JPH0710669B2 - 自動車用ハンドルの革巻き方法 - Google Patents

自動車用ハンドルの革巻き方法

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JPH0710669B2
JPH0710669B2 JP31292690A JP31292690A JPH0710669B2 JP H0710669 B2 JPH0710669 B2 JP H0710669B2 JP 31292690 A JP31292690 A JP 31292690A JP 31292690 A JP31292690 A JP 31292690A JP H0710669 B2 JPH0710669 B2 JP H0710669B2
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俊夫 板垣
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ミドリ安全工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車用ハンドルの革巻き方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来の自動車用ハンドルには、ハンドルが皮革その他の
素材で被覆されたものがある。
この種のハンドルでは、第11図示のように予めハンドル
の外径部分から内径部分にかけて巻き付けられる寸法に
裁断された皮革片52をハンドル53に接着剤を介して被
せ、この皮革片52の両側端縁部54、55をハンドル53の内
径部分へ引張りながら皮革片52の全体をハンドル53に巻
き付け接着するとともに、皮革片52の両側端縁54、55を
第12図示のようにハンドル53の内径部分の中心線上で突
き合わせる皮革巻き付け方法が採用されることが多い。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の皮革巻き付け方法では、ハンドル53の裏側の
ほぼ全周に亙って指当用の凹部群56が設けられているた
めに、ハンドル53に被せた皮革片52の両側端縁54、55を
ハンドル53の内径部分に向けて均一の力を加えながら引
張ってう巻き付けたものでは、第13図示のように皮革片
52のうち各凹部56と対向する部分と各凹部56との間に空
隙57が生じ、ハンドルの使用時間が経過するにつれて、
皮革片52に各空隙57による皺や弛みが生じて、ハンドル
の使用感が悪くなる。
本発明は、このような問題点を解消しうる自動車用ハン
ドルの革巻き方法を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明は、自動車用ハン
ドルの外径部分から内径部分にかけて巻き付ける皮革そ
の他の被覆材をその両側端縁部がハンドルの内径部分で
突き合わされるように被せ、この被覆材をその一方の端
縁部からハンドルの裏側に設けられている指当用の凹部
群付近まで自動革巻き機などで巻き付けながら接着する
工程と、上記凹部群の個々の凹面にならった押圧面を有
する押当具により、上記被覆材の未接着部分を上記凹ご
とに巻き付け方向に沿って押圧接着する工程とからなる
ことを特徴とするものである。
〔実施例〕
以下図面にもとづいて本発明の実施例を説明すると、第
1図ないし第3図には、本発明方法の実施に使用する自
動車用ハンドルの自動革巻き機の一例が示してあり、同
図において、1は自動車用ハンドル、2はハンドル1を
被覆する皮革片で、天然皮革、あるいは合成皮革をハン
ドル1の外径部分3から両側部分4、5を経て内径部分
6に密着させて巻き付けられる寸法に裁断してなる。7
はハンドル1を水平に支持しつつ回転するハンドル支持
台で、これは、ベースプレート8の上面において円周方
向に適当間隔をおいて配置固定した複数の台ブロック9
の上部間に環状の台枠10を水平に掛け渡し、かつ軸11を
中心にして回転自在に支持し、台枠10の外周面の下半分
には、受動ギヤ12を設け、各台ブロック9の上部には、
台枠10の外周面の上半分にそれぞれ接触しつつ回転する
ように支持されたガイドローラー13を設けてなる。14は
台枠10を回転駆動する駆動機構で、これは、各台ブロッ
ク9の間の間隔のうちいずれか1つの間隔の中間部分に
おいてベースプレート8の上面に台ブロック15を固定
し、この台ブロック15には、パルスモーター、ステッピ
ンフモーターなどのモーター16をその回転シャフト17が
上向きになるように固定し、回転シャフト17には、受動
ギヤ12と歯合するピニオンギヤ18を固定してなる。19は
台枠10の上面において皮革片2を上記ハンドル1の外径
部分3の全周に亙って締め付けるように設けたクランプ
で、これは、半円形に成形した一対のクランプ杆20、21
の一端を軸ピン22で開閉自在に連結し、それらの他端に
掛止具23を設けてなる。24はベースプレート8の上面に
おいて台ブロック15と対向する位置に固定した台ブロッ
ク、25は台ブロック24の上に固定した支柱、26はこの支
柱25で支持したファインロックシリンダーで、台枠10で
支持されたハンドル1の内径部分6に接近した箇所より
上方の垂直線上を昇降作動するように設置してあり、こ
のシリンダー26には、ワイパーホルダー27を固定し、こ
のワイパーホルダー27には、その降下時に、皮革片2の
うちハンドル1の上側部分4から内方へせり出した上側
端縁部28をハンドル1の内径部分6に巻き込むワイパー
29をスプリング30を介して遊動自在に連結してある。こ
のワイパー29は、ハンドル1の内径部分6の円弧になら
った円弧面を有するように成形してある。31、31はワイ
パー29の昇降移動を案内するガイド、32、32は台ブロッ
ク24のうちハンドル1の内側の端部に昇降自在に挿通し
たスライドシャフトで、これらの上端間には、ワイパー
ホルダー27を受け止める受止プレート33を固定してあ
る。この受止プレート33は、ハンドル1の内径部分6の
円弧にならった円弧面を有するように成形してある。34
はスライドシャフト32、32の下端間に固定したバネ受け
プレート、35は台ブロック24の中間部分の下側に昇降作
動するように設置したシリンダで、このシリンダー35に
は、その降下時にバネ受けプレート34を押し下げる押下
プレート36を連結してある。37は押下プレート36の先端
に下向きにねじ込み、かつバネ受けプレート34に挿通し
たねじボルトで、このねじボルト37の下端には、バネ受
け金具38をねじ込んである。39はバネ受けプレート34と
バネ受け金具38の間に懸架したコイルバネで、受止プレ
ート33をそれがワイパーホルダー27の下面を受け止める
位置に常時押し上げるとともに、バネ受けプレート34を
押下プレート36の下面に常時押し当てるように付勢して
いる。40はバネ受け金具38の外周に螺合させたストッパ
ーナットで、上下方向に適宜ピッチ移動させて、バネ受
けプレート34との間の間隔41を、ワイパー29が皮革片2
の上側端縁部28をハンドル1の内径部分6へ巻き込みな
がら降下する距離に合わせるように調整するものであ
る。
以上の構成は、シーケンス自動制御回路(図中省略)に
よって次のように制御される。
即ち、ハンドル1と皮革片2のいずれか一方又は両方に
接着剤を塗布し、皮革片2をハンドル1の外径部分3か
ら両側部分4、5にかけて被せ、かつ皮革片2の両側端
縁部間の中心線がハンドル1の外径部分の中心線上に合
致するように被せ、このハンドル1を第1図及び第3図
示のように支持台7の台枠10の上に水平に乗せた後、ク
ランプ19のクランプ杆20、21を閉じて、皮革片2をハン
ドル1の外径部分3に締め付ける。この状態において、
シリンダ26をそれが降下するように作動させる。する
と、第5図示のようにワイパーホルダー27が降下して受
止プレート33をコイルバネ39の弾力に抗して押し下げる
と同時に、ワイパー29がハンドル1の上側部分4からや
や内径部分6側へ寄った箇所にスプリング30の弾力に抗
して傾きながら皮革片2の上側端縁部28を引き伸ばしつ
つ押し付けるように降下して、皮革片2をハンドル1の
外径部分3から上側部分4にかけて接着させる。この時
点でシリンダ26がロックされて、シリンダ26の降下する
動作が停止する。その直後にシリンダ35をそれが降下す
るように作動させる。すると第6図示のように押下プレ
ート36、ねじボルト37、バネ受け金具38、ストッパーナ
ット40が降下し、その途中から押下げプレート36がバネ
受けプレート34を押し下げていき、その動きがスライド
シヤフト32、32を経て受止プレート33に伝わるので、受
止プレート33が降下する。この時点でシリンダ35が降下
する作動を停止させ、その直後にシリンダ26をそれが降
下するように作動させる。すると、第7図示のようにワ
イパー29がさらにスプリング30の弾力に抗して垂知直方
向に向きを変えるとともに、皮革片2の上側端縁部28を
ハンドル1の内径部分6へ巻き込みながら降下して、皮
革片2の上側端縁部28をハンドル1の内径部分6に押圧
接着させる。この時点でワイパーホルダー27が受止プレ
ート33で受け止められ、シリンダ26の降下が停止する。
その直後にシリンダ26及びシリンダ35をそれらが上昇す
るように作動させる。すると、ワイパー29が元位置に戻
るとともに、押下プレート36も元位置に戻るので、スラ
イドシャフト32、32、受止プレート33及びバネ受けプレ
ート34もコイルバネ39の弾力を受けて元位置に戻る。こ
の時点でシリンダ26及びシリンダ35が上昇する作動を停
止させる。
以上の作動によってハンドル1のうち台ブロック24に対
応する部分の外径部分3から上側部分4を経て内径部分
6に至たる部分に対する皮革片2の巻き付けが完了す
る。
その直後にモーター16に通電して、モーター16が回転
し、その回転が回転シャフト17、ピニオンギヤ18、受動
ギヤ12及び各カイドローラー13を経て台枠10に伝わるの
で、台枠10が回転する。この回転によって、上記皮革片
2の一部巻き付け完了部分が台ブロック24の上からはず
れ、その後続部分が台ブロック24の上に到達する。この
時点でモーター16への通電を断ち、台枠10の回転を停止
させてから、上記一連の作動をさせる。このような作動
を繰り返すことにより、皮革片2の中心線より上側半分
をハンドル1の外周面の半分に巻き付ける。
次いで、クランプ杆20、21を開き、ハンドル1を台枠10
上で反転させた後、再びクランプ杆20、21を閉じて、上
記の作動を繰り返すことにより、皮革片2の中心線より
下側半分をハンドル1の外周面の残りの半分に巻き付け
るようにして、ハンドル1の全体を皮革片2で被覆す
る。
以上の構成よりなる自動革巻き機42を使用して、第8図
示のように、先ずハンドル1に、両側端縁部43、44がハ
ンドル1の内径部分6で突き合わされるように接着剤を
介して被せた皮革片2を、その一方の端縁部43からハン
ドル1の裏側に設けられている指当用の凹部群45付近ま
で巻き付けながら接着する。次いで、ハンドル1を自動
革巻き機42から一旦取り外し、第9図示のようにハンド
ル1を反転させ、皮革片2の未接着部分46を上向きにし
た状態で自動革巻き機42に再びセットする。次いで、凹
部群45の個々の凹面47にならった押圧面を有する押当
具、例えば第9図示のように凹部群45の個々の凹面47に
ならった外周面48を有するように成形した腰の強いコイ
ルバネ49の基端を、作業者が手で握持しうるグリップ部
50の先端に回転自在に連結し、このコイルバネ49をグリ
ップ部50に内蔵したモーターで回転駆動するように構成
してなる押当具51を使用し、そのコイルバネ49を20〜30
RPMで回転させた状態で皮革片2の未接着部分46の上か
ら凹部群45の個々の凹面47ごとに巻き付け方向に沿っ
て、即ちハンドル1の外径部分3側から内径部分6側に
向けて押圧させながら移動させ、この過程でコイルバネ
49のリードピッチ間での皮革片2を伸ばす作用によっ
て、第10図示のように未接着部分46を凹部群45の個々の
凹面47ごとに押圧接着するとともに、皮革片2の他方の
端縁部44を一方の端縁部43に突き合わせるようにして、
皮革片2の巻き付けを完了する。
本発明では、皮革片以外の素材をハンドルに巻き付ける
こともある。また上記自動革巻き機以外の各種革巻き機
を使用することもあり、革巻き機の動作を手作業に代え
ることもある。また押当具は、上記実施例に示した押当
具51に限定されるものではなく、ハンドルの裏側に設け
られている凹部群の個々の凹面にならった凹圧面を有す
るものであればいずれを使用することもできる。またど
の押当具でも、上記実施例のように人手で操作するほ
か、ロボットで操作することもあり、また自動革巻き機
42その他の革巻き機の機構の一部に組み込んで動作させ
ることもある。
〔発明の効果〕
本発明は、叙上のように構成したから、ハンドルに皮革
その他の被覆材をハンドルの裏側に設けられている凹部
群の個々の凹面との間に空隙を生ずることなく全て密着
させて接着することができ、ハンドルの使用時間が経過
しても、被覆材に皺や弛みなどが生じのを防止でき、ハ
ンドルの使用感を悪くするようなことはない。
【図面の簡単な説明】
図面第1図ないし第7図はは本発明方法の実施に使用す
る革巻き機の一例を示すもので、第1図は皮革片を巻き
付ける作動の開始直前の状態を示す側面図、第2図は第
1図の右側面図、第3図はハンドルが支持台で水平に支
持された状態を示す図、第4図は同状態の一部側面図、
第5図は皮革片の上側端縁部がハンドルの内径部分へ巻
き込まれた状態を示す図、第6図は受動プレートが降下
した状態を示す図、第7図は皮革片の上側端縁部がワイ
パーによってハンドルの内径部分に押圧された状態を示
す図、第8図は上記革巻き機でハンドルに皮革片がその
一方の端縁部からハンドルの裏側に設けられている指当
用の凹部群付近まで接着された状態を示す断面図、第9
図は第8図の皮革片の未接着部分を押当具で接着する工
程を説明する図、第10図は上記未接着部分の接着が完了
した状態を示す図、第11図ないし第13図は従来の自動車
用ハンドルの革巻き方法を説明するもので、第11図はハ
ンドルに皮革片を被せた状態の断面図、第12図は上記皮
革片がハンドルに巻き付けられた状態の断面図、第13図
は皮革片とハンドルの指当用の凹部との間に空隙が生じ
た状態の断面図である。 1…ハンドル、2…皮革片、42…自動革巻き機、43、44
…皮革片の両側端縁部、51…押当具。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車用ハンドルの外径部分から内径部分
    にかけて巻き付ける皮革その他の被覆材をその両側端縁
    部がハンドルの内径部分で突き合わされるように被せ、
    この被覆材をその一方の端縁部からハンドルの裏側に設
    けられている指当用の凹部群付近まで自動革巻き機など
    で巻き付けながら接着する工程と、上記凹部群の個々の
    凹面にならった押圧面を有する押当具により、上記被覆
    材の未接着部分を上記凹面ごとに巻き付け方向に沿って
    押圧接着する工程とからなる自動車用ハンドルの革巻き
    方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の自動車用ハン
    ドルの革巻き方法において、コイルバネなど螺旋状の突
    条で形成された押圧面を有する回転体からなる押当具を
    使用することを特徴とする自動車用ハンドルの革巻き方
    法。
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