JP3791201B2 - D格子燃料集合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は沸騰水型原子炉に装荷されるD格子用燃料集合体に係り、特にD格子炉心の高燃焼度化を目指したD格子用燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に示されるように、沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体は、核分裂性物質を含む燃料ペレットを封入した多数の燃料棒2,内部を冷却材が流通する水チャンネル6などが、上部タイプレート12,下部タイプレート13、および、スペーサ14などによって支持され、これらを囲むようにチャンネルボックス1が装着されて炉心に装荷される。多くの場合、燃料棒には核分裂性物質とともにガドリニアなどの可燃性毒物を含むものがあり、炉心の反応度制御に利用される。
【0003】
原子力発電のコストを低減するため、連続運転期間を延長してプラント稼働率を高めることが望まれている。また、単位燃料重量あたりの発生エネルギーを高める高燃焼度化も望まれている。連続運転期間の延長や高燃焼度化のためには燃料集合体中の初期ウラン濃縮度を高めることが必要である。
【0004】
例えば、特開平6−102384 号公報には45GWd/tより大きな取出燃焼度を得るには燃料集合体平均濃縮度を4wt%以上にすべきことが記載されている。これに対して同公報には、現在の燃料製造施設ではウラン濃縮度に最大5wt%の制約があることも記載されている。
【0005】
沸騰水型原子炉には燃料集合体を炉心に装荷した時、制御棒挿入側と非挿入側とで燃料集合体間の間隔が異なるタイプのものが存在し、D格子炉心と呼ばれる。燃料集合体間はほぼ飽和状態の水で満たされており、燃料集合体から見ると制御棒挿入側と非挿入側とで中性子減速材の量が異なる状況になるため、中性子の減速効果に偏りが生じ、燃料集合体の横断面内の出力分布に偏りを生じ易くなる。
【0006】
これを考慮して出力分布を平坦にするため、燃料集合体内の濃縮度分布を非対称にすることが知られている。特開平3−108690 号公報の図1、および、特開平9−159777 号公報の図7にはD格子炉心向け燃料集合体の濃縮度分布の例が記載されており、制御棒挿入側の燃料棒は比較的低い濃縮度に、制御棒非挿入側の燃料棒は比較的高い濃縮度に設定されている。
【0007】
これに対して特開平3−108690号公報,特開平9−159777号公報、および、特開平9−236676 号公報には、水チャンネルあるいは水ロッドを燃料集合体中心からずらして配置することにより、減速材分布の非対称性を緩和した燃料集合体が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
発明者等の検討によると、例えば連続運転期間18ヵ月以上で取出燃焼度50GWd/t程度を達成するためには4.2wt% 程度の燃料集合体平均濃縮度が必要となる。燃焼効率の悪い燃料集合体上下端に低濃縮度領域を設けて燃料経済性を高める場合、断面平均の濃縮度は4.5wt% 以上となることが想定される。上述のとおり現在使用できる最高濃縮度は5wt%なので、この場合、断面平均濃縮度と最高濃縮度には10%の差しかない。上記従来技術ではこのような濃縮度に関する制約の下での濃縮度分布や可燃性毒物入り燃料棒配置等について十分考慮されていなかった。
【0009】
最高濃縮度5wt%の制約下で断面平均濃縮度4.5wt% 以上のD格子向け燃料集合体を実現するため、本発明では以下の3点を目的とする。
【0010】
本発明の第1の目的は、断面における局所出力ピーキングを適切な値におさえて、熱的余裕を確保できるD格子用燃料集合体を提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、熱伝導性が若干劣る可燃性毒物入り燃料棒の燃料健全性を保つため、燃料集合体の反応度が比較的高い寿命の前半において、可燃性毒物入り燃料棒の出力をウラン燃料棒の出力よりも十分に低く保つことができるD格子用燃料集合体を提供することである。
【0012】
本発明の第3の目的は、D格子用に水ロッドあるいは水チャンネルを燃料集合体中心からずらして配置した場合に、冷却材流れの偏りを考慮して燃料集合体の限界出力を保つことができるD格子用燃料集合体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の第1の目的は、可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、平均濃縮度が4.5wt% 以上の横断面を有し、当該横断面において、燃料棒配列の最外周から第2層目以内に置かれた第1燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒であり、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線によって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分したとき、制御棒非挿入側領域の最外周の燃料棒はコーナーを除いて全て最高濃縮度の第1燃料棒であり、制御棒挿入側領域の最外周にはコーナーを含めて3本以上の最高濃縮度でない第1燃料棒を配置することで達成される。
【0014】
特に水ロッドあるいは水チャンネルを燃料集合体中央に配置した燃料集合体においては、可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列以上の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、平均濃縮度が4.5wt%以上の横断面を有し、当該横断面において、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、前記対角線によって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分したとき、制御棒非挿入側領域に含まれる全ての第2燃料棒は、濃縮度が最大の可燃性毒物入りペレットを含むとともに、最外周を除く位置に前記水ロッドに縦横方向で隣接しないように配置され、制御棒挿入側領域において、最外周と前記水ロッドに縦横方向で隣接する位置以外に、より低い濃縮度の第2燃料棒が置かれることで上記本発明の第2の目的が達成される。
【0016】
また、燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列以上の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、使用する燃料ペレットの濃縮度が全て5wt%以下であり、濃縮度の高い方から3種類の濃縮度は互いに10%以上の濃縮度間隔を有し、平均濃縮度が4.5wt% 以上の横断面を有し、当該横断面において、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して非対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、前記対角線によって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分し、制御棒非挿入側領域を水ロッド領域が多く含まれる領域N、制御棒挿入側領域水ロッド領域が多く含まれない領域Wとするとき、領域N側で前記水ロッドに縦横方向で隣接する前記第2燃料棒に含まれる可燃性毒物入り燃料ペレットは、燃料集合体中で高い方から3番めの濃縮度とすることにより本発明の第2の目的が達成できる。
【0017】
さらに、可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列以上の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、平均濃縮度が4.5wt% 以上の横断面を有し、当該横断面において、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して非対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、前記対角線によって前記横断面を2分し、制御棒非挿入側領域を水ロッド領域が多く含まれる領域N、制御棒挿入側領域水ロッド領域が多く含まれない領域Wとするとき、領域W側の最外周コーナー燃料棒と前記水ロッドとを含む最小の正方形領域のうち、燃料集合体の燃料棒配列最外周から2層目と3層目にあたる領域Lに、当該横断面における第2燃料棒の半数以上が置かれ、領域Lの全ての第1燃料棒には、最高濃縮度の燃料ペレットが含まれるようにすることで本発明の第3の目的が達成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、本発明による燃料集合体の第1実施例を図1を用いて説明する。図1は燃料集合体の横断面を示し、1はチャンネルボックス、2は二酸化ウランペレットを封入した燃料棒、3及び4は可燃性毒物であるガドリニアと二酸化ウランを含む可燃性毒物入り燃料棒、5は中性子減速棒として機能する大型の円形断面の水ロッドである。燃料棒は9行9列の正方格子状に配列されており、水ロッドは燃料棒配列格子の7格子分の領域を占めている。本燃料集合体が炉心に装荷されるとき、制御棒は左上側に挿入される。
【0019】
燃料棒の濃縮度は燃料棒に付した英字で示され、本実施例ではa=4.9wt%,b=4.4wt%,c=3.9wt%,d=3.6wt%,e=2.8wt%,f=2.4wt% である。Gがつけられた燃料棒は可燃性毒物入り燃料棒であり、aからfは上記と同じく可燃性毒物入り燃料ペレットのウラン濃縮度を示す。したがって、最高濃縮度は5wt%以下の4.9wt%であり、断面平均濃縮度は4.64wt%である。
【0020】
燃料棒配列の最外周から2層目以内には16本の可燃性毒物入り燃料棒が置かれ、可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒である。また、右下の制御棒非挿入側領域8の最外周の2辺の燃料棒はコーナーを除いてすべて可燃性毒物を含まない最高濃縮度の燃料棒である。一方、左上の制御棒挿入側領域9の最外周の2辺には、最高濃縮度燃料棒が8本と、低い濃縮度の燃料棒が7本配置されている。
【0021】
本実施例の水ロッド5は燃料棒配列の1格子分以上の断面を有し、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒を結ぶ対角線7に対して対称となるように配置されている。対角線7に対して右下の制御棒非挿入側領域8に含まれる可燃性毒物入り燃料棒は全て最高濃縮度4.9wt% であり、左上の制御棒挿入側領域9に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度は4.4wt% 以下のものが含まれている。
【0022】
D格子燃料の濃縮度分布を定めるため、全ての燃料棒を可燃性毒物を含まない濃縮度4.9wt% の燃料棒として、燃焼初期の燃料集合体内出力分布を発明者等が評価した結果を図3に示す。格子位置の番号は燃料棒出力の大きさを示し、相対出力値で見た時、1:1.5以上,2:1.5〜1.4,3:1.4〜1.3,4:1.3〜1.2,5:1.2〜1.15,6:1.15〜1.1,7:1.1〜 1.05,8:1.05〜1.0,9:1.0〜0.85,10:0.85未満、となっている。
【0023】
この結果により、濃縮度制約のもとで断面平均濃縮度をできるだけ高めるための燃料棒配置を考察すると、燃料棒出力が高くなりにくい位置である、番号の大きな位置から順に最高濃縮度の燃料棒を配置していけばよいことが明らかになった。ここで、最外周について制御棒非挿入側領域8と制御棒挿入側領域9を比べると、制御棒非挿入側の番号が上であり、燃料棒出力が高くなりにくいことがわかる。
【0024】
したがって、制御棒挿入側領域9に最高濃縮度燃料棒が置かれる場合は、制御棒非挿入側領域8はコーナーを除いて全て最高濃縮度にすべきである。また、制御棒挿入側領域9においてコーナーとその隣りの3本の位置は燃料棒出力が高くなりやすいので、より低い濃縮度の燃料棒を置く必要がある。濃縮度分布に関して以上の規則を守ることにより、本発明の第1の目的である、局所出力ピーキングを適切な値におさえて熱的余裕を確保しつつ、断面平均の濃縮度を高くすることが可能となる。
【0025】
次に可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度に関して考察する。可燃性毒物入り燃料ペレットは熱伝導性が若干劣るので、燃料集合体の反応度が比較的高い寿命前半の可燃性毒物入り燃料棒出力は、可燃性毒物を含まない燃料棒よりも十分に低く抑えることが必要である。最高濃縮度5wt%の制約の下で断面平均濃縮度を4.5wt%以上とする場合、上述のように制御棒非挿入側領域8の大部分は最高濃縮度燃料棒となる。このとき、制御棒非挿入側領域8のうち最外周以外で、かつ、水ロッドに隣接しない位置に置かれた燃性毒物入り燃料棒の相対出力について調べた結果、寿命前半の25GWd/t程度までは、可燃性毒物を含まない燃料棒の最大出力に比べて85%以下に保たれることがわかった。
【0026】
最外周や大型水ロッドに隣接する位置は中性子が効果的に減速されて燃料棒出力が高くなりやすいが、図3の番号10で示されるように、それ以外の制御棒非挿入側領域8は燃料集合体中もっとも燃料棒出力が高くなりにくい領域であることがわかる。したがって、ここに最高濃縮度の可燃性毒物入り燃料棒を置くことが可能であることがわかった。一方、制御棒挿入側領域9では燃料棒出力が高くなりやすいので、最外周と水ロッド隣接位置を除いても、全てに最高濃縮度の可燃性毒物入り燃料棒を置くことはできない。
【0027】
以上のように可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度を定めることにより、本発明の第2の目的、すなわち、熱伝導性が若干劣る可燃性毒物入り燃料棒の燃料健全性を保つため、燃料集合体の反応度が比較的高い寿命前半において、可燃性毒物入り燃料棒の出力を可燃性毒物を含まない燃料棒の出力より十分に低く保つことが可能となる。
【0028】
(実施例2)
次に、本発明の第2実施例を図4により説明する。図4は燃料集合体の横断面を示し、6は中性子減速棒として機能する水チャンネルである。燃料棒は9行9列の正方格子状に配列されており、水ロッドは燃料棒配列格子の9格子分の領域を占めている。
【0029】
燃料棒の濃縮度は燃料棒に付した英字で示され、本実施例ではa=4.9wt%,b=4.4wt%,c=3.9wt%,d=3.6wt%,e=3.2wt%,f=2.8wt% である。Gがつけられた燃料棒は可燃性毒物入り燃料棒であり、英小文字は上記と同じく可燃性毒物入り燃料ペレットのウラン濃縮をしめす。したがって、最高濃縮度は4.9wt%であり、断面平均濃縮度は4.65wt%である。濃縮度の高い方から3種類のaからcは0.5wt% 差に設定され、互いに10%の間隔を有する。
【0030】
燃料棒配列の最外周から2層目以内には16本の可燃性毒物入り燃料棒が置かれ、可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒である。また、制御棒非挿入側領域8の最外周の2辺の燃料棒はコーナーを除いて全て可燃性毒物を含まない最高濃縮度の燃料棒である。一方、制御棒挿入側領域9の最外周の2辺には、最高濃縮度燃料棒が12本と、低い濃縮度の燃料棒が3本配置されている。
【0031】
本実施例の水チャンネル6は燃料棒配列の9格子分の領域を占め、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒を結ぶ対角線7に対して非対称となるように配置されている。制御棒非挿入側領域8に水チャンネルを多く含んでいる。この制御棒非挿入側で水チャンネル6に縦横方向で隣接する可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度は、燃料集合体中で高い方から3番目の濃縮度である。
【0032】
制御棒挿入側の最外周コーナー燃料棒と、水チャンネルとを含む最小の正方形領域10のうち、最外周2層目と3層目にあたる領域11には、可燃性毒物入り燃料棒が全体の半数以上である10本置かれている。さらに、領域11に置かれた可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度燃料棒である。
【0033】
図5に水チャンネルが燃料集合体中心からずれた位置におかれた場合の燃料集合体内出力分布を示す。これは、全ての燃料棒を可燃性毒物を含まない濃縮度4.9wt% の燃料棒として、燃焼初期の燃料集合体内出力分布を発明者等が評価した結果である。格子位置の番号は燃料棒出力の大きさを示し、相対出力値で見た時、1:1.5以上,2:1.5〜1.4,3:1.4〜1.3,4:1.3〜1.2,5:1.2〜1.15,6:1.15〜1.1,7:1.1〜1.05,8:1.05〜1.0,9:1.0〜0.85,10:0.85未満、である。
【0034】
この結果から、水チャンネルを非対称に配置した場合でも、コーナーを除くと、制御棒非挿入側最外周の全ての燃料棒出力は制御棒挿入側最外周と同等かより低いことが確認された。したがって、制御棒挿入側領域9に最高濃縮度燃料棒が置かれる場合は、制御棒非挿入側領域8はコーナーを除いて全て最高濃縮度にすべきである。
【0035】
また、制御棒挿入側領域9においてコーナーとその隣りの3本の位置は燃料棒出力が高くなりやすいので、より低い濃縮度の燃料棒を置く必要がある。濃縮度分布に関して以上の規則を守ることにより、本発明の第1の目的である、局所出力ピーキングを適切な値におさえて熱的余裕を確保しつつ、断面平均の濃縮度を高くすることが可能となる。
【0036】
次に、可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度について調べた結果、右下領域側で水チャンネルに縦横方向で隣接する位置は中性子の減速効果が比較的高く、燃料棒出力が高くなりやすいことがわかった。したがって、これらの位置の可燃性毒物入り燃料棒は最高濃縮度にできない。
【0037】
さらに定量的に評価した結果、最高濃縮度より20%程度低い濃縮度にすることで、寿命前半における当該可燃性毒物入り燃料棒出力を、可燃性毒物を含まない燃料の最高出力に対して85%以下に抑えられることがわかった。一般に、燃料集合体で使われる燃料ペレットの濃縮度は製造時検査の都合上、互いに10%以上の濃縮度間隔を保って設定される。この場合、最高濃縮度より20%程度低い濃縮度は高い方から3番目となる。したがって、水チャンネルを多く含む制御棒非挿入側で水チャンネルに隣接する可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度は高い方から3番めとする必要がある。
【0038】
本実施例のように水チャンネルを非対称に配置した燃料集合体では、集合体間隔の非対称性を緩和して出力分布を平坦化する効果がある。しかし、燃料集合体内の冷却材流れに着目すると、流れに偏りが生じるため、図4の領域11では限界出力特性が厳しくなり易いことが特開平9−236676 号公報に記載されている。
そこで、本発明では熱出力の小さな可燃性毒物入り燃料棒を領域11に多く配置し、その代わり可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度とする。この対策により、本発明の第3の目的、即ちD格子用に水ロッドあるいは水チャンネルを燃料集合体中心からずらして配置した場合に、冷却材流れの偏りを考慮して燃料集合体の限界出力を保ちつつ、断面平均濃縮度を高めることが可能となる。
【0039】
本発明の燃料集合体は、第1実施例の燃料集合体に比べて、大きな水チャンネル領域を非対称に配置しているため、断面の局所出力ピーキングが小さい特徴を有する。
【0040】
(実施例3)
次に、本発明の第3実施例を図6により説明する。燃料棒は9行9列の正方格子状に配列されており、水ロッドは燃料棒配列格子の9格子分の領域を占めている。燃料棒の濃縮度は燃料棒に付した英字で示され、図4と同じである。最高濃縮度は4.9wt%であり、断面平均濃縮度は4.68wt%である。
【0041】
燃料棒配列の最外周から2層目以内には16本の可燃性毒物入り燃料棒が置かれ、可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒である。また、制御棒非挿入側領域8の最外周の2辺の燃料棒はコーナーを除いて全て可燃性毒物を含まない最高濃縮度の燃料棒である。一方、制御棒挿入側領域9の最外周の2辺には、最高濃縮度燃料棒が12本と、低い濃縮度の燃料棒が3本配置されている。
【0042】
本実施例の水チャンネル6は燃料棒配列の9格子分の領域を占め、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒を結ぶ対角線7に対して非対称となるように配置されている。制御棒非挿入側領域8は水チャンネルを多く含む領域であり、この制御棒非挿入側で水チャンネル6に縦横方向で隣接する可燃性毒物入り燃料棒はない。
【0043】
制御棒挿入側の最外周コーナー燃料棒と、水チャンネルとを含む最小の正方形領域10のうち、最外周2層目と3層目にあたる領域11には、可燃性毒物入り燃料棒が全体の半数以上である10本置かれている。また、領域11に置かれた可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度燃料棒である。
【0044】
水チャンネルを燃料集合体中央に配置した場合、図3で示されたように、制御棒非挿入側領域8の燃料棒出力は低い。これに対して、水チャンネルを非対称に配置することにより、水チャンネルの制御棒非挿入側は中性子減速効果が高まって燃料棒出力が増加するので、燃料集合体内の出力分布が平坦化する効果がある。しかし、そこに可燃性毒物入り燃料棒が置かれた場合、減速された熱中性子が吸収されてしまうため、出力分布平坦化の効果が目減りすることがわかった。
【0045】
したがって、水チャンネルを非対称に配置した場合には、水チャンネルを多く含む領域側に可燃性毒物入り燃料棒をできるだけ置かないことが効果的である。図3の燃料集合体に比べて可燃性毒物入り燃料棒の配置を変えた図6の燃料集合体では、制御棒挿入側で生じる出力ピーキングを約2%低減する効果が得られる。
【0046】
(実施例4)
次に、本発明の第4実施例を図7により説明する。本実施例は、第1の実施例の燃料集合体に対して、可燃性毒物入り燃料棒の位置と濃縮度を変更したものである。最高濃縮度は4.9wt%であり、断面平均濃縮度は4.63wt%である。
【0047】
燃料棒配列の外側から2層目以内には16本の可燃性毒物入り燃料棒が置かれ、可燃性毒物を含まない燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒である。また、制御棒非挿入側領域8の最外周の2辺の燃料棒はコーナーを除いてすべて可燃性毒物を含まない最高濃縮度の燃料棒である。一方、制御棒挿入側領域9の最外周の2辺には、最高濃縮度燃料棒が8本と、低い濃縮度の燃料棒が7本配置されている。
本実施例の水ロッド5は燃料棒配列の1格子分以上の断面を有し、燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒を結ぶ対角線7に対して対称となるように配置されている。対角線7に対して制御棒非挿入側領域8に含まれる可燃性毒物入り燃料棒は全て最高濃縮度4.9wt% であり、制御棒挿入側領域9に含まれる可燃性毒物入り燃料棒には濃縮度4.4wt% 以下のものが含まれている。
【0048】
本実施例では、中性子を吸収する可燃性毒物入り燃料棒を2層目のコーナーよりに集中配置しているため、図1の燃料集合体に比べてコーナー近くの燃料棒出力が2%程度低く抑えられる。ただし、コーナーよりの位置は燃料棒出力が高くなりやすいため、可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度は低くおさえる必要がある。そのため、図1の燃料集合体より断面平均濃縮度はわずかに下がっている。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、D格子用の燃料集合体において断面内の出力分布を平坦化しつつ平均濃縮度を高めることができる。これにより、熱的余裕を損なうことなく45GWd/tを超える高燃焼度化と18ヵ月以上の連続運転に好適な燃料集合体を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断面図。
【図2】燃料集合体の概略構造を示す縦断面図。
【図3】減速棒を対称位置に配した燃料集合体の横断面内の出力分布を示す図。
【図4】本発明の第2実施例を示す横断面図。
【図5】減速棒を非対称位置に配した燃料集合体の横断面内の出力分布を示す図。
【図6】本発明の第3実施例を示す横断面図。
【図7】本発明の第4実施例を示す横断面図。
【符号の説明】
1…チャンネルボックス、2…燃料棒、3…可燃性毒物入り燃料棒、4…最高濃縮度の可燃性毒物入り燃料棒、5…水ロッド、6…水チャンネル、7…対角線、8…制御棒非挿入側領域、9…制御棒挿入側領域、10…制御棒側のコーナー燃料棒と水チャンネルを含む最小の正方形領域、11…制御棒側のコーナー燃料棒と水チャンネルを含む最小の正方形領域の2層目3層目領域、12…上部タイプレート、13…下部タイプレート、14…スペーサ。

Claims (6)

  1. 可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、
    使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、
    平均濃縮度が4.5wt% 以上の横断面を有し、当該横断面において、
    燃料棒配列の最外周から第2層目以内に置かれた第1燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒であり、
    燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線によって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分したとき、前記制御棒非挿入側領域の最外周の燃料棒はコーナーを除いて全て最高濃縮度の第1燃料棒であり、
    前記制御棒挿入側領域の最外周には、コーナーを除く位置に1本以上の最高濃縮度の第1燃料棒と3本以上の最高濃縮度でない第1燃料棒が配置されていることを特徴とするD格子用燃料集合体。
  2. 可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、
    使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、
    平均濃縮度が4.5wt%以上の横断面を有し、当該横断面において、
    燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、
    前記対角線によって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分したとき、前記制御棒非挿入側領域に含まれる全ての第2燃料棒は、濃縮度が最大の可燃性毒物入りペレットを含むとともに、最外周を除く位置に前記水ロッドに縦横方向で隣接しないように配置され、
    前記制御棒挿入側領域において、最外周と前記水ロッドに縦横方向で隣接する位置以外に、より低い濃縮度の第2燃料棒が置かれることを特徴とするD格子用燃料集合体。
  3. 可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、
    使用する燃料ペレットの濃縮度が全て5wt%以下であり、濃縮度の高い方から3種類の濃縮度は互いに10%以上の濃縮度間隔を有し、
    平均濃縮度が4.5wt%以上の横断面を有し、当該横断面において、
    燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して非対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、前記対角線よって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分し、前記制御棒非挿入側領域を水ロッド領域が多く含まれる領域N、前記制御棒挿入側領域水ロッド領域が多く含まれない領域Wとするとき、
    領域N側で前記水ロッドに縦横方向で隣接する前記第2燃料棒に含まれる可燃性毒物入り燃料ペレットは、燃料集合体中で高い方から3番の濃縮度であることを特徴とするD格子用燃料集合体。
  4. 可燃性毒物を含まない複数の第1燃料棒と、可燃性毒物を含む複数の第2燃料棒とが9行9列の正方格子状に配列されたD格子用燃料集合体において、
    使用する燃料ペレットの濃縮度が5wt%以下であり、
    平均濃縮度が4.5wt%以上の横断面を有し、当該横断面において、
    燃料棒配列の対角位置にある2つの最外周コーナー燃料棒中心を結ぶ対角線に対して非対称となるように、1格子分以上の断面を有する大型の水ロッドが少なくとも一つ配置され、前記対角線よって前記横断面を制御棒非挿入側領域と制御棒挿入側領域に2分し、 記制御棒非挿入側領域を水ロッド領域が多く含まれる領域N、前記制御棒挿入側領域水ロッド領域が多く含まれない領域Wとするとき、
    領域W側の最外周コーナー燃料棒と前記水ロッドとを含む最小の正方形領域のうち、燃料集合体の燃料棒配列最外周から2層目と3層目にあたる領域Lに、当該横断面における第2燃料棒の半数以上が置かれ、
    領域Lの全ての第1燃料棒には、最高濃縮度の燃料ペレットが含まれることを特徴とするD格子用燃料集合体。
  5. 前記最高濃縮度は4.9乃至4.95wt%であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のD格子用燃料集合体。
  6. 燃料棒配列の最外周から第2層目以内に置かれた第1燃料棒は全て最高濃縮度の燃料棒である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のD格子用燃料集合体。
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