JP7287416B2 - 厚鋼板の製造仕様決定支援装置および製造仕様探索方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ならびに厚鋼板の製造方法 - Google Patents

厚鋼板の製造仕様決定支援装置および製造仕様探索方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ならびに厚鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様決定支援装置および製造仕様探索方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ならびに厚鋼板の製造方法に関し、複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の、材料特性が所定の範囲になるような生産を実現する製造仕様の迅速な決定に用いて好適な技術に関する。
一般に、製造工場において製品を製造する場合には、様々な製造仕様を事前に決定しておく必要がある。特に、複数工程での処理を経て生産される製品に対しては、数多くの製造仕様の決定が必要であることが多い。
船舶や海洋構造物、橋梁、建築物、タンク、建産機、ラインパイプなどの各構造物に使用される鋼材では、該構造物の設計に合わせ、たとえば、大型化を目指し、厚肉化や高強度化、高靭性化した金属材料が適用される。一方、鋼材使用重量の低減を目的として、高強度化や薄肉化した長尺材が適用されるなど、様々な用途によって必要な特性が望まれる。このような鋼材を鉄鋼製造工場において製造する場合には、強度や靭性などの機械的性質に加え溶接性に優れていることが共通して求められる。
たとえば、低降伏比高張力鋼板に関しては、近年、建築構造物の高層化、大スパン化に伴い、使用される鋼材の厚肉化、高強度化が要望され、鋼構造物の安全性の観点からは、高い許容応力を有する必要がある。それとともに、降伏比YR(=引張強度TSに対する降伏強度YSの比)を低減することが要求されている。
降伏比YRを低減すると、降伏点以上の応力が付加されても破壊までに許容される応力が大きくなり、また、一様伸びが大きくなるため、塑性変形能に優れた鋼材となる。そのため、従来よりも降伏比YRを低減できれば、より変形能に優れた鋼材が得られる。
低降伏比高張力厚鋼板の製造プロセスとしては、精錬工程で所定の成分に調整され、熱間圧延工程で所定の寸法に形成されたのち、再加熱焼入れ後、焼戻しを行う熱処理を施すのが一般的である。もしくは、熱間圧延工程直後に加速冷却装置によって焼入れを行い、焼戻しを行う熱処理を施すこと、または、再加熱焼き入れ後の冷却停止温度を室温より高い、たとえば200℃以上にし、自己焼戻しを施すことが一般的である。
たとえば、特許文献1には優れた強度と靭性を備えた超低降伏比(降伏比80%以下)鋼板を製造するために、成分組成に加え、再加熱温度、再加熱温度での保持時間、再加熱後の焼入れにおける冷却条件(冷却速度や冷却媒体噴射流量、冷却媒体噴射圧など)、再加熱後の焼入れ停止温度を制御する技術が開示されている。
また、海洋構造物用の厚肉高張力鋼板は、鋼材を溶接接合して所望の形状に仕上げるのに用いられる。近年、かような鋼製構造物の大型化が著しく、使用される鋼材の高強度化や厚肉化も進められている。海洋構造物は極寒の海洋向けに製造されることもあり、場合によっては優れた低温靭性を有することが求められている。
特に板厚が100mm以上の海洋構造物用の厚肉高張力鋼板の製造プロセスでは、熱間圧延後に焼入れ焼もどしを施すことによって、高強度に加えて高靭性を付与して製造されることが多い。
たとえば、特許文献2には優れた強度と低温靭性を備えた板厚100mmを超える極厚鋼板を製造するために、成分組成や熱間圧延条件に加え、熱間圧延工程後の再加熱温度、再加熱後の焼入れにおける冷却条件、再加熱後の焼入れ停止温度、焼戻し温度、焼戻し後強制冷却条件を制御する技術が開示されている。
これらを例とし、熱間圧延後に適切な熱処理を施すことによって冶金的には粒径の微細化や高強度組織の作りこみ、高い強度を維持した状態での靭性の回復などの効果が得られる。
ここでいう適切な熱処理条件というのは、熱間圧延工程後の再加熱温度、再加熱温度での保持時間、再加熱後の焼入れにおける冷却条件(冷却速度や冷却媒体噴射流量、冷却媒体噴射圧など)、再加熱後の焼入れ停止温度、再加熱後の焼入れ回数、焼戻し温度、焼戻し時間、焼戻し後強制冷却条件などの項目を指し、これらを制御することが材質制御につながる。
また、材質の予測方法および組織制御に関しては、たとえば、特許文献3には熱間圧延後の加速冷却において、組織分率や粒径などを熱力学計算から求める方法が開示されている。
特開2019-119934号公報 国際公開第2019/050010号 特開2012-47599号公報
しかしながら、上記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1や特許文献2に記載されている従来技術は、成分組成から指定の式によって計算される変態点を基に焼入れ工程もしくは焼戻し工程の操業条件を決定している。しかしながら、実際には製造上のばらつきが存在しており、高精度に品質を管理するために、一製品ごとに前工程の条件の影響を考慮する必要があり、従来技術では高精度な材質管理ができないという問題点があった。
また、特許文献3に記載の方法では、前工程の成分や熱履歴の情報から粒径を計算し、当該工程の熱処理での組織を予測としている。しかしながら、実際には前工程のみならずさらにその前の工程からの影響を受けている場合もあり、また、粒径や組織分率のみならず、本来は介在物や析出物の影響もある。特許文献3に記載の方法では、そういった挙動に対する影響が考慮できず、さらに、試験片の採取位置によって異なる製造工程のばらつきを考慮していないため、高精度な材質管理ができないという問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造に際し、厚鋼板製造工程全体の製造条件を総合的に評価しながら、製造仕様の決定にかかる時間的負荷を低減し、材料特性が所定の範囲になるような生産を実現する製造仕様決定支援装置、製造仕様探索方法、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体および厚鋼板の製造方法を提案することにある。
上記課題を解決し、上記の目的を実現するため開発した本発明にかかる厚鋼板の製造仕様決定支援装置は、以下の(1)~(6)の通りである。
(1)複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援装置であって、
前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索する探索処理部と、
該探索処理部で探索した製造仕様を出力する出力部と、
を有する厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
(2)前記探索処理部は、熱処理工程前に前記逆解析を行い、熱処理工程にかかる製造仕様を探索するように構成されている(1)に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
(3)前記製造実績データは、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データを含み、
前記探索処理部は、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データに基づき、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を、前記所定の位置ごとについて探索する(1)または(2)に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
(4)前記予測モデルは、過去に製造された厚鋼板についての製造仕様実績と材料特性実績とに基づき、製造仕様と材料特性とを結びつけた予測モデルである(1)~(3)のいずれかに記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
(5)前記予測モデルは、過去に製造された厚鋼板についての製造仕様実績と所定の鋼板位置ごとに収集された材料特性実績とに基づき、製造仕様と所定の鋼板位置ごとの材料特性とを結びつけた予測モデルである(3)に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
(6)前記予測モデルは、深層学習モデルおよび統計学習モデルのいずれか一方を含む機械学習モデルである(4)又は(5)に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
また、本発明にかかる厚鋼板の製造仕様探索方法は、(7)の通りである。
(7)複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様の探索方法であって、
前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索する、厚鋼板の製造仕様探索方法。
なお、本発明にかかるコンピュータプログラムは、(8)の通りである。
(8)(7)に記載の厚鋼板の製造仕様探索方法を実施するために用いるコンピュータプログラムであって、
前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索する探索処理を、コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
また、本発明にかかるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、(9)の通りである。(9)(8)に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
また、本発明にかかる厚鋼板の製造方法は、(10)~(12)の通りである。
(10)複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造方法であって、
前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索し、
該探索を行った工程について、探索された製造仕様に基づき製造を行う厚鋼板の製造方法。
(11)熱処理工程前に前記逆解析を行い、熱処理工程にかかる製造仕様について前記探索を行う(10)に記載の厚鋼板の製造方法。
(12)前記製造実績データは、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データを含み、
前記探索は、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データに基づき、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を、前記所定の鋼板位置ごとについて探索する(10)または(11)に記載の厚鋼板の製造方法。
以上説明したように、本発明によれば、各工程より収集した製造実績データおよび材料特性実績データから、各工程の製造仕様と材料特性の値との関係を表す予測モデルを作成し、この予測モデルを用いて、所定工程後の製造仕様を材料特性が所望の値となるように迅速に決定できるようになる。
本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置を含むシステムの全体概要を示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置のブロック図である。 上記実施形態における予測モデル作成処理のフロー図である。 上記実施形態における予測モデルの処理フロー図の一例である。 上記実施形態における製造仕様の最適化処理を示すフロー図の一例である。 従来法の熱処理条件に基づく引張強度TSと靭性の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態を用いて最適化した場合の熱処理条件に基づく引張強度TSと靭性の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態として、厚鋼板の製造にかかる製造仕様決定支援装置10を含むシステム(以下、「本システム」という。)の全体概要を示す模式図である。図1に示すように本実施形態にかかるシステムは、製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4、製品成形工程S5、熱処理工程S6および材料試験工程S7のうち1つ以上の工程を管理するプロセスコンピュータまたは分散制御システム(DCS)と、製造仕様決定支援装置10とを含む。厚鋼板の製造工程において、まず原料の鉄鉱石は、石灰石およびコークスとともに高炉に装入され、溶融状態の銑鉄が生成される(製銑工程S1)。高炉から出銑された銑鉄に対して転炉精錬により炭素等の成分調整が行われ、二次精錬により溶鋼に最終的な成分調整が施される(精錬工程S2)。鋳造機では、精錬された溶鋼を鋳造して鋳片(スラブ)と呼ばれる中間素材を製造する。鋳造法は連続鋳造法または造塊法等によって製造される(鋳造工程S3)。鋳造後に最終的な寸法に仕上げる製品成形工程へ直接移行する場合もあるが、特に板厚が厚い材料では中間成形工程を鋳造工程と製品成形工程の間に設ける場合がある。中間成形工程では所定温度に加熱されたのち、圧延法や鍛造法によって最終製品厚より厚い状態で成形される(中間成形工程S4)。その後、最終寸法に成形するため、加熱炉で所定温度まで加熱し、圧延機によって所定のサイズに成形する。必要に応じて材質を制御するため、加速冷却装置によって冷却する(製品成形工程S5)。さらに、高い強度や靭性が得られる金属組織に作りこむための焼入れや軟質化させる焼鈍を行う工程(熱処理工程S6)を経て、製品厚鋼板が製造される。製造された厚鋼板は材料試験を行ったのち出荷される(材料試験工程S7)。なお、ここで言う材料試験には、材料の機械的特性だけでなく表面欠陥の発生状態や、寸法精度等の品質検査をも含むものとする。各工程の製造仕様は、プロセスコンピュータまたは分散制御システムによって管理され、各工程の製造実績データが収集される。
概略として、本システムにかかる製造仕様決定支援装置10は、厚鋼板の製造中において各工程の製造仕様の最適化を行う。製造仕様の最適化の対象には、製銑工程S1において使用する原料の種類や配合比、精錬工程S2(転炉や二次精錬装置)における成分組成の調整、鋳造工程S3(連続鋳造機や造塊機、分塊装置)におけるスラブ寸法や溶鋼温度、鋳造速度、二次冷却の調整、湯面変動、パウダー成分、中間成形工程S4における加熱温度、均熱時間、成形方法、成形条件、製品成形工程S5における鋳造後スラブ加熱炉装入時間もしくは装入時温度、スラブ加熱温度、スラブ在炉時間、スラブ抽出温度の調整、スラブ配置、加熱ガス流量、加熱ガス成分、製品寸法、圧延条件(ロール径、圧延速度、ロール速度、潤滑条件、荷重、ロールギャップ、計算出側板厚、トルク、パス数)、圧延温度条件(各圧延パス温度、温度調整方法)、デスケーリング条件(デスケーリングパス、水圧)、加速冷却有無、冷却条件(水温、水量、水圧、冷却時間、平均冷却速度、冷却開始温度、冷却停止温度、冷却途中温度)、熱処理工程S6における熱間圧延工程後の再加熱温度、再加熱温度での保持時間、再加熱後の焼入れにおける冷却条件(冷却速度や冷却媒体噴射流量、冷却媒体噴射圧など)、再加熱後の焼入れ停止温度、再加熱後の焼入れ回数、焼戻し温度、焼戻し時間、焼戻し後強制冷却条件、材料試験工程S7における材料試験項目、試験片採取位置、試験結果のうちの1つ以上を含むもしくはこれらに付随してさらにデータを追加した状態で行う。付随して追加するデータは、様々なデータから計算式によって計算された値(例えばテンパリングパラメータ)や、操業実績を用い計算モデルもしくは機械学習モデル、統計学モデルによって得られたデータ(例えば機械学習モデルで予測した焼入れ後の引張強度TS)も含む。なお、テンパリングパラメータは焼戻し加熱温度と均熱時間の積で計算されるが、より高精度に評価するためには、積分平均によって求めることが好ましい。
所定工程後に、製造仕様決定支援装置10は、確定した少なくとも1つ以上の実績データと、予測モデルとに基づき逆解析を行い、熱処理後の製品厚鋼板の材料試験工程S7で評価する単数もしくは複数の材料特性の推定値を導出する。製造仕様決定装置10は、かかる推定値が要求される材料特性(所望の値もしくは条件へ)と漸近するように、必要な制御量をフィードフォワード演算し、実績が確定していない製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4、製品成形工程S5、熱処理工程S6のいずれかもしくは複数工程に指示値を与える。ここでいうフィードフォワードとはたとえば製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4まで進んだ鋼板に対して、それまでの工程の実績を基に要求される材料特性へ漸近させるように、その先の工程にあたる、製品成形工程S5以降の単数もしくは複数の工程に対して指示値を与えることを指す。つまり本発明の一実施形態に係る製造仕様決定装置10は、熱処理を要する厚鋼板の製造中の所定工程までの完了で確定した、所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の実績データを取得し、かかる1つ以上の実績データと予測モデルに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように所定工程後に係る製造仕様を最適化するものである。たとえば、当該所定工程は、熱処理工程S6であってもよく、少なくとも1つ以上の実績データは、精錬工程S2による成分組成調整であってもよい。また、たとえば、材料特性は、所望の厚鋼板規格を満たすように降伏強度YS、引張強度TS、伸びEl、靱性値、表面硬度、断面硬度、水素脆化特性評価値および疲労特性評価値の群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。
また、各々の工程における実績データは鋼板の位置情報と合わせてデータを採取することもできる。対象とする材料特性によって選択したりや予測精度に応じて選択することが好ましい。前述のデータ群の中で精錬工程S2における成分組成のデータは材料物性を決定する重要な因子である。ここで、鋳造工程S3で造塊法を選択した場合、凝固が製品板における先尾端いずれかから始まるため、成分組成の濃淡が発生し、結果的に製品板の長手方向で成分組成が変化することになる。そのため、特に鋳造工程S3で造塊法を選択した場合は板全体を同じ成分組成のデータを持たせずに、位置によって異なるデータとして保存することが好ましい。
長手位置によって変化させる成分組成のデータは、最終製品の材料試験サンプルを用い、チェック分析により、成分組成データを採取し、造塊スラブの長手位置、幅位置、厚み位置と紐づける。各成分組成の濃淡の割合は、レードル値に対する偏差を各位置で求め、レードル値に対する割合とし、変化させてもよい。また、鋳型の大きさや溶鋼温度、鋳造速度によって成分組成の濃淡度合は決定するため、材料試験工程S7の試験片採取位置に紐づける際、上記にはない鋳造工程S3の造塊法における製品長手方向の対応位置をデータとして追加することで、間接的に傾向を拾ってもよい。さらに、長手、幅、厚み位置によって変化する成分組成の濃淡を鋳造工程S3の製造条件(たとえば、鋳型の大きさや溶鋼温度、鋳造速度など)を用い、物理モデルや機械学習モデル、統計学モデルなどから予測し、予測された値を各位置の成分組成データとすることも可能である。
また、造塊法以外の場合においても、たとえば鋼板の先端と尾端で圧延温度が異なる場合には、成分系によっては圧延の温度差に起因する強度差が発生するため、圧延方向・板幅方向・板厚位置等の位置情報と合わせて実績データを採取し、その後の工程で活用することは有用である。
これらのように、鋼板の位置による影響が大きい材料特性が所定の範囲になるようにしたい場合には、予め定めた所定の位置ごとの製造実績データを採取しておき、後述する製造仕様の探索においても所定の鋼板位置ごとに探索を行うことが好ましい。
図2に、本発明の一実施形態にかかる製造仕様決定支援装置10のブロック図を示す。製造仕様決定支援装置10は、図1の実施形態の場合、たとえば、厚鋼板の材料特性推定処理を行うことにより各工程の製造仕様を最適化する。製造仕様決定支援装置10は、装置本体200、入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600を含む。装置本体200は、入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600とバス205を介して通信することで必要な情報の送受信を行い、情報処理を行う。なお、図2では、装置本体200と入力部300、記憶部400、出力部500および通信部600とは、バス205を介した有線により接続されているが接続の態様はこれに限られず、無線により接続されていてもよく、あるいは有線と無線とを組み合わせた接続態様であってもよい。装置本体200の詳細な各構成については後述する。
入力部300は、たとえば、キーボードやペンタブレット、タッチパッド、マウス等、本システムの管理者の操作を検出可能な任意の入力インターフェースを含む。入力部300は、装置本体200への各種処理の指示にかかる操作を受け付ける。
記憶部400は、たとえば、ハードディスクドライブや半導体ドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、磁気テープ等であり、本システムにおいて必要な情報を記憶する装置である。たとえば、記憶部400は、過去に製造した厚鋼板にかかる製造仕様の実績値(以下、「製造仕様実績」という。)を記憶する。また、記憶部400は、製造仕様実績に対応する冷却後の厚鋼板や造管後のパイプ材の材料特性を評価指標として、その実績値(以下、「材料特性実績」という。)を記憶する。材料特性実績は評価指標実績となる。
出力部500は、たとえば、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイ等、任意のディスプレイを含む。出力部500は、出力データおよび信号に基づく画面を表示可能である。また、出力部500は、印字出力や印刷機、プロッターであってもよい。
通信部600は、製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4、製品成形工程S5、熱処理工程S6および材料試験工程S7を制御するプロセスコンピュータや分散制御システム等から送信された各工程の製造実績データを受信し、装置本体200に送信することで実績収集部として機能する。また、通信部600は、装置本体200で処理された、最適化された製造仕様にかかるデータを製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4、製品成形工程S5および熱処理工程S6を制御するそれぞれの指令センターに送信する。なお、各工程の製造実績データは、データを取得するセンサ等から直接通信部600に送信されたものでもよい。
図2に示すように装置本体200は、演算処理部201と、ROM202と、RAM204とを備える。ROM202はプログラム203を記憶している。また、演算処理部201と、ROM202と、RAM204とは、バス205によりそれぞれ接続されている。
演算処理部201は、たとえば、汎用プロセッサや特定の処理に特化した専用プロセッサ等、1つ以上のプロセッサを含む。演算処理部201は、ROM202からプログラム203を読み込んで、一時記憶部であるRAM204を用いて特定の機能を実現する。演算処理部201は、装置本体200全体の動作を制御する。
演算処理部201は、第1情報読取部206と、前処理部207と、予測モデル作成部208と、結果保存部209と、第2情報読取部210と、特性推定部211と、最適化処理部212と、表示・伝達部213とを備える。演算処理部201は、入力部300の操作に基づき予測モデル作成処理の指示を受けた場合は、第1情報読取部206と、前処理部207と、予測モデル作成部208と、結果保存部209とを機能させて、予測モデルを作成する。また、演算処理部201は、入力部300の操作に基づき製造仕様の最適化処理の指示を受けた場合は、第2情報読取部210と、特性推定部211と、最適化処理部212と、表示・伝達部213とを機能させて、製造仕様の最適化処理を実行する。ここで、最適化処理部は最適化処理により解を探索する探索処理部とも称することとする。
次に上記実施形態に係る製造仕様決定支援装置10によって実行される情報処理について説明する。本システムでは厚鋼板の製造仕様を最適化するために、まず、厚鋼板の製造仕様および材料特性を結びつける予測モデルを作成する。ここで、本実施形態では記憶部400に記憶されている、過去に製造された厚鋼板についての製造実績と材料特性実績に基づき予測モデルとして、局所回帰やサポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等の統計手法および機械学習モデルを作成するものとする。演算処理部201は、入力部300の操作に基づき予測モデル作成処理の指示を受けた場合、図3に示すフローチャートに係る処理を実行する。
予測モデル作成指示を受けた場合、演算処理部201の第1情報読取部206は、製造仕様実績を記憶部400から読み込む。また、第1情報読取部206は、読み込んだ製造仕様実績に対応する材料特性実績を記憶部400から読み込む。具体的には第1情報読取部206は、圧延材のID(識別情報)に基づき、対象の厚鋼板にかかる各種情報を特定する(ステップS201)。
次に、前処理部207は、ステップS201で読み込んだ製造仕様実績および材料特性実績を、予測モデル作成部208で用いる評価用データに加工する(ステップS202)。具体的には前処理部207は、製造仕様実績を正規化すると共に欠損データおよび異常データのノイズ除去を行い、評価用データとする。たとえば、下記数式1のように、各データを各々の項目の平均値で引き、分散で割って正規化する。さらにたとえば、これから製造しようとする製品と同一鋼種および同一寸法の少なくとも一方のものを抽出する。そして、抽出されたものの中から、製造仕様実績あるいは、材料特性実績のデータに欠損や異常値が入っているものを除外し、対象製品についての製造仕様と材料特性との関係をモデル化する上での評価用データとする。ここで、数式1中のYは正規化後の値、xは採取した各データの値、xaveはその平均値、σは分散である。
Figure 0007287416000001
続いて、予測モデル作成部208は、予測モデルを作成する。具体的には予測モデル作成部208は、局所回帰やサポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等の統計手法および機械学習モデルのうち複数もしくは単数のモデルを用い最も精度の良い組み合わせもしくは最も精度の良いモデルを選択し、加えて、ニューラルネットワークなどのハイパーパラメータの調整が必要なものは最適化し、学習を行う(ステップS203)。
図4に、本システムにおける予測モデルの処理フロー図を示す。本実施の形態に係る予測モデルは、入力側から順番に、入力層ILと、モデルMと、出力層OLとを含む。
入力層ILには、評価用データとして正規化された製造仕様実績が格納される。格納される製造仕様実績の説明変数は厚鋼板の材料特性に関わる変数が選択されることが望ましいが、その数および材料特性との相関の高さは任意である。
出力層OLは数理モデルもしくは機械学習モデルによって、最終的な材料特性の推定値、疵発生確率として出力される。かかる処理により出力された推定値と、実測値である材料特性実績とに基づき、モデルMの選択や最適化が徐々に行われる。予測モデル作成部208は、ステップS202で作成した評価用データをモデルに入力して、評価用データに対する推定結果を得る。
続いて、結果保存部209は、学習用データ、評価用データ、数理もしくは機械学習モデルの種類およびモデル内のパラメータ、ならびに学習用データおよび評価用データに対するモデルの出力結果を、記憶部400に記憶させる。また、結果保存部209は、学習用データ、評価用データ、数理もしくは機械学習モデルの種類およびモデル内のパラメータ、ならびに学習用データおよび評価用データに対するモデルの出力結果を出力部500に伝達し、出力部500により表示させる(ステップS204)。出力部500は、たとえば、推定結果を表形式により出力する。なお、鋼板位置ごとに製造仕様実績、材料特性実績を採取している場合には、鋼板位置ごとに予測モデルを作成してもよい。
本実施形態では、ある製品についての製造が開始され、複数の工程のうちの所定の工程までが完了した段階で、続く後の工程についての製造仕様として最適なものを探索する最適化処理を行う。演算処理部201は、入力部300の操作に基づき製造仕様の最適化処理の指示を受けた場合、製造仕様の最適化処理を実行する。なお演算処理部201が最適化処理を行うためのトリガーは入力部300の操作に限られない。たとえば、確定した少なくとも1つ以上の工程の製造実績データを通信部600が受信したことをトリガーに、最適化処理を行ってもよい。図5は、製造仕様の最適化処理を示すフローチャートである。
はじめに、第2情報読取部210は、推定の対象となる厚鋼板について、最適化処理前に予め定めた製造仕様、および製造仕様の固定値として用いる確定した少なくとも1つ以上の工程の製造実績データを読み取る(ステップS601)。なお、推定対象の鋼板についての予め定めた製造仕様、確定した製造実績データは、記憶部400に蓄積させておき、ここから読み取りを行う。また、第2情報読取部210は、記憶部400に記憶されている当該製品の製造仕様と評価指標とを結びつけた予測モデルに係る各種データを取得する。
次に特性推定部211は、ステップS601で読み取った、推定対象の鋼板についての確定した少なくとも1つ以上の工程の製造実績データ、製造実績データを取得できない工程については、予め定めた製造仕様、および予測モデルを用いて逆解析を実施し、後工程についての製造仕様の最適化を行う。具体的には特性推定部211は、当該厚鋼板に係る圧延後の材料特性を推定する(ステップS602)。
続いて、最適化処理部212は、予測モデルにより推定された当該厚鋼板に係る圧延後の材料特性が所定の範囲になるようにする。
まず、材料特性に対する最適化については下記数式2で最適化する。数式2において、xはベクトルとして表わされる設計条件、kは特性の種類、f(x)は特性の予測値、αは予め設定される重み係数である。評価関数における特性の予測値の関数f(x)は、予測モデル作成部208によって構築された予測モデルに基づく。Fは、制約条件を満たす設計条件xの集合である。したがって、制約条件を満たす範囲内で、最適な設計条件を探索することになる。L、Uはそれぞれ特性値の下限値および上限値である。最適化処理部212は、メタヒューリスティクスや遺伝的アルゴリズム、数理計画法、群知能等を用いた方法により、このような最適化問題を解く。ここで、設計条件xのうち、製造実績データとして取得されている条件は、変更できないので実績データを固定値として与えておく。
Figure 0007287416000002
最適化処理部212は、数式2における評価関数を最大化する問題として最適な設計条件を探索するが、問題の設定方法はこれに限定されない。最適化処理部212は、たとえば、重み係数αの符号をマイナスにして、数式2における評価関数の絶対値を最小化する問題として最適な設計条件を探索してもよい。たとえば、最大化が望ましい特性は、降伏強度YS、引張強度TSおよび靭性を含む。たとえば、最小化が望ましい特性は、降伏比YRを含む。
最適化処理部212は、数式2で得られた設計条件xを最適解として算出するが、これに限定されない。最適化処理部212は、計算時間に所定の条件を定めて、対応する時間内で得られる最も優れた解として設計条件xを算出してもよい。
製造仕様決定支援装置10は、所望の特性に対応する最適な設計条件が数式2に示すような制約条件を満たすことで、仮に製造コストの観点から鉄鋼材料への添加物の量および製造設備の能力に限界があるような場合であっても、逆解析により得られた設計条件を有効に利用できる。製造仕様決定支援装置10は、制約条件を定めることで、闇雲に探索するのではなく、制約条件の範囲内で効率よく探索できる。
数式2では、評価関数は各特性の最大値または最小値の荷重和として表わされているが、数式2の内容はこれに限定されない。数式2は、各特性kの目標値refに基づいて、以下の数式3により置き換えられてもよい。
Figure 0007287416000003
数式3により、最適化処理部212は、各特性kの目標値refに近いほど評価が高い設計条件を探索することも可能となる。
さらにばらつきを考慮した操業条件最適化については下記数式4で最適化する。数式4において、xはベクトルとして表わされる設計条件、kは材料特性試験の種類、fPk(x)は材料特性の規格上下限を外れたときに発生する不良率予測値、dは予め設定される重み係数であり、不良が発生したときの損失を表す。不良率予測値の関数fPk(x)は、実績部に保管されている特性の実績値と予測モデルによって予測されたf(x)との差から計算されたばらつきの予測値から計算される。fPn(x)はへげやすり疵などの表面欠陥、ザクやポロシティ残存などの内部欠陥、反りや曲がりから出る形状不良および板厚不足などの寸法不良などのそれぞれの発生確率を指す。eは予め設定される重み係数であり、不良が発生したときの材料をスクラップにしたときの損失、または、不良を正常に戻すための費用を表す。cは入力値側のコストであり、たとえば、添加元素にかかる原料コストや加熱炉の均熱時間によって変化する操業コストを指す。Fは制約条件を満たす設計条件xの集合である。したがって、最適化処理部212は、制約条件を満たす範囲内で、最適な設計条件を探索することになる。L、Uはそれぞれ特性値の下限値および上限値である。最適化処理部212は、メタヒューリスティクスや遺伝的アルゴリズム、数理計画法、群知能等を用いた方法により、このような最適化問題を解く。数式4における評価関数の絶対値を最小化する問題として最適な設計条件を探索する。これまでの手法は、確定した少なくとも1つ以上の工程の製造実績データを用いて逆解析を再度実施し最適化することで、当初の製造仕様を再調整した、より適切な製造仕様が得られることになる。
Figure 0007287416000004
このように総合的に製造仕様を判断するためには、1つの工程だけでは判断ができず、複数の工程の各々もしくは複数の製造条件が最終的な材料特性もしくは疵を含む不良品発生確率へ影響するものを含めて判断する必要がある。
最適化処理部212では、推定値と所望の値との差の絶対値がある一定の閾値以内あるいは、ある一定の収束回数に達したかどうかを比較する(ステップS603)。否定される(N)場合には、ステップS601に戻り、繰り返す。肯定される(Y)場合は、ステップS603を抜け、最適化された製造仕様が出力部500により表示される(ステップS604)。最適化された製造仕様は通信部600を介して製銑工程S1、精錬工程S2、鋳造工程S3、中間成形工程S4、製品成形工程S5および熱処理工程S6のうち、上記の所定工程後の各工程に対して伝送が行われる。そして最適化された製造仕様により、厚鋼板が製造される。
なお、上記の実施形態においては、前処理部207と予測モデル作成部208が推定対象についての予測モデルを作成するようにしているが、本発明はこれに限定されない。予測モデルは予め作成しておき、これを記憶部400に入力しておくようにしてもよい。
上記で述べたように、決定される熱処理条件は鋼板の長手位置を考慮することでより高精度な材質制御が可能となる。例えば、最適解として得たテンパリングパラメータ設計条件xが熱処理鋼板の長手位置先端と尾端位置で異なる場合、実際の操業条件では、たとえば、焼戻しのための再加熱炉の先端と尾端位置に当たる加熱バーナーのガス流量を変更することによって加熱の強さを変更することができる。また、再加熱炉に鋼板を挿入させる際、最適値として導出されたテンパリングパラメータ設計条件xの値が大きい長手位置より再加熱炉に挿入し、焼戻し後は最適値として導出されたテンパリングパラメータ設計条件xの値の小さい長手位置より鋼板を搬出し、さらに鋼板の搬送速度を制御することで、長手位置によってテンパリングパラメータを変化させることが可能となる。なお、このとき、より高精度に熱処理条件を制御するためには、加熱炉内の長手方向位置に鋼板の表面温度を測定可能な複数の温度計を設置し、逐次測定することで、より高精度にテンパリングパラメータの制御が可能となる。
なお、これらの製造方法の選択は最適化処理部212で決定された最もコスト的に合理的な手段を選択することが好ましい。
(実施例1)
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明する。
図1に示すシステムにて、建築向け製品板厚が19~100mmの熱処理を要する厚鋼板の製造における製造仕様の最適化を実施した。まず、事前学習として、学習用データに対して、ニューラルネットワークモデルによる学習を実施し、製造仕様実績と材料特性実績とを結びつけた。
製造仕様実績として、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、溶鋼温度、鋳造速度、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、圧延寸法(厚、幅および長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度および加速冷却の有無を考慮し、加速冷却する場合は圧延後の冷却開始温度、冷却停止温度、焼入れ回数(無しも含む)、焼入れ前温度、焼入れ後温度、焼戻し温度および均熱時間を考慮した。材料特性実績として、最終製品厚鋼板の長手端部より幅1/4位置、厚1/4位置からJIS4号試験片を採取し、降伏強度YS、引張強度TS、伸びEL、降伏比YR(=YS/TS)を引張試験で取得し、同じ位置より、シャルピー試験で、試験温度と靭性試験値を取得し、学習に供した。学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計1520のサンプルを用いた。YS、TS、EL、YRおよび靭性それぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索され設定された。
処理No.1は従来のまま実施した場合であり、製造開始前に設定した各工程の製造仕様を目標値として各工程での処理を行ったものである。処理No.2は熱間圧延後の鋼板に対して、熱間圧延までの各工程の製造実績を固定値として式2を用いて、熱処理条件(熱間圧延工程後の再加熱温度、再加熱温度での保持時間、再加熱後の焼入れにおける冷却速度、再加熱後の焼入れ停止温度、再加熱後の焼入れ回数、焼戻し温度、焼戻し時間および、焼戻し後冷却速度)について目標とする値を各規格上下限の中央値とし最適化した場合を示す。表1に各材料特性の予測精度を2乗平均平方根誤差(RMSE:root mean squared error)で示し、併せて、本結果から推測される材料試験不合格率を示す。なお、処理No.1では特に予測を行っていないため、目標特性と実績の誤差より予測精度を検証した。板厚や目標材質レベルによって熱処理条件を一定に定めた処理No.1では不合格率が1.3%だったのに対し、処理No.2では、不合格率が0.5%と半数以下になった。
Figure 0007287416000005
(実施例2)
図1に示すシステムにて、海洋構造物向け製品板厚が100~250mmの熱処理を要する厚鋼板の製造について製造仕様の最適化を実施した。事前学習として、まず学習用データに対して、ニューラルネットワークモデルによる学習を実施し、製造仕様実績と材料特性実績とを結びつけた。
製造仕様実績として、原料品種、高炉ガス送風量、成分組成(C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Nb、Ti、B、CaおよびN)、スラブ寸法(厚、幅および長さ)、溶鋼温度、鋳造速度、スラブ寸法(厚・幅・長さ)、圧延寸法(厚・幅・長さ)、スラブ加熱炉抽出温度、スラブ加熱均熱時間、制御圧延時における圧下率、制御圧延温度、仕上げ圧延温度、加速冷却の有無、加速冷却有の場合は圧延後の冷却開始温度、冷却停止温度、焼入れ回数(無しも含む)、焼入れ前温度、焼入れ後温度、焼戻し温度、均熱時間、試験片採取位置(長手先端もしくは尾端)を考慮した。なお、本実施例では成分のばらつきが長手方向に存在する造塊法で鋳造し、分塊したスラブを全量用いた。
材料特性実績として、最終製品厚鋼板の長手端部(先端および尾端)より幅1/4位置、厚1/2位置からASTM規格に準じた試験片を採取し、引張強度TSを測定し、同位置より試験片採取方向C方向、試験温度を-40℃としたときの靭性を測定し、学習に供した。学習データ数は欠損データ等のノイズを除去した計415のサンプルを用いた。TS、靭性それぞれの予測モデルはニューラルネットワークと呼ばれる機械学習手法を用い、ガウス確率分布に基づくベイズ最適化により探索され設定された。本実施例においては目標のTSを770MPa~940MPa、靭性を32J以上とした。
従来法による熱処理条件(焼入れ処理の加熱温度、保持時間および、焼戻し処理の加熱温度、均熱時間)を適用した場合のTS-靭性の関係を図6にグラフで示し、本実施形態に基づき最適化した熱処理条件を適用した場合のTS-靭性の関係を図7にグラフで示す。従来法では、製造開始前に設定した各工程の製造仕様を目標値として各工程で処理を行った。ここで熱処理条件は、焼戻し温度、均熱時間をすべて同じとしたものである。図6から判るように、製品長手先端から採取した試験片はほぼ合格していたが、尾端から採取した試験片は20%が不合格であった。
一方、本実施形態に基づき最適化した熱処理条件は、焼戻し処理の前までの工程の製造仕様実績と予測モデルから、先端および尾端それぞれに最適な焼戻し温度および均熱時間を与えて行うものである。このとき均熱時間は先端も尾端も同じになるように制約を設けた。先端および尾端それぞれ導出された最適な焼戻し温度は、焼戻し中のそれぞれの位置の燃焼ガス流量を調整することによってそれぞれの位置の焼戻し温度を制御して与えた。その結果、図7に示すように、製品長手先端および尾端から採取した試験片のいずれも合格範囲に精度よく制御できていた。
本発明を図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易である。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれる。たとえば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段およびステップ等を1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
さらに、本発明は、上述した製造仕様決定支援装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムまたはプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得る。本発明の範囲には、これらも包含される。加えて、本実施の形態に係る製造仕様決定支援装置10において予測モデルを作成する例を示したが、これらを他の情報処理装置により実現してもよい。この場合、かかる情報処理装置が予測モデルを作成するために必要な製造仕様実績と評価指標実績を集約し、予測モデルを作成する。また、情報処理装置が作成した予測モデルを製造仕様決定支援装置10に伝送するものであってもよい。
本発明は、複数工程での処理を経て生産される製品の製造仕様決定に用いて最も有効なものであるが、単一工程での処理を経て生産される製品の製造仕様決定にも適用可能であることは勿論である。
また、厚鋼板の製造方法として、本発明にかかる厚鋼板の製造仕様決定支援装置10によって出力された製造仕様に基づき、運用者または各工程を制御するプロセスコンピュータが熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造工程の少なくとも1つの製造仕様を決定して製造するステップを含むことで、厚鋼板の材料特性を精度よく目標値に近づけることができ、有用である。
本発明は、複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様を迅速に決定するのを支援する技術にかかるものであり、複数の工程を経て製造される各種金属製品に適用して好適である。
10 製造仕様決定支援装置
200 装置本体
201 演算処理部
202 ROM
203 プログラム
204 RAM
205 バス
206 第1情報読取部
207 前処理部
208 予測モデル作成部
209 結果保存部
210 第2情報読取部
211 特性推定部
212 最適化処理部(探索処理部)
213 表示・伝達部
300 入力部
400 記憶部
500 出力部
600 通信部

Claims (10)

  1. 複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様の決定を支援する製造仕様決定支援装置であって、
    前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索する探索処理部と、
    該探索処理部で探索した製造仕様を出力する出力部と、
    を有し、
    前記製造実績データは、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データを含み、
    前記探索処理部は、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データに基づき、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における前記製造仕様を、前記所定の位置ごとについて探索する厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
  2. 前記探索処理部は、熱処理工程前に前記逆解析を行い、熱処理工程にかかる製造仕様を探索するように構成されている請求項1に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
  3. 前記予測モデルは、過去に製造された厚鋼板についての製造仕様実績と材料特性実績とに基づき、製造仕様と材料特性とを結びつけた予測モデルである請求項1又は2のいずれかに記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
  4. 前記予測モデルは、過去に製造された厚鋼板についての製造仕様実績と所定の鋼板位置ごとに収集された材料特性実績とに基づき、製造仕様と所定の鋼板位置ごとの材料特性とを結びつけた予測モデルである請求項に記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
  5. 前記予測モデルは、深層学習モデルおよび統計学習モデルのいずれか一方を含む機械学習モデルである請求項又はに記載の厚鋼板の製造仕様決定支援装置。
  6. 複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造仕様の探索方法であって、
    前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索するにあたり、
    前記製造実績データは、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データを含み、
    所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データに基づき、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における前記製造仕様を、前記所定の位置ごとについて探索する、厚鋼板の製造仕様探索方法。
  7. 請求項に記載の厚鋼板の製造仕様探索方法を実施するために用いるコンピュータプログラムであって、
    前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索する探索処理を、コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
  8. 請求項に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 複数の工程での処理を経て生産され、熱間圧延後に熱処理を要する厚鋼板の製造方法であって、
    前記複数の工程のうちの所定工程までの完了で確定した、前記所定工程までの工程のうちの少なくとも1つ以上の製造実績データと、製造仕様および材料特性を結びつけた予測モデルとに基づき逆解析を行い、材料特性の推定値が所望の値に漸近するように、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における製造仕様を探索し、
    該探索を行った工程について、探索された製造仕様に基づき製造を行うにあたり、
    前記製造実績データは、所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データを含み、
    所定の鋼板位置ごとに収集された製造実績データに基づき、前記所定工程の後の工程のうちの少なくとも1つ以上の工程における前記製造仕様を、前記所定の位置ごとについて探索する、厚鋼板の製造方法。
  10. 熱処理工程前に前記逆解析を行い、熱処理工程にかかる製造仕様について前記探索を行う請求項に記載の厚鋼板の製造方法。
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