JP2818182B2 - 表面疵のない加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造法 - Google Patents

表面疵のない加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表面疵のない加工性に優れたフェライト系
ステンレス鋼薄板を、熱延板焼鈍工程を省略して製造す
る方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、フェライト系ステンレス鋼薄板は、熱延板を焼
鈍した後、1回或は中間焼鈍を介挿する2回の冷間圧延
を施し、次いで仕上焼鈍(最終焼鈍)して製品とするプ
ロセスによって製造されてきた。
上記従来のフェライト系ステンレス鋼薄板製造プロセ
スによるときは、熱延板焼鈍工程を省略すると、最終製
品に1)表面疵が発生する2)降伏強度が高くかつ、降
伏点伸びが大きく、伸びが少ない、3)r値が小さく、
リッジングが大きい等の欠陥が発生し易くなる、という
問題を生じる。
発明者等は、熱延板焼鈍工程を省略しても前記問題を
生じないフェライト系ステンレス鋼薄板の製造プロセス
について研究を重ねた結果、Alを0.08〜0.5%含有する
フェライト系ステンレス鋼熱延板を、40%以上の圧下率
の適用下に冷間圧延した後、700〜1000℃の温度に10分
間以内加熱した後さらに、40%以上の圧下率の適用下に
冷間圧延し、次いで再結晶焼鈍するプロセスによって所
期の結果を得、特開昭60−204836号にて提案した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、発明者等が提案した特開昭60−204836号公
報に開示されている技術によって得られる製品よりもさ
らに優れた特性、特に表面性状、加工性の点で優れた特
性を有するフェライト系ステンレス鋼薄板を製造するプ
ロセスを提供することを目的としてなされた。
(課題を解決するための手段) 本発明の特徴とする処は、フェライト系ステンレス鋼
薄板の製造するプロセスにおいて、熱間圧延工程におけ
るストリップの巻き取り温度を好ましくは650℃以下と
し、冷間圧延工程における中間焼鈍条件を、材料を200
〜1000℃/sの昇温速度(室温から最高加熱温度までの平
均昇温速度)で1000〜1150℃の温度域まで加熱し0.1〜
1秒間保持した後、1000〜80℃/sの冷却速度で800℃ま
で冷却するようにした点にある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
先ず、上述のような冷間圧延段階に介挿される中間焼
鈍の条件を採ることによって、表面疵がなく、加工性即
ちr値が高く、リッジングが減少する冶金的理由につい
て、詳細に説明する。
熱延板焼鈍することなく、1回の冷間圧延によって最
終板厚とするフェライト系ステンレス鋼薄板の製造プロ
セスにおいて、Alを0.08〜0.5%含有する材料を用いる
場合は、熱間圧延工程における巻き取り温度が高温とな
る程製品のr値が向上するけれども、リッジングが劣化
するという問題がある。
しかしながら、熱延板焼鈍することなく材料を冷間圧
延するプロセスであっても、熱延板を冷間圧延した後中
間焼鈍しさらに冷間圧延し仕上焼鈍するプロセスを採る
と、1回冷延法による場合に比しr値が向上しかつリッ
ジングも改善される。
これは、中間焼鈍後、製品の深絞り性にとって有利な
{111}<112>系の集合組織の発達が著しく、かかる集
合組織を有する材料を冷間圧延し仕上焼鈍すると、最終
製品において、深絞り性に有効な{111}<110>系の集
合組織の発達が顕著になることによる。
発明者等はさらに研究を進めた結果、最終製品のr値
およびリッジングは、中間焼鈍条件、特に材料の加熱温
度、昇温速度、加熱時間、冷却速度によって著しく変化
することを見出し、本発明を完成させたものである。
また、本発明になるプロセスを採ることによって、最
終焼鈍後の鋼板表面に疵が発生することがない。
以下に、本発明の中間焼鈍条件の冶金学的根拠につい
て説明する。
本発明において、中間焼鈍における材料の昇温速度を
200℃/s以上と限定したのは、これ未満の昇温速度で
は、昇温過程で結晶粒の粗大化が起こり、最終製品のr
値、リッジングが劣化するからである。
特に、リッジングを劣化させないためには、材料の昇
温速度は高いほど良いけれども、1000℃/sを超える昇温
速度とすることは、工業的に極めて困難であり、コスト
的にも不利である。
次に、加熱到達温度を1000℃以上、1150℃以下とした
のは、この焼鈍によりγ相を微細析出させるためであ
り、1000℃未満の加熱到達温度では、γ相の析出が期待
できない。一方、加熱到達温度が1150℃を超えると、γ
相は析出するものの粒成長により、最終製品のr値、リ
ッジングが劣化する。
本発明の中間焼鈍は、粒成長することなく、γ相を微
細分散させることを狙ったものであり、このγ相の微細
分散により、最終製品のr値が著しく向上する。
また、加熱到達温度に保持する時間を、0.1秒間以上
1秒間以下としたのは、1秒を超えて長くしても、r
値、リッジング向上効果は認められず、逆に粒成長によ
り最終製品のr値、リッジングの劣化を招く、一方、0.
1秒間未満では、効果がない。
次に、材料の冷却速度を、80℃/s以上1000℃/s以下と
限定したのは、80℃/s未満の冷却速度では粒成長が起こ
り、最終製品のリッジング向上効果が少なくなる。一
方、冷却速度は高いほど材料の粒成長を抑えて好ましい
けれども、1000℃/sを超える冷却速度での冷却を実施す
るのは、工業的に困難である。なお、最高加熱温度(10
00〜1150℃)からの冷却温度を800℃までに限定したの
は、800℃未満では粒成長が起こるためである。
上述のような急速加熱、冷却によるγ相の析出は、必
ずしも結晶粒界に限らず結晶粒内でも生じる。冷間圧延
前の結晶粒界は、次いでなされる焼鈍後に{111}系結
晶方位を発達させるソースとなることはよく知られてい
るが、本発明の方法では、微細γ相は、特に粒界に優先
的に析出するわけではなく、また、最終焼鈍においては
粒成長は殆んどないから、{111}系結晶方位を発達さ
せるソースは減少しない。
従って、中間焼鈍時にγ相が析出しているにも拘わら
ず、製品におけるr値の低下はみられない。
本発明におけると同一成分の熱圧板を、熱延板焼鈍を
省略して中間焼鈍を施さない1回の冷間圧延で最終板厚
とするプロセスを採る場合、熱間圧延工程でのストリッ
プ巻き取り温度を高くすることによって、製品のr値を
高くすることができるけれども、高温巻き取りの際、材
料(ストリップ)にPの粒回偏析が生じ、酸洗時に深い
グループがストリップ表面に形成され、それが最終焼鈍
後のストリップ表面に残存して表面疵となる。
従って、このような表面癖を生ぜしめないためには、
熱間圧延工程でのストリップの低温巻き取り、即ち、70
0℃以下、好ましくは650℃以下の温度域で巻き取る必要
がある。しかしながら、かかる低温巻き取りを行うと、
製品のr値の向上は期待できない。
本発明においては、製品に表面疵が発生しない低温巻
き取りを行った熱延板を出発材としても、1回冷延法に
よって得られたステンレス鋼薄板に比し、r値、リッジ
ングの向上が大きいため、表面疵がなく、加工性の良好
なステンレス鋼薄板の製造が可能となる。
次に、本発明において、1回目および2回目の冷間圧
延における冷延率を40%以上としたのは、再結晶組織で
{111}系集合組織を充分に発達させるためである。
40%未満の冷延率では、{111}系集合組織の発達が
不充分である。かかる観点から、冷延率は高いほど良い
けれども、熱延板の厚さは最大6mm程度であり、最終板
厚は最も薄い場合で0.3mm程度であるから、1回目およ
び2回目の各段階での冷延率の上限を80%とした。
処で、本発明において、Al含有量を0.08%以上とした
のは、これ未満のAl含有量ではAlNの析出が不充分であ
り、最終製品の降伏点が高くなって好ましくない。
また、前記未満のAl含有量の場合、r値の向上効果が
少ないのみならず、キラキラ疵と呼ばれる表面疵が出易
くなる。一方、Al含有量の上限を0.5%としたのは、こ
の量を超えて添加しても、効果が飽和し経済的でないた
めである。
従来の熱延板焼鈍後、冷間圧延、仕上焼鈍を行う製造
プロセスにあっては、スラブ加熱温度が低温である程ま
た、仕上圧延温度が低温である程最終製品のr値、リッ
ジングは良好なものとなるが、低温スラブ加熱、低温仕
上圧延を行う場合は、熱間圧延工程で所謂スケール疵と
呼ばれる表面疵が発生する傾向が強まる。
しかしながら、本発明の如く、熱延板焼鈍を省略する
製造プロセスにおいは、r値、リッジングを良好ならし
めるべく、低温スラブ加熱、低温仕上圧延を行って熱延
板焼鈍工程で再結晶を促進させる必要がないので、高温
スラブ加熱、高温仕上圧延を行うことが可能であり、従
ってスケール疵の発生がなく、良好な表面性状をもつ熱
延板とすることができる。
(実 施 例) 表1に示す化学成分を有する厚さ200mmの連続鋳造ス
ラブを、1200℃に加熱した後、粗圧延機ならびに仕上圧
延機列からなるホットストリップミルで圧延し、厚さ4.
0mmの熱延板とした。
この熱延板(ホットストリップコイル)を、熱延板焼
鈍することなく、厚さ2.0mm(冷延率:50%)まで冷間圧
延し、表2に示す条件で中間焼鈍した後、0.4mm厚さま
で冷間圧延し、次いで、860℃×2分間の最終焼鈍を施
した。
このようにして得られた製品のr値、リッジングを測
定した結果を、表3に示す。
表3から明らかなように、本発明によるときは、r
値、リッジングともに良好である。
(発明の効果) 本発明によれば、熱延板焼鈍工程を省略してなお、r
値、リッジングが良好かつ表面性状に優れたフェライト
系ステンレス鋼薄板を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−204836(JP,A) 特開 昭60−208423(JP,A) 特開 昭63−169334(JP,A) 特開 昭60−197822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/02,8/04 C21D 9/46,9/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、Al:0.08〜0.5%を含有するフェ
    ライト系ステンレス鋼熱延板を、熱延板焼鈍することな
    く40%以上80%以下の圧下率で冷間圧延した後、1000〜
    1150℃の温度域に加熱する中間焼鈍後、さらに40%以上
    80%以下の圧下率で冷間圧延し、次いで再結晶焼鈍する
    フェライト系ステンレス鋼薄板の製造法において、前記
    中間焼鈍における材料の昇温速度(室温から最高加熱温
    度までの平均昇温速度)を200〜1000℃/sとするととも
    に、最高加熱温度に0.1秒間以上1秒間以下保持し、さ
    らに最高加熱温度から800℃までの冷却速度を1000〜80
    ℃/sに制御してγ相を析出せしめることを特徴とする表
    面疵のない加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼薄
    板の製造法。
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