JPH07185540A - 廃水処理用吸着材およびその吸着材を用いた廃水の処理方法並びにその吸着材の再生方法 - Google Patents

廃水処理用吸着材およびその吸着材を用いた廃水の処理方法並びにその吸着材の再生方法

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JPH07185540A
JPH07185540A JP33595693A JP33595693A JPH07185540A JP H07185540 A JPH07185540 A JP H07185540A JP 33595693 A JP33595693 A JP 33595693A JP 33595693 A JP33595693 A JP 33595693A JP H07185540 A JPH07185540 A JP H07185540A
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adsorbent
treatment
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wastewater
liter
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JP33595693A
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Yusuke Shioda
祐介 塩田
Toru Ishii
徹 石井
Kiichiro Mitsui
紀一郎 三井
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、化学プラント設備、メッキ工業設
備、皮革製造設備、金属工業設備、金属鉱業設備等から
排出される廃水を浄化処理に用いる吸着材、特に湿式酸
化処理の前処理用の吸着材に関するものである。 【構成】 本発明は、チタン、ジルコニウム及び鉄より
なる群から選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物を含
有する廃水処理用吸着材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学プラント設備、メ
ッキ工業設備、皮革製造設備、金属工業設備、金属鉱業
設備、食品製造設備、医薬品製造設備、繊維工業設備、
紙パルプ工業設備、染色染料工業設備、電子工業設備、
機械工業設備、印刷製版設備、ガラス製造設備、写真処
理設備等から排出される廃水を浄化処理する方法に関す
る。さらに詳しくは、高い化学的酸素要求量(以下CO
Dとも記載する)を有し、かつ重金属類またはアルミニ
ウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム等の物質を含
有するところの該廃水を浄化する処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、廃水のCODの低減に有効な浄化
方法、廃水に含有される窒素等を取り除く浄化方法、廃
水に含有される重金属類を取り除く浄化方法またはそれ
らの方法を兼ね備えた浄化方法など種々の浄化処理方法
が検討されてきた。例えば生物的処理法、燃焼法、加熱
蒸発させる乾固法、塩素系薬剤による酸化法、電解酸化
法、過酸化水素−第1鉄塩法、オゾン酸化法、無機もし
くは有機凝集剤の添加による凝集分離除去法、活性炭、
無機吸着材もしくは有機高分子材料などを用いた吸着分
離除去法、膜を用いた逆浸透法、電気透析法、限外濾過
法および湿式酸化法などが実施ないしは提案されてお
り、特に固体触媒を用いた湿式酸化法(以下、触媒湿式
酸化処理とも記載する)はその高い廃水の浄化性ならび
に優れた経済性等の面から近年特に注目されている。
【0003】上記触媒湿式酸化処理においては、廃水中
の有機化合物、窒素含有化合物、イオウ含有化合物、ハ
ロゲン含有化合物等の種々のCOD成分および有害物質
等を酸化もしくは酸化分解し、無害な物質に転換して高
い浄化性を発揮することができるが、廃水中に溶解若し
くは懸濁した重金属類、アルミニウム、ケイ素、カルシ
ウム、マグネシウム等(以下、スケール生成物質とも記
載する)を含有した場合には触媒湿式酸化処理における
触媒の表面にこれらの物質を含有したスケールもしくは
固形物が付着もしくは堆積し、触媒の耐久性が低下する
問題があった。このため種々の方法、例えば(i)廃水中
に添加剤等を添加しスケールを生成し難くする方法、(i
i)装置などシステムを改良し、スケールを付着し難くす
る方法、(iii)前処理で廃水中のスケール生成物質を取
り除き、スケールを生成させない方法、(iv)付着したス
ケールを洗浄剤等を使用し取り除く方法などが実施もし
くは提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の(i)〜(iv)の方
法を用いた場合は、例えば以下のような問題があり、い
ずれの方法もそれらに対する改善の必要性があり、完全
に上記問題点を解決するには不十分である。(i)添加剤
を添加する方法では、特定のスケール生成物質には効果
はあるが、その他大多数のスケール生成物質に対して効
果は少なく。(ii)装置などのシステム改良で解決する方
法は、設備の費用、スペース等の問題があり、実施する
には一般に困難であり、また効果のある方法を採用して
も完全に上記問題点を解決することはできない。(iii)
前処理でスケール生成物質を取り除く方法では、種々の
スケール生成物質すべてを取り除くには多大な前処理が
必要となり、また十分に取り除くことが困難である。従
って、触媒湿式酸化処理をするには、(iv)の方法を用い
て触媒等を洗浄する方法が必要不可欠であるが、洗浄剤
を用いた洗浄を触媒に対して行った場合には、触媒の種
類、洗浄剤の種類、ならびに洗浄条件によっては触媒自
体が劣化してしまうために洗浄できない場合も多々あっ
た。
【0005】このため本発明では、上記の問題点の解
決、すなわち触媒湿式酸化処理において低コストで、か
つ広く種々のスケール生成物質に対して吸着除去効果が
あり、スケール洗浄剤ならびにその洗浄条件に対しても
耐久性のある触媒湿式酸化処理用の吸着材ならびに吸着
材の使用方法を提示するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め鋭意研究の結果、本発明は廃水が液相を保持する圧力
下で酸素含有ガスの供給下に固体触媒を用いて廃水を触
媒湿式酸化処理する廃水の処理方法において固体触媒を
用いて廃水を触媒湿式酸化処理する前にチタン、ジルコ
ニウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくとも一種
の元素の酸化物を含有する廃水処理用の吸着材を用いて
廃水を処理し、廃水中に含まれる重金属類、アルミニウ
ム、ケイ素、カルシウム又はマグネシウムを吸着除去す
ることを特徴とする操作容易にして実用性、経済性にお
いて優れた廃水処理用の吸着材ならびに吸着材の使用方
法を提供し、さらには、該廃水処理用吸着剤の再生方法
を提供するものである。本発明は、以下のように特定さ
れる。
【0007】(1)チタン、ジルコニウム及び鉄よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有
することを特徴とする廃水中の重金属類、アルミニウ
ム、ケイ素、カルシウム又はマグネシウムの少なくとも
一種を吸着し除去する廃水処理用吸着材。
【0008】(2)上記1記載の吸着材を単管式又は多
管式の吸着装置に充填し、該吸着装置に廃水供給用ポン
プを用いて廃水を供給し、廃水を処理することを特徴と
する廃水の処理方法。
【0009】(3)上記1記載の吸着材を充填した単管
式又は多管式の吸着装置と、固体触媒を充填した湿式酸
化処理装置とを組み合わせた廃水の処理装置に、廃水供
給用ポンプを用いて廃水を供給し廃水の処理をする方法
であって、かつ該廃水の流れに対し、該吸着装置を該湿
式酸化処理装置の上流側に設置することを特徴とする廃
水の処理方法。
【0010】(4)上記1記載の吸着材を、10℃以上
200℃未満の温度の酸性の水溶液を用いて洗浄し、該
吸着材を再生することを特徴とする廃水処理用吸着材の
再生方法。
【0011】(5)上記1記載の吸着材を、50℃以上
300℃未満の温度のアルカリ性の水溶液を用いて洗浄
し、該吸着材を再生することを特徴とする廃水処理用吸
着材の再生方法。
【0012】本発明における吸着材の組成は、チタン、
ジルコニウムおよび鉄よりなる群から選ばれる少なくと
も一種の元素を含む酸化物を含有するものであるならば
特に限定されるものではなく、本発明の吸着材としての
効果を発揮できるものである。 また、上記元素の酸化
物とは、各々元素の酸化物、それらの混合物、または適
宜選択される元素の複合酸化物等を総称することもあ
る。
【0013】この吸着材は、吸着材全重量のうち、チタ
ンを含む酸化物(TiO2として)を0〜100重量
%、ジルコニウムを含む酸化物(ZrO2として)を0
〜100重量%及び/又は鉄を含む酸化物(Fe23
して)を0〜100重量%含有するものである。
【0014】また、好ましくはチタンを含む酸化物(T
iO2として)、ジルコニウムを含む酸化物(ZrO2
して)及び鉄を含む酸化物(Fe23として)を合計で
30重量%以上含有するものである。すなわちチタンを
含む酸化物(TiO2として)、ジルコニウムを含む酸
化物(ZrO2として)及び鉄を含む酸化物(Fe23
として)を合計で、吸着材全量のうち30〜100重量
%使用することもできる。
【0015】上記チタンを含む酸化物、ジルコニウムを
含む酸化物及び/又は鉄を含む酸化物の合計が吸着材全
量のうち100重量%に満たない場合は、水系で安定な
無機酸化物等を用いることができ、例えば、コバルト、
ニッケル、クロム、マンガン、銅、スズ、ニオブ、バリ
ウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、アルミニ
ウム、ケイ素等の酸化物またはガラス繊維等の成分であ
る。
【0016】これらの成分を含ませるのは、吸着材の成
形性、機械的強度等を向上させる目的である。なお、7
0重量%を超えて吸着材に添加するのは、本発明の吸着
材の吸着能力を低下させるおそれが生じるため好ましく
ない。
【0017】また、チタン、ジルコニウム又は鉄の元素
の酸化物を用いる場合、チタン及び/又はジルコニウム
の酸化物と、鉄の酸化物とを組み合わせてなる吸着材で
あることが好ましい。この場合、チタンを含む酸化物
(TiO2として)及び又はジルコニウムを含む酸化物
(ZrO2として)は、該吸着材の全量に対し、5重量
%以上であることが好ましい。5重量%未満である場合
には、本発明によるところの廃水を湿式酸化処理する条
件下で該吸着材を使用した場合に、吸着材の形状維持の
ための機械的強度が低下するものである。
【0018】また好ましくはチタンを含む酸化物(Ti
2として)及び/又はジルコニウムを含む酸化物(Z
rO2として)を、吸着材全量において各々10重量%
以上含有するものである。すなわちチタンを含む酸化物
(TiO2として)及び/又はジルコニウムを含む酸化
物(ZrO2として)を合計で10〜100重量%含有
するものである。
【0019】鉄の酸化物を含有する場合は、重金属等の
吸着力を向上させるものである。鉄の酸化物を含有する
場合は、特に重金属類、アルミニウム、ケイ素、カルシ
ウム、マグネシウム等に対して吸着性能が高く、より多
くの量のスケール生成物質を取り除くことができ、処理
後のスケール生成物質の浄化達成濃度も低くすることが
できるものである。
【0020】一方、吸着材を、酸性溶液で洗浄する場合
には耐久性、強度の劣化、長時間の使用においての耐久
性を考慮すると、鉄を含む酸化物(Fe23として)
は、吸着材全重量の5〜90重量%であることが好まし
い。但し、チタンを含む酸化物(TiO2として)とジ
ルコニウムを含む酸化物(ZrO2として)と鉄を含む
酸化物(Fe23として)との合計は30重量%以上で
ある。
【0021】また、このため吸着性能は上記の鉄を含有
した吸着材よりも若干劣るが、吸着材の酸性での洗浄に
対して耐久性に優れ、強度の劣化および吸着性能の低下
を生じ難く、長時間の使用に耐えられるものとしては、
チタンを含む酸化物(TiO2として)及び/又はジル
コニウムを含む酸化物(ZrO2として)の合計が吸着
材全量に対して95〜100重量%含有しているものが
好ましい。
【0022】なお、吸着材を使用する条件によっては、
チタン及び/又はジルコニウムの酸化物を使用すること
ができ、さらに好ましいのはチタンとジルコニウムの二
元系複合酸化物である。チタン及び/又はジルコニウム
の酸化物は、廃水の浄化処理ならびに吸着材の再生処理
(以下、「洗浄」ともいう)に対して耐久性に優れ、特
にチタンとジルコニウムの二元系の複合酸化物は、耐久
性に優れているものである。
【0023】該二元系の複合酸化物は、鉄を含有する吸
着材に比べ、吸着力で若干劣るが、廃水処理に際して
は、鉄を含有する場合に比べより広いpH領域で使用可
能であり、約pH1.5未満の酸性の領域でも使用でき
るものである。
【0024】このためアルカリ性から中性のpH領域で
廃水を処理していた吸着材を塩酸水溶液、硫酸水溶液、
ならびに硝酸水溶液等の酸性の洗浄剤を使用して再生す
ることができる。また逆に酸性から中性のpH領域で廃
水を処理していた吸着材を水酸化ナトリウム水溶液等の
アルカリ性の洗浄液を使用して再生することもできるも
のである。しかし、チタンおよび/またはジルコニウム
の酸化物と鉄の酸化物からほぼ構成された吸着材は、再
生処理温度等の他の再生処理条件にもよるが、例えば、
約pH1.5未満の酸性の領域で該吸着材の再生処理を
実施した場合には、例えば塩酸水溶液、硫酸水溶液、な
らびに硝酸水溶液等の酸性の洗浄剤を使用して該吸着材
を再生した場合には徐々に吸着性能が低下するものであ
り、なおかつ該吸着材の強度も徐々に低下する。
【0025】本発明によるところの吸着材は、該吸着材
の原料中に含有される物質および不純物、ならびに該吸
着材製造工程中に混入する物質および不純物が含有され
ることがある。例えば、ケイ素、アルミニウム、硫黄、
ハロゲン、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム、窒素、クロム、ニッケルなどの物質があるが、
これらを微量含有しても、本発明によるところの吸着材
としての効果に影響を与えるものでない限り、特に吸着
材としての効果に何だ差し障りのないものである。 該
不純物の許容範囲としては、該吸着材の全重量に対し、
5重量%以下であることである。5重量%を超えて不純
物が吸着材に含まれる場合には吸着材の吸着性能が低下
し好ましくないだけではなく、さらに本発明に係る廃水
の吸着処理において、該吸着材の使用可能なpH領域が
かなり限定され、特定のpH領域でないと該吸着材を使
用できない場合も生じるからである。
【0026】本発明における吸着材の形状は、特に限定
されるものではないが、例えばペレット状、粒状、球状
もしくはリング状のもの、または、ハニカムなどの一体
構造体等、種々の形状の物を使用することができる。
【0027】粒状および球状の吸着材としては、平均粒
径1〜10mm、好ましくは2〜7mmである。平均粒
径が1mm未満であると圧力損失が増加し、また10m
mよりも大きい場合には十分な幾何学的表面積をとれ
ず、接触効率が低下し、十分な処理能力が得られなくな
り好ましくない。
【0028】ペレット状の吸着材としては、平均径1〜
10mm、好ましくは3〜8mmで、平均長さ2〜15
mm、好ましくは3〜10mmである。平均径が1mm未
満または平均長さが2mm未満であると圧力損失が増加
し、また平均径が10mmよりも大きいもしくは平均長
さが15mmよりも大きい場合には十分な幾何学的表面
積をとれず、接触効率が低下し、十分な処理能力が得ら
れなくなり好ましくない。
【0029】リング状の吸着材としては、平均外径4〜
15mm、好ましくは6〜12mmで、平均長さ2〜1
5mm、好ましくは3〜10mmで、平均肉厚0.5〜
5mm、好ましくは1〜4mmである。平均外径が4m
m未満または平均長さが2mm未満であると圧力損失の
増加ならびに成形性が困難であり、また平均外径が15
mmよりも大きいもしくは平均長さが15mmよりも大
きい場合には十分な幾何学的表面積をとれず、接触効率
が低下し、十分な処理能力が得られなくなり好ましくな
い。また平均肉厚が0.5mm未満の場合には圧力損失
が小さくなり、吸着材を軽量化できるという利点がある
が、吸着材の機械的強度が低下することがあり、平均肉
厚が5mmを越える場合には機械的強度は十分である
が、十分な幾何学的表面積をとれず、接触効率が低下
し、十分な処理能力が得られなくなり好ましくない。
【0030】ハニカム状触媒の形状としては、貫通孔の
相当直径が2〜20mm、セル肉厚が0.1〜3mmお
よび開孔率が50〜90%の範囲が好ましい。さらに貫
通孔の相当直径が2.5〜15mm、セル肉厚が0.5
〜3mmおよび開孔率が50〜90%の範囲であること
が特に好ましい。貫通孔の相当直径が2mm未満である
場合には圧力損失が大きく、また相当直径が20mmを
越える場合には圧力損失は小さくなるが、接触効率が低
下して吸着効率が低くなる。またセル肉厚が0.1mm
未満の場合には圧力損失が小さくなり、吸着材を軽量化
できるという利点があるが、吸着材の機械的強度が低下
することがある。セル肉厚が3mmを越える場合には機
械的強度は十分であるが、圧力損失が大きくなることが
ある。開孔率についても上記と同様の理由から50〜9
0%の範囲が好ましい。
【0031】本発明における吸着材のBET法比表面積
は5〜200m2/gであるならば特に限定されるもの
ではないが、好ましくは10〜80m2/gである。5
2/g未満の場合には被処理物質と吸着材との接触効
率が低下し、吸着材の吸着性能が低下するものであり、
また200m2/gよりも大きい場合には吸着材の機械
的強度が弱くなるので好ましくない。
【0032】また本発明の吸着材の製造ならびに成形方
法は特に限定されるものではなく、種々の製造方法なら
びに成型方法によって吸着材を作成することができる
が、吸着材を製造もしくは成形した時の焼成は、300
℃以上で1時間以上、酸素含有ガスの供給下に焼成する
ことが好ましく、更に焼成温度は350〜800℃、焼
成時間は1〜5時間、酸素含有ガスは空気であることが
より好ましい。焼成温度が300℃未満もしくは焼成時
間が1時間未満である場合は、吸着材の機械的強度が低
下するため好ましくない。また800℃よりも高い場合
には該吸着材の比表面積が低下し、被処理物質と吸着材
との接触効率が低下し、吸着材の吸着性能が低下するも
のである。
【0033】本発明において吸着材の使用方法は触媒湿
式酸化処理を実施する前に用いるのであれば特に限定さ
れるものではなく、廃水が室温であっても十分廃水中の
有害物質を吸着することができ、本発明に係る目的の一
つである廃水中の有害物質の除去を達成することができ
る。また、本発明の廃水処理用吸着材は、廃水を触媒湿
式酸化処理するときの前処理用または後処理用としても
使用することができる。
【0034】前処理用の吸着材として使用する場合は、
例えば、140℃以上370℃未満の温度のもと廃水が
液相を保持する圧力下、酸素含有ガスの供給下に、固体
触媒を用いて湿式酸化する廃水の処理方法において、廃
水の流れに対し上流側に該吸着材を下流側に固体触媒を
用いて使用するような場合である。
【0035】上記のような使用方法の場合には、本発明
に係る吸着材が効果を示す成分を含むものであれば廃水
の成分について特に限定されないが、より効果的なもの
としては、重金属類、アルミニウム、ケイ素、カルシウ
ム、マグネシウム等が含まれるような廃水である。
【0036】この処理方法を採用することにより、廃水
中のアルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム
などの触媒湿式酸化処理にとって有害な物質、または重
金属類は、酸化物、水酸化物、無機塩、その他の化合物
等の水に不溶性もしくは難溶性の物質に変化して析出し
て吸着材により吸着されるか、またはこの処理で水に不
溶性もしくは難溶性の化合物となって析出する他の物質
などに吸着されて同じく吸着材により吸着されるか、ま
たは湿式酸化条件下で処理されることで吸着材と化学的
に反応し、直接吸着材に吸着除去される。
【0037】本発明におけるこの湿式酸化条件下で吸着
材を使用する処理は同時に、この廃水中のその他の汚染
物質、例えば有機物および無機COD成分等をも酸化お
よび酸化分解し、より低分子量な有機物、無機塩、炭酸
ガス、水および灰分等に転換し、廃水のCODをも一部
浄化できるものである。
【0038】このため、重金属類および有害物質等が廃
水中の有機物等と化合物を形成し、廃水中に溶解してい
るような場合には、本発明は廃水中の有機物をも同時に
分解可能なため、廃水中からの重金属類および有害物質
等の除去にたいへん効果的である。すなわち、重金属類
および有害物質等が、例えば、有機金属化合物、キレー
ト化合物、錯イオン、錯イオン、錯塩などの錯体若しく
は錯化合物として廃水中に溶解しているような場合に
は、この処理によりキレート化合物の有機物などが分解
され、重金属類および有害物質等がイオンなどの形態と
して遊離される。このため、重金属類および有害物質等
は、一般的に使用されるような吸着材では除去困難であ
ったこれらのキレート化合物の形態であったとしても本
発明では除去が容易なものである。
【0039】このため、このような廃水組成の場合に
は、この吸着材使用の条件は、室温ではなく通常の湿式
酸化の条件とほぼ等しいことが好ましい。すなわち効果
的には吸着材使用の条件は、処理温度が100℃以上3
70℃未満の温度の下、廃水が液相を保持する圧力下
で、酸素含有ガスの供給下に湿式酸化処理する条件であ
り、効果的には150℃以上300℃未満である。処理
温度が100℃未満の場合にはキレート化合物等の有機
物を分解することが困難で、なおかつキレート化合物等
の有機物を分解しなくともそれから重金属類および有害
物質等を遊離させることも困難である。このため重金属
類および有害物質等を吸着除去するのが困難であり、ま
た150℃未満の場合もまだ十分にキレート化合物の有
機物を分解することができないことが多いため重金属類
および有害物質等を吸着除去するのが不十分な場合が多
い。また処理温度が370℃以上である場合は廃水の液
相を維持することができないものであり、300℃以上
である場合は液相を維持するためにかなりの加圧条件を
必要とするため設備費ならびに運転費的にコストが高く
なるものである。
【0040】また酸素含有ガスの種類は特に限定される
ものではないが、好ましくは価格の安価な空気であり、
オゾン、酸素等のガスを用いる場合には適宜不活性ガス
等により希釈して用いることもできる。またこれらのガ
ス以外にも他のプラントより生じる酸素含有の排ガスも
適宜使用することができる。
【0041】この酸素含有ガスの使用量は処理廃水の濃
度により適宜選択されるが、廃水中のCOD成分等を完
全に水、炭酸ガス、無機塩、その他灰分等にするに必要
な酸素量の0.3〜5倍、より好ましくは1.0〜3倍
である。5倍を越えるときは無用の酸素の供給となり、
0.3倍未満である場合は必要な酸素量に足らず重金属
類および有害物質の除去が不完全なものとなる。また
0.3〜1.0倍の範囲は、廃水中のCOD成分等を完
全に水、炭酸ガス、無機塩、その他灰分等にするに必要
な酸素量として足らないが、通常の湿式酸化処理ではC
ODの処理効率は100%未満となることから、例えば
1.0倍で供給した酸素は最終的に100%使用される
ことはなく、残ることが多い。このため、このような場
合には供給する酸素量を実際の処理効率にあわせて1.
0倍未満に減少させても、処理後に酸素が残存する酸素
過剰の状態が保たれるのであれば処理に支障をきたさな
いものである。
【0042】本発明によるところの吸着材を使用した廃
水の吸着処理における液の処理量は、一般的に空間速度
としては、0.1hr~1〜10hr~1であり、より好ま
しくは、0.5hr~1〜5hr~1が好ましい。空間速度
10hr~1を越える場合には、吸着処理の効率が低下
し、空間速度0.1hr~1未満である場合は、処理量が
低下し、設備が過大なものとなるためである。
【0043】本発明によるところの吸着材で廃水を処理
する時の廃水のpHは、酸性領域からアルカリ性領域ま
での間で適宜設定することができ、例えばpH1〜14
とされる。しかし好ましくは除去する物質の各pHにお
ける溶解度、処理に使用する配管および容器等の材質の
腐食性、ならびに引き続き実施する触媒湿式酸化処理の
適正pH等からpH2〜13.8であることが好まし
く、さらに効果的にはpH5〜9である。処理に使用す
る配管および容器等の材質の腐食性の面からはpHはな
るべく中性領域からアルカリ性の領域で使用することが
好ましいためpH5以上であることが効果的である。
【0044】このため本発明によるところの吸着材で廃
水を処理する場合、廃水のpHを適宜調整することがで
き、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、硫酸等もしくはこれらの水溶液等を適宜添加でき、
特に限定されるものではない。またこの場合の添加方法
も特に限定されるものではなく、廃水のストックタンク
等に前もって添加しておく場合もあれば、フィ−ドポン
プ等を用いて連続的に添加し、pHを調整することもで
きる。同様に本発明によるところの吸着材で廃水を処理
した後、触媒湿式酸化処理を実施するのに適したpHと
なるように適宜上記と同じように水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸等もしくはこれら
の水溶液等を本発明によるところの吸着材で処理した処
理水に添加でき、特に限定されるものではなく、この添
加方法に関しても特に限定されるものではない。
【0045】本発明における廃水中の重金属類ならびに
有害物質の量は特に限定されるものではないが、これら
の合計で1mg/リットル以上含有している廃水を処理
することが好ましい。1mg/リットル未満である場合
には本発明によるところの吸着除去を実施しなくとも触
媒湿式酸化処理を実施するに問題の少ないものである。
またこれらの合計で1g/リットル未満であることが好
ましく、より好ましくは0.1g/リットル未満であ
る。1g/リットル以上である場合には、本発明による
ところの吸着材による除去だけでは、除去する物質の量
が多すぎるために吸着材の寿命が短いものとなる。
【0046】このため本発明においては、除去したい重
金属類や有害物質の量が多いこと、あるいはその他の理
由により除去したい重金属類や有害物質の濃度が本発明
を行った後にも十分な濃度にまで低減されない場合は、
本発明の実施前に、予め従来からある重金属類や有害物
質の浄化方法、例えば活性炭、無機吸着材もしくは有機
高分子材料などを用いた吸着分離除去法および電気透析
法などを用いて除去することもできる。また同様に本発
明の実施後にも従来からある重金属類や有害物質の浄化
方法、例えば活性炭、無機吸着材もしくは有機高分子材
料などを用いた吸着分離除去法および電気透析法などを
用いて除去することもできる。
【0047】本発明において吸着材は適宜洗浄すること
ができ、その洗浄方法等によって特に限定されるもので
はなく、例えば、水、ならびにアルカリ性の水溶液、酸
性の水溶液等を用いて実施するが、好ましくはアルカリ
性の水溶液もしくは酸性の水溶液を用いて実施するのが
効果的である。水単独では吸着材に物理的に弱く付着し
たようなスケール分を取り除くことはできるが、物理的
に強く吸着したスケール分および化学的に吸着したスケ
ール分等を取り除くことは困難である。本発明の吸着材
はこの洗浄においても劣化しないものであり、従来から
ある種々の吸着材ではこのような洗浄を実施した場合に
は劣化して再使用不能となる場合が多い。
【0048】この洗浄液として使用するアルカリ性の水
溶液は特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウム
水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液
等の種々のアルカリ水溶液を用いることができる。また
酸性の水溶液としても特に限定されるものではなく、硫
酸水溶液、硝酸水溶液、塩酸水溶液、各種有機酸水溶液
等の種々の酸性の水溶液を用いることができる。これら
の洗浄液は洗浄する吸着材上に付着した物質の種類によ
って使い分けるものであるが、一般的には水酸化ナトリ
ウム水溶液、もしくは硫酸水溶液、硝酸水溶液、塩酸水
溶液が好ましいものである。
【0049】これらの溶液の濃度は、例えば塩酸水溶液
を用いる場合には塩化水素の濃度で、または硫酸水溶液
を用いる場合には硫酸の濃度で、3g/リットル以上含
まれている場合が効果的であり、さらに効果的であるの
は10g/リットル以上である。塩化水素の濃度または
硫酸の濃度が3g/リットル未満の場合は、洗浄の効果
が著しく減少する。また10g/リットル未満の場合は
洗浄液の量が多いものとなり、洗浄後の処理が煩雑なも
のとなる。そのうえ短時間で洗浄処理を完結するために
は処理温度を比較的高温の100℃以上にする必要があ
り、このため加圧条件下に洗浄条件を設定するなど厳し
い洗浄条件にする必要がある。
【0050】また硫酸水溶液については硫酸濃度が70
0g/リットル未満の場合が効果的であり、さらに効果
的であるのは300g/リットル未満の場合である。7
00g/リットル以上の場合は該硫酸水溶液の粘性が増
加し、洗浄液をフィードするのが困難になる。
【0051】また酸性の洗浄液を用いて洗浄を実施する
温度は、10℃〜200℃の温度であれば特に限定され
るものではないが、好ましくは常圧下での操作が可能と
なるため操作性の向上する100℃未満である。また処
理温度は高温の方が洗浄時間が短縮されかつ洗浄力も向
上するため、50℃以上であることが効果的である。な
お、処理温度が高温であり、かつ塩酸水溶液の塩化水素
の濃度が濃い場合もしくは硫酸水溶液の硫酸濃度が濃い
場合などには装置材質の耐食性が低下する場合もある。
【0052】このため処理温度が比較的高温で、なおか
つ塩酸水溶液の塩化水素の濃度が濃い場合もしくは硫酸
水溶液の硫酸濃度が濃い場合などには、特に限定される
ものではないが、該洗浄液に重金属イオンまたは重金属
の化合物等を添加する方が装置の耐食性の向上をはかる
ことができるため効果的である。しかし、この場合にお
いても処理温度160℃未満で処理した方が装置の耐食
性に対しては、好ましいものである。
【0053】またアルカリ水溶液の濃度は、例えば水酸
化ナトリウム水溶液を用いる場合には水酸化ナトリウム
の濃度で、1g/リットル以上含まれている場合が効果
的であり、さらに効果的であるのは10g/リットル以
上である。水酸化ナトリウムの濃度が1g/リットル未
満の場合は、洗浄の効果が著しく減少する。また10g
/リットル未満の場合は洗浄液の量が多いものとなり、
洗浄後の処理が煩雑なものとなるうえ短時間で洗浄処理
を完結するためには処理温度を比較的高温にする必要が
ある。また水酸化ナトリウムの濃度が400g/リット
ル未満の場合が好ましく、さらに好ましいのは300g
/リットル未満の場合である。400g/リットル以上
の場合は該洗浄液の粘性が増加し、洗浄液をフィ−ドす
るのが困難になるうえ、高温での使用には装置材質の耐
食性が低下する場合もある。
【0054】またアルカリ性の洗浄液を用いて洗浄を実
施する温度は、50℃〜300℃の温度であれば特に限
定されるものではないが、好ましくは130℃〜270
℃である。処理温度が低い場合は洗浄効果が少なく、洗
浄時間も多くかかる。このため高温の方が洗浄時間が短
縮されかつ洗浄力も向上するが、洗浄液が液相を保持す
る圧力下の温度で洗浄する必要がある。また過剰な高温
度の条件は運転コストの増大を生じるのみならず、装置
材質の耐食性が低下する場合もある。
【0055】吸着材洗浄の時の処理圧力は、洗浄温度と
の相関性により適宜選択され、洗浄液が液相を保持する
圧力下によりなされ、特に限定されるものではない。
【0056】本発明においての洗浄方法は、該洗浄液を
常に流した状態で洗浄する連続式の洗浄方法でも良い
し、吸着材の充填された容器内に溜めて一定時間放置し
て洗浄し、随時抜き出すバッチ式の洗浄方法であっても
良く、特に限定されるものではない。
【0057】本発明において吸着材を用いて重金属類な
らびに有害物質を除去した廃水は、固体触媒を用いた触
媒湿式酸化処理を実施することで有機物ならびに無機C
OD成分等を酸化もしくは酸化分解し、より低分子量な
有機物、無機塩、炭酸ガス、窒素ガス、水および灰分等
に転換して格段に廃水の浄化がなされるものである。
【0058】本発明の処理方法により浄化された廃水
は、直接放流、または後処理として生物処理または化学
的処理することもできる。この場合にあっても、予め重
金属類および有害物質等が廃水から除かれ、かつCOD
成分等もかなり低減され、しかも残留しているCOD成
分等は生物処理、化学的処理において非常に分解処理さ
れ易い物質まで分解されているため、生物処理設備また
は化学的処理設備への負担が非常に小さくなる。
【0059】また、本発明は、用地が狭くてすみ、装置
もコンパクトであるため、従来からあるような廃水処理
設備、例えば生物処理設備、燃焼処理設備などを採用し
た場合と比較して処理設備は小さく、処理プロセスも簡
素化され、設備投資や、ランニングコストの面において
も有利となる。
【0060】本発明に係わる有害物質は、アルミニウ
ム、ケイ素、マグネシウムおよびカルシウムからなる群
から選ばれる少なくとも一種であり、重金属類として
は、例えば、カドミウム、ニッケル、コバルト、マンガ
ン、銅、亜鉛、銀、鉄、クロム、錫、鉛、水銀、砒素、
ビスマス、タリウム、アンチモン、モリブテン、タング
ステンなどから選ばれる少なくとも一種である。また、
その状態としては特に限定されるものではないが、例え
ば上記の各種金属の元素イオンや錯イオン、有機金属化
合物等である。この重金属類のうち特に効果的であるの
は、鉛、カドミウム、ニッケル、コバルト、水銀、鉄、
銅、亜鉛、クロム、マンガン、銀である。
【0061】廃水のCODの濃度は、特に限定されるも
のではないが湿式酸化条件下で本発明を実施する場合、
1g/リットル〜200g/リットル含まれている場合
が効果的であり、より効果的であるのは10g/リット
ル〜100g/リットルである。CODの濃度が200
g/リットルを越える場合は、CODの酸化熱が非常に
大きくなるため処理装置の制御が困難であり、100g
/リットルを越える場合においてもCODの酸化熱が大
きいため冷却のための設備等を有する場合が多くコスト
的に高くなる。また1g/リットル未満である場合は、
昇温に必要な熱量をほぼすべて熱供給装置により供給し
なければならない。また10g/リットル未満である場
合においてもCODの酸化熱が小さく、付属設備として
熱交換装置を用いて熱回収しても、この熱だけによる湿
式酸化処理装置の自立運転は困難な場合が多い。このた
めこのような場合にも別途熱供給装置を必要とする場合
が多く、使用エネルギー面からも相対的に不利となる。
【0062】本発明において使用する吸着材を充填した
処理塔もしくは湿式酸化処理装置、ならびに触媒湿式酸
化処理装置は、通常使用されるものが用いられ、処理塔
および湿式酸化反応塔は、単管式、多管式のいずれの形
式であってもよいし、廃水に含まれる成分、その量等に
よっては単管式と多管式とを、単独または組み合わせて
処理に適した条件で処理することもできる。
【0063】また本発明において吸着材を充填した処理
塔もしくは湿式酸化反応塔と固体触媒を充填した触媒湿
式酸化反応塔を連続した一連の操作で処理することもで
きるし、それぞれ別々の処理として実施することもでき
るが、操作性の面等から前記の連続した一連の操作で実
施する方が効果的である。この場合、一般的に吸着材は
洗浄液を用いた洗浄を実施することが多いため、吸着材
の洗浄を実施する場合には、触媒まで洗浄を行わないよ
うに吸着材を充填した処理塔もしくは湿式酸化反応塔と
固体触媒を充填した触媒湿式酸化反応塔を分離できる構
造であることが好ましい。
【0064】ここで記述する触媒とは、固体触媒で、か
つ湿式酸化処理の条件下で活性と耐久性を兼ね備えたも
のであれば、いずれの触媒を使用してもよく、特に限定
されるものではないが、例えば、チタン、鉄、ジルコニ
ウム、マンガン、コバルト、ニッケル、タングステン、
銅、セリウム、銀、白金、パラジウム、ロジウム、金、
イリジウム、ルテニウム等の物質から選ばれるものから
構成されるものであることが好ましい。また、この触媒
形状としては、種々のものを採用することができ、特に
限定されるものではない。
【0065】本発明における触媒湿式酸化処理の処理温
度は、140℃以上370℃未満であり、好ましくは1
50℃以上300℃未満であり、さらに好ましくは16
0℃以上280℃未満である。370℃以上である場合
は、液が液相を保持できない。また、140℃未満であ
る場合は有機物および無機COD成分等の処理効率が低
下し、廃水の浄化が不完全なものとなる。
【0066】また触媒湿式酸化処理における酸素含有ガ
スの種類は、本発明によるところの吸着材を使用した廃
水の吸着処理の時と同様に、特に限定されるものではな
いが、好ましくは価格の安価な空気であり、オゾン、酸
素等のガスを用いる場合には適宜不活性ガス等により希
釈して用いることもできる。またこれらのガス以外にも
他のプラントより生じる酸素含有の排ガスも適宜使用す
ることができる。
【0067】この酸素含有ガスの使用量も本発明による
ところの吸着材を使用した廃水の吸着処理の時と同様
に、処理廃水の濃度により適宜選択されるが、廃水中の
COD成分等を完全に水、炭酸ガス、無機塩、その他灰
分等にするに必要な酸素量の0.3〜5倍、より好まし
くは1.0〜3倍である。5倍を越えるときは無用の酸
素の供給となり、0.3倍未満である場合は必要な酸素
量に足らず重金属類および有害物質の除去が不完全なも
のとなる。また0.3〜1.0倍の範囲は、廃水中のC
OD成分等を完全に水、炭酸ガス、無機塩、その他灰分
等にするに必要な酸素量として足らないが、通常の湿式
酸化処理ではCODの処理効率は100%未満となるこ
とから、例えば1.0倍で供給した酸素は最終的に10
0%使用されることはなく、残ることが多い。このた
め、このような場合には供給する酸素量を実際の処理効
率にあわせて1.0倍未満に減少させても、処理後に酸
素が残存する酸素過剰の状態が保たれるのであれば処理
に支障をきたさないものである。
【0068】触媒湿式酸化処理において処理水の処理量
は、本発明によるところの吸着材を使用した廃水の吸着
処理の時と同様に、一般的に空間速度としては、0.1
hr~1〜10hr~1であり、より好ましくは、0.5h
r~1〜5hr~1が好ましい。空間速度10hr~1を越え
る場合には、COD(Cr)等の廃水の処理効率が低下し、
空間速度0.1hr~1未満である場合は、処理量が低下
し、設備が過大なものとなるためである。
【0069】以下、本発明を実施例および比較例をあげ
て詳細に説明するが、本発明はこれだけに限定されるも
のではない。
【0070】
【実施例】
(実施例1)図1に示す湿式酸化処理装置を使用し、こ
の湿式酸化反応塔に吸着材を1リットル充填して湿式酸
化処理条件下で吸着処理を150時間連続して行った。
そして150時間後に得られた処理水中の鉄の量ならび
にカルシウムの量を測定した。以下に詳細な実験方法お
よび結果について記述する。
【0071】吸着材を使用した湿式酸化条件下での処理
の詳しい方法は、廃水供給ライン7より送られてくる廃
水を廃水供給ポンプ2で2リットル/hrの流量で80
kg/cm2Gまで昇圧フィードした。一方、酸素含有
ガス供給ライン8より供給される空気をコンプレッサー
3で昇圧した後、O2/COD(Cr)(空気中の酸素量/
化学的酸素要求量)=2.0の割合で前記該廃水に混入
した。この気液混合物を気液混合物供給ライン9を経
て、吸着材を充填した湿式酸化反応塔1に下部より導入
し、電気ヒーター4で加熱して処理温度260℃で湿式
酸化処理し、被処理水を一次処理水ライン10を経て、
冷却器5において冷却し、気液分離器6へ流した。この
吸着材層における廃水の空間速度は2hr~1であった。
気液分離器6においては、液面コントローラ(LC)に
より液面を検出して液面制御弁12を作動させて一定の
液面を保持するとともに、圧力コントローラ(PC)に
より、圧力を検出して圧力制御弁14を作動させて一定
の圧力を保持するように操作され、処理水排出ライン1
3から該処理水は排出される。
【0072】この処理に使用した吸着材は、チタンとジ
ルコニウムからなる二元複合酸化物で、その重量比は、
蛍光X線法によりTiO2:ZrO2=65:35であっ
た。またその形状はペレット状で、平均径6mm、平均
長さ8mmで、BET法による比表面積は35m2/g
であった。
【0073】処理に供した該廃水の性状は、ICP発光
分光分析法により分析したところ鉄が12mg/リット
ルならびにカルシウム7mg/リットル含有しており、
液体クロマト分析法によりエチレンジアミン四酢酸を分
析したところ220mg/リットル、ガスクロマト分析
法によりトリエタノールアミンを分析したところ100
mg/リットル含有していた。またCOD(Cr)は34g
/リットル、pHは8.5であった。
【0074】150時間後に得られた処理水の結果は、
鉄が0.1mg/リットル、カルシウムが0.4mg/
リットルであり、COD(Cr)は14g/リットル、pH
は4.3であった。またエチレンジアミン四酢酸および
トリエタノールアミンは検出されなかった。
【0075】またその後廃水の処理を停止し、湿式酸化
反応塔内に充填していた吸着材を抜き出したところ、反
応塔入り口付近の吸着材に、赤茶色をした固形物が付着
していた。この吸着材の表面をエレクトロン・プローブ
・マイクロアナライザーで分析した結果、この固形物
は、鉄ならびにカルシウムを主成分としたものであるこ
とが判った。
【0076】引き続き、上記固形物の付着した吸着材を
用い、再び同じ湿式酸化反応塔内に該吸着材を再充填
し、100g/リットルの塩酸水溶液を1リットル/h
rで供給し、90℃、6時間加熱し、吸着材の洗浄テス
トを実施した。その結果、吸着材表面に付着していた鉄
ならびにカルシウムを主成分とした固形物は取り除か
れ、この洗浄した後の吸着材の比表面積をBET法で測
定したところ35m2/gであり、本発明の実施前と変
化なかった。
【0077】(実施例2)図2に示す吸着材の充填され
た湿式酸化処理装置と触媒湿式酸化処理装置が連続に接
続された処理装置を使用し、廃水の処理を行った。この
湿式酸化反応塔1には吸着材を1リットル充填し、また
触媒湿式酸化反応塔21にも触媒を1リットル充填し、
600時間連続した処理を行った。そして200時間
後、400時間後、600時間後に得られた処理水を分
析測定した。以下に詳細な実験方法および結果について
記述する。
【0078】この処理の詳しい方法は、廃水供給ライン
7より送られてくる廃水を廃水供給ポンプ2で1リット
ル/hrの流量で70kg/cm2Gまで昇圧フィード
した。一方、酸素含有ガス供給ライン8より供給される
空気をコンプレッサー3で昇圧した後、O2/COD(C
r)(空気中の酸素量/化学的酸素要求量)=1.2の割
合で前記該廃水に混入した。この気液混合物を気液混合
物供給ライン9を経て、吸着材を充填した湿式酸化反応
塔に下部より導入し、電気ヒーター4で加熱して処理温
度250℃で湿式酸化処理し、得られた一次処理水を一
次処理水ライン10を経て、引き続き触媒を充填した触
媒湿式酸化反応塔21の下部より導入し、電気ヒーター
22で250℃に保温した状態で触媒湿式酸化処理し
た。触媒湿式酸化処理した二次処理水は二次処理水ライ
ン28を経て冷却器5において冷却し、気液分離器6へ
流した。この吸着材層ならびに触媒層における廃水の空
間速度はそれぞれ共に1hr-1であった。気液分離器6
においては、液面コントローラ(LC)により液面を検
出して液面制御弁12を作動させて一定の液面を保持す
るとともに、圧力コントローラ(PC)により、圧力を
検出して圧力制御弁14を作動させて一定の圧力を保持
するように操作され、処理水排出ライン13から該処理
水は排出される。この時、弁23および弁24は開、弁
25は閉とした。
【0079】この処理に使用した吸着材は、チタンと鉄
からなる酸化物で、その重量比は、蛍光X線法によりT
iO2:Fe23=35:65であった。またその形状
はペレット状で、平均径4mm、平均長さ6mmで、B
ET法による比表面積は30m2/gであった。
【0080】またこの処理に使用した触媒は、チタンと
鉄からなる酸化物(重量比は、蛍光X線法によりTiO
2:Fe23=35:65)とパラジウムからなる触媒
(パラジウム1.5重量%)であった。またその形状は
ペレット状で、平均径4mm、平均長さ6mmで、BE
T法による比表面積は30m2/gであった。
【0081】処理に供した該廃水の性状は、ケイ素を2
1mg/リットル含有しており、COD(Cr)は47g/
リットル、pHは10.8であった。
【0082】200時間後、400時間後、600時間
後に得られた触媒湿式酸化処理後の二次処理水の結果
は、ケイ素はすべて0.1mg/リットル未満であり、
COD(Cr)はそれぞれ740mg/リットル、760m
g/リットル、750mg/リットルで、pHはそれぞ
れ5.7、5.6、5.6であった。また吸着材を充填し
た湿式酸化反応塔出口の一次処理水をサンプリング用弁
26からサンプリングし、ケイ素の濃度を測定した結果
は、0.2mg/リットル、0.1mg/リットル、0.
2mg/リットルであり、COD(Cr)はすべて15g/
リットルで、pHはそれぞれ7.1、7.3、7.4であ
った。
【0083】またその後廃水の処理を停止し、湿式酸化
反応塔内に充填していた吸着材ならびに触媒湿式酸化反
応塔内に充填していた触媒を抜き出したところ、湿式酸
化反応塔入り口付近の吸着材に、白色をした固形物が付
着していた。この吸着材の表面をエレクトロン・プロー
ブ・マイクロアナライザーで分析した結果、この固形物
は、ケイ素を主成分としたものであることが判った。ま
た触媒は特に変化は認められなかった。
【0084】引き続き、上記固形物の付着した吸着材を
用い、再び同じ湿式酸化反応塔内に該吸着材を再充填
し、100g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を1
リットル/hrで供給し、150℃、6時間加熱し、吸
着材の洗浄テストを実施した。この場合、触媒湿式酸化
反応塔内に洗浄液が流入しないようにバイパスライン2
7に液が流れるように弁23および弁24を閉とし、弁
25を開とした。その結果、吸着材表面に付着していた
ケイ素を主成分とした固形物は取り除かれ、この洗浄し
た後の吸着材の比表面積をBET法で測定したところ3
0m2/gであり、本発明の実施前と変化なかった。
【0085】(実施例3)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、この湿式酸化反応塔に吸着材を1リットル充
填して湿式酸化処理条件下で吸着処理を150時間連続
して行った。そして150時間後に得られた処理水中の
カルシウムおよびマグネシウムの量を測定した。
【0086】この処理に使用した吸着材は、チタンから
なる酸化物であった。またその形状はペレット状で、平
均径5mm、平均長さ7mmで、BET法による比表面
積は50m2/gであった。
【0087】処理に供した該廃水の性状は、ICP発光
分光分析法により分析したところカルシウムが19mg
/リットルならびにマグネシウム12mg/リットル含
有しており、液体クロマト分析法によりエチレンジアミ
ン四酢酸を分析したところ250mg/リットル含有し
ていた。またCOD(Cr)は62g/リットル、pHは
9.6であった。
【0088】廃水の処理条件は、処理温度230℃、処
理圧力60kg/cm2G、O2/COD(Cr)(空気中の
酸素量/化学的酸素要求量)=2.0、廃水の空間速度
は2hr~1であり、実施例1と同様の方法により処理を
行った。
【0089】150時間後に得られた処理水の結果は、
カルシウムが0.1mg/リットル、マグネシウムが
0.4mg/リットルであり、COD(Cr)は47g/リ
ットル、pHは7.3であった。またエチレンジアミン
四酢酸は検出されなかった。
【0090】またその後廃水の処理を停止し、湿式酸化
反応塔内に充填していた吸着材を抜き出したところ、反
応塔入り口付近の吸着材に、白色をした固形物が付着し
ていた。この吸着材の表面をエレクトロン・プローブ・
マイクロアナライザーで分析した結果、この固形物は、
カルシウムおよびマグネシウムを主成分としたものであ
ることが判った。
【0091】引き続き、上記固形物の付着した吸着材を
用い、200g/リットルの硫酸水溶液を1リットル/
hrで供給し、150℃、6時間加熱し、吸着材の洗浄
テストを実施した。その結果、吸着材表面に付着してい
たカルシウムならびにマグネシウムを主成分とした固形
物は取り除かれ、この洗浄した後の吸着材の比表面積を
BET法で測定したところ50m2/gであり、本発明
の実施前と変化なかった。
【0092】(実施例4)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、この湿式酸化反応塔に吸着材を1リットル充
填して湿式酸化処理条件下で吸着処理を150時間連続
して行った。そして150時間後に得られた処理水中の
アルミニウムの量を測定した。
【0093】この処理に使用した吸着材は、チタンと鉄
からなる酸化物で、その重量比は、蛍光X線法によりT
iO2:Fe23=20:80であった。またその形状
は球状で、平均径6mm、BET法による比表面積は5
5m2/gであった。
【0094】処理に供した該廃水の性状は、ICP発光
分光分析法により分析したところアルミニウムを27m
g/リットル含有していた。またCOD(Cr)は23g/
リットル、pHは12.8であった。
【0095】廃水の処理条件は、処理温度160℃、処
理圧力9kg/cm2G、O2/COD(Cr)(空気中の酸
素量/化学的酸素要求量)=2.0、廃水の空間速度は
1hr~1であり、実施例1と同様の方法により処理を行
った。
【0096】150時間後に得られた処理水の結果は、
アルミニウムが1mg/リットルであり、COD(Cr)は
4.8g/リットル、pHは6.9であった。
【0097】またその後廃水の処理を停止し、湿式酸化
反応塔内に充填していた吸着材を抜き出したところ、反
応塔入り口付近の吸着材に、白色をした固形物が付着し
ていた。この吸着材の表面をエレクトロン・プローブ・
マイクロアナライザーで分析した結果、この固形物は、
アルミニウムを主成分としたものであることが判った。
【0098】引き続き、上記固形物の付着した吸着材を
用い、200g/リットルの炭酸ナトリウム水溶液を1
リットル/hrで供給し、160℃、6時間加熱し、吸
着材の洗浄テストを実施した。その結果、吸着材表面に
付着していたアルミニウムを主成分とした固形物は取り
除かれ、この洗浄した後の吸着材の比表面積をBET法
で測定したところ55m2/gであり、本発明の実施前
と変化なかった。
【0099】(実施例5)実施例4において、廃水に塩
化アルミニウムを添加し、アルミニウムの濃度を570
mg/リットルとした以外は、実施例4で記述した条件
と同条件で処理をした。
【0100】150時間後に得られた処理水の結果は、
アルミニウムが1mg/リットルであり、COD(Cr)は
4.8g/リットル、pHは6.3であった。
【0101】(実施例6)実施例4において、吸着材を
充填した湿式酸化反応塔の処理温度を25℃で行った以
外は、実施例4で記述した条件と同条件で処理をした。
【0102】150時間後に得られた処理水の結果は、
アルミニウムが8mg/リットルであり、COD(Cr)は
23g/リットル、pHは12.8であった。
【0103】(実施例7)実施例2において、吸着材を
充填した湿式酸化反応塔の処理温度を25℃で行い、触
媒湿式酸化反応塔において初めて加熱して250℃の処
理温度で触媒湿式酸化処理を行った以外は、実施例2で
記述した条件と同条件で処理をした。
【0104】この結果は200時間後、400時間後、
600時間後に得られた二次処理水の結果は、ケイ素は
すべて0.1mg/リットルであり、COD(Cr)はそれ
ぞれ1.5g/リットル、1.6mg/リットル、2.2
mg/リットルで、pHはそれぞれ5.5、5.5、5.
3であった。また空塔の湿式酸化反応塔出口の一次処理
水をサンプリング用弁26からサンプリングし、ケイ素
の濃度を測定した結果は、2mg/リットル、3mg/
リットル、3mg/リットルであり、COD(Cr)はすべ
て47g/リットルで、pHはすべて10.8であっ
た。
【0105】またその後廃水の処理を停止し、触媒湿式
酸化反応塔内に充填していた触媒を抜き出したところ、
反応塔入り口付近の触媒に、白色をした固形物が若干付
着していた。この吸着材の表面をエレクトロン・プロー
ブ・マイクロアナライザーで分析した結果、この固形物
は、ケイ素を主成分としたものであることが判った。
【0106】(比較例1)実施例1において、チタンと
ジルコニウムの複合酸化物からなる吸着材の代わりにア
ルミナを用いた以外は実施例1で記述した条件と同条件
で処理を行った。
【0107】吸着材に用いたアルミナの形状は球状で平
均直径5mm、BET法比表面積65m2/gであっ
た。
【0108】結果は、湿式酸化条件下での処理開始後す
ぐに処理水中に多量のアルミニウムが溶出した。このた
め湿式酸化反応塔を開放し、中に充填していたアルミナ
吸着材を取りだしたところアルミナの球状であった形状
が崩れ、アルミナの溶解したような形跡があった。
【0109】(比較例2)実施例2において、吸着材を
充填した湿式酸化反応塔に何も充填せず、空塔のまま処
理し、引き続いて触媒湿式酸化処理した以外は実施例2
で記述した条件と同条件で処理を行った。
【0110】200時間後、400時間後、600時間
後に得られた触媒湿式酸化処理後の二次処理水の結果
は、ケイ素はすべて0.1mg/リットルであり、CO
D(Cr)はそれぞれ780mg/リットル、810mg/
リットル、940mg/リットルで、pHはそれぞれ
5.6、5.7、5.5であった。また空塔の湿式酸化反
応塔出口の一次処理水をサンプリング用弁26からサン
プリングし、ケイ素の濃度を測定した結果は、18mg
/リットル、17mg/リットル、18mg/リットル
であり、COD(Cr)はすべて15g/リットルで、pH
はすべて7.4であった。
【0111】またその後廃水の処理を停止し、触媒湿式
酸化反応塔内に充填していた触媒を抜き出したところ、
反応塔入り口付近の触媒に、白色をした固形物が多量に
付着していた。この吸着材の表面をエレクトロン・プロ
ーブ・マイクロアナライザーで分析した結果、この固形
物は、ケイ素を主成分としたものであることが判った。
【0112】(比較例3)実施例1において、チタンと
ジルコニウムの酸化物からなる吸着材の代わりに市販の
陽イオン交換樹脂を用い、処理温度25℃で処理した以
外は実施例1で記述した条件と同条件で処理を行った。
【0113】吸着材に用いた陽イオン交換樹脂は官能基
がスルホン酸系の強酸性タイプで、総交換容量4.4m
g当量/g乾燥樹脂であった。
【0114】150時間後に得られた処理水の結果は、
鉄が12mg/リットル、カルシウムが7mg/リット
ルで、鉄、カルシウム共に除去されていなかった。また
エチレンジアミン四酢酸およびトリエタノールアミン
は、それぞれ220mg/リットルおよび100mg/
リットルで変化なかった。
【0115】(比較例4)実施例2と同様の方法により
同じ廃水を処理した後、100g/リットルの塩酸水溶
液を1リットル/hrで供給し、130℃、6時間加熱
し、吸着材の洗浄テストを実施した以外は実施例2と同
様の方法で吸着材の洗浄を実施した。
【0116】結果は、吸着材表面に付着していたケイ素
を主成分とした固形物は取り除かれ、この洗浄した後の
吸着材の比表面積をBET法で測定したところ30m2
/gであり、本発明の実施前と特に変化はなかったが、
洗浄中に鉄が約140mg/リットルほど洗浄液中に溶
出した。これは吸着材の溶解によるものと考えられ、好
ましくないのは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施態様の一つであ
り、実施例1で使用する処理装置である。
【図2】本発明に係る処理装置の実施態様の一つであ
り、実施例2で使用する処理装置である。
【符号の説明】
1.湿式酸化反応塔 2.廃水(洗浄液)供給ポンプ 3.コンプレッサー 4.電気ヒーター 5.冷却器 6.気液分離器 7.廃水(洗浄液)供給ライン 8.酸素含有ガス供給ライン 9.気液混合物供給ライン 10.一次処理水ライン 11.冷却水ライン 12.液面制御弁 13.処理水排出ライン 14.圧力制御弁 15.ガス排出ライン 21.触媒湿式酸化反応塔 22.電気ヒーター 26.サンプリング弁 27.バイパスライン 28.二次処理水ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/62 ZAB 1/74 101

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン、ジルコニウム及び鉄よりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有する
    ことを特徴とする、廃水中の重金属類、アルミニウム、
    ケイ素、カルシウム又はマグネシウムの少なくとも一種
    を吸着し除去する廃水処理用吸着材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸着材を単管式又は多管
    式の吸着装置に充填し、該吸着装置に廃水供給用ポンプ
    を用いて廃水を供給し、廃水を処理することを特徴とす
    る廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の吸着材を充填した単管式
    又は多管式の吸着装置と、固体触媒を充填した湿式酸化
    処理装置とを組み合わせた廃水の処理装置に、廃水供給
    用ポンプを用いて廃水を供給し廃水の処理をする方法で
    あって、かつ該廃水の流れに対し、該吸着装置を該湿式
    酸化処理装置の上流側に設置することを特徴とする廃水
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の吸着材を、10℃以上2
    00℃未満の温度、酸性の水溶液を用いて洗浄し、該吸
    着材を再生することを特徴とする廃水処理用吸着材の再
    生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の吸着材を、50℃以上3
    00℃未満の温度、アルカリ性の水溶液を用いて洗浄
    し、該吸着材を再生することを特徴とする廃水処理用吸
    着材の再生方法。
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