JPH06102149B2 - 酸化性組成物 - Google Patents

酸化性組成物

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JPH06102149B2
JPH06102149B2 JP20476486A JP20476486A JPH06102149B2 JP H06102149 B2 JPH06102149 B2 JP H06102149B2 JP 20476486 A JP20476486 A JP 20476486A JP 20476486 A JP20476486 A JP 20476486A JP H06102149 B2 JPH06102149 B2 JP H06102149B2
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直 石川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,脱酸素特性および/または発熱特性に優れた
酸素と急速に反応し発熱する酸化性組成物に関する。更
に詳しくは,食品,毛皮類,衣料品等の変色,変質,腐
敗,虫害等の防止,および精密機械・部品等の防錆に用
いられる脱酸素剤,または,環境温度の低い状態,即ち
冬期や寒冷地等において人体温度の低下を補うため,又
は,火気を用いずに熱源を必要とする場所・物に対して
熱源を提供するために用いられる発熱体等に供する酸素
と急激に反応し発熱する酸化性組成物に関するものであ
る。
〔従来の技術およびその問題点〕
酸素と反応し発熱する酸化性組成物としては,鉄や亜鉛
等の金属や有機物の酸化反応を利用する組成物があり,
脱酸素剤や発熱体等として使用に供されている。
即ち,例えば,食品の保存期間を延長させるため,従来
より一般に密閉容器内に窒素ガスを封入したり,真空パ
ックする方法が行なわれているが,設備および作業性等
の問題から,最近は密閉容器内に食品を入れ,更に酸素
を吸収する化学薬品を通気性の容器に入れたものを,上
記密閉容器に封入し,密閉容器内の空気中の酸素を無く
するという方法が行なわれるようになった。この方法に
使用される化学薬品,すなわち脱酸素剤としては,例え
ばハイドロサルファイト,活性酸化鉄還元鉄,炭化鉄を
主剤としたもの,有機物とアルカリ性化合物を組合せた
もの等の中から適宜選択される。
ハイドロサルファイトを主剤とするものでは,例えばハ
イドロサルファイトに水酸化カルシウム,活性炭を加
え,更に水を点火して通気性の容器に入れたものが提案
されている(特許第686561号)。しかし,この脱酸素剤
は,酸素を亜硫酸ガス(以下SO2と称する)に変え,更
にそのSO2を水酸化カルシウムに吸着させる工程を経る
ため,本脱酸素剤を密閉容器内に食品と共に入れた場
合,密閉容器内でSO2が発生し,この発生したSO2が,水
酸化カルシウムに完全に吸着されず,食品に移行し,特
に含有水分の多い食品には残留SO2の形で残り,食品の
安全性,味覚に大きな影響を与える。
また,有機物とアルカリ性化合物を組合せたものでは,
例えば有機物としてはカテコール,ピロガロール等低分
子フェノール類(特開昭57−190649),L−アスコルビン
酸およびその塩(特開昭59−29033),ブドウ糖等の還
元性を有する糖類(特開昭53−15268)などが,また,
アルカリ性化合物としては,各種アルカリ金属あるいは
アルカリ土類金属の水酸化物もしくはそれらの弱酸塩な
どが用いられている。しかし,これらの有機物は,低分
子フェノール類の場合,人体に対する毒性が問題とな
り,L−アスコルビン酸等の場合価格的に非常に高価であ
り,また,反応性が悪く,さらにまた,ブドウ糖はアル
カリ性の強い水酸化物を用いる必要があり,食品に直接
触れないにしても,容器からこぼれ,また,間違って食
する危険性を含み,食品用脱酸素剤としては不適であ
り,更にはその反応性の劣ることから精密機械・部品等
の保存・輸送には使用に供し難い。
また,活性酸化鉄,還元鉄,炭化鉄等,鉄分を含むもの
を主剤としたものは,鉄の酸化反応による脱酸素効果を
利用したものであり,この主剤と水と保水剤,更には酸
化反応を促進する塩等の物質とからなる。具体的には,
鉄粉と食塩水を含有した珪藻土とカーボンブラックまた
はグラファイト等の炭素物質とからなる脱酸素剤(特開
昭55−79038号),または,主剤として黒鉛含有量の多
い炭素−鉄合金を用いた脱酸素剤(特開昭55−34147
号),あるいは主剤として炭素含有量が1.8〜3.8ωt%
の鉄粉を,保水剤として,わた,紙,珪藻土等を用いた
脱酸素剤(特開昭54−2286号)等がある。
しかしながら,粉末または粒子状のカーボンブラック,
グラファイトおよび食塩水を含有した珪藻土等を混入し
た場合,確かに酸素除去速度は速めることができるが,
実際に反応を行なうとその持続性が悪い。すなわち,粉
末または粒子状のカーボンブラック,グラファイトおよ
び珪藻土に含まれた水分が,初期の急激な反応により蒸
発し,本来の保水性の役割が充分に発揮できない。この
ことから,この反応の持続性を良くするには,初期の反
応性をおさえる必要があるが,このことは初期の目的に
反する。すなわち,初期の反応が速く,かつ持続性があ
り,また,さらに鉄分が完全に有効に利用される脱酸素
剤を作製することができない。
また,主剤として黒鉛含有量の多い鉄粉を利用し,保水
剤に珪藻土等を利用した例があるが,いずれも鋳鉄中の
炭素含量が少なく,また,保水剤に珪藻土等を用いる場
合では,その保水性が不充分で,初期の反応が速く,か
つ持続性のある脱酸素剤を得るには至らない。
この様に,従来より用いられている脱酸素剤は,必ずし
も脱酸素特性に優れたものであるとは言えず,初期反応
が速く,かつ持続性のある脱酸素剤の開発が俟たれてい
た。
一方,従来より,化学的酸化発熱現象を利用した発熱性
組成物が使用に供されており,例えば,アルカリ金属
の硫化物もしくは多硫化物または,これらの含水塩と炭
素質物質または炭化鉄からなり,酸素ないしは空気と接
触すると発熱する組成物(特公昭54−37066号,特公昭5
4−37067号),水と反応もしくは溶解して急激に発熱
する酸化カルシウムのような無機質酸化物と水に接触し
て発熱する塩化カルシウム,炭酸カルシウムのような発
熱開始剤からなり,水を加えることにより,発熱する組
成物,鉄,亜鉛,アルミニウム,錫またはそれらの合
金等の金属粉末と,酸化触媒として硫酸鉄,塩化鉄,塩
化ナトリウム,塩化マグネシウム等の無機金属塩類と,
保水剤として活性炭,ゼオライト,珪藻土,タルク,活
性白土,焼成バーミキュライト等と水とからなり,酸素
との接触により発熱する組成物(特公昭45−5665号,特
公昭57−26704号,特開昭60−97583号)などがある。
しかしながらは,外部からの注水の必要もなく,空気
(酸素)と接触させるだけで発熱するが,アルカリ金属
硫化物は,水により加水分解し強アルカリ性を示し,ま
た,酸との接触により硫化水素を生ずるなど人体に対す
る影響等が心配され,その取り扱いについては,かなり
の注意を要するという欠点がある。
また,は使用時まで,水と酸化カルシウムまたは塩化
カルシウム,炭酸カルシウムとの接触をさけなければな
らず,使用時に水を加えなければならないという不便さ
があり,製品の使用形態,用途等が大きく制限されると
いう欠点を有する。
また,は,代表的には近年脚光を浴びている使い捨て
カイロがあり,発熱温度を60〜70℃にコントロールした
ものとして実用に供されている。この従来のものは,鉄
または,鋳鉄粉に200メッシュ程度のものを使用し,保
水剤に活性炭等を使用しているが,これは,鉄または鋳
鉄粉の粒径と保水剤の保水性をうまくバランスさせ,反
応性をコントロールして作製したものである。しかし,
この発熱性組成物においては,初期反応が速く,かつ持
続性があり,また成分が完全かつ有効に使える高性能の
ものを得ることができない。すなわち,初期反応を速く
するためには,鉄または鋳鉄粉の粒径を小さくしなけれ
ばならないが,このものに活性炭等これまで示された保
水剤を用いると,その保水性が悪く,持続性がないもの
となり,また持続性を上げるためには,発熱による水の
放散を防ぐため,鉄または鋳鉄粉の粒径をある程度大き
くして,初期の反応性を押えておかなければならない。
このことは,成分を完全かつ有効に使用するにも問題が
生ずる。
この様に,従来の酸化発熱現象を利用した発熱性組成物
においては,上述の如き問題を有しており,無害で使用
し易いことは言うまでもなく,初期反応が速くかつ持続
性のある発熱体の開発が俟たれていた。
そこで,本発明者等は,これら従来の問題点を解決すべ
く鋭意研究し,各種の系統的実験を行なった結果,本発
明を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は,脱酸素特性および/または発熱特性に
優れ,しかも初期反応が速くかつ持続性のある酸化性組
成物を提供するにある。
〔発明の構成〕
本発明の酸化性組成物は,炭素含有量が2.5〜30重量%
の鋳鉄粉と,該鋳鉄粉100重量部に対して30〜200重量部
の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物と1〜50重量部の塩
類および5〜200重量部の水とからなることを特徴とす
るものである。
以下に,本発明の構成をより詳細に説明する。
本発明における鋳鉄粉は,鋳鉄を粉砕して得られる炭素
含有量が2.5〜30重量%の鋳鉄粉末である。この粉末
は,その粒径が100メッシュ以下であることが好まし
い。これは,100メッシュ以下である場合,鋳鉄粉末の表
面積が大きくなり反応が容易に生じるためである。更
に,該粒径が300メッシュ以下の微細粉末である場合に
は,より好ましい。ここで,鋳鉄粉の炭素含有量を2.5
〜30重量%としたのは,該含有量が2.5重量%未満の場
合,炭素−鉄の局部電池形成が充分でなく反応性が悪い
ためで,また30重量%を越えると反応に寄与する鉄の量
が減少するからである。尚,該含有量が4.0〜21重量%
である場合には,局部電池の形成量と反応に寄与する鉄
量のバランスが良いのでより好ましい。
また,含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物(以下,粘土鉱
物という)は,含水珪酸マグネシウムを主成分とし,そ
の表面に反応性に富む水酸基を有する粘土鉱物である。
また,この粘土鉱物は,直径が0.005〜0.6μm程度の繊
維からなり,該繊維に平行に約10×6Å程度の長方形の
断面を持つ細孔(チャンネル)が存在するもので,それ
自体が気中の湿気を吸収したり放出したりする性質をも
有する。尚,該粘土鉱物は,マグネシウムの一部がアル
ミニウム,鉄,ナトリウム,ニッケル等に置換されてい
る場合もある。
具体的には,含水マグネシウムシリケートを主成分とす
るセピオライト(Sepiolite),シロタイル(Xylotil
e),ラフリナイト(Loughlinite),フアルコンドアイ
ト(Falcondoite),含水マグネシウムアルミニウムシ
リケートを主成分とするパリゴルスカイト(Palygorski
te)等があり,これらの1種または2種以上の混合物を
用いる。また通称で,マウンテルコルク(Mountain cor
k),マウンテンウッド(Mountain wood),マウンテン
レザー(Mountain leather),海泡石(Meers−chau
m),アタパルジャイト(Attapulgite)等と呼ばれる鉱
物は,これに当る。該粘土鉱物は,粉末状,粒状或いは
板状の何れの形で用いてもよいが,該粘土鉱物の有する
孔が残留する程度に,また,水分を含み易く,水による
層を薄くして酸素の拡散を容易にする程度に粉砕したも
のがよく,20メッシュ以下,好ましくは100メッシュ以下
の粒径のものが良い。
また,塩類は,主剤の酸化反応を促進させるもので,酸
と塩基との反応により生じ,水に溶解して,水の電気伝
導度を大きくする化合物であり,金属塩酸塩,金属硝酸
塩,金属硫酸塩および金属有機酸塩などがある。この塩
類は,組成物全体が中性または弱アルカリ性になるよう
に選択する。具体的には,塩化ナトリウム,塩化カリウ
ム,塩化マグネシウム,塩化カルシウム,硫酸ナトリウ
ム,硫酸カリウム,硝酸ナトリウム,硝酸カリウム,酢
酸ナトリウムなどがある。
本発明の脱酸素組成物は,上述の鋳鉄粉と粘土鉱物と塩
類および水とからなるもので,その含有割合は,鋳鉄粉
100重量部に対して粘土鉱物が30〜200重量部,塩類が1
〜50重量部,水が5〜200重量部である。
ここで,粘土鉱物の含有割合を,鋳鉄粉100重量部に対
して30〜200重量部としたのは,該割合が30重量部未満
の場合は,鋳鉄粉が水に浸された状態となり,酸素の供
給が困難となり,200重量部を越えた場合は,水分が粘土
鉱物にに吸収され鉄表面への水の供給が困難になるため
である。なお,該割合が70〜150重量部である場合には
水分,酸素の供給のバランスが良いので好ましい。
また,塩類の含有割合を,鋳鉄粉100重量部に対して1
〜50重量部としたのは,該割合が1重量部未満の場合は
反応を活性化するに充分な量でないためで,50重量部を
越えた場合,水分が塩類に吸収され鉄表面に供給される
のが困難となるためである。なお,該割合が5〜30重量
部である場合には反応を活性化させるにバランスのとれ
た状態なので好ましい。
また,水の含有割合を,鋳鉄粉100重量部に対して5〜2
00重量部としたのは,該割合が5重量部未満の場合は,
反応に用いられる水分が少なく,また保水剤に吸収され
て鉄表面に供給されにくくなるためで,200重量部を越え
た場合には混合物が水に浸された状態となるためであ
る。なお,該割合が50〜100重量部である場合には,酸
素と水分の供給状態が良いので好ましい。
また,本発明の酸化性組成物は,所望により本発明の効
果を損なわない範囲で,種々の添加剤を用いることがで
きる。例えば,この添加剤としては,組成物中の水によ
る層を薄くして酸素の拡散を容易にする目的で,珪藻
土,ゼオライト,タルク,活性炭,グラファイト,カー
ボンブラック,酸性白土,活性白土,モレキュラシー
ブ,ベントナイト,焼成バーミキュライトなどがある。
また,主剤の酸化反応を促進する目的で,銅,錫,ニッ
ケル,塩化銅,塩化鉄,酸化カルシウム,硫酸銅,硫酸
鉄,酸化銅,酸化マグネシウム等の金属粉,金属塩,金
属酸化物などの酸化促進剤がある。
ここで,本発明の酸化性組成物の代表的な製造方法を簡
単に説明すると,以下の様である。
先ず,組成物の原料としての鋳鉄粉,粘土鉱物,塩類お
よび水を用意する。次に,用意した原料を,所定量ミ
ル,ミキサー等の混合機を用いて混合し,本発明にかか
る酸化性組成物を得る。この際,該混合は,どの様な順
序で混合してもよく,例えば一度に混合しても,また
は,鋳鉄粉末と粘土鉱物を先ず混合し,その中に塩類の
水溶液を加え混合してもよく,更に,最初に鋳鉄粉末と
粘土鉱物と塩類とを混合し,更に水を加えて混合しても
よい。
〔発明の作用および効果〕
本発明の酸化性組成物は,脱酸素特性および/または発
熱特性に優れ,しかも初期反応が速くかつ持続性のある
組成物である。
また,反応により水素等の発生がなく,また,その他毒
性の問題となる物質を用いないので,安全性の高い酸化
性組成物である。
この様に,本発明の酸化性組成物がかかる効果を発揮す
るメカニズムについては,未だ必ずしも明らかではない
が,次の様に考えられる。
即ち,鉄系金属を主剤とする酸化性組成物の低温湿式酸
化,いわゆる鉄の錆は,中性またはアルカリ性域では,
酸素と水の存在下で下記の反応に従って生じる。
本発明の酸化性組成物は,炭素含有量が多い鋳鉄を用
いているので,該鋳鉄内部に局部電池が形成され,微
細な鋳鉄粉末を用いているので,該鋳鉄粉末の大きな表
面積が有効に利用され,粘土鉱物により酸素や水分の
供給(拡散)を容易にし,塩類により水の電気伝導度
を大きくするので,上記の反応が促進され,脱酸素特性
および/または発熱特性に優れ,しかも初期反応の速い
ものとしていると思われる。しかも,この組成物は,保
水性に優れた粘土鉱物を用いているので,水分が反応に
有効に使われ,上述の効果を持続しているものと思われ
る。
また,これより従来の組成物に比して,より小型で軽量
のものとすることができ,更には少量での高温保持をも
可能とした。
更に,組成物全体が中性またはアルカリ性に保たれてい
るので,反応により水素や硫化物等の発生がなく,使用
上問題となる物質を用いないので,安全性の高い組成物
である。
〔実施例〕
以下に,本発明の実施例を説明する。
実施例 1 鋳鉄粉とセピオライトと食塩と水とを用い酸化性組成物
を製造した後,該組成物の性能評価試験を行なった。
先ず,300メッシュ以下で炭素含有量が14.4重量%の鋳鉄
粉10gと,保水剤として100メッシュ以下のセピオライト
粉末を第1表に示す量,および塩類として食塩2gと水と
を混合し,酸化性組成物を得た(試料番号1〜7)。
次に,得られた組成物の性能評価試験を,脱酸素試験に
より行なった。この試験は,先ず得られた組成物をすぐ
に50mlの密閉ガラスビンに入れ,振とう撹拌混合した。
次に,この混合物101を,ガラス製シャーレ(内径95mm
φ,高さ10mm)102に入れ,更に第1図に示す実験装置
のポリエステル製試験袋(容積10)103に入れた。次
いで,この試験袋103内に酸素濃度センサ104を入れ,10
の空気中の酸素濃度の減少の様子を観察した。尚,酸
素濃度センサ104で検出された酸素濃度検出値は,試験
袋103の外に設けられた変換器105を通して記録計106で
記録される。また,試験袋103には,外部のエアーポン
プ108からホース109を通じて空気が送入されるようにな
っており,更に,自在シール107が設けられている。こ
れより得られた結果を第1表に,更に試験番号4および
5の結果については第2図に示す。図中,「4」および
「5」は,試験番号4および5の結果をそれぞれ示す
(以下同じ)。
比較のために,セピオライトを混合しないもの(試料番
号C1),およびセピオライトの代わりに保水剤として60
メッシュ以下の珪藻土(試料番号C2),またはヤシガラ
活性炭(試料番号C3)をそれぞれ10g用いたほかは上述
の組成物と同様のものとし比較用組成物を得(試料番号
C1〜C3),同様に性能評価試験を行なった。その結果
を,第1表および第2図に併わせて示す。
第1表および第2図より明らかの如く,本発明にかかる
本実施例の酸化性組成物は,比較用組成物に比較して脱
酸素特性に優れていることが分る。
実施例 2 300メッシュ以下の鋳鉄粉10gを用い,保水剤として100
メッシュ以下のセピオライト10g,塩類として食塩2gを用
い,水分量を変化させて,1時間および5時間反応後の酸
素濃度を比較し,水分量の影響を検討した。実験は,実
施例1に従い,上述4者を混合し,第1図に示した実験
装置により行なった。その結果を第3図に示す。図中
「1」は1時間反応後の,「II」は5時間反応後の結果
をそれぞれ示す。
第3図より明らかの如く,水分量が少ない場合には,反
応に用いられる水分が少なく,充分に反応が生じず,ま
た多い場合には,混合物が水で浸漬した状態となり,酸
素の拡散が充分に行なわれなくなり,反応が生じにくく
なっていることがわかる。
実施例 3 300メッシュ以下の鋳鉄粉と,保水剤として100メッシュ
以下のセピオライト粉末10g,塩類として食塩2gおよび水
6gとを混合して酸化性組成物を得(試料番号8〜14),
実施例1と同様の性能評価試験を行なった。尚,鋳鉄粉
の炭素含有量および混合量は,第2表に示す。得られた
結果を,第2表に,更に試験番号10および12のものにつ
いては第4図に示す。
比較のために,炭素含有量の小さい鋳鉄粉を用いた(試
料番号C4),および鋳鉄粉の代わりに300メッシュ以下
の鉄粉(試料番号C5)または還元鉄粉(試料番号C6)を
用いたほかは,上述と同様の組成の比較用組成物を得
(試料番号C4〜C6),同様に性能評価試験を行なった。
その結果を,第2表および第4図に併わせて示す。
以上より明らかの如く,本実施例の酸化性組成物は,比
較用組成物に比して脱酸素性に優れていることが分る。
実施例 4 実施例1の試料番号5と同組成の酸化性組成物(試料番
号15)と,鋳鉄粉(炭素含有量14.4重量%)10gとセピ
オライト8gと活性炭2gと食塩2gと水6gとを実施例1と同
様の方法で得た組成物(試料番号16)とを,それぞれ容
積50mlの試料ビン(外径35mmφ,高さ80mm,口径20mm)
に入れて振とうし,組成物最表面から約5mmの深さにお
いた熱電対により,組成物表面の温度変化を測定した。
得られた結果を,第5図に示す。
比較のために,実施例1の試料番号と同組成の比較用組
成物(試料番号C7)を作成し,同様の温度測定を行なっ
た。得られた結果を,第5図に併わせて示す。
第5図より明らかの如く,本実施例の酸化性組成物は,
比較用組成物に比して,発熱特性に優れていることが分
る。
【図面の簡単な説明】
図は,本発明の実施例を示し,第1図は実施例1〜3の
脱酸素試験に用いた実験装置を示す概略図,第2図は実
施例1の脱酸素試験結果を示す線図,第3図は実施例2
の脱酸素試験結果を示す線図,第4図は実施例3の脱酸
素試験結果を示す線図,第5図は実施例4の発熱試験結
果を示す線図である。 101……酸化性組成物、102……シャーレ 103……試験袋、104……酸素濃度センサ 105……変換器、106……記録計 107……自在シール、108……エアーポンプ
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆敏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 石川 直 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 高丘工 業株式会社内 (72)発明者 高橋 洋 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 高丘工 業株式会社内 (72)発明者 熊沢 研一 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 高丘工 業株式会社内 (72)発明者 杉本 宣譽 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 高丘工 業株式会社内 審査官 雨宮 弘治 (56)参考文献 特開 昭54−37088(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素含有量が2.5ないし30重量%の鋳鉄粉
    と、該鋳鉄粉100重量部に対して30ないし200重量部の含
    水珪酸マグネシウム質粘土鉱物と1ないし50重量部の塩
    類および5ないし200重量部の水とからなることを特徴
    とする酸化性組成物。
  2. 【請求項2】含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物の含有量
    が、鋳鉄粉100重量部に対して70ないし150重量部である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の酸化
    性組成物。
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