JPH0523678A - 廃水の処理方法 - Google Patents
廃水の処理方法Info
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- JPH0523678A JPH0523678A JP3180004A JP18000491A JPH0523678A JP H0523678 A JPH0523678 A JP H0523678A JP 3180004 A JP3180004 A JP 3180004A JP 18000491 A JP18000491 A JP 18000491A JP H0523678 A JPH0523678 A JP H0523678A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 廃水中にリンが存在しても廃水処理のための
固体触媒の耐久性が低下しないようにする。 【構成】 廃水を固体触媒の存在下、かつ、液相を保持
する状態で分子状酸素に接触させることにより酸化処理
する前に、廃水に含まれているリンを予め除去してお
く。
固体触媒の耐久性が低下しないようにする。 【構成】 廃水を固体触媒の存在下、かつ、液相を保持
する状態で分子状酸素に接触させることにより酸化処理
する前に、廃水に含まれているリンを予め除去してお
く。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、廃水を触媒の存在下
に湿式酸化処理することにより、廃水中に含まれている
物質を酸化分解して窒素、炭酸ガス、水および灰分等に
転換するとともに、リンを吸着除去して廃水の無害化を
行う方法に関し、特に、リンを含む廃水の処理に好適な
処理方法に関する。
に湿式酸化処理することにより、廃水中に含まれている
物質を酸化分解して窒素、炭酸ガス、水および灰分等に
転換するとともに、リンを吸着除去して廃水の無害化を
行う方法に関し、特に、リンを含む廃水の処理に好適な
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の廃水の処理方法では、廃水中の化
学的に酸化分解可能な物質(その量が化学的酸素要求量
(COD)で表されるので、以下「COD成分」と言う
ことがある)を環境に対して無害な程度に分解して放出
していた。このような処理では、COD成分がどのよう
な元素を含んでいるかはあまり考慮されず、単に酸化処
理するだけである。
学的に酸化分解可能な物質(その量が化学的酸素要求量
(COD)で表されるので、以下「COD成分」と言う
ことがある)を環境に対して無害な程度に分解して放出
していた。このような処理では、COD成分がどのよう
な元素を含んでいるかはあまり考慮されず、単に酸化処
理するだけである。
【0003】COD成分の処理方法としては、すでに広
く実用化されている活性汚泥法および凝集沈殿法をはじ
めとして、高次処理法としての逆浸透法、活性炭法、化
学的酸化法等がある。しかしながら、これらの処理方法
は種々の欠点を有している。たとえば、活性汚泥法は廃
水の処理に長時間を要し、しかも廃水を生物分解に適し
た濃度に希釈する必要があるため、処理施設の設置面積
が広大とならざるを得ない。逆浸透法においては、海水
および工業用水の脱塩、上水の高度精製等の分野で実用
化されつつあるが、水中のCOD成分を単に膜で分離す
るものであり、廃水への適用については膜の寿命、生成
される濃縮液の処理方法等の技術的に未解決の部分が多
い。活性炭法は、ベンゼン、トルエン等の比較的低分子
量の有機COD成分に対しては有効であるが、高分子量
の有機COD成分に対しては効率が悪く、また、活性炭
に吸着されにくい無機COD成分を含有する廃水に対し
ては実用上適用しにくい。化学的酸化法としては、燃焼
法と液相酸化法が挙げられるが、燃焼法では発熱量の小
さい廃液では燃料を加える必要があるため、経済的理由
から適用できる廃水に限りがあると同時に、燃焼排ガス
中に多量の窒素酸化物等の有害物質が含有されて排ガス
の処理も必要となる等、不利な点が多い。液相酸化法と
しては、廃水を高温高圧下に酸化分解するチンマーマン
法と呼ばれる無触媒液相酸化法が知られているが、反応
率が低いので、放流に先立ち、COD成分の低減工程を
必要とする。
く実用化されている活性汚泥法および凝集沈殿法をはじ
めとして、高次処理法としての逆浸透法、活性炭法、化
学的酸化法等がある。しかしながら、これらの処理方法
は種々の欠点を有している。たとえば、活性汚泥法は廃
水の処理に長時間を要し、しかも廃水を生物分解に適し
た濃度に希釈する必要があるため、処理施設の設置面積
が広大とならざるを得ない。逆浸透法においては、海水
および工業用水の脱塩、上水の高度精製等の分野で実用
化されつつあるが、水中のCOD成分を単に膜で分離す
るものであり、廃水への適用については膜の寿命、生成
される濃縮液の処理方法等の技術的に未解決の部分が多
い。活性炭法は、ベンゼン、トルエン等の比較的低分子
量の有機COD成分に対しては有効であるが、高分子量
の有機COD成分に対しては効率が悪く、また、活性炭
に吸着されにくい無機COD成分を含有する廃水に対し
ては実用上適用しにくい。化学的酸化法としては、燃焼
法と液相酸化法が挙げられるが、燃焼法では発熱量の小
さい廃液では燃料を加える必要があるため、経済的理由
から適用できる廃水に限りがあると同時に、燃焼排ガス
中に多量の窒素酸化物等の有害物質が含有されて排ガス
の処理も必要となる等、不利な点が多い。液相酸化法と
しては、廃水を高温高圧下に酸化分解するチンマーマン
法と呼ばれる無触媒液相酸化法が知られているが、反応
率が低いので、放流に先立ち、COD成分の低減工程を
必要とする。
【0004】発明者らの一部は、以上のごとき既存の廃
水処理技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒
の存在下かつ特定の条件下において、操作容易にして実
用上の経済性も兼ね備えた廃水の処理方法を見いだし、
該知見に基づく発明についてすでに特許出願済みである
(特開昭63−158189号公報、特開昭64−47
451号公報、特開平1−218634号公報、これら
の出願に開示された方法を一括して、以下では「先願発
明方法」と言う)。
水処理技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の触媒
の存在下かつ特定の条件下において、操作容易にして実
用上の経済性も兼ね備えた廃水の処理方法を見いだし、
該知見に基づく発明についてすでに特許出願済みである
(特開昭63−158189号公報、特開昭64−47
451号公報、特開平1−218634号公報、これら
の出願に開示された方法を一括して、以下では「先願発
明方法」と言う)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、水質規制の観点
からは、COD成分を単に酸化するだけではなく、CO
D成分中に含まれている元素、特に環境へ悪影響を与え
る元素の存在状態にも注意が払われ、アンモニア性窒
素、リン化合物の除去も必要であると考えられるように
なってきた。アンモニア性窒素、リン化合物は、水質の
富栄養化現象の主要誘因物質であり、環境への放出水に
含まれるアンモニア性窒素およびリン化合物は、河川や
湖沼における藻類の異常繁殖、海洋における赤潮の発生
等の原因となり、特に閉鎖系水域などではこれらの富栄
養化現象が大きな社会問題となっている。
からは、COD成分を単に酸化するだけではなく、CO
D成分中に含まれている元素、特に環境へ悪影響を与え
る元素の存在状態にも注意が払われ、アンモニア性窒
素、リン化合物の除去も必要であると考えられるように
なってきた。アンモニア性窒素、リン化合物は、水質の
富栄養化現象の主要誘因物質であり、環境への放出水に
含まれるアンモニア性窒素およびリン化合物は、河川や
湖沼における藻類の異常繁殖、海洋における赤潮の発生
等の原因となり、特に閉鎖系水域などではこれらの富栄
養化現象が大きな社会問題となっている。
【0006】廃水中の上記物質を単に除去するだけでは
なく、回収を図るようにすれば、環境への悪影響を防ぐ
とともに、資源の再利用にも寄与するところが大きい。
他方、発明者らの研究によれば、廃水の種類によっては
固体触媒を用いた湿式酸化処理方法にも若干の問題点が
存在することが判明した。すなわち、廃水中にリンが存
在した場合には、リンが固体触媒の表面に吸着され、固
体触媒の耐久性が低下し、触媒の交換頻度が高くなって
経済的に不利になるのである。
なく、回収を図るようにすれば、環境への悪影響を防ぐ
とともに、資源の再利用にも寄与するところが大きい。
他方、発明者らの研究によれば、廃水の種類によっては
固体触媒を用いた湿式酸化処理方法にも若干の問題点が
存在することが判明した。すなわち、廃水中にリンが存
在した場合には、リンが固体触媒の表面に吸着され、固
体触媒の耐久性が低下し、触媒の交換頻度が高くなって
経済的に不利になるのである。
【0007】そこで、この発明は、廃水中にリンが存在
していても、湿式酸化処理のための固体触媒の耐久性が
低下しないようにすることができ、これによりリンが除
去される廃水の処理方法を提供することを課題とする。
していても、湿式酸化処理のための固体触媒の耐久性が
低下しないようにすることができ、これによりリンが除
去される廃水の処理方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上述の新た
に得られた知見を基に研究を進めた結果、固体触媒の存
在下に廃水を湿式酸化処理する前に廃水からリンを除去
するようにすれば、リンの除去と触媒の劣化防止とを両
立させることができることを見いだし、この発明を完成
した。
に得られた知見を基に研究を進めた結果、固体触媒の存
在下に廃水を湿式酸化処理する前に廃水からリンを除去
するようにすれば、リンの除去と触媒の劣化防止とを両
立させることができることを見いだし、この発明を完成
した。
【0009】したがって、上記課題を解決するために、
この発明は、廃水を固体触媒の存在下、かつ、液相を保
持する状態で分子状酸素に接触させることにより酸化処
理する廃水の処理方法において、前記廃水に含まれてい
るリンを予め除去しておくことを特徴とする廃水の処理
方法を提供する。廃水からのリンの除去は、たとえば、
不溶化して固液分離する方法、吸着材に吸着させる方法
など種々の方法により行うことができるが、吸着材に吸
着させる方法が好ましい。不溶化して固液分離する方法
では、不溶化のための薬剤を廃水に添加する必要がある
上、固液分離に時間がかかる。吸着材に吸着させる方法
だと、薬剤の添加が不要であり、また、吸着したリンを
離脱させれば吸着材が再生し、リンの回収を図ることが
できる。なお、ここではリンは、単体の状態のみを言う
のではなく、化合物(イオンも含む)などの状態も含む
ものとする。
この発明は、廃水を固体触媒の存在下、かつ、液相を保
持する状態で分子状酸素に接触させることにより酸化処
理する廃水の処理方法において、前記廃水に含まれてい
るリンを予め除去しておくことを特徴とする廃水の処理
方法を提供する。廃水からのリンの除去は、たとえば、
不溶化して固液分離する方法、吸着材に吸着させる方法
など種々の方法により行うことができるが、吸着材に吸
着させる方法が好ましい。不溶化して固液分離する方法
では、不溶化のための薬剤を廃水に添加する必要がある
上、固液分離に時間がかかる。吸着材に吸着させる方法
だと、薬剤の添加が不要であり、また、吸着したリンを
離脱させれば吸着材が再生し、リンの回収を図ることが
できる。なお、ここではリンは、単体の状態のみを言う
のではなく、化合物(イオンも含む)などの状態も含む
ものとする。
【0010】発明者らはさらに研究を重ねた結果、湿式
酸化条件において、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミ
ニウムの酸化物がリン酸イオンに対して大きな吸着能を
有すること、かつ、再生が簡単でリンを回収できること
も見いだした。特に廃水温度を80℃以上にすることに
よって、有機物による吸着阻害がほとんど起こらないこ
と、再生に熱アルカリ溶液を用いることによって効率的
に再生ができ、かつ、リン回収率も上がることを見いだ
した。
酸化条件において、チタン、ジルコニウム、鉄、アルミ
ニウムの酸化物がリン酸イオンに対して大きな吸着能を
有すること、かつ、再生が簡単でリンを回収できること
も見いだした。特に廃水温度を80℃以上にすることに
よって、有機物による吸着阻害がほとんど起こらないこ
と、再生に熱アルカリ溶液を用いることによって効率的
に再生ができ、かつ、リン回収率も上がることを見いだ
した。
【0011】したがって、この発明では、吸着材とし
て、チタン、ジルコニウム、アルミニウムおよび鉄から
なる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物から
なる吸着材を用いるのが好ましい。2種以上の金属が用
いられる場合、この酸化物は複合酸化物であってもよい
し、各金属の酸化物の混合物であってもよい。また、こ
の発明では、廃水に含まれているリンを吸着材に吸着さ
せるために、廃水を吸着材の存在下、かつ、液相を保持
する状態で分子状酸素に接触させるのが好ましい。
て、チタン、ジルコニウム、アルミニウムおよび鉄から
なる群より選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物から
なる吸着材を用いるのが好ましい。2種以上の金属が用
いられる場合、この酸化物は複合酸化物であってもよい
し、各金属の酸化物の混合物であってもよい。また、こ
の発明では、廃水に含まれているリンを吸着材に吸着さ
せるために、廃水を吸着材の存在下、かつ、液相を保持
する状態で分子状酸素に接触させるのが好ましい。
【0012】この発明によれば、COD成分およびリン
化合物を含む種々の廃水を処理する際に、固体触媒の前
に吸着材を加えるだけで固体触媒の耐久性を大幅に向上
させることができ、また、リンも回収できるという利点
を持っている。吸着材の形式としては、固定床形式で用
いても流動床形式で用いてもよい。固定床形式の場合、
吸着材の形状としては、廃水に懸濁物質が含まれていな
い場合は接触効率の関係から粒状のものが好ましく、懸
濁物質が含まれている場合には閉塞防止のために空隙率
の大きいハニカムまたはペレット状のものが好ましい
が、他のいずれの形状に成形したものを用いてもよい。
固定床形式の吸着材を用いることによって、吸着塔と触
媒式湿式酸化塔を1つの反応器にまとめて、前段に吸着
材、後段に触媒を充填することも可能となり、設備投資
の面で経済的に有利となる利点を持っている。
化合物を含む種々の廃水を処理する際に、固体触媒の前
に吸着材を加えるだけで固体触媒の耐久性を大幅に向上
させることができ、また、リンも回収できるという利点
を持っている。吸着材の形式としては、固定床形式で用
いても流動床形式で用いてもよい。固定床形式の場合、
吸着材の形状としては、廃水に懸濁物質が含まれていな
い場合は接触効率の関係から粒状のものが好ましく、懸
濁物質が含まれている場合には閉塞防止のために空隙率
の大きいハニカムまたはペレット状のものが好ましい
が、他のいずれの形状に成形したものを用いてもよい。
固定床形式の吸着材を用いることによって、吸着塔と触
媒式湿式酸化塔を1つの反応器にまとめて、前段に吸着
材、後段に触媒を充填することも可能となり、設備投資
の面で経済的に有利となる利点を持っている。
【0013】粒状の吸着材としては、平均粒径1.0〜
10.0mm、好ましくは2.0〜5.0mmである。平均
粒径が1.0mm未満であると圧力損失が増加し、また、
10.0mmよりも大きいと空隙率が大きくなって吸着能
力の低下につながることがある。比表面積は60〜10
00m2/g、好ましくは100〜600m2/gである。
比表面積が60m2/g未満だと、吸着能力が大幅に低下
し、また、600m2/gよりも大きいと、吸着材の機械
的強度が弱くなることがある。ペレット状吸着材の形状
としては、平均粒径1.0〜10.0mm、好ましくは
3.0〜8.0mmで、長さ2.0〜15.0mm、好まし
くは3.0〜10.0mmである。平均粒径が1mm未満ま
たは長さが2mm未満であると圧力損失が増大するおそれ
があり、また、平均粒径が10mmよりも大きいかまたは
長さが15mmよりも長いと空隙率が大きくなって接触効
率が低下し、吸着能力の低下につながるおそれがある。
ペレット状吸着材の比表面積は、粒状吸着材の場合と同
じ範囲内に設定される。ハニカム状吸着材の形状として
は、貫通孔の相当直径が2〜20mm、セル肉厚が0.1
〜3mmおよび開孔率が50〜90%の範囲が好ましい。
更に、相当直径が2.5〜15mm、セル肉厚が0.5〜
3mm、および、開孔率が50〜90%の範囲内にあるこ
とが好ましい。相当直径が2mm未満である場合には、圧
力損失が大きく、水中に含有される固形分によって目詰
まりを生じやすくなることがある。相当直径が20mmを
越える場合には、圧力損失は小さくなり、目詰まりの可
能性も低くなるが、接触率が低下して吸着能力が低くな
る。セル肉厚が0.1mm未満の場合には、圧力損失が小
さくなり、吸着材を軽量化できるという利点があるが、
吸着材の機械的強度が低下することがある。セル肉厚が
3mmを越える場合には機械的強度は充分であるが、圧力
損失が大きくなることがある。開孔率が90%を越える
と、圧力損失が小さくなり、吸着材を軽量化できるとい
う利点があるが、吸着材の機械的強度が低下することが
ある。開孔率が50%未満であると、機械的強度は充分
であるが、圧力損失が大きくなることがある。流動床形
式の場合は、水和酸化ジルコニウムや水酸化アルミニウ
ムとして、または、破砕型の吸着材を廃液中に添加し、
リンを吸着させた後に固液分離を行って固形分は系外へ
排出することになる。固液分離手法としては、重力沈降
や遠心分離が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよ
い。この発明で用いる吸着材は、たとえば、従来の固体
触媒と同様の製造方法により製造される。
10.0mm、好ましくは2.0〜5.0mmである。平均
粒径が1.0mm未満であると圧力損失が増加し、また、
10.0mmよりも大きいと空隙率が大きくなって吸着能
力の低下につながることがある。比表面積は60〜10
00m2/g、好ましくは100〜600m2/gである。
比表面積が60m2/g未満だと、吸着能力が大幅に低下
し、また、600m2/gよりも大きいと、吸着材の機械
的強度が弱くなることがある。ペレット状吸着材の形状
としては、平均粒径1.0〜10.0mm、好ましくは
3.0〜8.0mmで、長さ2.0〜15.0mm、好まし
くは3.0〜10.0mmである。平均粒径が1mm未満ま
たは長さが2mm未満であると圧力損失が増大するおそれ
があり、また、平均粒径が10mmよりも大きいかまたは
長さが15mmよりも長いと空隙率が大きくなって接触効
率が低下し、吸着能力の低下につながるおそれがある。
ペレット状吸着材の比表面積は、粒状吸着材の場合と同
じ範囲内に設定される。ハニカム状吸着材の形状として
は、貫通孔の相当直径が2〜20mm、セル肉厚が0.1
〜3mmおよび開孔率が50〜90%の範囲が好ましい。
更に、相当直径が2.5〜15mm、セル肉厚が0.5〜
3mm、および、開孔率が50〜90%の範囲内にあるこ
とが好ましい。相当直径が2mm未満である場合には、圧
力損失が大きく、水中に含有される固形分によって目詰
まりを生じやすくなることがある。相当直径が20mmを
越える場合には、圧力損失は小さくなり、目詰まりの可
能性も低くなるが、接触率が低下して吸着能力が低くな
る。セル肉厚が0.1mm未満の場合には、圧力損失が小
さくなり、吸着材を軽量化できるという利点があるが、
吸着材の機械的強度が低下することがある。セル肉厚が
3mmを越える場合には機械的強度は充分であるが、圧力
損失が大きくなることがある。開孔率が90%を越える
と、圧力損失が小さくなり、吸着材を軽量化できるとい
う利点があるが、吸着材の機械的強度が低下することが
ある。開孔率が50%未満であると、機械的強度は充分
であるが、圧力損失が大きくなることがある。流動床形
式の場合は、水和酸化ジルコニウムや水酸化アルミニウ
ムとして、または、破砕型の吸着材を廃液中に添加し、
リンを吸着させた後に固液分離を行って固形分は系外へ
排出することになる。固液分離手法としては、重力沈降
や遠心分離が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよ
い。この発明で用いる吸着材は、たとえば、従来の固体
触媒と同様の製造方法により製造される。
【0014】吸着材の成分としては、チタン、ジルコニ
ウム、鉄およびアルミニウムからなる群の中から選ばれ
る1種または2種以上の元素の酸化物からなるものであ
ればいずれを用いてもよいが、鉄およびアルミニウムの
酸化物は酸性液中で溶解してしまう場合があるため、チ
タンおよびジルコニウムの酸化物を用いることが好まし
い。特に、チタンおよびジルコニウムの酸化物を500
℃以上で焼成したものについては吸着温度の上昇ととも
にリン吸着能も増加するのでより好ましい。また、吸着
を行う温度、圧力条件下で吸着材成分が液中に溶解して
しまうと、吸着材の強度が低下して再生使用が困難にな
るため、液中に溶解しないものが好ましい。
ウム、鉄およびアルミニウムからなる群の中から選ばれ
る1種または2種以上の元素の酸化物からなるものであ
ればいずれを用いてもよいが、鉄およびアルミニウムの
酸化物は酸性液中で溶解してしまう場合があるため、チ
タンおよびジルコニウムの酸化物を用いることが好まし
い。特に、チタンおよびジルコニウムの酸化物を500
℃以上で焼成したものについては吸着温度の上昇ととも
にリン吸着能も増加するのでより好ましい。また、吸着
を行う温度、圧力条件下で吸着材成分が液中に溶解して
しまうと、吸着材の強度が低下して再生使用が困難にな
るため、液中に溶解しないものが好ましい。
【0015】リン吸着部の反応条件は、廃水が液相を維
持する温度および圧力の中から適宜設定すればよい。し
たがって、反応温度は水の臨界温度未満の温度でなけれ
ばならず、好ましくは80〜370℃、より好ましくは
100〜250℃の範囲内である。有機物によるリンの
吸着の阻害は温度の上昇とともに低くなるため、温度は
高いほどよい。ただし、温度が高くなりすぎると液相を
維持するために相応の高い圧力も必要となり、その圧力
に対して耐久性のある容器が必要となり、装置の建設費
用が多大となる場合がある。このため、液相を維持する
圧力下で廃水中のリンの濃度や後段の触媒層での反応温
度に適した温度を選定すればよい。反応圧力は、選定さ
れた温度において廃水が液相を維持する範囲内で適宜選
定すればよい。たとえば、通常の廃水の湿式酸化処理に
用いられる処理槽に上記吸着材を充填してリンの吸着を
行うことができる。吸着処理の際の分子状酸素の供給量
は、たとえば、廃水の化学的酸素要求量(COD)の
1.0〜5.0倍が好ましく、1.05〜3.0倍がよ
り好ましい。廃水と吸着材の接触時間(または、廃水の
吸着部での滞留時間)は、たとえば、1〜180分が好
ましく、20〜60分がより好ましい。分子状酸素とし
ては、酸素ガス、オゾンなどであり、それらの純粋物を
使用してもよいが、他の気体との混合物、特に空気が利
用される。
持する温度および圧力の中から適宜設定すればよい。し
たがって、反応温度は水の臨界温度未満の温度でなけれ
ばならず、好ましくは80〜370℃、より好ましくは
100〜250℃の範囲内である。有機物によるリンの
吸着の阻害は温度の上昇とともに低くなるため、温度は
高いほどよい。ただし、温度が高くなりすぎると液相を
維持するために相応の高い圧力も必要となり、その圧力
に対して耐久性のある容器が必要となり、装置の建設費
用が多大となる場合がある。このため、液相を維持する
圧力下で廃水中のリンの濃度や後段の触媒層での反応温
度に適した温度を選定すればよい。反応圧力は、選定さ
れた温度において廃水が液相を維持する範囲内で適宜選
定すればよい。たとえば、通常の廃水の湿式酸化処理に
用いられる処理槽に上記吸着材を充填してリンの吸着を
行うことができる。吸着処理の際の分子状酸素の供給量
は、たとえば、廃水の化学的酸素要求量(COD)の
1.0〜5.0倍が好ましく、1.05〜3.0倍がよ
り好ましい。廃水と吸着材の接触時間(または、廃水の
吸着部での滞留時間)は、たとえば、1〜180分が好
ましく、20〜60分がより好ましい。分子状酸素とし
ては、酸素ガス、オゾンなどであり、それらの純粋物を
使用してもよいが、他の気体との混合物、特に空気が利
用される。
【0016】上記特定の吸着材は、オルトリン酸イオン
に対して大きな吸着能を示すため、吸着部に廃水が流入
する前もしくは流入直後にはリンはオルトリン酸イオン
となっていることが望ましく、有機リン化合物等比較的
オルトリン酸イオンに酸化されにくいリン化合物を含む
場合には、吸着部前に触媒の不存在下、かつ、廃水が液
相を保持する温度圧力下で分子状酸素に接触させて、リ
ン化合物をオルトリン酸イオンに酸化しておくことが望
ましい。ここでの酸化条件としては、たとえば、温度8
0〜350℃でかつ廃水が液相を保持する圧力であれば
よい。また、酸化助剤として過酸化水素などを投入して
もよい。この酸化処理の際の分子状酸素の供給量は、た
とえば、廃水の化学的酸素要求量(COD)の1.0〜
5.0倍が好ましく、1.05〜3.0倍がより好まし
い。この酸化処理の時間は、廃水の性状によって大きく
異なり、廃水が比較的難酸化性のリンを含有する場合、
たとえば有機リンを含有する状態であれば処理時間を長
くし、比較的酸化されやすいリンを含有する場合、たと
えばメタリン酸等を含有する状態であれば処理時間を短
くするというようにして適宜設定すればよく、特に限定
はない。この酸化処理によって、リン化合物がオルトリ
ン酸に酸化されるとともに、廃水中の有機物のうち易分
解性物質は分解され、有機固形分は液中へ溶解し易くな
る。
に対して大きな吸着能を示すため、吸着部に廃水が流入
する前もしくは流入直後にはリンはオルトリン酸イオン
となっていることが望ましく、有機リン化合物等比較的
オルトリン酸イオンに酸化されにくいリン化合物を含む
場合には、吸着部前に触媒の不存在下、かつ、廃水が液
相を保持する温度圧力下で分子状酸素に接触させて、リ
ン化合物をオルトリン酸イオンに酸化しておくことが望
ましい。ここでの酸化条件としては、たとえば、温度8
0〜350℃でかつ廃水が液相を保持する圧力であれば
よい。また、酸化助剤として過酸化水素などを投入して
もよい。この酸化処理の際の分子状酸素の供給量は、た
とえば、廃水の化学的酸素要求量(COD)の1.0〜
5.0倍が好ましく、1.05〜3.0倍がより好まし
い。この酸化処理の時間は、廃水の性状によって大きく
異なり、廃水が比較的難酸化性のリンを含有する場合、
たとえば有機リンを含有する状態であれば処理時間を長
くし、比較的酸化されやすいリンを含有する場合、たと
えばメタリン酸等を含有する状態であれば処理時間を短
くするというようにして適宜設定すればよく、特に限定
はない。この酸化処理によって、リン化合物がオルトリ
ン酸に酸化されるとともに、廃水中の有機物のうち易分
解性物質は分解され、有機固形分は液中へ溶解し易くな
る。
【0017】上記のようにしてリンの吸着除去を行った
廃水を固体触媒の存在下、かつ、廃水が液相を保持する
温度圧力下で分子状酸素に接触させることにより酸化処
理する。ここでの反応温度および反応圧力は、たとえ
ば、吸着処理のときと同じ範囲内で適宜設定される。こ
の酸化処理の際の分子状酸素の供給量は、たとえば、廃
水のCOD値に対して1.0〜1.5倍が好ましい。廃
水と固体触媒の接触時間(または、廃水の固体触媒部で
の滞留時間)は、たとえば、6〜120分が好ましく、
12〜60分がより好ましい。
廃水を固体触媒の存在下、かつ、廃水が液相を保持する
温度圧力下で分子状酸素に接触させることにより酸化処
理する。ここでの反応温度および反応圧力は、たとえ
ば、吸着処理のときと同じ範囲内で適宜設定される。こ
の酸化処理の際の分子状酸素の供給量は、たとえば、廃
水のCOD値に対して1.0〜1.5倍が好ましい。廃
水と固体触媒の接触時間(または、廃水の固体触媒部で
の滞留時間)は、たとえば、6〜120分が好ましく、
12〜60分がより好ましい。
【0018】この発明で使用される触媒は、固体触媒で
かつ液相酸化の条件下で触媒活性と耐久性を兼ね備えた
ものであればいずれの触媒を用いてもよいが、好ましく
は触媒A成分としてチタン、ケイ素およびジルコニウム
よりなる群から選ばれる少なくとも2種の元素の複合酸
化物、および、触媒B成分としてマンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、セリウム、タングステン、銅、銀、金、
白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジ
ウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の、
水に不溶性または難溶性の化合物を含有してなる触媒を
用いる。触媒における成分の比率は、A成分が酸化物の
形で75〜99.95重量%、好ましくは90〜99.
9重量%、B成分が金属および化合物の形で0.05〜
25重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲が適
当である。B成分が上記範囲外では酸化活性が不充分で
あり、また、白金、パラジウムおよびロジウムなどの貴
金属の場合、原料コストが高くなり相応した充分な効果
が期待できない。
かつ液相酸化の条件下で触媒活性と耐久性を兼ね備えた
ものであればいずれの触媒を用いてもよいが、好ましく
は触媒A成分としてチタン、ケイ素およびジルコニウム
よりなる群から選ばれる少なくとも2種の元素の複合酸
化物、および、触媒B成分としてマンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、セリウム、タングステン、銅、銀、金、
白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジ
ウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の、
水に不溶性または難溶性の化合物を含有してなる触媒を
用いる。触媒における成分の比率は、A成分が酸化物の
形で75〜99.95重量%、好ましくは90〜99.
9重量%、B成分が金属および化合物の形で0.05〜
25重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲が適
当である。B成分が上記範囲外では酸化活性が不充分で
あり、また、白金、パラジウムおよびロジウムなどの貴
金属の場合、原料コストが高くなり相応した充分な効果
が期待できない。
【0019】この発明で使用する固体触媒は前記のとお
り特定された組成からなるものが好ましく、その形状と
しては、ペレット、粒状、リング状、破砕型などの分離
構造体、ハニカムなどの一体構造体など種々のものを採
用することができる。この発明では、固体触媒の形状お
よびサイズなどは、たとえば、廃水の湿式酸化に通常用
いられる固体触媒と同様に設定される。
り特定された組成からなるものが好ましく、その形状と
しては、ペレット、粒状、リング状、破砕型などの分離
構造体、ハニカムなどの一体構造体など種々のものを採
用することができる。この発明では、固体触媒の形状お
よびサイズなどは、たとえば、廃水の湿式酸化に通常用
いられる固体触媒と同様に設定される。
【0020】このようにして湿式酸化処理した後は、処
理物を必要に応じて固液分離および/または気液分離し
てから、環境へ放出されたり、回収されたりする。この
ようにリンの吸着除去と廃水の湿式酸化処理を継続して
行うと、吸着材のリン吸着能力が低下し、破過する〔こ
こで「破過する」とは、たとえば、(吸着部出口でのリ
ン濃度/吸着部入口でのリン濃度)値が0.1を超過す
ることを言う〕。そこで、一旦、廃水の供給を止めて、
必要に応じて水を通して洗浄してから、吸着材の再生を
行う。必要ならば、吸着材の交換を行ってもよい。吸着
材の再生は、吸着材からリンを脱着させることにより行
われる。その脱着方法は、特に限定されないが、次のよ
うなやり方を採用すると、いちいち吸着材を廃水処理装
置から取り出すことなく、再生することができる。すな
わち、アルカリ溶液を流して吸着材と接触させ、吸着し
ているリンをアルカリ溶液中に脱離させるのである。脱
離したリンを含むアルカリ溶液は、適宜回収され、これ
からリン酸として回収することができる。
理物を必要に応じて固液分離および/または気液分離し
てから、環境へ放出されたり、回収されたりする。この
ようにリンの吸着除去と廃水の湿式酸化処理を継続して
行うと、吸着材のリン吸着能力が低下し、破過する〔こ
こで「破過する」とは、たとえば、(吸着部出口でのリ
ン濃度/吸着部入口でのリン濃度)値が0.1を超過す
ることを言う〕。そこで、一旦、廃水の供給を止めて、
必要に応じて水を通して洗浄してから、吸着材の再生を
行う。必要ならば、吸着材の交換を行ってもよい。吸着
材の再生は、吸着材からリンを脱着させることにより行
われる。その脱着方法は、特に限定されないが、次のよ
うなやり方を採用すると、いちいち吸着材を廃水処理装
置から取り出すことなく、再生することができる。すな
わち、アルカリ溶液を流して吸着材と接触させ、吸着し
ているリンをアルカリ溶液中に脱離させるのである。脱
離したリンを含むアルカリ溶液は、適宜回収され、これ
からリン酸として回収することができる。
【0021】吸着材の再生に用いるアルカリ溶液につい
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液およ
びアンモニア水溶液が好ましい。アルカリ土類金属の水
酸化物についてはアルカリ土類金属が吸着材上に吸着さ
れる場合があるので好ましくない。アルカリ溶液を吸着
材に接触させて吸着材を洗浄する場合には、40〜16
0℃に加熱して(ただし、洗液が液相を維持する圧力条
件下で)行うのがよい。40℃未満ではリン酸塩の溶解
度が低く、また、160℃よりも高いと吸着材に対する
リン酸イオンの吸着力が大きくなるために充分かつ効率
的な吸着材の洗浄を行うことができない。アルカリ溶液
の昇温方法としては、どのような方法を用いてもよい
が、処理廃水を用いて熱交換によって昇温すれば、経済
的にも有利となって好ましい。アルカリ溶液の濃度につ
いては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液お
よびアンモニア水溶液のいずれの場合でも、0.1〜5
規定、好ましくは0.5〜3規定の溶液を用いることが
好ましい。0.1規定よりも低濃度であると吸着材の洗
浄効果が充分でなく、また、5規定よりも高濃度になる
と吸着材洗浄廃液のpHが高くなりすぎて中和する工程
が必要となる。アルカリ溶液と吸着材の接触時間は、た
とえば、1〜60時間が好ましく、2〜20時間がより
好ましい。
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液およ
びアンモニア水溶液が好ましい。アルカリ土類金属の水
酸化物についてはアルカリ土類金属が吸着材上に吸着さ
れる場合があるので好ましくない。アルカリ溶液を吸着
材に接触させて吸着材を洗浄する場合には、40〜16
0℃に加熱して(ただし、洗液が液相を維持する圧力条
件下で)行うのがよい。40℃未満ではリン酸塩の溶解
度が低く、また、160℃よりも高いと吸着材に対する
リン酸イオンの吸着力が大きくなるために充分かつ効率
的な吸着材の洗浄を行うことができない。アルカリ溶液
の昇温方法としては、どのような方法を用いてもよい
が、処理廃水を用いて熱交換によって昇温すれば、経済
的にも有利となって好ましい。アルカリ溶液の濃度につ
いては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液お
よびアンモニア水溶液のいずれの場合でも、0.1〜5
規定、好ましくは0.5〜3規定の溶液を用いることが
好ましい。0.1規定よりも低濃度であると吸着材の洗
浄効果が充分でなく、また、5規定よりも高濃度になる
と吸着材洗浄廃液のpHが高くなりすぎて中和する工程
が必要となる。アルカリ溶液と吸着材の接触時間は、た
とえば、1〜60時間が好ましく、2〜20時間がより
好ましい。
【0022】このようにアルカリ溶液で再生すれば、吸
着材は、上記継続した運転をたとえば50回繰り返して
行っても、たとえば、その当初のリン吸着能力の90%
以上を維持している。この発明の処理方法の対象となる
廃水としては、たとえば、化学プラントの廃水や洗浄廃
水、および、各種産業廃水などが挙げられる。また、リ
ンは、たとえば、オルトリン酸等のリン酸化物およびそ
の塩類、無機リン化物、有機リン化合物などのリン化合
物として、溶質または懸濁物質として廃水中に含まれて
いる。
着材は、上記継続した運転をたとえば50回繰り返して
行っても、たとえば、その当初のリン吸着能力の90%
以上を維持している。この発明の処理方法の対象となる
廃水としては、たとえば、化学プラントの廃水や洗浄廃
水、および、各種産業廃水などが挙げられる。また、リ
ンは、たとえば、オルトリン酸等のリン酸化物およびそ
の塩類、無機リン化物、有機リン化合物などのリン化合
物として、溶質または懸濁物質として廃水中に含まれて
いる。
【0023】
【作用】廃水からリンを除去しておいてから湿式酸化処
理することにより、廃水のリン含有率が低減されるとと
もに、湿式酸化に用いる固体触媒の劣化が防止される。
廃水からのリンの除去を吸着材に吸着させることにより
行うと、リンを吸着した吸着材からリンを脱着させるこ
とによりリンを回収することができる。
理することにより、廃水のリン含有率が低減されるとと
もに、湿式酸化に用いる固体触媒の劣化が防止される。
廃水からのリンの除去を吸着材に吸着させることにより
行うと、リンを吸着した吸着材からリンを脱着させるこ
とによりリンを回収することができる。
【0024】吸着材として、リンを選択的に吸着する吸
着材、すなわちチタン、ジルコニウム、アルミニウムお
よび鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の
酸化物からなる吸着材を用いると、リンの回収が効率的
に行われる。吸着材にリンを吸着させる前に、リンを吸
着されやすい状態、すなわちオルトリン酸に変化させて
おくことによりリンの回収率が高まる。
着材、すなわちチタン、ジルコニウム、アルミニウムお
よび鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の
酸化物からなる吸着材を用いると、リンの回収が効率的
に行われる。吸着材にリンを吸着させる前に、リンを吸
着されやすい状態、すなわちオルトリン酸に変化させて
おくことによりリンの回収率が高まる。
【0025】吸着材からのリンの脱着をアルカリ溶液を
流して接触させることにより行うようにすると、廃水処
理装置で吸着材の再生を行うことができるので、脱着の
ために吸着材の交換や移動などを行う必要がなくなる。
流して接触させることにより行うようにすると、廃水処
理装置で吸着材の再生を行うことができるので、脱着の
ために吸着材の交換や移動などを行う必要がなくなる。
【0026】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −吸着材の製造例1− 四塩化チタンに硝酸ジルコニウムを添加し、熱加水分解
反応させて沈殿を形成し、これを濾別、洗浄した。得ら
れたケーキを乾燥して粉砕し、550℃で焼成した。得
られた粉体にでんぷんと水を加えてよく混合し、ペレッ
ト状に成形し、乾燥後、550℃で再焼成することによ
り、ペレット(平均粒径5.0mm、長さ6.0mm、比表
面積150m2/g)を得た。このペレットは、X線回折
および蛍光X線分析により、酸化チタンと酸化ジルコニ
ウムの混合酸化物(モル比Ti:Zr=5:5)であっ
た。
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −吸着材の製造例1− 四塩化チタンに硝酸ジルコニウムを添加し、熱加水分解
反応させて沈殿を形成し、これを濾別、洗浄した。得ら
れたケーキを乾燥して粉砕し、550℃で焼成した。得
られた粉体にでんぷんと水を加えてよく混合し、ペレッ
ト状に成形し、乾燥後、550℃で再焼成することによ
り、ペレット(平均粒径5.0mm、長さ6.0mm、比表
面積150m2/g)を得た。このペレットは、X線回折
および蛍光X線分析により、酸化チタンと酸化ジルコニ
ウムの混合酸化物(モル比Ti:Zr=5:5)であっ
た。
【0027】−実験1−
製造例1で得られた酸化物ペレットをリン吸着材として
用いてオルトリン酸水溶液(300ppm−P)500
mlに該吸着材10gを添加して吸着実験を行ったとこ
ろ、表1のような結果が得られた。なお、実験にはオー
トクレーブ(三菱金属株式会社製の商品名ハステロイ
C、内容量1000ml)を用いた。この吸着実験後、処
理液を化学発光法で成分分析したところ、吸着材からの
チタンおよびジルコニウムの溶出は認められなかった。
用いてオルトリン酸水溶液(300ppm−P)500
mlに該吸着材10gを添加して吸着実験を行ったとこ
ろ、表1のような結果が得られた。なお、実験にはオー
トクレーブ(三菱金属株式会社製の商品名ハステロイ
C、内容量1000ml)を用いた。この吸着実験後、処
理液を化学発光法で成分分析したところ、吸着材からの
チタンおよびジルコニウムの溶出は認められなかった。
【0028】
【表1】
【0029】製造例1で得られた吸着材を以下の実施例
で使用した。 −実施例1− 廃水としてエタノール10,000ppm、オルトリン
酸100ppmを含むモデル廃水を図1のフローチャー
トにしたがって処理した。運転開始時点では、バルブ1
9、16は開、バルブ18、15は閉にしておいた。ま
ず、ライン9より送られてくる廃水をポンプ3で75kg
/cm2 まで昇圧し、ライン10より供給される空気をコ
ンプレッサー5で昇圧させた後、O2 /COD(空気中
の酸素量/化学的酸素要求量)=1.2の割合となるよ
うに廃水と空気を混合した。この気液混合物をライン1
1を通して熱交換器4において予熱した後、吸着材50
0gを充填した吸着塔1へ空間速度(単位時間当たりの
処理水容量/吸着材体積のこと。以下、「LHSV」と
言う)=2Hr-1となるように送った。吸着塔1におけ
る、吸着材の充填密度は1g/mlであった。吸着塔1で
は廃水をさらに220℃まで昇温すると同時にリンが吸
着材に吸着されて廃水中のオルトリン酸濃度は1ppm
以下となり、ライン12を通じて湿式酸化塔2へ導入し
た。湿式酸化塔2には、触媒A成分としてチタンとジル
コニウムの複合酸化物、触媒B成分として白金を含有し
たもの(A成分とB成分の重量比率は、A/B=99.
7/0.3であった)が500g充填されており、廃水
は湿式酸化塔2においてさらに250℃まで昇温されて
処理され、廃水中のエタノールが分解され、ライン13
を通って熱交換器4において冷却され、気液分離器6へ
送られた。気液分離器6においては、液面コントローラ
LCにより液面を検出して液面制御弁7を作動させて一
定の液面を保持するとともに、圧力コントローラPCに
より圧力を検出して圧力制御弁8を作動させて一定の圧
力を保持するように操作されていた。このようにして処
理された処理水は、TOCが10ppm以下で安定して
得られた。図2に吸着塔1出口水中のリンおよび湿式酸
化塔2出口水中のTOCのモデル廃水に対する除去率の
経時変化を示す。これより、吸着材は250時間まで安
定してリンを吸着しており、触媒の活性劣化もみられな
かった。
で使用した。 −実施例1− 廃水としてエタノール10,000ppm、オルトリン
酸100ppmを含むモデル廃水を図1のフローチャー
トにしたがって処理した。運転開始時点では、バルブ1
9、16は開、バルブ18、15は閉にしておいた。ま
ず、ライン9より送られてくる廃水をポンプ3で75kg
/cm2 まで昇圧し、ライン10より供給される空気をコ
ンプレッサー5で昇圧させた後、O2 /COD(空気中
の酸素量/化学的酸素要求量)=1.2の割合となるよ
うに廃水と空気を混合した。この気液混合物をライン1
1を通して熱交換器4において予熱した後、吸着材50
0gを充填した吸着塔1へ空間速度(単位時間当たりの
処理水容量/吸着材体積のこと。以下、「LHSV」と
言う)=2Hr-1となるように送った。吸着塔1におけ
る、吸着材の充填密度は1g/mlであった。吸着塔1で
は廃水をさらに220℃まで昇温すると同時にリンが吸
着材に吸着されて廃水中のオルトリン酸濃度は1ppm
以下となり、ライン12を通じて湿式酸化塔2へ導入し
た。湿式酸化塔2には、触媒A成分としてチタンとジル
コニウムの複合酸化物、触媒B成分として白金を含有し
たもの(A成分とB成分の重量比率は、A/B=99.
7/0.3であった)が500g充填されており、廃水
は湿式酸化塔2においてさらに250℃まで昇温されて
処理され、廃水中のエタノールが分解され、ライン13
を通って熱交換器4において冷却され、気液分離器6へ
送られた。気液分離器6においては、液面コントローラ
LCにより液面を検出して液面制御弁7を作動させて一
定の液面を保持するとともに、圧力コントローラPCに
より圧力を検出して圧力制御弁8を作動させて一定の圧
力を保持するように操作されていた。このようにして処
理された処理水は、TOCが10ppm以下で安定して
得られた。図2に吸着塔1出口水中のリンおよび湿式酸
化塔2出口水中のTOCのモデル廃水に対する除去率の
経時変化を示す。これより、吸着材は250時間まで安
定してリンを吸着しており、触媒の活性劣化もみられな
かった。
【0030】なお、実施例1で使用した装置の吸着塔1
および湿式酸化塔2のサイズは下記のとおりであった。 吸着塔1 :25mm(内径)×1400mmH 湿式酸化塔2:25mm(内径)×1400mmH また、実施例1における処理条件は次のとおりであっ
た。
および湿式酸化塔2のサイズは下記のとおりであった。 吸着塔1 :25mm(内径)×1400mmH 湿式酸化塔2:25mm(内径)×1400mmH また、実施例1における処理条件は次のとおりであっ
た。
【0031】
系内圧力 :75kg/cm2
モデル廃水流量:1リットル/Hr
空気の供給量 :84Nリットル/Hr
吸着部温度 :220℃
湿式酸化部温度:250℃
−実施例2−
実施例1と同じ処理を運転開始後300時間経過時点で
止め、ライン9よりポンプ3によって純水を5時間供給
した後、温度および圧力を低下させて吸着塔1および湿
式酸化塔2内を70℃、1気圧とし、ポンプ3を止めて
純水の供給を停止した。その後、バルブ16、19を閉
じてバルブ15、18を開放し、ライン17を通じて供
給される70℃に加熱された1N−NaOH水溶液を湿
式酸化塔2および吸着塔1にこの順にLHSV=0.5
Hr-1で流通させ、ライン20より排出させるという吸
着材の洗浄工程を4時間行ったところ、系内に流入させ
たリンのうちの98%がリン酸ナトリウムとなって溶解
して脱離した。
止め、ライン9よりポンプ3によって純水を5時間供給
した後、温度および圧力を低下させて吸着塔1および湿
式酸化塔2内を70℃、1気圧とし、ポンプ3を止めて
純水の供給を停止した。その後、バルブ16、19を閉
じてバルブ15、18を開放し、ライン17を通じて供
給される70℃に加熱された1N−NaOH水溶液を湿
式酸化塔2および吸着塔1にこの順にLHSV=0.5
Hr-1で流通させ、ライン20より排出させるという吸
着材の洗浄工程を4時間行ったところ、系内に流入させ
たリンのうちの98%がリン酸ナトリウムとなって溶解
して脱離した。
【0032】実施例2において、洗浄を吸着塔1のみに
ついて行い、湿式酸化塔2では行わないと、より効率的
である。 −実施例3− 実施例2において、吸着材の再生処理を行った後、吸着
材の再生使用に対する耐久性を検討するために、再び実
施例1と同様の操作を行い、吸着塔1出口水中のオルト
リン酸濃度が10ppm(入口濃度の10%)を越えた
時点(モデル廃水の供給開始からこの時点までの経過時
間を破過時間とした)でリン酸溶液の流入を止めて実施
例2と同様に洗浄する工程を繰り返した結果、表2に示
すように吸着材は50回の繰り返しまで初期吸着能の9
0%以上を維持していた。
ついて行い、湿式酸化塔2では行わないと、より効率的
である。 −実施例3− 実施例2において、吸着材の再生処理を行った後、吸着
材の再生使用に対する耐久性を検討するために、再び実
施例1と同様の操作を行い、吸着塔1出口水中のオルト
リン酸濃度が10ppm(入口濃度の10%)を越えた
時点(モデル廃水の供給開始からこの時点までの経過時
間を破過時間とした)でリン酸溶液の流入を止めて実施
例2と同様に洗浄する工程を繰り返した結果、表2に示
すように吸着材は50回の繰り返しまで初期吸着能の9
0%以上を維持していた。
【0033】
【表2】
【0034】−実施例4−
図3のようなフローにしたがって、表3に示すような組
成よりなる廃水を処理した。
成よりなる廃水を処理した。
【0035】
【表3】
【0036】まず、ライン30より送られてくる廃水を
ポンプ24で75kg/cm2 Gまで昇圧し、ライン31よ
り供給される空気をコンプレッサー26で昇圧させた
後、O 2 /COD=1.2の割合で前記廃水に混入し
た。この気液混合物をライン32を通って熱交換器25
において予熱した後、無触媒湿式酸化塔21へ流入させ
た。無触媒湿式酸化塔21において廃水をさらに250
℃まで昇温して酸化を行い、有機物の一部を分解すると
同時に廃水中のリンをオルトリン酸イオンとした後、ラ
イン33を通じて吸着塔22へLHSV=2Hr-1とな
るように送った。吸着塔22内にはハニカム状に成形さ
れた吸着材を充填しておいた。該吸着材の形状は貫通孔
の相当直径が10mm、セル肉厚が1mmおよび開孔率が8
3%であるものを用いた。吸着材成分はチタンおよびジ
ルコニウムの複合酸化物(Ti/Zrのモル比は5/
5)であった。吸着塔22ではリンが吸着材に吸着され
て廃水中のリン濃度は1ppm以下となり、ライン34
を通って触媒式湿式酸化塔23へ導入した。触媒式湿式
酸化塔23には、触媒A成分としてチタンとジルコニウ
ムの複合酸化物、触媒B成分として白金を含有したもの
(Ti/Zrのモル比=7/3、A成分とB成分の重量
比=99.4/0.6)が500g充填されており、触
媒式湿式酸化塔23において有機物が処理されて炭酸、
水および窒素などに無害化され、ライン35を通って熱
交換器25において冷却され、気液分離器27へ送られ
た。気液分離器27においては、液面コントローラLC
により液面を検出して液面制御弁28を作動させて一定
の液面を保持するとともに、圧力コントローラPCによ
り圧力を検出して圧力制御弁29を作動させて一定の圧
力を保持するように操作した。このようにして処理した
処理水は、TOCが20ppm以下であり、安定して得
られた。
ポンプ24で75kg/cm2 Gまで昇圧し、ライン31よ
り供給される空気をコンプレッサー26で昇圧させた
後、O 2 /COD=1.2の割合で前記廃水に混入し
た。この気液混合物をライン32を通って熱交換器25
において予熱した後、無触媒湿式酸化塔21へ流入させ
た。無触媒湿式酸化塔21において廃水をさらに250
℃まで昇温して酸化を行い、有機物の一部を分解すると
同時に廃水中のリンをオルトリン酸イオンとした後、ラ
イン33を通じて吸着塔22へLHSV=2Hr-1とな
るように送った。吸着塔22内にはハニカム状に成形さ
れた吸着材を充填しておいた。該吸着材の形状は貫通孔
の相当直径が10mm、セル肉厚が1mmおよび開孔率が8
3%であるものを用いた。吸着材成分はチタンおよびジ
ルコニウムの複合酸化物(Ti/Zrのモル比は5/
5)であった。吸着塔22ではリンが吸着材に吸着され
て廃水中のリン濃度は1ppm以下となり、ライン34
を通って触媒式湿式酸化塔23へ導入した。触媒式湿式
酸化塔23には、触媒A成分としてチタンとジルコニウ
ムの複合酸化物、触媒B成分として白金を含有したもの
(Ti/Zrのモル比=7/3、A成分とB成分の重量
比=99.4/0.6)が500g充填されており、触
媒式湿式酸化塔23において有機物が処理されて炭酸、
水および窒素などに無害化され、ライン35を通って熱
交換器25において冷却され、気液分離器27へ送られ
た。気液分離器27においては、液面コントローラLC
により液面を検出して液面制御弁28を作動させて一定
の液面を保持するとともに、圧力コントローラPCによ
り圧力を検出して圧力制御弁29を作動させて一定の圧
力を保持するように操作した。このようにして処理した
処理水は、TOCが20ppm以下であり、安定して得
られた。
【0037】なお、実施例4で使用した装置の、無触媒
湿式酸化塔21、吸着塔22および触媒式湿式酸化塔2
3のサイズは下記のとおりであった。 無触媒湿式酸化塔21:25mm(内径)×1400mmH 吸 着 塔22 :25mm(内径)×1400mmH 触媒式湿式酸化塔23:25mm(内径)×1400mmH また、実施例4における処理条件は次のとおりであっ
た。
湿式酸化塔21、吸着塔22および触媒式湿式酸化塔2
3のサイズは下記のとおりであった。 無触媒湿式酸化塔21:25mm(内径)×1400mmH 吸 着 塔22 :25mm(内径)×1400mmH 触媒式湿式酸化塔23:25mm(内径)×1400mmH また、実施例4における処理条件は次のとおりであっ
た。
【0038】
系内圧力 :75kg/cm2
廃水流量 :1リットル/Hr
空気の供給量 :84Nリットル/Hr
無触媒湿式酸化部温度:250℃
吸 着 部 温 度 :250℃
触媒式湿式酸化部温度:250℃
−実施例5−
実施例1と同装置において、製造例1で得られた吸着材
を市販の粒状のγ−アルミナ(平均粒径3.0mm)に変
更して廃水の処理を行った。処理条件は、吸着部温度を
40℃、モデル廃水に水酸化ナトリウムを加えてpHを
11とした以外は実施例1と同条件であった。その結
果、200時間経過時において、処理液のTOCは10
ppm以下で安定して得られた。また、リンおよびアル
ミニウムに関しても、処理液を化学発光法で測定したと
ころ、処理液中には溶出は認められなかった。
を市販の粒状のγ−アルミナ(平均粒径3.0mm)に変
更して廃水の処理を行った。処理条件は、吸着部温度を
40℃、モデル廃水に水酸化ナトリウムを加えてpHを
11とした以外は実施例1と同条件であった。その結
果、200時間経過時において、処理液のTOCは10
ppm以下で安定して得られた。また、リンおよびアル
ミニウムに関しても、処理液を化学発光法で測定したと
ころ、処理液中には溶出は認められなかった。
【0039】−実施例6−
酸化鉄の粉末にでんぷん、水を加えてよく混合し、ペレ
ット状に成形し、乾燥後、150℃で焼成して平均粒径
5.0mm、長さ6.0mmのペレット状の吸着材を得た。
実施例1と同装置において、製造例1で得られた吸着材
をこのようにして作製した吸着材に変更して廃水の処理
を行った。処理条件は、吸着部温度を40℃、モデル廃
水に水酸化ナトリウムを加えてpHを11とした以外は
実施例1と同条件であった。その結果、200時間経過
時において、処理液のTOCは10ppm以下で安定し
て得られた。また、リンおよび鉄に関しても、処理液を
化学発光法で測定したところ、処理液中には溶出は認め
られなかった。
ット状に成形し、乾燥後、150℃で焼成して平均粒径
5.0mm、長さ6.0mmのペレット状の吸着材を得た。
実施例1と同装置において、製造例1で得られた吸着材
をこのようにして作製した吸着材に変更して廃水の処理
を行った。処理条件は、吸着部温度を40℃、モデル廃
水に水酸化ナトリウムを加えてpHを11とした以外は
実施例1と同条件であった。その結果、200時間経過
時において、処理液のTOCは10ppm以下で安定し
て得られた。また、リンおよび鉄に関しても、処理液を
化学発光法で測定したところ、処理液中には溶出は認め
られなかった。
【0040】実施例5および6の結果から、酸化アルミ
ニウムも酸化鉄も、酸化チタンと酸化ジルコニウムの混
合酸化物と同様に実施例1〜4におけるリン吸着材とし
て使用でき、同様の効果を奏することがわかる。 −実施例7〜12− 実施例1と同様にして廃水の処理を行った。運転開始後
300時間経過時に装置を止め、温度条件を変えて吸着
材の洗浄を行った。洗浄は、吸着塔1に純水をに流入さ
せて表4に示す温度に達した後、1N−NaOH水溶液
をLHSV=1Hr-1で流入させ、吸着塔1より流出し
た液中のリン濃度が1ppm以下になるまでの時間を測
定した。結果を表4に示した。なお、流出液は0.5時
間ごとにサンプリングしてリン濃度を測定した。
ニウムも酸化鉄も、酸化チタンと酸化ジルコニウムの混
合酸化物と同様に実施例1〜4におけるリン吸着材とし
て使用でき、同様の効果を奏することがわかる。 −実施例7〜12− 実施例1と同様にして廃水の処理を行った。運転開始後
300時間経過時に装置を止め、温度条件を変えて吸着
材の洗浄を行った。洗浄は、吸着塔1に純水をに流入さ
せて表4に示す温度に達した後、1N−NaOH水溶液
をLHSV=1Hr-1で流入させ、吸着塔1より流出し
た液中のリン濃度が1ppm以下になるまでの時間を測
定した。結果を表4に示した。なお、流出液は0.5時
間ごとにサンプリングしてリン濃度を測定した。
【0041】
【表4】
【0042】表4にみるように、吸着材の洗浄温度が4
0℃よりも低いか、もしくは、160℃よりも高くなる
と、洗浄時間が大幅に増加した。 −実施例13− 実施例1において、温度を100℃に、圧力を5kg/cm
2 に変えたこと以外は実施例1と同様にしてモデル廃水
を処理した。
0℃よりも低いか、もしくは、160℃よりも高くなる
と、洗浄時間が大幅に増加した。 −実施例13− 実施例1において、温度を100℃に、圧力を5kg/cm
2 に変えたこと以外は実施例1と同様にしてモデル廃水
を処理した。
【0043】その結果、モデル廃水流入開始後70時間
経過時点まで吸着塔出口からの流出液中のリン濃度が1
0ppm以下であった。
経過時点まで吸着塔出口からの流出液中のリン濃度が1
0ppm以下であった。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、廃水を固体触媒の存
在下で処理する前に廃水中のリンを除去するので、固体
触媒のリンによる耐久性の低下が起こらない。また、リ
ンを回収することができる。
在下で処理する前に廃水中のリンを除去するので、固体
触媒のリンによる耐久性の低下が起こらない。また、リ
ンを回収することができる。
【図1】この発明の廃水の処理方法の実施に用いる装置
の1例を表す説明図である。
の1例を表す説明図である。
【図2】実施例1における、吸着塔出口水中のリンおよ
び湿式酸化塔出口水中のTOCのモデル廃水に対する除
去率の経時変化を示すグラフである。
び湿式酸化塔出口水中のTOCのモデル廃水に対する除
去率の経時変化を示すグラフである。
【図3】この発明の廃水の処理方法の実施に用いる装置
の別の1例を表す説明図である。
の別の1例を表す説明図である。
1 吸着塔
2 湿式酸化塔
3 ポンプ
4 熱交換器
5 コンプレッサー
6 気液分離器
21 無触媒湿式酸化塔
22 吸着塔
23 触媒式湿式酸化塔
24 ポンプ
25 熱交換器
26 コンプレッサー
27 気液分離器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
B01J 41/02 8017−4G
C02F 1/28 CDP P 9262−4D
9/00 Z 6647−4D
(72)発明者 佐野 邦夫
兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の
1 株式会社日本触媒触媒研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 廃水を固体触媒の存在下、かつ、液相を
保持する状態で分子状酸素に接触させることにより酸化
処理する廃水の処理方法において、前記廃水に含まれて
いるリンを予め除去しておくことを特徴とする廃水の処
理方法。 - 【請求項2】 廃水からのリンの除去を、吸着材にリン
を吸着させることにより行う請求項1記載の廃水の処理
方法。 - 【請求項3】 リンをオルトリン酸イオンの状態で吸着
材に吸着させる請求項2記載の廃水の処理方法。 - 【請求項4】 廃水を吸着材の存在下、かつ、液相を保
持する状態で分子状酸素に接触させる請求項2または3
記載の廃水の処理方法。 - 【請求項5】 廃水からのリンの除去を行う前に、廃水
を触媒の不存在下、かつ、液相を保持する状態で分子状
酸素に接触させることによりリンをオルトリン酸イオン
の状態に変化させる請求項2から4までのいずれかに記
載の廃水の処理方法。 - 【請求項6】 吸着材として、チタン、ジルコニウム、
アルミニウムおよび鉄からなる群より選ばれる少なくと
も1種の元素の酸化物からなる吸着材を用いる請求項2
から5までのいずれかに記載の廃水の処理方法。 - 【請求項7】 リンを吸着した吸着材にアルカリ溶液を
流して接触させることにより、吸着材を再生する請求項
3から6までのいずれかに記載の廃水の処理方法。 - 【請求項8】 アルカリ溶液を40〜160℃に昇温し
た状態で吸着材に接触させる請求項7記載の廃水の処理
方法。 - 【請求項9】 固体触媒として、チタン、ケイ素および
ジルコニウムよりなる群から選ばれる少なくとも2種の
元素の酸化物と、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
セリウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群
から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する、水に
不溶性または難溶性の触媒を用いる請求項1から8まで
のいずれかに記載の廃水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18000491A JP3226565B2 (ja) | 1991-07-20 | 1991-07-20 | 廃水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18000491A JP3226565B2 (ja) | 1991-07-20 | 1991-07-20 | 廃水の処理方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001101464A Division JP3272714B2 (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 廃水の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0523678A true JPH0523678A (ja) | 1993-02-02 |
JP3226565B2 JP3226565B2 (ja) | 2001-11-05 |
Family
ID=16075774
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18000491A Expired - Fee Related JP3226565B2 (ja) | 1991-07-20 | 1991-07-20 | 廃水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3226565B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008538529A (ja) * | 2005-03-24 | 2008-10-30 | ジーイー・ヘルスケア・リミテッド | ストリッピング法 |
WO2009063456A1 (en) * | 2007-11-12 | 2009-05-22 | Technion Research And Development Foundation Ltd | Method for adsorption of phosphate contaminants from water solutions and its recovery |
WO2021172619A1 (ko) * | 2020-02-25 | 2021-09-02 | 인오켐주식회사 | 불소흡착재, 이의 제조방법, 및 이를 이용한 불소 함유 폐수 처리방법 |
CN116891328A (zh) * | 2023-09-07 | 2023-10-17 | 北京惠宇乐邦环保科技有限公司 | 一种乙酰甲胺磷生产废水的资源化处理方法 |
-
1991
- 1991-07-20 JP JP18000491A patent/JP3226565B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008538529A (ja) * | 2005-03-24 | 2008-10-30 | ジーイー・ヘルスケア・リミテッド | ストリッピング法 |
JP4772109B2 (ja) * | 2005-03-24 | 2011-09-14 | ジーイー・ヘルスケア・リミテッド | ストリッピング法 |
WO2009063456A1 (en) * | 2007-11-12 | 2009-05-22 | Technion Research And Development Foundation Ltd | Method for adsorption of phosphate contaminants from water solutions and its recovery |
WO2021172619A1 (ko) * | 2020-02-25 | 2021-09-02 | 인오켐주식회사 | 불소흡착재, 이의 제조방법, 및 이를 이용한 불소 함유 폐수 처리방법 |
CN116891328A (zh) * | 2023-09-07 | 2023-10-17 | 北京惠宇乐邦环保科技有限公司 | 一种乙酰甲胺磷生产废水的资源化处理方法 |
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---|---|
JP3226565B2 (ja) | 2001-11-05 |
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