JP3347137B2 - 燃料集合体群および沸騰水型原子炉用炉心 - Google Patents

燃料集合体群および沸騰水型原子炉用炉心

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JP3347137B2 JP2001019891A JP2001019891A JP3347137B2 JP 3347137 B2 JP3347137 B2 JP 3347137B2 JP 2001019891 A JP2001019891 A JP 2001019891A JP 2001019891 A JP2001019891 A JP 2001019891A JP 3347137 B2 JP3347137 B2 JP 3347137B2
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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に熱的余裕および
経済性が向上した高燃焼度用燃料集合体群および沸騰水
型原子炉用炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子力発電の経済性向上のため
に、燃料の高燃焼度化が進められている。このような高
燃焼度用燃料集合体の一例を図12により説明する。な
お、図12(A)は燃料集合体を一部断面で示す立面図、
同(B)は同(A)のB−B矢視断面図、同(C)は同
(A)のC−C矢視断面図である。
【0003】図12(A)において、燃料集合体1は、長
尺燃料棒2、短尺燃料棒3および太径ウォータロッド6
をスペーサ8で正方格子状に束ねて、これを上部タイプ
レート4および下部タイプレート5に固定して燃料棒束
とし、この燃料棒束をチャンネルボックス7で包囲して
構成されている。さらに、外部スプリング9が、長尺燃
料棒2と上部タイプレート4との間に介在されている。
【0004】このように構成された高燃焼度用燃料集合
体は、例えば特開平2-296192号公報に開示されている従
来の低燃焼度用燃料集合体と比較して以下のような特徴
を有している。
【0005】すなわち、高燃焼度化を達成するためには
燃料の高濃縮度化が必要であるが、これはボイド分布に
起因する軸方向出力ピーキングをより一層増大させる。
さらに、炉内滞在期間が異なるより多種の燃料が炉心に
混在することになるため、径方向出力ピーキングも増大
する。
【0006】これらの結果、最大線出力密度や最小限界
出力比などの熱的余裕が減少する。これを改善するため
に、図12の燃料集合体1では、燃料棒配列を従来燃料の
8行8列から9行9列にして燃料棒本数を増加してい
る。
【0007】ところが、燃料棒本数が増加すると圧損が
増大し、これによって原子炉の安定性が損なわれること
になる。そこで図12の燃料集合体1では、一部の燃料棒
の長さを長尺燃料棒2よりも短くした短尺燃料棒3を使
用して、冷却材が二相流であるために圧損が大きい燃料
上部の流路を拡大して、燃料棒本数の増加による圧損の
増大を打ち消している。短尺燃料棒3の長さは図12
(B),(C)から明らかなように長尺燃料棒2の約2
/3となっている。
【0008】また、出力が過大になった場合に、燃料棒
から冷却材への熱伝達が、効率のよい核沸騰から効率の
悪い膜沸騰へ沸騰遷移するときの燃料集合体の出力が限
界出力である。
【0009】この沸騰遷移は燃料棒上部で発生する可能
性が高いので、短尺燃料棒3は限界出力を向上させるこ
とができる。この目的のために、短尺燃料棒3の位置は
燃料棒の冷却効率の悪い場所を選定しており、これによ
り最小限界出力比を増大させている。
【0010】短尺燃料棒3はさらに、炉停止余裕を向上
させる作用がある。原子炉停止時においては、炉心上端
から全長の1/4ないし1/3だけ下の部位において中
性子束がピークを形成する。
【0011】原子炉停止時には冷却材は、温度が低く密
度が高いため中性子吸収材として作用するので、軸方向
上部において燃料棒本数を減らし冷却材量を増やすこと
によって、炉停止余裕を向上させることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように長尺燃料棒
2と短尺燃料棒3とから構成された燃料集合体1では、
短尺燃料棒3が存在しない軸方向上部領域(図12(B)
におけるB−B矢視断面)と短尺燃料棒3が存在する軸
方向下部領域(図12(C)におけるC−C矢視断面)と
において燃料棒の本数が異なるため、燃料集合体の上下
で運転時の反応度特性が大きく異なる。すなわち、減速
材対燃料比が大きい上部領域の方が核分裂によって発生
した高エネルギー中性子が減速されやすいので、上部領
域の無限増倍率が下部領域よりも大きくなる。
【0013】沸騰水型原子炉ではもともと、出力運転中
はボイド分布のために下部の出力ピークを生じやすい
が、短尺燃料棒3を含む燃料集合体1を装荷した炉心で
は、燃料棒本数の相違による無限増倍率の上下差がこれ
を緩和し、燃焼の長期にわたって軸方向出力分布を平坦
化するという好ましい効果を有する。
【0014】ところが、運転サイクル初期においては、
燃料棒本数の上下差は、逆に下部に生じる出力ピーキン
グを増大させるという問題がある。一般に沸騰水型原子
炉に用いられる燃料集合体では、反応度制御のために一
部の燃料棒にガドリニアなどの可燃性毒物が混入され
る。
【0015】これにより燃焼初期に無限増倍率を低下さ
せて、炉心の余剰反応度の燃焼変化を平坦にし、原子炉
の運転性および安全性を高めている。ガドリニアによる
燃焼初期の反応度制御量はガドリニア入り燃料棒本数に
ほぼ比例し、反応度制御が持続する期間はガドリニア濃
度にほぼ比例する。
【0016】しかしながら、図12に示す短尺燃料棒3を
含む燃料集合体1では、ガドリニア入り燃料棒本数が上
下で等しい場合であっても、燃焼初期における反応度制
御量は断面当りの燃料棒本数が少なく減速材量が多い上
部において下部よりも大きくなる。その結果、特に原子
炉の運転サイクル初期において、上部の無限増倍率が下
部よりも小さくなり、炉心下部の出力ピーキングが増大
することになる。
【0017】一例として、平均濃縮度が約4%でガドリ
ニアを全く含まない場合の、図12の燃料集合体1のボイ
ド率40%時の無限増倍率を図13中曲線9,10に示す。曲
線9は下部、曲線10は上部の無限増倍率をそれぞれ示し
ている。
【0018】なお、炉心におけるボイド率は下部では40
%よりも小さく、上部では40%よりも大きいので、上下
各々のボイド率における無限増倍率を比較する方がより
厳密である。しかしながら、ここでは、上下の無限増倍
率の相対的な大小関係が重要であるから、同じボイド率
で比較することにする。
【0019】図13に示されているように無限増倍率は上
部(曲線10)の方が下部(曲線9)よりも大きく、その
差は燃焼初期で最大であり、燃焼とともに減少してい
く。一般に沸騰水型原子炉の軸方向出力分布は、運転サ
イクル初期で最も下方ピークであり、燃焼に伴い下部の
燃焼が上部よりも進行するため、運転サイクル末期に向
かって徐々に上方にシフトしていく。図13に示された無
限増倍率の上下差は、上述した出力分布の燃焼変化を是
正し、運転サイクルを通じて平坦な軸方向出力分布を与
えるのに好適である。
【0020】これに対して、14本の長尺燃料棒2にその
全長にわたって濃度 3.5%のガドリニアを添加した場合
の無限増倍率の燃焼変化を図13中曲線11,12に示す。曲
線11は下部の無限増倍率を、曲線12は上部の無限増倍率
をそれぞれ示している。
【0021】上部の方が下部よりもガドリニアによる反
応度制御能力が大きいため、燃焼初期で無限増倍率は上
下逆転しており、運転サイクル初期の下方ピークを増大
させることになる。
【0022】このような燃料集合体を装荷した炉心の特
性として、66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃料棒3で
構成された第1の燃料集合体を装荷した炉心と、74本の
長尺燃料棒2のみで構成された第2の燃料集合体を装荷
した炉心について、(A)軸方向出力ピーキング、
(B)最大線出力密度および(C)運転サイクル初期と
(D)運転サイクル末期の軸方向出力分布を図14に示
す。
【0023】いずれの燃料集合体においても、全ての長
尺燃料棒2の上下端に天然ウラン領域が設けられてお
り、14本の長尺燃料棒2には天然ウラン領域を除く内部
全域に濃度 3.5%のガドリニアが添加されている。
【0024】図14において、第1および第2の燃料集合
体の軸方向出力ピーキングが曲線13および曲線14で、最
大線出力密度が曲線15および曲線16で、さらに軸方向出
力分布が曲線17,19および曲線18,20で示されている。
【0025】第1の燃料集合体を装荷した炉心では、第
2の燃料集合体を装荷した炉心に比べて、運転サイクル
初期から中期にかけて軸方向出力分布が下方ピークとな
るため軸方向出力ピーキングが増大しており、最大線出
力密度が運転サイクル初期で最大 0.6kW/ft増大してい
る。運転サイクル末期では軸方向出力分布の相違は小さ
く、最大線出力密度も同程度である。
【0026】ところで、以上述べてきた軸方向出力分布
の特徴は経済性を向上させる作用があり、例えば特開平
2-296192号公報に述べられている。すなわち、運転サイ
クル初期から中期にかけて下方ピークの出力分布で運転
されることにより炉心の平均ボイド率が高まり、特に炉
心上部において中性子スペクトルが硬化する。
【0027】その結果、プルトニウムの生成が促進さ
れ、運転サイクル末期では出力分布が上方ピークとな
り、上部に蓄積されたプルトニウムが効率的に燃焼され
る。このような作用はスペクトルシフト効果と呼ばれて
いる。
【0028】図12に示した燃料集合体1における図13の
無限増倍率特性において、燃料棒本数の相違に起因する
無限増倍率の上下差は、運転サイクル初期の下方ピーク
を是正し出力分布を平坦化するためスペクトルシフト効
果を減少させる。
【0029】一方、燃焼初期におけるガドリニアの反応
度制御量の相違に起因する無限増倍率の上下差は下方ピ
ークをより一層強調するため、スペクトルシフト効果を
増加させる作用がある。
【0030】単に軸方向出力分布を平坦化するだけでは
スペクトルシフト効果が減少してしまうので、燃料棒本
数およびガドリニアの反応度制御量の上下差に起因する
無限増倍率特性を活用することによって、スペクトルシ
フト効果を十分に発揮した経済性の高い高燃焼度用燃料
集合体を実現することが考えられている。
【0031】このような事情に鑑み、下部にのみ可燃性
毒物を含有する燃料棒を配置し、上部よりも下部の方が
可燃性毒物含有量が多い燃料集合体を実現すると、特に
燃焼初期において下部の無限増倍率を上部よりも小さく
することができ、ガドリニアの反応度制御量の上下差に
起因する運転サイクル初期における軸方向出力分布の下
方ピークを是正することができる。その結果、運転サイ
クル初期の最大線出力密度が低減され、熱的余裕を十分
に確保することができる。
【0032】また、下部にのみ可燃性毒物を含有する燃
料棒の可燃性毒物の濃度を、第1群の長尺燃料棒に含有
される可燃性毒物の濃度よりも低く設定した場合には、
上下の無限増倍率は以下のようになる。
【0033】すなわち、燃焼のごく初期では下部の無限
増倍率が上部よりも小さくなるが、燃焼が進み濃度の低
い可燃性毒物が燃焼してしまうと上下の無限増倍率の差
が縮まり、さらに燃焼が進むと燃料棒本数差に起因して
再び下部の無限増倍率が上部よりも小さくなる。
【0034】例として、図13で説明した濃度 3.5%のガ
ドリニアを14本の長尺燃料棒に含有した燃料集合体にお
いて、2本の長尺燃料棒の下部に濃度 1.5%のガドリニ
アを追加した場合の無限増倍率を図15中曲線22に示す。
【0035】これに対して、濃度 3.5%のガドリニアを
追加した場合の図15中曲線23で示す無限増倍率は、ガド
リニアが燃え尽きるまでの全期間において下部の無限増
倍率を低くしてしまう。図15中曲線12は濃度 3.5%のガ
ドリニアを添加した場合の上部の無限増倍率を示してい
る。
【0036】このような無限増倍率特性を有する燃料集
合体では、燃焼初期においては軸方向出力分布を好まし
い程度に平坦化することができる。一方、無限増倍率の
上下差が縮まる燃焼中期では出力分布が下方ピークにな
るので、スペクトルシフト効果の実現により経済性を高
めることができるとともに、次の運転サイクル初期の下
方ピークを小さくすることができる。
【0037】すなわち、下方ピークで燃焼が進むと無限
増倍率は次第に上部の方が下部よりも大きくなるので、
運転サイクル初期においても、新燃料以外の燃料集合体
では軸方向出力分布を平坦化する性質を有している。こ
の効果は下方ピークの燃焼をより長く経験しているほど
有効である。なお、運転サイクル中期では、以下に述べ
る理由によって、下方ピークを増大させても最大線出力
密度を過度に増大させることにはならない。
【0038】炉心の径方向出力ピーキングは、図14
(A)中曲線21に示すように運転サイクル中期で小さく
なる時期がある。その説明のために図13中の左上側に符
号I,IIを付して、1運転サイクル間における新燃料の
無限増倍率の推移を区間Iで、2サイクル目燃料の無限
増倍率の推移を区間IIで示す。
【0039】径方向出力ピーキングは、運転サイクル初
期では無限増倍率の最も大きい2サイクル目燃料に出現
するが、燃焼とともに2サイクル目燃料の出力は下が
り、一方新燃料の出力が増大してくるので運転サイクル
末期には新燃料に出現する。
【0040】この間の運転サイクル中期では、新燃料と
2サイクル目燃料の無限増倍率の差が縮まるので、径方
向出力ピーキングが小さくなる。最大線出力密度は軸方
向および径方向の両出力ピーキングに依存するので、径
方向出力ピーキングの小さい運転サイクル中期において
は、最大線出力密度の過度な増大を招くことなく軸方向
出力分布を下方ピークにすることができる。
【0041】こうした高燃焼度用燃料集合体として、あ
らかじめガドリニア入り燃料棒本数の多いタイプ1燃料
集合体と、ガドリニア入り燃料棒本数の少ないタイプ2
燃料集合体の2種類の燃料集合体を用意し、適宜その体
数割合を変更することによって運転サイクル期間の変動
に対処する、いわゆる2ストリーム炉心の技術が、例え
ば特開平2-296192号公報に述べられている。
【0042】すなわち、当該またはその前の運転サイク
ル長さの変動によって、燃料の取替体数が当初の予定か
ら変更を余儀無くされることがある。この場合、取替体
数が予定より減少する場合にはタイプ1燃料集合体をよ
り多く装荷し、逆に取替体数が予定より多くなる場合に
はタイプ2燃料集合体をより多く装荷する。これにより
余剰反応度を1〜2%Δkの適切な範囲に設定すること
ができる。
【0043】このような2ストリーム炉心では一般に、
ガドリニア入り燃料棒本数が多く無限増倍率の小さいタ
イプ1燃料集合体は炉心中央部に、タイプ2燃料集合体
は炉心周辺部に配置される。
【0044】炉心径方向の出力分布は中央部で高く周辺
部ほど低いので、ガドリニア入り燃料棒本数が異なる2
つのタイプの燃料集合体を上述のように配置することに
よって、径方向の出力分布が平坦化され、最大線出力密
度や最小限界出力比が改善される。
【0045】しかしながら、このような炉心では、炉心
周辺部に配置された燃料集合体に最大線出力密度は出現
する場合がある。一般に高燃焼度化すると、濃縮度が高
くなるためガドリニアが燃え尽きた後の無限増倍率が大
きくなる反面、燃料集合体1体当りのガドリニア入り燃
料棒本数が増加するので、燃焼初期の無限増倍率は減少
する。
【0046】したがって、運転サイクル初期では、無限
増倍率の最も大きい2サイクル目燃料に最大線出力密度
が出現しやすい。ガドリニアの濃度は運転サイクル末期
には燃え尽きるように設定されるが、炉心周辺部では中
央部に比べて出力が低く燃焼の進行が遅れるので、炉心
周辺部に配置された2サイクル目燃料で無限増倍率が丁
度ピークを迎える可能性がある。
【0047】さらに、下方ピークで燃焼が進行すると上
部の無限増倍率が下部よりも大きくなるが、炉心周辺部
では中央部に比べて燃焼度が小さいので下方ピークのま
まである。したがって、2ストリーム炉心では、燃料集
合体が装荷される径方向位置に応じた軸方向設計が必要
となる。
【0048】さらに、濃縮度の低い低燃焼度用燃料集合
体のみが装荷されている平衡炉心から、濃縮度の高い高
燃焼度用燃料集合体のみが装荷されている平衡炉心へ移
行する場合、燃料交換のたびに、低燃焼度用燃料集合体
が取り出され高燃焼度用燃料集合体が順次装荷されてい
く。
【0049】このような移行第1または第2サイクルで
は、濃縮度の低い低燃焼度用燃料集合体が多い炉心に濃
縮度の高い高燃焼度用燃料集合体が少数体装荷されるの
で、高燃焼度用燃料集合体に径方向出力ピーキングが生
じる。
【0050】さらに、濃縮度が高い燃料ほど軸方向出力
分布がより一層下方ピークとなるので、移行サイクルで
は平衡炉心よりも最大線出力密度が増大しやすいという
問題がある。
【0051】よって、2ストリーム炉心においては、平
衡サイクルおよび移行サイクルにおいて、特に運転サイ
クル初期における最大線出力密度を低減して、十分な熱
的余裕を有する沸騰水型原子炉の炉心を実現することが
求められている。
【0052】かかる炉心を実現するに際して、本発明
は、特に、燃料集合体の上部領域の原子炉停止時におけ
る局所出力ピーキングを改善するとともに、制御棒落下
事故に対する安全性を向上させることを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
長尺燃料棒と前記長尺燃料棒よりも有効部分が短い短尺
燃料棒とを格子状に束ねて構成される複数の燃料集合体
からなり同一の沸騰水型原子炉用炉心に装荷される燃料
集合体群であって、可燃性毒物を含有する燃料棒を有す
るタイプ1燃料集合体と、可燃性毒物を含有する燃料棒
の本数が前記タイプ1燃料集合体よりも少なく設定され
るタイプ2燃料集合体とを具備し、前記燃料集合体の最
外周にあって前記短尺燃料棒に隣接して配置される少な
くとも一部の前記長尺燃料棒の核分裂性物質含有量は、
前記タイプ2燃料集合体の方が前記タイプ1燃料集合体
よりも小さく設定されることを特徴とする。
【0054】請求項2に係る発明は、長尺燃料棒と前記
長尺燃料棒よりも有効部分が短い短尺燃料棒とを格子状
に束ねて構成される燃料集合体を装荷した沸騰水型原子
炉用炉心において、可燃性毒物を含有する燃料棒の本数
が多いタイプ1燃料集合体と、可燃性毒物を含有する燃
料棒の本数が前記タイプ1燃料集合体よりも少ないタイ
プ2燃料集合体とが装荷され、前記燃料集合体の最外周
にあって前記短尺燃料棒に隣接して配置される少なくと
も一部の前記長尺燃料棒の核分裂性物質含有量は、前記
タイプ2燃料集合体の方が前記タイプ1燃料集合体より
も小さいことを特徴とする。
【0055】本発明によれば、タイプ2燃料集合体にお
いて、タイプ1燃料集合体と比較して、短尺燃料棒に隣
接して最外周に配置される長尺燃料棒を高濃度とするこ
とにより、タイプ1燃料集合体よりも無限増倍率の大き
いタイプ2燃料集合体の原子炉停止時における局所出力
ピーキングを低減し、もって制御棒落下事故に対する安
全性を高めることができる。
【0056】なお、本発明に係る2ストリームの平衡炉
心を構成する際の好適な一態様として、タイプ2燃料集
合体が炉心周辺部に、タイプ1燃料集合体が炉心中央部
に装荷されるとともに、短尺燃料棒が存在する軸方向下
部領域に相当する部位の少なくとも一部分だけに可燃性
毒物が含有されている長尺または短尺燃料棒の本数を、
タイプ1燃料集合体よりもタイプ2燃料集合体において
多くすることが考えられる。これによって、炉心周辺部
の軸方向出力分布の下方ピークを抑制し、最大線出力密
度を低減することができる。
【0057】また、本発明に係る炉心は運転サイクル長
さの変動にも対処することができる。すなわち、タイプ
2燃料集合体は、通常は炉心周辺部に配置されるが、運
転サイクル長さの変動により取替体数が増加した場合に
は炉心中央部にまで配置される場合が生じる。
【0058】タイプ2燃料集合体はタイプ1燃料集合体
よりも可燃性毒物入り燃料棒本数が少なく無限増倍率が
大きいので、炉心中央部に配置されると出力が高く下方
ピークが著しくなり、最大線出力密度が増大する可能性
がある。しかしながら、本発明に係る燃料集合体群およ
び炉心によれば、炉心中央部に配置された場合でもタイ
プ2燃料集合体の軸方向出力ピーキングを抑制すること
ができる。
【0059】次に、低燃焼度用燃料集合体のみで構成さ
れた平衡炉心から高燃焼度用燃料集合体のみで構成され
た平衡炉心への移行サイクルにおける作用を説明する。
移行サイクルでの高燃焼度用燃料集合体の取替体数は、
炉心に滞在している低燃焼度用燃料集合体の濃縮度が低
いため、高燃焼度用燃料集合体のみで構成された平衡炉
心よりも多くなる。
【0060】この場合、余剰反応度を適切な値に設定す
るために、タイプ2燃料集合体が多数炉心に装荷され、
炉心中央部へも配置されることになる。タイプ2燃料集
合体はタイプ1燃料集合体よりも無限増倍率が大きいの
で、出力が高く軸方向出力ピーキングが大きい。したが
って、このような移行サイクルにおいても、本発明を適
用することによって最大線出力密度の増大を抑制するこ
とができる。
【0061】なお、平衡炉心では移行サイクルほど下方
ピークが顕著ではないので、タイプ1燃料集合体では、
タイプ2燃料集合体と比べて、下部領域にのみ可燃性毒
物を含有する燃料棒の本数を少なくしておくことが好適
である。この場合、短尺燃料棒が存在する軸方向下部領
域の少なくとも一部のみにガドリニアを含有する燃料棒
の本数を、ガドリニア入り燃料棒本数の多いタイプ1燃
料集合体よりもガドリニア入り燃料棒本数の少ないタイ
プ2燃料集合体において多くすることによって、計画ど
おり運転されている平衡炉心のみならず、運転サイクル
長さの変動があった場合にも最大線出力密度を十分低く
することができる。また、低燃焼度用燃料集合体で構成
された平衡炉心から高燃焼度用燃料集合体で構成された
平衡炉心への移行サイクルにおいて、最大線出力密度を
十分に低くすることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明に係
る燃料集合体の第1の実施の形態である高燃焼度用燃料
集合体群を図1および図2により説明する。なお、図1
は燃料集合体1の横断面概略図と、この燃料集合体1内
の燃料棒について、濃縮度とガドリニアの濃度とを軸方
向分布で示し、上方の燃料集合体内の丸で囲んだ番号
と、下方の燃料棒の番号とは対応している。
【0063】この第1の実施の形態における燃料集合体
は図12に示した燃料集合体と同様の構造を有しており、
図1の上方に示したように燃料棒の配列は9行9列の正
方格子配列であり、燃料棒束は66本の長尺燃料棒2と8
本の短尺燃料棒3および2本の太径ウォータロッド6で
構成されている。燃料ペレットが充填されている有効部
分の長さは、長尺燃料棒2では約 370cm、短尺燃料棒3
では約 220cmである。
【0064】長尺燃料棒2の有効部分には、上端約30cm
および下端約15cmの部分に天然ウランペレットが充填さ
れているが、内部の約 325cmの部分の濃縮度は軸方向に
一様であり、各燃料棒の内部に充填されている燃料ペレ
ットの濃縮度はp>q>r>sの順に高くなっている。
【0065】短尺燃料棒3の濃縮度は燃料集合体の断面
平均濃縮度に等しく 4.1%であり、従って上下端天然ウ
ラン部を除いて燃料集合体の断面平均濃縮度は軸方向に
一様である。なお、上下端天然ウラン部を含めた平均濃
縮度は約 3.7%である。
【0066】番号6の長尺燃料棒には上下端天然ウラン
部を除く内部全域に濃度 3.5%のガドリニアが含有され
ており、本実施の形態における第1群の長尺燃料棒を形
成している。
【0067】また、番号7および番号8の長尺燃料棒36
は、短尺燃料棒が存在する軸方向下部領域のみにガドリ
ニアが含有されている第2群の燃料棒である符号Aまた
は符号Bの長尺燃料棒のいずれか一方か、またはガドリ
ニアを含まない番号2の長尺燃料棒である。
【0068】符号Aの長尺燃料棒には濃度α%のガドリ
ニアが短尺燃料棒の有効部分の全長に相当する部分に含
有されており、符号Bの長尺燃料棒には濃度β%のガド
リニアが短尺燃料棒の有効部分の1/2に相当する部分
に含有されている。
【0069】本実施の形態の燃料集合体が装荷された平
衡炉心の軸方向出力ピーキングとして、番号7および番
号8の燃料棒がいずれもガドリニアを含有しない番号2
の長尺燃料棒である従来の燃料集合体を装荷した平衡炉
心の軸方向出力ピーキングの増加率に対する燃焼度との
関係を図2(A),(B)に示す。さらに、本実施の形
態におけるスペクトルシフト効果を調べるために、運転
サイクル末期の実効増倍率を、従来の燃料集合体に対す
る増加量(%Δk)として表1に示す。
【0070】図2(A)は、番号7の燃料棒が番号2の
長尺燃料棒であり、番号8の燃料棒が符号Aの長尺燃料
棒であって、ガドリニア濃度αを 0.5%〜 3.5%の範囲
で変化させた場合である。
【0071】本実施の形態により、特に運転サイクル初
期の軸方向出力ピーキングが減少しており、その効果は
ガドリニア濃度が低いほど顕著である。ガドリニア濃度
が低い場合、運転サイクル中期の軸方向出力ピーキング
がやや増大するが、図14(A)に示したように、この時
点では曲線21で示す径方向出力ピーキングが小さいので
最大線出力密度の増大は問題にはならない。運転サイク
ル中期の下方ピークはまた、スペクトルシフト効果を助
長し運転サイクル末期の実効増倍率を増大させている。
【0072】一方、ガドリニア濃度が濃い場合、運転サ
イクル中期での下方ピークが十分ではないため、下部の
燃焼が進行せず、その結果、運転サイクル初期および後
半において軸方向出力ピーキングが増大する。
【0073】図14(A)中曲線21で示したように径方向
出力ピーキングが最も小さくなるのが運転サイクル長さ
の約1/3を経過する頃であることから、第2群の燃料
棒のガドリニア濃度は、第1群の燃料棒のガドリニア濃
度の約1/3以下であることが望ましく、製造可能な範
囲でできる限り低い方がよい。
【0074】図2(B)は、番号7および番号8の燃料
棒の種々の組合せにおける軸方向出力ピーキングの増加
率を示している。符号Aまたは符号Bの長尺燃料棒の下
部に含有されるガドリニア濃度は常に 0.5%である。
【0075】番号8の燃料棒に加えて番号7の燃料棒も
符号Aの長尺燃料棒とすると、運転サイクル初期の軸方
向出力ピーキングは大幅に改善されるが、スペクトルシ
フト効果はやや低下する。
【0076】また、番号8の燃料棒を符号Aの長尺燃料
棒の代りに符号Bの長尺燃料棒とした場合には、運転サ
イクル初期の軸方向出力ピーキングはわずかに低減され
るものの、スペクトルシフト効果は半減している。
【0077】以上のように、ガドリニア濃度は低いほど
熱的余裕および経済性を同時に向上させることができ
る。しかしながら、その他の組合せにおいては、熱的余
裕の向上と経済性の向上とが相反するので、必要に応じ
て好ましい組合せを適宜選択する必要がある。
【0078】
【表1】
【0079】低濃度のガドリニアを含有する第2群の燃
料棒としては、2つの太径ウォータロッド6に隣接する
図1中符号36で示した燃料棒が好適である。この符号36
で示した位置では熱中性子束が高いのでガドリニアの反
応度制御量が大きく、早く燃焼する。従って、実質的に
第2群の燃料棒本数を増加し、ガドリニア濃度を低くし
たことになるので、軸方向出力分布の制御上有効であ
る。
【0080】ガドリニアは熱伝導度が低く、燃料棒の温
度が上昇しやすいので、ガドリニアを含有する燃料棒で
は濃縮度を下げて出力を低くしており、その程度はガド
リニア濃度に依存する。熱中性子束が高い符号36で示し
た位置において高濃度のガドリニアを含有する場合はこ
の燃料棒の濃縮度を十分低くする必要がある。
【0081】その結果、ガドリニアを含有しない燃料棒
の濃縮度を高くしなければならないので、燃料集合体の
局所出力ピーキングが増大する。これに対してガドリニ
ア濃度が低い場合にはそれほど濃縮度を下げる必要はな
く、局所出力ピーキングの増大は問題にならない。
【0082】(第2の実施の形態)本第2の実施の形態
である2ストリーム用燃料集合体を図3により説明す
る。図3(A)はタイプ1燃料集合体、(B)はタイプ
2燃料集合体である。本第2の実施の形態も第1の実施
の形態と同様、図12に示した高燃焼度用燃料集合体と同
様の構造を有している。したがって、同一部分の説明は
省略する。
【0083】長尺燃料棒2の有効部分には、上端約30cm
および下端約15cmの部分に天然ウランペレットが充填さ
れているが、内部の約 325cmの部分の濃縮度は軸方向に
一様である。各燃料棒の内部に充填されている燃料ペレ
ットの濃縮度はa>b>c>dの順に高く、短尺燃料棒
の濃縮度はcである。
【0084】その結果、集合体断面平均濃縮度は、短尺
燃料棒3の上端を境にしてその上部の方が下部よりも約
0.1%高くなっている。なお、上下端天然ウラン部まで
含めた平均濃縮度は約 3.7%である。
【0085】タイプ1燃料集合体では、15本の番号6の
長尺燃料棒において上下端天然ウラン部を除く内部全域
にガドリニアが含まれており、短尺燃料棒の中心付近を
境に下方では上方よりもガドリニア濃度が濃くなってい
る。このようなガドリニア分布により特に運転サイクル
後半の下方ピークを抑制することができる。
【0086】また、1本の番号7の長尺燃料棒におい
て、短尺燃料棒の中心付近よりも下方のみに濃度1%の
ガドリニアが含まれており、特に運転サイクル初期の下
方ピークを抑制する。
【0087】タイプ2燃料集合体では、12本の番号6の
長尺燃料棒および2本の番号7の長尺燃料棒において、
各々、タイプ1燃料集合体の同一番号の燃料棒と同じガ
ドリニア分布を有している。
【0088】図4は本第2の実施の形態との比較のため
の従来例であり、(A)はタイプ1燃料集合体、(B)
はタイプ2燃料集合体である。図3とほぼ同様の構成で
あるが、各燃料棒の内部に充填されている燃料ペレット
の濃縮度はe>f>g>hの順に高く、短尺燃料棒の濃
縮度は最も低いhである。
【0089】その結果、集合体断面平均濃縮度は短尺燃
料棒3の上端を境にしてその上部の方が下部よりも約
0.2%高くなっている。タイプ1燃料集合体における15
本の番号6の長尺燃料棒およびタイプ2燃料集合体にお
ける12本の番号6の長尺燃料棒では、図3に示した本第
2の実施の形態の同じ番号の長尺燃料棒と同一のガドリ
ニア分布を有している。
【0090】これらタイプ1およびタイプ2燃料集合体
を装荷した平衡炉心の燃料配置図および最大線出力密度
を図5に示す。図5(A)は炉心の1/4平面図であ
り、1つの升目24が燃料集合体1体を表している。新燃
料の位置が1または2で示されており、前者がタイプ1
燃料集合体、後者がタイプ2燃料集合体である。
【0091】その他の位置には、5サイクル目燃料が最
外周に、4サイクル目燃料の一部が太枠で包囲されたコ
ントロールセル25に配置されており、その他の燃料は残
りの位置にほぼ均一に配置されている。図5(B)は
(A)における最大線出力密度と燃焼度との関係を示し
ている。
【0092】本炉心において、図3に示した本第2の実
施の形態である燃料集合体を装荷した場合の最大線出力
密度(図5(B)中曲線26)は、図4に示した従来例の
燃料集合体を装荷した場合の最大線出力密度(同曲線2
7)に比べて、運転サイクル初期において著しく低減し
ている。運転サイクル後半では最大線出力密度は逆に増
大しているが、運転サイクルを通じての最大値は改善さ
れており、本実施の形態の有効性が示されている。
【0093】次に、低燃焼度用燃料集合体のみが装荷さ
れている平衡炉心に、図3または図4の高燃焼度用燃料
集合体がはじめて装荷された移行第1サイクルの燃料配
置図および最大線出力密度を図6に、移行第2サイクル
の燃料配置図および最大線出力密度を図7に示す。
(A)は炉心の1/4平面図であり、1および2が各々
タイプ1およびタイプ2の高燃焼度用燃料集合体の新燃
料である。
【0094】なお、図示されない位置には、移行第1サ
イクルにおいては、特開平2-296192号公報の図1〜図4
に開示されている低燃焼度用燃料集合体と同様の燃料集
合体が装荷されている。
【0095】これは燃料棒4本分の太径ウォータロッド
を中央に有する8行8列の燃料格子で、平均濃縮度は約
3.3%である。移行第2サイクルでは低燃焼度用燃料集
合体の他に、高燃焼度用燃料集合体の2サイクル目燃料
が装荷されている。
【0096】最大線出力密度を示す図6(B)および図
7(B)において、曲線28および曲線30が本発明の第2
の実施の形態である燃料集合体を装荷した場合であり、
曲線29および曲線31が従来例の燃料集合体を装荷した場
合である。
【0097】移行第1サイクルで装荷されている高燃焼
度用燃料集合体の新燃料では、低燃焼度用燃料集合体よ
りも濃縮度は高いが、ガドリニア入り燃料棒本数が多い
ので無限増倍率は比較的小さい。
【0098】したがって、移行第1サイクルでは、最大
線出力密度は2サイクル目の低燃焼度用燃料集合体に現
れるので、従来例の高燃焼度用燃料集合体を使用した場
合でも最大線出力密度は十分小さくなり、本発明の実施
の形態を使用してもほとんど改善されない。
【0099】移行第2サイクルでは、2サイクル目の高
燃焼度用燃料集合体に最大線出力密度が現れる。特に運
転サイクル初期では無限増倍率がピークを迎えているの
で、最大線出力密度が大幅に増大することになる。さら
に図7(A)に示されるように、移行サイクルではガド
リニア入り燃料棒本数が少ないタイプ2燃料集合体が炉
心中央部にまで配置される。
【0100】したがって、本発明により特にタイプ2燃
料集合体の下部の無限増倍率を燃焼初期で低下させるこ
とによって、炉心中央部における軸方向出力分布を平坦
化し、出力の高い2サイクル目燃料の軸方向ピークを抑
制して、運転サイクル初期の最大線出力密度を大幅に減
少することができる。
【0101】ところで、図3に示した本第2の実施の形
態も図4に示した従来例も、全ての長尺および短尺燃料
棒において、上下端天然ウラン部を除く内部の濃縮度は
軸方向に一様である。
【0102】これらの燃料集合体では、短尺燃料棒の濃
縮度を長尺燃料棒の平均濃縮度よりも低くすることによ
って、集合体断面平均濃縮度に上下差をもたせており、
これによって軸方向出力分布を平坦化している。
【0103】集合体断面平均濃縮度に上下差を持たせる
手段としては、例えば図3における番号1の燃料棒の上
下端天然ウラン部を除く内部において、濃縮度を軸方向
に分布させる手段がある。
【0104】しかしながら、燃料棒の製造工程におい
て、燃料ペレットを被覆管に充填していく途中で濃縮度
が変わると、製造工程が複雑になる上、燃料棒が完成し
た後の検査にも手間がかかる。これらの結果ひいては製
造コストの上昇につながる可能性がある。
【0105】したがって、本第2の実施の形態や従来例
で採用したように、短尺燃料棒の濃縮度を低くすること
によって集合体断面平均濃縮度に上下差をもたせれば、
製造および検査工程を大幅に簡素化することができる。
【0106】ところが、図4に示した従来例の燃料集合
体のように、上下濃縮度分布だけで軸方向出力分布を平
坦化するためには短尺燃料棒の濃縮度を極端に低くする
必要がある。その結果、所定の平均濃縮度を維持するた
めにはその他の燃料棒の濃縮度を高くしなければなら
ず、燃料集合体の局所出力ピーキングが増大する。
【0107】これに対して、本実施の形態により上下濃
縮度分布とガドリニア分布との最適な組合せにより軸方
向出力分布を平坦化すれば、短尺燃料棒の濃縮度を過度
に低くする必要がなくなるので、局所出力ピーキングを
低減することができる。
【0108】図3および図4における濃縮度a〜hを適
切に定めた結果、本発明の第2の実施の形態では従来例
に比べて、無限増倍率がピークとなる燃焼度での局所出
力ピーキングを、タイプ1およびタイプ2燃料集合体と
も2%低減できた。図5〜図7に示した最大線出力密度
はこの効果を既に含んだものである。
【0109】図3に示した本第2の実施の形態の燃料集
合体では、原子炉の安全性向上のために、さらに燃料棒
配置の工夫がなされている。原子炉停止時には全制御棒
が炉心内に挿入されており、運転を開始する際には徐々
にこれを引き抜いていく。このときに何らかの原因によ
り、引き抜いたはずの制御棒が挿入されたままの状態で
あり、あるとき、突然落下して引き抜かれることが想定
される。
【0110】このような制御棒落下事故時において、反
応度の印加による燃料棒の温度上昇は新燃料において最
も大きいことが知られている。特に2ストリーム炉心で
は、無限増倍率が大きいタイプ2燃料集合体の方がタイ
プ1燃料集合体よりも温度が上昇しやすい。
【0111】したがって、制御棒落下事故に対して十分
な余裕を確保するためには、タイプ2燃料集合体の局所
出力ピーキングを低くしておくことが有効である。さら
に、原子炉停止時には炉心上端から1/4ないし1/3
だけ下の部位において中性子束がピークを形成するの
で、図12に示した高燃焼度用燃料集合体1では、短尺燃
料棒3が存在しない上部断面(B)において局所出力ピ
ーキングを低くする必要がある。
【0112】図4(B)の従来例のタイプ2燃料集合体
では、経済性を向上させるために燃料集合体最外周の一
部に番号1の最高濃縮度の長尺燃料棒を配置している。
出力運転中には、短尺燃料棒32の上方のボイド率は70%
近くになっているので、これに隣接して最外周に配置さ
れた燃料棒34の出力はそれほど大きくはない。
【0113】ところが、原子炉停止時には、短尺燃料棒
32の上方には高密度の低温水が充満しているので熱中性
子束が高く、これに隣接して最外周に配置された最高濃
縮度の燃料棒34の出力が増大する。
【0114】これを改善するために、図3(B)に示し
た本発明の第2の実施の形態のタイプ2燃料集合体で
は、短尺燃料棒32に隣接して最外周に配置された長尺燃
料棒33を第2番目の濃縮度としている。
【0115】その結果、原子炉停止時におけるタイプ2
燃料集合体の局所出力ピーキングは、本第2の実施の形
態では従来例よりも3%低減することができ、これによ
り制御棒落下事故に対する安全性が高まる。なお、タイ
プ1燃料集合体では、タイプ2燃料集合体よりも無限増
倍率が小さいので原子炉停止時の局所出力ピーキングは
多少大きくても問題にはならない。
【0116】そこで、図3(A)に示した本第2の実施
の形態のタイプ1燃料集合体では、タイプ2燃料集合体
の最外周に配置された燃料棒33に対応する位置35に、番
号1の最高濃縮度の燃料棒を配置して経済性を向上させ
ている。
【0117】2ストリーム燃料を構成する場合、本実施
の形態のように、2つのタイプの燃料集合体において、
同一濃縮度の燃料棒は同一本数用いることが望ましい。
このように構成していれば、運転サイクル期間の変動な
どに伴なってタイプ1燃料集合体とタイプ2燃料集合体
の装荷割合が変更されても、燃料製造工場においてガド
リニア含有量だけを調整することによって容易に対応す
ることが可能である。ところが、濃縮ウランは製造のか
なり以前に手配されているので、濃縮度の変更は容易に
は対応できない。
【0118】このように、同一濃縮度の燃料棒を同一本
数用いて2つのタイプの燃料集合体を構成した場合、2
つのタイプの燃料集合体間で異なるのは、ガドリニア入
り燃料棒およびこれと濃縮度が等しくガドリニアを含ま
ない燃料棒の本数だけである。ガドリニアは熱伝導度が
低いため、通常第2番目または第3番目の濃縮度の燃料
ペレットに含有される。
【0119】ガドリニア入り燃料棒本数の少ないタイプ
2燃料集合体では、この第2番目または第3番目の濃縮
度のガドリニアを含まない燃料棒の本数が多いので、こ
れを最外周の燃料棒33として利用することができる。
【0120】(第3の実施の形態)本第3の実施の形態
である2ストリーム炉心に用いられるタイプ2燃料集合
体を図8により説明する。本実施の形態におけるタイプ
1燃料集合体は図4(A)に示すものと同一である。
【0121】すなわち、本第3の実施の形態では下部の
みにガドリニアが含有されている第2群の燃料棒が、ガ
ドリニア入り燃料棒本数の少ないタイプ2燃料集合体だ
けに用いられている。その結果、図4に示した従来例に
比べて運転サイクル初期の最大線出力密度が低減され
る。
【0122】次に、第4の実施の形態から第6の実施の
形態について、1ストリーム炉心へ適用される燃料集合
体を対象にして、本発明の多様な適用形態を説明する。
これらの実施の形態は2ストリーム炉心へも同様に適用
できることは明らかである。
【0123】(第4の実施の形態)本第4の実施の形態
である燃料集合体を図9により説明する。番号6および
番号7の長尺燃料棒が各々、第1群および第2群の燃料
棒である。本実施の形態では、各燃料棒の内部に充填さ
れている燃料ペレットの濃縮度はu>v>w>xの順に
高く、番号2および番号3の燃料棒において濃縮度を軸
方向に分布させている。
【0124】その結果、集合体断面平均濃縮度は上部が
下部よりも約 0.2%高くなっている。従って、燃料の製
造および検査がやや複雑になるが、短尺燃料棒の濃縮度
を過度に低くする必要がないので局所出力ピーキングを
低くすることができる。
【0125】(第5の実施の形態)本第5の実施の形態
である燃料集合体を図10により説明する。図1に示した
第1の実施の形態では長尺燃料棒を第2群の燃料棒とし
ていたが、本実施の形態では、番号7の2本の短尺燃料
棒の有効部分の全域に濃度 0.5%のガドリニアを含有さ
せて第2群の燃料棒としている。
【0126】本実施の形態では、上下端の天然ウラン部
を除き、全ての燃料棒において燃料ペレットの組成が途
中で変わらないので、燃料の製造および検査が大幅に簡
素化される。
【0127】(第6の実施の形態)本第6の実施の形態
である燃料集合体を図11により説明する。本実施の形態
では、図1に示した第1の実施の形態と比べて、番号6
の第1群の燃料棒において、短尺燃料棒3の上端よりも
上部のガドリニア濃度を低くしている。これにより運転
サイクル末期におけるガドリニアの燃え残りを減少さ
せ、経済性を高めている。
【0128】図12に示した短尺燃料棒3を有する高燃焼
度用燃料集合体1では、原子炉停止時には、冷却材の多
い上部では高密度の低温水が中性子吸収材として作用す
るので、この領域のガドリニア濃度を低くしても炉停止
余裕は十分確保できる。仮に、炉停止余裕が過度に減少
するようであれば、上部における濃縮度を下部よりも0.
1〜 0.3%程度低くしてもよい。
【0129】第6の実施の形態ではまた、番号6の第1
群の燃料棒の下部のガドリニア濃度を濃くしている。そ
の境界位置は、番号7の第2群の燃料棒においてガドリ
ニアが含有されている領域の上端とは異なっている。
【0130】このように、第1群および第2群における
ガドリニア濃度の境界位置、さらに軸方向に濃縮度が分
布する場合の濃縮度の境界位置は、種々の組合せが考え
られる。
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、燃料集合体の最外周に
配置されている長尺燃料棒のうち短尺燃料棒に隣接する
燃料棒の濃縮度を、タイプ1燃料集合体よりもタイプ2
燃料集合体において低くすることによって、燃焼初期に
おいて無限増倍率の大きいタイプ2燃料集合体の低温時
局所出力ピーキングを低減することができるので、制御
棒落下事故に対する安全性を向上させることができる。
本発明を適用することによって、原子炉の運転中および
停止時において安全性が高く、しかも経済性に優れた高
燃焼度用燃料集合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における燃料集合体
群の横断面に対応する各燃料棒の濃縮度およびガドリニ
ア濃度を示す軸方向分布図。
【図2】本発明の第1の実施の形態である燃料集合体を
装荷した炉心における軸方向出力ピーキングの従来例に
対する増加率を示す特性図で、(A)は第2群の燃料棒
に含有されるガドリニア濃度を変化させた場合、(B)
は第2群の燃料棒本数、または第2群の燃料棒において
ガドリニアが含有されている領域の長さを変化させた場
合をそれぞれ示す。
【図3】本発明の第2の実施の形態である2ストリーム
用燃料集合体の各燃料棒の濃縮度およびガドリニアの軸
方向分布図で、(A)はタイプ1燃料集合体を、(B)
はタイプ2燃料集合体をそれぞれ示す。
【図4】従来例である2ストリーム用燃料集合体の各燃
料棒の濃縮度およびガドリニアの軸方向分布図で、
(A)はタイプ1燃料集合体を、(B)はタイプ2燃料
集合体をそれぞれ示す。
【図5】(A)は本発明の第2の実施の形態または従来
例である2ストリーム燃料集合体のみを装荷した平衡炉
心の1/4を示す平面図、(B)は(A)における最大
線出力密度を示す特性図。
【図6】(A)は低燃焼度用燃料集合体のみを装荷した
平衡炉心から図5の平衡炉心への移行第1サイクルの炉
心の1/4を示す燃料配置図、(B)は(A)における
最大線出力密度を示す特性図。
【図7】(A)は低燃焼度用燃料集合体のみを装荷した
平衡炉心から図5の平衡炉心への移行第2サイクルの炉
心の1/4を示す燃料配置図、(B)は(A)における
最大線出力密度を示す特性図。
【図8】本発明の第3の実施の形態である2ストリーム
炉心に用いられるタイプ2燃料集合体の各燃料棒の濃縮
度およびガドリニアの軸方向分布図。
【図9】本発明の第4の実施の形態である燃料集合体の
各燃料棒の濃縮度およびガドリニアの軸方向分布図。
【図10】本発明の第5の実施の形態である燃料集合体
の各燃料棒の濃縮度およびガドリニアの軸方向分布図。
【図11】本発明の第6の実施の形態である燃料集合体
の各燃料棒の濃縮度およびガドリニアの軸方向分布図。
【図12】(A)は従来の高燃焼度用燃料集合体を一部
断面で示す立面図、(B)は(A)のB−B矢視断面
図、(C)は(A)のC−C矢視断面図。
【図13】図12における燃料集合体のボイド率40%時の
無限増倍率の燃焼変化を示す特性図。
【図14】(A)は66本の長尺燃料棒2と8本の短尺燃
料棒3で構成された第1の燃料集合体または74本の長尺
燃料棒2のみで構成された第2の燃料集合体を装荷した
炉心の出力ピーキングを示す特性図、(B)は各々の最
大線出力密度を示す特性図、(C)は運転サイクル初期
における軸方向出力分布図、(D)は運転サイクル末期
における軸方向出力分布図。
【図15】図12に示す燃料集合体の下部のみに2本のガ
ドリニアを追加して含有させた場合の無限増倍率の燃焼
変化を示す特性図。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…長尺燃料棒、3…短尺燃料棒、4
…上部タイプレート、5…下部タイプレート、6…太径
ウォータロッド、7…チャンネルボックス、8…スペー
サ、9…外部スプリング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−232274(JP,A) 特開 昭63−133086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/328 G21C 3/326 G21C 5/00 G21C 5/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺燃料棒と前記長尺燃料棒よりも有効
    部分が短い短尺燃料棒とを格子状に束ねて構成される複
    数の燃料集合体からなり同一の沸騰水型原子炉用炉心に
    装荷される燃料集合体群であって、可燃性毒物を含有す
    る燃料棒を有するタイプ1燃料集合体と、可燃性毒物を
    含有する燃料棒の本数が前記タイプ1燃料集合体よりも
    少なく設定されるタイプ2燃料集合体とを具備し、前記
    燃料集合体の最外周にあって前記短尺燃料棒に隣接して
    配置される少なくとも一部の前記長尺燃料棒の核分裂性
    物質含有量は、前記タイプ2燃料集合体の方が前記タイ
    プ1燃料集合体よりも小さく設定されることを特徴とす
    る燃料集合体群。
  2. 【請求項2】 長尺燃料棒と前記長尺燃料棒よりも有効
    部分が短い短尺燃料棒とを格子状に束ねて構成される燃
    料集合体を装荷した沸騰水型原子炉用炉心において、可
    燃性毒物を含有する燃料棒の本数が多いタイプ1燃料集
    合体と、可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が前記タイ
    プ1燃料集合体よりも少ないタイプ2燃料集合体とが装
    荷され、前記燃料集合体の最外周にあって前記短尺燃料
    棒に隣接して配置される少なくとも一部の前記長尺燃料
    棒の核分裂性物質含有量は、前記タイプ2燃料集合体の
    方が前記タイプ1燃料集合体よりも小さいことを特徴と
    する沸騰水型原子炉用炉心。
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