JP5350579B2 - 連続式溶融めっき用熱延鋼板の材質安定化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鋼、熱間圧延、熱延鋼板の脱スケール、熱処理等からなる、熱延鋼板の製造工程において各工程の作業条件のばらつきに起因する製品鋼板材質の目標値からのずれを、最終工程側の熱処理における温度条件の修正再設定により低減解消し、目標品質を安定確保し得るようにした、連続式溶融めっき用熱延鋼板の材質安定化方法に関する。
素材鋼の溶製・鋳造,熱間圧延,熱延鋼板の形状修正等の工程からなる熱延鋼板の製造、または熱間圧延につづく焼鈍処理,冷間圧延,調質圧延等の工程を経由する冷延鋼板の製造、あるいは熱延鋼板をめっき母材板とする連続溶融めっき鋼板の製造等においては、製造しようとする鋼板の製品仕様に基いて、それぞれの製造工程の作業条件(鋼組成、熱間圧延、焼鈍処理、冷間圧延,調質圧延、その他の諸条件)が予め設定ないし指示される。
しかし各工程の作業実績は、必ずしも設定・指示された作業条件と正確には一致せず、例えば素材鋼の鋼組成(成分含有量の分析値)と、予め指示された鋼組成(目標成分値)との間には幾分のずれがあり、また熱間圧延の仕上げ温度・巻取り温度、焼鈍処理温度、冷延圧延率、その他の諸条件の作業実績についても、工程のばらつきに起因する設計値からのずれを付随するのが通常である。
このような作業実績の設計目標値からのずれは、製品鋼板の材質(強度,延性等の機械的特性値)のばらつきを生じる原因となる。このため、製品鋼板の材質を安定化するには、素材鋼の鋼組成をはじめ、各工程の作業実績のばらつきを小さくすることが必要となる。その対策として、素材鋼の鋼組成(C,Mn…等の含有率)や各工程の作業条件の管理範囲を狭くすることが考えられるが、各工程の作業管理項目のそれぞれを細かく制御することは、コスト負担の大幅増加となるばかりか、既存設備の工程能力(対応可能レベル)の制約等により、成分外れ発生率の増加・歩留低下、生産工程での充当素材のデリバリーの支障・生産遅延等の問題が派生し、実効ある対策とはなり難い。
鋼板材質のばらつき(目標値からのずれ)を低減する他の方法として、下記の特許公報に、予め設定された各工程の作業条件を、鋼成分情報(実績値)に基づいて順次修正(再設定)し、および上工程での作業実績に基づいて、下工程の作業条件を順次修正(再設定)することからなる冷延鋼板の製造方法が開示されている。
その方法は、(i)過去の操業実績データの解析から、鋼組成及び各工程の作業条件について、設定値からのずれと製品鋼板の材料特性値のずれとの関係を予め求めておく、(ii)溶製・鋳造されたスラブについて、鋼成分値と予め設定された鋼成分値(基準値)との差を求め、その差を予め設定された材料特性値(基準値)との差に換算する、(iii)換算結果に基づいて、熱延作業項目(スラブ加熱温度,熱延仕上げ温度,巻取り温度…等)のそれぞれを修正する、(iv)前記熱延工程での修正操作は、予め決められた優先順位(巻取り温度→仕上げ温度→スラブ加熱温度…の順)に従ってそれぞれの設定操作範囲内で展開し、材料特性値(基準値)とのずれが十分小さくなるまで続ける、(v)前記熱延条件の修正・再設定によっても、材料特性値(基準値)との差が十分小さくならない場合は、下工程の冷間圧延において、その差が0に近付くように、作業項目(ライン速度,焼鈍処理条件,調質圧延条件など)の修正操作を、設定された優先順位に従って所定の操作範囲内で繰返し実施する、というものである。
特開平11−179410号公報
上記公報に記載された鋼板の材質安定化方法は、素材鋼の成分値(実績値)をもとに、下工程(熱間圧延及びその下流側の各工程)の作業条件(熱間圧延温度,巻取り温度、焼鈍温度,冷延圧延率,ライン速度等)のそれぞれを作業項目別に制御するものであるから、これを実生産ラインに適用するに当たっては、設備構成に対応した制御システムの開発が必要となり、しかも既存設備ではその設備能力等の関係から、制御システム実施上の制約も多く、意図した効果(材料特性のばらつき低減)を確保することは容易でない。
本発明は、上記問題を解決するものであり、上工程の作業実績に基づいて下工程の作業条件のそれぞれを順次修正していく従来の煩瑣な制御操作を排し、シンプルなシステム構成により、各工程の作業実績のばらつきによる材質影響を効果的に解消し、連続式溶融めっきの母材板として使用される熱延鋼板の製造において、製品材質の目標値からのずれを効果的に低減し得るようにした材質安定化方法を提供するものである。
本発明の第1の熱延鋼板材質安定化方法(請求項1)は、
製鋼・鋳造、熱間圧延、熱延鋼板のスキンパスミル圧延、および連続式溶融めっきライン内の連続熱処理(以下単に「熱処理」という)の工程を経由して製造される、連続式溶融めっき母材鋼板である熱延鋼板の製品材料特性値の目標値からのずれを低減する方法において、
素材鋼を、質量%で、C:0.080〜0.30%,Si:0.001〜0.040%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Al:0.010〜0.100%,N:0.0005〜0.0150%、残部Fe及び不可避不純物からなる低・中炭素鋼とし、
予め過去の操業実績データの解析により、材質影響因子として選ばれた前記素材鋼の成分値、熱間圧延での巻取り温度、熱延鋼板のスキンパスミル圧延の圧延伸び率、スキンパス圧延前の鋼板の板厚、熱処理における加熱温度及び鋼板移送速度と、製品鋼板の材料特性値として選ばれる降伏強さ(YP)との関係式を求めておき、
鋼板の熱処理を行なうに際して、熱処理工程に到るまでの各工程の作業実績値と、これから実施しようとする熱処理の設計加熱温度とをもとに、前記関係式により、製品鋼板の降伏強さ(YP)の予測値を算出し、該予測値と目標値との差を求めると共に、熱処理の加熱温度について、上記の予測値と目標値との差を解消するに必要な温度修正量を算出し、
算出された温度修正量に基づいて、設計加熱温度を修正して鋼板の熱処理を行なうものであり、
前記材質影響因子と、製品鋼板の降伏強さ(YP)との関係式が、下記[A]式で表されるものであることを特徴としている。
(数1)
YP(N/mm )=324+496×(√C−√0.130)+62×(Mn−0.464)+878×(P−0.016)
+9431×(N−0.0021)+778×(Al−0.030)−0.084×(CT−567)
+10×(SKP−4.05)−0.357×(SS−675)−12.26×{√(50/LS×60)
−√(50/49.5×60)}−5.58×{t×(1-SKP/100)−4.228} +m …[A]
[式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al):当該元素のmass%で示される数値、
CT :熱間圧延における巻取り温度(℃)の数値
SKP :スキンパス圧延(めっき前)での伸び率(%)の数値
SS :溶融めっきラインにおける連続熱処理炉での鋼板の板温(℃)の数値
LS :溶融めっきラインの鋼帯移送速度(m/min)の数値
t :鋼板(スキンパス圧延前)の板厚(mm)の数値
:製品板厚5.8(mm)未満、設計加熱又は熱処理温度690-720℃及び
C量0.08-0.13%の場合はm =+12N/mm 、それ以外の場合はm =0]
本発明の第2の熱延鋼板の材質安定化方法(請求項2)は
製鋼・鋳造、熱間圧延、熱延鋼板のスキンパスミル圧延、および連続式溶融めっきライン内の連続熱処理(以下単に「熱処理」という)の工程を経由して製造される、連続式溶融めっき母材鋼板である熱延鋼板の製品材料特性値の目標値からのずれを低減する方法において、
素材鋼を、質量%で、C:0.080〜0.30%,Si:0.001〜0.040%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Al:0.010〜0.100%,N:0.0005〜0.0150%、残部Fe及び不可避不純物からなる低・中炭素鋼とし、
予め過去の操業実績データの解析により、材質影響因子として選ばれた前記素材鋼の成分値、熱間圧延での巻取り温度、熱延鋼板のスキンパスミル圧延の圧延伸び率、スキンパス圧延前の鋼板の板厚、熱処理における加熱温度及び鋼板移送速度と、製品鋼板の材料特性値として選ばれる引張強さ(TS)との関係式を求めておき、
鋼板の熱処理を行なうに際して、熱処理工程に到るまでの各工程の作業実績値と、これから実施しようとする熱処理の設計加熱温度とをもとに、前記関係式により、製品鋼板の引張強さ(TS)の予測値を算出し、該予測値と目標値との差を求めると共に、熱処理の加熱温度について、上記の予測値と目標値との差を解消するに必要な温度修正量を算出し、
算出された温度修正量に基づいて、設計加熱温度を修正して鋼板の熱処理を行なうものであり、
前記材質影響因子と、製品鋼板の引張強さ(TS)との関係式が、下記[B]式で表されるものである。
(数2)
TS(N/mm )=439+480×(√C−√0.130)+53×(Mn−0.464)+685×(P−0.016)
+2464×(N−0.0021)+603×(Al−0.030)+0.148×(CT−567)
+5×(SKP−4.05)−0.216×(SS−675)−6.37×{√(50/LS×60)
−√(50/49.5×60)}−0.914×{t×(1−SKP/100)−4.228} …[B]
[式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al)、CT、SKP、SS、LS、及びtは前記と同義 ]
本発明によれば、熱処理工程における温度条件の修正再設定により、熱処理に到る前工程での作業実績のばらつきによる材質影響の総和が解消される。熱処理温度の昇降温操作は容易で、鋼板材質に及ぼす影響も比較的大きく、従って熱処理条件を含む各作業条件と製品材料特性値との関係式に基づく加熱温度の修正再設定により、製品材料特性値の目標値からのずれが低減解消される。このように、熱処理に到る前工程の作業条件を逐次修正する操作を必要とせず、熱処理での温度条件の修正操作のみで製品材質を安定化することができるので、制御システムとしてシンプルでシステム構成のためのコスト負担も少なく、既存設備での実施も容易である。
本発明について、溶融めっき鋼板のめっき母材板として使用される熱延鋼板の製造工程を例に挙げて具体的に説明する。製造工程は次のようである。
[製鋼]−[熱間圧延]−[スキンパス圧延]−[熱処理(連続焼鈍)]−[連続溶融めっき]
上記工程中、「スキンパス圧延」は、熱延鋼板の形状修正等を目的としたスキンパスミルによる軽圧下(伸び率:約1〜10%程度)の調質圧延である。鋼板の熱処理は、連続式溶融めっきライン内の熱処理炉(焼鈍炉)で行われ、熱処理につづいて溶融めっき装置に導入され製品めっき鋼板に仕上げられる。
上記熱延鋼板(めっき母材板)は、溶融めっき工程で材料特性値(機械的性質)が実質的に変動するような熱的・機械的作用を受けないので、製品鋼帯(ここでは溶融めっき鋼板)の材料特性値は、上記熱処理条件により最終的に決定される。なお、溶融めっきの材種は亜鉛又は亜鉛合金めっき(例えばZn-Al-Mg系合金めっき),アルミ又はアルミ合金めっき等である。
本発明は、製鋼から熱処理に到る各工程の作業条件(素材鋼成分値,熱間圧延での巻取り温度,スキンパス圧延伸び率,熱処理における加熱温度,ライン通板速度等)について、過去の操業実績データの解析により、製品材料特性値(降伏強さ,引張強さ等の機械的性質)に影響を及ぼす作業因子(材質影響因子)とその影響度を明らかにし、製品材料特性と材質影響因子との間の定量的な関係式(以下、材質予測式ともいう)を用意しておく。
製鋼工程から熱処理に到る各工程(前工程)は、製造しようとする鋼板の製品仕様に基づいて決定される作業条件に従って行えばよく、この点は通常の操業法と異ならない。本発明においては、鋼板の熱処理を実施するに際して、その前工程の作業条件(素材鋼成分値,熱延巻取り温度,スキンパス伸び率等)の実績値を収集し、その実績値と、これから行なおうとする熱処理条件(加熱温度,ライン速度等)の設計値をもとに、材質予測式により製品鋼板の材料特性値を計算(予測)する。
そして算出される製品材質の予測値と、製品仕様に基づいて設定されている材料特性値(目標値)とを比較し、比較結果に基づいて熱処理条件(加熱温度等)の修正の要否が判断される。製品材質が目標範囲を超えて硬質化する(延性・加工性の不足)と予測される場合の加熱温度は当初の設定値より高めに、逆に目標範囲を超えて軟質化する(強度不足)と予測される場合は、低めの温度にそれぞれ修正・再設定される。従って機械的性質(降伏強さ,引張強さ)の調整において、その目標値範囲の上・下限値と、算出される予測値との比較結果から、
・「予測値>上限値」の場合は、当初の設定温度より高温側に修正。
・「下限値>予測値」の場合は、当初の設定温度より低温側に修正。
・「上限値≧予測値≧下限値」の場合は、加熱温度の修正を要せず、予め設定された温度条件で熱処理を実施する。
この熱処理温度の修正量(設定温度からの変更量)は、上記予測値と、設定された材質目標値の上・下限値との差(ずれの大きさ)に依存し、その修正量は前記「材質予測式」に基づいて算出される。これらの計算・判断および作業条件の修正再設定の指示等は、中央演算処理装置(CPU)により行なわれる。これにより、熱処理工程に到るまでの前工程における作業実績のばらつきに起因する材質影響の総和(それによる製品材質の目標値からのずれ)が低減・解消される。
従って本発明の制御システムには、製品材質とこれに影響する各工程の作業条件との間の定量的な関係式(材質予測式)を明らかにすることが不可欠である。そのための実操業実績データの解析で重要なことは、多数の操業因子間における相互の交絡とその影響を排除して各操業因子の本来の影響度を正確に把握することである。
操業因子の相互交絡とその影響について、二三の例を挙げれば、素材鋼組成に関して、鋼中C%とMn%(いずれも強度を高める作用を有する元素)との間に正の相関がある場合、散布図には強度に対する影響が実際より大きく現れ、またC%とAl%とが負の相関を有するような場合は、Al%の増加で強度が低下するという、事実とは逆の相関が現れることもある。更に、熱延鋼板の巻取り温度について、巻取り温度と鋼中C%との間に正の相関がある場合においては、その温度上昇により製品強度が増加するという不合理な相関が現れ、あるいは熱処理工程のライン速度(鋼板の昇温・加熱保持時間等と関連し材質影響因子と考えられる)の製品材質に対する本来の影響が、他の作業因子の影響を受けて散布図には判然と現れないこともある。
そこで、本発明は、前記溶融めっきの母材板等として使用される熱延鋼板を対象とし、その製造工程における各要因の相互交絡の影響を可及的に排除し、要因ごとの材質影響度をより正確に導き出すために、次の方針で実績操業データの解析を進めた。 (i)信頼性のある既知データ(ラボデータ等)の要因影響を利用する、(ii)既知の要因の影響度を補正したうえで求めたい要因の影響度を把握する、(iii)他の要因については求めたい要因の影響度が得られる範囲内でできるだけ範囲を狭める、(iv)上記(ii)(iii)の作業を繰返すことにより誤差要因を小さくし予測式の精度を高める。
解析対象とした上記熱延鋼板は次の組成(質量%)を有する低・中炭素鋼であり、図7に、その製鋼から最終工程側の熱処理に到る操業実績データ(n=1134)の内容を示す。
C:0.080〜0.30%,Si:0.001〜0.040%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Al:0.010〜0.100%,N:0.0005〜0.0150%、残部:Fe及び不可避不純物。
下記の材質予測式[A]及び[B]は、前記方針のもとに熱延鋼板製造工程での要因相互の影響を補正ないし除去しつつ重解析分析を行って得られたものである(後述)。
(数1)
[YP予測式(A)]
YP(N/mm)=324+496×(√C−√0.130)+62×(Mn−0.464)+878×(P−0.016)
+9431×(N−0.0021)+778×(Al−0.030)−0.084×(CT−567)
+10×(SKP−4.05)−0.357×(SS−675)−12.26×{√(50/LS×60)
−√(50/49.5×60)}−5.58×{t×(1-SKP/100)−4.228}+m
[式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al):当該元素の含有量(mass%)の数値、
CT :熱間圧延における巻取り温度(℃)の数値
SKP :スキンパス圧延(めっき前)での伸び率(%)の数値
SS :溶融めっきラインにおける熱処理炉での鋼板の板温(℃)の数値
LS :溶融めっきラインの鋼帯移送速度(m/min)の数値
t :鋼板(スキンパス圧延前)の板厚(mm)の数値
:製品板厚5.8(mm)未満、設計加熱又は熱処理温度690-720℃及び
C量0.08-0.13%の場合、m=+12N/mm、それ以外の場合はm=0]
(数2)
[TS予測式(B)]
TS(N/mm)=439+480×(√C−√0.130)+53×(Mn−0.464)+685×(P−0.016)
+2464×(N−0.0021)+603×(Al−0.030)+0.148×(CT−567)
+5×(SKP−4.05)−0.216×(SS−675)−6.37×{√(50/LS×60)
−√(50/49.5×60)}−0.914×{t×(1−SKP/100)−4.228}
[式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al)、CT,SKP,SS,SL及びtは前記と同義]
上記予測式[A]及び[B]を導き出したデータ解析について以下に詳しく説明する。
まず操業実績データの解析にあたり、既知のラボデータとしてスキンパス圧延伸び率(SKP)の影響、及び熱処理(焼鈍)温度の影響に関するデータを利用することとした。図1(a)(b)にスキンパス圧延伸び率(SKP)の影響、及び図2(a)(b)に熱処理(焼鈍)温度(SS)の影響を示す。各図中の「CT」は熱間圧延での巻取り温度である。
図1(a)及び同図(b)より、SKP伸び率1%増加当たり
降伏強さ(YP);+10N/mm(増加)
引張強さ(TS):+ 5N/mm(増加)
図2(a)及び同図(b)より、熱処理加熱温度1℃上昇当たり
降伏強さ(YP);−0.357N/mm(減少)
引張強さ(TS):−0.216N/mm(減少) である。
なお、図2(a)において、約690〜710℃の加熱温度域(変態点近傍)でYP値の変化(約12N/mm上昇)がみられる。本発明者の解析によれば、このYP値の変化は、鋼板のC含有量と熱処理温度および冷却速度に関連している。すなわち特定のC量(0.08-0.13%)の鋼板を変態点付近の温度域に加熱すると固溶C量が多くなり、その加熱温度からある程度以上の冷却速度で冷却すると鋼中のフリーCの残留量が増加することによる現象であると推測される。その冷却速度は、他の条件が同じであれば、板厚が薄いほど高くなる。このYP値の変化は、板厚約5.8mm以下の薄厚鋼板に観察される。このため、前記予測式[A]は「m」の項が付加されている。
素材鋼成分値(C,Mn,P,N,Al)、熱延巻取り温度(CT)、板厚(t)等の各作業因子の製品材質に及ぼす影響度の解析では、上記ラボデータ(図1,図2)によるスキンパス伸び率(SKP)及び熱処理温度(SS)の影響を補正したデータを使用している。
また素材鋼成分値(C,Mn,P,N等)については、元素毎の影響を知るために、着目している成分元素以外の成分を固定してデータを抽出し材料特性値(YP,TS)との関係を求め、これを元素毎に繰返すことにより成分系全体の影響度を把握するようにした。材質に対する鋼成分の影響は、固溶強化と析出強化とがあり、両者は材質に及ぼす影響度の回帰曲線が異なるので分けて扱う必要がある。Cの影響度(材質強化量)については、本発明の鋼組成(C量が比較的多い)ではセメンタイト(FeC)として析出しているので、転位と析出粒子との関係から考察することにした。Si,Mn,P,N等の固溶強化元素は、よく知られているように含有量と材質強化量は直線(比例)関係として捉えることができる。但しSiに関しては、解析結果から、本発明の低・中炭素鋼では材質変動の実質的な影響はなく、従って前記予測式はSiの項を含まない。
[C量の影響]
C%と強化量の関係については、析出粒子径が大きい場合のルーピングモデル(Looping Model)と析出粒子径が小さい場合のカッティングモデル(Cutting Model)とが知られている。ルーピングモデルは、析出C量の-1/3乗の逆数と強化量とが直線関係をなし、カッティングモデルは析出C量の平方根(√C)と強化量とが直線関係をなすものである。C量が比較的多く、炭化物粒が大きくなれば、理論的にはルーピングモデルが適用されることになるが、本発明のC量範囲では、どちらのモデル式を適用してもさほどの違いのないことが検証されており、このため予測式の簡素化の観点から、カッティングモデルを適用することとした。
YP=495.72×√C%+144.69 R=0.3456 … [1A]
TS=479.60×√C%+267.67 R=0.5749 … [1B]
√Cの1ポイント増加当りの影響度 YP:+496N/mm(増加)
TS:+480N/mm(増加)
[Mn量の影響]
YP=62×Mn%+293.45 R=0.0525 … [2A]
TS=53×Mn%+415.07 R=0.1029 … [2B]
Mnの1%増加当りの影響度 YP:+62N/mm(増加)
TS:+53N/mm(増加)
[P量の影響]
YP=877.959×P%+309.515 R=0.104 … [3A]
TS=684.801×P%+430.490 R=0.104 … [3B]
Pの1%増加当りの影響度 YP:+878N/mm(増加)
TS:+685N/mm(増加)
[N量の影響]
YP=9431.255×N%+306.440 R=0.056 … [4A]
TS=2464.167×N%+438.401 R=0.009 … [4B]
Nの1%増加当りの影響度 YP:+9431N/mm(増加)
TS:+2464N/mm(増加)
[Al量の影響]
YP=777.93×Al%+304.51 R=0.0635 … [5A]
TS=602.84×Al%+427.73 R=0.11 … [5B]
Alの1%増加当りの影響度 YP:+778N/mm(増加)
TS:+603N/mm(増加)
[熱間圧延の巻取り温度(CT)の影響]
熱延巻取り温度は、鋼中の炭化物や、窒化アルミニウム(AlN)析出粒子の大きさ、フリーC量等に影響することから、その温度が低いほど硬質化することが予想されるが、低・中炭素鋼の一般的な巻取り温度(約450〜550℃)およびその後の熱処理温度(約600℃以上)の条件下では材質に及ぼす影響は小さく、その影響度は次式で表される。
YP=−0.0841×CT+370.08 R=0.0083 … [6A]
TS=−0.148×CT+354.9 R=0.0695 … [6B]
CT(巻取り温度)の1℃上昇あたり YP:−0.084N/mm2(減少)
TS:+0.148N/mm2(増加)
なお、熱延仕上温度については、解析結果から通常の作業温度範囲(≧Ar変態点)であれば製品材質への実質的な影響はなく、従って予測式には熱延温度の項は含まれない。
[熱処理工程のライン通板速度(LS)の影響]
ライン速度(通板速度)は、鋼板の加熱時間および加熱後の冷却速度に関連し、製品材質に影響する。ライン速度の増加(→均熱時間の短縮および加熱後の冷却速度の増加)は、製品の硬質化を伴い、ライン速度の低下はそれと逆の効果として製品の軟質化を伴なう。ライン速度によるこのような材質変動は、鋼板組織の結晶成長および炭化物の成長の遅速、あるいはフリーC量の増減等による影響と考えられるので、反応速度論として時間の平方根で表すことができる。そこで、ライン速度の逆数をとり時間の平方根(√(50/LS×60,sec))として材質変動との関係をみると、両者は直線にのり、その関係は次式で表される(ライン速度はm/minをm/secに換算表示)。
YP=−12.264×√(50/LS×60)+418.34 R=0.2227 … [6A]
TS=−6.3733×√(50/LS×60)+488.93 R=0.2227 … [6B]
√(50/LS×60,sec)(ライン速度の逆数の平方根)の1ポイント当りの影響
YP:−12.26N/mm(減少)
TS:−6.37N/mm(減少)
[熱延鋼板の板厚(t)の影響]
製品の降伏強さ(YP)及び引張強さ(TS)のいずれも、荷重を断面積(板厚×板幅)で除した値であるから、板厚の影響は製品にあらわれないようにも思えるが、板厚の厚薄により冷却状況が異なることを考慮すると、これを無視することはできない。その影響度は次式で表される。この相関解析には、降伏強さ(YP)及び引張強さ(TS)として、スキンパス伸び率(SKP)と熱処理温度(SS)の補正に加え、素材鋼成分値(C,Mn,P,N,Al等)、巻取り温度(CT)およびライン速度(LS)の補正を施したデータを使用している。
YP=−5.5757×t+355.26 R=0.0484 … [7A]
TS=−0.9141×t+444.16 R=0.0084 … [7B]
板厚(t)の1mm増加あたりの影響度 YP:−5.58N/mm(減少)
TS:−0.914N/mm(減少)
上記のように各材質影響因子のそれぞれの影響度を明らかにすると共に、その平均値と実績値との差(乖離度)を求め、その乖離度に各材質影響因子の影響度を乗算することにより前記式予測式[A]及び[B]が得られる。なお、予測式[A][B]中、第1項〔式Aの「324」、式Bの「439」〕はそれぞれの平均値、第8項〔式Aの「+10×(SKP−4.05)」,式Bの「+5×(SKP−4.05)」〕はスキンパス圧延伸び率(SKP)の影響を補正する項(前記図1のラボデータに基づく補正項)であり、第9項〔式Aの「-0.357×(SS-675)」,式Bの「-0.216×(SS-675)」〕は、熱処理温度(SS)の影響を補正する項(前記図2のラボデータに基づく補正項)である。
図3及び図4は、降伏強さ(YP)及び引張強さ(TS)について、前記予測式[A](YP予測式)[B](TS予測式)による予測値(計算値)と、実績値との関係を示している。降伏強さ(図3)、引張強さ(図4)ともに、その相関係数及び1に近い直線の傾きを有することは、信頼性のある予測が可能であることを示している。
本発明について、溶融めっき鋼板のめっき母材板として使用される熱延鋼板の製造工程を例に挙げて、以下に具体的に説明する。製造工程は次のようである。
[製鋼]−[熱間圧延]−[スキンパス圧延]−[熱処理(連続焼鈍)]−[連続溶融めっき]
[1]製造条件
(1)素材鋼組成(質量%)
C:0.120〜0.152,Si:0.002〜0.010,Mn:0.41〜0.56,P:0.008〜0.025,N:0.0014
〜0.0035,Al:0.014〜0.060,Bal:Fe(及び不可避不純物)
(2)熱間圧延の巻取り温度 :560〜584℃
(3)スキンパスでの圧延伸び率:2〜6%
(4)熱処理(連続式溶融めっきライン内焼鈍炉)
(4.1)ライン通板速度 :29〜85mpm
(4.2)加熱温度 :631〜711℃
(4.3)鋼板の板厚 :3.2〜6.0mm
(5)溶融めっき材種:亜鉛合金(Zn-Mg-Al系合金)めっき
[2]製品材質の予測及び熱処理温度の修正・再設定
熱処理炉(焼鈍炉)を備えた連続溶融めっきラインに熱延鋼板を投入するに先だって、予測式[A][B]による製品鋼板の材料特性値の計算、予測値と製品材質の目標値との比較、および製品材質の予測値と目標値とにずれがある場合のずれの大きさ(上下限値からの乖離の大きさ)と、そのずれを解消するのに必要な加熱温度の修正量の計算を行なった。なお素材鋼成分値(C,Mn,P,N,Al)、熱延巻取り温度(CT)、スキンパス圧延伸び率(SKP)、板厚(t)はそれぞれの実績値を使用し、熱処理条件(加熱温度SS,ライン速度LS)については、製品仕様に基づく設計値を代入した。
上記計算結果に基づいて熱処理温度を修正再設定したうえ熱処理を行なった。これら一連の計算、判断、指令等はCPUにて行なった。
[4]結果
表1に、上記発明例の鋼板と従来の工程(予測式に基づく加熱温度の修正再設定の操作なし)の鋼板(従来材)について測定された引張強さ(TS)、降伏強さ(YP)及び伸び(El)を示す。また、図5(1)(2)は、表1に示した発明例及び従来材の引張強さ(TS)と降伏強さ(YP)のバランスを示し、図6(1)(2)は、引張強さ(TS)と伸び(El)のバランスを示している(各図とも、(1):発明例,(2):従来材)。
発明例のものは、従来材と比べて強度及び伸び(延性)のばらつきが少なく、引張強さ(TS)と降伏強さ(YP)のバランス、及び引張強さ(TS)と伸び(El)のバランスも良好であり、従来材との差異は歴然である。
(表1)
発明例 従来材
平均 σ 平均 σ
降伏強さYP(N/mm) 324 12 332 14
引張強さTS(N/mm) 438 7 446 10
伸び El(%) 35.2 1.1 35.1 1.2
本発明において製品材料特性値の調整に必要な制御操作は、最終工程側に近い熱処理での温度条件のみであり、それ以外の作業条件は修正再設定を必要としない。従って前工程の作業実績に基づいて下工程の作業条件を逐次修正再設定する制御方式に比べ、システムとしてシンプルであり、実施に要するコスト負担も少ない。
熱処理温度の昇降温制御は比較的容易であり、また材質に及ぼす熱処理温度の影響は比較的大きいので、熱処理温度の修正再設定の操作のみで、熱処理に到る前工程の作業実績のばらつきによる材質影響の総和を効果的に緩和解消することができ、従って各工程の作業実績と製品材質との相関解析で得られる予測式に基づいて、熱処理温度を修正再設定することにより、製品材料特性値の目標値からのずれが低減解消され、材質のばらつきが少なく、製品仕様を満足する製品鋼板を安定して製造することができる。
本発明によれば、熱処理温度の修正再設定の操作のみで、製品材質の目標値からのずれが緩和解消されるので、材質調整に対する対応可能レベル(工程能力)に制約があるような既存設備での実施も容易である。また、熱処理の実施に先立って製品材質の予測値が得られることから、充当素材のデリバリー等の適切な措置が可能となり、充当素材の不足や生産遅延、納期トラブル等の低減解消にも役立ち、高い実用価値を有するものである。
なお、製品材質の予測式の精度が確保されることにより、予測値(計算値)と製品材質の実績値とを相関図として定期的に(例えば1回/週)プリントアウトし、両者の対応を確認することは、工程内の予期しない異常(例えば製鋼原材料の分析対象外の成分汚染、熱処理炉内の板温検出計の異常)、あるいは引張試験機の不具合等の早期発見に役立ち、生産上の重大なトラルブや損失等の未然防止に寄与するものである。
製品鋼板の降伏強さ(YP)及び引張強さ(TS)に及ぼすスキンパス圧延の伸び率(%)の影響を示すグラフである(a図:降伏強さYP,b図:引張強さTS)。 製品鋼板の降伏強さ(YP)及び引張強さ(TS)に及ぼす熱処理温度の影響を示すグラフである(a図:降伏強さYP,b図:引張強さTS)。 製品鋼板の降伏強さ(YP)について、本発明の予測式[A]の算出値と実績値との関係を示すグラフである。
製品鋼板の引張強さ(TS)について、本発明の予測式[B]の算出値と実績値との関係を示すグラフである。 実施例欄の供試鋼板の降伏強さ(YP)と引張強さ(TS)のバランスを示すグラフ(同図(1):発明例、同図(2):従来材)である。 実施例欄の供試鋼板の引張強さ(TS)と及び伸び(EL)のバランスを示すグラフ(同図(1):発明例、同図(2):従来材)である。 本発明の予測式[A][B]の導出に使用した操業実績データを示す図である(i:素材鋼成分値、ii:熱間圧延〜熱処理の工程間作業実績、iii:製品材料特性値)。

Claims (2)

  1. 製鋼・鋳造、熱間圧延、熱延鋼板のスキンパスミル圧延、および連続式溶融めっきライン内の連続熱処理(以下単に「熱処理」という)の工程を経由して製造される、連続式溶融めっき母材鋼板である熱延鋼板の製品材料特性値の目標値からのずれを低減する方法において、
    素材鋼を、質量%で、C:0.080〜0.30%,Si:0.001〜0.040%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Al:0.010〜0.100%,N:0.0005〜0.0150%、残部Fe及び不可避不純物からなる低・中炭素鋼とし、
    予め過去の操業実績データの解析により、材質影響因子として選ばれた前記素材鋼の成分値、熱間圧延での巻取り温度、熱延鋼板のスキンパスミル圧延の圧延伸び率、スキンパス圧延前の鋼板の板厚、熱処理における加熱温度及び鋼板移送速度と、製品鋼板の材料特性値として選ばれる降伏強さ(YP)との関係式を求めておき、
    鋼板の熱処理を行なうに際して、熱処理工程に到るまでの各工程の作業実績値と、これから実施しようとする熱処理の設計加熱温度とをもとに、前記関係式により、製品鋼板の降伏強さ(YP)の予測値を算出し、該予測値と目標値との差を求めると共に、熱処理の加熱温度について、上記の予測値と目標値との差を解消するに必要な温度修正量を算出し、
    算出された温度修正量に基づいて、設計加熱温度を修正して鋼板の熱処理を行なうものであり、
    前記材質影響因子と、製品鋼板の降伏強さ(YP)との関係式が、下記[A]式で表される熱延鋼板の材質安定化方法。
    (数1)
    YP(N/mm )=324+496×(√C−√0.130)+62×(Mn−0.464)+878×(P−0.016)
    +9431×(N−0.0021)+778×(Al−0.030)−0.084×(CT−567)
    +10×(SKP−4.05)−0.357×(SS−675)−12.26×{√(50/LS×60)
    −√(50/49.5×60)}−5.58×{t×(1-SKP/100)−4.228} +m …[A]
    [式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al):当該元素のmass%で示される数値、
    CT :熱間圧延における巻取り温度(℃)の数値
    SKP :スキンパス圧延(めっき前)での伸び率(%)の数値
    SS :溶融めっきラインにおける連続熱処理炉での鋼板の板温(℃)の数値
    LS :溶融めっきラインの鋼帯移送速度(m/min)の数値
    t :鋼板(スキンパス圧延前)の板厚(mm)の数値
    :製品板厚5.8(mm)未満、設計加熱又は熱処理温度690-720℃及び
    C量0.08-0.13%の場合はm =+12N/mm 、それ以外の場合はm =0]
  2. 製鋼・鋳造、熱間圧延、熱延鋼板のスキンパスミル圧延、および連続式溶融めっきライン内の連続熱処理(以下単に「熱処理」という)の工程を経由して製造される、連続式溶融めっき母材鋼板である熱延鋼板の製品材料特性値の目標値からのずれを低減する方法において、
    素材鋼を、質量%で、C:0.080〜0.30%,Si:0.001〜0.040%,Mn:0.10〜2.00%,P:0.030%以下,S:0.030%以下,Al:0.010〜0.100%,N:0.0005〜0.0150%、残部Fe及び不可避不純物からなる低・中炭素鋼とし、
    予め過去の操業実績データの解析により、材質影響因子として選ばれた前記素材鋼の成分値、熱間圧延での巻取り温度、熱延鋼板のスキンパスミル圧延の圧延伸び率、スキンパス圧延前の鋼板の板厚、熱処理における加熱温度及び鋼板移送速度と、製品鋼板の材料特性値として選ばれる引張強さ(TS)との関係式を求めておき、
    鋼板の熱処理を行なうに際して、熱処理工程に到るまでの各工程の作業実績値と、これから実施しようとする熱処理の設計加熱温度とをもとに、前記関係式により、製品鋼板の引張強さ(TS)の予測値を算出し、該予測値と目標値との差を求めると共に、熱処理の加熱温度について、上記の予測値と目標値との差を解消するに必要な温度修正量を算出し、
    算出された温度修正量に基づいて、設計加熱温度を修正して鋼板の熱処理を行なうものであり、
    前記材質影響因子と、製品鋼板の引張強さ(TS)との関係式が、下記[B]式で表される熱延鋼板の材質安定化方法。
    (数2)
    TS(N/mm )=439+480×(√C−√0.130)+53×(Mn−0.464)+685×(P−0.016)
    +2464×(N−0.0021)+603×(Al−0.030)+0.148×(CT−567)
    +5×(SKP−4.05)−0.216×(SS−675)−6.37×{√(50/LS×60)
    −√(50/49.5×60)}−0.914×{t×(1−SKP/100)−4.228} …[B]
    [式中、元素記号(C,Mn,P,N,Al)、CT、SKP、SS、LS、及びtは前記と同義 ]
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