JPH05237373A - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

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JPH05237373A
JPH05237373A JP4370692A JP4370692A JPH05237373A JP H05237373 A JPH05237373 A JP H05237373A JP 4370692 A JP4370692 A JP 4370692A JP 4370692 A JP4370692 A JP 4370692A JP H05237373 A JPH05237373 A JP H05237373A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍食品の変色、退色等の変質を効果的に防
止するために−20℃での低温下での反応性の優れた脱
酸素剤を提供する。 【構成】 比表面積が500cm2 /g以上を有する鉄
粉と、鉄粉100重量部に対して金属ハロゲン化物を
0.2〜5重量部、水分含有率が15重量部以上、酸化
鉄粉、酸化第二銅、二酸化マンガンのうち1種類以上を
2重量部以上とし、その他を吸水性粉末材料からなるこ
とを特徴とする脱酸素剤。 【効果】 従来剤に比べ30%の酸素吸収速度、酸素吸
収能力の向上が図れ、性能を向上すると共に軽量化が達
成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温下での酸素吸収能が
優れ、特に冷凍食品の変色、油やけ等の変質を防止する
ための脱酸素剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品の保存を行う場合、保存温度
を下げて、食品および細菌類の繁殖速度を低下し、腐敗
変質を防ぎ保存寿命を延長する方法が最も一般に利用さ
れ家庭内では冷蔵庫に代表される装置が普及している。
この他の食品保存方法としては食品と共に密閉容器内に
密封保存し、容器内の酸素を吸収し食品の酸化、かびの
繁殖防止、変色、退色等の腐敗、変質を防止するための
脱酸素剤による保存がある。特に脱酸素剤は無機系の鉄
粉と金属ハロゲン化物からなる素材、アスコルビン酸等
有機素材からなるもの等があり、既に商品化されてい
る。
【0003】特に鉄粉を主剤とした脱酸素剤は酸素吸収
能力および酸素吸収速度が共に大きく、誤って食品と共
に口にした場合にも人体に及ぼす害が小さく、安全性も
優れており、実用性が高いために、脱酸素剤の素材とし
て多量に使用されている。
【0004】鉄粉を主剤とした脱酸素剤は通常は鉄粉の
他に、金属ハロゲン化物や微粉末のフィラー、使用状態
によっては水等を混合してなるものである。しかし鉄粉
が酸素を吸収する反応は鉄の腐敗にともなう酸素との結
合によるもので、酸素と鉄の反応速度は温度依存性があ
る。このことは、例えば株式会社東レリサーチセンター
から出版されている「機能性包装材料の新展開」の1.
4脱酸素包装、205ページ、図139に鉄系脱酸素剤
の温度による酸素吸収速度の変化に示してあるように、
温度の低下により吸収速度が低下し、冷凍食品等の保存
環境下の−20℃では、20℃では1日以内に酸素濃度
が0.01%以下になる脱酸素剤でも10日程度を有す
ることがわかる。従って、低温下で保存される食品へ従
来の脱酸素剤を適用した場合には十分に満足できる機能
が発揮できないものであった。しかし、冷凍食品におい
ても完全に食品の腐敗、変色を防ぐことはできず、完全
な保存を行う場合には無酸素状態での保存が好ましく、
このような状況において、脱酸素剤の冷凍食品への適用
の需要がある。現在商品化されている冷凍食品用脱酸素
剤は株式会社三菱瓦斯化学の商品名エージレスのSS剤
があるがその低温下での反応特性はカタログおよび株式
会社東レリサーチセンターから出版されている「機能性
包装材料の新展開」の1.4脱酸素包装、213ペー
ジ、図148に示してあるように−20〜25℃で無酸
素状態に達するのに要する日数は5日程度で、100c
cの酸素吸収能力を有する素材の充填重量は約4gであ
った。しかし、この低温用脱酸素剤は常温での反応に比
べ無酸素状態とするために要する時間が長く、無酸素状
態に達する日数の間の酸素存在時に腐敗が進行する課題
等があり、反応速度、素材の酸素吸収能力にともなう使
用重量の面ではまだ十分に満足すべきものとは言えない
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は冷凍食品等の
低温での保存環境下の酸素吸収速度が速く、素材重量当
たりの酸素吸収能力が高く、少ない使用重量で十分に機
能を達成するコンパクトな脱酸素剤を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鉄粉の腐食
の進行速度、および反応形態等に関して詳細な検討と種
々の実験を行い、最適な原料条件、最適な配合条件を見
出だし本発明を完成するに至ったものである。その旨と
するところは比表面積が500cm2 /g以上を有する
鉄粉と、鉄粉100重量部に対して金属ハロゲン化物を
0.2〜5重量部、水分含有率が15重量部以上、酸化
鉄粉、酸化第二銅、二酸化マンガンのうち1種類以上を
2重量部以上とし、その他を吸水性粉末材料からなるこ
とを特徴とする脱酸素剤で、金属ハロゲン化物を添加す
る場合に全配合の一部を直接鉄粉に配合し、残りを水溶
液にして吸水性素材に吸収させた後にその他の配合素材
と混合することを特徴とする脱酸素剤である。
【0007】
【作用】本発明において使用する鉄粉は特に反応性を改
善するために酸素との反応界面が大きいことが必要で鉄
粉の製造方法については特に限定されるものではないが
反応に関与する単位重量当たりの表面積(以下比表面積
と記す)を大きくする必要がある。従って鉄鉱石やスケ
ール等を還元して製造した還元鉄粉は表面に多くの凹凸
が存在し、粒径の割に比表面積が大きい特徴を有し、本
発明に利用する鉄粉としては好ましい特徴を有してい
る。さらに各種機械加工で発生した切削屑やスクラップ
等を破砕して製造した破砕粉や電解鉄粉等も平均粒径を
十分小さくすることにより比表面積を大きくすることが
でき、反応性を高めることができる。反応界面が十分に
大きければ本発明に使用する鉄粉の成分は明確には限定
されず鉄の含有率が80重量%以上、内メタルが75重
量%以上あれば特に問題なく使用できる。
【0008】さらに鉄の水酸化反応の触媒として作用す
る金属ハロゲン化物の種類はNaCl、KCl、NaB
r、KBr等のアルカリ金属ハロゲン化物、MgCl、
CaCl2 、CaBr2 、MgBr2 、BaBr2 、等
アルカリ土類金属のハロゲン化物、さらにAgCl2
ZnCl2 、AlCl3 、SnCl2 、MnCl2 、F
eCl2 、FeCl3 、CoCl2 、NiCl2 、Cu
Cl2 、ZnBr2 、SuBr2 、FeBr2 、CuB
2 等の各種金属のハロゲン化物が使用でき、鉄粉の水
酸化反応の促進ができる材料であれば特に限定されるも
のではない。また、金属ハロゲン化物の配合比率は適正
範囲が存在し、多くても少なくても最適状態の反応は得
られないものである。吸水性素材としては配合水分を吸
収し、鉄粉の水酸化反応に必要な水を供給できる素材で
有れば特に限定されないが一般には活性炭、ゼオライ
ト、バーミキュライト、特殊処理を施したクリストバー
ライト等の多孔質鉱物の使用が好ましい。特に配合素材
全体を混合した状態において鉄粉表面が液体で濡れて反
応を開始しないような問題を発生しない程度の混合状態
が得られるように適宜配合を決定すれば良く、より好ま
しくは吸水能力が高い素材を使用することにより配合量
を低減することができる。酸化鉄粉、酸化第二銅、二酸
化マンガン等の酸化物は特に製造方法等は限定されず、
一般工業用途に製造されたものでも、純度の高い試薬で
も使用できる。この酸化物配合の目的は反応初期での酸
素吸収を促進するためのもので、反応速度向上の観点か
らはより細粒のものを使用するが好ましい。
【0009】以下に物性および配合率の限定理由につい
て述べる。
【0010】使用する鉄粉の比表面積であるが、鉄系の
脱酸素剤は鉄と水と酸素とが反応する腐食反応時に酸素
を吸収することを利用するものであり、反応は鉄の界面
で酸素と接触していることが必要となる。従って、酸素
との接触の面積が大きい場合にはより一定時間により多
くの酸素を吸収することが可能となる。このために本発
明では反応温度が低くても多くの反応界面で酸素吸収反
応をおこなわせ、素材全体として目的の酸素吸収速度が
得られるようにしたものである。このような観点から種
々実験を重ねた結果、鉄粉の比表面積が500cm2
g以上であれば−20℃の低温下での酸素吸収反応時間
が4日以内であることがわかったので、好ましくはより
比表面積を大きくすることが良いが4000cm2 /g
程度の比表面積が実用可能な範囲の上限で、さらに比表
面積を大きくするには鉄粉の製造コストが大幅に上昇し
実用的で無いのみか、製造時に大気中の酸素および大気
湿分と反応して事前に鉄粉の表面で酸化反応が発生して
しまい使用時に酸素吸収能力が低下してしまう場合があ
る一方、場合によっては空気中の酸素と反応して燃焼す
ることもあり安全上限界がある。
【0011】金属ハロゲン化物は鉄粉表面で潮解して鉄
粉表面の鉄分子をイオン化させて水と酸素との反応を促
進するために配合するものである。本発明では金属ハロ
ゲン化物の適正配合率を決定するために金属ハロゲン化
物の配合と酸素吸収速度に関して種々の実験を行い決定
したもので、その適正範囲としては金属ハロゲン化物の
配合比率が鉄粉100重量部に対して0.2〜5重量部
であることを見い出して本発明の酸素吸収特性を達成し
たものである。金属ハロゲン化物の配合比率が鉄粉10
0重量部に対して0.1重量%以下では鉄粉の酸化反応
が著しく遅く、低温下での酸素吸収速度が低く、実際に
は脱酸素剤としての使用効果がないこと、さらに5重量
%以上では鉄粉の表面に金属ハロゲン化物が潮解して被
覆するために酸素との接触面積が少なくなり反応性を阻
害するために酸素吸収速度が低下すること、あるいは鉄
粉表面に付着した水滴内への溶解量が増し、水滴中の溶
存酸素濃度を低下するために鉄粉表面への酸素の供給能
力が低下し、反応速度が低下する。この結果から金属ハ
ロゲン化物の適正配合率は鉄粉100重量部に対して
0.2〜5重量%、より好ましくは0.3〜2重量%で
ある。また、金属ハロゲン化物の配合方法としては鉄粉
と直接付着処理した後に水分を含んだ吸水性素材と混合
して使用するか、金属ハロゲン化物が溶解した水溶液を
吸水性素材に吸収させた後に鉄粉と混合して使用するか
しても使用できるが本発明ではより反応を効率よく行わ
せるために金属ハロゲン化物の適正配合量を分割して一
部を粉末のままで鉄粉との付着処理を行い、配合の残り
を金属ハロゲン化物が溶解した水溶液の形で吸水性素材
に吸収させて使用するものである。
【0012】さらに酸化鉄粉、酸化第二銅、二酸化マン
ガン等の酸化金属を配合する理由については必ずしも明
確ではないが酸化物として完全に安定状態にない酸化金
属は酸化の進行により酸素吸収できる余地がある一方、
酸化されていない金属に比べ水との共存状態では電気化
学的には安定して存在できる電位レベルが高く、同じP
Hレベルでは金属に比べわずかの電位の変化(イオン化
の進行)により酸化反応が進行し、容易に酸化物となり
酸素の吸収を行うことができる。このためにより短い時
間のあいだに酸素の吸収反応が開始されるものと推察さ
れ、脱酸素剤の反応の初期段階での酸素吸収を促進する
効果がある。しかし酸化金属は既に酸化状態にあるため
にさらに酸素と反応して酸素吸収をおこなったとしても
金属に比べると一定重量当たりの吸収できる酸素の量は
少ない。このためにあまり多く配合すると吸収できる酸
素の量が低下することになる。従って酸化金属は鉄が一
定量の酸素を吸収し始めるまでの反応初期段階での酸素
吸収を行う能力を有しているのみで良く、その配合率は
鉄粉100重量部に対して2重量%が初期反応速度を向
上する下限の配合で、この配合率より少ないと初期の反
応速度が遅く、いつまでも高濃度の酸素が密閉容器内に
残存することになり、これ以上の配合率で配合の効果が
発揮されるものである。逆に配合率が15重量%より多
い場合にも素材全体の充填重量が多ければ酸素吸収能力
は確保できるが、脱酸素剤の充填素材の重量が増し、好
ましくない。また、一定重量を充填使用する場合には、
酸化金属の配合が増加した分だけ鉄粉の配合を低下する
必要があり、この結果、素材の酸素の吸収能力が低下す
る事になる。この様な理由により少ない電位の変化で酸
素との反応を開始する酸化金属を配合することにより反
応活性状態が低い低温下でも酸素の吸収速度が高くなり
冷凍食品用脱酸素剤としての機能を満足できるものと考
える。
【0013】水分配合率については、脱酸素反応が鉄
と、水と、酸素の存在下において反応する化学反応に基
づくもので、必要不可欠なものである。従って、密閉容
器内に酸素が無くなるか、水分がなくなるか、あるいは
反応すべき鉄が無くなった時点で反応が終了する。脱酸
素剤は酸素を無くするたに使用するものであり、水分は
十分配合することが好ましい。しかし、水分過多の配合
条件下では素材全体が水で濡れて著しく反応速度が低下
するために水分を保持し、反応に必要な分だけ放出する
吸水性素材を必要とする。少ない水分配合率では鉄粉が
完全に酸素吸収することができず、酸素を残存する可能
性があり、逆に配合が多すぎる場合には鉄粉の反応性を
確保するために吸水性素材の配合割合を増すことが必要
となり充填素材全体の体積が増し、商品の使用特性上好
ましくない。さらに実際には使用した鉄粉は完全に10
0%は反応せず、表面から反応が進行し、鉄粉内部は未
反応で残存することが予想され、理論配合水分では決定
できない。このために適正水分配合は鉄粉およびその他
の素材の総合的な反応特性から決定されるもので、この
ような観点から本発明では適正な配合比率を測定したも
のである。
【0014】その適正範囲は鉄粉100重量部に対して
15重量%以上の配合で、鉄粉が密閉容器内の酸素を完
全に吸収することができる配合とした。この配合比率よ
り少ない水分配合率では鉄粉が未反応で多く残存し、場
合によっては密閉容器内を無酸素状態とする事ができな
いことがある。また、30%程度と多い配合でも吸水性
素材の吸水能力を適正化すれば素材全体の重量増加が少
なく、高水分配合が達成できる。吸水性素材の吸水能力
は高い方が好ましいが素材コスト等の面からの使用素材
が限定され、使用素材全体の特性とマッチしたものの使
用が好ましい。
【0015】以上の理由により決定された本発明の脱酸
素剤の配合で、金属ハロゲン化物の処理を水溶液のみと
して配合した場合と、一部を鉄粉と直接処理して製造し
た脱酸素剤を株式会社三菱瓦斯化学社製の冷凍用脱酸素
剤であるエージレスSS−100と同様の充填重量の4
gを同じ包装材料に収納して−20℃で空気容量150
0cc(酸素容量315cc)の密閉容器に封入して酸
素濃度の変化を測定した。その結果を図1に示した。本
発明は従来剤に比べ酸素吸収速度、酸素吸収総量ともに
高く、約20〜30%も高い性能が得られ、さらに、金
属ハロゲン化物を分割処理した方がより高性能な脱酸素
剤が得られた。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明について詳細に説
明する。
【0017】実施例1 はじめに鉄粉の比表面積が反応速度に及ぼす影響につい
て述べる。使用した鉄粉は鉄鉱石を還元して製造した平
均粒径が75μm,比表面積が635cm2 /gの還元
鉄粉,鋳鉄の切削屑を破砕して製造した平均粒径が14
5μm,比表面積が301cm2 /gの鋳鉄粉,さらに
鋳鉄粉を微粉砕した平均粒径10.5μm,比表面積4
475cm2 /gの鋳鉄粉を使用した。ここで本発明の
範囲内の鉄粉は還元鉄粉と微細鋳鉄粉である。その他の
配合は本発明の範囲とし、鉄粉100重量部に対して平
均粒径2μmの四三酸化鉄粉5重量%,金属ハロゲン化
物として塩化ナトリウムを0.5重量%,水を24重量
%,その他ゼオライトと活性炭からなる吸水性素材70
重量%とし、金属ハロゲン化物はすべて水溶液として吸
水性素材に吸収させた後に混合した。素材の合計重量を
4g、3.5g、3gとして、ガーレー通気度が130
00秒で、表面が12μm厚さのポリエステル、この内
面に20μmの厚さのポリエチレン、さらに耐油紙、内
面の最後にポリエチレンからなる包装材料に充填した。
この製造した脱酸素剤を空気容量1500cc(酸素容
量315cc)のガスバリヤ性の塩化ビリデンをコーテ
イングしたフィルムに収納して−20℃での酸素濃度の
変化を経時調査した。比較剤として市販されている4g
の素材が収納されている株式会社三菱瓦斯化学社のエー
ジレスSS−100,常温用として本実施例と同じ構成
の包材、吸水性助剤を使用し、充填重量が4.5gで市
販されている株式会社ファインテックのFW−100を
使用した。密閉容器内の100ccの酸素を吸収するの
に要した日数と5日保存後の吸収酸素容量を表1に示し
た。
【0018】
【表1】
【0019】本発明の配合では、鉄粉に粗粒で比表面積
が小さい鋳鉄粉を使用した場合には比較剤の低温用脱酸
素剤のSS−100に比べ100ccの酸素を吸収する
のにようした日数および5日での吸収酸素量ともに低下
したが比表面積が大きい還元鉄粉,および細粒の純鉄粉
を使用した場合には4gの充填重量では従来剤に比べ1
00ccの酸素吸収にようした日数は大幅に短縮され、
反応速度、吸収酸素量共に高い値を示し、ほぼ従来剤と
同等の性能を有するためには充填重量は3gで良く、2
5%もの軽量化が達成できた。
【0020】実施例2 四三酸化鉄配合の効果を確認するために鉄粉に本発明の
範囲内である還元鉄粉、金属ハロゲン化物に塩化ナトリ
ウムを鉄粉100重量部に対して0.5重量部、吸水性
助剤を実施例1と同じ素材を70重量%配合して平均粒
径2μmの四三酸化鉄の配合を0.5、2、5、15、
20重量%と配合比率を変えて実施例1と同様な酸素吸
収特性の調査を行った。通気性包装材料は実施例1と同
様なものを使用し、素材を4g収納充填した。その結果
を表2に示した。
【0021】
【表2】
【0022】四三酸化鉄粉の配合比率が2%より少ない
場合には100ccの酸素を吸収するのに要した日数は
6.5日もかかり反応従来剤よりも性能は劣るものであ
った。四三酸化鉄粉を2%以上配合した場合には100
ccの酸素を吸収するのに要した日数は3日以内で従来
剤より短時間で酸素を吸収できた。しかし、15%以上
の配合では顕著な改善効果は無く逆に鉄粉の割合低下に
ともない、5日経過時の酸素吸収総量が少なくなり、能
力の低下を来した。四三酸化鉄の配合比率は2重量部以
上の配合で、要求される反応特性に合わせて適宜決定す
ることができる。
【0023】実施例3 金属ハロゲン化物の適正配合については、金属ハロゲン
化物種類に安価で、工業的に入手し易い塩化ナトリウム
と非常に潮解性が高い塩化カルシウムの2種類使用し、
配合比率を鉄粉100重量部に対して0.05、0、
1、0.2、0.5、1、5、10重量%配合した。そ
の他の配合は鉄粉には実施例2で使用した還元鉄粉を使
用し、四三酸化鉄粉を鉄粉100重量部に対して4重量
%、水分を24重量%、残りは実施例1で使用したのと
同様の吸水性助剤を70重量%とした。この配合条件で
製造した素材を実施例1と同様な通気性包装材料に4g
充填し、同様な酸素吸収特性調査方法で性能の測定を行
ったところ、表3に示すように金属ハロゲン化物配合率
が0.1重量部以下では著しく酸素吸収能が低下し、5
重量部以上の配合でも酸素吸収能が低下した。金属ハロ
ゲン化物種類としては塩化ナトリルムより塩化カルシウ
ムの方が少ない配合率でもわずかに良好な酸素吸収特性
が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】実施例4 水分配合率の影響をみるために鉄粉に還元鉄粉を使用
し、金属ハロゲン化物に塩化ナトリウムを鉄粉100重
量部に対して0.5重量%、四三化鉄粉を4重量%,水
分配合率を13、18、24、30、35重量%配合し
て、吸収性助剤との比率を一定とし素材の濡れ状態をほ
ぼ同一状態とし、素材が十分に反応するように配合し
た。水分が増加に対応して、脱酸素剤1個当たりの鉄粉
の充填量が一定となるように、24%水分で充填重量を
4g、13%水分では3.6g、18%水分では3.8
g、30%水分では4.3g、35%水分では4.5g
の充填重量として実施例1と同様の通気性包装材料に充
填し、同様な方法で酸素吸収特性の測定した。
【0026】その結果、表4に示したように13重量%
の水分配合では従来剤よりも低い酸素吸収特性であった
が18重量%以上の水分では従来剤より20〜30%の
性能の改善が図られた。
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明による脱酸素剤は−20℃での低
温下での酸素吸収速度が大幅に改善されたものであり、
従来の市販剤が酸素吸収するのに要する時間が4日程度
であったものが1.5〜2日に短縮でき、素材の充填重
量を同一にした場合には同一経過日数での吸収酸素量を
最大50%も多くすることができ、同一性能を達成する
場合には充填重量を約25%程度低減するすることがで
きた。この結果、低温下で保存される冷凍食品へ使用し
た場合にも食品の部分酸化や変色、退色の発生割合が少
なく良好な保存環境が得られ、有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来剤の−20℃での酸素吸収特性を
示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が500cm2 /g以上を有す
    る鉄粉と、鉄粉100重量部に対して金属ハロゲン化物
    を0.2〜5重量部、水分含有率を15重量部以上、酸
    化鉄粉、酸化第二銅、二酸化マンガンのうち1種類以上
    を2重量部とし、その他を吸水性粉末材料からなること
    を特徴とする脱酸素剤。
  2. 【請求項2】 金属ハロゲン化物を添加する場合に全配
    合の一部分を直接鉄粉表面に付着処理し、残りを水溶液
    にして吸水性素材に吸収させた後にその他の配合素材と
    混合することを特徴とする請求項1記載の脱酸素剤。
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