JPH052352B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車用ハンドルの自動革巻き機に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来の自動車用ハンドルには、ハンドルが皮革
で被覆されたものがある。

この種のハンドルでは、予めハンドルの外径部
分から内径部分にかけて巻き付けられる寸法に裁
断された皮革片をハンドルに密着させて巻き付
け、その皮革片の両側端縁をハンドルの内径部分
の中心線上で突き合わせながら縫い付けてなるも
のが多い。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来の皮革巻き付けハンドルでは、ハンド
ルに皮革片を巻き付ける作業が人手に頼つて行わ
れていたから、作業能率が悪く、巻き付けの仕上
がりを良くするには、熟練を要し、それだけ製作
コストが割り高になるという欠点があつた。

本発明は、そのような欠点を解消しうる自動車
用ハンドルの自動革巻き機を提供することを目的
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は、自動車
用ハンドルであつて、その外径部分から両側部分
に皮革その他の被覆材が被せられた自動車用ハン
ドルを水平に支持する支持台と、この支持台で上
記ハンドルを支持した状態において、上記被覆材
を上記ハンドルの外径部分に押圧する押圧体と、
上記被覆材の上側端縁部をその上下両面から挟持
した上記ハンドルの内径部分へ巻き込む位置に移
動するピンサーと、このピンサーで巻き込まれた
上記被覆材の上側端縁部を上記ハンドルの内径部
分の押圧するワイパーとで構成することを特徴と
するものである。

〔実施例〕

以下図面にもとづいて本発明の実施例を説明す
ると、１は自動車用ハンドル、２はハンドル１を
被覆する皮革片で、天然皮革、あるいは合成皮革
をハンドル１の外径部分３から両側部分４，５を
経て内径部分６に密着させて巻き付けられる寸法
に裁断してなる。７は円周方向に適当間隔をおい
て配置した複数のハンドル支持台で、ハンドル１
を水平に支持する台座８の上面にハンドル１の外
径部分３を押さえるアングル９を設けてなり、こ
のアングル９は、ハンドル１の外径寸法に応じて
スライドさせた位置で固定できるように設けてあ
る。１０は複数のハンドル支持台７のうちそれら
の両端に位置するハンドル支持台７Ａ，７Ｂの中
間位置に設けた台板で、ハンドル支持台７で水平
に支持されたハンドル１とその下側においてハン
ドル１の直径方向に交差するように設けてある。
１１はベースプレート１２から直立して台板１０
を支持する支柱、１３は台板１０のうちハンドル
１の外側の端部に設置したフリーマウントシリン
ダーで、ハンドル１の直径線上を往復作動するよ
うに設置してあり、このシリンダー１３には、そ
の往復時にハンドル１の外径部分３に押圧してハ
ンドル１をアングル９との間で固定するコマ１４
を連結してある。１５はフアインロツクシリンダ
ーで、台板１０のうちハンドル１の内径部分６に
接近した箇所より上方の垂直線上を昇降作動する
ように設置してあり、このシリンダー１５には、
その降下時に、皮革片２のうちハンドル１の上側
部分４から内方へせり出した上側端縁部１６の上
面に押し当てるピンサー１７を連結してある。１
８，１８はピンサー１７の昇降移動を案内するガ
イド、１９はピンサー１７にスプリング２０を介
して連結したワイパーで、シリンダ１５の下降時
に、皮革片２のうちハンドル１の上側部分からハ
ンドル１の内方へせり出した上側端縁部１６をハ
ンドル１の内径部分６に押圧する。ピンサー１７
及びワイパー１９は、ハンドル１の内径部分６の
円弧にならつた円弧面を有するように成形してあ
る。２１，２１は台板１０のうちハンドル１の内
側の端部に昇降自在に挿通したスライドシヤフト
で、これらの上端間には、皮革片２の上記上側端
縁部１６の下面に接してピンサー１７を受け止め
るピンサー受け２２を固定してある。このピンサ
ー受け２２は、ハンドル１の内径部分６の円弧に
ならつた円弧面を有するように成形してある。２
３はスライドシヤフト２１，２１の下端間に固定
したバネ受けプレート、２４は台板１０の中間部
分の下側に昇降作動するように設置したシリンダ
で、このシリンダー２４には、その降下時にバネ
受けプレート２３を押し下げる押下プレート２５
を連結してある。２６は押下プレート２５の先端
に下向きにねじ込み、かつバネ受けプレート２３
に挿通したねじボルトで、このねじボルト２６の
下端には、バネ受け金具２７をねじ込んである。
２８はバネ受けプレート２３とバネ受け金具２７
の間に懸架したコイルバネで、ピンサー受け２２
を皮革片２の上記上側端縁部１６の下面に常時押
し当てるとともに、バネ受けプレート２３を押下
プレート２５の下面に常時押し当てるように付勢
している。２９はバネ受け金具２７の外周に螺合
させたストツパーナツトで、上下方向に適宜ピツ
チ移動させて、バネ受けプレート２３との間の間
隔３０を、皮革片２の上側端縁部１６がハンドル
１の内径部分へ引き伸ばされる長さに合わせるよ
うに調整する。

以上の構成は、シーケンス自動制御回路（図中
省略）によつて次のように制御される。

即ち、ハンドル１と皮革片２のいずれか一方又
は両方に接着剤を塗布し、皮革片２をハンドル１
の外径部分３から両側部分４，５にかけて被せ、
かつ皮革片２の両側端縁部間の中心線がハンドル
１の外径部分の中心線上に合致するように被せ、
このハンドル１を第１図及び第３図示のようにハ
ンドル支持台７の上に水平に乗せるとともに、皮
革片２の上側端縁部１６をピンサー受け２２の上
面に乗せた状態において、先ずシリンダ１３をハ
ンドル１の外径部分３に向けて往動させる。する
と第４図示のようにコマ１４が皮革片２の上から
ハンドル１の外径部分３を押圧して、ハンドル１
を各アングル９との間で固定すると同時に、皮革
片２の中心部分をハンドル１の外径部分３に押圧
して皮革片２がずれ動かないように押さえる。こ
の時点でシリンダ１３の上記作動を停止させ、そ
の直後にシリンダ１５をそれが降下するように作
動させる。すると、第４図示のようにピンサー１
７が降下して、ピンサー受け２２とで皮革片２の
上側端縁部１６をその上下両面から挟持し、さら
に第５図示のようにピンサー１７がピンサー受け
２２をコイルバネ２８の弾力に抗して押し下げつ
つ降下して、皮革片２の上側端縁部１６を引き伸
ばしながらハンドル１の内径部分６側へ巻き込む
と同時に、ワイパー１９がスプリング２０の弾力
により皮革片２をハンドル１に押圧しつつ降下し
て、皮革片２をハンドル１の外径部分３から上側
部分４にかけて接着させる。ピンサー受け２２の
上記押し下げに連動してバネ受けプレート２３が
降下し、それがストツパーナツト２９に突き当た
つたところで、シリンダ１５がロツクされて、シ
リンダ１５の降下する作動が停止する。その直後
にシリンダ２４をそれご降下するように作動させ
る。すると第６図示のように押下プレート２５、
ねじボルト２６、バネ受け金具２７ストツパーナ
ツト２９が降下し、その途中から押下プレート２
がバネ受けプレート２３を押し下げていき、その
動きがスライドシヤフト２１，２１を経てピンサ
ー受け２２に伝わるので、ピンサー受け２２が降
下し、ピンサー１７とピンサー受け２２による皮
革片２の上側端縁部１６の挟持が解除される。こ
の時点でシリンダ２４が降下する作動を停止さ
せ、その直後にシリンダ１５をそれが若干降下す
るように作動させる。すると、第７図示のように
ピンサー１７及びワイパー１９が若干降下し、ワ
イパー１９が皮革片２の上側端縁部１６をハンド
ル１の内径部分６に押圧接着させる。その直後に
シリンダ１５及びシリンダ２４をそれらが上昇す
るように作動させる。すると、ピンサー１７が元
位置に戻るとともに、押下プレート２５も元位置
に戻るので、スライドシヤフト２１，２１、ピン
サー受け２２及びバネ受けプレート２３も元位置
に戻る。この時点でシリンダ１５及びシリンダ２
４が上昇する作動を停止させ、その直後にシリン
ダ１３をそれがハンドル１の外径部分３から離れ
る方向に復動させる。すると、コマ１４が元位置
に戻り、ハンドル１の固定が解除される。この時
点でシリンダ１３の上記作動を停止させる。

以上の作動によつてハンドル１のうち台板１０
に対応する部分のうち外径部分３から上側部分４
を経て内径部分６に至たる部分に対する皮革片２
の巻き付けが完了する。

次いで、ハンドル１をハンドル支持台７に乗せ
たままで、上記皮革片２の一部巻き付け完了部分
が台板１０からはずれ、その後続部分が台板１０
に到達するようにハンドル１を人手あるいは動力
で回してから、上記一連の作動をさせる。このよ
うな作動を繰り返すことにより、皮革片２の中心
線より上側半分をハンドル１の外周面の半分に巻
き付ける。

次いで、ハンドル１をハンドル支持台７上で反
転させて、上記の作動を繰り返すことにより、皮
革片２の中心線より下側半分をハンドル１の外周
面の残りの半分に巻き付けるようにして、ハンド
ル１の全体を皮革片２で被覆する。

本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、ピンサー１７と、ピンサー受け２２
とが第１図の位置関係と逆転した位置関係となる
ように配設することもある。またシリンダ１５
と、シリンダ２４とをハンドル１の円周方向に複
数設置し、それらにピンサー１７、ワイパー１９
と、ピンサー受け２２とを連結することもある。
また皮革片２の両側端縁部が第８図示のようにハ
ンドル１の内径部分６の中心線から両側へ若干ず
れた位置で未接着になるようにし、この未接着部
分の接着を人手による仕上げ作業に任せることも
ある。また皮革片２の両側端縁部は、第９図示の
ように重ね合わされるように接着することもあ
る。また皮革片２の両側端縁部には、第１０図示
のように飾り縫いの縫い目３１，３１を設けるこ
ともある。またハンドル１には、布地など皮革片
２以外の各種被覆材を巻き付けることもある。ま
た押圧体、ピンサー、ワイパー、ピンサー受け
は、エアーシリンダ、あるいは油圧シリンダで作
動させるほか、モーターその他の駆動装置で作動
させることもある。

〔発明の効果〕

本発明は、叙上のように構成したから、自動車
用ハンドルに皮革その他の被覆材を巻き付ける作
業の能率を、熟練を要することなく格段に向上さ
せることができ、しかも被覆材を仕上がり良く巻
き付けることができ、製作コストを割安にするこ
とができる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
第１図は皮革片を巻き付ける作動の開始直前の状
態を示す側面図、第２図は第１図の右側面図、第
３図はハンドルがハンドル支持台で支持された状
態を示す図、第４図はハンドルがハンドル支持台
上で固定されるとともに、皮革片の上側端縁部が
ピンサーとピンサー受けとで挟持された状態を示
す図、第５図は皮革片の上側端縁部がハンドルの
内径部分へ引き伸ばされた状態を示す図、第６図
はピンサー受けが降下して、皮革片の上側端縁部
の挟持が解除された状態を示す図、第７図は皮革
片の上側端縁部がワイパーによつてハンドルの内
径部分に押圧された状態を示す図、第８図は皮革
片の両側端縁部の接着を変更する例を示す図、第
９図は皮革片の両側端縁部を重ね合わせて接着す
る例を示す図、第１０図は皮革片の両側部分に飾
り縫いの縫い目を設ける例を示す図である。 １……ハンドル、２……皮革片、７……ハンド
ル支持台、１４……コマ、１７……ピンサー、１
９……ワイパー、２２……ピンサー受け。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動車用ハンドルであつて、その外径部分か
   ら両側部分に皮革その他の被覆材が被せられた自
   動車用ハンドルを水平に支持する支持台と、この
   支持台で上記ハンドルを支持した状態において、
   上記被覆材を上記ハンドルの外径部分に押圧する
   押圧体と、上記被覆材の上側端縁部をその上下両
   面から挟持して上記ハンドルの内径部分へ巻き込
   む位置に移動するピンサーと、このピンサーで巻
   き込まれた上記被覆材の上側端縁部を上記ハンド
   ルの内径部分に押圧するワイパーとからなる自動
   車用ハンドルの自動革巻き機。