JP3283444B2 - 熱間圧延方法 - Google Patents
熱間圧延方法Info
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Description
関し、とくに熱間温度範囲では(α+γ)2相域で、脱
炭によりα単相となる素材組成の鋼スラブを熱間圧延す
る際に、従来懸念された、負の板クラウン(逆クラウ
ン)の発生を有利に軽減しようとするものである。
のロールには、熱延鋼板からの反力と圧延荷重によって
撓みが生じる。また、ロールの軸方向の温度差に起因し
た熱膨張の違いから、ロール直径が軸方向で異なる。こ
のため、常温で直径が均一な圧延ロールを用いて熱延鋼
板を圧延すると、板幅の中央部と板の側縁部で板厚が異
なる、いわゆる板クラウンが発生する(板幅の中央が厚
い時を正クラウン、板幅の中央が薄い時を逆クラウンと
呼ぶ)。
程の冷間圧延で、適切な板プロフィールとすることが困
難になるだけでなく、形状不良の発生を余儀なくするな
どして、歩留り低下の原因となる。従って、通常は、正
クラウンを防止するため、圧延ロールは中央の直径が両
端部の直径より大きく仕上げてあり、また熱間仕上圧延
機によって、板クラウン、すなわち板幅中央部とエッジ
近傍部分との板厚偏差をできるだけ小さくする圧延を行
っている。
ンを小さくする技術としては、例えば特公昭62-10722号
公報に開示されているようなロール制御によるものがあ
る。この技術は、バックアップロールとワークロールと
の間に、いわゆる平ロールからなる均一直径の中間ロー
ルを配設するとともに、二本一対の中間ロールを、それ
らの軸心方向へ相互に逆向きにシフトし得るようにした
圧延機を、後段スタンドに配設することによって、板ク
ラウンの制御能を増大させるようにしたものである。
開昭57-91807号公報に開示されているような技術もあ
る。この技術は、ワークロール、中間ロールまたはバッ
クアップロールのいずれかに、S字状のロールクラウン
を付与し、かつそのロールを軸心方向にシフトすること
によって、板クラウンの制御能を高めた圧延機について
の提案である。
ているような技術もある。この技術は、ワークロールを
周期的にシフトした場合に、圧延処理数の増加に伴うロ
ール磨耗の増加によって、ワークロールが中央部で括れ
た台形状のプロフィールになることによって起こる弊害
(エッジドロップ)を除くために、ワークロールとして
片側端部に先細り研削を施した一対のロールを用い、し
かもかかるワークロール対によって圧延するに際し、上
下ワークロールを被圧延板の幅に応じて移動させ、被圧
延板の両端部がワークロールのバレル面と先細り研削面
との間に位置するようにした形状制御圧延方法である。
ンを小さくするための技術は、従来から幾つか提案され
ている。しかしながら、上記のような圧延機による板ク
ラウンの制御法は、材料の温度や変形抵抗がほぼ同一の
場合には有効であるものの、温度や変形抵抗が異なる材
料を混合して同一の圧延機で圧延する場合には、必ずし
も目標とする板クラウンが得られるとは限らず、それが
大きな問題となっていた。特に、他の鋼種より高温で熱
間圧延を行う場合には、熱延板からの伝熱によってロー
ルの温度上昇が大きくなり、特にロール中央部が熱膨張
によって大きく膨らむので、熱延板には逆クラウンの発
生が避けられなかった。
題を有利に解決するもので、圧延機による板クラウン制
御とは異なり、材料の組成分布を変更することによっ
て、熱間圧延時における逆クラウンの発生を効果的に軽
減することができる熱間圧延方法を提案することを目的
とする。この発明のように、材料の組成分布を変更する
ことによって板クラウンを小さくする技術は、従来まっ
たくなく、この発明で初めて達成された技術であり、特
に圧延機による板クラウン制御を行っても目標とする板
クラウンが得られないような鋼種、例えば熱間圧延温度
範囲では(α+γ)2相域で、脱炭によりα単相となる
ような素材組成の鋼種に適用して特に好適なものであ
る。
圧延において逆クラウンを生じ易い、熱間圧延温度範囲
において(α+γ)2相となる鋼板について、熱間圧延
前のスラブ組織および熱延途中の材料組織と熱延板の板
クラウンとの関係を詳細に調べた結果、逆クラウンの大
きさは、材料の側縁部(エッジ部)の脱炭層厚と強い相
関があることを見出した。すなわち、側縁部の脱炭層が
厚いと、逆クラウンは軽減されることの知見を得た。こ
の発明は、上記の知見に立脚するものである。
において(α+γ)2相域になり、かつ脱炭によりα単
相となる素材組成の鋼スラブを、1000℃以上に加熱して
から、熱間粗圧延ついで熱間仕上圧延を施すに当たり、
加熱前のスラブ側縁面に、厚み:0.2 mm以上の脱炭層を
形成することを特徴とする熱間圧延方法(第1発明)で
ある。
て、スラブ側縁面の脱炭層厚を0.2mm以上にする一方、
スラブ表裏面における脱炭層厚は0.2 mm以下としたこと
を特徴とする熱間圧延方法(第2発明)である。
説明する。まず、この発明において、加熱温度を1000℃
以上に限定したのは、圧延性状に優れた熱間仕上圧延を
可能にするためには、1000℃以上に加熱することが不可
欠だからである。
炭層は形成されるけれども、従来のスラブ加熱では、加
熱時に生成される脱炭層厚は薄く、熱間圧延による逆ク
ラウンは大きくなる傾向にあった。そこで、この発明で
は、スラブ加熱前のスラブ側縁面における脱炭層厚を増
加することによって逆クラウンの軽減を図ったのであ
る。
に満たないと、この発明で所期したほど良好な逆クラウ
ンの改善は望み難いので、スラブ側縁面に形成すべき脱
炭層厚は0.2 mm以上に限定した。なお、脱炭層厚の上限
は特に限定しないが、10mmを超える脱炭層の形成は、処
理に長時間を要するだけでなく、クロップ代の増大にも
つながるので、10mm以下程度とするのが好ましい。
下としたのは、ヘゲや笹ヘゲなどの表面割れを防止する
上で有効だからである。
相域となる温度において脱炭によりα単相になる表層部
の厚さのことであり、例えばC:0.05wt%、Si:3.25wt
%、Mn:0.07wt%およびS:0.02wt%を含有し、残部が
主としてFeからなる材料では、炭素濃度が0.02wt%以下
となる部分である。この脱炭層厚の判定法としては、炭
素分析により行うことができるが、より容易な方法とし
て、光学顕微鏡による室温での組織観察によってカーバ
イトの析出が無い領域を脱炭層として脱炭層厚を判定す
ることも可能である。
逆クラウンが軽減される理由については、必ずしも明確
に解明されたわけではないが、およそ次のとおりと考え
られる。板側縁部に脱炭層(α相)が存在する鋼板を熱
間圧延する場合、熱間圧延中のα相の変形抵抗はγ相に
比較して小さいので、側縁部が柔らかい鋼板を熱間圧延
することになる。従って、板側縁部の脱炭層(α相)が
より厚い場合、当然、側縁部はより柔らかくなる。この
ため、板幅の中央部よりも板の側縁部で板厚が厚くなる
逆クラウンは、板側縁部の脱炭層厚を厚くすることによ
り軽減されると考えられる。
ンドでの圧延による側縁部の材料流れにより表裏面側へ
回り込む。従って、スラブ側縁面の脱炭層の影響は各ス
タンドで圧延される毎に板側縁部から内側へ及ぶことに
なり、このため上記効果はスラブでの側縁面の脱炭層厚
を僅かに増加させることによって効果的に達成されるの
である。
では(α+γ)2相域で、脱炭によりα単相となるよう
な素材組成の鋼種としては、いわゆるステンレス鋼板
(SUS430 系等)および電磁鋼板などが挙げられる。ま
た、スラブ側縁面の脱炭層厚を増加させる手段として
は、例えば、連続鋳造時スラブ側縁面の冷却を遅らせる
方法、あるいは連続鋳造後のスラブ側縁部を脱炭性の雰
囲気または手段によって加熱する方法などが有利に適合
する。
験を行った。C:0.05wt%、Si:3.25wt%、Mn:0.07wt
%およびS:0.02wt%を含有し、残部は実質的にFeの組
成になる溶鋼を、連続鋳造により、厚さ:220 mm、幅:
1150mmのスラブとし、これらのスラブの側縁面および表
裏面に高温の酸素を吹き付けることによって、側縁面お
よび表裏面の脱炭層厚が種々に異なるスラブを複数本
(スラブA〜D)用意した。
ーバイドの析出部と無析出部の界面までの厚さとした。
分析によって調査したその部分の炭素濃度は0.02wt%で
あった。上記した成分系の試料は、1100℃から1300℃の
温度範囲において、炭素濃度が0.02wt%以下の領域では
α相、0.02wt%超の領域では(α+γ)相となるので、
脱炭層はα単相となる。
加熱したのち、またはその後さらに誘導加熱炉で1420℃
に加熱した後、粗圧延で40mmのシートバーとし、引き続
いて仕上圧延により2.6 mmの熱延板とした。これらの熱
延板コイルについて、側縁面および表裏面の脱炭層厚と
エッジから10mmの位置での板クラウンおよび表面割れと
の関係について調べた結果を、表1、表2に整理して示
す。
に従い、スラブ加熱前にスラブ側縁部に適切な厚みの脱
炭層を形成したものは、逆クラウンを大幅に軽減するこ
とができた。また、第2発明に従い、スラブ表裏面にお
ける脱炭層厚を小さく抑えたものは、逆クラウンの軽減
だけでなく、表面割れの発生を併せて低減することがで
きた。
範囲で(α+γ)2相域になり、脱炭によりα単相とな
る素材組成の鋼板の熱間圧延に際して、逆クラウンの発
生を効果的に軽減することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間圧延温度範囲において(α+γ)2
相域になり、かつ脱炭によりα単相となる素材組成の鋼
スラブを、1000℃以上に加熱してから、熱間粗圧延つい
で熱間仕上圧延を施すに当たり、 加熱前のスラブ側縁面に、厚み:0.2 mm以上の脱炭層を
形成することを特徴とする熱間圧延方法。 - 【請求項2】 請求項1において、スラブ表裏面におけ
る脱炭層厚が0.2 mm以下であることを特徴とする熱間圧
延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21842897A JP3283444B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 熱間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21842897A JP3283444B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 熱間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1157806A JPH1157806A (ja) | 1999-03-02 |
JP3283444B2 true JP3283444B2 (ja) | 2002-05-20 |
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ID=16719762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21842897A Expired - Fee Related JP3283444B2 (ja) | 1997-08-13 | 1997-08-13 | 熱間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3283444B2 (ja) |
-
1997
- 1997-08-13 JP JP21842897A patent/JP3283444B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1157806A (ja) | 1999-03-02 |
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