には、板厚方向の熱間変形
抵抗の分布は図3に例示するように板厚方向に対して対
称となるため、反りの発生は防止される。
【0015】これに対して、下面温度が下面冷却停止時
に圧延材のAr3点以下となり、下面冷却後から圧延まで
の復熱によりAc3点以上とならない温度域では、圧延時
において、圧延材の下面近傍には逆変態していない領
域、すなわち、α(フェライト)相の領域が残存してお
り、その領域ではα相の熱間変形抵抗値をとる。このよ
うな場合、同一温度下ではγ相の熱間変形抵抗はα相の
熱間変形抵抗より大きいので、上下面温度が同一であっ
ても、下面近傍の熱間変形抵抗はγ相である上面より小
さくなり、図4に例示するように板厚方向の熱間変形抵
抗は非対称分布となるため、上反りが発生する。
【0016】このように下面冷却を適用した場合の上反
りの発生は、図5に例示するような変態に伴う熱間変形
抵抗の低下が大きい鋼種では更に顕著となり、圧延温度
域によっては、下面冷却により、かえって反りが助長さ
れて大きくなるのである。
【0017】以上の基礎実験の結果より、下面冷却は、
下面冷却した後の圧延時における圧延材の下面温度が当
該圧延材のAc3点以上となるような温度域において行う
ことが不可欠であるとの知見を得た。
【0018】本発明は、上述の条件にて下面冷却を実施
するが、そのためには、少なくとも、圧延機入側に圧延
材の下面を水冷する水冷装置と、圧延材の板厚方向の各
位置における温度を算出する手段と、下面冷却による下
面温度の降下量を求める手段を有することが必要である
ことは云うまでもない。
【0019】ここで、圧延材の下面を水冷する水冷装置
や、圧延材の板厚方向の温度を算出する手段は、従来と
同様でよい。
【0020】また、下面冷却による下面温度の降下量を
求める手段も特に制限されるものではない。
【0021】なお、下面冷却停止後に復熱する温度上昇
量は、差分法等を用いた伝熱計算、或いは下面冷却時の
下面温度と種々の冷却条件による復熱後圧延時の下面温
度との関係を実験により得たデータを基に容易に予測で
きる。
【0022】次に本発明の実施例を示す。
【0023】
【実施例】本発明の有効性を確認するために、SM52
0鋼を用いて反り制御実験を行った。この鋼種の化学成
分から決まるAr3点は752℃、Ac3点は840であ
る。実験は、比較例1として下面冷却を適用しない場
合、比較例2として従来法を適用した場合、及び本発明
を適用した場合の3条件について行い、いずれの場合
も、加熱条件と圧延パススケジュール(
【表1】 )はほぼ同一である。
【0024】また、実験はリバース圧延機を用いて行
い、圧延材の長手方向のトップ端側を制御の対象とする
ため、表1に示す偶数パス(No.2、No.4、No.6、
No.8、No.10)についてのみ考慮した。
【0025】
【比較例1】図6は、下面冷却を適用しない場合に各偶
数パスで発生した先端反りの反り量を示したものであ
り、各偶数パスにおける圧延温度(圧延材の下面温度)
は、No.2:910℃、No.4:890℃、No.6:8
65℃、No.8:840℃、No.10:810℃であ
る。本例の場合、最終10パス目に発生した反り量は2
00mmであった。
【0026】
【比較例2】図7は、従来法による下面冷却を適用した
場合に各偶数パスで発生した先端反りの反り量を示した
ものである。
【0027】すなわち、No.6パスの反り状態から判断
して、No.8パスにおいて下面冷却を適用することに
し、圧延材の上下面温度差を測定した結果、53℃(上
面温度:845℃、下面温度:792℃)であった。そこ
で、この上下面温度差を解消するために、圧延材の先端
部の下面を水量密度0.7m3/m2・minで3.8sec水冷し
た。その時の下面冷却停止時の下面温度は685℃(<
Ar3点)、復熱後の圧延時(No.10パス)における下面
温度は795℃(<Ac3点)であった。その結果、No.8
パス目の圧延では570mmの上反りが、また、最終No.
10パス目には500mmの上反りが発生した。
【0028】
【本発明例】図8は、本発明を適用した場合に各偶数パ
スで発生した先端反りの反り量を示したものである。
【0029】すなわち、No.2パスにおいて圧延材の上
下面温度差を測定した結果、51℃(上面温度:850
℃、下面温度:901℃)であった。この温度差を解消す
るために必要な下面冷却を実施した後、下面冷却停止時
にAr3点以下となった下面温度が復熱後の圧延時にAc3
点以上となる圧延温度を確保できるのはNo.2パスだけ
であった。
【0030】そこで、No.2パスにおいて51℃の上下
面温度差を解消するために、圧延材の先端部の下面を水
量密度0.7m3/m2・minで4.0sec水冷した。その時の
下面冷却停止時の下面温度は739℃(<Ar3点)、復熱
後の圧延時(No.4パス)における下面温度は853℃
(>Ac3点)であった。
【0031】その結果、No.2パス以降において発生し
た反り量は、比較例1及び比較例2の場合に比べて小さ
くなっており、最終No.10パスにおける反り量は40
mmと非常に小さくなった。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
熱間圧延時に圧延材先端部の下面を冷却する先端反り制
御方法において、上下面温度差がない場合でも先端反り
を効果的に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間変形抵抗の温度特性を示す図である。
【図2】圧延材の上面温度と反り曲率の関係を示す図で
ある。
【図3】板厚方向の熱間変形抵抗分布を示す図である。
【図4】板厚方向の熱間変形抵抗分布を示す図である。
【図5】熱間変形抵抗の温度特性を示す図である。
【図6】比較例1における各偶数パスでの反り量を示す
図である。
【図7】比較例2における各偶数パスでの反り量を示す
図である。
【図8】本発明例における各偶数パスでの反り量を示す
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機入側に圧延材の下面を水冷する水
    冷装置と、圧延材の板厚方向の各位置における温度を算
    出する手段と、下面冷却による下面温度の降下量を求め
    る手段を有する熱間圧延ラインにおいて、圧延時に圧延
    材先端部の下面を冷却する先端反り制御を実施するに際
    して、下面冷却を実施する際の下面温度域が、下面冷却
    を実施した際の復熱後の圧延時における圧延材先端部の
    下面温度が当該圧延材のAc3点以上となる温度域におい
    て、下面冷却を適用することを特徴とする熱間圧延にお
    ける先端反り制御方法。
JP4078714A 1992-02-28 1992-02-28 熱間圧延における先端反り制御方法 Expired - Lifetime JP2786772B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103978046A (zh) * 2014-05-21 2014-08-13 北京科技大学 一种基于多参数的热轧铝板喷射梁分段冷却设定方法
CN104550248A (zh) * 2014-12-17 2015-04-29 秦皇岛首秦金属材料有限公司 一种基于来料厚度和压下量的轧制线调整方法

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CN103978046B (zh) * 2014-05-21 2015-11-04 北京科技大学 一种基于多参数的热轧铝板喷射梁分段冷却设定方法
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