JP3485999B2 - 沸騰水型原子炉用燃料集合体 - Google Patents

沸騰水型原子炉用燃料集合体

Info

Publication number
JP3485999B2
JP3485999B2 JP09221095A JP9221095A JP3485999B2 JP 3485999 B2 JP3485999 B2 JP 3485999B2 JP 09221095 A JP09221095 A JP 09221095A JP 9221095 A JP9221095 A JP 9221095A JP 3485999 B2 JP3485999 B2 JP 3485999B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
rod
short
rods
long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09221095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08285977A (ja
Inventor
靖 平野
和毅 肥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP09221095A priority Critical patent/JP3485999B2/ja
Publication of JPH08285977A publication Critical patent/JPH08285977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3485999B2 publication Critical patent/JP3485999B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉に用い
られる燃料集合体に係わり、特に、高燃焼度化および長
期運転サイクルに適した沸騰水型原子炉用燃料集合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子炉発電の経済性向上のため
に、燃料の高燃焼度化が進められている。このような高
燃焼度用燃料集合体の一例を図15に示す。図15
(a)は燃料集合体を一部縦断面で示す立面図であり、
(b)は(a)のB−B矢視断面図、(c)は(a)の
C−C矢視断面図である。図15に示されるように、燃
料集合体1は、濃縮ウランなどの核燃料物質を充填した
長尺燃料棒2、この長尺燃料棒2よりも有効部分が短い
短尺燃料棒3および内部を冷却材が流れる太径ウォータ
ロッド6をスペーサ8で正方格子状に束ねて、これを上
部タイプレート4および下部タイプレート5に固定して
燃料棒束とし、この燃料棒束をチャンネルボックス7で
包囲して構成されている。さらに、外部スプリング9を
長尺燃料棒2と上部タイプレ−ト4との間に介在し、燃
料棒を固定している。
【0003】高燃焼度用燃料集合体は例えば特開平2−
296192号公報に開示されている従来の低燃焼度用
燃料集合体と比較して以下のような特徴を有している。
すなわち、高燃焼度化を達成するために、燃料を高濃縮
度化するため、(1)ボイド分布に起因する軸方向出力
ピーキングがより一層増大する、(2)炉内滞在期間が
異なる多種の燃料が炉心に混在するため、径方向出力ピ
ーキングも増大する、等である。
【0004】このため、最大線出力密度や最小限界出力
比などの熱的余裕が減少する。これらを改善するため
に、図15の燃料集合体1では、燃料棒配列を従来燃料
の8行8列から9行9列にして燃料棒本数を増加させて
いる。これにより、燃料棒1本当たりの最大線出力密度
を低減することができる。
【0005】ところが、燃料棒本数が増加すると燃料棒
間の流路が狭くなり、冷却材の圧損が増大する。特に、
冷却材が二相流であるため燃料上部での圧損が大きく、
原子炉の安定性が損なわれる恐れもある。そこで図15
の燃料集合体1では、一部の燃料棒の長さを長尺燃料棒
2よりも短くした短尺燃料棒3を使用して、燃料棒本数
の増加による圧損の増大を打ち消している。短尺燃料棒
3の長さは長尺燃料棒2の約2/3である。
【0006】また、出力が過大になった場合、燃料棒か
ら冷却材への熱伝達が効率のよい核沸騰から効率の悪い
膜沸騰へ沸騰遷移するが、このときの燃料集合体の出力
が限界出力である。この沸騰遷移は燃料棒上部で発生す
る可能性が高いので、短尺燃料棒3の位置は燃料棒の冷
却効率の悪い場所を選定しており、これにより最小限界
出力比を増大させている。
【0007】図15の燃料集合体1では、最外周から2
層目に位置する燃料棒のうち4箇所のコーナーと、コー
ナーとコーナーの中点(4箇所)に短尺燃料棒3を計8
本配置している。これらの位置の燃料棒は、自分自身の
周りをすべて熱源である8本の燃料棒に囲まれているの
で、最外周燃料棒またはウォータロッドに隣接する燃料
棒に比べて冷却効率の悪い場所となっている。特に、短
尺燃料棒3を有している従来の燃料集合体においては、
最外周から2層目の4箇所のコーナー位置には短尺燃料
棒3を配置している場合が多い。
【0008】短尺燃料棒3はさらに、炉停止余裕を向上
させる効果がある。原子炉停止時においては、炉心上端
から全長の1/4ないし1/3だけ下の部位において中
性子束がピークを形成する。原子炉停止時には冷却材
は、温度が低く密度が高いため中性子吸収材として作用
するので、軸方向上部において燃料棒本数を減らし冷却
材量を増すことによって、炉停止余裕を向上させること
ができる。
【0009】このように長尺燃料棒2と短尺燃料棒3と
から構成され、かつ、最外周から2層目に位置する燃料
棒群のコーナー位置に前記短尺燃料棒3のうち少なくと
も4本配置した燃料集合体の濃縮度分布の一例を図16
に示す。なお、図中、図15と同一部分には同一符号を
符し、重複する説明は省略する。
【0010】図16(a)は燃料集合体の横断面図であ
り、(b)は(a)の燃料集合体の軸方向長さおよび濃
縮度を示したものである。図16(a)において燃料棒
を示す円の中の1〜4,G1〜G4および記号無しは燃
料棒の種類を示し、(b)に対応する濃縮度および燃料
棒有効長が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
燃料集合体ではさらなる高燃焼度化を進める上で、以下
のような課題を生じる。一般に、沸騰水型原子炉用の燃
料集合体は、チャンネルボックスとチャンネルボックス
の間を非沸騰水(水ギャップ領域)が流れており、水に
よる中性子の減速効果によって燃料集合体外周部分、特
に燃料集合体コーナー付近の熱中性子束が高く、その部
分の局所出力が高くなる傾向がある。そのため、従来燃
料においては熱的特性を改善するため、燃料集合体の外
周部分の燃料棒の濃縮度を下げ、燃料集合体内の局所出
力分布を平坦化していた。
【0012】しかしながら、高燃焼度化用燃料、長期運
転サイクル用燃料等のように、燃料集合体の平均濃縮度
を従来燃料以上に高める必要がある場合は、ペレット最
高濃縮度4.9wt%の制限があるため、外周部分の燃
料棒の濃縮度を上げざるを得ず、その分だけ熱的特性が
悪化することになる。なお、ペレット最高濃縮度4.9
wt%の制限は燃料製造施設の臨界安全性の制限から定
められたものであり、これを容易に変更することはでき
ない。
【0013】一方、前記のように短尺燃料棒3を有する
燃料集合体においては、短尺燃料棒3の有効部分の上端
より上の領域と下の領域で燃料棒の本数が異なるため、
燃料集合体の上下の運転時の反応度特性が異なることに
なる。すなわち、減速材対燃料体積比の大きい上部の方
が中性子が減速されやすいため上部の無限増倍率が下部
よりも大きくなる。
【0014】ところが、燃焼初期においては、逆に、熱
中性子の多い上部の方が可燃性毒物の反応度効果が高く
なるので、燃料集合体上下での可燃性毒物の本数が等し
い場合は、上部の無限増倍率が下部よりも小さくなる。
沸騰水型原子炉ではもともと、出力運転中は軸方向のボ
イド分布のために下部に出力ピークを生じやすいため、
新燃料または運転サイクル初期における下部の出力ピー
クをより強調する効果となる。
【0015】本発明の目的は、燃料集合体を高燃焼度化
または長期運転サイクルに用いる場合に、燃料集合体の
外周部から2層目のコーナー位置に短尺燃料棒を有する
前記燃料集合体のもつ2つの問題、すなわち、濃縮度増
加に伴う燃料集合体コーナー付近の局所出力の増加を抑
制することが困難なこと、および新燃料または運転サイ
クル初期における下部の出力ピークが増加することの双
方を解決し、十分な熱的余裕を有する沸騰水型原子炉用
燃料集合体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明においては、長尺燃料棒とこの長
尺燃料棒よりも燃料有効部分が短い短尺燃料棒とを格子
状に束ねて成る燃料束をチャンネルボックスで包囲し、
この燃料束の最外周から2層目に位置する燃料棒群のす
べてのコーナー位置に短尺燃料棒を配置した沸騰水型原
子炉用燃料集合体において、最外周から2層目に位置す
る燃料棒群のうち複数箇所のコーナー位置に、可燃性毒
物を含有する複数本の短尺燃料棒を配置し、前記長尺燃
料棒の燃料棒軸方向を上下端のブランケット領域を除い
て3領域に分け、前記短尺燃料棒の燃料有効部分の上端
より上の領域を上部とし、この短尺燃料棒の燃料有効部
分にあたる領域をさらに中央部と下部に2分し、可燃性
毒物を中央部を除いて含有させ、下部よりも上部に多く
含有する複数本の長尺燃料棒を備えたことを特徴とす
る。
【0017】らに、最外周から2層目に位置する燃料
棒群のうち4箇所のコーナー位置に、可燃性毒物を含有
する4本の短尺燃料棒を配置し、かつ、可燃性毒物を下
部よりも上部に多く含有する長尺燃料棒を1本ないし4
本配置したことを特徴とする。
【0018】請求項の発明においては。長尺燃料棒と
この長尺燃料棒よりも有効部分が短い短尺燃料棒とを格
子状に束ねて成る燃料束をチャンネルボックスで包囲
し、隣り合う燃料集合体の各々のチャンネルボックス外
壁間の非沸騰水領域の幅が制御棒挿入側の方が非挿入側
より大きくなるように構成し、かつ、最外周から2層目
に位置する燃料棒群のすべてのコーナー位置に前記短尺
燃料棒を配置した燃料集合体において、最外周から2層
めに位置する燃料棒群のうち非制御棒側のコーナー位置
を除く複数箇所のコーナー位置に、可燃性毒物を含有す
る複数本の短尺燃料棒を配置し、前記長尺燃料棒の燃料
棒軸方向を上下端のブランケット領域を除いて3領域に
分け、前記短尺燃料棒の燃料有効部分の上端より上の領
域を上部とし、この短尺燃料棒の燃料有効部分にあたる
領域をさらに中央部と下部に2分し、可燃性毒物を中央
部を除いて含有させ、下部よりも上部に多く含有する複
数本の長尺燃料棒を備えたことを特徴とする。
【0019】らに、請求項の発明において、最外周
から2層目に位置する燃料棒群のうち非制御棒側のコー
ナー位置を除く3箇所のコーナー位置に、可燃性毒物を
含有する3本の短尺燃料棒を配置し、かつ、可燃性毒物
を下部よりも上部に多く含有する長尺燃料棒を1本ない
し3本配置したことを特徴とする。
【0020】なお、請求項の発明において、前記可燃
性毒物を下部よりも上部に多く含有する複数本の長尺燃
料棒をウォータロッドに隣接する位置に配置したことを
特徴とする。
【0021】また、請求項の発明において、可燃性毒
物を下部よりも上部に多く含有する複数本の長尺燃料棒
をウォータロッドに隣接せず、かつ、最外周を除く位置
に配置したことを特徴とする。
【0022】さらに、請求項の発明において、可燃性
毒物を下部よりも上部に多く含有する複数本の長尺燃料
棒の濃縮度が上下端のブランケット領域を除く大部分の
領域において、燃料集合体で使用されているものの中で
最高の値となっていることを特徴とする。
【0023】
【作用】請求項1のように構成された燃料集合体によれ
ば、燃料集合体の外周部から2層目の複数箇所のコーナ
ー位置に可燃性毒物を含有する複数本の短尺燃料棒を配
置することにより、可燃性毒物の熱中性子吸収効果によ
り短尺燃料棒に隣接する燃料集合体のコーナー周辺の局
所出力を低減でき、その分、コーナー周辺の燃料棒の濃
縮度を高めることができる。さらに、短尺燃料棒の上端
より上の領域の可燃性毒物の本数を下の領域より複数本
だけ減らすことができるので、上下の可燃性毒物の本数
差を適切につければ、燃焼初期における軸方向上下反応
度差を調整でき、運転サイクル前半の下部領域の出力ピ
ークを抑制することができる。
【0024】なお、請求項1記載の発明は、種々の種類
の燃料格子(C,D,S,N格子)に適用可能である。
ここで、C,D,S,N格子は沸騰水型原子炉用燃料集
合体格子の種類を表し、燃料格子によってチャンネルボ
ックスの大きさ、チャンネルボックス間の水ギャップ領
域の幅が異なっている。
【0025】このように可燃性毒物を含有する短尺燃料
棒を配置したことにより、短尺燃料棒に隣接する燃料集
合体のコーナー周辺の局所出力を低減でき、コーナー周
辺の燃料棒の濃縮度を高めることができ。しかしなが
ら、可燃性毒物の軸方向上下の本数差は、可燃性毒物を
含有する短尺燃料棒の本数と同じ数になるので、軸方向
出力分布の制御のために、短尺燃料棒の本数が限定され
ることになる。
【0026】そこで、さらに軸方向の出力分布を悪化さ
せることなく、短尺燃料棒の本数を多くし、よりコーナ
ー周辺の局所出力を低減しコーナー周辺の燃料棒の濃縮
度を高めること可能とする
【0027】すなわち、長尺燃料棒の燃料棒軸方向を上
下端のブランケット領域を除いて3領域に分け、可燃性
毒物を下部よりも上部に多く含有する。この構成によ
り、下部の可燃性毒物の効果によりサイクル初期の下部
の出力ピークをより抑制することができる。なお、特開
平6−118188号公報に記載されているように、下
部に添加した可燃性毒物の濃度は、サイクル初期の下部
の出力ピークを抑制するのに最低限必要な濃度でなけれ
ばならず、必要以上に濃度が高いとサイクル中期の下部
の燃焼が抑制され逆にサイクル後半に下部の出力ピーク
を生じてしまうことになる。したがって、請求項記載
の構成のように、少なくとも下部の可燃性毒物の濃度は
上部よりも薄い濃度である必要がある。
【0028】さらに、長尺燃料棒の中央部から可燃性毒
物を含有させないので、サイクル初期の中央部の出力を
高めることになり、その分だけサイクル初期の下部の出
力ピークを抑制することができる。また、可燃性毒物の
本数、濃度の調整が上中下3領域で可能となるので、運
転サイクルを通じての軸方向の出力分布の制御をより適
切に行うことができる。
【0029】請求項の構成によれば、さらに、可燃性
毒物を含有する短尺燃料棒を、燃料集合体のすべてのコ
ーナー付近の局所出力を低減するのに必要最小限である
4本に限定することにより、燃料集合体のすべてのコー
ナー付近の出力を低減し、その分だけ燃料集合体の平均
濃縮度をより高めることが可能となる。
【0030】また、短尺燃料棒を4本に限定したことに
応じて、可燃性毒物を下部よりも上部に多く含有する長
尺燃料棒の本数を1本ないし4本とし、可燃性毒物を含
有した燃料棒の軸方向の上下本数差を0本から3本まで
の範囲に限定し、下部の可燃性毒物を含有した燃料棒本
数を上部より多くしている。これは、短尺燃料棒を有す
る沸騰水型原子炉用燃料集合体では、もともと燃焼初期
において上部の無限増倍率が下部よりも小さくなり、運
転サイクル前半で軸方向下部の出力ピークが高くなる傾
向があるためで、これを抑制するために0本から3本ま
での上下本数差をつけている。
【0031】請求項の構成は、D格子型燃料集合体を
対象としたものである。D格子燃料では、隣り合う燃料
集合体の各々のチャンネルボックス外壁とチャンネルボ
ックス外壁の間の非沸騰水領域の幅が制御棒挿入側の方
が非挿入側より大きくなっているので、制御棒挿入側の
方が熱中性子束分布が大きく局所出力が高くなりやすい
傾向がある。
【0032】すなわち、非沸騰水領域の幅が小さく局所
出力が比較的低い非制御棒側に配置した可燃性毒物を含
有する短尺燃料棒(1本)を可燃性毒物を含有しない燃
料棒とした構成であり、この構成により、可燃性毒物を
含有した燃料棒の本数・位置の自由度が増加する。
【0033】請求項の構成については請求項2と同
の作用を有する。
【0034】請求項の構成によれば、可燃性毒物を下
部よりも上部に多く含有する長尺燃料棒を非沸騰水であ
るウォーターロッドに隣接する位置に配置したので、運
転時と冷温時の可燃性毒物の反応度価値の差が小さくな
る。これにより、可燃性毒物が燃え残っている期間は、
運転時冷温時反応度差が小さくなり、炉停止余裕を高め
ることができる。
【0035】逆に、請求項の構成によれば、可燃性毒
物を下部よりも上部に多く含有する長尺燃料棒をウォー
タロッドに隣接せず、かつ、最外周を除く位置に配置し
たので、中性子減速効果の高い非沸騰水領域から、熱伝
導率の悪い可燃性毒物を含有した燃料棒を遠ざけ、それ
らの燃料棒の燃焼後半の局所出力を低減することができ
る。これにより、燃料棒の健全性が確保できる。
【0036】請求項の構成によれば、可燃性毒物を含
有する長尺燃料棒の濃縮度を燃料集合体で使用されてい
るものの中の最高値としたので、燃料集合体の平均濃縮
度をより高めることができる。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照しながら説明する。図1
は、沸騰水型原子炉用燃料集合体において、最外周から
2層目に位置するコーナー位置に可燃性毒物を含有する
短尺燃料棒を配置した第1例である。図1(a)は燃料
集合体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の燃
料棒について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方向分
布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または符
号と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致してい
る。なお、図1の燃料集合体は、図12に示した燃料集
合体と同様の構造を有し、同一の構成には同一の符号を
付し重複する説明は省略する。
【0038】図1において、この燃料集合体は、運転期
間13か月、平均取出燃焼度55GWd/tを目指した
もので、燃料棒を9行9列に配列したC格子燃料であ
る。燃料棒束は、66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃
料棒3および2本の太径ウォーターロッドで構成されて
いる。
【0039】長尺燃料棒は、上下端から燃料有効長の1
/24の部分(以下、上下端部という)に天然ウランブ
ランケット部を設けている。各長尺燃料棒は、この上下
端部を除いて、番号1は燃料濃縮度e、番号2は燃料濃
縮度d、番号3は燃料濃縮度c、番号無は燃料濃縮度a
の燃料ペレットが軸方向一様に充填されている。
【0040】また、符号G1の長尺燃料棒は、上下端部
を除き、燃料濃縮度aであり、上部の燃料有効長の8/
24の部分に可燃性毒物であるガドリニアが2.5wt
%、下部の燃料有効長の14/24の部分に3.5wt
%含有されている。符号G2は燃料濃縮度b、ガドリニ
アが2.5wt%含有されている。番号4は長尺燃料棒
よりも短い短尺燃料棒で、長尺燃料棒の燃料有効長の1
4/24の長さの燃料有効長を有し、燃料濃縮度aであ
り、符号Aは短尺燃料棒で燃料濃縮度はbでガドリニア
が2.5wt%含有されている。
【0041】ここで、濃縮度は、a>b>c>d>eの
順に高くなっている。燃料集合体の平均濃縮度は4.4
3wt%である。この燃料集合体では、最外周から2層
目に位置する燃料棒群のコーナー位置4ヶ所には、番号
4および符号Aの短尺燃料棒が配置され、このうち、2
本は可燃性毒物(ガドリニア)を含有した符号Aの短尺
燃料棒である。
【0042】この構成により、可燃性毒物の熱中性子吸
収効果により符号Aの短尺燃料棒に隣接する燃料集合体
の周辺の局所出力を低減でき、符号Aの短尺燃料棒に隣
接する4本の最外周燃料棒の濃縮度を最高濃縮度aに高
めることができる。
【0043】さらに、符号Aの短尺燃料棒の上端より上
の領域の可燃性毒物の本数を下の領域より2本だけ減ら
すことができるので、燃焼初期における軸方向上下反応
度差を調整でき、運転サイクル前半の下部領域の出力ピ
ークを抑制することができる。
【0044】なお、本第1例ではC格子について説明し
ているが、その他の種々の種類の燃料格子(D,S,N
格子)に適用可能である。ここで、C,D,S,N格子
は沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子の種類を表し、燃
料格子の種類によってチャンネルボックスの大きさ、チ
ャンネルボックス間の水ギャップ領域の幅が異なってい
る。特に、D格子燃料では、隣り合う燃料集合体の各々
のチャンネルボックス外壁とチャンネルボックス外壁の
間の非沸騰水領域の幅が制御棒挿入側の方が非挿入側よ
り大きくなっているので、制御棒挿入側の方が熱中性子
束分布が大きく局所出力が高くなりやすい傾向がある。
【0045】図2は、沸騰水型原子炉用燃料集合体にお
いて、最外周から2層目に位置するコーナー位置に可燃
性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した第2例である
図2(a)は燃料集合体の横断面概略図、(b)はこの
燃料集合体内の燃料棒について、濃縮度とガドリニアの
濃度とを軸方向分布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲
んだ番号または符号と、下方の燃料棒の番号または符号
とは一致している。なお、図2の燃料集合体は、図12
に示した燃料集合体と同様の構造を有し、同一の構成に
は同一の符号を付し重複する説明は省略する。[005
3]図2において、この燃料集合体は、運転期間13か
月、平均取出燃焼度55GWd/tを目指したもので、
燃料棒を10行10列に配列したものである。燃料棒束
は、80本の長尺燃料棒2と12本の短尺燃料棒3およ
び2本の太径ウォーターロッドで構成されている。
【0046】図2において、この燃料集合体は、運転期
間13か月、平均取出燃焼度55GWd/tを目指した
もので、燃料棒を10行10列に配列したものである。
燃料棒束は、80本の長尺燃料棒2と12本の短尺燃料
棒3および2本の太径ウォーターロッドで構成されてい
る。
【0047】燃料集合体において、長尺燃料棒は、上下
端部を除いて、番号2は燃料濃縮度f、番号無は燃料濃
縮度aの燃料ペレットが軸方向一様に充填されている。
また、符号G1は燃料濃縮度bであり、ガドリニアが
3.5wt%含有されている。符号G2は、燃料濃縮度
bであり、上部の燃料有効長の8/24の部分に可燃性
毒物であるガドリニアが3.0wt%、下部の燃料有効
長の14/24の部分に4.0wt%含有されている。
番号1は長尺燃料棒よりも短い短尺燃料棒で、長尺燃料
棒の燃料有効長の14/24の長さの燃料有効長を有
し、燃料濃縮度aである。符号AおよびG3は、短尺燃
料棒で燃料濃縮度はbでガドリニアが3.0wt%含有
されている。
【0047】ここで、濃縮度は、a>b>fの順に高く
なっている。なお、燃料集合体の平均濃縮度は4.45
wt%である。図2において、可燃性毒物(ガドリニ
ア)を含有した4本の符号Aの短尺燃料棒が、燃料集合
体の外周部から2層目の複数箇所のコーナー位置に配置
されている。さらに、本第2実施例では可燃性毒物を含
有した燃料棒の軸方向上下の本数差は4本である。第1
実施例と比べて燃料棒の本数差が大きいが、10行10
列燃料の方が燃料棒径が小さく可燃性毒物を含有した燃
料棒1本当たりの反応度価値が小さいので、軸方向上下
の反応度差は第1実施例と同程度に設定されている。
【0048】この構成により、符号Aの短尺燃料棒に隣
接する8本の最外周燃料棒の濃縮度を最高濃縮度aとす
ることができ、また、可燃性毒物を含有した燃料棒の軸
方向上下差により、運転サイクル前半の下部領域の出力
ピークを抑制することができる。
【0049】図3は、沸騰水型原子炉用燃料集合体にお
いて、最外周から2層目に位置するコーナー位置に可燃
性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した第3例である
図3(a)は燃料集合体の横断面概略図、(b)はこの
燃料集合体内の燃料棒について、濃縮度とガドリニアの
濃度とを軸方向分布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲
んだ番号または符号と、下方の燃料棒の番号または符号
とは一致している。なお、図3の燃料集合体は、図12
に示した燃料集合体と同様の構造を有し、同一の構成に
は同一の符号を付し重複する説明は省略する。
【0050】図3において、この燃料集合体は、運転期
間21か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指した
もので、燃料棒を9行9列に配列したものである。燃料
棒束は、66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃料棒3お
よび2本の太径ウォーターロッドで構成されている。
【0051】燃料集合体において、長尺燃料棒は、上下
端部を除いて、番号1は燃料濃縮度g、番号2は燃料濃
縮度f、番号無は燃料濃縮度aの燃料ペレットが軸方向
一様に充填されている。また、符号G1は、燃料濃縮度
hであり、上部の燃料有効長の15/24の部分に可燃
性毒物であるガドリニアが6.5wt%、下部の燃料有
効長の7/24の部分に7.5wt%含有されている。
符号G2は、燃料濃度fであり、上部の燃料有効長の8
/24の部分に可燃性毒物であるガドリニアが7.5w
t%、下部の燃料有効長の14/24の部分に6.5w
t%含有されている。
【0052】さらに、符号Bは、燃料濃縮度hであり、
上下端部を除き、上部の燃料有効長の8/24の部分の
みに可燃性毒物であるガドリニア6.5wt%部分が含
有されている。番号3は長尺燃料棒よりも短い短尺燃料
棒で、長尺燃料棒の燃料有効長の14/24の長さの燃
料有効長を有し、燃料濃縮度aである。符号Aの短尺燃
料棒は燃料濃縮度はiでガドリニアが6.5wt%含有
されている。
【0053】ここで、濃縮度は、a>h>i>f>gの
順に高くなっている。なお、燃料集合体の平均濃縮度は
4.17wt%である。図3において、可燃性毒物(ガ
ドリニア)を含有した4本の符号Aの短尺燃料棒が、燃
料集合体の外周部から2層目の複数箇所のコーナー位置
に配置され、上部のみ可燃性毒物を含有した4本の符号
Bの長尺燃料棒が、太径ウォーターロッドに隣接して配
置されている。
【0054】本第3例は、コーナー周辺の出力を低減す
る目的においては、第1例と同様の効果を有する。この
効果に加えて、上部のみに可燃性毒物を含有した符号B
の燃料棒を設けたことにより、可燃性毒物を含有した燃
料棒の軸方向の上下本数差がより自由に調整できるよう
になるので、燃料集合体の取出燃焼度・運転期間に応じ
て、軸方向の出力分布をより適切に調整できるようにな
る。
【0055】また、本第3例では、燃料集合体のすべて
のコーナー付近の局所出力を低減するのに最外周から2
周目のコーナー部のみに必要最小限の4本の符号Aの短
尺燃料集合体を配置することにより、燃料集合体のすべ
てのコーナー付近の出力を低減し、その分だけ燃料集合
体の平均濃縮度をより高めることが可能となる。
【0056】さらに、軸方向上下で可燃性毒物を含有し
た燃料棒の本数差がない構成としたので、第1例または
2例の場合と比べて運転サイクル前半の下部領域の出
力ピークが強調される。したがって、特開平6−118
188号公報に記載されているようなスペクトルシフト
効果による運転サイクル末期の反応度利得により、燃料
経済性が向上する。
【0057】なお、第3例の場合は、第1例または第
の場合と比べ運転期間が長く平均取出燃焼度が小さい
ので、取替燃料の体数割合が小さくなり炉心径方向の集
合体出力ピーキング係数が小さくなる。したがって、運
転サイクル前半の軸方向下部領域の出力ピークが強調さ
れても最大線出力密度は第1例または第2例と比べて大
きく悪化することはない。
【0058】ここで、図16に示した従来の燃料集合体
と、図3に示す第3例の燃料集合体を比較する。図16
において、燃料集合体を構成する燃料棒の径方向配置
と、その軸方向濃度分布は、上下端を除き可燃性毒物を
含有している符号G3の長尺燃料棒と、可燃性毒物を含
有しない番号4の短尺燃料棒を除いては、図3に示すも
のと同じである。図3においては、図16における番号
4の短尺燃料棒を可燃性毒物を含有した短尺燃料棒と
し、さらに図16における符号G3長尺燃料棒を上部の
み可燃性毒物を含有した長尺燃料棒とした構成の燃料集
合体となっている。
【0059】したがって、図3および図16に示した燃
料集合体は、軸方向各領域の平均で見れば、可燃性毒物
の本数・濃度は等しい設計となっている。図3および図
16の燃料下部領域の局所出力分布(燃焼初期,40%
ボイド状態)を、図4および図17に示す。これより、
可燃性毒物を含有した短尺燃料棒Aの燃料集合体コーナ
ー付近の局所出力低減効果は明らかであり、局所出力分
布の最大値(LPF)についても1.350から1.2
96と4%程度低減されている。
【0060】なお、本第3例では、上部のみに可燃性毒
物を含有した長尺燃料集合体を4本とし、軸方向上下の
本数差が無いものとしたが、これに限るものではない。
すなわち、符号Aの短尺燃料棒を4本としたことに応じ
て、上部のみに可燃性毒物を含有した長尺燃料棒の本数
を1本ないし4本とすれば、可燃性毒物を含有した燃料
棒の軸方向の上下本数差は0本から3本となる。これに
より、下部の可燃性毒物を含有した燃料棒本数を上部と
同じかより多くできる。この結果、短尺燃料棒を有する
沸騰水型原子炉用燃料集合体では、もともと燃焼初期に
おいて上部の無限増倍率が下部よりも小さくなり、運転
サイクル前半で軸方向下部の出力ピークが高くなるとい
う傾向を抑制することができる。
【0061】図5は、沸騰水型原子炉用燃料集合体にお
いて、最外周から2層目に位置するコーナー位置に可燃
性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した第4例である
図5(a)は燃料集合体の横断面概略図、(b)はこの
燃料集合体内の燃料棒について、濃縮度とガドリニアの
濃度とを軸方向分布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲
んだ番号または符号と、下方の燃料棒の番号または符号
とは一致している。なお、図3と同一の構成には同一の
符号を付し重複する説明は省略する。
【0062】図5において、燃料集合体は、運転期間2
1か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指したもの
で、燃料棒を9行9列に配列したものである。燃料棒束
は、66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃料棒3および
2本の太径ウォーターロッドで構成されている。
【0063】この燃料集合体は、図3において上部領域
のみに可燃性毒物を含有した4本の符号Bの長尺燃料棒
を、下部領域に薄い濃度0.5wt%のガドリニアを添
加した符号Cの長尺燃料棒に置き換えて構成されてい
る。
【0064】これにより、第3例に比べ、下部に添加し
た薄い可燃性毒物の効果によりサイクル初期の下部の出
力ピークをより抑制することができる。すなわち、下部
に添加した可燃性毒物の濃度は、サイクル初期の下部の
出力ピークを抑制するのに最低限必要な濃度でなければ
ならず、必要以上に濃度が高いとサイクル中期の下部の
燃焼が抑制され逆にサイクル後半に下部の出力ピークを
生じてしまうことになる。
【0065】したがって、下部の可燃性毒物の濃度は上
部よりも薄い濃度である必要があり、薄い濃度のガドリ
ニアが存在するサイクル初期においては、可燃性毒物を
含有した燃料棒の軸方向上下の本数差は4本となるので
下部の出力ピークが抑えられる。
【0066】図6は、本発明に係る沸騰水型原子炉用燃
料集合体の第の実施例である。図6(a)は燃料集合
体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の燃料棒
について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方向分布で
示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または符号
と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致している。
【0067】図6において、燃料集合体は、運転期間2
1か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指したもの
で、燃料棒を9行9列に配列したものである。燃料棒束
は、66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃料棒3および
2本の太径ウォーターロッドで構成されている。
【0068】この燃料集合体は、図3において上部領域
のみに可燃性毒物を含有した4本の符号Bの長尺燃料棒
を、符号Dの長尺燃料棒に置き換えて構成されている。
ここで、符号Dの長尺燃料棒は、燃料濃縮度hであり、
上下端部を除き、上部の燃料有効長の8/24の部分に
ガドリニア6.5wt%、下部の燃料有効長の7/24
の部分に0.5wt%が含有され、中央部の燃料有効長
の7/24の部分にはガドリニアは含有されていない。
【0069】このように符号Dの長尺燃料棒の中央部の
ガドリニアを無くすことにより、第4例よりも、サイク
ル初期の中央部の出力を高めることになり、その分だけ
サイクル初期の下部の出力ピークを抑制することができ
る。また、可燃性毒物の本数、濃度の調整が上下2領域
から上中下3領域で可能となるので、運転サイクルを通
じての軸方向の出力分布の制御をより適切に行うことが
できる。
【0070】また、この燃料集合体では、4本の符号D
の長尺燃料棒が2本の太径ウォータロッド6に隣接する
位置に配置されている。これにより、運転時と冷温時の
可燃性毒物の反応度価値の差を小さくできるので、可燃
性毒物が燃え残っている期間は、運転時冷温時反応度差
が小さくなり、炉停止余裕を高めることができる。
【0071】図7は、本発明に係わる沸騰水型原子炉用
燃料集合体の第の実施例である。図7(a)は燃料集
合体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の燃料
棒について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方向分布
で示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または符号
と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致している。
【0072】図7において、燃料集合体は運転期間21
か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したN格子燃料である。N格子燃料
は、C格子燃料よりも水ギャップが広いもので、ABW
R等に用いられる。
【0073】この燃料集合体では、符号Dの長尺燃料棒
の本数が符号Aの短尺燃料棒より1本少ない。すなわ
ち、上部領域のガドリニア入り燃料棒を中央部より1本
少なくしている。これにより、サイクル前半の上部の出
力を高めて、さらに下部の出力ピークを低減できる。
【0074】また、この燃料集合体は、3本の符号Dの
長尺燃料棒がウォータロッドに隣接せず、最外周を除く
位置に配置されているため、燃料集合体平均濃縮度を高
めるられる。ここで、燃料棒の濃縮度は最高値4.9w
t%となっている。
【0075】図8は、本発明に係わる沸騰水型原子炉用
燃料集合体の第の実施例である。図8(a)は燃料集
合体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の燃料
棒について、濃縮度とガドリニア濃度とを軸方向分布で
示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または符号
と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致している。
【0076】図8において、燃料集合体は運転期間13
か月、平均取出燃焼度50GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したC格子燃料である。この燃料集
合体では、符号Dの長尺燃料棒の本数が符号Aの短尺燃
料棒より1本少ない。すなわち、上部領域のガドリニア
入り燃料棒を中央部より1本少なくしている。これによ
り、サイクル前半の上部の出力を高めて、さらに下部の
出力ピークを低減できる。
【0077】また、4本の符号Dの長尺燃料棒に最高濃
縮度を使用したので、その分、燃料集合体平均濃縮度を
より高めることができる。図9は、、沸騰水型原子炉用
燃料集合体において、最外周から2層目に位置するコー
ナー位置に可燃性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した
第5例である。図8(a)は燃料集合体の横断面概略
図、(b)はこの燃料集合体内の燃料棒について、濃縮
度とガドリニアの濃度とを軸方向分布で示し、上方の燃
料集合体の丸で囲んだ番号または符号と、下方の燃料棒
の番号または符号とは一致している。
【0078】図9において、燃料集合体は運転期間13
か月、平均取出燃焼度55GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したC格子燃料である。この燃料集
合体では、可燃性毒物を含有した符号Aの短尺燃料棒を
4本とし、その分、上部のみ可燃性毒物をが含有した2
本の符号Bの長尺燃料棒を配置している。これにより、
可燃性毒物を含有した燃料棒の軸方向本数差は2本とな
っているので、運転サイクル前半の下部領域の出力ピー
クを抑制することができる。
【0079】また、符号Aの短尺燃料棒の本数が2本多
いので、燃料棒のコーナー付近の濃縮度を高めることが
できる。すなわち、図1に示された燃料集合体にに比べ
て、燃料集合体平均濃縮度が0.04wt%高くでき
る。
【0080】図10は、、沸騰水型原子炉用燃料集合体
において、最外周から2層目に位置するコーナー位置に
可燃性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した第6例であ
。図10(a)は燃料集合体の横断面概略図、(b)
はこの燃料集合体内の燃料棒について、濃縮度とガドリ
ニアの濃度とを軸方向分布で示し、上方の燃料集合体の
丸で囲んだ番号または符号と、下方の燃料棒の番号また
は符号とは一致している。
【0081】図10において、燃料集合体は運転期間1
3か月、平均取出燃焼度55GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したC格子燃料である。この燃料集
合体において、図9に示した燃料集合体との違いは、可
燃性毒物を含有した符号Aの短尺燃料棒以外の4本の短
尺燃料棒1を燃料集合体の最外周位置に配置したところ
である。この短尺燃料棒1の配置は、原子炉停止時にお
いて水ギャップ領域を大きくするという効果があり、水
の中性子吸収効果により炉停止余裕を改善できる。
【0082】図11は、沸騰水型原子炉用燃料集合体に
おいて、最外周から2層目に位置するコーナー位置に可
燃性毒物を含有する短尺燃料棒を配置した第7例であ
り、図12は、本発明に係わる沸騰水型原子炉用燃料集
合体の第の実施例である。これらの燃料集合体は10
行10列に配列したもので、燃料集合体形状自体は既に
開発されている。また、両者とも、運転期間13か月、
平均取出燃焼度55GWd/tを目指した設計となって
いる。なお、図12は、図11と比べると、太径ウォー
タロッド6の代わりにウォータボックス6´を用いてお
り、また、短尺燃料棒の総本数が14本から8本に変わ
っている。
【0083】図13は、本発明に係わる沸騰水型原子炉
用燃料集合体の第の実施例である。図13(a)は燃
料集合体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の
燃料棒について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方向
分布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または
符号と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致してい
る。
【0084】図13において、燃料集合体は運転期間1
3か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したD格子燃料である。この燃料集
合体は、可燃性毒物を含有した3本の符号Aの短尺燃料
棒および上部と下部に可燃性毒物を含有した2本の符号
Dの長尺燃料棒が設けられている。D格子燃料では、非
制御棒側の水ギャップ領域の幅が制御棒側よりも小さ
く、非制御棒側コーナー付近の局所出力は高くならな
い。このため、符号Eの短尺燃料棒はガドリニアが含ま
れておらず、また、最高濃縮度となっている。
【0085】また、この燃料集合体は、可燃性毒物を含
有した燃料棒の軸方向本数差が1本となっており、運転
サイクル前半の下部領域の出力ピークを抑制することが
できる。
【0086】図14は、本発明に係わる沸騰水型原子炉
用燃料集合体の第の実施例である。図14(a)は燃
料集合体の横断面概略図、(b)はこの燃料集合体内の
燃料棒について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方向
分布で示し、上方の燃料集合体の丸で囲んだ番号または
符号と、下方の燃料棒の番号または符号とは一致してい
る。
【0087】図14において、燃料集合体は運転期間1
3か月、平均取出燃焼度45GWd/tを目指したもの
で、9行9列に配列したD格子燃料である。この燃料集
合体は、可燃性毒物を含有した3本の符号A1,A2の
短尺燃料棒と上部と下部に可燃性毒物を含有した2本の
符号Dの長尺燃料棒を設けているので、可燃性毒物を含
有した燃料棒の軸方向本数差が1本となっている。この
ため、運転サイクル前半の下部領域の出力ピークを抑制
することができる。
【0088】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、高燃焼度化または長期運転サイクルを目指した場合
に、燃料集合体の外周部から2層目のコーナー位置に短
尺燃料棒を有する燃料集合体の持つ2つの問題(濃縮度
増加に伴う燃料集合体コーナー付近の局所出力の増加、
新燃料または運転サイクル初期における下部の出力ピー
クの増加)を同時に解決し、十分に熱的余裕を有する燃
料集合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第1の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図2】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第2の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図3】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第3の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図4】本発明に係わる燃料集合体の第1の実施例の燃
料集合体の燃焼度0.0GWd/t、ボイド率40%に
おける軸方向下部領域の燃料集合体横断面内の局所出力
分布図。
【図5】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第4の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図6】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第5の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図7】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第6の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図8】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第7の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図9】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第8の実
施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒の
構成を概略的に示す縦断面図。
【図10】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第9の
実施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料棒
の構成を概略的に示す縦断面図。
【図11】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第10
の実施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料
棒の構成を概略的に示す縦断面図。
【図12】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第11
の実施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料
棒の構成を概略的に示す縦断面図。
【図13】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第12
の実施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料
棒の構成を概略的に示す縦断面図。
【図14】(a)は本発明に係わる燃料集合体の第13
の実施例を示す横断面図、(b)は(a)における燃料
棒の構成を概略的に示す縦断面図。
【図15】(A)は高燃焼度型燃料集合体を一部断面で
示す立面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、
(C)は(A)のC−C矢視断面図。
【図16】図3に対応する従来例を示し、(a)は燃料
集合体の横断面図、(b)は(a)における燃料棒の構
成を概略的に示す縦断面図。
【図17】図16に示した従来例の燃料集合体の燃焼度
0.0GWd/t、ボイド率40%における軸方向下部
領域の横断面内の局所出力分布図。
【符号の説明】
1…燃料集合体 2…長尺燃料棒 3…短尺燃料棒 4…上部タイプレート 5…下部タイプレート 6…太径ウォータロッド 6´…ウォータボックス 7…チャンネルボックス 8…スペーサ 9…外部スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−179293(JP,A) 特開 平6−118188(JP,A) 特開 昭62−177486(JP,A) 特開 平3−274490(JP,A) 特開 平2−2977(JP,A) 特開 平2−103491(JP,A) 特開 平7−151883(JP,A) 特開 平7−209460(JP,A) 特開 平7−333373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/326 G21C 3/328

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺燃料棒とこの長尺燃料棒よりも燃料有
    効部分が短い短尺燃料棒とを格子状に束ねて成る燃料束
    をチャンネルボックスで包囲し、この燃料束の最外周か
    ら2層目に位置する燃料棒群のすべてのコーナー位置に
    前記短尺燃料棒を配置した沸騰水型原子炉用燃料集合体
    において、最外周から2層目に位置する燃料棒群のうち
    複数箇所のコーナー位置に、可燃性毒物を含有する複数
    本の短尺燃料棒を配置し、前記長尺燃料棒の燃料棒軸方
    向を上下端のブランケット領域を除いて3領域に分け、
    前記短尺燃料棒の燃料有効部分の上端より上の領域を上
    部とし、この短尺燃料棒の燃料有効部分にあたる領域を
    さらに中央部と下部に2分し、可燃性毒物を中央部を除
    いて含有させ、下部よりも上部に多く含有する複数本の
    長尺燃料棒を備えたことを特徴とする沸騰水型原子炉用
    燃料集合体。
  2. 【請求項2】最外周から2層目に位置する燃料棒群のう
    ち4箇所のコーナー位置に、可燃性毒物を含有する4本
    の短尺燃料棒を配置し、かつ、可燃性毒物を下部よりも
    上部に多く含有する長尺燃料棒を1本ないし4本配置し
    たことを特徴とする請求項記載の沸騰水型原子炉用燃
    料集合体。
  3. 【請求項3】長尺燃料棒とこの長尺燃料棒よりも有効部
    分が短い短尺燃料棒とを格子状に束ねて成る燃料束をチ
    ャンネルボックスで包囲し、隣り合う燃料集合体の各々
    のチャンネルボックス外壁間の非沸騰水領域の幅が制御
    棒挿入側の方が非挿入側より大きくなるように構成し、
    かつ、最外周から2層目に位置する燃料棒群のすべての
    コーナー位置に前記短尺燃料棒を配置した燃料集合体に
    おいて、最外周から2層めに位置する燃料棒群のうち非
    制御棒側のコーナー位置を除く複数箇所のコーナー位置
    に、可燃性毒物を含有する複数本の短尺燃料棒を配置
    、前記長尺燃料 棒の燃料棒軸方向を上下端のブランケ
    ット領域を除いて3領域に分け、前記短尺燃料棒の燃料
    有効部分の上端より上の領域を上部とし、この短尺燃料
    棒の燃料有効部分にあたる領域をさらに中央部と下部に
    2分し、可燃性毒物を中央部を除いて含有させ、下部よ
    りも上部に多く含有する複数本の長尺燃料棒を備えたこ
    とを特徴とする沸騰水型原子炉用燃料集合体。
  4. 【請求項4】最外周から2層目に位置する燃料棒群のう
    ち非制御棒側のコーナー位置を除く3箇所のコーナー位
    置に、可燃性毒物を含有する3本の短尺燃料棒を配置
    し、かつ、可燃性毒物を下部よりも上部に多く含有する
    長尺燃料棒を1本ないし3本配置したことを特徴とする
    請求項記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体。
  5. 【請求項5】前記可燃性毒物を下部よりも上部に多く含
    有する複数本の長尺燃料棒をウォータロッドに隣接する
    位置に配置したことを特徴とする請求項1ないし4記載
    の沸騰水型原子炉用燃料集合体。
  6. 【請求項6】前記可燃性毒物を下部よりも上部に多く含
    有する複数本の長尺燃料棒をウォータロッドに隣接せ
    ず、かつ、最外周を除く位置に配置したことを特徴とす
    る請求項1ないし4記載の沸騰水型原子炉用燃料集合
    体。
  7. 【請求項7】前記可燃性毒物を下部よりも上部に多く含
    有する複数本の長尺燃料棒の濃縮度が上下端のブランケ
    ット領域を除く大部分の領域において、燃料集合体で使
    用されているものの中で最高の値となっていることを特
    徴とする請求項記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体。
JP09221095A 1995-04-18 1995-04-18 沸騰水型原子炉用燃料集合体 Expired - Lifetime JP3485999B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09221095A JP3485999B2 (ja) 1995-04-18 1995-04-18 沸騰水型原子炉用燃料集合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09221095A JP3485999B2 (ja) 1995-04-18 1995-04-18 沸騰水型原子炉用燃料集合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08285977A JPH08285977A (ja) 1996-11-01
JP3485999B2 true JP3485999B2 (ja) 2004-01-13

Family

ID=14048089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09221095A Expired - Lifetime JP3485999B2 (ja) 1995-04-18 1995-04-18 沸騰水型原子炉用燃料集合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3485999B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3788045B2 (ja) 1998-07-01 2006-06-21 株式会社日立製作所 燃料集合体
JP4496272B2 (ja) * 2009-03-30 2010-07-07 株式会社東芝 燃料集合体
JP5743518B2 (ja) * 2010-12-10 2015-07-01 原子燃料工業株式会社 沸騰水型原子炉用燃料集合体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08285977A (ja) 1996-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3531011B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉
EP1093129B1 (en) Fuel assembly and nuclear reactor
US8311180B2 (en) Fuel assembly
JP3485999B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP2723253B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP2007225624A (ja) 原子炉炉心
JP3846810B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JPH07244184A (ja) 原子炉の炉心とその運転方法及び燃料集合体
JP3514869B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP3237922B2 (ja) 燃料集合体および沸騰水型原子炉用炉心
JP4101944B2 (ja) 燃料集合体
JP2563287B2 (ja) 原子炉用燃料集合体
JP4351798B2 (ja) 燃料集合体および原子炉
JP4046870B2 (ja) Mox燃料集合体
JP3501406B2 (ja) 燃料集合体
JP3852881B2 (ja) 原子炉の炉心
JP2577367B2 (ja) 燃料集合体
JP3347137B2 (ja) 燃料集合体群および沸騰水型原子炉用炉心
JP3572048B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉の炉心
JP3880696B2 (ja) 原子炉の炉心および燃料集合体
JP3115392B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP3262723B2 (ja) Mox燃料集合体及び原子炉の炉心
JP3171957B2 (ja) 燃料集合体
JP3791201B2 (ja) D格子燃料集合体
JP3597596B2 (ja) 燃料集合体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091024

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101024

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term