JPH1039067A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH1039067A
JPH1039067A JP8189679A JP18967996A JPH1039067A JP H1039067 A JPH1039067 A JP H1039067A JP 8189679 A JP8189679 A JP 8189679A JP 18967996 A JP18967996 A JP 18967996A JP H1039067 A JPH1039067 A JP H1039067A
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JP
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fuel
rod
rods
fuel assembly
length
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JP8189679A
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English (en)
Inventor
Tadao Aoyama
肇男 青山
Yoko Yuji
洋子 湯地
Junichi Miwa
順一 三輪
Junichi Koyama
淳一 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】燃料集合体の高燃焼度化を図る。 【解決手段】本燃料集合体は、全格子セル数がT個であ
る正方格子状に配置された複数の燃料棒106を備え、
断面積が単位格子セルの断面積より大きな2本のウォー
ターロッド107と、コーナー部に配置された4本の部
分長燃料棒106Aとを有しており、ウォーターロッド
107が占める格子セル数をL個としたとき、0.06
×T<L<0.1×Tの関係を満足し、部分長燃料棒1
06Aの本数RについてR<Lを満足し、燃料集合体を
部分長燃料棒106A上端で軸方向に二分割したとき
の、上部領域における平均濃縮度X重量%、上部領域に
おける燃料棒の本数A、部分長燃料棒106Aの平均濃
縮度E重量%に関し、X−0.025(A+4)≧Eの
関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉に装荷
される燃料集合体に係わり、特に、高燃焼度化をめざし
た燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉に装荷される従来の一般
的な燃料集合体の縦断面図を図10に示す。図10にお
いて、燃料集合体は、四角筒のチャンネルボックス1
と、このチャンネルボックス1の内部に収納された燃料
バンドル2とを備えている。この燃料バンドル2は、チ
ャンネルボックス1の上下部にそれぞれはめこまれる上
部タイプレート3および下部タイプレート4と、チャン
ネルボックス1内部で軸方向に沿って間隔を置いて設置
された複数個のスペーサ5と、このスペーサ5を貫通し
タイプレート3,4に両端を固定されて正方格子状に配
置された燃料棒6及び水ロッド7(後述する図11参
照)とから構成される。
【0003】このような燃料集合体の水平横断面配置図
を図11に示す。図11において、燃料棒6は9×9の
正方格子状に配列されており、2本の太径ウォーターロ
ッド7がその中央部に配置されている。また燃料棒6の
うち、6本が部分長燃料棒6Aとなっており、これらは
すべて、チャンネルボックス1に面する燃料棒群から中
心方向に向かって層状に1層目2層目と数えるときの、
2層目でかつ四隅コーナ部でない位置に配置されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、連続運転期間の
延長、ウラン資源の有効利用、さらに使用済み燃料発生
量の低減の観点から、燃料の高燃焼度化が進められてい
る。この高燃焼度化のためには、燃料の濃縮度を高める
必要がある。しかしながら、濃縮度を増加させると、こ
れに伴って中性子の平均エネルギーが上昇することか
ら、ボイド変化に伴う反応度変化が増大したり、あるい
は中性子スペクトルが硬くなって核分裂性燃料の有効利
用が阻害され燃料経済性が損なわれたりと云う課題が生
じる。
【0005】このような課題に対する対応策は、燃料集
合体内の減速材割合を増大し、中性子の平均エネルギー
を低減することである。このことを以下詳細に説明す
る。すなわち、沸騰水型原子炉では、チャンネルボック
ス1の外部に制御棒や中性子検出器計装管を配置する構
成になっており、そのため燃料集合体間にはそれらの装
置が挿入されるだけの間隙が設けられている。この間隙
は飽和水で満たされているので、燃料集合体周辺部(間
隙に近い領域)の燃料棒と燃料集合体中心部の燃料棒で
は間隙の飽和水の影響が異なる。すなわち、例えば間隙
に近い燃料集合体周辺部の燃料棒は実効的には減速材対
燃料比が大きな領域となる。よって、燃料集合体の核的
な特性を決める要因である減速材対燃料比が、位置によ
り異なることになる。この減速材対燃料比は、中性子の
平均エネルギーを決定するパラメータで、その値が大き
いほど中性子平均エネルギーが低く(中性子スペクトル
がソフトに)なる。したがって、前述した反応度変化増
大・核分裂性燃料有効利用阻害という課題を解決するた
めには、減速材対燃料比を増大すればよい。
【0006】減速材対燃料比を増大する方法には、減速
材領域あるいは減速材密度を増大する方法と、燃料を減
少する方法とがある。具体的には、大きく分けて以下の
2つとなる。 (1)沸騰水領域の増大 すなわち、燃料棒本数を減少させるか、あるいは燃料棒
径を細くする方法である。 (2)非沸騰水領域の増大 すなわち、(2−A)水ロッド領域を増大させるか、あ
るいは、(2−B)ギャップ水領域を増大させる方法で
ある。
【0007】しかし、このような対策を採用した燃料集
合体においては、(1)の方法は、燃料装荷量が減少し
て結果的に燃料経済性が損なわれ、(2−A)の方法
は、(1)と同様に燃料装荷量が減少し燃料経済性が損
なわれるとともに、燃料棒の全長が減少することから線
出力密度が増大し熱的余裕が低下するという新たな課題
が生じる。また(2−B)の方法は、燃料装荷量を維持
しようとすれば冷却材の流路面積が減少して圧力損失が
増大すると云う新たな課題が発生する。
【0008】そこで、さらに従来、これらを解決するた
めの基本的方策として、以下の2つが提唱されている。 (3)燃料集合体の格子配列数を増大し、燃料棒本数を
増加させる方法 この方法を用いると、平均線出力密度を減少させ、また
伝熱面積を増大して、熱的余裕を高めることができる。
【0009】(4)燃料棒有効長が異なる燃料棒で燃料
集合体を構成する方法 この方法は、例えば特開昭52−50498号公報に記
載されており、摩擦圧損が大きな二層流部(炉心上部)
の流路面積を増大することにより、平均線出力密度は減
少させるとともに、燃料装荷量を減少することなく圧力
損失を低減できる。よってすなわち、(3)(4)の対
策を併用した燃料集合体に対し、上記(1)若しくは
(2)の方法を採用すれば、燃料装荷量の減少で燃料経
済性が損なわれるのを抑制し、線出力密度の増加で熱的
余裕が低下するのを抑制し、かつ圧力損失の増大を抑制
し、高燃焼度化に適した燃料集合体を実現できることと
なる。
【0010】ここにおいて、これら(3)(4)と
(1)(又は(2))とを組み合わせた高燃焼度化に好
適な燃料集合体は、現行炉心にバックフィトすることを
考えれば、熱的余裕や炉停止余裕を損うことなく、ボイ
ド反応度係数等の反応度や圧力損失を現行の燃料集合体
のそれと同等にすることが望ましい。しかしながら、熱
的余裕増大のため燃料格子配列数を増加する上記方策
(3)は、燃料配列に対する自由度が増大する反面、濡
れ縁長さが増大することによる圧力損失が増大するとと
もに、燃料棒外径が減少し燃料棒の時定数が増大するの
で安定性が厳しくなるという新たな課題が生ずる。そし
てこれを解決するために、ボイド反応度係数の絶対値
を、現行の燃料集合体より小さくしなければならず、結
果的に反応度特性の低下を抑制するのが困難となる。ま
た結局、熱的余裕増大のために部分長燃料棒を用いる上
記方策(4)においては、その本数が増加するほど燃料
装荷量を減少することとなり、また減速材対燃料比を増
大させるために水ロッド領域を増大させる(2−A)に
おいても、その領域が増大するほど燃料装荷量を減少す
ることとなり、よって、いずれも燃料経済性を十分向上
するのが困難となる。一方、高燃焼度燃料集合体の開発
に際し、反応度制御性を向上する観点から、以下のもの
が提唱されている。 (5)非沸騰水領域(水ロッドあるいはギャップ水領
域)と部分長燃料棒を隣接させる方法 すなわち、この構成によって中性子減速効果を促進し、
ボイド反応度係数の低減および運転時と冷温時の反応度
差低減を図るものである。このような公知技術例として
は、例えば、特開昭64−88292号公報に開示され
ているように水ロッドと部分長燃料棒を隣接させる方法
や、特開昭62−276493号公報及び特開昭64−
31089号公報に開示されているように、集合体最外
層に部分長燃料棒を配置させる方法や、特開昭64−2
3195号公報に開示されているように、部分長燃料棒
を直線上に隣接させる方法がある。しかしながら、これ
らの方法は、水ロッド領域や部分長燃料棒本数を最小に
抑え燃料装荷量の減少を十分に抑制することで燃料経済
性を十分に向上することや、軸方向の出力分布平坦化に
より熱的余裕の低下を十分に抑制することに配慮が払わ
れていなかった。
【0011】すなわち、従来提唱されていたような、
(3)(4)と(1)(又は(2))とを組み合わせた
構成、若しくは、(5)の構成では、燃料経済性の十分
な向上、反応度特性の十分な向上、熱的余裕の十分な向
上をすべて図るのが困難であった。
【0012】本発明の目的は、高燃焼度化を目指した燃
料集合体において、燃料装荷量の減少を十分抑制すると
ともに核分裂性燃料の有効利用を図ることにより燃料経
済性を十分に向上し、また反応度特性の低下を十分抑制
し、さらに熱的余裕の低下を十分に抑制しつつ、高燃焼
度化を図ることができる構成を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、全格子セル数がT個である正方格
子状に配置された複数の燃料棒を備え、軽水を冷却材と
する原子炉の炉心に装荷される燃料集合体において、断
面積が単位格子セルの断面積より大きな少なくとも1本
の中性子減速棒と、燃料有効長が他の燃料棒より短い少
なくとも1本の部分長燃料棒を有し、前記中性子減速棒
が占める格子セル数をL個としたとき、0.06×T<
L<0.1×Tの関係を満足し、かつ、前記部分長燃料
棒の本数をR本としたとき、R<Lの関係を満足し、か
つ、前記燃料集合体を前記部分長燃料棒上端で軸方向に
二分割したときの、上部領域における平均濃縮度をX重
量%、該上部領域における燃料棒の本数をA、前記部分
長燃料棒の平均濃縮度をE重量%としたとき、X−0.
025(A+4)≧Eの関係を満足することを特徴とす
る燃料集合体が提供される。すなわち、高燃焼度燃料体
を設計する際には、反応度特性の低下を抑制しつつ、燃
料装荷量を最大にするためには、チャンネルボックス内
の減速材領域、すなわち非沸騰水領域(中性子減速棒
領域)及び沸騰水領域(部分長燃料棒本数)を最小に
する必要がある。第1に、減速材領域増大が反応度制御
性へ及ぼす効果に関しては、非沸騰水領域の増加ととも
に、ギャップ水領域のほうが水ロッド領域よりもボイド
反応度係数の値がより大きく低下しており、反応度制御
性の向上には、チャンネルボックスに面した燃料集合体
外側のギャップ水領域で減速材を増加することが効果的
である。第2に、減速材領域増大が燃料経済性へ及ぼす
効果に関しては、非沸騰水領域の増加とともに、ギャッ
プ水領域の中性子無限増倍率は一貫して減少して行く
が、水ロッド領域の中性子無限増倍率は、緩やかに増加
→ほぼ一定→減少という挙動となる。これは、減速材に
よる熱中性子吸収効果減少・減速効果支配的→両者均衡
→熱中性子吸収効果支配的・減速効果減少となるからで
ある。いずれにしても、すべての領域において、水ロッ
ド領域の中性子無限増倍率は、ギャップ水領域の中性子
無限増倍率を上回り、燃料経済性の向上には効果的であ
る。したがって、減速材領域の領域の最小化を図りたい
観点からは、減速材領域は最も有利な点にのみ配置すべ
きであるから、水ロッドは、燃料経済性の向上の感度を
有する範囲、 0.06×T<L<0.1×T が有効である。
【0014】第3に、部分長燃料棒の配置位置が反応度
制御性へ及ぼす効果に関しては、ボイド反応度係数低減
の感度は、チャンネルボックスに面した燃料集合体の
最外層(1層目)のコーナ部燃料、以外のチャンネ
ルボックスに面した燃料集合体の最外層(1層目)燃
料、水ロッドに隣接した燃料集合体の内側領域の燃
料、チャンネルボックスにも水ロッドにも隣接しない
燃料の順である。ボイド反応度係数改善効果の感度が水
ロッドより大きい位置は燃料集合体最外層(特にコーナ
ー部4本)であるが、この場合、燃料経済性を低下させ
この点からは不利である。したがって、部分長燃料棒の
採用の際は、燃料経済性の低下を少しでも低減しつつボ
イド反応度係数改善効果を得る観点から、部分長燃料棒
の本数Rが水ロッド(中性子減速材)が占める格子セル
数Lよりも小さい、すなわち、 R<L とするのが有効である。またこのとき、部分長燃料棒
は、水ロッドよりボイド反応度係数改善の感度が大き
い、コーナー部に配置されるのが好ましい。
【0015】第4に、部分長燃料棒配置による熱的余裕
向上効果に関しては、軸方向の出力分布の平坦化により
熱的余裕向上を図るには、上下領域の濃縮度差を0.1
wt%以上とする必要があることから、上部領域の平均
濃縮度及び燃料棒本数をそれぞれX(%)及びA
(本)、コーナ部の4本の部分長燃料棒の平均濃縮度を
E(%)とすると、 X−0.025(A+4)≧E とするのが有効である。
【0016】好ましくは、前記燃料集合体において、前
記正方格子状配列を、前記チャンネルボックスに面する
燃料棒群から中心方向に向かって層状に1層目2層目と
数えるとき、1層目のみに前記部分長燃料棒が配置さ
れ、2層目以上の層に前記中性子減速棒が配置されるこ
とを特徴とする燃料集合体が提供される。
【0017】さらに好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記部分長燃料棒は、前記正方格子状配列の四隅に
それぞれ配置されていることを特徴とする燃料集合体が
提供される。
【0018】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記部分長燃料棒に隣接する燃料棒は、すべて可燃
性吸収物質を含まない燃料棒であることを特徴とする燃
料集合体が提供される。すなわち、運転サイクルを通じ
て部分長燃料棒の出力は大きく変動しないことから、こ
の部分長燃料棒に隣接する燃料棒を、可燃性吸収物質を
有しない通常燃料棒とすることにより、さらに良好な効
果を得ることができる。
【0019】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記上部領域における平均濃縮度Xが4重量%以上
であり、かつ、前記部分長燃料棒の少なくとも一部は、
前記正方格子状配列における、四隅及び該四隅に隣接す
る位置に配置されていることを特徴とする燃料集合体が
提供される。すなわち、部分長燃料棒の効果は燃料集合
体平均の平均中性子エネルギーが高い領域で大きいこと
から、断面平均の核分裂性濃縮度が4wt%以上の高燃
焼度燃料集合体で部分長燃料棒を用いることで、特に有
効となる。
【0020】さらに好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記部分長燃料棒に隣接しかつ前記正方格子状配列
の1層目に配置される前記他の燃料棒を上下で軸方向に
2分割したとき、上部領域より下部領域の平均濃縮度が
高くなっていることを特徴とする燃料集合体が提供され
る。これにより、部分長燃料棒に隣接する他の燃料棒の
局所出力ピーキングを抑制することができる。
【0021】また好ましくは、上記燃料集合体におい
て、前記燃料棒に充填されている核燃料物質は、ウラン
酸化物及びウラン・プルトニウム混合酸化物のうち少な
くとも一方であることを特徴とする燃料集合体が提供さ
れる。
【0022】また好ましくは、上記燃料集合体におい
て、前記部分長燃料棒の燃料有効長は、前記他の燃料棒
の有効長の1/2以上3/4以下であることを特徴とす
る燃料集合体が提供される。すなわち、部分長燃料棒の
効果は燃料集合体平均の平均中性子エネルギーが高い領
域、つまりボイド反応度率が高い領域で大きい。そこ
で、部分長燃料棒の有効長を、他の燃料棒の有効長の1
/2以上3/4以下とすることにより、その上部水領域
を、ボイド反応度率の高い他の燃料棒の有効長上端から
1/4以上1/2以下とすることができるので、特に有
効となる。
【0023】また好ましくは、上記燃料集合体におい
て、前記中性子減速棒は水ロッドであることを特徴とす
る燃料集合体が提供される。
【0024】また好ましくは、上記燃料集合体におい
て、前記正方格子状配列は、9×9配列より格子数の多
い配列であることを特徴とする燃料集合体が提供され
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を、図
1〜図5により説明する。本実施形態による燃料集合体
の水平横断面配置図を図1に示す。図1に示す燃料集合
体は、9×9の正方格子状に配列された燃料棒106
と、中央部の2本の太径ウォーターロッド107と、こ
れら燃料棒106(各棒に付された番号については後
述)及びウォーターロッド107を取り囲むチャンネル
ボックス105とから構成されている。
【0026】全格子セル数T=81のうち、ウォーター
ロッド107は、断面積が単位格子セルの断面積より大
きく、その占める格子セル数L=7(すなわち燃料棒1
06の7本分の格子セル)であり、その全格子セル数に
対する割合L/T=0.086となっている。各燃料棒
106及び部分長燃料棒106Aに付された番号は濃縮
度による区別を示している。各燃料棒(番号1〜7)の
濃縮度を図2に示す。図示されるように、部分長でない
通常長さの燃料棒(番号1〜7)の、有効長上端から2
/24までの部分及び有効長下端から1/24までの部
分には、濃縮度0.711wt%の天然ウランが充填さ
れている。そしてこの両端を除く中間部である、有効長
の21/24の部分の、燃料棒106(番号1)、燃料
棒106(番号2)、燃料棒106(番号3)、燃料棒
106(番号4)、燃料棒106(番号5)、燃料棒1
06(番号7)の濃縮度はそれぞれ、4.9wt%、
4.9wt%、4.5wt%、4.1wt%、3.4w
t%、4.1wt%となっている。また燃料棒106A
(番号6)は、下端より有効長の1/24の高さ位置か
ら、下端より有効長15/24の高さ位置までの部分ま
でしかない部分長燃料棒であり、その濃縮度は2.5w
t%となっている。さらに燃料棒(番号7)には、可燃
性吸収物質であるガドリニアが添加されており、その濃
度は、4.0wt%となっている。なお、部分長燃料棒
106Aの本数R=4となっており、これらはいずれも
正方格子の四隅コーナ部に配置されている。
【0027】上記の構成において、L/T=0.086
であることから、0.06×T<L<0.1×Tを満足
しており、R=4、L=7であるから、R<Lを満足し
ており、かつ、また燃料集合体を部分長燃料棒106A
上端で軸方向に二分割したときの、上部領域における平
均濃縮度X=4.40wt%であり、その上部領域にお
ける燃料棒の本数A=70本であり、部分長燃料棒の平
均濃縮度E=2.5wt%であり、X−0.025(A
+4)=2.55≧Eを満足している。
【0028】次に、本実施形態の作用効果を以下に説明
する。高燃焼度燃料体を設計する際に、反応度特性の低
下(すなわちボイド反応度係数の増大や炉停止余裕の減
少)を抑制しつつ、燃料装荷量を最大にするためには、
チャンネルボックス内の減速材領域、すなわち非沸騰
水領域(中性子減速棒領域)及び沸騰水領域(部分長
燃料棒本数)を最小にする必要がある。すなわち、中性
子減速効果への影響が大きい領域のみに中性子減速棒、
あるいは部分長燃料棒を配置することが必要である。ま
たの最小化は、燃料集合体内径方向の熱中性子束分布
を平坦化する効果もあり、燃料経済性への影響も考慮す
る必要がある。またの最小化は、部分長燃料棒の上端
で軸方向に二分割した場合、その上下で平均濃縮度や、
局所出力ピーキング分布が異なる効果も考慮する必要が
ある。
【0029】以上のことを踏まえ、本願発明者等は、以
下のような検討を行った。 (1)減速材領域増大が反応度制御性へ及ぼす効果 まず、反応度制御性(ボイド率の変化や運転状態から冷
温状態への変化に伴う反応度変化の減少)に対する減速
材領域増大の効果を解析比較検討した。これを図3に示
す。図3は、一般的な正方格子配列燃料集合体におい
て、燃料装荷量を一定とし、水ロッド領域(燃料集合体
中心部)を増大させた場合とギャップ水領域(燃料集合
体周辺部)を増大させた場合とで、ボイド反応度係数の
変化を比較して示したものである。横軸には非沸騰水領
域の増加分(cm2)をとり、縦軸にはボイド反応度係
数の値を相対値として表したものをとっている。図3に
示されるように、非沸騰水領域の増加とともに、ギャッ
プ水領域のほうが水ロッド領域よりもボイド反応度係数
の値がより大きく低下しており、反応度制御性の向上に
は、チャンネルボックスに面した燃料集合体外側のギャ
ップ水領域で減速材を増加することが効果的(感度が高
い)であることが分かる。 (2)減速材領域増大が燃料経済性へ及ぼす効果 次に、減速材領域増大が燃料経済性へ及ぼす効果を解析
比較検討した。これを図4に示す。図4は、一般的な正
方格子配列燃料集合体において、燃料装荷量を一定と
し、水ロッド領域(燃料集合体中心部)を増大させた場
合とギッャプ水領域(燃料集合体周辺部)を増大させた
場合とで、反応度の変化を比較して示したものである。
横軸には非沸騰水領域の増加分(cm2)、及び全格子
セル数T(個)中に占める水ロッド格子セル数L(個)
の割合(%)をとり、縦軸には中性子無限増倍率の差
(%Δk/k)をとっている。図4に示されるように、
非沸騰水領域の増加とともに、ギャップ水領域の中性子
無限増倍率は一貫して減少して行く。これに対して、水
ロッド領域の中性子無限増倍率は、L/T≦6%(非沸
騰水領域の増加分≦6cm2)では緩やかに増加する。
これは、熱中性子束分布の平坦化により、減速材による
熱中性子吸収効果が減少し減速効果の方が支配的になる
からである。そしてその後、6%<L/T<10%(6
cm2<非沸騰水領域の増加分<12cm2)でほぼ一定
となり、L/T≧6%(非沸騰水領域の増加分≧12c
2)では、逆に減速材による熱中性子吸収効果の方が
支配的になり、中性子無限増倍率は減少するようにな
る。いずれにしても、すべての領域において、水ロッド
領域の中性子無限増倍率は、ギャップ水領域の中性子無
限増倍率を上回り、燃料を有効に使用していることが分
かる。すなわち、燃料経済性の向上には、チャンネルボ
ックスに面した燃料集合体の外側領域より、燃料集合体
の内側領域の方が効果的(感度が高い)であることが分
かる。 (3)水ロッドを配置すべき領域 以上(1)(2)より、減速材領域を増大させる際に、
ギャップ水領域の増大は反応度制御性の向上に有利であ
り、水ロッド領域の増大は燃料経済性の向上に有利であ
ることがわかる。
【0030】したがって、減速材領域の領域の最小化を
図りたい観点からは、減速材領域は最も有利な点にのみ
配置すべきであるから、水ロッドは、燃料経済性の向上
の感度を有する範囲、すなわち、上記した、 6%<L/T<10% で使用するのが得策である。これをさらに変形すると、 0.06×T<L<0.1×T … (式1) となる。
【0031】(4)部分長燃料棒の配置位置が反応度制
御性へ及ぼす効果 一方、減速材領域である沸騰水領域を増大させる手段と
して、部分長燃料棒を用いる構成がある。本願発明者等
は、次に、この部分長燃料棒の配置位置が反応度制御性
に及ぼす効果を解析比較検討した。これを図5に示す。
図5は、一般的な正方格子配列燃料集合体において、燃
料装荷量を一定とし、部分長燃料棒の位置による、部分
長燃料棒より上部断面でのボイド反応度係数の変化を比
較して示したものである。部分長燃料棒の配置位置とし
ては、チャンネルボックスに面した燃料集合体正方格子
の最外層(1層目)コーナー部、最外層のうちコーナー
でない部分(中間部)、燃料集合体の内側領域で水ロッ
ドに隣接する位置、チャンネルボックスにも水ロッドに
も隣接しない燃料集合体正方格子の2〜3層目部分、の
4つをとり、縦軸には部分長燃料棒1本あたりのボイド
反応度係数低減効果(%)をとって表した。図5に示さ
れるように、ボイド反応度係数低減の感度は、チャン
ネルボックスに面した燃料集合体の最外層(1層目)の
コーナ部燃料、以外のチャンネルボックスに面した
燃料集合体の最外層(1層目)燃料、水ロッドに隣接
した燃料集合体の内側領域の燃料、チャンネルボック
スにも水ロッドにも隣接しない燃料の順であることがわ
かる。これは、(1)(2)で前述した非沸騰水領域の
局在化と同様に、減速材領域を局在化する(水ロッドと
部分長燃料棒の隣接する)ことが反応度制御に効果があ
ることを示している。この効果は、水素対重金属原子数
比(H/U)が小さく、中性子減速効果の感度が高い炉
心上部領域(高ボイド率領域)で著しい。
【0032】(5)部分長燃料棒を配置すべき本数及び
領域 このように、以上より、減速材領域を増大させる際に、
部分長燃料棒を使用するとボイド反応度係数改善効果を
得ることができるが、その改善効果の感度が水ロッドよ
り大きい位置は燃料集合体最外層である。特に、水ロッ
ドに比べ2倍以上の感度となるのはコーナー部の4本と
なる。しかしながら、コーナー部を含む最外層に部分長
燃料棒を使用する場合には、使用することによる中性子
無限増倍率の差の挙動は、図4に示した「ギャップ水領
域」の挙動とほぼ等しくなり、燃料経済性を低下させる
特性を持つのでこの点からは不利である。これに対し
て、水ロッドは、前述したように、中性子束分布の平坦
化によって燃料経済性を向上させつつ、ボイド反応度係
数を低減する特性を持つ。したがって、部分長燃料棒の
採用の際は、燃料経済性の低下を少しでも低減しつつボ
イド反応度係数改善効果を得る観点から、部分長燃料棒
の本数Rが水ロッド(中性子減速材)が占める格子セル
数Lよりも小さい、すなわち、 R<L … (式2) である必要がある。またこのとき、部分長燃料棒は、水
ロッドよりボイド反応度係数改善の感度が大きい、コー
ナー部に配置されるのが好ましい。
【0033】(6)部分長燃料棒配置による熱的余裕向
上効果 また、部分長燃料棒の配置により、燃料集合体を部分長
燃料棒上端で軸方向に二分割した時、上部領域と下部領
域の平均濃縮度を最適化して軸方向の出力分布の平坦化
が達成でき、熱的余裕を向上できる効果がある。前述の
ように、水ロッドに比べボイド反応度係数改善の感度が
大きな部分長燃料棒配置位置はコーナ部の4本である。
ここで、軸方向の出力分布の平坦化には、上下領域の濃
縮度差を0.1wt%以上とする必要があることから、
この条件は、上部領域の平均濃縮度及び燃料棒本数をそ
れぞれX(%)及びA(本)、部分長燃料棒の平均濃縮
度をE(%)とすると、 X−(AX+4E)/(A+4)≧0.1 で表されることとなり、これをさらに変形すると、 X−0.025(A+4)≧E … (式3) となる。
【0034】ここにおいて、本実施形態による燃料集合
体は、L/T=0.086であることから、(式1)の
0.06×T<L<0.1×Tを満足しており、またR
=4、L=7であるから、(式2)のR<Lを満足して
おり、さらにX−0.025(A+4)=2.55≧E
であるから(式3)を満足している。
【0035】以上説明したように、本実施形態の燃料集
合体によれば、(式1)(式2)(式3)のすべてを満
足するので、高燃焼度化を図る構成において、反応度特
性の低下を十分抑制しかつ熱的余裕の低下を十分に抑制
しつつ、燃料経済性を十分に向上することができる。ま
た、運転サイクルを通じて部分長燃料棒106Aの出力
は大きく変動しないが、本実施形態ではこの部分長燃料
棒106Aに隣接する燃料棒106(番号5)を、可燃
性吸収物質を有しない通常の燃料棒としているので、さ
らに良好な上記の効果を得ることができる。さらに、部
分長燃料棒106Aの効果は燃料集合体平均の平均中性
子エネルギーが高い領域で特に大きいが、本実施形態で
は、部分長燃料棒106Aの上方が、断面平均の核分裂
性濃縮度が4.4wt%(≧4wt%)という高い領域
となっているので、部分長燃料棒を特に有効に用いるこ
とができる。また同様に、部分長燃料棒106Aの効果
はボイド反応度率が高い領域でも大きいが、本実施形態
では、部分長燃料棒106Aの有効長を、他の通常燃料
棒106の有効長の1/2以上3/4以下とするので、
その上部水領域を、ボイド反応度率の高い燃料棒106
の有効長上端から1/4以上1/2以下とすることがで
きる。よってこれによっても、部分長燃料棒を特に有効
に用いることができる。したがって。以上の各効果によ
り、本実施形態の燃料集合体は、具体的には、ボイド反
応度係数、炉停止余裕を図11に示した従来の燃料集合
体と同程度としつつ、かつ燃料装荷量(インベントリ
ー)を約2%増大しつつ、取出平均燃焼度を約10%増
加させることができた。
【0036】本発明の第2の実施形態を図6により説明
する。本実施形態は、各燃料棒における濃縮度分布が異
なる場合の実施形態である。第1の実施形態と同等の部
材には同一の符号を付す。本実施形態は、9×9格子の
ウラン燃料集合体構成として、第1の実施形態と同じ図
1に示した燃料集合体を用いており、その点では同様の
構成である。すなわち、9×9の格子状に配列された燃
料棒106と、中央部の2本の太径ウォーターロッド1
07と、これら燃料棒106及びウォーターロッド10
7を取り囲むチャンネルボックス105とを備えてお
り、かつ水ロッド107の格子セル数L=7であってL
/T=0.086であり、部分長燃料棒106Aの本数
R=4で、すべてコーナー部に配置されている。
【0037】本実施形態が第1の実施形態と相違する点
は、各燃料棒の濃縮度分布である。これを図6に示す。
図6において、部分長でない通常長さの燃料棒(番号1
〜5及び7)の、有効長上端から2/24までの部分及
び有効長下端から1/24までの部分には、濃縮度0.
711wt%の天然ウランが充填されている。そしてこ
の両端を除く中間部(有効長の21/24の部分)の濃
縮度分布は、各燃料棒(番号1〜5及び7)によって異
なっている。
【0038】すなわち、燃料棒106(番号1)は、こ
の中間部全域の濃縮度が4.9wt%となっており、燃
料棒106(番号2)は、燃料棒下端から有効長の8/
24の位置を境にしてそれより上部の濃縮度が4.9w
t%、下部の濃縮度が4.5wt%となっており、燃料
棒106(番号3)は、中間部全域の濃縮度が4.5w
t%となっており、燃料棒106(番号4)は、燃料棒
下端から有効長の15/24の位置を境にしてそれより
上部の濃縮度が3.4wt%、下部の濃縮度が4.15
wt%となっており、燃料棒106(番号5)は、燃料
棒下端から有効長の15/24の位置を境にしてそれよ
り上部の濃縮度が3.0wt%、下部の濃縮度が3.4
wt%となっており、燃料棒106(番号7)の濃縮度
は、中間部全域の濃縮度が4.1wt%となっている。
また燃料棒106A(番号6)は、下端より有効長の1
/24の高さ位置から、下端より有効長15/24の高
さ位置までの部分までしかない部分長燃料棒であり、そ
の濃縮度は2.4wt%となっている。さらに燃料棒
(番号7)には、可燃性吸収物質であるガドリニアが添
加されており、その濃度は、燃料棒下端から有効長の8
/24の位置を境にしてそれより上部の濃度が3.5w
t%、下部の濃度が4.0wt%となっている。
【0039】なお、上記構成において、第1の実施形態
同様、L/T=0.086であることから、0.06×
T<L<0.1×Tを満足しており、R=4、L=7で
あるから、R<Lを満足している。また、燃料集合体を
部分長燃料棒106A上端で軸方向に二分割したとき
の、上部領域における平均濃縮度X=4.27wt%で
あり、その上部領域における燃料棒の本数A=70本で
あり、部分長燃料棒の平均濃縮度E=2.4wt%であ
り、X−0.025(A+4)=2.42≧Eを満足し
ている。
【0040】本実施形態によっても、第1の実施形態に
おいて説明した(式1)(式2)(式3)をすべて満足
するので、第1の実施形態と同様に、高燃焼度化を図る
構成において、反応度特性の低下を十分抑制しかつ熱的
余裕の低下を十分に抑制しつつ、燃料経済性を十分に向
上することができる。またこれに加え、燃料棒106
(番号2)、燃料棒106(番号4)、燃料棒106
(番号5)に軸方向の濃縮度分布がついているので、第
1の実施形態に比べ平均濃縮度は低下するものの、局所
出力ピーキング、軸方向出力ピーキングを改善できると
いう効果が得られる。特に、部分長燃料棒106A(番
号6)に隣接しかつ正方格子状配列の1層目に配置され
る燃料棒106(番号5)を上下で軸方向に2分割した
とき、上部領域の平均濃縮度(=3.0wt%)より下
部領域の平均濃縮度(=3.4wt%)が高くなってい
るので、燃料棒106(番号5)の局所出力ピーキング
を抑制することができる。
【0041】本発明の第3の実施形態を図7により説明
する。本実施形態は、正方格子状配列を、9×9でなく
10×10にした場合の実施形態である。本実施形態に
よる燃料集合体の水平横断面配置図を図7に示す。図7
に示す燃料集合体は、10×10の正方格子状に配列さ
れた燃料棒306と、中央部の1本の角状ウォーターロ
ッド307と、これら燃料棒306(各棒に付された番
号については後述)及びウォーターロッド307を取り
囲むチャンネルボックス305とから構成されている。
【0042】全格子セル数T=100のうち、ウォータ
ーロッド307の占める格子セル数L=9(すなわち燃
料棒306の9本分の格子セル)であり、その全格子セ
ル数に対する割合L/T=0.09となっている。各燃
料棒306及び部分長燃料棒306Aに付された番号は
濃縮度による区別を示している。各燃料棒(番号1〜
6)の濃縮度に関しては、まず、第1の実施形態と同
様、部分長でない通常長さの燃料棒306(番号1〜
5)の、有効長上端から2/24までの部分及び有効長
下端から1/24までの部分には、濃縮度0.711w
t%の天然ウランが充填されている。そしてこの両端を
除く中間部である、有効長の21/24の部分の、燃料
棒306(番号1)、燃料棒306(番号2)、燃料棒
306(番号3)、燃料棒306(番号4)、燃料棒3
06(番号5)の濃縮度はそれぞれ、4.9wt%、
4.5wt%、4.1wt%、4.1wt%、3.4w
t%、となっている。また燃料棒306A(番号6)
は、下端より有効長の1/24の高さ位置から、下端よ
り有効長15/24の高さ位置までの部分までしかない
部分長燃料棒であり、その濃縮度は2.0wt%となっ
ている。
【0043】なお、部分長燃料棒306Aの本数R=4
となっており、これらはいずれも正方格子の四隅コーナ
部に配置されている。
【0044】上記構成において、L/T=0.09であ
ることから、0.06×T<L<0.1×Tを満足して
おり、R=4、L=9であるから、R<Lを満足してお
り、かつ、また燃料集合体を部分長燃料棒306A上端
で軸方向に二分割したときの、上部領域における平均濃
縮度はX=4.34wt%、その上部領域における燃料
棒の本数A=87本となり、部分長燃料棒の平均濃縮度
E=2.0wt%であることから、X−0.025(A
+4)=2.1≧Eを満足している。
【0045】本実施形態によっても、第1の実施形態に
おいて説明した(式1)(式2)(式3)をすべて満足
するので、第1及び第2の実施形態と同様に、高燃焼度
化を図る構成において、反応度特性の低下を十分抑制し
かつ熱的余裕の低下を十分に抑制しつつ、燃料経済性を
十分に向上することができる。また、第1及び第2の実
施形態に比べて圧力損失が増大し燃料装荷量が若干減少
するものの、平均線出力密度をさらに低減できるという
効果がある。
【0046】本発明の第4の実施形態を図8により説明
する。本実施形態は、第3の実施形態におけるウォータ
ーロッドを太径ウォーターロッドに置き換えた場合の実
施形態である。第3の実施形態と同等の部材には同一の
符号を付す。本実施形態の燃料集合体の水平横断面配置
図を図8に示す。図8において、本実施形態の燃料集合
体は、10×10の正方格子状に配列された燃料棒30
6と、中央部の2本の太径ウォーターロッド407と、
これら燃料棒306(各棒に付された番号については後
述)及びウォーターロッド407を取り囲むチャンネル
ボックスから構成されている。
【0047】全格子セル数T=100のうち、ウォータ
ーロッド407の占める格子セル数L=8(すなわち燃
料棒306の8本分の格子セル)であり、その全格子セ
ル数に対する割合L/T=0.08となっている。各燃
料棒306及び部分長燃料棒306Aに付された番号
は、第3の実施形態対と同様であるので、説明を省略す
る。また部分長燃料棒306Aの本数R=4となってお
り、これらはいずれも正方格子の四隅コーナ部に配置さ
れている。
【0048】上記構成において、L/T=0.08であ
ることから、0.06×T<L<0.1×Tを満足して
おり、R=4、L=8であるから、R<Lを満足してお
り、かつ、また燃料集合体を部分長燃料棒306A上端
で軸方向に二分割したときの、上部領域における平均濃
縮度はX=4.39wt%、その上部領域における燃料
棒の本数A=88本となり、部分長燃料棒の平均濃縮度
E=2.0wt%であることから、X−0.025(A
+4)=2.09≧Eを満足している。本実施形態によ
っても、第3の実施形態と同様の効果を得る。
【0049】本発明の第5の実施形態を図9により説明
する。本実施形態は、MOX燃料集合体に適用した場合
の実施形態である。本実施形態による燃料集合体の水平
横断面配置図を図9に示す。図9に示す燃料集合体は、
9×9の正方格子状に配列され、ウラン酸化物若しくは
ウラン・プルトニウム酸化物が充填された燃料棒506
(各棒に付された番号については後述)と、中央部の2
本の太径ウォーターロッド507と、これら燃料棒50
6及びウォーターロッド507を取り囲むチャンネルボ
ックス505とから構成されている。
【0050】全格子セル数T=81のうち、ウォーター
ロッド507の占める格子セル数L=7(すなわち燃料
5106の7本分の格子セル)であり、その全格子セル
数に対する割合L/T=0.086となっている。各燃
料棒506及び部分長燃料棒506Aに付された番号は
富化度による区別を示している。部分長でない各燃料棒
506のうち燃料棒506(番号1〜3)はウラン酸化
物・プルトニウム酸化物が混合充填されたMOX燃料棒
であり、燃料棒506(番号5)は濃縮ウランが充填さ
れた燃料棒である。燃料棒506(番号1)、燃料棒5
06(番号2)、燃料棒506(番号3)のPuf富化
度はそれぞれ、5.4、2.8、2.1であり、燃料棒
506(番号5)の濃縮ウラン富化度は4.9wt%と
なっている。また燃料棒506A(番号4)は、下端よ
り有効長の1/24の高さ位置から、下端より有効長1
5/24の高さ位置までの部分までしかない部分長燃料
棒であり、そのPuf富化度1.1となっている。さら
に燃料棒506(番号5)には、可燃性吸収物質である
ガドリニアが添加されている。なお、部分長燃料棒50
6Aの本数R=4となっており、これらはいずれも正方
格子の四隅コーナ部に配置されている。また、上記MO
X燃料として、使用済燃料から取り出されたプルトニウ
ムや回収ウランを用いてもよい。
【0051】上記の構成において、L/T=0.086
であることから、0.06×T<L<0.1×Tを満足
しており、R=4、L=7であるから、R<Lを満足し
ており、かつ、また燃料集合体を部分長燃料棒506A
上端で軸方向に二分割したときの、上部領域における平
均濃縮度X=4.32wt%であり、その上部領域にお
ける燃料棒の本数A=70本であり、部分長燃料棒の平
均濃縮度E=1.1wt%であり、X−0.025(A
+4)=2.47≧Eを満足している。
【0052】本実施形態によっても、第1の実施形態に
おいて説明した(式1)(式2)(式3)をすべて満足
するので、第1の実施形態と同様、高燃焼度化を図る構
成において、反応度特性の低下を十分抑制しかつ熱的余
裕の低下を十分に抑制しつつ、燃料経済性を十分に向上
することができる。具体的には、ボイド反応度係数、炉
停止余裕を図11に示す従来の燃料集合体と同程度とし
つつ、MOX燃料装荷量(インベントリー)を増大する
ことができる。
【0053】なお、上記第1〜第5の実施形態において
は、中性子減速棒としてウォーターロッドを示したが、
これに限られない。すなわち、水ロッドのかわりに、水
素密度が高く中性子吸収断面積が小さな固体減速材(た
とえばジルコニウムハイドライド等)を封入した固体減
速棒を用いてもよく、これを用いた燃料集合体に対して
も同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
燃料集合体内の燃料棒格子配列、さらに水ロッドと部分
長燃料棒の配置、濃縮度を最適化することで、中性子の
減速効果を熱的余裕を損なうことなく改善することがで
きる。したがって、高燃焼度化をめざした燃料集合体に
対して、反応度特性の低下を十分抑制しかつ熱的余裕の
低下を十分に抑制しつつ、燃料経済性を十分に向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による燃料集合体の水
平横断面配置図である。
【図2】図1に示された各燃料棒の濃縮度を表す図であ
る。
【図3】反応度制御性に対する減速材領域増大の効果を
解析比較検討した図である。
【図4】燃料経済性に対する減速材領域増大の効果を解
析比較検討した図である。
【図5】部分長燃料棒の配置位置が反応度制御性に及ぼ
す効果を解析比較検討した図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による燃料集合体に備
えられる各燃料棒の濃縮度を表す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による燃料集合体の水
平横断面配置図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による燃料集合体の水
平横断面配置図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による燃料集合体の水
平横断面配置図である。
【図10】従来の一般的な燃料集合体の縦断面図であ
る。
【図11】図10に示された燃料集合体の水平横断面配
置図である。
【符号の説明】
1 チャンネルボックス 2 燃料バンドル 3 上部タイプレート 4 下部タイプレート 5 スペーサ 6 燃料棒 7 ウォーターロッド 8 部分長燃料棒 105 チャンネルボックス 106 燃料棒 106A 部分長燃料棒 107 ウォーターロッド 305 チャンネルボックス 306 燃料棒 306A 部分長燃料棒 307 ウォーターロッド 407 ウォーターロッド 505 チャンネルボックス 506 燃料棒 506A 部分長燃料棒 507 ウォーターロッド
フロントページの続き (72)発明者 小山 淳一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全格子セル数がT個である正方格子状に
    配置された複数の燃料棒を備え、軽水を冷却材とする原
    子炉の炉心に装荷される燃料集合体において、 断面積が単位格子セルの断面積より大きな少なくとも1
    本の中性子減速棒と、燃料有効長が他の燃料棒より短い
    少なくとも1本の部分長燃料棒を有し、(a)前記中性
    子減速棒が占める格子セル数をL個としたとき、 0.06×T<L<0.1×T の関係を満足し、かつ、(b)前記部分長燃料棒の本数
    をR本としたとき、 R<L の関係を満足し、かつ、(c)前記燃料集合体を前記部
    分長燃料棒上端で軸方向に二分割したときの、上部領域
    における平均濃縮度をX重量%、該上部領域における燃
    料棒の本数をA、前記部分長燃料棒の平均濃縮度をE重
    量%としたとき、 X−0.025(A+4)≧E の関係を満足することを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料集合体において、 前記正方格子状配列を、前記チャンネルボックスに面す
    る燃料棒群から中心方向に向かって層状に1層目2層目
    と数えるとき、1層目のみに前記部分長燃料棒が配置さ
    れ、2層目以上の層に前記中性子減速棒が配置されるこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の燃料集合体において、 前記部分長燃料棒は、前記正方格子状配列の四隅にそれ
    ぞれ配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の燃料集合体において、 前記部分長燃料棒に隣接する燃料棒は、すべて可燃性吸
    収物質を含まない燃料棒であることを特徴とする燃料集
    合体。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の燃料集合体において、 前記上部領域における平均濃縮度Xが4重量%以上であ
    り、かつ、 前記部分長燃料棒の少なくとも一部は、前記正方格子状
    配列における、四隅及び該四隅に隣接する位置に配置さ
    れていることを特徴とする燃料集合体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の燃料集合体において、 前記部分長燃料棒に隣接しかつ前記正方格子状配列の1
    層目に配置される前記他の燃料棒を上下で軸方向に2分
    割したとき、上部領域より下部領域の平均濃縮度が高く
    なっていることを特徴とする燃料集合体。
  7. 【請求項7】 請求項1又は6記載の燃料集合体におい
    て、 前記燃料棒に充填されている核燃料物質は、ウラン酸化
    物及びウラン・プルトニウム混合酸化物のうち少なくと
    も一方であることを特徴とする燃料集合体。
  8. 【請求項8】 請求項1又は6記載の燃料集合体におい
    て、 前記部分長燃料棒の燃料有効長は、前記他の燃料棒の有
    効長の1/2以上3/4以下であることを特徴とする燃
    料集合体。
  9. 【請求項9】 請求項1又は6記載の燃料集合体におい
    て、 前記中性子減速棒は水ロッドであることを特徴とする燃
    料集合体。
  10. 【請求項10】 請求項1又は7記載の燃料集合体にお
    いて、 前記正方格子状配列は、9×9配列より格子数の多い配
    列であることを特徴とする燃料集合体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015078897A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体および炉心

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JP2015078897A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 燃料集合体および炉心

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