JP3262022B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP3262022B2
JP3262022B2 JP13319797A JP13319797A JP3262022B2 JP 3262022 B2 JP3262022 B2 JP 3262022B2 JP 13319797 A JP13319797 A JP 13319797A JP 13319797 A JP13319797 A JP 13319797A JP 3262022 B2 JP3262022 B2 JP 3262022B2
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智彦 池側
淳一 小山
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子炉用の
燃料集合体に係り、特に高燃焼度化を図るのに好適な燃
料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】単位重量当たりのウランから発生するエ
ネルギーを増大させることによって燃料経済性を改善す
る、いわゆる高燃焼度化炉心の開発が進んでいる。近年
の原子炉用燃料集合体は、その上下端部に天然ウランブ
ランケットを有している。この天然ウランブランケット
は、以下に示す効果により燃料経済性を高めることが可
能である。
【0003】(1)上下端部出力を下げることによって上
下方向への中性子の漏れを抑えることができるため、中
性子経済性が向上する。
【0004】(2)上下端の天然ウランブランケット部に
可燃性毒物が含まれていないため、端部での可燃性毒物
の燃え残りがなく中性子経済性が向上する。
【0005】例えば、特開昭59-38684号公報には、燃料
有効長のうち上端部1/12,下端部1/24を天然ウ
ランブランケットとした構成が記載されている。また、
燃料集合体中に含まれる核分裂性物質量が一定の条件下
で、天然ウランブランケットを用いた場合と天然ウラン
ブランケットを用いない場合とを比較すると、天然ウラ
ンブランケットを上下端部に配置することにより、約7
%の燃料経済性向上効果があることが同公報に記載され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、更なる高燃焼
度化を目指すに際して、従来の天然ウランブランケット
は、次に挙げるような問題点を有する。
【0007】(1)天然ウランブランケットを炉心上下端
部に配置すると、炉心上下端部出力が低下し、炉心中央
部の軸方向出力ピーキングが増加する。高燃焼度化燃料
の熱的余裕を確保するうえで、天然ウランブランケット
の使用は不利である。
【0008】(2)高燃焼度化を達成するためには燃料集
合体平均濃縮度を上げる必要があるが、使用できるペレ
ット濃縮度に上限値がある現在、天然ウランブランケッ
ト領域を設けると燃料集合体平均濃縮度が下がり、高燃
焼度化が難しくなる。
【0009】本発明の目的は、天然ウランブランケット
を有する従来の燃料集合体に比べて、燃料経済性をほぼ
維持しつつ、取出燃焼度の増大及び熱的余裕の改善を実
現可能な燃料集合体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、核分裂性物質を含み可燃性毒物を含まな
い複数の第1燃料棒と、核分裂性物質及び可燃性毒物を
含む複数の第2燃料棒とを有する燃料集合体において、
前記燃料集合体は可燃性毒物を含まない領域を燃料有効
部の上端または下端の少なくとも一方に有し、該可燃性
毒物を含まない領域の横断面平均核分裂性物質濃度が
3.0wt% 以下であり、前記可燃性毒物を含まない領
域のうち、上端または下端の少なくとも一方の領域の横
断面平均核分裂性物質濃度が1.4wt% 以上であり、
m を可燃性毒物を含む領域の平均核分裂性物質濃度、
b を可燃性毒物を含まない領域の平均核分裂性物質濃
度、en を天然ウランの平均核分裂性物質濃度とすると
き、燃料有効部内に占める可燃性毒物を含まない領域の
軸方向長さの割合Lが、 L<(em−en)/(12(em−eb)) の関係を満たすように構成する。
【0011】従来の天然ウランブランケットを有する図
2に示すような燃料集合体の持つ課題を解決するため、
発明者らは図3に示すような燃料集合体を想定して上端
部又は下端部構造を見直し、これらの領域に可燃性毒物
を含まない濃縮ウラン燃料を使用するケースについて定
量的に検討した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)熱的余裕は可燃性毒物を含まない領域である上下端
部の平均ウラン濃縮度を高めるにつれて向上する。図4
に示すように、軸方向出力ピーキングは、上下端部の平
均ウラン濃縮度が0.7wt% から2.0wt% になる
まで大きく減少し、上下端部の平均ウラン濃縮度をそれ
以上増加させても大きな変化は見られない。
【0012】(2)反応度利得は可燃性毒物を含まない領
域である上下端部の平均ウラン濃縮度を高めるにつれて
減少傾向を示す。しかし、燃料集合体平均ウラン濃縮度
が4.0wt% 程度の場合、図5に示すように、可燃性
毒物を含まない領域の平均ウラン濃縮度が2.0wt%
程度であれば反応度損失は比較的小さい。
【0013】(3)貯蔵中の燃料集合体の未臨界度を確保
するため、燃料集合体の各横断面の冷温時中性子無限増
倍率は1.3 を上限に定められている。水対燃料体積比
が3程度の場合について、横断面平均濃縮度と無限増倍
率の関係を検討した結果、図6に示すように、横断面平
均濃縮度が3wt% 以下であれば未臨界度を確保でき
ることがわかった。
【0014】発明者らはこれらの新知見と、従来から知
られている2つの知見 (4)可燃性毒物を含まない領域に可燃性毒物を添加する
と反応度損失が生じる。 (5)燃料集合体平均濃縮度を増加させると取出燃焼度が
増加する。
【0015】を踏まえ、本発明の燃料集合体構成が高燃
焼度化に有効であることを見出した。即ち、本発明の燃
料集合体を採用することにより、従来の燃料集合体に比
べて以下の5つの効果が得られる。
【0016】(1)可燃性毒物を含まない領域である上端
部又は下端部の平均濃縮度を天然ウランの平均濃縮度よ
り高くすることにより、軸方向出力ピーキングを減少し
て熱的余裕を改善することができる。特に、上端部又は
下端部に対する平均濃縮度の下限値として1.4wt%
を適用すると、軸方向出力ピーキングの改善効果が大き
くなることが図4から読み取れる。
【0017】(2)上端部又は下端部の平均濃縮度を天然
ウランの平均濃縮度より高くすると、反応度利得は減少
傾向にあるが、横断面平均濃縮度が3wt%以下の範囲
においてはその損失は比較的小さい。
【0018】(3)可燃性毒物が含まれない領域の横断面
平均濃縮度を3wt%以下とすることで、本発明の燃料
集合体の貯蔵中の未臨界度は確保される。
【0019】(4)可燃性毒物を含まない上下端部を採用
しているため、この領域において可燃性毒物による反応
度損失がない。
【0020】(5)以下に示すように、燃料有効長に占め
る可燃性毒物を含まない領域の長さの割合Lを数5の範
囲内に設定することにより、本発明の燃料集合体の平均
核分裂性物質濃度が従来の燃料集合体の平均核分裂性物
質濃度より大きくなるので、取出燃焼度を増大させるこ
とができる。
【0021】図2に示す従来の燃料集合体の平均核分裂
性物質濃度は、次式で表される。
【0022】
【数1】 (2en+22em)/24 …(数1) ここで、em は中央部の平均核分裂性物質濃度、en
上下端部の天然ウランブランケットの平均核分裂性物質
濃度(=0.711wt% )である。
【0023】一方、図3に示す本発明の燃料集合体の可
燃性毒物を含まない領域の平均核分裂性物質濃度eb
び燃料有効長に占める長さの割合Lは、次式で表され
る。
【0024】
【数2】 eb=(eb1×L1+eb2×L2)/(L1+L2) L=L1+L2 …(数2) ここで、eb1及びeb2は、それぞれ上端部及び下端部の
領域の平均核分裂性物質濃度である。
【0025】数2から、本発明の燃料集合体の平均核分
裂性物質濃度は、次式となる。
【0026】
【数3】 (eb−em)L+em …(数3) 数1及び数3から、本発明の燃料集合体の平均濃縮度が
図2の従来の燃料集合体の平均濃縮度より大きくなる条
件は、次式となる。
【0027】
【数4】 (2en+22em)/24<(eb−em)L+em …(数4) 数4をLについて解くことにより、Lの長さを制限する
次式が得られる。
【0028】
【数5】 L<(em−en)/(12(em−eb)) …(数5) 以下、簡単のために、数5の右辺をL0 で表す。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1,図
7〜図15を用いて説明する。
【0030】(実施例1)図1は本発明の燃料集合体の
第1実施例として、燃料棒を9行9列に配置した燃料集
合体に本発明を適用した燃料集合体の水平(横)断面図
及び各燃料棒のウラン濃縮度とガドリニアの分布図であ
る。10はガドリニアを含まない長尺の燃料棒、20は
ガドリニアを含まない短尺燃料棒P、30はガドリニア
入り燃料棒G1及びG2、40は水ロッドW、50はチ
ャンネルボックスをそれぞれ表している。また、図1の
下側の燃料棒内に付記されている数字はウラン濃縮度で
ある。最外周に燃料有効長の11/24の長さの4本の
短尺燃料棒を配置し、中央部には太径の2本の水ロッド
を配置してある。また、ガドリニア入り燃料棒の本数は
16本である。
【0031】図1は、図7の従来型の天然ウランブラン
ケットを使用した燃料集合体とは異なり、上端から燃料
有効長の1/24の領域に本発明を適用している。即
ち、上下端の1/24領域に可燃性毒物であるガドリニ
アを含まず、上端部の横断面平均濃縮度は2.10wt
%、下端部の横断面平均濃縮度は0.71wt%であ
り、いずれも3wt% 以下である。また、上端部の横
断面平均濃縮度は0.72wt%より大きい。中央部のガ
ドリニアを含む領域の平均濃縮度em は4.48wt
%、ガドリニアを含まない領域の平均濃縮度eb は1.
4wt% であり、燃料有効長に占めるガドリニアを含
まない領域の長さの割合Lは2/24=0.08 で、L
0 =0.10より小さい。
【0032】この燃料集合体では、水ギャップに隣接す
る最外周に高濃縮度ペレット(1〜4)を、他の部分に
天然ウランペレットを使用して本発明の断面構造を実現
している。本実施例による効果を解析により調べた結
果、図7の従来の燃料集合体と比べて、上端部出力が増
大することによる軸方向出力ピーキングの改善効果が約
1.5% 、燃料集合体平均濃縮度が高まることによる燃
料集合体の取出燃焼度の増大が約0.7GWd/t であ
ることが判った。
【0033】(実施例2)図8は、図1と同じ燃料配列
の燃料集合体に対する第2実施例である。先程の実施例
と同様に、本発明の要件について考える。上下端の1/
24領域に可燃性毒物であるガドリニアを含まず、上端
部の横断面平均濃縮度は2.27wt% 、下端部の横断
面平均濃縮度は0.71wt% であり、いずれも3wt
%以下である。また、上端部の横断面平均濃縮度は0.
72wt% より大きい。中央部のガドリニアを含む領
域の平均濃縮度em は4.48wt% 、ガドリニアを含
まない領域の平均濃縮度eb は1.5wt% であり、燃
料有効長に占めるガドリニアを含まない領域の長さの割
合Lは2/24=0.08で、L0 =0.11より小さ
い。よって、この実施例は全ての要件を満たしている。
【0034】また、図1では最外周に高濃縮燃料を配置
していたのに対し、本実施例ではその逆の構造、すなわ
ち最外周付近に低濃縮燃料(1〜4)を用いて本発明の
構造を実現している点が図1との相違点である。この断
面構造は、水ギャップ近傍の熱中性子の多い領域に低濃
縮燃料を配しているため反応度損失は大きくなるが、燃
料集合体の水平方向の出力分布は図1に比べて平坦化さ
れるので、上端から燃料有効長の1/24の領域の横断
面における局所出力ピーキングを図1に比べて低減する
ことが可能である。
【0035】図1の実施例と比較したときの図8の実施
例の効果として、上端部出力が低下することによる軸方
向出力ピーキングの増大、上端部横断面の水平方向出力
の平坦化による局所出力ピーキングの低下、反応度損失
の増大による燃料経済性の低下が得られる。また、図7
に示した従来型の燃料集合体に比べれば、軸方向出力ピ
ーキングを約1.0%改善、取出燃焼度を約0.6GWd
/t増大することができる。
【0036】(実施例3)図9は本発明の構造を、燃料
棒を9行9列に配置した燃料集合体に適用した第3実施
例である。最外周から1層内側に燃料有効長の14/2
4の長さの8本の短尺燃料棒Pを配置し、中央部には太
径の2本の水ロッドWを配置してある。また、ガドリニ
ア入り燃料棒G1及びG2の本数は16本である。先程
の実施例とはガドリニア入り燃料棒の配置、短尺燃料棒
の配置及び軸方向長さなど、構成が大きく異なってい
る。この燃料集合体の平均濃縮度は約3.94wt% で
ある。この燃料集合体は以下に示すように本発明の要件
を満たしている。即ち、上下端の1/24領域に可燃性
毒物であるガドリニアを含まず、上端部の横断面平均濃
縮度は2.00wt%、下端部の横断面平均濃縮度は0.
71wt%であり、いずれも3wt% 以下である。ま
た、上端部の横断面平均濃縮度は0.72wt%より大
きい。中央部のガドリニアを含む領域の平均濃縮度em
は4.15wt%、ガドリニアを含まない領域の平均濃
縮度ebは1.36wt%であり、燃料有効長に占めるガ
ドリニアを含まない領域の長さの割合Lは2/24=
0.08 で、L0=0.10 より小さい。
【0037】この燃料集合体を、図9の上端部の濃縮度
2.0wt% の燃料を天然ウランブランケットに置き換
えた従来の燃料集合体と比較すると、上端部出力上昇に
よる軸方向出力ピーキングの低減効果が約1.5% 、燃
料集合体平均濃縮度の増加による取出燃焼度の増大が約
0.7GWd/t であることが解析により求まった。即
ち、先程の2つの実施例のように天然ウランペレットと
高濃縮度ペレットを混在させることによって本発明の構
造を実現することも、図9のように、上端部又は下端部
の横断面を一様な濃縮度ペレットで構成することによっ
て本発明の構造を実現することも可能である。
【0038】(実施例4)図10は、本発明の構造を9
行9列の燃料棒配列を有し、方形の水ロッドを備えた燃
料集合体に適用した第4実施例である。短尺燃料棒は使
用していない。ガドリニア入り燃料棒G1及びG2は1
6本配置されており、うち8本のG1は軸方向にガドリ
ニア濃縮度分布を有している。この燃料集合体は以下に
示すように本発明の要件を満たしている。即ち、上下端
の1/24領域に可燃性毒物であるガドリニアを含ま
ず、上端部の横断面平均濃縮度は0.71wt% 、下端
部の横断面平均濃縮度は2.27wt% であり、いずれ
も3wt%以下である。また、下端部の横断面平均濃縮
度は0.72wt% より大きい。中央部のガドリニアを
含む領域の平均濃縮度em は4.37wt% 、ガドリニ
アを含まない領域の平均濃縮度eb は1.49wt% で
あり、燃料有効長に占めるガドリニアを含まない領域の
長さの割合Lは2/24=0.08 で、L0=0.11よ
り小さい。
【0039】本実施例では上端ではなく下端に本発明を
採用している。沸騰水型原子炉は軸方向のボイド分布と
出力分布が互いに関係しているため、一般に水の密度の
大きい炉心下部の出力は上部の出力より大きくなる。そ
のため、下端部に本発明を適用した本実施例では軸方向
出力ピーキングの平坦化効果は上端部に適用したときに
比べて小さくなる。しかし、図11に示す従来の燃料集
合体に比べれば、軸方向出力ピーキングの低減(約1.
0%)、取出燃焼度の増大(約0.6GWd/t)が得ら
れるので、燃料集合体平均濃縮度を高めて取出燃焼度を
高めたいときには、本実施例のように下端部に本発明の
構造を採用することも可能である。
【0040】(実施例5)図12は、本発明の構造を、
燃料棒を10行10列に配置した燃料集合体に採用した
第5実施例である。燃料集合体中央部に太径の水ロッド
Wを2本使用しており、ガドリニア入り燃料棒G1及び
G2は16本、短尺燃料棒Pは燃料有効長の14/24
の長さのものが14本配置されている。図12の燃料集
合体平均濃縮度は約4.23wt% である。
【0041】また、この燃料集合体は以下に示すように
本発明の要件を満たしている。即ち、上端の2/24領
域と下端の1/24領域に可燃性毒物であるガドリニア
を含まず、上端部及び下端部の横断面平均濃縮度は双方
ともに2.38wt% であり、いずれも3wt%以下で
ある。また、上端部及び下端部の横断面平均濃縮度が
0.72wt% より大きい。中央部のガドリニアを含む
領域の平均濃縮度em は4.55wt% 、ガドリニアを
含まない領域の平均濃縮度ebは2.38wt%であり、
燃料有効長に占めるガドリニアを含まない領域の長さの
割合Lは3/24=0.125で、L0 =0.15より小
さい。
【0042】このような10行10列の燃料配置を持つ
燃料集合体であっても、図13に示す従来型の燃料集合
体に比べて、端部出力の上昇及び燃料集合体の平均濃縮
度の増加が起こるため、9行9列の燃料棒配列を持つ燃
料集合体と同様の作用により本発明の効果が得られる。
本実施例では、上端から2/24及び下端から1/24
の領域に本発明を採用することにより、上端部及び下端
部の反応度を同時に向上させて軸方向出力分布を大きく
平坦化すると同時に、燃料集合体の平均濃縮度の上昇に
より取出燃焼度を大きく改善することが可能である。具
体的には、軸方向出力ピーキングにして約2.0wt%
の低減、取出燃焼度にして約1.4GWd/tの増大とな
る。
【0043】(実施例6)図14は、本発明の構造を方
形の水ロッド1本を有する10行10列の燃料棒配列の
燃料集合体に適用した第6実施例である。ガドリニア入
り燃料棒G1及びG2は16本、短尺燃料棒Pは燃料有
効長の14/24の長さのものが12本配置されてい
る。この実施例では、燃料集合体の上下端に対して天然
ウランブランケットの替わりに劣化ウランを使用してい
るのが特徴である。燃料集合体の平均濃縮度は4.29
wt% である。
【0044】この燃料集合体は以下に示すように本発明
の要件を満たしている。即ち、上下端の1/24領域に
可燃性毒物であるガドリニアを含まず、上端部の横断面
平均濃縮度は2.08wt%、下端部の横断面平均濃縮
度は0.20wt%であり、いずれも3wt%以下であ
る。また、上端部の横断面平均濃縮度は0.72wt%
より大きい。中央部のガドリニアを含む領域の平均濃縮
度em は4.55wt%、ガドリニアを含まない領域の
平均濃縮度eb は1.14wt% であり、燃料有効長に
占めるガドリニアを含まない領域の長さの割合Lは2/
24=0.08 で、L0=0.09より小さい。
【0045】劣化ウランを使用しているために端部の出
力が小さく、軸方向の出力ピーキングは天然ウランを用
いた場合に比べて厳しくなるが、本実施例の横断面は平
均濃縮度として0.72wt% を超えるものとなるた
め、図15に示す天然ウランブランケットを採用した燃
料集合体と比べても軸方向出力ピーキングは改善され
る。この結果、軸方向出力ピーキングが約1%、取出燃
焼度が約0.8GWd/t改善される。
【0046】以上、6つの実施例を用いて説明したよう
に、本発明は、燃料集合体中の燃料棒の配列や水ロッド
の形状など燃料集合体の水平断面(横断面)構造によら
ず、軸方向のガドリニア分布や濃縮度分布、及び燃料集
合体平均濃縮度にその本質があることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、従来の燃料集合体に比
べて、燃料経済性をほぼ維持しつつ、軸方向出力ピーキ
ングを低減し且つ取出燃焼度を増大させることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料集合体の第1実施例を示す図。
【図2】従来の軸方向濃縮度分布の概念図。
【図3】本発明の軸方向濃縮度分布の概念図。
【図4】可燃性毒物を含まない領域の横断面平均濃縮度
と軸方向出力ピーキングの関係図。
【図5】可燃性毒物を含まない領域の横断面平均濃縮度
と増倍率利得の関係図。
【図6】可燃性毒物を含まない領域の横断面平均濃縮度
と中性子無限増倍率の関係図。
【図7】第1実施例及び第2実施例の比較例を示す図。
【図8】本発明の燃料集合体の第2実施例を示す図。
【図9】本発明の燃料集合体の第3実施例を示す図。
【図10】本発明の燃料集合体の第4実施例を示す図。
【図11】第4実施例の比較例を示す図。
【図12】本発明の燃料集合体の第5実施例を示す図。
【図13】第5実施例の比較例を示す図。
【図14】本発明の燃料集合体の第6実施例を示す図。
【図15】第6実施例の比較例を示す図。
【符号の説明】
10…燃料棒、20…短尺燃料棒、30…ガドリニア入
り燃料棒、40…水ロッド、50…チャンネルボック
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 肇男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (72)発明者 配川 勝正 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平8−189983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/328

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核分裂性物質を含み可燃性毒物を含まない
    複数の第1燃料棒と、核分裂性物質及び可燃性毒物を含
    む複数の第2燃料棒とを有する燃料集合体において、 前記燃料集合体は可燃性毒物を含まない領域を燃料有効
    部の上端または下端の少なくとも一方に有し、該可燃性
    毒物を含まない領域の横断面平均核分裂性物質濃度が
    3.0wt% 以下であり、 前記可燃性毒物を含まない領域のうち、上端または下端
    の少なくとも一方の領域の横断面平均核分裂性物質濃度
    1.4wt% 以上であり、 em を可燃性毒物を含む領域の平均核分裂性物質濃度、
    b を可燃性毒物を含まない領域の平均核分裂性物質濃
    度、en を天然ウランの平均核分裂性物質濃度とすると
    き、燃料有効部内に占める可燃性毒物を含まない領域の
    軸方向長さの割合Lが、 L<(em−en)/(12(em−eb)) の関係を満たすことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】前記燃料集合体の平均核分裂性物質濃度が
    4.0wt% 以上であることを特徴とする請求項記載
    の燃料集合体。
  3. 【請求項3】前記燃料棒が9行9列以上の正方格子状に
    配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の燃料集合体。
  4. 【請求項4】前記可燃性毒物を含まない領域には、天然
    ウランペレットが含まれていることを特徴とする請求項
    に記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】前記可燃性毒物を含まない全ての領域の横
    断面平均核分裂性物質濃度が等しいことを特徴とする請
    求項または請求項記載の燃料集合体。
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