JP2965317B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体に係
り、特に、燃料経済性の向上及び炉停止余裕の増大に好
適な燃料集合体に関する。
〔従来の技術〕
沸騰水型原子炉(BWR)の炉心は、一般的に第8図に
示すように、4体の燃料集合体20を1組としてこれを多
数配置して構成されている。各燃料集合体20は燃料棒21
を正方格子状に配列して構成した燃料バンドルを有し、
この燃料バンドルを単位セル22の中央に据え、燃料バン
ドルを囲むように横断面矩形のチャンネルボックス23を
配置することで、チャンネルボックス23の外側に冷却材
の軽水が沸騰せずに流れる流路となるギャップ水領域を
形成している。このギャップ水領域には、制御棒24が挿
入されるギャップ水領域25と制御棒24の出し入れがない
ギャップ水領域26の2種類がある。
現在運転中のBWRの炉心には、ギャップ水領域25及び
ギャップ水領域26の面積が等しい炉心と、ギャップ水領
域25の面積がギャップ水領域26の面積よりも広い炉心と
があり、前者はC格子炉心と呼ばれ、後者はD格子炉心
と呼ばれている。
また、燃料バンドルには水ロッド27が配置され、燃料
バンドルの上下部には、チャンネルボックス23に挿入さ
れ、燃料棒21及び水ロッド27の上下端を支持する上部タ
イプレート及び下部タイプレートが位置している。
上記燃料集合体20では、わずかに未飽和状態の冷却水
が下部のタイプレートの孔から燃料棒間に流入し、燃料
棒間を下部から上部に流れるにつれて加熱され、沸騰し
て二相流となって上部タイプレートの孔から流出してい
く。
したがって、運転中の炉心での燃料集合体は核的な特
性を決める因子である減速材料燃料比、即ち、H/Uが燃
料集合体の軸方向で大きく異なることになる。また、ギ
ャップ水領域25,26の存在により燃料集合体の径方方向
においてもH/Uは大きく異なっている。特に、D格子炉
心に装荷される燃料集合体の場合、制御棒に面する側と
反対側とでは特性が大きく異なることになる。
一方、現在の軽水炉においてラウン資源を有効に活用
する方法として、燃料の高燃焼度化が考えられている。
燃料集合体の取出燃焼度を高めるためには濃縮度を高め
る必要がある。しかしながら、濃縮度を高めた場合に
は、上述した径方向及び軸方向のH/Uの違いによる影響
は拡大することになる。このため、特に、i)径方向に
関しては局所出力ピーキングの増大への影響、ii)軸方
向に関しては炉停止余裕の減少への影響が大きい。この
ような燃料集合体の径方向及び軸方向のH/Uの相違の改
善策としては、水ロッド領域の増大、即ち、水ロッド本
数の増加又は水ロッドの大型化があり、他の方法とし
て、特開昭52−50498号に記載のように、燃料有効長が
異なる燃料棒で燃料集合体を構成することがある。前者
は、中性子減速効果の十分でない燃料集合体の中央領域
で水ロッド領域を増大することにより径方向の改善を図
るものであり、相変化を生じない飽和水領域が増加する
ことにより軸方向の改善も図れる。後者は、軸方向の燃
料装荷量を調整することにより軸方向のH/Uを改善する
ものである。
また、D格子心に装荷される燃料集合体では、制御棒
が位置する側のギャップ水領域と反対側のギャップ水領
域の面積が等しくないことにより径方向の局所出力ピー
キングが増大する傾向にあるが、これに対しては従来よ
り燃料棒のウラン235の濃縮度を調整する方法が用いら
れている。即ち、狭いギャップ水領域に面する側の燃料
棒の濃縮度が広いギャップ水領域に面する側の燃料棒よ
り高くなる濃縮度分布を採用し、広いギャップ水領域に
面した燃料棒の濃縮度を低くすることで、径方向の局所
出力ピーキングを抑制するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記D格子炉心の従来技術にあって
は、チャンネルボックス外部の制御棒が位置する側とそ
の反対側とで飽和水領域が等しくないことで生じる、出
力ピーキング以外の影響に対しては充分配慮がされてお
らず、中性子インポータンスの高い領域(制御棒が挿入
されるギャップ水領域に面した領域)にウラン235の濃
縮度の低い燃料棒を配置するため燃料経済性が損なわれ
るという問題があった。またその結果、冷温停止時に
は、制御棒が挿入されないギャップ水領域に面した燃料
棒の出力が高くなり、炉停止余裕が厳しくなるという問
題もあった。
本発明の目的は、径方向の局所出力ピーキングを抑制
しかつ燃料経済性の向上及び炉停止余裕の増大が図れる
D格子炉心用の燃料集合体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、燃料集合体の
周囲に広幅のギャップ水領域とその反対側に位置する狭
幅のギャップ水領域を形成したD格子炉心用の燃料集合
体であって、格子状に配列された多数の燃料棒と、前記
燃料棒が2本以上配置可能な領域に配置された少なくと
も1本の大型水ロッドとを含み、前記多数の燃料棒が、
複数の第1の燃料棒と、前記第1の燃料棒より燃料有効
長の短い複数の第2の燃料棒とを含む燃料集合体におい
て、前記大型水ロッドを、水ロッドの横断面で見た重心
位置が燃料集合体の中心より前記燃料棒配列の1格子分
以上、前記狭幅のギャップ水領域側にずれるように配置
すると共に、前記第2の燃料棒を、その燃料棒全体の横
断面で見た重心位置が前記水ロッドの重心位置よりも前
記広幅のギャップ水領域側にずれるように配置し、かつ
前記第2の燃料棒の全てを前記水ロッドに隣接しないよ
うに配置したものである。
好ましくは、前記第2の燃料棒はその重心位置が前記
燃料集合体の中心と一致するよう配置される。
また、好ましくは、前記燃料棒の格子状配列は9行9
列である。
更に、好ましくは、前記第2の燃料棒は燃料集合体横
断面内において相互に隣接することなく配列されてい
る。
また、好ましくは、前記大型水ロッドの横断面での水
領域面積が8cm2以上である。
また、好ましくは、前記第2の燃料棒が4本以上あ
る。
また、好ましくは、前記多数の燃料棒が、各々、核分
裂性物質としてウラン235、プルトニウム239及びプルト
ニウム241の少なくとも1種類を含む。
なお本明細書において燃料棒に関して用いる「隣接」
とは、各燃料棒が配置される領域の格子位置を(i,j)
とすると、格子位置(i,j)に対して(i±1,j)と(i,
j±1)の4箇所の位置のことである。
〔作用〕
D格子炉心に装荷される従来の燃料集合体では、前述
したように、広いギャップ水領域に面した燃料棒のウラ
ン235の濃縮度を低くすることで、局所出力ピーキング
係数を抑制している。また、従来の燃料集合体では、前
述したように、水ロッド領域を増大さるか、燃料有効長
が異なる燃料棒で燃料集合体を構成することにより、径
方向及び軸方向のH/Uの相違を改善している。これらを
組み合わせた従来例としては第2図に示す燃料集合体30
がある。即ち、中央に2本の大型水ロッド7を配置し、
かつ狭いギャップ水領域4に面する側の燃料棒6Aのウラ
ン235の濃縮度が広いギャップ水領域3に面する側の燃
料棒6Aより高くなる濃縮度分布を採用している。なお、
図中、濃縮度はa〜fで示し、その大きさはa>b>c
>d>e>fである。また、燃料棒の何本かを燃料有効
長が燃料棒6Aより短い燃料棒、即ち、短尺燃料棒6Bに置
き換えている。これを基準ケースとする。基準ケースで
は、水ロッド群全体の横断面で見た重心位置と短尺燃料
棒6B全体の横断面で見た重心位置は、いずれもチャンネ
ルボックス8の中心で一致している。
上記基準ケースと比較した本発明により得られる3つ
のケースA,B,Cの中性子無限増倍率の差についての評価
結果を第3図に示す。
第3図において、エースAは基準ケースの大型水ロッ
ド7の配置を90゜回転させ、かつ水ロッド群全体の横断
面で見た重心位置が狭いギャップ水領域4に近付くよう
に、燃料棒配列の1格子分だけ、大型水ロッド7の位置
をずらしたものであり、短尺燃料棒6Bの横断面で見た重
心位置は、チャンネルボックス8の中心と一致したまま
である。言い換えれば、短尺燃料棒6Bの横断面で見た重
心位置は水ロッド7の重心位置よりも広幅のギャップ水
3側にずれている。
ケースBは、ケースAの大型水ロッド7の配置を90゜
回転させて基準ケースと同じ方向に戻し、それに伴って
4本の短尺燃料棒6Bの位置を変更したものであり、水ロ
ッドの横断面で見た重心位置はやはり燃料棒配列の1格
子分だけずれている。また、4本の短尺燃料棒6Bの位置
は変更されているが、結果として短尺燃料棒6Bの横断面
で見た重心位置は、チャンネルボックス8の中心と一致
したままであり、水ロッド7の重心位置よりも広幅のギ
ャップ水3側にずれている。
ケースCは、大型水ロッド7はケースBと同じ配置と
し、短尺燃料棒6Bを制御棒5に対面するコーナ部を含ま
ない対角線を基準として広いギャップ水領域3の側に集
めたものであり、結果として、短尺燃料棒の横断面で見
た重心位置は広いギャップ水領域3に近付いている。
ケースA,B,Cのいずれも、濃縮度分布は出力ピーキン
グ係数が同程度になるように調整し、平均濃縮度は、一
定とした。
ケースAでは基準ケースより中性子無限増倍率が0.4
%Δk程度増加し、ケースBでは基準ケースより中性
子無限増倍率が0.3%Δk程度増加し、ケースCでは
基準ケースより中性子無限増倍率が0.1%Δk程度増
加している。これより、以下の知見が得られる。
減速材対燃料比、即ち、H/Uの燃料集合体内での差を
小さくするためには、以下の3つの方法がある: (i) 水ロッド領域を狭いギャップ水領域に近付け
る。
(ii) 短尺燃料棒はその有効長より上部領域では燃料
が存在しない領域となることから、短尺燃料棒を狭いギ
ャップ水領域に近づける。
(iii) 核分裂性物質を広いギャップ水領域近づけ
る。
水ロッド群の重心位置を燃料棒配列の1格子分だけず
らし、狭いギャップ水領域側に移動させることは、上記
(i)により中性子束分布の平坦化を図ることであり、
濃縮度分布差の低減により、中性子無限増倍率(燃料経
済性)を高くすることができる。また、水ロッドの移動
で上記(iii)も実現しており、運転状態の反応度上昇
だけでなく、冷温停止時の反応度上昇の抑制、制御棒価
値の増大にも効果がある。
一方、短尺燃料棒の位置は、燃料集合体上部の核的特
性及び熱的余裕に影響を与える。核的には、狭いギャッ
プ水領域側又は広いギャップ水領域側に遍在しない方が
反応度が高くできる。これは、水ロッドを狭いギャップ
水領域側に燃料棒配列の1格子分以上ずらすことを前提
にすると、上記(ii)により狭いギャップ水領域側に短
尺燃料棒を集めて中性子束の平坦化を図ったとしても、
中性子束の影響を受ける燃料棒自身も少なくなるので反
応度向上効果は小さく、逆に、広いギャップ水領域側に
集中した場合は、中性子スペクトルがソフトであるため
中性子吸収が増大するからである。
即ち、核的特性の観点からは、広いギャップ水領域側
と狭いギャップ水領域側のいずれもに均一に短尺燃料棒
を配置することが望ましく、この意味からケースCより
ケースA,Bの方が良好な核的特性が得られる。
一方、熱的余裕の観点からは、水平断面内において通
常の燃焼棒周りの減速材が増加することが望ましく、短
尺燃料棒上部はボイドが集中する傾向があるので、短尺
燃料棒は発熱体である燃料棒に隣接するように配置する
ことが望ましい。また、圧損の低減とスペーサ製造の面
からも短尺燃料棒同志は隣接せず、かつ発熱体でない水
ロッドには隣接させないように配置することが望まし
い。
以上の検討結果の元、本発明は、大型水ロッドを、水
ロッドの横断面で見た重心位置が燃料集合体の中心より
燃料棒配列の1格子分以上、狭幅のギャップ水領域側に
ずれるように配置すると共に、第2の燃料棒(短尺燃料
棒)を、その燃料棒全体の横断面で見た重心位置が水ロ
ッドの重心位置よりも広幅のギャップ水領域側にずれる
ように配置したものであり、これによりD格子炉心にお
ける燃料集合体の径方向及び軸方向のH/Uが平坦化さ
れ、燃料経済性の向上及び炉停止余裕の増大が図れる。
また、第2の燃料棒(短尺燃料棒)の全てを水ロッド
に隣接しないように配置し、更に好ましくは、第2の燃
料棒(短尺燃料棒)を相互に隣接することなく配置した
ものであり、これによりボイド分布率が平坦になり、燃
料棒の熱的余裕が改善されかつ圧損低減の効果もある。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例の図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の第1の実施例を第1図、第4図及び第5図
により説明する。
第1図において、本実施例の燃料集合体1はD格子炉
心の単位セル2に装架されるものとして図示されてい
る。D格子炉心の単位セル2では、燃料集合体1の外側
に冷却材の軽水が沸騰せずに流れる流路となるギャップ
水領域3,4が形成され、十字形の制御棒5が挿入される
側に形成されるギャップ水領域3の面積が制御棒5が挿
入されない側に形成されるギャップ水領域4の面積より
も広くなっている。
本実施例の燃料集合体1は9×9の正方格子状に配列
されたウラン235を含む多数の燃料棒6を有し、燃料棒
6は通常の燃料有効長を有する燃料棒6Aと、燃料棒6Aよ
り燃料有効長の短い短尺燃料棒、例えば燃料有効長が燃
料棒6Aの15/24の短尺燃料棒6Bとからなっている。短尺
燃料棒6Bは少なくとも4本で、図示実施例では8本あ
り、他は燃料棒6Aである。また、燃料集合体1には、燃
料棒6が7本配置可能な領域に2本の大型水ロッド7が
配置されている。2本の水ロッド7の横断面での水領域
面積の合計は少なくとも8cm2以上である。燃料棒2と水
ロッド7は燃料バンドルを構成し、その周囲をチャンネ
ルボックス8により取り囲まれている。チャンネルボッ
クス8の外側には上述したギャップ水領域3,4が形成さ
れる。
燃料集合体1において、短尺燃料棒6Bと大型水ロッド
7は次のように配置されている。短尺燃料棒6Bは相互に
隣接することなく配置され、かつ水ロッド7にも隣接し
ないように配置されている。即ち、短尺燃料棒6Bは普通
の燃料棒6Aのみに隣接するように最外層から2層目に均
一に配置されている。また、短尺燃料棒6Bはそれ自身全
体の重心位置がチャンネルボックス8の中心、即ち、燃
料集合体1の中心に一致するように配置されている。一
方、大型水ロッド7はそれ自身全体の重心位置が狭いギ
ャップ水領域4の側に燃料棒配列の1格子分だけずれる
ように配置されている。その結果、短尺燃料棒6Bの重心
位置は水ロッド7の重心位置に一致しておらず、水ロッ
ドの重心位置に対して広幅のギャップ水領域3側にずれ
ている。また、2つの大型水ロッド7は、両者の中心を
通る線が制御棒5に対向するコーナ部を含むチャンネル
ボックス8の対角線上に位置するよう配置されている。
即ち、本実施例の燃料集合体1つの構成は第3図で説明
したケースAに相当する。
燃料集合体1の全体構成を第4図に示す。燃料棒6と
水ロッド7とで構成される燃料バンドルの上下部には、
チャンネルボックス8に取り囲まれ、燃料棒6及び水ロ
ッド7の上下端を支持する上部タイプレート9及び下部
タイプレート10が位置し、かつ燃料バンドルの軸方向に
間隔をおいて燃料棒6と水ロッド7の間隔を保持する複
数個のスペーサ11が設置されている。
本実施例の燃料集合体1のD格子炉心でのより詳細な
装荷状態を第5図に示す。燃料集合体1は4体1組で配
置され、その中央部に上述した十字形の制御棒5が配置
される。
本実施例の燃料集合体1を既存のD格子炉心に用いる
場合は、その装架方法として、使用済み燃料の交換の際
に使用済み燃料が位置してい単位セルに、本実施例の燃
料集合体1を大型水ロッド7の重心位置が制御5から遠
い側に位置するよう装荷すればよい。
以上のように構成した燃料集合体1においては、短尺
燃料棒6Bを均一に配置した状態で大型水ロッド7の位置
を狭いギャップ水領域4の側にずらしたので、チャンネ
ルボックス8内の中性子分布束が平坦となり、このた
め、従来技術の考えに従って燃料濃縮度を調整した第2
図に示す基準ケースに比較して、広いギャップ水領域3
側の燃料棒6の濃縮度はそれより高く、狭いギャップ水
領域4側の燃料棒6の濃縮度はそれより低くできた。そ
の結果、濃縮ペレットのスプリットが減少し、燃料棒の
製造が容易となると共に、中性子の有効利用が図れ、第
3図に示すように中性子無限増倍率が0.4%Δk程度
上昇した。即ち、燃料経済性が向上した。また、狭いギ
ャップ水領域4側の濃縮度を低くできたため、冷温停止
時の反応度上昇は逆に0.6%Δk程度減少し、炉停止
余裕が増大した。
また、本実施例では、短尺燃料棒6Bは短尺燃料棒同志
では隣接せずかつ水ロッド7にも隣接せず、発熱体であ
る普通の燃料棒6Aに隣接するよう均一に配置したので、
燃料棒6A回りの減速材が増加し、燃料棒6Aの熱的余裕が
向上すると共に、ボイド率分布の平坦化が図れ、圧損低
減の効果がある。
本発明の第2及び第3の実施例をそれぞれ第6図及び
第7図により説明する。図中、第1図と同等の部材には
同じ符号を付している。
第6図において、本実施例の燃料集合体1Aは第1の実
施例と同様に普通の燃料棒6Aと短尺燃料棒6Bとからなる
多数の燃料棒6と、2つの大型水ロッド7とを有してい
る。また、大型水ロッド7は、水ロッド全体の重心位置
が狭いギャップ水領域4の側に燃料棒配列の1格子分だ
けずれるようにしている。しかし、2つの水ロッド7の
向きは第1の実施例と異なり、両者の中心を通る線が制
御棒5に対向するコーナ部を含むチャンネルボックス8
の対角線に直交するように配置されている。即ち、第1
の実施例の水ロッド7の向きを90゜回転した状態にあ
り、第2図に示す基準ケースにおける水ロッドの向きと
同じである。このため、本実施例では第1の実施例に比
べて、チャンネルボックス8に対する2つの水ロッド7
の距離が短くなっている。これにより、チャンネルボッ
クス8の高速中性子による照射量を低減する効果が大き
くなる。
また、短尺燃料棒6Aは、相互に隣接することなくかつ
水ロッド7にも隣接することなく均一に配置され、重心
位置が水ロッド7の重心位置に一致していないことは第
1の実施例と同じであるが、水ロッド7の向きが変わっ
た結果、短尺燃料棒6Aは第1の実施例のように最外層か
らに二層目だけでなく三層目にも入れることができる。
これにより、ボイド率の一層の平坦化が図れ、圧損低減
の効果が向上する。
第7図に示す実施例においては、燃料集合体1Bは単一
の十字形の水ロッド7Aを有している。ただし、水ロッド
7Aの十字形は対称ではなく、狭幅のギャップ水領域4側
に大きく突出しているので、水ロッド7Aの横断面で見た
重心位置は燃料集合体1Bの中心より1格子分以上狭幅の
ギャップ水領域4側にずれている。他の構成は第1の実
施例とほぼ同じである。
本実施例によれば、水ロッド7A内の飽和水領域が増大
するので、燃料集合体Bの上下でのH/Uの差が小さくな
り、炉停止余裕をさらに向上することができる。
なお、以上の実施例では、燃料棒6を構成する核分裂
性物質としてウラン235を用いたが、再処理燃料が商業
軽水炉において多量に利用できる場合には、ウラン燃料
の代わりにプルトニウム239又はプルトニウム241を用い
てもよく、この場合も同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、D格子炉心に装荷する燃料集合体の
径方向及び軸方向のH/Uを平坦化できるので、燃料経済
性の向上及び炉停止余裕の増大が図れる。また、ボイド
率分布を平坦にすることで、熱的余裕の向上及び圧損の
効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による燃料集合体の横断
面図であり、第2図は、本発明の原理を説明するための
基準ケースとしての燃料集合体の横断面図であり、第3
図はその基準ケースと比較した本発明の3つのケースに
よる燃料集合体の評価結果を示す図であり、第4図は、
第1図に示す燃料集合体の縦断面図であり、第5図はそ
の燃料集合体のより詳細なD格子炉心での配置状態を示
す図であり、第6図は本発明の第2の実施例のよる燃料
集合体の横断面図であり、第7図は本発明の第3の実施
例による燃料集合体の横断面図であり、第8図は従来の
燃料集合体の横断面図である。 符号の説明 1,1A,1B……燃料集合体 3……広幅のギャップ水領域 4……狭幅のギャップ水領域 5……制御棒 6……燃料棒 6A……普通の燃料棒(第1の燃料棒) 6B……短尺燃料棒(第2の燃料棒) 7,7A……大型水ロッド 8……チャンネルボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 桂彦 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 内川 貞夫 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 山下 淳一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 平川 将博 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭62−177486(JP,A) 特開 平1−250788(JP,A) 特開 昭64−31091(JP,A) 特開 昭48−80988(JP,A) 特開 昭63−21589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/30 - 3/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料集合体の周囲に広幅のギャップ水領域
    とその反対側に位置する狭幅のギャップ水領域を形成し
    たD格子炉心用の燃料集合体であって、格子状に配列さ
    れた多数の燃料棒と、前記燃料棒が2本以上配置可能な
    領域に配置された少なくとも1本の大型水ロッドとを含
    み、前記多数の燃料棒が、複数の第1の燃料棒と、前記
    第1の燃料棒より燃料有効長の短い複数の第2の燃料棒
    とを含む燃料集合体において、 前記大型水ロッドを、水ロッドの横断面で見た重心位置
    が燃料集合体の中心より前記燃料棒配列の1格子分以
    上、前記狭幅のギャップ水領域側にずれるように配置す
    ると共に、前記第2の燃料棒を、その燃料棒全体の横断
    面で見た重心位置が前記水ロッドの重心位置よりも前記
    広幅のギャップ水領域側にずれるように配置し、かつ前
    記第2の燃料棒の全てを前記水ロッドに隣接しないよう
    に配置したことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の燃料集合体において、前記
    第2の燃料棒はその重心位置が前記燃料集合体の中心と
    一致するよう配置されることを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の燃料集合体におい
    て、前記燃料棒の格子状配列は9行9列であることを特
    徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集
    合体において、前記第2の燃料棒は燃料集合体横断面内
    において相互に隣接することがなく配列されていること
    を特徴とする燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集
    合体において、前記大型水ロッドの横断面での水領域面
    積が8cm2以上であることを特徴とする燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集
    合体において、前記第2の燃料棒が4本以上あることを
    特徴とする燃料集合体。
  7. 【請求項7】請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料集
    合体において、前記多数の燃料棒が、各々、核分裂性物
    質としてウラン235、プルトニウム239及びプルトニウム
    241の少なくとも1種類を含むことを特徴とする燃料集
    合体。
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