JPH0160531B2 - - Google Patents
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- JPH0160531B2 JPH0160531B2 JP4026081A JP4026081A JPH0160531B2 JP H0160531 B2 JPH0160531 B2 JP H0160531B2 JP 4026081 A JP4026081 A JP 4026081A JP 4026081 A JP4026081 A JP 4026081A JP H0160531 B2 JPH0160531 B2 JP H0160531B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/0205—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は、フエライト系ステンレス薄鋼板の製
造法に関するものである。 フエライト系ステンレス薄鋼板は通常絞り加工
して使用される。一般に深絞り性など加工性をあ
らわす指標としてr値及び加工に際して発生する
凹凸模様のリジングと称せられるものがある。こ
のリジング発生の有無は製造条件によつて著しく
変化するが、中でも熱間圧延工程の処理条件と著
しい相関がある。仕上熱間圧延開始温度を低温で
行うとリジングが少なくなるという知見がある
が、仕上熱間圧延温度を下げると従来の製造プロ
セスにおいては確かにリジングは軽減されるが、
低温で圧延が行われるため、ロール表面の損耗が
激しく、いわゆるスケール疵と称せられる表面疵
の発生し易い欠点があつた。 本発明者等はこの欠点をなくすため、成分、熱
間圧延条件、熱延板焼鈍条件の関連について詳し
い研究を行つた結果、フエライト系ステンレス鋼
スラブにAl0.1〜0.3%を含有させ、スラブ加熱温
度を1200℃以下1000℃以上とし、仕上熱間圧延開
始温度を900℃以上、好ましくは950℃以上とし、
捲取温度を650℃以下の低温として、且つ熱延板
焼鈍を850〜1100℃の温度で10分以内の短時間の
連続焼鈍を行うことで、リジングが少なくr値も
良好で表面性状のすぐれたフエライト系ステンレ
ス薄鋼板を製造出来ることを発見し、本発明を完
成させた。 以下の説明において、特別な場合を除きフエラ
イト系ステンレス鋼とは通常11〜20%のCr、0.1
%までのC、1%までのMn、1%までのSi、
0.05%まのNを含むものであり、SUS 430鋼がそ
の代表的なものであるが、転炉又は電気炉等で溶
製し、インゴツト法で作られる場合は分塊圧延に
よりスラブとなし、また連続鋳造法の場合は直接
スラブとなし、これを熱間圧延して熱延鋼帯と
し、熱延板焼鈍を行つた後、1回の冷間圧延又は
中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延を行つた
後、最終焼鈍を施して製品とするものをさす。 第1図、第2図及び第3図は本発明の基礎とな
つた実施結果を模式的に示したものである。第1
図aはAl含有量と製品板のr値、リジングの関
係を熱延板焼鈍が高温短時間の連続焼鈍の場合、
第1図bは同じく低温長時間の箱焼鈍の場合につ
いて示したものである。熱延板焼鈍が箱焼鈍の場
合は、連続焼鈍の場合に比べてリジングが高く
(悪く)、r値が高いが、Alの影響は比較的少な
い。連続焼鈍の場合は、リジング、r値ともAl
含有量との相関が強く、r値はAl含有量が低い
場合は、箱焼鈍の場合に比べると著しく低いが
Al含有量が0.1%を超えると著しく向上する。本
発明においてAl含有量の下限を0.1%に限定した
のは、r値確保の点から限定したものである。リ
ジングはAl含有量が増す程悪化するが、箱焼鈍
程の劣化はない。 第2図はAl0.1%〜0.3%を含有するフエライト
系ステンレス薄鋼板のスラブ加熱温度とr値、リ
ジングの関係を模式的に示したもので、aは熱延
板焼鈍が連続焼鈍の場合bは同じく箱焼鈍の場合
について示したものである。熱延板焼鈍が箱焼鈍
の場合は連続焼鈍の場合に比べてリジングは悪く
且つスラブ加熱温度が高い程悪くなる。r値はス
ラブ加熱温度が高くなると若干低下するが、連続
焼鈍の場合に比べるとその影響はわずかで高い値
を示す。熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合のリジング
はスラブ加熱温度が高い程悪くなるが、箱焼鈍の
場合に比べると加熱温度の影響は比較的少なく、
著しく劣化するのは加熱温度が1200℃を超えた場
合である。r値は加熱温度との相関が強く、高温
加熱程劣化する。 本発明に従いスラブ加熱温度を1200℃以下に限
定したのは、第1にリジング特性を重視したもの
であり、第2にr値確保を主眼としたものであ
る。スラブ加熱温度は低い程r値はよくなるが、
その下限を1000℃と限定したのは後述の仕上熱間
圧延開始温度900℃以上、好ましくは950℃以上と
して仕上熱間圧延工程での再結晶促進によるリジ
ング向上効果及び熱間圧延での変形抵抗の増大に
よるスケール疵とと呼ばれる表面疵の発生防止を
狙いとしたものである。 第3図aはAl0.1%〜0.3%を含有するフエライ
ト系ステンレス薄鋼板の熱延板焼鈍を連続焼鈍で
行つた場合、第3図bは同じく箱焼鈍で行つた場
合の仕上熱圧延開始温度と捲取温度とr値、リジ
ングの関係を模式的に示したものである。箱焼鈍
の場合は、仕上熱間圧延開始温度、捲取温度に関
係なくr値はほぼ一定で高い値を示すが、リジン
グは仕上熱間圧延開始温度、捲取温度ともに高い
程劣化する。熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合は、仕
上熱間圧延開始温度が900℃以上の高温である場
合、捲取温度が600℃以下の低温であれば、仕上
熱間圧延開始温度が高温である程、リジング特性
が向上する。捲取温度が600℃以下の低温でない
場合は、仕上熱間圧延開始温度を高めてもリジン
グ向上効果は殆んどないことを示している。仕上
熱間圧延開始温度が900℃未満の場合は、捲取温
度の影響が少なくなり、仕上熱間圧延開始温度が
低い程リジングは向上し、r値も向上するが、熱
間圧延での変形抵抗の増加によるロールの損耗が
著しく表面疵発生の原因となる。 本発明に従つて仕上熱間圧延開始温度を900℃
以上とし、捲取温度を600℃以下の低温捲取とし
たのは表面性状を損なわずに、リジング特性を確
保するためである。r値は仕上熱間圧延開始温度
が高い程、捲取温度が低い程劣化するが、l0.1%
を含有しているので、r値は1.00以下とはならな
いので問題はない。 本発明において熱延板焼鈍として高温短時間の
連続焼鈍を採用したのは、以上述べた如く、低温
長時間の箱焼鈍の場合に比べてr値は若干劣る
が、仕上熱間圧延温度が高温でもr値の劣化が少
ないからである。Al0.1%〜0.3%を含有するフエ
ライト系ステンレス薄鋼板の熱延板の連続焼鈍に
おいて、焼鈍温度と製品板のr値、リジングは密
接な関係があり、リジングは熱延板焼鈍温度が高
い程よくなり、r値は約800℃の温度まで低い程
良い傾向を示している。熱延板焼鈍温度が1100℃
を超えると熱延板は著しく脆化し、次工程の冷延
破断の原因となる。本発明に従い熱延板焼鈍温度
の上限を1100℃に限定したのはr値の確保及び脆
化防止を主眼とし、下限を850℃と限定したのは、
リジング特性確保の観点からである。又焼鈍時間
を10分以内と限定したのは、これ以上の長時間焼
鈍でもリジング、r値いづれも向上効果が飽和し
てきて経済的ではないからである。 以上述べた関係が得られた治金的理由について
は必ずしも明らかではないが、本発明者等は現在
次のように解釈している。すなわちr値は、)
冷延前の固溶N量が低い程高くなり、)冷間圧
延前の硬い相の量が多い程低くなり、リジング
は、)熱間圧延及び熱延板焼鈍での再結晶が促
進され結晶粒が微細ランダム化される程低くなり
)冷間圧延前の硬い相が多い程低くなると考え
ている。 熱延板焼鈍が箱焼鈍の場合は、箱焼鈍工程でN
はAlNの形でほぼ100%固定されるので冷間圧延
前の固溶Nは低減される。更に焼鈍後はフエライ
ト単相の組織となり硬い相が消滅する。以上の理
由から、箱焼鈍工程では、熱間圧延工程の影響を
比較的受けずr値はほぼ一定の良い値を示す。し
かしながらリジングは熱間圧延での歪蓄積が不十
分であるため、すなわち高温仕上熱間圧延では箱
焼鈍工程での再結晶微細化が不十分なために劣化
する。箱焼鈍を行う場合に、製品板のリジングを
向上させるには、低温仕上熱間圧延が不可欠であ
るが、圧延の負荷を増大させ、鋼板表面にいわゆ
るスケール疵と言われる表面疵が発生し易くな
る。 熱延板焼鈍が連続焼鈍で行われる場合は、昇温
速度が速いため、箱焼鈍の場合に比べて再結晶微
細化し易く、基本的には低温仕上熱間圧延なしで
もリジングは向上するが、熱延板焼鈍工程でのN
の固定が不充分なこと、冷間圧延前に硬い相が存
在することからr値が低いという欠点がある。本
発明はこの連続焼鈍の特徴を生かして、r値、リ
ジングともに良好となる技術を発見し、完成した
ものである。連続焼鈍ではr値が低いという欠点
は、スラブにAlを0.1%以上添加し、且つ1200℃
以下の低温スラブ加熱を行うことで解決した。本
発明に従いスラブのAl含有量を0.1%以上、スラ
ブ加熱温度を1200℃以下、好ましくは1100℃以下
とすることにより、固溶Nのほぼ30%以下が
AlNの形で固定されることになり、スラブ加熱
工程がNの固定工程として活用出来る。更にAl
の含まれていない材料では熱延板の連続焼鈍工程
においてはAlNの析出は殆んど期待出来ないが、
本発明に従つてAlを0.1%以上含有している熱延
板の場合には、連続焼鈍工程もNの固定工程とし
て活用可能であり、スラブ加熱工程と、連続焼鈍
工程の両工程の活用により、r値確保が可能とな
る。Al添加量を0.1%以上とすると、Alが0.1%未
満の材料に比較して本質的にリジングが劣る欠点
が生じる。これはAl量が増すと、γ相の量が減
少し且つγ→α変態速度がはやくなり、しかして
γ相の量が減少することは、熱間圧延工程での再
結晶が起き難くなり、それだけ最終製品のリジン
グが悪くなるからである。この点を克服するため
に本発明においては仕上熱間圧延開始温度を900
℃以上、好ましくは950℃以上とし、仕上熱間工
程でも再結晶させることにより、γ相の減少によ
る再結晶の低下を補つている。その理由は仕上熱
間圧延工程での再結晶は本発明者等の研究によれ
ば、900℃以上、好ましくは950℃以上の高温でな
ければ生じないからである。γ→α変態が促進さ
れると捲取つたままの状態では元のγ相は硬い相
とはならず軟かいフエライト相となつている比率
が高いが、熱延板の連続焼鈍工程で微細再結晶化
させて、リジングを向上させるためには、硬い相
が多い状態で連続焼鈍することが好ましい。本発
明に従い600℃以下の温度で捲取ると限定したの
は以上述べた理由にもとづくものである。 本発明においてはAl以外の元素については述
べていないが、Nを固定する元素としてTi,V,
B等を複合添加することはr値向上に効果的であ
り、Alの添加により減少するγ相をCu,Mn,C
等の含有量を高めて増加することがリジング特性
向上に効果的であることは言うまでもない。 以下本発明を実施例に従つて具体的に説明す
る。 実施例 表1に示す化学成分の連鋳スラブを1050℃,
1100℃,1250℃に加熱後熱間圧延し、3.7mmの熱
延板とした。仕上熱間圧延開始温度は950℃と850
℃、捲取温度は700℃と500℃の夫々2条件で行つ
た。ついで1000℃1分の焼鈍後冷間圧延、仕上焼
鈍を行つた。得られた製品の特性を表2に示し
た。本発明の方法によるものはリジング、r値、
表面性状のいづれも良好である。 以上本発明を1回冷間圧延工程を前提として説
明したが、本発明は中間焼鈍をはさむ2回冷間圧
延工程にも適用できることは言うまでもない。
造法に関するものである。 フエライト系ステンレス薄鋼板は通常絞り加工
して使用される。一般に深絞り性など加工性をあ
らわす指標としてr値及び加工に際して発生する
凹凸模様のリジングと称せられるものがある。こ
のリジング発生の有無は製造条件によつて著しく
変化するが、中でも熱間圧延工程の処理条件と著
しい相関がある。仕上熱間圧延開始温度を低温で
行うとリジングが少なくなるという知見がある
が、仕上熱間圧延温度を下げると従来の製造プロ
セスにおいては確かにリジングは軽減されるが、
低温で圧延が行われるため、ロール表面の損耗が
激しく、いわゆるスケール疵と称せられる表面疵
の発生し易い欠点があつた。 本発明者等はこの欠点をなくすため、成分、熱
間圧延条件、熱延板焼鈍条件の関連について詳し
い研究を行つた結果、フエライト系ステンレス鋼
スラブにAl0.1〜0.3%を含有させ、スラブ加熱温
度を1200℃以下1000℃以上とし、仕上熱間圧延開
始温度を900℃以上、好ましくは950℃以上とし、
捲取温度を650℃以下の低温として、且つ熱延板
焼鈍を850〜1100℃の温度で10分以内の短時間の
連続焼鈍を行うことで、リジングが少なくr値も
良好で表面性状のすぐれたフエライト系ステンレ
ス薄鋼板を製造出来ることを発見し、本発明を完
成させた。 以下の説明において、特別な場合を除きフエラ
イト系ステンレス鋼とは通常11〜20%のCr、0.1
%までのC、1%までのMn、1%までのSi、
0.05%まのNを含むものであり、SUS 430鋼がそ
の代表的なものであるが、転炉又は電気炉等で溶
製し、インゴツト法で作られる場合は分塊圧延に
よりスラブとなし、また連続鋳造法の場合は直接
スラブとなし、これを熱間圧延して熱延鋼帯と
し、熱延板焼鈍を行つた後、1回の冷間圧延又は
中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延を行つた
後、最終焼鈍を施して製品とするものをさす。 第1図、第2図及び第3図は本発明の基礎とな
つた実施結果を模式的に示したものである。第1
図aはAl含有量と製品板のr値、リジングの関
係を熱延板焼鈍が高温短時間の連続焼鈍の場合、
第1図bは同じく低温長時間の箱焼鈍の場合につ
いて示したものである。熱延板焼鈍が箱焼鈍の場
合は、連続焼鈍の場合に比べてリジングが高く
(悪く)、r値が高いが、Alの影響は比較的少な
い。連続焼鈍の場合は、リジング、r値ともAl
含有量との相関が強く、r値はAl含有量が低い
場合は、箱焼鈍の場合に比べると著しく低いが
Al含有量が0.1%を超えると著しく向上する。本
発明においてAl含有量の下限を0.1%に限定した
のは、r値確保の点から限定したものである。リ
ジングはAl含有量が増す程悪化するが、箱焼鈍
程の劣化はない。 第2図はAl0.1%〜0.3%を含有するフエライト
系ステンレス薄鋼板のスラブ加熱温度とr値、リ
ジングの関係を模式的に示したもので、aは熱延
板焼鈍が連続焼鈍の場合bは同じく箱焼鈍の場合
について示したものである。熱延板焼鈍が箱焼鈍
の場合は連続焼鈍の場合に比べてリジングは悪く
且つスラブ加熱温度が高い程悪くなる。r値はス
ラブ加熱温度が高くなると若干低下するが、連続
焼鈍の場合に比べるとその影響はわずかで高い値
を示す。熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合のリジング
はスラブ加熱温度が高い程悪くなるが、箱焼鈍の
場合に比べると加熱温度の影響は比較的少なく、
著しく劣化するのは加熱温度が1200℃を超えた場
合である。r値は加熱温度との相関が強く、高温
加熱程劣化する。 本発明に従いスラブ加熱温度を1200℃以下に限
定したのは、第1にリジング特性を重視したもの
であり、第2にr値確保を主眼としたものであ
る。スラブ加熱温度は低い程r値はよくなるが、
その下限を1000℃と限定したのは後述の仕上熱間
圧延開始温度900℃以上、好ましくは950℃以上と
して仕上熱間圧延工程での再結晶促進によるリジ
ング向上効果及び熱間圧延での変形抵抗の増大に
よるスケール疵とと呼ばれる表面疵の発生防止を
狙いとしたものである。 第3図aはAl0.1%〜0.3%を含有するフエライ
ト系ステンレス薄鋼板の熱延板焼鈍を連続焼鈍で
行つた場合、第3図bは同じく箱焼鈍で行つた場
合の仕上熱圧延開始温度と捲取温度とr値、リジ
ングの関係を模式的に示したものである。箱焼鈍
の場合は、仕上熱間圧延開始温度、捲取温度に関
係なくr値はほぼ一定で高い値を示すが、リジン
グは仕上熱間圧延開始温度、捲取温度ともに高い
程劣化する。熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合は、仕
上熱間圧延開始温度が900℃以上の高温である場
合、捲取温度が600℃以下の低温であれば、仕上
熱間圧延開始温度が高温である程、リジング特性
が向上する。捲取温度が600℃以下の低温でない
場合は、仕上熱間圧延開始温度を高めてもリジン
グ向上効果は殆んどないことを示している。仕上
熱間圧延開始温度が900℃未満の場合は、捲取温
度の影響が少なくなり、仕上熱間圧延開始温度が
低い程リジングは向上し、r値も向上するが、熱
間圧延での変形抵抗の増加によるロールの損耗が
著しく表面疵発生の原因となる。 本発明に従つて仕上熱間圧延開始温度を900℃
以上とし、捲取温度を600℃以下の低温捲取とし
たのは表面性状を損なわずに、リジング特性を確
保するためである。r値は仕上熱間圧延開始温度
が高い程、捲取温度が低い程劣化するが、l0.1%
を含有しているので、r値は1.00以下とはならな
いので問題はない。 本発明において熱延板焼鈍として高温短時間の
連続焼鈍を採用したのは、以上述べた如く、低温
長時間の箱焼鈍の場合に比べてr値は若干劣る
が、仕上熱間圧延温度が高温でもr値の劣化が少
ないからである。Al0.1%〜0.3%を含有するフエ
ライト系ステンレス薄鋼板の熱延板の連続焼鈍に
おいて、焼鈍温度と製品板のr値、リジングは密
接な関係があり、リジングは熱延板焼鈍温度が高
い程よくなり、r値は約800℃の温度まで低い程
良い傾向を示している。熱延板焼鈍温度が1100℃
を超えると熱延板は著しく脆化し、次工程の冷延
破断の原因となる。本発明に従い熱延板焼鈍温度
の上限を1100℃に限定したのはr値の確保及び脆
化防止を主眼とし、下限を850℃と限定したのは、
リジング特性確保の観点からである。又焼鈍時間
を10分以内と限定したのは、これ以上の長時間焼
鈍でもリジング、r値いづれも向上効果が飽和し
てきて経済的ではないからである。 以上述べた関係が得られた治金的理由について
は必ずしも明らかではないが、本発明者等は現在
次のように解釈している。すなわちr値は、)
冷延前の固溶N量が低い程高くなり、)冷間圧
延前の硬い相の量が多い程低くなり、リジング
は、)熱間圧延及び熱延板焼鈍での再結晶が促
進され結晶粒が微細ランダム化される程低くなり
)冷間圧延前の硬い相が多い程低くなると考え
ている。 熱延板焼鈍が箱焼鈍の場合は、箱焼鈍工程でN
はAlNの形でほぼ100%固定されるので冷間圧延
前の固溶Nは低減される。更に焼鈍後はフエライ
ト単相の組織となり硬い相が消滅する。以上の理
由から、箱焼鈍工程では、熱間圧延工程の影響を
比較的受けずr値はほぼ一定の良い値を示す。し
かしながらリジングは熱間圧延での歪蓄積が不十
分であるため、すなわち高温仕上熱間圧延では箱
焼鈍工程での再結晶微細化が不十分なために劣化
する。箱焼鈍を行う場合に、製品板のリジングを
向上させるには、低温仕上熱間圧延が不可欠であ
るが、圧延の負荷を増大させ、鋼板表面にいわゆ
るスケール疵と言われる表面疵が発生し易くな
る。 熱延板焼鈍が連続焼鈍で行われる場合は、昇温
速度が速いため、箱焼鈍の場合に比べて再結晶微
細化し易く、基本的には低温仕上熱間圧延なしで
もリジングは向上するが、熱延板焼鈍工程でのN
の固定が不充分なこと、冷間圧延前に硬い相が存
在することからr値が低いという欠点がある。本
発明はこの連続焼鈍の特徴を生かして、r値、リ
ジングともに良好となる技術を発見し、完成した
ものである。連続焼鈍ではr値が低いという欠点
は、スラブにAlを0.1%以上添加し、且つ1200℃
以下の低温スラブ加熱を行うことで解決した。本
発明に従いスラブのAl含有量を0.1%以上、スラ
ブ加熱温度を1200℃以下、好ましくは1100℃以下
とすることにより、固溶Nのほぼ30%以下が
AlNの形で固定されることになり、スラブ加熱
工程がNの固定工程として活用出来る。更にAl
の含まれていない材料では熱延板の連続焼鈍工程
においてはAlNの析出は殆んど期待出来ないが、
本発明に従つてAlを0.1%以上含有している熱延
板の場合には、連続焼鈍工程もNの固定工程とし
て活用可能であり、スラブ加熱工程と、連続焼鈍
工程の両工程の活用により、r値確保が可能とな
る。Al添加量を0.1%以上とすると、Alが0.1%未
満の材料に比較して本質的にリジングが劣る欠点
が生じる。これはAl量が増すと、γ相の量が減
少し且つγ→α変態速度がはやくなり、しかして
γ相の量が減少することは、熱間圧延工程での再
結晶が起き難くなり、それだけ最終製品のリジン
グが悪くなるからである。この点を克服するため
に本発明においては仕上熱間圧延開始温度を900
℃以上、好ましくは950℃以上とし、仕上熱間工
程でも再結晶させることにより、γ相の減少によ
る再結晶の低下を補つている。その理由は仕上熱
間圧延工程での再結晶は本発明者等の研究によれ
ば、900℃以上、好ましくは950℃以上の高温でな
ければ生じないからである。γ→α変態が促進さ
れると捲取つたままの状態では元のγ相は硬い相
とはならず軟かいフエライト相となつている比率
が高いが、熱延板の連続焼鈍工程で微細再結晶化
させて、リジングを向上させるためには、硬い相
が多い状態で連続焼鈍することが好ましい。本発
明に従い600℃以下の温度で捲取ると限定したの
は以上述べた理由にもとづくものである。 本発明においてはAl以外の元素については述
べていないが、Nを固定する元素としてTi,V,
B等を複合添加することはr値向上に効果的であ
り、Alの添加により減少するγ相をCu,Mn,C
等の含有量を高めて増加することがリジング特性
向上に効果的であることは言うまでもない。 以下本発明を実施例に従つて具体的に説明す
る。 実施例 表1に示す化学成分の連鋳スラブを1050℃,
1100℃,1250℃に加熱後熱間圧延し、3.7mmの熱
延板とした。仕上熱間圧延開始温度は950℃と850
℃、捲取温度は700℃と500℃の夫々2条件で行つ
た。ついで1000℃1分の焼鈍後冷間圧延、仕上焼
鈍を行つた。得られた製品の特性を表2に示し
た。本発明の方法によるものはリジング、r値、
表面性状のいづれも良好である。 以上本発明を1回冷間圧延工程を前提として説
明したが、本発明は中間焼鈍をはさむ2回冷間圧
延工程にも適用できることは言うまでもない。
【表】
第1図aはAlの含有量と製品板のr値、リジ
ングの関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、第1
図bは同じく箱焼鈍の場合について示す図、第2
図aはスラブ加熱温度と製品板のr値、リジング
の関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、第2図b
は同じく箱焼鈍の場合について示す図、第3図a
は仕上熱延開始温度、捲取温度と製品板のr値、
リジングの関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、
第3図bは同じく箱焼鈍の場合について示す図で
ある。
ングの関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、第1
図bは同じく箱焼鈍の場合について示す図、第2
図aはスラブ加熱温度と製品板のr値、リジング
の関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、第2図b
は同じく箱焼鈍の場合について示す図、第3図a
は仕上熱延開始温度、捲取温度と製品板のr値、
リジングの関係を熱延板焼鈍が連続焼鈍の場合、
第3図bは同じく箱焼鈍の場合について示す図で
ある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Al0.1%〜0.3%を含有するフエライト系ステ
ンレス鋼スラブを粗圧延機と複数の連続圧延機で
熱間圧延して、熱延板とする工程において、スラ
ブ加熱温度を1200℃以下1000℃以上とし、仕上熱
間圧延開始温度を900℃以上とし、得られた熱延
板を600℃以下の温度で捲取り、850〜1100℃の温
度で10分以内の短時間焼鈍後、製品厚みまで冷間
圧延することを特徴とする加工性のすぐれたフエ
ライト系ステンレス薄鋼板の製造法。 2 仕上熱間圧延開始温度を950℃以上とする特
許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4026081A JPS57155326A (en) | 1981-03-23 | 1981-03-23 | Production of ferritic stainless steel sheet excellent in workability |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4026081A JPS57155326A (en) | 1981-03-23 | 1981-03-23 | Production of ferritic stainless steel sheet excellent in workability |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57155326A JPS57155326A (en) | 1982-09-25 |
JPH0160531B2 true JPH0160531B2 (ja) | 1989-12-22 |
Family
ID=12575694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4026081A Granted JPS57155326A (en) | 1981-03-23 | 1981-03-23 | Production of ferritic stainless steel sheet excellent in workability |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57155326A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2763960B1 (fr) * | 1997-05-29 | 1999-07-16 | Usinor | Procede de fabrication de bandes minces d'acier inoxydable ferritique, et bandes minces ainsi obtenues |
US10633730B2 (en) | 2014-09-05 | 2020-04-28 | Jfe Steel Corporation | Material for cold-rolled stainless steel sheet |
CN111020169A (zh) * | 2019-12-23 | 2020-04-17 | 宁波奇亿金属有限公司 | 一种铁素体不锈钢超深冲性能的退火工艺 |
KR20230059481A (ko) | 2021-10-26 | 2023-05-03 | 주식회사 포스코 | 페라이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
-
1981
- 1981-03-23 JP JP4026081A patent/JPS57155326A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57155326A (en) | 1982-09-25 |
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