JPH05232273A - 燃料集合体及び炉心 - Google Patents

燃料集合体及び炉心

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JPH05232273A
JPH05232273A JP4210539A JP21053992A JPH05232273A JP H05232273 A JPH05232273 A JP H05232273A JP 4210539 A JP4210539 A JP 4210539A JP 21053992 A JP21053992 A JP 21053992A JP H05232273 A JPH05232273 A JP H05232273A
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肇男 青山
Taro Ueki
太郎 植木
Akiyoshi Nakajima
章喜 中島
Yoko Ishibashi
洋子 石橋
Kunitoshi Kurihara
国寿 栗原
Osamu Yokomizo
修 横溝
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淳一 山下
Taisuke Bessho
泰典 別所
Yasuhiro Masuhara
康博 増原
Junjiro Nakajima
潤二郎 中島
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    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/326Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements comprising fuel elements of different composition; comprising, in addition to the fuel elements, other pin-, rod-, or tube-shaped elements, e.g. control rods, grid support rods, fertile rods, poison rods or dummy rods
    • G21C3/328Relative disposition of the elements in the bundle lattice
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高燃焼度化を目指した燃料集合体において、反
応度を低下させずにボイド係数を小さくする。また、局
所ピーキングを平坦化し、合わせて中性子減速棒の減速
材横断面積を最適化する。 【構成】通常の燃料棒2と部分長燃料棒3を10×10
の正方格子状に配列し、中央の燃料棒が10本配置可能
な領域に対角線状に3本の大型水ロッド4を配置してい
る。部分長燃料棒3は、正方格子状の燃料棒配列の最外
層において水ロッド4の投影面積の範囲内に配置し、最
外層より内側の2層には通常の燃料棒2のみを配置す
る。この構成により、ボイド係数が低減し、かつ制御棒
価値が向上する。また、反応度損失と局所出力ピーキン
グの両方が改善され、燃料経済性と熱的余裕が共に向上
する。水ロッド内横断面積は9cm2 であり、これによ
っても燃料経済性が向上し、かつチャンネル安定性、炉
心安定性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉に装荷
される燃料集合体及びその炉心に係り、特に高燃焼度化
をめざした燃料集合体において、燃料経済性の向上、熱
的余裕の増大、炉停止余裕、さらには安定性の向上に寄
与する燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉に装荷される従来の燃料
集合体は、四角筒のチャンネルボックスと、このチャン
ネルボックスの内部に収納された燃料バンドルからな
る。燃料バンドルは、チャンネルボックスの上下部には
めこむ上部タイプレートおよび下部タイプレートと、チ
ャンネルボックス内部で軸方向に沿って間隔を置いて設
置された複数個のスペーサと、このスペーサを貫通しタ
イプレートに両端を固定して正方格子状に配置された多
数の燃料棒及び少なくとも1本の水ロッドとから構成さ
れる。
【0003】近年、連続運転期間の延長、ウラン資源の
有効利用、さらに使用済み燃料発生量の低減の観点か
ら、燃料の高燃焼度化が進められている。高燃焼度化の
ためには燃料の濃縮度を高める必要がある。しかし、濃
縮度の増加に伴い、中性子の平均エネルギーが上昇する
ため、ボイド変化に伴う反応度変化が増大したり、核分
裂性燃料の有効利用(燃料経済性)が阻害されたりと云
う問題があった。ボイド変化に伴う反応度変化の増大は
ボイド係数の絶対値を増大させ、炉心安定性を低下させ
ると共に、運転時、冷温時の反応度差が増大するので炉
停止余裕を低下させる。この対応策は、燃料集合体内の
減速材割合(減速材対燃料比)を増大し、中性子の平均
エネルギーを低減(中性子スペクトルをソフトに)する
ことである。
【0004】沸騰水型原子炉ではチャンネルボックスの
外部に制御棒や中性子検出器計装管を配置する構成にな
っており、そのため燃料集合体間にはそれらの装置が挿
入されるだけの間隙が設けられている。上記間隙は飽和
水で満たされているため、燃料集合体周辺部(間隙に近
い領域)の燃料棒と燃料集合体中心部の燃料棒では間隙
の飽和水の影響が異なる。すなわち、間隙に近い燃料集
合体周辺部の燃料棒は、実効的には減速材対燃料比が大
きな領域となり、燃料集合体の核的な特性を決める要因
である減速材対燃料比が位置により異なる。
【0005】減速材対燃料比を増大する方法には、燃料
装荷量を減少する方法と減速材領域あるいは減速材密度
を増大する方法とがある。具体的には、 沸騰水領域の増大(燃料棒本数を減少するか、あるい
は燃料棒径を細くする) 非沸騰水領域(水ロッド領域あるいはギャップ水領
域)の増大がある。しかし、このような対策を採用した
燃料集合体では、いずれも燃料装荷量が減少するため、
減速材対燃料比増大の面からは燃料経済性が向上する
が、燃料装荷量の面から燃料経済性が損なわれ、結局、
燃料経済性の向上には至らない。また、では、燃料棒
の全長が減少するため線出力密度が増大し熱的余裕が減
少し、では、冷却材の流路面積が減少するため圧力損
失が増大すると云う新たな課題が発生する。
【0006】従来の燃料集合体では、燃料棒は8行8列
(8×8)の格子状に配列されているが、燃料棒の格子
配列数を9×9、10×10へと増大させれば、平均線
出力密度を減少しかつ伝熱面積を増大して、熱的余裕が
高まる。また、特開昭52−50498号公報に記載の
ように、燃料棒有効長が短い部分長燃料棒を用いて燃料
集合体を構成することが知られており、摩擦圧損が大き
な二層流部(炉心上部)の流路面積が増大することで、
燃料装荷量を減少することなく圧力損失を低減できる。
したがって、これらの2つの対策を併用した上で、上記
及びを採用すれば、高燃焼度化に適した燃料集合体
となる。
【0007】以上の観点より、燃料棒の外径を細くし
て、本数を増やした9×9、10×10格子の燃料棒配
列にし、水ロッドの横断面積を単位燃料格子の横断面積
より大きくし、かつ複数の部分長燃料棒を配置した燃料
集合体が提案されており、一例として、特開昭64−8
8292号公報、特開昭62−276493号公報、特
開昭64−31089号公報、特開昭64−23195
号公報がある。
【0008】特開昭64−88292号公報には、燃料
棒配列格子数を増加した燃料集合体において、太径水ロ
ッドに隣接して複数の部分長燃料棒をかためて配置した
ものが開示されている。特開昭62−276493号公
報には、燃料棒配列格子数を増加した燃料集合体におい
て、多数の水ロッドまたは太径水ロッドを配置すると共
に、燃料棒格子状配列のコーナ部を含む対角線上に一列
に複数の部分長燃料棒を配置したものが開示されてい
る。特開昭64−31089号公報には、燃料棒配列格
子数を増加した燃料集合体において、太径水ロッドを配
置すると共に、燃料棒格子状配列のコーナ部に複数の部
分長燃料棒をかてめて配置したものが開示されている。
特開昭64−23195号公報には、燃料棒配列格子数
を増加した燃料集合体において、太径水ロッドを配置す
ると共に、燃料棒格子状配列の最外層の各辺を2等分す
る線上、または燃料棒格子状配列のコーナ部を含む対角
線上に一列に複数の部分長燃料棒を配置したものが開示
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】高燃焼度燃料集合体の
開発に当たっては、現行炉心にバックフィトすることを
考え、圧力損失、熱的余裕(線出力密度、限界出力)等
を、現行の燃料集合体のそれと同等にする必要がある。
【0010】燃料棒の外径を細くして、燃料棒の格子配
列数を増大させることが高燃焼度燃料集合体には有利で
あることは前述した。しかし、燃料格子配列数を増加し
ただけでは、燃料配列に対する自由度が増大する反面、
濡れ縁長さが増大し圧損が増大すると共に、燃料棒外径
が減少し燃料棒の時定数が増大するため、安定性(チャ
ンネル安定性、炉心安定性)が厳しくなるという新たな
課題が生ずる。これを解決するためには、ボイド係数の
絶対値を現行の燃料集合体のそれより小さくする必要が
ある。すなわち、今までは、燃料の濃縮度増大の観点か
らボイド係数の絶対値低減の対策を論じたが、燃料格子
配列数を増加する場合には、ボイド係数の絶対値を更に
小さくする必要がある。
【0011】前述の、の通り、ボイド係数などの反
応度係数は、減速材対燃料比を増大すること、つまり、
水ロッド領域を増大すると共に、燃料装荷量を減少する
ことが必要である。しかし、燃料装荷量の減少は、燃料
経済性を損なうため避けたい対策である。したがって、
高燃焼度燃料集合体の開発に当たっては、燃料装荷量の
減少によらない新たな反応度制御(ボイド係数の絶対値
減少及び運転時−冷温時反応度差の減少)の方法を開発
することが重要となる。
【0012】燃料装荷量の減少によらない反応度制御方
法としては、前述した特開昭64−88292号公報、
特開昭62−276493号公報、特開昭64−310
89号公報、特開昭64−23195号公報に記載のよ
うに、部分長燃料棒の配置位置を選択することがある。
すなわち、特開昭64−88292号公報、特開昭64
−31089号公報では、太径水ロッドに隣接する位置
か、燃料棒格子状配列のコーナ部に複数の部分長燃料棒
をかためて配置しており、特開昭62−276493号
公報、特開昭64−23195号公報では、燃料棒格子
状配列のコーナ部を含む対角線上か、燃料棒格子状配列
の最外層の各辺を2等分する線上に複数の部分長燃料棒
を一列に配置している。これらは、いずれも非沸騰水領
域(水ロッドあるいはギャップ水領域)と部分長燃料棒
を隣接させることで、中性子減速効果を促進し、ボイド
係数の低減及び運転時と冷温時の反応度差低減を狙って
いる。
【0013】しかしながら、これら従来技術の方法で
は、ボイド係数などの反応度係数を低減し、反応度制御
性を向上するが、部分長燃料棒の配置位置による反応度
自体の変化、または局所出力ピーキングについては十分
な配慮がされていない。すなわち、従来技術では、複数
の部分長燃料棒を水ロッドあるいはコーナ部のギャップ
水領域に少なくとも一部が隣接する形でかためて配置し
ているため、共鳴中性子の吸収が増大し、反応度損失が
大きくなり燃料経済性が損なわれるという問題がある。
また、部分長燃料棒より上部の断面では、部分長燃料棒
に隣接する燃料棒の局所出力ピーキングが増大し、熱的
余裕が減少するという問題がある。更に、上記従来技術
では、高燃焼度化を目指した燃料集合体において、部分
長燃料棒の配置との関係で水ロッドの横断面積を最適化
することについて配慮がされていない。
【0014】本発明の第1の目的は、高燃焼度化を可能
としながら、反応度を低下させずにボイド係数を小さく
した燃料集合体及びその燃料集合体を装荷した炉心を提
供することである。本発明の第2の目的は、高燃焼度化
を可能としながら、反応度を低下させずにボイド係数を
小さくし、かつ局所ピーキングを平坦化した燃料集合体
を提供することである。本発明の第3の目的は、高燃焼
度化を可能としながら、反応度を低下させずにボイド係
数を小さくし、かつ中性子減速棒の減速材横断面積を最
適化した燃料集合体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明によれば、正方格子状に配列された多
数の燃料棒と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面
積より大きな少なくとも1本の中性子減速棒とを有する
燃料集合体において、(a)前記燃料棒は、複数の第1
燃料棒と、燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃
料棒とを含むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方
格子状の燃料棒配列の最外層においてそのコーナ部以外
に配置されていること;(c)前記正方格子状の燃料棒
配列の最外層より内側において、該最外層に隣接した一
層に配置される前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第
2燃料棒に隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であるこ
と;を特徴とする燃料集合体が提供される。
【0016】また、上記第1の目的を達成するために、
本発明によれば、(a)前記燃料棒は、複数の第1燃料
棒と、燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒
とを含むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子
状の燃料棒配列の最外層においてそのコーナ部およびコ
ーナ部に隣接した位置以外に配置されていること;
(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
体が提供される。
【0017】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明によれば、正方格子状に配列された多数の燃料棒
と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
において、(a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、
燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含
むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃
料棒配列の最外層において、前記中性子減速棒を前記正
方格子状の燃料棒配列における直交する2方向に投影さ
せたとき、その投影範囲の最も外側を含めてそれより内
側に配置されていること;(c)前記正方格子状の燃料
棒配列の最外層より内側において、該最外層に隣接した
一層に配置される前記燃料棒のうち、前記最外層の前記
第2燃料棒に隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であるこ
と;を特徴とする燃料集合体が提供される。
【0018】更に、上記第3の目的を達成するために、
本発明によれば、正方格子状に配列された多数の燃料棒
と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
において、(a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、
燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含
むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃
料棒配列の最外層においてそのコーナ部以外に配置され
ていること;(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外
層より内側において、該最外層に隣接した一層に配置さ
れる前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に
隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であること;(d)前
記中性子減速棒の減速材横断面積は7〜14cm2 であ
ること;を特徴とする燃料集合体が提供される。
【0019】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明によれば、正方格子状に配列された多数の燃料棒
と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
において、(a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、
燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含
むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃
料棒配列の最外層においてそのコーナ部以外に配置され
ていること;(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外
層より内側において、該最外層に隣接した一層に配置さ
れる前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に
隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であること;(d)前
記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配置可能な
領域に配置されていること;を特徴とする燃料集合体が
提供される。
【0020】また、本発明によれば、上記各燃料集合体
の(c)の構成において、少なくとも最外層に隣接した
一層全体に配置される燃料棒が第1燃料棒であるものが
提供される。
【0021】以上の燃料集合体において、好ましくは、
前記燃料棒は、燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第
3燃料棒を更に含み、前記第3燃料棒は、前記中性子減
速棒に隣接して配置されている。この場合、好ましく
は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層に配置された
第2燃料棒の本数は、前記中性子減速棒に隣接して配置
された第3燃料棒の本数より多い。
【0022】また、好ましくは、前記第3燃料棒は、前
記最外層に隣接した一層のコーナ部に配置されている。
【0023】また、好ましくは、前記第2燃料棒は、前
記正方格子状の燃料棒配列の最外層の少なくとも一辺に
2本づつ配置されている。この2本の第2燃料棒は、好
ましくは互いに隣接している。また、好ましくは、前記
第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層の
隣接する2辺に少なくとも1本づつ配置されている。更
に、好ましくは、前記第2燃料棒は、前記正方格子状の
燃料棒配列の最外層の4辺の各々に少なくとも1本づつ
配置されている。また、好ましくは、前記第1燃料棒は
普通の全長型燃料棒であり、前記第2燃料棒の燃料有効
長は前記全長型燃料棒の燃料有効長の1/2から3/4
の範囲にある。
【0024】また、以上の燃料集合体において、好まし
くは、前記中性子減速棒は前記燃料集合体中心部の4×
4の格子領域に配置されている。この場合、好ましく
は、前記中性子減速棒は、前記4×4の格子領域に対角
線状に配置された横断面円形の3本の水ロッドを含む。
前記中性子減速棒は前記燃料集合体中心部の3×3の格
子領域に配置されていてもよく、この場合、好ましく
は、前記中性子減速棒は、前記3×3の格子領域に対角
線状に配置された横断面円形の2本の水ロッドを含む。
良くしまた、好ましくは、前記中性子減速棒は、各々、
隣接する4つの燃料格子のうち2つ以上に該中性子減速
棒が位置するように配置されている。更に、好ましく
は、前記中性子減速棒の減速材横断面積は9〜11cm
2 である。また、好ましくは、前記中性子減速棒は炉心
流量によって軸方向水位が変わるスペクトルシフトロッ
ドである。
【0025】また、以上の燃料集合体において、好まし
くは、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
おいて、該最外層に隣接した一層及びこれに隣接した一
層に配置される前記燃料棒は前記第1燃料棒である。更
に、以上の燃料集合体において、前記燃料棒の格子配列
数が10×10またはそれ以上である。
【0026】また、上記第1の目的を達成するため、本
発明によれば、軽水を冷却材とする原子炉の炉心におい
て、(A)複数の第1燃料集合体と、複数の第2燃料集
合体を含むこと;(B)前記第1燃料集合体は、正方格
子状に配列された多数の燃料棒と、減速材横断面積が単
位燃料格子の横断面積より大きな少なくとも1本の中性
子減速棒とを有し、前記燃料棒は、複数の第1燃料棒
と、燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒と
を含み、前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配
列の最外層においてそのコーナ部以外に配置され、前記
正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側において、該
最外層に隣接した一層に配置される前記燃料棒のうち、
前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料棒は前記第
1燃料棒であること;(C)前記第1燃料集合体及び第
2燃料集合体は、それぞれ、炉心中央部と炉心外周部に
装荷され、炉心中央部での前記第1燃料集合体の装荷割
合が、炉心外周部でのそれよりも小さい;ことを特徴と
する炉心が提供される。
【0027】また、本発明によれば、上記炉心を構成す
る第1燃料集合体において、少なくとも最外層に隣接し
た一層全体に配置される前記燃料棒は前記第1燃料棒で
ある炉心が提供される。
【0028】上記炉心において、好ましくは、前記第2
燃料集合体は燃料有効長が前記第1燃料棒より短い燃料
棒を含まない。また、好ましくは、前記第2燃料集合体
は燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第3燃料棒を含
み、前記第3燃料棒の本数が前記第2燃料棒の本数より
少ない。
【0029】更に、上記第1の目的を達成するため、本
発明によれば、正方格子状に配列された多数の燃料棒
と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
において、(a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、
燃料有効長が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含
むこと;(b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃
料棒配列の最外層においてそのコーナ部以外に配置され
ていること;(c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外
層より内側において、該最外層に隣接した一層に配置さ
れる前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に
隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であること;(d)前
記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配置可能な
領域に配置され、減速材横断面積が単位燃料格子の横断
面積より大きい、横断面円形の少なくとも2本の水ロッ
ドを含むこと;を特徴とする燃料集合体が提供される。
【0030】また、本発明によれば、上記燃料集合体の
(c)の構成において、少なくとも最外層に隣接した一
層全体に配置される前記燃料棒は前記第1燃料棒である
ものが提供される。
【0031】
【作用】本願発明者等の検討によれば、以下のことが判
明している。燃料棒の格子配列数を9×9以上に増やし
た燃料集合体で非沸騰水領域の減速材を局在化して配置
する場合、反応度制御性の向上(ボイド率の変化や運転
状態から冷温状態への変化に伴う反応度変化の減少;ボ
イド係数の低減)には、水ロッドに面した燃料集合体の
内側領域よりチャンネルボックスに面した燃料集合体の
外側領域に局在化した方が効果が大きい(感度が高い)
(図4参照)。
【0032】また、燃料有効長が通常燃料棒より短い燃
料棒、すなわち、部分長燃料棒を配置した場合、部分長
燃料棒より上部断面では上記の非沸騰水領域の局在化と
同様に、反応度制御性の向上(ボイド係数の低減)に効
果があり、部分長燃料棒の配置位置によるボイド係数低
減の感度は、以下の順である(図5参照)。 (1) チャンネルボックスに面した燃料集合体の外側1層
目のコーナ部燃料 (2)(1)以外のチャンネルボックスに面した燃料集合体の
外側1層目燃料 (3) 水ロッドに隣接した燃料集合体の内側領域の燃料 (4) チャンネルボックスにも水ロッドにも隣接しない燃
料 更に、部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置する場
合、その配置位置が制御価値に及ぼす影響については、
チャンネルボックスに面した最外層に部分長燃料棒を配
置した方が、水ロッドに隣接して配置するよりも、制御
棒価値はいずれの場合も大きくなる(図7参照)。
【0033】したがって、本発明において、部分長燃料
棒である第2燃料棒を正方格子状の燃料棒配列の最外層
に配置することにより、ボイド係数の低減効果が得ら
れ、反応度制御性が向上する。また、制御棒価値向上の
効果も期待でき、安全性向上に寄与する。
【0034】また、本願発明者等の検討によれば、燃料
棒の格子配列数を9×9以上に増やした燃料集合体にお
いて、部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置する場
合、その配置位置が反応度及び局所出力ピーキングに及
ぼす影響について、以下のことが判明している(図6参
照)。部分長燃料棒を最外層のコーナ部に配置するとき
は、反応度損失及び部分長隣接燃料棒の局所出力ピーキ
ングが共に大きい。部分長燃料棒を最外層のコーナ部に
隣接した格子位置に配置したときは、反応度損失は大幅
に改善されるが、部分長隣接燃料棒及びコーナ部燃料棒
の局所出力ピーキングは依然として比較的大きい。部分
長燃料棒を最外層の更に隣の格子位置に配置したとき
は、反応度損失は更に改善されるが、部分長隣接燃料棒
及びコーナ部燃料棒の局所出力ピーキングはまだ大き
い。部分長燃料棒を更に隣の格子位置に配置したとき、
すなわち、水ロッドの投影範囲の最も外側の両格子位置
を含めてそれより内側に配置したときは、反応度損失は
ほとんど無くなり、かつ部分長隣接燃料棒及びコーナ部
燃料棒の局所出力ピーキングも大幅に低下する。
【0035】したがって、本発明において、部分長燃料
棒である第2燃料棒を正方格子状の燃料棒配列の最外層
においてそのコーナ部以外に配置することにより、反応
度損失が低減する。また、第2燃料棒を正方格子状の燃
料棒配列の最外層においてそのコーナ部およびコーナ部
に隣接した位置以外に配置することにより、反応度損失
が更に低減する。更に、第2燃料棒を、正方格子状の燃
料棒配列の最外層において、中性子減速棒を正方格子状
の燃料棒配列における直交する2方向に投影させたと
き、その投影範囲の最も外側を含めてそれより内側に配
置することにより、反応度損失と局所出力ピーキングの
両方を改善でき、燃料経済性の向上と熱的余裕の向上が
図れる。
【0036】また、本願発明者等の検討によれば、以下
のことが判明している。すなわち、減速材領域の局在化
効果を最大限に活用するためには、通常燃料棒を局在化
することが必要である。通常燃料棒の局在化は、共鳴中
性子が吸収される確率を低減し、より一層の燃料経済性
の向上に寄与する。
【0037】本発明においては、正方格子状の燃料棒配
列の最外層より内側において、該最外層に隣接した一層
に配置される前記燃料棒のうち、前記最外層の第2燃料
棒に隣接する燃料棒は第1燃料棒であることにより、そ
の第1燃料棒の領域が減速材領域で囲まれる構成とな
り、その結果、減速材領域で効率よく減速された熱中性
子が、第1燃料棒の領域に効率よく流入するため、共鳴
吸収が減少し、反応度制御性だけでなく燃料経済性が改
善される。この効果は、第1燃料棒が配置される領域を
最外層に隣接した一層全体とすることにより更に大きく
なり、その層を2層とすることにより更にまた大きくな
る。
【0038】一方、正方格子状の燃料棒配列の最外層よ
り内側において、該最外層に隣接した一層のコーナ部に
部分長燃料棒である第3燃料棒を配置することにより、
チャンネルボックス内の冷却材流量分布及び蒸気体積率
分布を均一にする効果がある。即ち、一般に、チャンネ
ルボックスに面した領域、特にコーナ部近傍は摩擦抵抗
が大きく、冷却材流量が減少する傾向にある。部分長燃
料棒を最外層に隣接した一層のコーナ部に配置すること
で、これを解消できる。
【0039】尚、ここで燃料棒の配置に関して「隣接す
る」とは行方向、列方向に隣接することは勿論、斜め方
向に隣接することも含むものとする。
【0040】更に、本願発明者等の検討によれば、減速
材領域(非沸騰水領域)の局在化が燃料経済性へ及ぼす
効果、及び水ロッド横断面積、形状の最適化について、
以下のことが判明している。燃料棒の格子配列数を9×
9以上に増やした燃料集合体において、燃料装荷量を一
定として、燃料集合体内側の水ロッド領域を増大させた
場合と、燃料集合体素と側のギャップ水領域を増大させ
た場合とでは、中性子無限増倍率の向上(燃料経済性の
向上)にはギャップ水領域より水ロッド領域の方が効果
的であり(感度が高く)、燃料経済性向上のためには水
ロッド内横断面積を増加することが必要である(図8参
照)。この場合、水ロッド内横断面積としては7〜14
cm2 が最適の範囲である。
【0041】また、水ロッド内横断面積の最適化には安
定性の観点がある。安定性には、チャンネル安定性と炉
心安定性の2つのモードがある。ウラン装荷量並びに水
ロッド内横断面積の増加は、チャンネル安定性の余裕を
低減させ、ウラン装荷量の増大、水ロッド内横断面積の
減少は炉心安定性を悪化させるため、安定性に対する許
容領域は、チャンネル安定性の制限線と炉心安定性の制
限線とに囲まれた水ロッド内横断面積で9〜11cm2
の範囲内にある(図9参照)。
【0042】更に、水ロッドの横断面積を増加するに
は、大型水ロッドの採用が、犠牲にしなくてはならない
燃料棒本数を減少できる点、更に燃料棒冷却効果の小さ
な冷却材流路面積が減少できる(限界出力を増大する)
点で有利である。水ロッドと水ロッドに隣接する燃料棒
との間隔を一定とすると、円形水ロッドの場合には、上
記スペースの有効利用の点で、2×2の燃料格子を水ロ
ッドにすることが最も優れている。
【0043】したがって、本発明においては、中性子減
速棒の減速材横断面積を7〜14cm2 にすることによ
り、反応度を高め、燃料経済性が更に向上する。また、
中性子減速棒の減速材横断面積を9〜11cm2 とする
ことにより、チャンネル安定性、炉心安定性及び燃料経
済性が向上する。更に、安定性が向上することにより、
安定性向上用に設けられていた機器が不要となる。
【0044】また、本発明においては、中性子減速棒を
燃料棒が7〜12本配置可能な領域に配置することによ
り、水ロッド領域を、隣接する4つの燃料格子のうち少
なくとも2つ以上に水ロッド領域が位置するように配置
することで、2×2相当の大きさの大型円形水ロッドが
10×10の燃料棒配列を有する燃料集合体では3本ま
たは4本配置でき、9×9の燃料棒配列の燃料集合体で
は2本配置できる。このため、燃料棒冷却効果の小さな
冷却材流路面積が減少し、限界出力が増大する。
【0045】また、以上の検討結果を総合し、以下のこ
とが判明している。部分長燃料棒を水ロッドに隣接して
配置することで、燃料集合体中央部の水ロッド領域を大
きくしたこととほぼ等価になるので、燃料集合体の中性
子無限増倍率を増加できる効果がある。また、水ロッド
に隣接する部分長燃料棒の本数よりチャンネルボックス
に隣接する部分長燃料棒の本数を多くすることで、反応
度制御性の観点から必要となる部分長燃料棒の本数を少
なくできると共に、制御棒価値を増大する効果が得られ
る。
【0046】したがって、本発明においては、部分長燃
料棒である第3燃料棒を中性子減速棒に隣接して配置す
ることにより、中性子無限増倍率が更に増大し、反応度
及び燃料経済性が向上する。また、正方格子状の燃料棒
配列の最外層に配置された第2燃料棒の本数を、中性子
減速棒に隣接して配置された部分長燃料棒である第3燃
料棒の本数より多くすることにより、部分長燃料棒の本
数を少なくして必要な反応度を確保しかつ制御棒価値を
増大させる。
【0047】更に、本願発明者等の検討によれば、部分
長燃料棒を互いに隣接させることで、反応度制御性及び
制御棒価値共に、1本のみの効果を足し合わせた以上の
効果が得られることが判明している。したがって、本発
明において、部分長燃料棒である第2燃料棒を正方格子
状の燃料棒配列の最外層の少なくとも一辺に2本づつ配
置することにより、上記の反応度制御性及び制御棒価値
増大の効果が2倍になると共に、この2本の第2燃料棒
を互いに隣接して配置することにより、反応度及び制御
棒価値の向上の点で隣接せずに配置した場合に比べて2
倍以上の効果を得ることができる。
【0048】また、本願発明者等の検討によれば、チャ
ンネル安定性及び炉心安定性を向上するためには、部分
長燃料棒の上端位置は、4段目スペーサ〜6段目スペー
サが適切であることが判明している。これらスペーサの
位置は全長燃料棒の燃料有効長に対する比率で表現すれ
ば、1/2〜3/4に相当する。したがって、本発明で
は、部分長燃料棒である第2燃料棒の燃料有効長を通常
燃料棒2の燃料有効長の1/2から3/4の範囲にして
おり、これによってもチャンネル安定性及び炉心安定性
向上の効果が得られる。
【0049】原子炉の炉心には、十字型制御棒が挿入さ
れる側のギャップ水領域のギャップ幅と挿入されない側
のギャップ水領域のギャップ幅とが同じC格子炉心と、
十字型制御棒が挿入される側のギャップ水領域のギャッ
プ幅が挿入されない側のギャップ水領域のギャップ幅よ
り広いD格子炉心とがある。本発明において、第2燃料
棒を正方格子状の燃料棒配列の最外層の隣接する2辺に
少なくとも1本づつ配置することにより、D格子炉心に
装荷するのに好適な燃料集合体が得られる。
【0050】スペクトルシフトロッドは、炉心流量によ
ってスペクトルシフトロッド内の水位を変えることによ
り中性子減速効果を調整でき、その結果、反応度制御あ
るいは出力制御に活用できる。ところで、BWR燃料集
合体では、燃焼反応度を一般にガドリニアで制御してい
る。スペクトルシフトロッド内の水位による反応度制御
あるいは出力制御を効果的に行うためには、ガドリニア
量を減少する必要がある。本発明では、部分長燃料棒の
配置により反応度制御効果が向上し、炉停止余裕が改善
されるので、ガドリニア量を減少することが可能であ
る。その結果、燃料経済性が向上すると共に、スペクト
ルシフトロッドの効果を最大限に引き出すことができ
る。
【0051】燃料棒の格子配列数を従来の8×8から9
×9以上に増やすと、燃料集合体を構成する燃料棒の層
の数が増えるため、燃料を燃料集合体内に分布させる自
由度が高くなる。したがって、燃料集合体内の燃料ある
いは減速材を局在化して配置することが可能になり、上
記の構成が容易に実現できる。なお、ここでいう局在化
とは、燃料と減速材の境界線によって囲まれる燃料ある
いは減速材領域において、その単位体積あたりの境界線
の長さが短くなることを意味している。
【0052】最後に、本発明の燃料集合体の装荷方法に
ついて説明する。本発明の燃料集合体の特徴は、部分長
燃料棒を多用した場合に、軸方向で燃料装荷量が大きく
異なることである。したがって、従来燃料からの移行炉
心を考える場合、軸方向で燃料装荷量の差に起因する軸
方向の中性子束分布の効果を考慮することが必要とな
る。部分長燃料棒を有しないか、部分長燃料棒の本数が
本発明の燃料集合体より少ない従来の燃料集合体の中に
本発明の燃料集合体を装荷すると、従来の燃料集合体
は、炉心下部の出力が増大し、本発明の燃料集合体は逆
に炉心上部の出力が増大する傾向になる。
【0053】本発明においては、本発明の燃料集合体
(第1燃料集合体)及び従来の燃料集合体(第2燃料集
合体)を炉心中央部と炉心外周部のそれぞれに装荷し、
炉心中央部での第1燃料集合体の装荷割合を炉心外周部
でのそれよりも小さくすることにより、線出力密度を設
定値以下とすることができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。第1の実施例 本発明の第1の実施例を図1〜図12により説明する。 (構成)図1において、本実施例の燃料集合体1は沸騰
水型原子炉用であり、10×10の正方格子状に配列さ
れた多数の燃料棒2と、この燃料棒配列の最外層に配置
されたた4本の部分長燃料棒3と、これら燃料棒配列の
中央部の4×4の格子領域に対角線状に配置された横断
面円形の3本の大型水ロッド4とを有し、これら燃料棒
2,3及び水ロッド4はその周囲を横断面矩形のチャン
ネルボックス5で取り囲まれている。燃料棒2と部分長
燃料棒3との合計は90本である。
【0055】燃料棒2は通常の全長型燃料棒であり、部
分長燃料棒3は、燃料有効長が燃料棒2より短く、その
燃料有効長の15/24である。これは、後述するよう
にその上端が5段目のスペーサに支持される長さであ
る。また、数学上の行列の概念を借用し、正方格子状の
燃料棒配列の横方向の並びを行、縦方向の並びを列と
し、図示上からi番目の行で、図示左からj番目の列に
位置する格子位置を(i,j)と表現したとき、部分長
燃料棒3は(1,5),(5,1),(6,10),
(10,6)の各格子位置に配置されている。すなわ
ち、部分長燃料棒3は、正方格子状の燃料棒配列の最外
層の一辺に1本づつ、燃料棒配列外周形状の2つの対角
線のそれぞれに関して対称的に配置されている。正方格
子状の燃料棒配列の最外層より内側においては、最外層
に隣接した一層及びこれに隣接した一層の合計2層に
は、通常の燃料棒2のみが配置されている。
【0056】3本の大型水ロッド4は、燃料棒配列の中
央部の4×4の格子領域中、燃料棒を10本配置可能な
領域に対角線状に少し離れて配置されており、残りの領
域には6本の燃料棒2が配置されている。この場合、水
ロッド4の外径は20.7mmとなり、水ロッド4の肉
厚を考慮すると水ロッド内横断面積の合計は約9cm2
となっている。水ロッド4が配置される格子位置は、各
々、隣接する4つの燃料格子のうち2つ以上が水ロッド
4が位置する格子位置となっている。また、3本の大型
水ロッド4が占める最も外側の格子位置は、4×4の格
子領域対角線上の(4,7)と(7,4)であり、行方
向(横方向)に第4〜第7、列方向(縦方向)にも第4
〜第7間にあり、上記部分長燃料棒3は、これら行また
は列の範囲内に位置している。すなわち、部分長燃料棒
3は、正方格子状の燃料棒配列の最外層において、水ロ
ッド4を行方向、列方向に投影させたとき、その投影範
囲の最も外側の両格子位置を含めてそれらの格子位置よ
り内側に配置されている。
【0057】図2に上記燃料集合体1の全体構成を示
す。水ロッド(図示せず)及び燃料棒2は上端を上部タ
イプレート7に支持され、下端を下部タイプレート8に
支持され、かつ中間部の7箇所を1〜7段のスペーサ9
により保持されている。また、部分長燃料棒3は下端を
下部タイプレート8に支持され、上端を5段目のスペー
サ9に支持され、中間部の4箇所を1〜4段のスペーサ
9により保持されている。チャンネルボックス5はこの
ようにして構成した燃料バンドル全体を取り囲んでい
る。
【0058】図3に、上記燃料集合体1の炉心での配置
状況を示す。十字型制御棒10を取り囲んで、本実施例
の燃料集合体1が4体配置され、1つの燃料ユニットを
構成している。この燃料ユニットの1つのコーナに隣接
して中性子検出器計測管11が配置されている。
【0059】(作用)次に、本実施例の作用を説明す
る。燃料棒の格子配列を従来の8×8格子から10×1
0格子とすることで、燃料を燃料集合体内に分布させる
自由度が高くなる。したがって、燃料集合体内の燃料あ
るいは減速材を局在化して配置することが可能になる。
ここでいう局在化とは、燃料と減速材の境界線によって
囲まれる燃料あるいは減速材領域において、その単位体
積あたりの境界線の長さが短くなることを意味してい
る。
【0060】減速材領域(非沸騰水領域)を局在化する
位置が反応度制御(ボイド率の変化や運転状態から冷温
状態への変化に伴う反応度変化の減少)へ及ぼす効果を
説明する。図4に、燃料装荷量を一定とし、水ロッド領
域(内側領域の減速材)を増大させた場合と、ギャップ
水領域(外側領域の減速材)を増大させた場合のボイド
係数の変化を比較して示す。この図より、反応度制御性
の向上にはチャンネルボックスに面した燃料集合体の外
側領域の方が、水ロッドに面した燃料集合体の内側領域
より効果的である(感度が高い)ことが分かる。
【0061】また、図5に、部分長燃料棒の配置位置に
よる、部分長燃料棒より上部断面でのボイド係数の変化
を示す。この図よりボイド係数低減の感度は、以下の順
であることが分かる。 (1) チャンネルボックスに面した燃料集合体の外側1層
目のコーナ部燃料 (2)(1)以外のチャンネルボックスに面した燃料集合体の
外側1層目燃料 (3) 水ロッドに隣接した燃料集合体の内側領域の燃料 (4) チャンネルボックスにも水ロッドにも隣接しない燃
料 これは、前述の図4で説明した非沸騰水領域の局在化と
同様に、減速材領域を局在化すること(部分長燃料棒を
非沸騰水領域に隣接させること)が反応度制御に効果が
あることを示している。この効果は、水素対重金属原子
数比(H/U)が小さく、中性子減速効果の感度が高い
炉心上部領域(高ボイド率領域)で著しい。
【0062】以上の理由により、本実施例では、燃料棒
2,3を10×10の正方格子状に配列し、部分長燃料
棒3を燃料棒配列の最外層に配置したものであり、これ
によりボイド係数の低減効果が得られ、反応度制御性が
向上する。
【0063】部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置
する場合、その配置位置が反応度及び局所出力ピーキン
グに及ぼす影響について説明する。図6は、上記実施例
のように部分長燃料棒をチャンネルボックスに面した最
外層に対称に4本配置する場合において、図示上辺で見
て部分長燃料棒の配置位置を(1,1)〜(1,10)
に変更したときの、各位置における部分長燃料棒より上
部断面での部分長燃料棒位置と中性子無限増倍率(A)
及び局所ピーキング(B及びC)の関係を示したもので
ある。燃料棒配列は上記実施例と同様10×10格子で
あり、3本の水ロッドが、燃料棒配列の中央部の4×4
の格子領域中、燃料棒を10本配置可能な領域に配置さ
れている。なお、Aについては、部分長燃料棒が図示上
辺で見て(1,5)に位置するときを基準としてそれと
の反応度差で示し、Bについては、部分長燃料棒がコー
ナ部に位置するときはそれに隣接した通常燃料棒、それ
以外では部分長燃料棒に図示左側で隣接する通常燃料棒
の局所出力ピーキング係数を示し、Cについては、コー
ナ部に位置する通常燃料棒の局所出力ピーキング係数を
示す。
【0064】図6から分かるように、部分長燃料棒が最
外層のコーナ部に位置するときは反応度損失が大きく、
かつ部分長隣接燃料棒の局所出力ピーキングも大きい。
部分長燃料棒位置が最外層のコーナ部に隣接した格子位
置、例えば図示上辺で見て(1,2)に移動するとき
は、反応度損失は大幅に改善されるが、部分長隣接燃料
棒及びコーナ部燃料棒の局所出力ピーキングは大きい。
部分長燃料棒が最外層のコーナ部からコーナ部を含め3
番目の格子位置、例えば図示上辺で見て(1,3)に位
置するときは、反応度損失は更に改善されるが、部分長
隣接燃料棒及びコーナ部燃料棒の局所出力ピーキングは
依然として大きい。部分長燃料棒が最外層のコーナ部か
らコーナ部を含め4番目またはそれよりも内側に位置す
るとき、例えば図示上辺で見て(1,4)またはそれよ
りも内側に位置するときは、反応度損失はほとんど無く
なり、かつ部分長隣接燃料棒及びコーナ部燃料棒の局所
出力ピーキングも大幅に低下する。
【0065】以上の理由により、本実施例においては、
部分長燃料棒3を燃料棒配列の最外層において、水ロッ
ドの投影範囲の最も外側の両格子位置を含めてそれらの
格子位置より内側に配置したものであり、この配置によ
り反応度損失と局所出力ピーキングの両方を改善でき、
燃料経済性の向上と熱的余裕の向上が図れる。なお、局
所出力ピーキングについては別途対策を講じるのであれ
ば、反応度損失の低減のみを考えれば良く、この場合
は、部分長燃料棒を最外層のコーナ部に隣接した格子位
置、または最外層のコーナ部からコーナ部を含め3番目
の格子位置に配置してもよい。
【0066】部分長燃料棒を燃料棒配列の最外層に配置
する場合、その配置位置が制御価値に及ぼす影響を説明
する。図7は、上記実施例のように部分長燃料棒をチャ
ンネルボックスに面した最外層に対称に4本配置する場
合において、図示上辺で見て部分長燃料棒の配置位置を
(1,1)〜(1,10)に変更したときの、部分長燃
料棒位置と部分長燃料棒より上部断面での制御棒価値と
の関係を示している。制御棒価値は、同じ本数の部分長
燃料棒を水ロッドに隣接させる場合を基準にして、それ
との差で示している。この図から分かるように、チャン
ネルボックスに面した最外層に部分長燃料棒を配置した
方が、水ロッドに隣接して配置するよりも、制御棒価値
はいずれの場合も大きくなる。これは、制御棒(特に吸
収棒)近傍の熱中性子束が増大したことが要因である。
【0067】したがって、本実施例では、部分長燃料棒
3を燃料棒配列の最外層に配置することにより、制御棒
価値向上の効果も期待でき、安全性向上に寄与する。
【0068】減速材領域の局在化効果を最大限に活用す
るためには、通常燃料棒を局在化することが必要であ
る。通常燃料棒の局在化は、共鳴中性子が吸収される確
率を低減し、より一層の燃料経済性の向上に寄与する。
本実施例では、正方格子状の燃料棒配列の最外層より内
側において、最外層に隣接した一層で第2燃料棒に隣接
する格子位置には通常の燃料棒2のみが配置され、中央
には水ロッド4を集中して配置し、外側の層(最外層)
に部分長燃料棒3を配置しており、通常燃料棒2の領域
が減速材領域で囲まれた構成になっている。その結果、
減速材領域で効率よく減速された熱中性子が、通常燃料
棒2の領域に効率よく流入するため、共鳴吸収が減少
し、反応度制御性だけでなく燃料経済性が改善される。
この効果は、第1燃料棒のみが配置される領域を最外層
に隣接した一層全体とすることにより更に大きくなり、
その層を本実施例のように2層とすることにより更にま
た大きくなる。
【0069】減速材領域(非沸騰水領域)の局在化が燃
料経済性へ及ぼす効果、及び水ロッド横断面積、形状の
最適化について説明する。図8に、燃料棒の格子配列数
を10×10とした燃料集合体において、燃料装荷量を
一定として、水ロッド領域(内側領域の減速材)を増大
させた場合と、チャンネルボックス外側のギャップ水領
域(外側領域の減速材)を増大させた場合の反応度の変
化を比較して示す。横軸には水ロッド領域またはギャッ
プ水領域の増分(非沸騰水領域の増分)と、水ロッド領
域の増分に関しチャンネルボックス内横断面積に対する
水ロッド内横断面積の割合の2つの指標を示し、縦軸に
は現在の水ロッド内横断面積である3cm2 (1.7
%)を基準とした中性子無限増倍率の差を示す。この図
より、中性子無限増倍率の向上、すなわち、反応度また
は燃料経済性の向上にはチャンネルボックスに面した燃
料集合体の外側領域より、燃料集合体の内側領域の方が
効果的である(感度が高い)ことが分かる。これは、中
性子束分布の平坦化により、減速材による中性子吸収が
減少するためである。熱中性子束分布の平坦化は、燃料
経済性だけでなく局所出力分布にも影響を及ぼすため、
熱的余裕を確保する点からも重要である。
【0070】このように、10×10格子の燃料集合体
においては、燃料経済性向上のためには水ロッド内横断
面積を増加することが効果があり、そのために水ロッド
内横断面積を現在の3cm2 (1.7%)から増大する
ことが必要である。一方、水ロッド領域の燃料格子数を
増大することは、燃料棒本数の減少になり、高燃焼度化
に反することになる。燃料集合体の対称性を考慮する
と、10×10格子燃料集合体では、水ロッド領域の燃
料格子位置数は、現在の2本から8本〜16本の範囲が
妥当である。10×10格子燃料集合体の燃料単位格子
の面積が、現在の8×8格子の60%程度になること、
また水ロッド領域の燃料格子位置数が上記より4倍〜8
倍になることを考えると、水ロッド内横断面積としては
7(4%)〜14(8%)cm2 の範囲が適切である。
【0071】本実施例では、以上の理由により3本の水
ロッド4の横断面積の合計は約9cm2 となっており、
これによっても反応度を高め、燃料経済性を向上でき
る。
【0072】また、水ロッド内横断面積の最適化には安
定性の観点がある。安定性には、チャンネル安定性と炉
心安定性の2つのモードがある。まず、チャンネル安定
性は、冷却水の流量配分の振動を防止するためのもの
で、炉心内の一番出力の高い燃料集合体に対して評価す
る。炉心安定性は、炉心内の中性子束と熱水力振動とが
カップリングして生じる不安定現象を防止するためのも
のである。それぞれの制限値は減幅比で現わされる。す
なわち、チャンネル安定性、炉心安定性共に、減幅比が
1.0以下になるように制限されている。
【0073】そこで、本願発明者等は、10×10燃料
集合体の安定性について検討した。図9は、ウラン装荷
量と水ロッド内横断面積のマップ上に安定性の限界線を
示したものである。ウラン装荷量とは、燃料集合体1体
当たりに装荷できるウラン装荷量であり、ウラン装荷量
が大きくなることは燃料棒の外径の増加を意味する。一
方、水ロッド内横断面積とは、燃料集合体に位置する水
ロッド内の水流路の横断面積を示し、水ロッド内横断面
積の増加は水ロッドの外径の増加を意味する。したがっ
て、ウラン装荷量並びに水ロッド内横断面積の増加は、
燃料棒、水ロッドの外径を太くし、燃料集合体内の流路
面積を減少させるため、流路抵抗が増え、チャンネル安
定性の余裕を低減させる。そのため、図9に示すよう
に、水ロッド内横断面積が大、ウラン装荷量が大の領域
ではチャンネル安定性は厳しくなり、チャンネル安定性
の制限線は右下がりとなる。一方、炉心安定性に対して
は、ウラン装荷量の増大、水ロッド内面積の減少は炉心
安定性を悪化させるため、制限線は右上がりとなる。そ
のため、安定性に対する許容領域は、図9の中央部に存
在し、チャンネル安定性の制限線と、炉心安定性の制限
線とに囲まれた山の形をした領域となる。
【0074】ウラン装荷量の増加は燃料サイクル費を減
少させるため、燃料経済上、好ましい。図9の安定性の
許容領域内で、チャンネル安定性制限線と炉心安定性制
限線との交差点付近(山の頂上部分)が、最も燃料サイ
クル費が低く、最適な部分であることが分かる。すなわ
ち、この頂上部分(水ロッド内横断面積で10cm2
傍)に近接した範囲がチャンネル安定性及び炉心安定性
と燃料経済性を両立させる最適点であり、その範囲とし
ては水ロッド内横断面積で9〜11cm2 が好ましい。
【0075】従来の技術では、安定性を増すため、燃料
集合体の直下部にオリフィス板を設け、このオリフィス
板での抵抗を増やすことや、低圧損型スペーサを採用す
ることも提案されている。したがって、オリフィス抵抗
を増大、あるいは、低圧損型スペーサを採用すると、安
定性が向上するため、安定性の制限線が移動し、許容領
域が拡大する。しかし、この場合、両制限線は共に上に
移動するため、最適点(山の頂上部分)に対する水ロッ
ド内横断面積はほとんど変化しない。したがって、燃料
集合体の水ロッド内横断面積を9〜11cm2 にするこ
とは、この点からも燃料経済性上、望ましい。
【0076】以上の理由から、本実施例では水ロッド4
の横断面積の合計は約9cm2 となっており、最適点に
漸近した位置にあることが分かる。そのため、本実施例
では、チャンネル安定性、炉心安定性、及び燃料経済性
が向上する。更に、安定性が向上したことにより、安定
性向上用に設けられていた機器が不要となる。
【0077】また、水ロッドの横断面積を増加するに
は、大型水ロッドの採用が、犠牲にしなくてはならない
燃料棒本数を減少できる点、更に燃料棒冷却効果の小さ
な冷却材流路面積が減少できる(限界出力を増大する)
点で有利である。水ロッドと水ロッドに隣接する燃料棒
との間隔を一定とすると、円形水ロッドの場合には、上
記スペースの有効利用の点で、2×2の燃料格子を水ロ
ッドにすることが最も優れている。
【0078】したがって、本実施例では、中性子減速効
果が小さな燃料集合体中央領域の10セル分を水ロッド
領域としており、水ロッド領域の燃料格子位置を、隣接
する4つの燃料格子のうち少なくとも2つ以上が水ロッ
ド領域に隣接するようにすることで、2×2相当の大き
さの大型円形水ロッドを3本配置し、燃料棒冷却効果の
小さな冷却材流路面積が減少した構成となっている。こ
れは、限界出力を増大することになる。
【0079】最後に、部分長燃料棒3の長さがチャンネ
ル安定性及び炉心安定性に及ぼす影響を説明する。図1
0及び図11に、ウラン装荷量一定の条件で、部分長燃
料棒3の長さを変えて、チャンネル安定性及び炉心安定
性を評価した結果を示す。図の横軸は、部分長燃料棒3
の上端位置を、縦軸は減幅比を示す。部分長燃料棒の上
端を下から7段目スペーサ位置(図の右端)から短くす
ると、集合体上部での流路面積が広がるため、圧力損失
が減少し、チャンネル安定性、炉心安定性とも向上す
る。しかし、部分長燃料棒の長さを、下から3段目のス
ペーサ以下にすると、ウラン装荷量一定の条件で解析し
ているため、燃料棒の外径が増大し、集合体下部での圧
力損失が増え、不安定化していることが分かる。また、
燃料棒外径が増大すると、燃料棒同士の隙間がなくな
り、熱的に厳しくなる。そのため、部分長燃料棒の上端
位置は、4段目スペーサ、5段目スペーサが最適とな
り、6段目も使用可能である。これ等スペーサの段数を
全長燃料棒の燃料有効長に対する比率で表現すれば、1
段目スペーサの下には下部タイプレートがあり、7段目
スペーサの上には上部タイプレートがあるので、4段目
スペーサは燃料有効長が4/8、すなわち1/2の位置
に相当し、6段スペーサは燃料有効長が6/8、すなわ
ち、3/4の位置に相当する。したがって、部分長燃料
棒3の燃料有効長が通常燃料棒2の燃料有効長の1/2
から3/4の範囲にあれば、チャンネル安定性及び炉心
安定性向上の効果が得られる。
【0080】以上の理由により、本実施例では、部分長
燃料棒3の長さを全長型燃料棒2のの燃料有効長の15
/24、すなわち、上端が5段目スペーサに支持される
長さとし、これによりチャンネル安定性及び炉心安定性
が向上する。なお、上端を4段目スペーサで支持する長
さとすれば、更に安定性余裕が増大する。
【0081】(効果)本実施例によれば、燃料棒格子配
列及び水ロッドと部分長燃料棒の配置を最適化すること
で、ボイド係数の低減効果が得られ、反応度制御性が向
上すると共に、反応度損失と局所出力ピーキングの両方
を改善でき、燃料経済性の向上と熱的余裕の向上が図れ
る。試算によれば、本実施例で示した燃料集合体構成を
とることにより、図12に示す8×8の正方格子状に配
列された多数の燃料棒50と、これら燃料棒配列の中央
部に配置された横断面円形の2本の水ロッド51とを有
する従来の燃料集合体に比較し、反応度制御性を示すボ
イド係数の絶対値をおよそ10%程度小さくでき、ま
た、運転時−冷温時の反応度差を1.0%Δk程度低減
できる。更に、局所出力ピーキングを増大することな
く、燃料集合体の中性子無限増倍率を0.5Δk程度上
昇する効果がある。
【0082】更に、本実施例によれが、制御棒価値向上
の効果も期待でき、安全性が向上すると共に、炉心安定
性も向上する効果がある。
【0083】第2の実施例 本発明の第2の実施例を図13及び図14により説明す
る。本実施例は、前記第1の実施例の中で、部分長燃料
棒の総数を8本にしたものである。すなわち、図13に
おいて、本実施例の燃料集合体1Aは8本の部分長燃料
棒3を有し、これら部分長燃料棒3は、チャンネルボッ
クス5に面する燃料棒配列の最外層4辺の各々に2本ず
つ隣接して配置されている。部分長燃料棒3の配置位置
は、燃料棒配列の各格子位置を第1の実施例と同様に行
列の手法で表現すれば、(1,5),(1,6);
(5,1),(6,1);(5,10),(6,1
0);(10,5),(10,6)の各格子位置にあ
り、本実施例でも、部分長燃料棒3は、正方格子状の燃
料棒配列の最外層において、水ロッド4を行方向、列方
向に投影させたとき、その投影範囲の最も外側の両格子
位置を含めてそれらの格子位置より内側に配置されてい
る。
【0084】部分長燃料棒3を2本隣接することの効果
を図14により説明する。図14は、部分長燃料棒を隣
接した場合の反応度制御性及び制御棒価値を示してい
る。この図から分かるように、部分長燃料棒3を隣接さ
せることで、反応度制御性及び制御棒価値共に、1本の
みの効果を単純に足し合わせた以上の効果を得ている。
2本以上を隣接して配置しても(減速材を局在化して
も)、図6で説明したように、局所出力ピーキングに対
して平坦化に寄与する位置に配置すれば、すなわち、水
ロッド4の投影面積の範囲内に配置されていれば、熱的
余裕の確保の点で問題にならない。したがって、本実施
例によれば、反応度制御性及び制御棒価値の向上の点で
第1の実施例の2倍以上の効果を得ることができる。
【0085】第3の実施例 本発明の第3の実施例を図15により説明する。本実施
例は、前記第2の実施例の中で、部分長燃料棒の位置と
水ロッドの大きさを変更したものである。すなわち、図
15において、本実施例の燃料集合体1Cは8本の部分
長燃料棒3を有し、これら部分長燃料棒3は、燃料棒配
列の最外層4辺の各々に2本ずつ隣接せず分散して配置
されている。また、集合体中央部には3本の大型水ロッ
ド4aが配置されている。部分長燃料棒3の配置位置
は、上記と同様に数学上の行列の手法により表現したと
き、(1,4),(1,7);(4,1),(7,
1);(4,10),(7,10);(10,4),
(10,7)の格子位置である。すなわち、部分長燃料
棒3は、正方格子状の燃料棒配列の最外層において、水
ロッド4aを行方向、列方向に投影させたとき、その投
影範囲の最も外側の両格子位置を含めてそれらの格子位
置より内側に配置されている。本実施例は、第2の実施
例に比べ反応度制御効果は減少するが、部分長燃料棒を
制御棒価値の増大効果の大きな場所に配置できる利点が
ある。
【0086】また、3本の大型水ロッド4aは、燃料棒
配列の中央部の4×4の格子領域に互いに接して配置さ
れている。この場合、水ロッド4aの外径は21.6m
mとなり、水ロッド4aの肉厚を考慮すると水ロッド内
横断面積の合計は約10cm2 となっている。すなわ
ち、本実施例では水ロッド4の横断面積の合計は図9に
示す最適点により近く位置している。そのため、本実施
例では、チャンネル安定性、炉心安定性、及び燃料経済
性が更に向上する。
【0087】第4の実施例 本発明の第4の実施例を図16により説明する。本実施
例は、前記第2の実施例の中で、部分長燃料棒の総数を
更に4本増やし、チャンネルボックスと水ロッドに隣接
する部分長燃料棒を共存させたものである。すなわち、
図16において、本実施例の燃料集合体1Cは燃料棒配
列の最外層に配置された8本の部分長燃料棒3と、大型
水ロッド4に隣接して配置された4本の部分長燃料棒3
aとを有している。前記部分長燃料棒3,3aの燃料有
効長は、第1の実施例と同様、通常燃料棒2の燃料有効
長の15/24である。
【0088】本実施例においては、部分長燃料棒3aを
水ロッド4に隣接して配置することで、燃料集合体中央
部の水ロッド領域を大きくしたこととほぼ等価になるの
で、燃料集合体1C内外の熱中性子束分布の平坦化に効
果があり、図8に示したように燃料集合体の中性子無限
増倍率を増加できる。この場合、ボイド係数の低減効果
及び制御棒価値の増大効果は、図4及び図7に示したよ
うに、水ロッドより外側領域の方が大きいので、本実施
例のように、水ロッド4に隣接する部分長燃料棒3aの
本数よりチャンネルボックス5に隣接する部分長燃料棒
3の本数を多くすることで、反応度制御性の観点から必
要となる部分長燃料棒の本数を少なくできると共に、制
御棒価値を増大する効果が得られる。また、このように
チャンネルボックスと水ロッドに隣接する部分長燃料棒
3,3aを共存させることで、燃料集合体1C内外の熱
中性子束分布の平坦化に効果がある。
【0089】試算によれば、本実施例では合計4本の部
分長燃料棒3aを大型水ロッド4に隣接して配置するこ
とにより、集合体中央部の非沸騰水領域が約3cm2
加する計算になり、中性子無限増倍率は約1%増加す
る。また、反応度制御性を示すボイド係数の絶対値は、
図12に示した従来の燃料集合体に比べおよそ40%程
度小さくでき、炉心安定性を犠牲にすることなく、燃料
装荷量を確保できる。
【0090】第5の実施例 本発明の第5の実施例を図17により説明する。原子炉
の炉心には、図3に示すように、十字型制御棒10が挿
入される側のギャップ水領域のギャップ幅d1 と挿入さ
れない側のギャップ水領域のギャップ幅d2 とが同じC
格子炉心と、図17に示すように、十字型制御棒10が
挿入される側のギャップ水領域のギャップ幅D1 が挿入
されない側のギャップ水領域のギャップ幅D2 より広い
D格子炉心とがある。今までは、C格子炉心に装荷する
のに好適な実施例を説明したが、本実施例はD格子炉心
に装荷するのに好適なものである。
【0091】すなわち、図17において、本実施例の燃
料集合体1Cは、チャンネルボックス5に面する最外層
に位置する8本の部分長燃料棒3と、水ロッド4に隣接
する4本の部分長燃料棒3aとを有し、最外層に位置す
る部分長燃料棒3は、前記ギャップ幅の狭いギャップ水
領域に近い方に偏在している。本実施例によれば、この
ように部分長燃料棒3を偏在させることで、最外層の燃
料に対する水素対金属原子数比(H/U)を最適にし、
このため燃料濃縮度分布をあまりつけずに、局所出力ピ
ーキングを抑制することができる。
【0092】第6の実施例 本発明の第6の実施例を図18により説明する。本実施
例も、第5の実施例と同様にD格子炉心に装荷するのに
好適なものである。すなわち、図18において、本実施
例の燃料集合体1Dはチャンネルボックス5に面する最
外層の隣接する2辺に位置する2本の部分長燃料棒3を
有し、この部分長燃料棒3は、上記ギャップ幅の狭いギ
ャップ水領域に近い方に偏在している。本実施例によっ
ても、部分長燃料棒3を偏在させることで、最外層の燃
料に対する水素対金属原子数比(H/U)を最適にし、
燃料濃縮度分布をあまりつけずに、局所出力ピーキング
を抑制することができる。
【0093】第7の実施例 本発明の第7の実施例を図19により説明する。本実施
例の燃料集合体1Eは、中央部に位置する大型水ロッド
として1本の十字型水ロッド4Eを採用したものであ
る。また、十字型水ロッド4Eの4つのコーナ部に4本
の部分長燃料棒3Aが配置されている。本実施例によっ
ても第4の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0094】第8の実施例 本発明の燃料集合体の装荷方法に係わる実施例を図20
〜図24により説明する。本実施例の装荷方法により装
荷された炉心の構造を図20〜図22に示す。図20及
び図21において、本実施例に係わる原子炉の炉心は、
中央領域OAと、外周領域ABと、最外周領域BCとか
らなり、中央領域OA及び外周領域ABには本発明の燃
料集合体、例えば図16に示す第4の実施例による燃料
集合体1Cと、図23に示す部分長燃料棒を有しない従
来の燃料集合体52とが配置されている。ただし、図2
2に拡大して示すように、本発明の燃料集合体1Cの装
荷割合は、炉心中央領域の方が炉心外周領域より小さく
なっている。
【0095】本発明の燃料集合体の特徴は、部分長燃料
棒の多用で軸方向で燃料装荷量が大きく異なることであ
る。したがって、従来燃料からの移行炉心を考える場
合、軸方向で燃料装荷量の差に起因する軸方向の中性子
束分布の効果を考慮することが必要となる。
【0096】すなわち、図23に示す部分長燃料棒を有
しない従来の燃料集応対53の中に本発明の燃料集合体
1Cを装荷すると、従来の燃料集合体53は、炉心下部
の出力が増大し、本発明の燃料集合体1Cは逆に炉心上
部の出力が増大する傾向になる。上記のように炉心を領
域に分け、炉心中央領域での本発明の燃料集合体1C
(新燃料)の装荷割合を、炉心外周領域のそれより小さ
くすることにより、線出力密度を設定値以下とすること
ができる。
【0097】また、従来の燃料集合体としては、図24
に示すように、部分長燃料棒55の割合が本発明の燃料
集合体1Cのそれより小さい燃料集合体54に対して
も、上記装荷方法が同様に有効である。以上のように、
本実施例の装荷方法は、部分長燃料棒の割合が異なる燃
料体を炉心内に混在させる場合に有効である。
【0098】第9〜第13の実施例 本発明の第9〜第13の実施例を図25〜図29により
説明する。これら実施例は、共に、図16の第4の実施
例に対して中性子減速棒である水ロッドの横断面形状を
変更したものである。すなわち、図25の第9の実施例
による燃料集合体1Fでは、燃料棒配列の中央部に、2
本の太径水ロッドと2本の細径水ロッドとからなる4本
の水ロッド4Fを配置したものであり、図26の第10
の実施例による燃料集合体1Gでは、アレイ型横断面の
水ロッド4Gを配置したものである。これらの実施例で
は、図16の実施例に比べ、水ロッド4F,4G内の横
断面積が更に増大し、11cm2 程度にできる。そのた
め、水ロッド内横断面積を図9に示した10cm2 近傍
の最適点に設定でき、安定性、燃料経済性が向上する。
また、本実施例では、図16の実施例と同様、最外層と
水ロッドに隣接した位置に部分長燃料棒3,3aを2本
づつ隣接して配置してある。そのため、図16に示した
第4の実施例と同様、見かけ上のボイド係数の絶対値の
低下により安定性余裕が向上し、燃料サイクル費も低減
し、燃料経済性が向上する。
【0099】また、図27の第11の実施例による燃料
集合体1H、図28の第12の実施例による燃料集合体
1I及び図29の第13の実施例による燃料集合体1J
では、別の形状の水ロッド4H,4I,4Jを配置して
おり、これらの実施例でも、水ロッド内横断面積が増大
し、11cm2 程度にできる。そのため、上記第9及び
第10の実施例と同様の効果が得られる。
【0100】なお、以上の実施例では、減速棒手段とし
て水ロッドを採用したが、水ロッドの代わりに、水素密
度が高く中性子吸収断面積が小さな固体減速材(たとえ
ばジルコニウムハイドライド等)を封入した固体減速棒
を用いた燃料集合体に対しても同様の効果が得られる。
また、燃料物質としてはウランを対象にして説明した
が、使用済燃料から取り出されたプルトニウムや回収ウ
ランを用いたウランとプルトニウムの混合物でも同様の
効果が得られる。
【0101】第14の実施例 本発明の第14の実施例を図30により説明する。本実
施例は、図19の第7の実施例に対して中性子減速棒で
ある水ロッドの横断面形状を変更したものである。本実
施例の燃料集合体1Kは、中央部に位置する大型水ロッ
ドとして4本の大型円形水ロッド4Kを採用したもので
ある。また、2本の大型円形水ロッド4Kに隣接した格
子位置には部分長燃料棒3aが配置されている。本実施
例によっても第7の実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
【0102】第15の実施例 本発明の第15の実施例を図31により説明する。本実
施例は、図16の第4の実施例に対して部分長燃料棒の
位置を変更したものである。すなわち、前記第4の実施
例の中で水ロッドに隣接する4本の部分長燃料棒3aを
普通の全長型燃料棒2に置き換え、代わりに燃料棒配列
の最外層に隣接した一層で、前記最外層に配置された8
本の部分長燃料棒3aに隣接する格子位置を除く格子位
置、即ちコーナ部に部分長燃料棒3bを配置したもので
ある。前記部分長燃料棒3,3bの有効長は第1の実施
例と同様、通常燃料棒2の15/24である。
【0103】本実施例においては、部分長燃料棒3bを
最外層に隣接した一層のコーナ部に配置することで、チ
ャンネルボックス内の冷却材流量分布及び蒸気体積率分
布を均一にする効果がある。一般に、チャンネルボック
スに面した領域、特にコーナ部近傍は摩擦抵抗が大き
く、冷却材流量が減少する傾向にある。部分長燃料棒を
最外層に隣接した一層のコーナ部に配置することで、こ
れを解消できる。さらに、部分長燃料棒3bを、最外層
に配置された8本の部分長燃料棒に隣接させないように
することで、部分長燃料棒に隣接する通常燃料棒2の局
所出力ピーキングの増大を抑制できることができる。そ
の結果、第4の実施例に比べ熱的余裕の指標である限界
出力を増大できる。
【0104】第16及び第17の実施例 本発明の第16〜第17の実施例を図32及び図33に
より説明する。これらの実施例は共に、図4及び図31
の実施例を9×9格子燃料集合体に適用したものであ
る。
【0105】図32及び図33において、燃料集合体1
M,1Nは、9×9の正方格子状に配置された多数の全
長型燃料棒22および部分長燃料棒22a(図32)ま
たは22b(図33)と、これら燃料棒配列の中央部の
3×3の格子領域に対角線状に配置された横断面円形の
2本の大型水ロッド24とを有し、これ等燃料棒及び水
ロッドはその周囲を横断面矩形のチャンネルボックス2
5で取り囲まれている。燃料棒2および部分長燃料棒と
の合計は74本である。図32に示す第16の実施例で
は、部分長燃料棒23,23aは、(1,5),(5,
1),(9,5),(5,9)の最外層中心位置に4本
と、水ロッド24に隣接する4本の合計8本であり、図
33に示す第17の実施例では、部分長燃料棒23,2
3bは、第16の実施例と同じ最外層位置に4本と、前
記最外層に配置された4本の部分長燃料棒に隣接する格
子位置を除く格子位置、即ちコーナ部に4本の合計8本
である。前記部分長燃料棒の有効長は、第1の実施例と
同様、通常燃料棒2の15/24である。水ロッド内横
断面積の合計は第1の実施例と同様、約9cm2 となっ
ている。
【0106】本実施例によれば、反応度制御効果は、部
分長燃料棒本数の割合が減少することにより、第4ある
いは第15の実施例より減少する。しかし、10×10
格子を9×9格子にすることで、圧力損失の低減、安定
性性能の改善が図れるため、燃料装荷料をさらに増大で
きる利点がある。
【0107】第18及び第19の実施例 本発明の第18及び第19の実施例を図34及び図35
により説明する。これらの実施例は共に、図32及び図
33の実施例に対して中性子減速棒である水ロッドの横
断面形状を変更したものである。即ち、本実施例の燃料
集合体1P,1Qは、中央部に位置する大型水ロッドと
して1本の大型正方水ロッド24Pを採用している。本
実施例によっても第16及び第17の実施例と同様の効
果を得ることができる。
【0108】第20の実施例 本発明の第20の実施例を図36〜図39により説明す
る。本実施例は、図36に示すように、図33の第17
の実施例において中性子減速棒を、炉心流量によって軸
方向水位が変わる所謂スペクトルシフトロッド24Rに
変更したものである。
【0109】スペクトルシフトロッド24Rの詳細構造
を図37及び図38に示す。スペクトルシフトロッド2
4Rは、特開昭63−73187号公報に記載のよう
に、内管30、外管31及びスペーサ32から構成され
る。外管31と内管30とは同心円状に配置され、外管
31が内管30の外周を取り囲んでいる。外管31の上
端はカバー部33にて密封されており、カバー部33の
上部が上部タイプレート12内に挿入されて保持され
る。カバー部33は、内管30の上端との間に間隙を形
成するように内管30の上端を絞っている。内管30の
上端部は、スペクトルシフトロッド24Rの軸心から放
射状に配置された板状のスペーサ32を介して外管31
の内面に固定される。外管31の下端は封鎖部34にて
封鎖される。内管30の下端部は、封鎖部34を貫通し
てそれよりも下方に突出している。内管30の下端部
は、下部タイプレート13の燃料棒支持部14を貫通し
ている。内管30の下端に形成された冷却水流入口38
は、下部タイプレート13の空間15に開口している。
内管30の内部が冷却水上昇流路35を形成し、内管3
0と外管31との間に形成される環状通路が冷却水下降
流路36を形成している。外管31の下端部の管壁に、
周方向に複数の冷却水吐出口39が形成される。これ等
の冷却水吐出口39は、周方向に等間隔に設けられてい
る。冷却水吐出口39は、燃料棒支持部14よりも上方
の領域に開口している。本実施例では、燃料棒支持部1
4が抵抗体の機能を有している。冷却水上昇流路35と
冷却水下降流路36とは、スペクトルシフトロッド24
Rの上端部に形成された反転部37によって連結されて
いる。このようにスペクトルシフトロッド24Rは、内
部に冷却水上昇流路35、冷却水下降流路36及び反転
部37からなる逆U字状の冷却水流路を有している。
【0110】本実施例の燃料集合体1Rを沸騰水型原子
炉の炉心内に装荷して(全燃料集合体が燃料集合体1
R)沸騰水型原子炉を運転すると、冷却水の大部分は、
下部タイプレート13の空間15及び燃料棒支持部14
に設けられた貫通口18を通って炉心に装荷された燃料
集合体1Rの燃料棒相互間に直接導入される。下部タイ
プレート13の空間に流入した冷却水の残りの部分は、
冷却水流入口38からスペクトルシフトロッド24Rの
冷却水上昇流路35内に流入し、更に反転部37及び冷
却水下降流路36を介して冷却水吐出口39から燃料棒
支持部14より上方の領域に吐出される。冷却水吐出口
39から吐出される冷却水は、冷却水流入口38からス
ペクトルシフトロッド24R内に流入する冷却水の流量
の多少に応じて液体又は気体(蒸気)となる。本実施例
は、炉心流量100%以下で冷却水上昇流路35内に液
面ができる状態がスペクトルシフトロッド24R内に生
じ、炉心流量110%で冷却水上昇流路35及び冷却水
下降流路36内はほとんど単相流となる状態がスペクト
ルシフトロッド24R内に生じるように、燃料棒支持部
14の圧力損失、内管30及び外管31の仕様が予め設
定されている。
【0111】スペクトルシフトロッド24Rは、このよ
うに炉心流量によってスペクトルシフトロッド内の水位
を変えることにより中性子減速効果を調整でき、その結
果、反応度制御あるいは出力制御に活用できる。この作
用の詳細は特開昭63−73187号公報に記載されて
いる。
【0112】ところで、BWR燃料集合体では、燃焼反
応度を一般にガドリニアで制御している。したがって、
運転サイクル初期では、新燃料に含まれるガドリニアと
スペクトルシフトロッドの相互作用を考慮する必要があ
る。図39は、炉心流量を燃焼初期から徐々に増やしス
ペクトルシフトロッド24R内の蒸気体積率を100%
から0%に変化したときの、中性子無限増倍率の変化を
示している。ガドリニアが存在する寿命初期は、スペク
トルシフトロッド内の水位が下がることで中性子無限増
倍率が逆に上がることがわかる。これは、中性子減速効
果が損なわれることで、ガドリニアによる熱中性子吸収
が減少した結果である。すなわち、スペクトルシフトロ
ッド内の水位による反応度制御あるいは出力制御を効果
的に行うためには、ガドリニア量を減少する必要がある
ことが分かる。
【0113】本実施例では、部分長燃料棒の配置により
反応度制御効果が向上し、炉停止余裕が改善されるの
で、ガドリニア量を減少することが可能である。その結
果、他の実施例で示したように燃料経済性が向上すると
共に、スペクトルシフトロッドの効果を最大限に引き出
すことができる。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、部分長燃料棒を正方格
子状の燃料棒配列の最外層に配置したので、ボイド係数
の低減効果が得られ、反応度制御性が向上すると共に、
制御棒価値向上の効果も期待でき、安全性向上に寄与す
る。また、部分長燃料棒を最外層のコーナ部以外に配置
したので、反応度を低下させずにボイド係数を低減で
き、燃料経済性を向上できる。
【0115】また、部分長燃料棒を最外層そのコーナ部
およびコーナ部に隣接した位置以外に配置したので、反
応度損失が更に低減し、燃料経済性が更に向上する。
【0116】更に、部分長燃料棒を中性子減速棒の投影
範囲の最も外側より内側に配置したので、反応度損失と
局所出力ピーキングの両方を改善でき、燃料経済性と熱
的余裕が共に向上する。
【0117】また、正方格子状の燃料棒配列の最外層よ
り内側の一層に配置される燃料棒のうち、最外層の第2
燃料棒に隣接する燃料棒は通常の燃料棒であるので、共
鳴吸収が減少し、反応度制御性だけでなく燃料経済性が
改善される。
【0118】更に、中性子減速棒の減速材横断面積を7
〜14cm2 にしたので、燃料棒の格子配列数を9×9
またはそれ以上とした燃料集合体において、反応度を高
め、燃料経済性が向上し、中性子減速棒の減速材横断面
積を9〜11cm2 とする場合は、チャンネル安定性、
炉心安定性も向上する。
【0119】また、中性子減速棒を燃料棒が7〜12本
配置可能な領域に配置したので、水ロッド領域を、隣接
する4つの燃料格子のうち少なくとも2つ以上に水ロッ
ド領域が位置するように配置することで、2×2相当の
大きさの大型円形水ロッドが10×10の燃料集合体で
3本または4本配置でき、9×9の燃料集合体で2本配
置できるため、燃料棒冷却効果の小さな冷却材流路面積
が減少し、限界出力が増大する。
【0120】また、部分長燃料棒を水ロッドに隣接して
配置するので、反応度及び燃料経済性が更に向上し、正
方格子状の燃料棒配列の最外層に配置された部分長燃料
集合体の本数を、中性子減速棒に隣接して配置された部
分長燃料棒の本数より多くするので、部分長燃料棒の本
数を少なくして必要な反応度を確保しかつ制御棒価値を
増大できる。
【0121】更に、正方格子状の燃料棒配列の最外層よ
り内側において、該最外層に隣接した一層のコーナ部に
部分長燃料棒である第3燃料棒を配置することにより、
チャンネルボックス内の冷却材流量分布及び蒸気体積率
分布を均一にする効果がある。
【0122】更に、部分長燃料棒を互いに隣接させるの
で、反応度制御性及び制御棒価値共に、1本のみの効果
を足し合わせた以上の効果が得られる。
【0123】また、部分長燃料棒を正方格子状の燃料棒
配列の最外層の隣接する2辺に少なくとも1本づつ配置
するので、D格子炉心に装荷するのに好適な燃料集合体
が得られる。
【0124】また、部分長燃料棒の配置により反応度制
御効果が向上し、炉停止余裕が改善されるので、ガドリ
ニア量を減少することができ、中性子減速棒としてスペ
クトルシフトロッドを用いた場合にスペクトルシフトロ
ッドの効果を最大限に引き出すことができる。
【0125】また、本発明の燃料集合体(第1燃料集合
体)及び従来の燃料集合体(第2燃料集合体)を炉心中
央部と炉心外周部のそれぞれに装荷し、炉心中央部での
第1燃料集合体の装荷割合を炉心外周部でのそれよりも
小さくするので、線出力密度を設定値以下とすることが
できる。
【0126】以上説明したように、本発明によれば、高
燃焼度化を目指した燃料集合体において、反応度を低下
させずにボイド係数を小さくし、かつ局所ピーキングを
平坦化できると共に、中性子減速棒の減速材横断面積を
最適化でき、燃料経済性の向上、熱的余裕の増大、炉停
止余裕さらには安定性向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による燃料集合体の横断
面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す燃料集合体の炉心での配置状況を示
す図である。
【図4】減速材領域増大によるボイド係数低減効果(絶
対値)を示す線図である。
【図5】部分長燃料棒位置とボイド係数低減効果(絶対
値)を示す線図である。
【図6】部分長燃料棒位置と反応度の変化及び局所出力
ピーキングとの関係を示す線図である。
【図7】部分長燃料棒位置と制御棒価値との関係を示す
線図である。
【図8】減速材領域増大による反応度向上効果を示す線
図である。
【図9】10×10の燃料棒配列を持つ燃料集合体にお
ける安定性マップを示す線図である。
【図10】部分長燃料棒長さとチャンネル安定性との関
係を示す線図である。
【図11】部分長燃料棒長さと炉心安定性との関係を示
す線図である。
【図12】従来の燃料集合体の横断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図14】部分長燃料棒を隣接させた場合の効果を示す
図である。
【図15】本発明の第3の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図16】本発明の第4の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図17】本発明の第5の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図18】本発明の第6の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図19】本発明の第6の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図20】本発明の燃料集合体の装荷方法についての第
7の実施例による炉心の上面図である。
【図21】第7の実施例による炉心の縦断面図である。
【図22】図20に示す炉心の拡大図である。
【図23】従来の部分長燃料棒を持たない燃料集合体の
横断面図である。
【図24】従来の部分長燃料棒を持つい燃料集合体の横
断面図である。
【図25】本発明の第8の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図26】本発明の第9の実施例による燃料集合体の横
断面図である。
【図27】本発明の第10の実施例による燃料集合体の
横断面図である。
【図28】本発明の第11の実施例による燃料集合体の
横断面図である。
【図29】本発明の第12の実施例による燃料集合体の
横断面図である。
【図30】本発明の第14の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図31】本発明の第15の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図32】本発明の第16の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図33】本発明の第17の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図34】本発明の第18の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図35】本発明の第19の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図36】本発明の第20の実施例よる燃料集合体の横
断面図である。
【図37】スペクトルシフトロッドの構造を示す部分断
面正面図である。
【図38】図37のZ−Z線断面図である。
【図39】スペクトルシフトロッド内の蒸気体積率が1
00%から0%に変化したときの、中性子無限増倍率と
燃焼度との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 燃料集合体 2 (全長型)燃料棒 3 部分長燃料棒 3a 部分長燃料棒 4 水ロッド 5 チャンネルボックス 24R スペクトルシフトロッド
フロントページの続き (72)発明者 石橋 洋子 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 栗原 国寿 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 横溝 修 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 山下 淳一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 別所 泰典 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 増原 康博 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中島 潤二郎 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部およびコーナ部に隣接し
    た位置以外に配置されていること; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  3. 【請求項3】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層において、前記中性子減速棒を前記正方格子状
    の燃料棒配列における直交する2方向に投影させたと
    き、その投影範囲の最も外側を含めてそれより内側に配
    置されていること; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  4. 【請求項4】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒の減速材横断面積は7〜14c
    2 であること;を特徴とする燃料集合体。
  5. 【請求項5】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配
    置可能な領域に配置されていること;を特徴とする燃料
    集合体。
  6. 【請求項6】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  7. 【請求項7】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部およびコーナ部に隣接し
    た位置以外に配置されていること; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  8. 【請求項8】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層において、前記中性子減速棒を前記正方格子状
    の燃料棒配列における直交する2方向に投影させたと
    き、その投影範囲の最も外側を含めてそれより内側に配
    置されていること; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること;を特徴とする燃料集合
    体。
  9. 【請求項9】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒の減速材横断面積は7〜14c
    2 であること;を特徴とする燃料集合体。
  10. 【請求項10】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配
    置可能な領域に配置されていること;を特徴とする燃料
    集合体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記燃料棒は、燃料有効長が前記
    第1燃料棒より短い第3燃料棒を更に含み、前記第3燃
    料棒は、前記中性子減速棒に隣接して配置されているこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の燃料集合体におい
    て、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層に配置された
    第2燃料棒の本数は、前記中性子減速棒に隣接して配置
    された第3燃料棒の本数より多いことを特徴とする燃料
    集合体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記燃料棒は、燃料有効長が前記
    第1燃料棒より短い少なくとも1本の第3燃料棒を更に
    含み、前記第3燃料棒は、前記最外層に隣接した一層の
    コーナ部に配置されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記第2燃料棒は、前記正方格子
    状の燃料棒配列の最外層の少なくとも一辺に2本づつ配
    置されていることを特徴とする燃料集合体。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の燃料集合体におい
    て、前記2本の第2燃料棒は互いに隣接していることを
    特徴とする燃料集合体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記第2燃料棒は、前記正方格子
    状の燃料棒配列の最外層の隣接する2辺に少なくとも1
    本づつ配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  17. 【請求項17】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記第2燃料棒は、前記正方格子
    状の燃料棒配列の最外層の4辺の各々に少なくとも1本
    づつ配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  18. 【請求項18】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記第1燃料棒は普通の全長型燃
    料棒であり、前記第2燃料棒の燃料有効長が前記全長型
    燃料棒の燃料有効長の1/2から3/4の範囲にあるこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  19. 【請求項19】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記中性子減速棒は、前記燃料集
    合体中心部の4×4の格子領域に配置されていることを
    特徴とする燃料集合体。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の燃料集合体におい
    て、前記中性子減速棒は、前記4×4の格子領域に対角
    線状に配置された横断面円形の3本の水ロッドを含むこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  21. 【請求項21】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記中性子減速棒は、前記燃料集
    合体中心部の3×3の格子領域に配置されていることを
    特徴とする燃料集合体。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の燃料集合体におい
    て、前記中性子減速棒は、前記3×3の格子領域に対角
    線状に配置された横断面円形の2本の水ロッドを含むこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  23. 【請求項23】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記中性子減速棒は、各々、隣接
    する4つの燃料格子のうち2つ以上に該中性子減速棒が
    位置するように配置されていることを特徴とする燃料集
    合体。
  24. 【請求項24】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記中性子減速棒の減速材横断面
    積は9〜11cm2 であることを特徴とする燃料集合
    体。
  25. 【請求項25】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記中性子減速棒は炉心流量によ
    って軸方向水位が変わるスペクトルシフトロッドである
    ことを特徴とする燃料集合体。
  26. 【請求項26】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記正方格子状の燃料棒配列の最
    外層より内側において、該最外層に隣接した一層及びこ
    れに隣接した一層に配置される前記燃料棒は、前記第1
    燃料棒であることを特徴とする燃料集合体。
  27. 【請求項27】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    燃料集合体において、前記燃料棒の格子配列数が9×9
    またはそれ以上であることを特徴とする燃料集合体。
  28. 【請求項28】 軽水を冷却材とする原子炉の炉心にお
    いて、 (A)複数の第1燃料集合体と、複数の第2燃料集合体
    とを含むこと; (B)前記第1燃料集合体は、正方格子状に配列された
    多数の燃料棒と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断
    面積より大きな少なくとも1本の中性子減速棒とを有
    し、前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長が
    前記第1燃料棒より短い第2燃料棒を含み、前記第2燃
    料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層において
    そのコーナ部以外に配置され、前記正方格子状の燃料棒
    配列の最外層より内側において、該最外層に隣接した一
    層に配置される前記燃料棒のうち、前記最外層の前記第
    2燃料棒に隣接する燃料棒は前記第1燃料棒であるこ
    と; (C)前記第1燃料集合体及び第2燃料集合体は、それ
    ぞれ、炉心中央部と炉心外周部に装荷され、炉心中央部
    での前記第1燃料集合体の装荷割合が、炉心外周部での
    それよりも小さい;ことを特徴とする炉心。
  29. 【請求項29】 軽水を冷却材とする原子炉の炉心にお
    いて、 (A)複数の第1燃料集合体と、複数の第2燃料集合体
    とを含むこと; (B)前記第1燃料集合体は、正方格子状に配列された
    多数の燃料棒と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断
    面積より大きな少なくとも1本の中性子減速棒とを有
    し、前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長が
    前記第1燃料棒より短い第2燃料棒を含み、前記第2燃
    料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列の最外層において
    そのコーナ部以外に配置され、前記正方格子状の燃料棒
    配列の最外層より内側において、該最外層に隣接した一
    層に配置される前記燃料棒は前記第1燃料棒であるこ
    と; (C)前記第1燃料集合体及び第2燃料集合体は、それ
    ぞれ、炉心中央部と炉心外周部に装荷され、炉心中央部
    での前記第1燃料集合体の装荷割合が、炉心外周部での
    それよりも小さい;ことを特徴とする炉心。
  30. 【請求項30】 請求項28または29記載の炉心にお
    いて、前記第2燃料集合体は燃料有効長が前記第1燃料
    棒より短い燃料棒を含まないことを特徴とする炉心。
  31. 【請求項31】 請求項28または29記載の炉心にお
    いて、前記第2燃料集合体は燃料有効長が前記第1燃料
    棒より短い第3燃料棒を含み、前記第3燃料棒の本数が
    前記第2燃料棒の本数より少ないことを特徴とする炉
    心。
  32. 【請求項32】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒のうち、前記最外層の前記第2燃料棒に隣接する燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配
    置可能な領域に配置され、減速材横断面積が単位燃料格
    子の横断面積より大きい、横断面円形の少なくとも2本
    の水ロッドを含むこと;を特徴とする燃料集合体。
  33. 【請求項33】 正方格子状に配列された多数の燃料棒
    と、減速材横断面積が単位燃料格子の横断面積より大き
    な少なくとも1本の中性子減速棒とを有する燃料集合体
    において、 (a)前記燃料棒は、複数の第1燃料棒と、燃料有効長
    が前記第1燃料棒より短い第2燃料棒とを含むこと; (b)前記第2燃料棒は、前記正方格子状の燃料棒配列
    の最外層においてそのコーナ部以外に配置されているこ
    と; (c)前記正方格子状の燃料棒配列の最外層より内側に
    おいて、該最外層に隣接した一層に配置される前記燃料
    棒は前記第1燃料棒であること; (d)前記中性子減速棒は、前記燃料棒を7〜12本配
    置可能な領域に配置され、減速材横断面積が単位燃料格
    子の横断面積より大きい、横断面円形の少なくとも2本
    の水ロッドを含むこと;を特徴とする燃料集合体。
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