JP2002090487A - 原子炉の炉心及びその運転方法 - Google Patents

原子炉の炉心及びその運転方法

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JP2002090487A
JP2002090487A JP2001229571A JP2001229571A JP2002090487A JP 2002090487 A JP2002090487 A JP 2002090487A JP 2001229571 A JP2001229571 A JP 2001229571A JP 2001229571 A JP2001229571 A JP 2001229571A JP 2002090487 A JP2002090487 A JP 2002090487A
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Kazutaka Hida
和毅 肥田
Hisao Suzuki
壽生 鈴木
Toru Yamamoto
徹 山本
Atsuji Hirukawa
厚治 蛭川
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】初装荷燃料の平均濃縮度を高めた原子炉の炉心
において、余剰反応度を適切な範囲に制御することによ
り十分な炉停止余裕を確保し、初装荷燃料の取出燃焼度
を増大させて燃料の有効利用により経済性を向上させ
る。 【解決手段】第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が
装荷されて第2サイクルまたは第3サイクル以降におい
て取替燃料集合体を装荷される原子炉の炉心において、
少なくとも一部の初装荷燃料集合体の濃縮度が取替燃料
集合体の濃縮度よりも高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉において
取出燃焼度の増大により燃料経済性を向上させた初装荷
炉心に係る原子炉の炉心及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉が建設されて初めて炉心
に装荷される核燃料の燃料集合体は初装荷燃料と呼ばれ
る。このような初装荷燃料としては、原子力発電プラン
トの開発初期の頃には濃縮度が1種類のものが使用され
ていたが、近年では取出燃焼度の向上のために、濃縮度
の異なる複数種のものが使用されるようになった。ただ
し、いずれの場合でも初装荷燃料の平均濃縮度は、第1
サイクルの終了時に炉心の余剰反応度が、ほぼゼロとな
るように設定されており、したがって2.1〜2.5 %とさ
れている。
【0003】このような初装荷炉心の例として、濃縮度
が異なる4種類の初装荷燃料で構成された電気出力 135
万kWの沸騰水型原子炉の炉心の1/4部を図20の燃料
配置構成図に示す。この図20において四角で示したもの
が一般に燃料と呼ばれている燃料集合体の1体を表し、
炉心1は合計 872体の燃料集合体で構成している。
【0004】ここで、四角内に表示したHは濃縮度3.7
%、Mは濃縮度2.5 %、Lは濃縮度1.6 %、そしてSは
濃縮度0.9 %の初装荷燃料集合体であることを示す。こ
の燃料Hの濃縮度は取替燃料集合体と同じであり、燃料
M、L、Sの濃縮度は取替燃料集合体が第1,第2,第
3サイクル炉内に滞在した後の反応度を模擬するように
設定したものである。
【0005】図20において、燃料Hの燃料集合体2と燃
料Mの燃料集合体3、及び燃料Lの燃料集合体4は各々
200体で、燃料Sの燃料集合体5は 272体装荷されてお
り、これによる初装荷燃料の平均濃縮度は2.1 %であ
る。ここで用いられている燃料は高燃焼度燃料集合体の
一例であり、図21(a)の縦断面図と、図21(b)の図
21(a)のb−b矢視断面図、及び図21(c)の図21
(a)のc−c矢視断面図で示す。
【0006】燃料集合体2〜5は長尺の燃料棒6と短尺
燃料棒7、及び太径ウォータロッド8を、スペーサ9に
より9行9列の正方格子状に束ねて、上部タイプレート
10及び下部タイプレート11に固定して燃料棒束とし、こ
の燃料棒束をチャンネルボックス12で包囲して構成して
いる。前記短尺燃料棒7は燃料集合体2〜5の上部にお
ける冷却材流路を拡大して、圧力損失を低減すると共に
炉停止余裕を向上している。
【0007】炉心1では図20において白丸の位置に制御
棒13が 205本具備されているが、この制御棒13の1本
と、これを取り囲む燃料集合体4体を合わせて1つのセ
ルと呼ぶ。ただし、炉心最外周の一部にはセルを構成し
ない燃料が存在する。
【0008】また、原子炉の運転中に炉心1の余剰反応
度を制御棒13でコントロールするために、制御棒13の移
動による制御棒13と隣接した燃料の出力分布歪が緩和さ
れるように、濃縮度が低いかまたは燃焼が進んだ結果か
ら、反応度が低い燃料を4体配した低反応度セル14(コ
ントロールセルとも呼ばれる)を炉心1内に離散的に配
置している。なお、本炉心1では太枠で示された21個の
低反応度セル14があり、最低濃縮度の燃料集合体5
(S)が装荷されている。
【0009】このような初装荷炉心による第1サイクル
の運転が終了すると、初装荷燃料集合体のうち反応度の
低下した約 200体を炉心1から取り出して、新たに取替
燃料集合体を装荷して第2サイクルの運転を行い、以下
同様に順次、第3,第4サイクルと運転が繰り返され
る。
【0010】これに対して初装荷燃料の取出燃焼度を大
幅に増大させる発明が特開昭60−119492号公報「原子炉
の運転方法」に開示されている。この発明は全ての初装
荷燃料の濃縮度を取替燃料と同一とすることにより、第
1サイクルの運転終了後において燃料交換を行わずに第
2サイクルの運転を行うものである。
【0011】これにより、取替燃料との交換作業を省略
すると共に、燃料経済性を従来よりも大幅に向上させ
る。しかしながらこの発明では、第2サイクル終了時に
おいて炉心の余剰反応度はゼロにならず、未だ運転でき
る余力を残したままで原子炉を停止しなければならない
という課題があった。
【0012】また、上記課題を解決するための発明が、
特開平 2−222867号公報「原子炉の運転方法」に開示さ
れている。この発明では、濃縮度が異なる2種類以上の
初装荷燃料を用意して、高濃縮度燃料の濃縮度を取替燃
料と同一とすると共に、低濃縮度燃料の濃縮度と装荷体
数を、第1サイクルの運転終了後に燃料交換をせずに第
2サイクルの運転を行い、しかも第2サイクルの終了時
には炉心の余剰反応度がゼロとなるように定めることが
提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記2つ
の発明では未だ以下のような課題が残されている。沸騰
水型原子炉では一般に炉心1における余剰反応度を1〜
2%Δkの適切な範囲に制御するために、燃料集合体2
〜5を構成する一部の燃料棒6,7にガドリニア等の可
燃性毒物を含有させている。
【0014】燃料集合体2〜5の1体当たりの可燃性毒
物入り燃料棒の本数は、燃焼サイクル初期における余剰
反応度を適切な範囲に設定するように、また可燃性毒物
の濃度は燃焼サイクルの長さにほぼ比例して決定され
る。前記図20に示した平均濃縮度2.1 %の初装荷炉心に
おいて、従来使用されてきた最高濃度である7.5 %のガ
ドリニアを、燃料集合体H、M、Lを構成する適切な本
数の燃料棒に含有させた場合の第1サイクルの余剰反応
度は、1.2 〜2 %Δkの一定値を取り、サイクル末期に
はほぼゼロとなる。
【0015】ところが、初装荷燃料の平均濃縮度が高く
なると、原子炉の運転期間が一定であっても、従来の濃
度の可燃性毒物を用いたままでは運転サイクル中期以降
の余剰反応度が増大してしまう。一例として、図20にお
いて各初装荷燃料の装荷体数を調整して平均濃縮度を
2.7%に高めた初装荷炉心の余剰反応度は、サイクル後
半で3%Δkを超える。
【0016】また、平均濃縮度が高くなると、一般に原
子炉運転時の反応度と原子炉停止時の反応度との差が大
きくなり、したがって、平均濃縮度を従来よりも大幅に
高めた上記発明による初装荷炉心では、仮に余剰反応度
を適切な範囲に設定できたとしても、十分な炉停止余裕
を確保することが困難になる支障がある。
【0017】ここで原子炉停止時には、全ての制御棒が
炉心に挿入されて未臨界となっているが、何らかの理由
により1本の制御棒が炉心に挿入されない場合でも原子
炉が未臨界であることが要求されており、最大反応度価
値の制御棒が挿入されなかった場合の未臨界度が炉停止
余裕である。
【0018】さらに、可燃性毒物としてガドリニアを用
いた場合に、可燃性毒物入り燃料棒1本当たりの反応度
効果は3〜4%Δkであるから、初装荷燃料の大半を占
める高濃縮度燃料集合体における可燃性毒物入り燃料棒
本数の調整により、余剰反応度を常に適切な範囲に設定
できるとは限らない。
【0019】例えば、初装荷燃料の平均濃縮度を0.1 %
増大させるためには、余剰反応度を約1%Δk低下させ
る必要があるが、可燃性毒物入り燃料棒の本数を1本増
やすと余剰反応度は2〜3%Δk低下してしまう。
【0020】また、前記特開平 2−222867号公報に開示
されている発明では、第2サイクル終了時には低濃縮度
初装荷燃料の他に一部の高濃縮度初装荷燃料が取替燃料
と交換される。ところが、この取替燃料は4サイクル以
上炉心に装荷されているのに対して、高濃縮度燃料のう
ち2サイクル終了後に炉心から取り出されたものは、取
替燃料と同一の濃縮度であるにもかかわらず取出燃焼度
が低く、その結果として燃料経済性が劣ることになる。
【0021】従来より最高濃縮度の初装荷燃料集合体と
しては、取替燃料集合体と同じ濃縮度の燃料が使用され
ていた。ところが濃縮度が等しくても取出燃焼度は、平
均的な炉内装荷期間が長い取替燃料の方が初装荷燃料よ
りも大きく、初装荷燃料には未だ改良の余地が残ってい
た。その一例として、前記特開昭60−119492号公報で開
示されている発明に基づいて、全ての初装荷燃料の濃縮
度を取替燃料と同一としても、初装荷燃料の平均取出燃
焼度は取替燃料のそれよりも低い。
【0022】また、取替炉心にはすでに数サイクルの間
炉心において燃焼が進んだ燃料が多数装荷されており、
一般に上下端に近い領域ほど燃焼が進まないため、これ
らの領域では核分裂性物質が内部領域よりも多く残って
おり、これが軸方向出力分布の平坦化に寄与している。
しかしながら、燃焼の進んでいない初装荷炉心では、燃
焼度分布によるこのような出力分布の平坦化作用を期待
することはできないので、取替炉心に比べて軸方向出力
ピーキングが増大する支障がある。
【0023】本発明の目的とするところは、初装荷燃料
の平均濃縮度を高めた原子炉の炉心において、余剰反応
度を適切な範囲に制御することにより十分な炉停止余裕
を確保し、初装荷燃料の取出燃焼度を増大させて燃料の
有効利用により経済性を大幅に向上させた原子炉の炉心
とその運転方法及び燃料集合体を提供することにある。
【0024】
【発明を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る原子炉の炉心は、第1サ
イクルにおいて初装荷燃料集合体が装荷されて第2サイ
クルまたは第3サイクル以降において取替燃料集合体を
装荷される原子炉の炉心において、少なくとも一部の前
記初装荷燃料集合体の濃縮度が前記取替燃料集合体の濃
縮度よりも高いことを特徴とする。
【0025】請求項2記載の発明に係る原子炉の炉心
は、第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が装荷され
て第2サイクルまたは第3サイクル以降にて取替燃料集
合体が装荷される原子炉の炉心において、前記取替燃料
集合体が上端及び下端の少なくとも一方に可燃性毒物を
含有しない低濃縮度領域を具備し且つ少なくとも一部の
前記初装荷燃料集合体は上端及び下端の少なくとも一方
において前記可燃性毒物を含有しない低濃縮度領域を具
備しないか、またはその長さが前記取替燃料集合体より
も短いことを特徴とする。
【0026】請求項3記載の発明に係る原子炉の炉心
は、1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体と
から構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成さ
れる原子炉の炉心において、濃縮度が異なる2種類以上
の初装荷燃料集合体が装荷され、炉心最外周を除くほと
んど全ての前記セルが最高濃縮度初装荷燃料集合体より
も濃縮度が低い低濃縮度初装荷燃料集合体を少なくとも
1体含むか、またはセルのXまたはY方向のいずれかの
面において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と少なくとも
2体面する。
【0027】またはセルの隅部4カ所のうち少なくとも
3カ所において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方
向に隣接するか、またはセルのXまたはY方向のいずれ
かの面において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と1体面
すると共にセルの隅部4カ所のうち少なくとも1カ所に
おいて前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方向に隣接
するか、のいずれかであることを特徴とする。
【0028】請求項4記載の発明に係る原子炉の炉心
は、4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体で構成され
た高反応度セルと4体の前記低濃縮度初装荷燃料集合体
で構成された低反応度セルとを具備してなる原子炉の炉
心において、炉心最外周を除くほとんど全ての前記セル
について前記高反応度セルはXまたはY方向の少なくと
もいずれか一方において前記低反応度セルと面し且つ前
記低反応度セルにX及びY方向のいずれにおいても面し
ない前記セルには前記低濃縮度初装荷燃料集合体が少な
くとも1体装荷されていることを特徴とする。
【0029】請求項5記載の発明に係る原子炉の炉心
は、1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体と
から構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成さ
れる原子炉の炉心において、濃縮度が異なる2種類以上
の初装荷燃料集合体が装荷されて最高濃縮度の前記初装
荷燃料集合体が下部の一部分のみに可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数が異なる2種類以上で構成したことを特
徴とする。
【0030】請求項6記載の発明に係る原子炉の炉心
は、各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるよ
うに同心円状で径方向に2分割した炉心において、前記
最高濃縮度初装荷燃料集合体が第1の燃料集合体と下部
の一部分のみに可燃性毒物を含有する燃料棒本数が前記
第1の燃料集合体よりも多い第2の燃料集合体とで構成
されこの第2の燃料集合体が炉心周辺領域よりも炉心内
部領域に多く配置したことを特徴とする。
【0031】請求項7記載の発明に係る原子炉の炉心
は、4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体で構成され
た高反応度セルと前記最高濃縮度初装荷燃料集合体より
も濃縮度の低い4体の前記初装荷燃料集合体で構成され
た低反応度セルとを備えてなる原子炉の炉心において、
前記低反応度セルにX及びY方向のいずれにおいても面
しない前記高反応度セルには前記低反応度セルにX及び
Y方向の少なくともいずれか一方において面する前記高
反応度セルよりも前記第2の燃料集合体を多く装荷した
ことを特徴とする。
【0032】請求項8記載の発明に係る原子炉の炉心
は、初装荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心におい
て、上端または下端に設けられた可燃性毒物を含有しな
い低濃縮度領域を除いた軸方向内部領域にて前記可燃性
毒物を含有しない低濃縮度領域に隣接する軸方向領域の
少なくとも一方における可燃性毒物入り燃料棒本数また
は可燃性毒物濃度の一方または両方が軸方向中央領域よ
りも少ない前記初装荷燃料集合体を装荷したことを特徴
とする。
【0033】請求項9記載の発明に係る原子炉の炉心の
運転方法は、請求項1乃至請求項8記載の原子炉の炉心
において、第1サイクル運転終了後に炉心内の前記初装
荷燃料集合体と前記取替燃料集合体との燃料交換を行わ
ないことを特徴とする。請求項10記載の発明に係る原子
炉の炉心の運転方法は、第1サイクル運転終了後に炉心
内の前記初装荷燃料集合体の配置を変更することを特徴
とする。
【0034】請求項11記載の発明に係る原子炉の炉心の
運転方法は、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集
合体が装荷された原子炉の炉心において、第2サイクル
運転終了後に最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体よりも
濃縮度の低い前記初装荷燃料集合体のみを取替燃料集合
体と交換することを特徴とする。
【0035】第1の関連発明に係る原子炉の炉心は、複
数の燃料棒を正方格子状に束ねて構成された初装荷燃料
集合体が装荷された原子炉の炉心において、前記初装荷
燃料集合体の平均濃縮度が約2.7 %以上であり、かつ可
燃性毒物として前記燃料棒に含有されるガドリニアの濃
度が少なくとも一部の前記初装荷燃料集合体において7.
5 %よりも高いことを特徴とする。
【0036】第2の関連発明に係る原子炉の炉心は、第
1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が装荷され第2サ
イクルまたは第3サイクル以降において取替燃料集合体
が装荷される原子炉の炉心において、前記初装荷燃料集
合体の平均取出燃焼度が前記取替燃料集合体の平均取出
燃焼度の約0.7 倍以上であることを特徴とする。
【0037】第3の関連発明に係る原子炉の炉心は、第
1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が装荷され第2サ
イクルまたは第3サイクル以降において取替燃料集合体
が装荷される原子炉で各領域に含まれる燃料集合体数が
ほぼ等しくなるように同心円状で径方向に2分割した炉
心において、第1サイクルにて炉心周辺領域に配置され
ていた前記初装荷燃料集合体を第2サイクルにおいて炉
心周辺領域よりも炉心内部領域に多く配置したことを特
徴とする。
【0038】第4の関連発明に係る原子炉の炉心は、濃
縮度が異なる2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷され
た原子炉の炉心において、第1サイクル及び第2サイク
ルにて炉心最外周に最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体
が配置されて第1サイクルにおいて炉心最外周に配置さ
れた前記最高濃縮度初装荷燃料集合体と異なる前記最高
濃縮度初装荷燃料集合体が第2サイクルにおいて炉心最
外周に配置することを特徴とする。
【0039】第5の関連発明に係る原子炉の炉心は、第
1サイクルの運転中に原子炉の炉心に挿入される制御棒
の本数が炉心内部領域よりも炉心周辺領域において多い
ことを特徴とする。
【0040】第6の関連発明に係る原子炉の炉心は、1
本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構
成されるセルを正方格子状に多数配列して構成される原
子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装
荷燃料集合体を装荷すると共に第1サイクル及び第2サ
イクルにおいて最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体より
も濃縮度の低い4体の前記初装荷燃料集合体で低反応度
セルを構成して運転中に制御棒が挿入される前記低反応
度セルの数が第1サイクルよりも第2サイクルにおいて
多いことを特徴とする。
【0041】第7の関連発明に係る原子炉の炉心は、1
本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構
成されるセルを正方格子状に多数配列して構成される原
子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装
荷燃料集合体を装荷すると共に最高濃縮度の前記初装荷
燃料集合体が少なくとも上下端を除く大部分に可燃性毒
物を含有する燃料棒の本数が異なる2種類以上で構成し
たことを特徴とする。
【0042】第8の関連発明に係る原子炉の炉心は、各
領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同
心円状で径方向に2分割した炉心において、前記最高濃
縮度初装荷燃料集合体が第1の燃料集合体と可燃性毒物
入り燃料棒本数が前記第1の燃料集合体よりも少ない第
2の燃料集合体とで構成されて前記第1の燃料集合体を
炉心周辺領域よりも炉心内部領域に多く配置したことを
特徴とする。
【0043】第9の関連発明に係る原子炉の炉心は、前
記第1の燃料集合体が炉心最外周に配置されると共に前
記第2の燃料集合体が炉心最外周から2層目及び3層目
の少なくとも一方に配置したことを特徴とする。
【0044】第10の関連発明に係る原子炉の炉心は、4
体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体で構成された高反
応度セルと前記最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮
度の低い4体の前記初装荷燃料集合体で構成された低反
応度セルとを備えてなる原子炉の炉心において、前記低
反応度セルにX及びY方向のいずれにおいても面しない
前記高反応度セルには、前記低反応度セルにX及びY方
向の少なくともいずれか一方において面する前記高反応
度セルよりも前記第1の燃料集合体が多く装荷されてい
ることを特徴とする。
【0045】第11の関連発明に係る燃料集合体は、複数
の燃料棒を正方格子状に束ねて構成された燃料集合体に
おいて、この燃料集合体を構成する少なくとも1本の可
燃性毒物入り燃料棒がX及びY方向の4方向にて他の可
燃性毒物入り燃料棒と面していることを特徴とする。
【0046】第12の関連発明に係る原子炉の炉心は、濃
縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷され
た原子炉の炉心において、最高濃縮度の前記初装荷燃料
集合体が第11の関連発明に係る燃料集合体であるか、ま
たは外管と内管とからなる二重管構造で外管と内管とで
形成された環状部に可燃性毒物を設けたウォータロッド
を少なくとも1本具備する燃料集合体で、しかも前記最
高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度の低い前記初装
荷燃料集合体が可燃性毒物を含有しないか、または前記
最高濃縮度初装荷燃料集合体に含有されている可燃性毒
物よりも反応度寿命が短い可燃性毒物を含有しているこ
とを特徴とする。
【0047】
【作用】請求項1乃び請求項2は第一発明群に係るもの
で、炉心には第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が
装荷され、第2サイクルまたは第3サイクル以降におい
て取替燃料集合体を装荷されていて、少なくとも一部の
前記初装荷燃料集合体の濃縮度が前記取替燃料集合体の
濃縮度よりも高く構成している。
【0048】また、第1サイクルにおいて初装荷燃料集
合体が装荷され、第2サイクルまたは第3サイクル以降
にて取替燃料集合体が装荷される場合に、前記取替燃料
集合体が上端または下端の少なくとも一方に可燃性毒物
を含有しない低濃縮度領域を具備し、かつ少なくとも一
部の前記初装荷燃料集合体は上端及び下端の少なくとも
一方において前記可燃性毒物を含有しない低濃縮度領域
を具備しないか、または、その長さが前記取替燃料集合
体よりも短く構成している。
【0049】この第一発明群による作用としては、初装
荷燃料のうち最高濃縮度燃料集合体の濃縮度を取替燃料
集合体よりも高くすることによって、その取出燃焼度を
取替燃料集合体と同程度にまで高めることが可能とな
り、初装荷燃料の経済性を向上させることができる。た
だし、初装荷燃料の濃縮度を高めると、出力ピーキング
が増大して熱的余裕が低下する可能性がある。
【0050】ここで、近年の燃料では燃焼効率の向上の
ために可燃性毒物を含有しない低濃縮度領域を上下端に
設けていることを考慮すると、最高濃縮度の初装荷燃料
においてこの低濃縮度領域を具備しないか、またはその
長さを短くすることによって、燃料集合体平均の濃縮度
を高めることができる。この場合に軸方向出力分布が平
坦化されるので、出力ピーキングの過度な増大を招くこ
となく、取出燃焼度を増大させることができる。
【0051】請求項3及び請求項4は第二発明群に係る
もので、原子炉の炉心を1本の制御棒とこれを囲繞する
4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に
多数配列して構成し、初装荷燃料は濃縮度が異なる2種
類以上の燃料集合体を装荷する。
【0052】この炉心は、その最外周を除くほとんど全
ての前記セルが、最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃
縮度が低い低濃縮度初装荷燃料集合体を少なくとも1体
含むか、またはセルのX,Y方向のいずれかの面におい
て前記低濃縮度初装荷燃料集合体と少なくとも2体面す
るか、またはセルの隅部4カ所のうち少なくとも3カ所
において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方向に隣
接するか、またはセルのX、Y方向のいずれかの面にお
いて前記低濃縮度初装荷燃料集合体と1体面すると共に
セルの隅部4カ所のうち少なくとも1カ所において前記
低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方向に隣接するか、の
いずれかの構成である。
【0053】また、4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集
合体16,17で構成された高反応度セル19と4体の前記低
濃縮度初装荷燃料集合体18で構成された低反応度セル14
とを具備し、炉心最外周を除くほとんど全ての前記セル
において、前記高反応度セル19はXまたはY方向の少な
くともいずれか一方において前記低反応度セル14と面
し、かつ前記低反応度セル14にX及びY方向のいずれに
おいても面しない前記セルには前記低濃縮度初装荷燃料
集合体18が少なくとも1体装荷した構成としている。
【0054】この第二発明群による作用としては、平均
濃縮度を大幅に高めた炉心において十分な炉停止余裕を
確保することができる。すなわち、図3(a)の要部燃
料配置構成図に示すように、炉心の6行6列部分の燃料
配置において、黒丸位置の制御棒13aの制御棒価値は、
この制御棒13aを取り囲む4体の燃料の位置Aと、これ
らをさらに取り囲む8体の燃料の位置B、及び4体の燃
料の位置Cの反応度に大きく依存する。
【0055】また図3(b)の特性図は、全ての燃料が
高濃縮度燃料集合体16(1)と高濃縮度燃料集合体17
(2)である場合の制御棒13の制御棒価値を基準にし
て、低濃縮度燃料集合体18(L)の装荷によって炉停止
余裕が改善されて行く様子を示したものである。
【0056】高濃縮度燃料集合体16,17の1体を低濃縮
度燃料集合体18の1体に置き換えた効果は、燃料位置A
で最も大きく、位置B、位置Cの順に減少している。こ
の図3(b)から低濃縮度燃料集合体18を、Aの位置に
1体か、Bの位置に2体か、Cの位置に3体か、または
B及びCの位置に1体ずつ配置することによって、同程
度に炉停止余裕を改善することができることが分かる。
【0057】したがって、この第二発明群に基づいて、
炉停止余裕の改善に効果的な場所から優先的に低濃縮度
燃料集合体18を装荷することによって、低濃縮度燃料集
合体18の装荷体数を最小限に止めることができるので、
その分だけ高濃縮度燃料集合体16,17の装荷体数が増加
して、初装荷燃料の平均濃縮度を大幅に増加させること
が可能となる。
【0058】請求項5乃至請求項7は第三発明群に係る
もので、例えば図1の燃料配置構成図に示すように、原
子炉の炉心を1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料
集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列し
て構成する。この炉心には濃縮度が異なる2種類以上の
初装荷燃料集合体が装荷され、最高濃縮度の前記初装荷
燃料集合体がさらに下部の一部分のみに可燃性毒物を含
有する燃料棒の本数が異なる2種類以上で構成されてい
る。
【0059】また、炉心では各領域に含まれる燃料集合
体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に2分割
し、前記最高濃縮度初装荷の燃料集合体が第1の燃料集
合体(16)と、下部の一部分のみに可燃性毒物を含有す
る燃料棒本数が前記第1の燃料集合体よりも多い第2の
燃料集合体(17)とで構成されて、この第2の燃料集合
体17が炉心周辺領域よりも炉心内部領域に多く配置して
構成する。
【0060】さらに、4体の前記最高濃縮度初装荷の燃
料集合体16,17で高反応度セル19を構成すると共に、前
記最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度の低い4体
の前記初装荷燃料集合体18で構成された低反応度セル14
に、X及びY方向のいずれにおいても面しない前記高反
応度セルには、前記低反応度セル14にXまたはY方向の
少なくともいずれか一方において面する前記高反応度セ
ル19よりも前記第2の燃料集合体を多く装荷して構成す
る。
【0061】この第三発明群の作用は、高濃縮度初装荷
燃料集合体16,17が多く装荷された初装荷炉心におい
て、下部のみに可燃性毒物を含有する燃料棒が異なる2
種類以上の高濃縮度初装荷燃料集合体16,17を装荷し、
その装荷体数を調整することによって、第1及び第2サ
イクルの軸方向出力分布を適切に制御することができ
る。
【0062】特に、下部のみに可燃性毒物を含有する燃
料棒本数が多い高濃縮度初装荷の第2の燃料集合体(1
7)を、出力分布が特に下方に歪みやすい炉心内部領域
や低反応度セル14に隣接しないセルに多く配置すること
によって、軸方向出力分布を平坦化することができるの
で熱的余裕が増大する。
【0063】請求項8は第四発明群に係るもので、初装
荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心を、上端または
下端に設けられた可燃性毒物を含有しない低濃縮度領域
を除いた軸方向内部領域にて、前記可燃性毒物を含有し
ない低濃縮度領域に隣接する軸方向領域の少なくとも一
方における可燃性毒物入り燃料棒の本数、または可燃性
毒物濃度の一方、または両方が軸方向中央領域よりも少
ない前記初装荷燃料集合体を装荷して構成している。
【0064】この第四発明群による作用は、上下端に近
い領域の可燃性毒物含有量を少なくすることによって、
第1及び第2サイクルにおいて、これらの領域の反応度
を高めて軸方向出力分布を平坦化すると共に、これらの
領域の燃焼が促進することによって、第3サイクルにお
いて、これらの領域に出力ピークが生ずることが抑止で
きる。したがって、第1乃至第3サイクルにわたって軸
方向出力分布を取替炉心並みに平坦化して、熱的余裕を
増大することができる。
【0065】請求項9乃至請求項11は第五発明群に係る
もので、炉心において第1サイクル運転終了後に、炉心
内の初装荷燃料集合体と取替燃料集合体との交換を行わ
ないで運転を行う。また、第1サイクル運転終了後に炉
心内の初装荷燃料集合体の配置を変更して運転を行う。
【0066】さらに、濃縮度の異なる2種類以上の初装
荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、第2
サイクル運転終了後に最高濃縮度の前記初装荷燃料集合
体よりも濃縮度の低い前記初装荷燃料集合体のみを取替
燃料集合体と交換して炉心を構成する。
【0067】この第五発明群による作用は、第1サイク
ル終了後に燃料交換が行われないので、全ての初装荷燃
料が少なくとも2サイクル以上炉心内に滞在させること
になり、この結果、取出燃焼度が増大すると共に、原子
炉の定期検査の工程が簡素化される。さらに、最高濃縮
度の初装荷燃料が燃焼余力を残したままとなり、第2サ
イクル終了後に取り出されることがないので、核燃料資
源を有効に利用することができる。
【0068】第1の関連発明及び第2の関連発明は第一
関連発明群に係るもので、図1の燃料配置構成図は炉心
の1/4を示したもので、図1(a)は第1サイクルの
炉心15a、図1(b)は第2サイクルの炉心15bで、い
ずれも3種類の初装荷燃料集合体が装荷されている。図
中で4角内に1で示した燃料集合体16と、2で示した燃
料集合体17は同じ高濃縮度初装荷燃料であり、Lで示し
た燃料集合体18は低濃縮度初装荷燃料である。
【0069】なお、1本の制御棒13の周囲に4体の燃料
集合体16〜18を配置したものが1セルで、4体の燃料集
合体全てに低濃縮度初装荷燃料である燃料集合体18
(L)を配置した、太枠で示す部分の低反応度セル14に
対して、高反応度セル19と呼んでいる。
【0070】前記原子炉の炉心15a,15bに装荷された
燃料集合体は、夫々複数の燃料棒を正方格子状に束ねて
構成され、四角内に1と2で示した初装荷燃料の平均濃
縮度が約2.7 %以上であり、かつ可燃性毒物として燃料
棒に含有されるガドリニアの濃度が少なくとも一部の初
装荷燃料集合体において7.5 %よりも高く含有させてい
る。
【0071】また、図1(a)に示す第1サイクルの炉
心15aにおいて初装荷燃料集合体が装荷され、図2
(b)の第2サイクルの炉心15bまたは第3サイクル以
降において取替燃料集合体が装荷される炉心において、
前記初装荷燃料集合体の平均取出燃焼度を前記取替燃料
集合体の平均取出燃焼度の約0.7 倍以上とする。
【0072】以上の第一関連発明群の作用としては、平
均濃縮度を大幅に高めた初装荷炉心においては、第1サ
イクルの余剰反応度を適切な範囲に設定することができ
る。図2の特性図は上記図20の従来例で用いられた4種
類の初装荷燃料集合体のうち、燃料集合体2(H)と燃
料集合体4(L)を用いて、その装荷体数割合の調整に
よって構成した平均濃縮度の異なる種々の初装荷炉心に
おける第1サイクルの余剰反応度の最大値を示したもの
である。
【0073】燃料集合体2(H)は従来用いられてきた
濃度 7.5%のガドリニア入り燃料棒を9本、また燃料集
合体4(L)は2本有していて、本来、装荷体数割合の
変更に伴ってガドリニア入り燃料棒の本数を調整する必
要があるが、サイクル末期付近ではガドリニアの反応度
価値は消滅しているので、余剰反応度の最大値はガドリ
ニア入り燃料棒本数の影響をあまり受けない。
【0074】図2においては、炉心最外周に燃料集合体
4(L)を配置した場合が曲線20、燃料集合体2(H)
を配置した場合を曲線21で示す。炉心最外周に燃料集合
体2を配置した場合に、平均濃縮度が約 2.7%以上の炉
心では余剰反応度が 4.5%Δkを越えている。一般に低
反応度セルはX方向、Y方向及び対角方向において互い
に隣接しないように配置されるため、従来の図20に示す
炉心1では最大45個の低反応度セル14を配置できる。
【0075】しかしながら、45本の制御棒13で制御可能
な余剰反応度は約 4.5%Δkであるから、濃度 7.5%の
ガドリニアを用いる限り、平均濃縮度が約 2.7%以上の
初装荷炉心では原子炉の制御ができないことになる。し
たがって、この第一関連発明群に基づいて 7.5%よりも
高濃度のガドリニアを使用することにより、適切な余剰
反応度を有する平均濃縮度が約 2.7%以上の初装荷炉心
を構成することができる。
【0076】一方、炉心最外周に高濃縮度燃料集合体16
(1)と高濃縮度燃料集合体17(2)を配置すると、炉
心からの中性子の漏洩が増大するので余剰反応度を低く
でき、平均濃縮度が約 2.9%以上の炉心で余剰反応度が
4.5%Δkを越える。したがって、このような燃料配置
を採用した炉心では、平均濃縮度が約 2.9%以上で、7.
5%よりも高濃度のガドリニアを用いればよい。
【0077】図2における曲線22は、1種類の燃料集合
体で構成した種々の濃縮度の初装荷炉心において、濃度
7.5%のガドリニアを用いた場合の第1サイクルの余剰
反応度の最大値で、この図2から分かるように濃縮度の
異なる複数の燃料で構成した初装荷炉心の場合は、曲線
20または曲線21に比べて余剰反応度はかなり大きくなっ
ている。これは、燃料の濃縮度が高いほど中性子スペク
トルがハードになるためガドリニアの燃焼が遅れるから
である。
【0078】すなわち、平均濃縮度が同じであれば、濃
縮度が異なる複数の燃料で炉心を構成し、濃縮度の高い
燃料により多くの可燃性毒物を含有させることによっ
て、可燃性毒物の反応度寿命を長期化させ、これにより
余剰反応度を低減することができる。
【0079】この第一関連発明群によって平均濃縮度を
大幅に高めたことにより、初装荷燃料の平均取出燃焼度
が従来よりも大幅に増加し、従来の図20に示した平均濃
縮度2.1%の初装荷炉心1では、初装荷燃料の平均取出
燃焼度は約25GWd/tであり、濃縮度 3.7%の取替燃
料の平均取出燃焼度45GWd/tの0.56倍にしか満たな
いが、第一関連発明群に基づいて平均濃縮度を 2.7%に
高めた初装荷炉心15aでは、平均取出燃焼度は約32GW
d/tとなり、取替燃料の平均取出燃焼度の0.71倍とな
る。
【0080】第3の関連発明乃至第5の関連発明は第二
関連発明群に係るもので、例えば図1の燃料配置構成図
に示すように、第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体
が装荷され、第2サイクルまたは第3サイクル以降にて
取替燃料集合体が装荷される原子炉を、各領域に含まれ
る燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方
向に斜線23部分で2分割した炉心において、第1サイク
ルにて炉心周辺領域に配置されていた前記初装荷燃料集
合体を第2サイクルにおいて炉心周辺領域よりも炉心内
部領域に多く配置して運転する。
【0081】また、この濃縮度が異なる2種類以上の初
装荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、第
1サイクル及び第2サイクルにて炉心最外周に最高濃縮
度の前記初装荷燃料集合体を配置し、第1サイクルにお
いて炉心最外周に配置された前記最高濃縮度初装荷燃料
集合体と異なる前記最高濃縮度初装荷燃料集合体を第2
サイクルにおいて炉心最外周に配置して運転する。
【0082】さらに、炉心の各領域に含まれる燃料集合
体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に斜線23
部分で2分割して、第1サイクルの運転中に原子炉の炉
心に挿入される制御棒の本数を炉心内部領域よりも炉心
周辺領域において多くして運転する。
【0083】この第二関連発明群による作用として、第
2サイクルの余剰反応度を抑制できると共に、より長く
運転することができる。図1(a)の炉心15aに示す第
1サイクルにおいて炉心周辺領域に配置されていた初装
荷燃料の高濃縮燃料集合体16,17は出力が低いため燃焼
が進まないので、これに含有されている可燃性毒物及び
核分裂性物質は、第2サイクル移行時においても十分に
残っている。
【0084】したがって、初装荷燃料集合体16〜18を図
1(b)の炉心15bに示す第2サイクルにおいて、炉心
の内部領域に移動させることにより、可燃性毒物の濃度
を過度に高めることなく第2サイクルの余剰反応度を適
切な範囲に制御することができると共に、第2サイクル
の燃焼効率を高くなる。
【0085】なお、そのためには、可燃性毒物を多く含
有する最高濃縮度初装荷燃料の燃料集合体16,17を、第
1サイクルにおいて炉心周辺領域、特に炉心最外周に配
置することが効果的であり、さらに、第1サイクルにお
いて制御棒13の挿入によって炉心周辺領域の燃料の燃焼
を一層遅れさせることによって、前記の作用をさらに強
調することができる。
【0086】第6の関連発明は第三関連発明群に係るも
ので、例えば図1の燃料配置構成図に示すように、1本
の制御棒13とこれを囲繞する4体の燃料集合体16〜18と
から構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成さ
れる原子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上
の初装荷燃料集合体を装荷すると共に、第1サイクル及
び第2サイクルにおいて最高濃縮度の前記初装荷燃料の
燃料集合体16,17よりも濃縮度の低い4体の前記初装荷
の燃料集合体18で低反応度セル14を構成して、運転中に
制御棒13が挿入される前記低反応度セル14の数が第1サ
イクルよりも第2サイクルにおいて多くして運転する。
【0087】この第三関連発明群による作用は、上記の
第二関連発明群によっても第2サイクルの余剰反度を十
分に抑制できない場合に、第1サイクルよりも多い制御
棒13を炉心に挿入することにより、第2サイクルの余剰
反応度を制御することができる。また一般に、燃焼に伴
って燃料の反応度が減少して行くために、1本の制御棒
13の反応度価値は、これを取り囲む燃料の燃焼と共に減
少する。その結果、第1及び第2サイクルにおいて同じ
濃縮度の初装荷燃料を低反応度セル14に用いた場合に、
両サイクルにおいて余剰反応度が等しい場合であって
も、第2サイクルの方がより多くの制御棒13を挿入しな
ければならない。
【0088】しかしながら、この第三関連発明群によれ
ば、このような状況に対処することができ、第1及び第
2サイクル共に適切な本数の制御棒13を使用することに
よって原子炉を運転することができる。
【0089】第7の関連発明乃至第10の関連発明は第四
関連発明群に係るもので、原子炉の炉心は1本の制御棒
とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセ
ルを正方格子状に多数配列して構成している。この炉心
は濃縮度の異なる2種類以上の初装荷の燃料集合体16〜
18を装荷すると共に、最高濃縮度の前記初装荷の燃料集
合体16,17がさらに少なくとも上下端を除く大部分に可
燃性毒物を含有する燃料棒の本数が異なる2種類以上で
構成している。
【0090】また、各領域に含まれる燃料集合体数がほ
ぼ等しくなるように同心円状で径方向に2分割した炉心
において、前記最高濃縮度初装荷燃料集合体を第1の燃
料集合体と、この第1の燃料集合体よりも可燃性毒物入
り燃料棒本数が多い第2の燃料集合体とで構成して、こ
の第2の燃料集合体を炉心周辺領域よりも炉心内部領域
に多く配置する。
【0091】さらに、前記第2の燃料集合体が炉心最外
周に配置されると共に、前記第1の燃料集合体を炉心最
外周から2層目及び3層目の少なくとも一方に配置して
構成する。また、4体の前記最高濃縮度初装荷の燃料集
合体16,17で高反応度セル19を構成し、前記最高濃縮度
初装荷の燃料集合体16,17よりも濃縮度の低い4体の前
記初装荷の燃料集合体18で構成された低反応度セル14に
X及びY方向のいずれにおいても面しない前記高反応度
セル19には、前記低反応度セル14にX及びY方向の少な
くともいずれか一方において面する前記高反応度セル19
よりも前記第2の燃料集合体を多く装荷する。
【0092】この第四関連発明群よる作用として、高濃
縮度初装荷燃料が多く装荷された初装荷炉心15aにおい
て、可燃性毒物入り燃料棒本数が異なる2種類以上の高
濃縮度初装荷の燃料集合体16,17を装荷し、その装荷体
数割合を調整することによって、第1及び第2サイクル
の余剰反応度を適切な範囲に設定することができる。
【0093】さらに、可燃性毒物入り燃料棒本数が多い
高濃縮度初装荷の燃料集合体17を炉心内部領域に多く配
置することによって、炉心径方向出力分布を平坦化する
ことができるので、熱的余裕が増大する。特に、可燃性
毒物入り燃料棒本数が少ない高濃縮度初装荷燃料16を炉
心最外周に配置し、炉心最外周よりも内部においては可
燃性毒物入り燃料棒本数が異なる高濃縮度初装荷燃料を
ほぼ均等に配置すると良い。
【0094】あるいは、可燃性毒物入り燃料棒本数が多
い高濃縮度初装荷燃料集合体17を炉心最外周に配置し、
可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない高濃縮度初装荷の燃
料集合体16を炉心最外周から2層目または2層目と3層
目に配置することによっても第1サイクルの炉心径方向
出力分布を平坦化することができる。この場合さらに、
上記第二関連発明群に基づいて、第1サイクル終了後に
炉心最外周に装荷されていた可燃性毒物入り燃料棒本数
が多い高濃縮度初装荷燃料集合体17を炉心内部領域の燃
料集合体と入れ替えることによって、第2サイクルの余
剰反応度を十分に低減することができる。
【0095】一方、可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない
高濃縮度初装荷の燃料集合体16を炉心最外周に配置した
場合に、上記第二関連発明群に基づいて燃料の入れ替え
を行っても、第2サイクルの余剰反応度はあまり低下し
ない。したがって、第2サイクルの余剰反応度如何によ
って炉心最外周に装荷する初装荷燃料を選べば良い。ま
た、低反応度セル14に隣接しないセルでは制御棒13の反
応度価値が大きいので、このセルに可燃性毒物入り燃料
棒本数が多い高濃縮度初装荷の燃料集合体をより多く装
荷することによって、初装荷燃料の平均濃縮度を引き下
げることなく、炉停止余裕を向上させることができる。
【0096】第11の関連発明及び第12の関連発明は第五
関連発明群に係るもので、図4の燃料棒配置の断面図に
示すように図4(a),(b)は従来技術の燃料集合体
25,26で、図4(c),(d)の燃料集合体27,28が本
第五関連発明群に基づいた燃料棒配置の燃料集合体を示
す。複数の燃料棒を正方格子状に束ねて構成された燃料
集合体及び前記燃料集合体が装荷された原子炉の炉心に
おいて、前記燃料集合体を構成する少なくとも1本の可
燃性毒物入り燃料棒29がX及びY方向の4方向にて他の
可燃性毒物入り燃料棒24と面している構成とする。な
お、図中Gを付した燃料棒がガドリニア入り燃料棒24,
29を示す。
【0097】また、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷
燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、最高濃
縮度の前記初装荷燃料集合体が前記少なくとも1本の可
燃性毒物入り燃料棒がX及びY方向の4方向にて他の可
燃性毒物入り燃料棒と面している燃料集合体であるか、
または外管と内管とからなる二重管構造で外管と内管と
で形成された環状部に可燃性毒物を設けたウォータロッ
ドを少なくとも1本具備する燃料集合体で、且つ前記最
高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度の低い前記初装
荷燃料集合体が可燃性毒物を含有しないか、または前記
最高濃縮度初装荷燃料集合体に含有されている可燃性毒
物よりも反応度寿命が短い可燃性毒物を含有している構
成としている。
【0098】この第五関連発明群の作用としては、可燃
性毒物の反応度価値を長期間持続させることができる。
図4は可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒の種々の
配置であり、図中Gを付した燃料棒がガドリニア入り燃
料棒24を示す。なお、図4(a)は従来の燃料棒配置の
燃料集合体25、図4(b)は特開昭63−168589号公報
「燃料集合体」に開示されている発明に基づいた配置の
燃料集合体26であり、図4(c)及び図4(d)の燃料
集合体27,28が本第五関連発明群に基づいた燃料棒配置
の燃料集合体である。
【0099】これら4つの燃料集合体25〜28では、いず
れも燃焼初期の無限増倍率が等しくなるようにガドリニ
ア入り燃料棒24,29の本数を調整してある。濃度 7.5%
のガドリニアを使用した場合の燃料集合体25〜28の無限
増倍率を、図5の特性図により夫々曲線25a〜28aで示
す。
【0100】また本第五関連発明群では、X及びY方向
の4方向を可燃性毒物入り燃料棒24によって包囲された
可燃性毒物入り燃料棒29は、これを包囲した可燃性毒物
によって中性子の入射を阻止されるので、包囲した可燃
性毒物入り燃料棒24の可燃性毒物が燃焼して消失するま
では可燃性毒物として作用せず、これらが消失すると共
に可燃性毒物として作用するようになる。
【0101】したがって、低濃度の可燃性毒物であって
も十分長期間にわたって可燃性毒物として作用するた
め、第1及び第2サイクルの余剰反応度を制御すること
ができる。さらに本第五関連発明群の燃料集合体を用い
ることによって、第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化
を平坦にすることができるので、制御棒操作が簡素化さ
れて原子炉の運転が容易になる。
【0102】一般に低濃縮度燃料集合体18では、高濃縮
度燃料集合体16,17に比べて中性子スペクトルが柔らか
いため、可燃性毒物の燃焼が速い。したがって、高濃縮
度初装荷燃料において第2サイクル終了時に消滅するよ
うに可燃性毒物濃度を設定し、これを低濃縮度初装荷燃
料にも用いた場合には、低濃縮度初装荷燃料の可燃性毒
物は第1サイクル終了時か、または第2サイクルの途中
で消滅してしまうので、第2サイクルの中期以降では無
限増倍率は燃焼と共に減少して行くことになる。
【0103】したがって、第2サイクルの余剰反応度の
燃焼変化を平坦にするためには、第2サイクルにおいて
高濃縮度初装荷燃料の無限増倍率は燃焼と共に増加しな
ければならない。すなわち、高濃縮度初装荷燃料の無限
増倍率の燃焼変化は、第1サイクルでは平坦であり第2
サイクルでは増加していくことが望ましい。ところが、
可燃性毒物入り燃料棒における中性吸収効果は、一般に
は、燃焼と共に表面積が減少して行くためにほぼ直線的
に減少する。
【0104】しかしながら、本第五関連発明群における
燃料集合体では、燃焼に伴って4方向を取り囲む可燃性
毒物の中性子吸収効果が減少すると共に、中心の可燃性
毒物入り燃料棒の中性子吸収効果が増大してくるので、
全体としての可燃性毒物による中性子吸収効果は比較的
長い間一定の値が維持される。したがって、可燃性毒物
であるガドリニア入り燃料棒24,29の本数を適切に設定
することによって、前記した望ましい無限増倍率を達成
できる。
【0105】さらに、前記と同様な無限増倍率は、外管
と内管とからなる二重管構造で、この外管と内管との間
に形成された環状部に可燃性毒物を充填させたウォータ
ロッドを、少なくとも1本具備する構成の燃料集合体に
おいても実現できる。この可燃性毒物が環状構造をして
いる場合に、燃焼に伴って可燃性毒物が占める領域の表
面積はほとんど変化せず、その密度が減少して行く。
【0106】ところがガドリニウムのように中性子吸収
断面積が大きい物質の場合には、ある程度以上の密度で
あれば、密度に関係なくその表面積だけで中性子吸収効
果が決まるので、これによる中性子吸収効果は比較的長
い間一定の値を維持し、その後急速に減少する。この結
果、前記した望ましい無限増倍率が得られる。
【0107】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については
同一符号を付して詳細説明を省略する。第1実施例の炉
心を図6の燃料配置構成図で示す。この図6は炉心の1
/4を示したもので、(a)は第1サイクルの炉心30
a、(b)は第2サイクルの炉心30bで、いずれも3種
類の初装荷燃料が装荷されている。図中で4角内に1で
示した燃料集合体31と、2で示した燃料集合体32は取替
燃料と同じ濃縮度 3.7%の高濃縮度初装荷燃料であり、
Lで示した燃料集合体33は濃縮度 1.6%の低濃縮度初装
荷燃料である。
【0108】なお、1本の制御棒13の周囲に4体の燃料
集合体31〜33を配置した部分をセルと呼び、4体の燃料
集合体全てに低濃縮度初装荷燃料である燃料集合体33を
配置した部分が低反応度セル14で太枠で示している。ま
た第1サイクルの炉心30aでは、高濃縮度燃料の燃料集
合体31(1)が 372体と、燃料集合体32(2)が 316体
の計 668体、低濃縮度燃料の燃料集合体33(L)は 184
体の合計 872体が装荷されており、この初装荷炉心の平
均濃縮度は 3.3%である。
【0109】図7の燃料構成図により各初装荷燃料集合
体31〜33及び取替燃料集合体34の濃縮度及びガドリニア
入り燃料棒の構成を示す。図7の各領域35〜42における
例えば「 3.9e,10G 7.0」は「濃縮度が 3.9%で、10
本の 7.0%濃度のガドリニア入り燃料棒を有する」。ま
た「 4.2e,10G 9.0」は「濃縮度が 4.2%で、10本の
9.0%濃度のガドリニア入り燃料棒を有する」ことを示
している。
【0110】さらに、これらの燃料はいずれも上記図21
に示した燃料集合体と同様の形状の高燃焼度用燃料であ
り、全長24ノードのうち、上端部2ノード及び下端部1
ノードに斜線で示すガドリニアを含有しない天然ウラン
領域が設けられている。この高濃縮度燃料は下部のみに
ガドリニアを含有する燃料棒本数が異なる2種類があ
り、図7(a)に示す第1の燃料集合体であるA高濃縮
度燃料集合体31に比べて、(b)に示す第2の燃料集合
体であるB濃縮度燃料集合体32は、下部の領域39のみに
ガドリニアを含有する燃料棒が1本多い。
【0111】なお、A,B高濃縮度燃料集合体31,32に
おけるガドリニア入り燃料棒のうちで、上下端の天然ウ
ラン領域を除く全長にわたってガドリニアを含有する10
本の燃料棒は、図8の断面図にて燃料集合体31,32のG
で示すガドリニア入り燃料棒43のように、5本1組を十
字状に隣接配置したものを2組配設して構成する。
【0112】また、最高10%濃度のガドリニアを用いて
おり、ガドリニア入り燃料棒の配置と併せて、第1サイ
クル及び第2サイクルの余剰反応度を平坦化している。
なお、図7(c)に示す低濃縮度燃料集合体33は、上下
端の天然ウラン領域を除いてガドリニア入り燃料棒本数
は2本である。図6(a)に示す第1サイクルの炉心30
aでは、低濃縮度燃料集合体33(L)で構成される低反
応度セル14が全炉心で21個具備されている。また低濃縮
度燃料集合体33は、低応度セル14に装荷されているほか
に、第二発明群にしたがって炉心内にほぼ均等に装荷さ
れている。
【0113】これら以外の位置には全て高濃縮度燃料集
合体31(1)と高濃縮度燃料集合体32(2)が装荷され
ており、炉心最外周セルの一部及び低反応度セル14にX
及びY方向のいずれか一方において隣接しているほとん
どのセルは高濃縮度燃料集合体31,32のみで構成された
高反応度セル19である。このような燃料配置の結果、初
装荷燃料の平均濃縮度を 3.3%と高くした初装荷炉心に
おいて、約 1.5%Δkの一定な余剰反応度と、1%Δk
以上の十分な炉停止余裕を確保することができた。
【0114】図6(b)に示す第2サイクルの炉心30b
は、第1サイクル終了後に初装荷燃料と取替燃料集合体
34との交換は行わずに、炉心30bを同心円状で2分割す
る斜線23を境界にして、周辺領域の燃料集合体と内部領
域の燃料集合体とを入れ替えただけで構成したものであ
る。
【0115】さらに、第1サイクルにおいて低反応度セ
ル14に装荷されていた低濃縮度燃料集合体33を、低反応
度セル14以外に装荷されていた低濃縮度燃料集合体33と
入れ替えている。低反応度セル14に装荷された燃料は燃
焼が進まないので、この燃料移動により低濃縮度燃料集
合体33の燃焼を均一にすることができる。
【0116】また、低反応度セル14に装荷された低濃縮
度燃料集合体33では、制御棒挿入側に近い燃料棒の燃焼
が特に進まないため、サイクル末期で制御棒13が引き抜
かれると、この燃料棒13に過大な出力ピークを生ずる可
能性がある。この傾向は低反応度セル14に装荷されてい
た期間が長いほど顕著なので、本第1実施例のように、
低反応度セル14に装荷される低濃縮度燃料集合体33を入
れ替えることによって、第2サイクル末期において過大
な出力ピークが発生するのを避けることができる。
【0117】図9の特性図は、第1実施例における曲線
44で示す第2サイクルの余剰反応度を、第1サイクル終
了後の燃料移動を全く行わなかった場合の曲線45で示す
余剰反応度とを比較したものである。第2サイクル末期
の反応度は、燃料移動を行わないと約 0.7%Δk不足し
ており、第2サイクル末期まで原子炉を運転するために
は、初装荷燃料の平均濃縮度を本一実施例よりもさらに
約 0.1%高めなければならない。ところがその場合に、
余剰反応度は図9の曲線45よりも約 0.7%Δk高くな
り、最大で 2.5%Δkの大きな余剰反応度になってしま
う。
【0118】しかしながら本第1実施例では、余剰反応
度は第2サイクルの方が第1サイクルよりも小さいが、
低反応度セル14の数は逆に第2サイクルの方が第1サイ
クルよりも多い。これは、第1サイクル、第2サイクル
共に同じ低濃縮度初装荷燃料集合体33が低反応度セル14
に装荷されているため、燃焼が進行して燃料の反応度が
低下するにつれて制御棒13の反応度価値が減少すること
による。
【0119】また、第1サイクルでは、炉心30aを各領
域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心
円状で2分割する斜線23を境にして、炉心周辺領域の方
が炉心内部領域よりも低反応度セル14の数が多い。これ
によって、炉心周辺領域に装荷されている燃料の燃焼を
抑制し、これを第2サイクルにおいて炉心内部領域に移
動させることによって、図9に示した効果を達成する一
助としている。
【0120】第2サイクル終了後は、 184体の低濃縮度
初装荷燃料集合体33が全て炉心30bから取り出され、図
7(d)に示す濃縮度 3.7%の取替燃料集合体34が炉心
に装荷されて第3サイクルの運転が行われる。本第1実
施例の第1及び第2サイクルでは、高濃縮度初装荷燃料
集合体31,32が炉心最外周に装荷されており、余剰反応
度の低減に役立っつているだけでなく、第2サイクル終
了後に炉心30bから取り出される低濃縮度燃料集合体33
を長期間にわたって炉心内部に配置することによって、
その取出燃焼度を増大させている。
【0121】一方、第3サイクル以降の炉心では、最も
燃焼が進んで反応度が低下した燃料を炉心最外周に装荷
し、炉心からの中性子の漏洩を低減して炉心の反応度を
高めることにより、燃料の燃焼効率を向上させている。
【0122】このような燃料交換を繰り返した結果、本
第1実施例による初装荷燃料全 872体の平均取出燃焼度
は約38GWd/tとなり、濃縮度 3.7%の取替燃料34の
平均取出燃焼度45GWd/tの 0.84 倍に達した。ま
た、平均濃縮度が 2.1%の従来の初装荷燃料の平均取出
燃焼度は約25GWd/tであるので、本発明によって初
装荷燃料の平均濃縮度を大幅に高めた結果、平均取出燃
焼度を約50%増大させることができた。
【0123】本炉心に装荷されている各初装荷燃料の濃
縮度及びガドリニアは、図7に示すように軸方向に分布
しており、この各燃料の燃焼変化を図10の特性図に示す
無限増倍率を用いて、その作用について説明する。な
お、図10における軸方向の各領域の無限増倍率は、前記
図7において付した各領域と同じ符号に「a」を付加し
た符号で表す。
【0124】先ず、2種類のA,B高濃縮度燃料集合体
31,32ではいずれも、特開平 4−58191 号公報「燃料集
合体」に記載の発明に基づいて、短尺燃料棒7の上端の
上方よりも下方においてガドリニア入り燃料棒の本数を
多くしている。本一実施例で用いた高燃焼度燃料では、
短尺燃料棒7の存在のために無限増倍率の特性が上下で
大きく異なっており、上方は下方に比べて燃料棒が少な
く減速材が多いので、ガドリニアの中性子吸収効果は上
方が下方よりも大きくなる。
【0125】したがって、ガドリニア入り燃料棒本数が
上下で同じであれば、燃焼初期の無限増倍率は上方が下
方よりも小さく、軸方向出力分布は下方ピークとなる。
そこで本第1実施例のように、短尺燃料棒7の上端の上
方よりも下方においてガドリニア入り燃料棒の本数を多
くした結果、無限増倍率は図10の曲線36a及び37aのよ
うに上方が下方よりも大きくなって軸方向出力分布が平
坦化する。またB高濃縮度燃料集合体32では、下部領域
38においてガドリニア入り燃料棒が1本追加されてお
り、さらに軸方向出力分布を平坦化している。
【0126】図11の特性図は、この第1実施例における
第1サイクル中期の軸方向出力分布の曲線46を、図6
(a)に示した炉心30aの第1サイクルに装荷される高
濃縮度燃料として、図7(a)に示すA高濃縮度燃料集
合体31のみを用いた場合の曲線47と、図7(b)に示す
B高濃縮度燃料32のみを用いた場合の曲線48とを比較し
たものである。ただし比較のために、図7(a)に示さ
れるA高濃縮度燃料集合体31における下端の天然ウラン
領域の直上を、図7(b)に示されるB高濃縮度燃料集
合体32の対応する領域40と同一とした。
【0127】この図11から分かるように、曲線47では下
方ピークが大きく、短尺燃料棒7の上端(図7中の矢
印)を境にして、下方の領域のガドリニア入り燃料棒本
数を上方より1本多くしただけでは出力分布の下方歪を
十分に是正することができない。一方、曲線48が示すよ
うに、全ての高濃縮度燃料集合体において下部のガドリ
ニア入り燃料棒本数をさらに1本増加させると下部の出
力が低下し過ぎてしまう。
【0128】そこで本発明のように、下部領域のみにガ
ドリニアを含有する燃料棒本数が異なる2種類の高濃縮
度燃料を用意して、その装荷体数割合を調整することに
よって適度な軸方向出力分布を達成することができる。
また、A,B高濃縮度燃料集合体31,32のいずれにおい
ても、下部領域38,39のガドリニア濃度を上部よりも大
きくしてある。一般に沸騰水型原子炉では出力が下方に
歪む性質があるため、下部領域の燃焼が上部よりも進む
ことになる。
【0129】ところが、高濃縮度燃料の無限増倍率は、
第2サイクルでは燃焼に伴って上昇するため、上下のガ
ドリニア濃度が同一の場合には、燃焼の速い下部の方が
上部よりも無限増倍率が大きくなり、その結果、出力の
下部ピークがさらに強調されることになる。したがっ
て、下部領域のガドリニア濃度を上部よりも高くしてお
くことによって、軸方向出力分布を平坦化することがで
きる。
【0130】なお本第1実施例では、ガドリニア分布に
加えて、下部領域38,39,40の濃縮度を上部領域36,37
よりも低くしており、これによっても軸方向出力分布を
平坦化している。ただし図7(c)に示す低濃縮度燃料
集合体33では、ガドリニア含有量は上下一様とした。こ
れは、図10の曲線41a,42aから分かるように、ガドリ
ニア入り燃料棒本数が少ない場合には、短尺燃料棒7の
上端(図7中の矢印)を境にした上下でのガドリニアの
反応度価値の相違が、軸方向出力分布へ及ぼす影響が小
さいからである。
【0131】ただし、各燃料棒において斜線部の上下端
天然ウラン領域を除いて濃縮度は軸方向一様とし、短尺
燃料棒7の濃縮度を燃料集合体で使用されている中で最
低の濃縮度とすることによって、実質的に軸方向濃縮度
分布を持たせている。ここで、低濃縮度燃料集合体33で
は濃度 7.5%のガドリニアを使用しており、その反応度
価値は第1サイクルでほぼ消滅している。その結果、無
限増倍率は第1サイクルではほぼ一定であり、第2サイ
クルでは燃焼と共に減少している。この無限増倍率と、
第1サイクルではほぼ一定であり第2サイクルでは燃焼
と共に増加する高濃縮度燃料の無限増倍率とを組み合わ
せることによって、第1及び第2サイクルの余剰反応度
の燃焼変化を平坦にすることができる。
【0132】本第1実施例ではまた、いずれの高濃縮度
燃料においても、上端の天然ウラン直下の領域34におい
てガドリニア濃度を低くして無限増倍率を高め、この領
域の出力を高めて軸方向出力分布を平坦化している。こ
の炉心では大半の燃料が高濃縮度燃料であり、その無限
増倍率は図10の曲線36aのように、第1サイクルでは燃
焼と共にほぼ一定であり、第2サイクルでは燃焼と共に
上昇している。
【0133】したがって、ガドリニア濃度が同じであれ
ば、第2サイクルにおいて、上端に近く燃焼が進まない
領域35では、燃焼が進む領域36に比べて無限増倍率が低
くなる。その結果第3サイクルでは、燃焼の進まなかっ
た領域35の無限増倍率が、燃焼が進んですでに無限増倍
率のピークを越えた領域36よりも大きくなり、この領域
35に出力ピークを生ずるようになる。そこで本一実施例
では、領域35のガドリニア濃度を低くして、特に第2サ
イクルで無限増倍率を高めて燃焼を促進させている。
【0134】図12の特性図は第3サイクル末期の軸方向
出力分布であるが、本第1実施例の曲線49は領域34のガ
ドリニア濃度を、領域36と同一とした場合の曲線50より
も出力分布が平坦化されている。さらに、ガドリニア濃
度を低くした結果から、反応度損失をもたらす第2サイ
クル終了時でのガドリニアの燃え残りを減少させること
ができて、反応度利得を得ている。
【0135】ところで取替燃料集合体34において、上端
の天然ウラン領域の直下における可燃性毒物濃度をそれ
よりも下方の可燃性毒物濃度よりも低くする発明は、特
開昭61−240193号公報「燃料集合体及び原子炉」に開示
されている。これに対して本発明では、上端の天然ウラ
ン直下の領域における可燃性毒物濃度と、それよりも下
方の可燃性毒物濃度との差を、初装荷燃料において取替
燃料集合体34よりも大きくしたことが特徴である。
【0136】本第1実施例におけるガドリニア濃度差
は、取替燃料34では1%であるのに対して、B高濃縮度
初装荷燃料集合体32では2%である。なお、この実施例
では領域35として2ノードにおけるガドリニア濃度を低
くしたが、3ノード以上にわたってガドリニア濃度を低
くすると、第1サイクル末期でこの領域に出力ピークを
生ずるので、領域35としては2ノードが適切である。
【0137】また、本第1実施例では、領域35の濃縮度
を領域36よりも低くして、第2サイクル末期における領
域35の無限増倍率の増大による炉停止余裕の悪化を避け
ている。ただし、炉停止時におけるこの領域の出力ピー
クは、燃焼があまり進んでいない第2サイクルでは平衡
サイクルほど極端に大きくないので、濃縮度を下げなく
とも設計基準を満たすことは可能である。
【0138】さらに、下端の天然ウランの直上領域の出
力も低いので、B高濃縮度燃料集合体32においてこの領
域40のガドリニア入り燃料棒の本数及び濃度を、その上
の領域39よりも少なくして無限増倍率を高め、領域40の
出力を高めて軸方向出力分布を平坦化している。
【0139】また、第3サイクル中期の軸方向出力分布
を図13の特性図に示すが、この第1実施例の曲線51は領
域40のガドリニア含有量を領域39と同一とした場合の曲
線52よりも出力分布が平坦化されていることが分かる。
なお、本第1実施例ではB高濃縮度燃料集合体32のガド
リニア入り燃料棒を10本としたが、A高濃縮度燃料集合
体31で10本、B高濃縮度燃料集合体32で11本としても良
い。
【0140】第2実施例は図14の断面図に示す燃料集合
体を採用している。この燃料集合体53は複数本束ねた燃
料棒のほぼ中央に、外管54と内管55とからなる二重管構
造で、これらに挟まれた環状部56に例えばガドリニアと
ジルコニウムのサーメット、または金属ガドリニウムの
ような可燃性毒物入りウォータロッド57を2本具備した
構成としている。ただし、燃料棒の中にGで示すガドリ
ニア入り燃料棒43を5本併用しており、このうち1本は
短尺燃料棒7の上端よりも下方のみにガドリニアが含有
されている。
【0141】上記構成による一例として、可燃性毒物入
りウォータロッド57の環状部56に濃度40%の可燃性毒物
であるガドリニアを含有するサーメットを使用した場合
で、上記図7(a)の下部領域37に相当する領域の無限
増倍率を図15の特性図に示す。この燃料集合体53におけ
る無限増倍率は、可燃性毒物を全く含有しない場合の無
限増倍率の曲線58に対して、ウォータロッド57に含有さ
れているガドリニアは、曲線59で示すように比較的長い
間一定の中性子吸収効果を維持し、その後急速に減少す
る。しかし、濃度7%のガドリニアを含有させた燃料棒
43が5本配置しされていることから、曲線60に示すよう
な良好な無限増倍率が達成される。
【0142】なお、この燃料集合体53において、上記し
た第1実施例のようにガドリニア濃度を軸方向に分布さ
せる場合は、燃料棒43に含有されるガドリニアではな
く、ウォータロッド57の環状部56に設けたガドリニア濃
度を分布させれば良い。これにより、原子炉の炉心で第
1サイクル及び第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化を
平坦化するために望ましい高濃縮度初装荷燃料の無限増
倍率の燃焼変化、すなわち第1サイクルでは平坦であ
り、第2サイクルでは増加して行く無限増倍率を達成す
るために、上記第1実施例では図8に示すようにガドリ
ニア入り燃料棒43を十字状配置にして多数用いたが、本
第2実施例では、この数を削減することができる。
【0143】第3実施例は図16の燃料構成図に示す燃料
集合体を採用している。すなわち、図6に示す炉心30
a,30bに装荷する高濃縮度初装荷燃料集合体を、図16
(a)の第1の燃料集合体であるC高濃縮度初装荷燃料
集合体61、及び図16(b)の第2の燃料集合体であるD
高濃縮度初装荷燃料集合体62とする。この燃料集合体は
上記第1実施例において図7(a),(b)で示した
A,B高濃縮度燃料集合体31,32における、上下端の天
然ウラン領域を削除して内部の濃縮領域を拡張したもの
で、その平均濃縮度を4.1 %に構成している。
【0144】燃料集合体において平均濃縮度を高める際
には、上下端に配置した天然ウラン領域はそのままで、
内部の濃縮領域の濃縮度を高めても良いが、本第3実施
例のように構成することで、容易に軸方向出力分布を平
坦化することができる。また、上下端の天然ウラン領域
の長さを取替燃料集合体34よりも短くして、内部の濃縮
領域の濃縮度をやや高めても良い。なお、図16に示す
C,D高濃縮度燃料集合体61,62において、上下端の可
燃性毒物含有量をさらに少なくすれば、軸方向出力分布
をさらに平坦化することができる。
【0145】あるいは、図7(a)に示した第1サイク
ルの炉心30aにおいて、炉心最外周に配置されている高
濃縮度初装荷燃料だけを、図16(a)のC高濃縮度燃料
集合体61に置き換えても良い。濃縮度の高い高濃縮度初
装荷燃料を炉心内部に装荷した場合に、径方向出力ピー
キングの増大や炉停止余裕の悪化が懸念されるが、炉心
最外周へ高濃縮度燃料集合体を装荷してもこのような問
題は生ぜず、むしろ径方向出力ピーキングが平坦化され
るという好ましい結果をもたらす。
【0146】この第3実施例によれば、上記第1実施例
における初装荷燃料の平均取出燃焼度は約38GWd/t
であり、このうち低濃縮度初装荷燃料集合体33は約20G
Wd/t、A,B高濃縮度初装荷燃料集合体16,17は約
42GWd/tであった。すなわち、A,B高濃縮度初装
荷燃料集合体16,17の平均取出燃焼度は、同じ濃縮度の
取替燃料集合体34の平均取出燃焼度45GWd/tよりも
小さい。
【0147】これは、全ての取替燃料集合体34は第4ま
たは第5サイクルの間、炉心に装荷されているのに対し
て、一部の高濃縮度初装荷燃料は3サイクル終了後に炉
心から取り出されるからである。そこで、燃料の健全性
は、濃縮度ではなく取出燃焼度に依存することを考慮す
ると、本第3実施例のC,D高濃縮度初装荷燃料集合体
61,62の濃縮度をさらに高めて、その取出燃焼度を取替
燃料集合体34並みにまで増大させることによってさらに
経済性を向上させることができる。
【0148】第4実施例を図17の炉心の燃料配置構成図
に示す。第1サイクルにおける炉心63には、3種類の初
装荷燃料が装荷されており、図中の4角内に1または2
で示した燃料集合体は、図18の燃料構成図(a),
(b)に示すE,F高濃縮度初装荷燃料集合体64,65
(取替燃料集合体34と同濃縮度)であり、Lで示した燃
料集合体は同じく図7(c)に示した濃縮度1.6 %の低
濃縮度初装荷燃料集合体33である。
【0149】炉心63にはE高濃縮度燃料集合体64(1)
が 384体、F高濃縮度燃料集合体65(2)を 300体の計
684体で、低濃縮度燃料集合体33(L)は 188体の合計
872体が装荷されている。本第3実施例では低反応度セ
ル14は45個具備されており、低濃縮度燃料集合体33はこ
れら低反応度セル14に 180体と、炉心周辺領域に8体装
荷されている。
【0150】高濃縮度燃料はガドリニア入り燃料棒本数
が異なる2種類があり、図18(a)に示す第1の燃料集
合体であるE高濃縮度燃料集合体64は、ガドリニア入り
燃料棒が図18(b)に示す第2の燃料集合体であるF高
濃縮度燃料集合体65よりも2本多い。
【0151】なお、上記した第1実施例では、下部の一
部を除いてガドリニア入り燃料棒本数が等しい2種類の
A,B高濃縮度燃料集合体31,32を使用しており、これ
で適切な余剰反応度を達成することができた。しかしな
がら、例えば図10の曲線39aと40aとの比較から分かる
ように、ガドリニア入り燃料棒1本の反応度価値は3〜
4%Δkであるから、例えば初装荷燃料の平均濃縮度が
異なる炉心で余剰反応度を調整しなければならない場合
には、高濃縮度燃料が1種類だけでは対応が困難であ
る。
【0152】そのような場合には、本第4実施例のよう
にガドリニア入り燃料棒の異なる2種類のE,F高濃縮
度初装荷燃料集合体64,65を用意しておき、その装荷体
数を調整することにより、余剰反応度を適切な範囲に容
易に設定することが可能となる。
【0153】さらに第4実施例では、低反応度セル14に
隣接しないセル66は隣接するセル67に比べて制御棒価値
が大きいので、低反応度セル14に隣接しないセル66を、
ガドリニア入り燃料棒本数の多いE高濃縮度燃料集合体
64(1)3体と、ガドリニア入り燃料棒本数の少ないF
高濃縮度燃料集合体65(2)を1体とで構成して炉停止
余裕を向上させている。
【0154】また、炉心最外周にガドリニア入り燃料棒
本数の多いE高濃縮度燃料集合体65(1)を装荷すると
共に、炉心最外周から2層目にはガドリニア入り燃料棒
本数の少ないF高濃縮度燃料集合体65(2)を装荷して
炉心径方向出力ピーキングを低減している。
【0155】本第4実施例では、炉心最外周に装荷され
ていたガドリニア入り燃料棒本数の多いE高濃縮度燃料
集合体64を、第1サイクル終了後の炉心内部領域の燃料
集合体と入れ替えることによって、第2サイクルの余剰
反応度を十分に制御している。なお、炉心内の同等の位
置に装荷された場合に、ガドリニア入り燃料棒本数の少
ない燃料の方が軸方向出力ピーキングが増大しやすいの
で、本第4実施例では、下部のみにガドリニアを含有す
る燃料棒を、F高濃縮度燃料集合体65において1本多く
具備させている。
【0156】ただし、F高濃縮度燃料集合体65に加え
て、第1サイクルで炉心最外周に装荷されるE高濃縮度
燃料集合体64にも下部にのみガドリニアを含有する燃料
棒を1本増加しても良く。この場合には第1サイクル終
了後の燃料移動によって、第2サイクルにおいて、余剰
反応度を十分に低減できる上に、軸方向出力分布を平坦
化することができる。
【0157】この第4実施例では45個の低反応度セル14
を具備しており、炉心63を同心円状で2分割する斜線23
を境界にして、炉心内部領域の低反応度セル14よりも炉
心周辺領域の低反応度セル14において、より多くの制御
棒13を挿入して第1サイクルの運転を行う。
【0158】第1サイクル終了後は、炉心周辺領域の高
濃縮度燃料集合体と炉心内部領域の高濃縮度燃料集合体
とを入れ替えて第2サイクルの炉心を構成する。さらに
第2サイクルでは、第1サイクルで制御棒13が挿入され
なかった低反応度セル14に装荷されていた低濃縮度初装
荷燃料集合体33で構成された低反応度セル14に制御棒13
を挿入して運転を行う。これらによって、第2サイクル
の余剰反応度の制御、及び燃焼効率が向上されると共
に、第2サイクル終了時における低濃縮度燃料集合体33
の制御棒挿入側の燃料棒13における出力ピーキングの増
大が避けられる。
【0159】第5実施例は、図19の燃料配置構成図に示
すように、第1サイクルにおける炉心68の燃料配置が、
4角中に夫々H,M,Lで示す濃縮度が異なる3種類の
初装荷燃料集合体で構成されており、夫々平均濃度 4.1
%の高濃縮度燃料集合体69(H)が 480体、平均濃度
2.8%の中濃縮度燃料集合体70(M)が 208体、平均濃
縮度 1.6%の低濃縮度燃料集合体33(L)が 184体と、
合計 872体装荷されていて初装荷燃料の平均濃縮度は
3.3%である。
【0160】上記した第1実施例等では、第1実施例を
例にすると高濃縮度燃料集合体31,32と低濃縮度燃料集
合体33の2種類の初装荷燃料が用いられていて、このう
ち低濃縮度燃料集合体33は全て第2サイクル終了後に取
り出され、一方高濃縮度燃料集合体31,32は第3乃至第
6サイクルにおいて取り出される。したがって、上記第
3実施例のように、一部の高濃縮度燃料集合体61,62の
濃縮度を高めたとしても、第3サイクル終了後に炉心か
ら取り出されるものは未だ多くの核分裂性物質を残した
ままになる。
【0161】そこで本第5実施例では、第3サイクル終
了後に炉心から取り出される 216体を中間濃縮度として
いる。これにより、取り出し時の核分裂性物質の残存量
を低減することができるので、核燃料資源を有効に活用
することができる。ただし、このままでは初装荷燃料の
平均濃縮度が低下してしまうので、本第5実施例では、
高濃縮度燃料集合体69(H)の濃縮度を取替燃料集合体
34の 3.7%よりも高い 4.1%としてある。
【0162】また低濃縮度燃料集合体33(L)は、37個
の低反応度セル14に装荷されているほかに、炉心周辺領
域にも装荷して炉停止余裕の改善を図っている。中濃縮
度燃料集合体70(M)は、低反応度セル14と炉心周辺領
域の一部のセルを除いて、各セル71に1体を配置して出
力ピークを低減すると共に、炉心最外周にも配置してあ
る。
【0163】すでに述べたように、濃縮度が低くなると
中性子スペクトルがソフトになるため可燃性毒物の反応
度寿命は短くなるので、中濃縮度燃料集合体70に含有さ
れているガドリニアは、高濃縮度燃料集合体69に含有さ
れているガドリニアよりも早く消滅する。そこで本第5
実施例では、中濃縮度燃料集合体70を炉心最外周に配置
することでその燃焼を抑制し、これにより第2サイクル
の余剰反応度の低減を図っている。
【0164】なお図19では、炉心最外周に中濃縮度燃料
集合体70を配置しているが、低濃縮度燃料集合体33また
は高濃縮度燃料集合体69を配置しても良く。さらに、初
装荷燃料の濃縮度の種類としては、第1乃至第4実施例
では2種類、第5実施例では3種類を使用しているが、
これに対して上記図20で示したように高濃縮度燃料集合
体2〜4と低濃縮度燃料集合体5の4種類の濃縮度の初
装荷燃料集合体で構成することもできる。
【0165】なお、この場合に低反応度セル14や炉停止
余裕向上のために装荷する燃料としては、最低濃縮度燃
料集合体5または2番目に低い濃縮度の初装荷燃料集合
体4を用いることができる。また、第1サイクルにおい
て炉心最外周に配置される初装荷燃料としては、最低濃
縮度燃料集合体5、2番目に低い濃縮度の燃料集合体
4、3番目に低い濃縮度の燃料集合体3、最高濃縮度の
燃料集合体2、またはこれらを組み合わせた配置が考え
られる。
【0166】第6実施例としては、低反応度セル14や炉
停止余裕向上のために装荷する燃料として、反応度が低
い燃料であれば良いことから、その一例として図7
(c)に示した低濃縮度燃料集合体33の代わりに、図7
(a)及び(b)に示したA,B高濃縮度燃料集合体3
1,32よりもガドリニア入り燃料棒本数が多く、しかも
ガドリニア濃度も高い第3の高濃縮度燃料集合体を使用
する。
【0167】すなわち、上記した第1乃至第5実施例で
は、濃縮度の低い初装荷燃料集合体を低反応度セル14や
炉停止余裕向上のために配置している。しかしながら、
低反応度セル14や炉停止余裕向上のために装荷する燃料
としては、反応度が低い燃料であれば良く、必ずしも低
濃縮度燃料集合体33である必要はない。
【0168】したがって、この第3の高濃縮度燃料集合
体を使用すれば、前記A高濃縮度燃料集合体31及びB高
濃縮度燃料集合体32に比べて、第1サイクル初期から第
2サイクル末期までの燃焼期間において反応度が十分低
いので、低反応度セル14及び炉停止余裕向上のための低
反応度燃料集合体として使用することができる。この場
合に、低濃縮度燃料集合体33を用いた第1実施例に比べ
て、初装荷燃料の平均濃縮度をさらに高めることができ
るので、初装荷燃料の取出燃焼度が増大して、経済性が
向上するという効果が得られる。
【0169】
【発明の効果】以上本発明によれば、初装荷燃料の平均
濃縮度を大幅に高めた原子炉の炉心において、第1サイ
クル及び第2サイクルの余剰反応度を適切な範囲に制御
すると共に、十分な炉停止余裕を確保することができる
ので、初装荷燃料の取出燃焼度を増大して燃料経済性が
大幅に向上する。
【0170】また、第1サイクル終了後に燃料交換を行
わないので、原子炉の定期検査工程を簡素化することが
できて、原子力プラントにおける定期検査期間を短縮す
ることができる。さらに、可燃性毒物の過度な高濃度化
を避けることによって、燃料の健全性を維持することも
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の1/4炉心の燃料配置
構成図で、(a)は第1サイクル、(b)は第2サイク
ルを示す。
【図2】本発明に係る一実施例の第1サイクルにおける
初装荷燃料の平均濃縮度と余剰反応度の最大値を示す特
性図。
【図3】本発明に係る一実施例の低濃縮度燃料装荷に係
り、(a)は炉心要部の制御棒と燃料配置構成図、
(b)は低濃縮度燃料の装荷体数と炉停止余裕の特性
図。
【図4】燃料集合体における種々のガドリニア入り燃料
棒の配置を示す断面図で、(a),(b)は従来技術例
を、(c),(d)は本発明の一実施例を示す。
【図5】燃料集合体におけるガドリニア入り燃料棒の配
置に対する無限増倍率の燃焼変化を示す特性図。
【図6】本発明に係る第1実施例の1/4炉心の燃料配
置構成図で、(a)は第1サイクル、(b)は第2サイ
クルを示す。
【図7】本発明に係る第1実施例の初装荷燃料集合体の
軸方向濃縮度及びガドリニア分布の燃料構成図で、
(a)はA高濃縮度燃料集合体、(b)はB高濃縮度燃
料集合体、(c)は低濃縮度燃料集合体、(d)は取替
燃料集合体を示す。
【図8】本発明に係る第1実施例の燃料集合体の燃料棒
配置を示す断面図。
【図9】本発明に係る第1実施例の炉心における第2サ
イクルの余剰反応度を示す特性図。
【図10】本発明に係る第1実施例の初装荷燃料集合体
の軸方向各断面における無限増倍率の燃焼変化を示す特
性図。
【図11】本発明に係る第1実施例の炉心における第1
サイクル中期の軸方向出力分布特性図。
【図12】本発明に係る第1実施例の炉心における第3
サイクル末期の軸方向出力分布特性図。
【図13】本発明に係る第1実施例の炉心における第3
サイクル中期の軸方向出力分布特性図。
【図14】本発明に係る第2実施例の燃料集合体の燃料
棒配置断面図。
【図15】本発明に係る第2実施例の燃料集合体の無限
増倍率の燃焼変化を示す特性図。
【図16】本発明に係る第3実施例の初装荷燃料集合体
の軸方向濃縮度及びガドリニア分布の燃料構成図で、
(a)はC高濃縮度燃料集合体、(b)はD高濃縮度燃
料集合体を示す。
【図17】本発明に係る第4実施例の1/4炉心におけ
る第1サイクルの燃料配置構成図。
【図18】本発明に係る第4実施例の初装荷燃料集合体
の軸方向濃縮度及びガドリニア分布の燃料構成図で、
(a)はE高濃縮度燃料集合体、(b)はF高濃縮度燃
料集合体を示す。
【図19】本発明に係る第5実施例の1/4炉心におけ
る第1サイクルの燃料配置構成図。
【図20】従来の原子炉の1/4炉心における第1サイ
クルの燃料配置構成図。
【図21】単尺燃料棒を有する燃料集合体の断面図で、
(a)は縦断面、(b)は(a)のb−b矢視断面、
(c)は(a)のc−c矢視断面を示す。
【符号の説明】
1,63,68…炉心、2,16,17,25〜28,31,32,53,
61,62,64,65,69…高燃焼度燃料集合体、3,70…中
燃焼度燃料集合体、4,5,18,33…低燃焼度燃料集合
体、6…長尺の燃料棒、7…短尺燃料棒、8…ウォータ
ロッド、9…スペーサ、10…上部タイプレート、11…下
部タイプレート、12…チャンネルボックス、13,13a…
制御棒、14…低反応度セル、15a,30a…第1サイクル
の炉心、15b,30b…第2サイクルの炉心、19…高反応
度セル、20〜22,25a〜28a,35a〜42a,44〜52,58
〜60…曲線、23…斜線(境界)、24,29,43…ガドリニ
ア入り燃料棒、34…取替燃料集合体、35〜42…燃焼領
域、54…外管、55…内管、56…環状部、57…可燃性毒物
入りウォータロッド、66…低反応度セルに隣接しないセ
ル、67…低反応度セルに隣接するセル、71…セル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 徹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 蛭川 厚治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体
    が装荷されて第2サイクルまたは第3サイクル以降にお
    いて取替燃料集合体を装荷される原子炉の炉心におい
    て、少なくとも一部の前記初装荷燃料集合体の濃縮度が
    前記取替燃料集合体の濃縮度よりも高いことを特徴とす
    る原子炉の炉心。
  2. 【請求項2】 第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体
    が装荷されて第2サイクルまたは第3サイクル以降にて
    取替燃料集合体が装荷される原子炉の炉心において、前
    記取替燃料集合体が上端及び下端の少なくとも一方に可
    燃性毒物を含有しない低濃縮度領域を具備し且つ少なく
    とも一部の前記初装荷燃料集合体は上端及び下端の少な
    くとも一方において前記可燃性毒物を含有しない低濃縮
    度領域を具備しないか、またはその長さが前記取替燃料
    集合体よりも短いことを特徴とする原子炉の炉心。
  3. 【請求項3】 1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃
    料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列
    して構成される原子炉の炉心において、濃縮度が異なる
    2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷され、炉心最外周
    を除くほとんど全ての前記セルが最高濃縮度初装荷燃料
    集合体よりも濃縮度が低い低濃縮度初装荷燃料集合体を
    少なくとも1体含むか、またはセルのXまたはY方向の
    いずれかの面において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と
    少なくとも2体面するか、またはセルの隅部4カ所のう
    ち少なくとも3カ所において前記低濃縮度初装荷燃料集
    合体と対角方向に隣接するか、またはセルのXまたはY
    方向のいずれかの面において前記低濃縮度初装荷燃料集
    合体と1体面すると共にセルの隅部4カ所のうち少なく
    とも1カ所において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対
    角方向に隣接するか、のいずれかであることを特徴とす
    る原子炉の炉心。
  4. 【請求項4】 4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体
    で構成された高反応度セルと4体の前記低濃縮度初装荷
    燃料集合体で構成された低反応度セルとを具備してなる
    原子炉の炉心において、炉心最外周を除くほとんど全て
    の前記セルについて前記高反応度セルはXまたはY方向
    の少なくともいずれか一方において前記低反応度セルと
    面し且つ前記低反応度セルにX及びY方向のいずれにお
    いても面しない前記セルには前記低濃縮度初装荷燃料集
    合体が少なくとも1体装荷されていることを特徴とする
    請求項3記載の原子炉の炉心。
  5. 【請求項5】 1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃
    料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列
    して構成される原子炉の炉心において、濃縮度が異なる
    2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷されて最高濃縮度
    の前記初装荷燃料集合体が下部の一部分のみに可燃性毒
    物を含有する燃料棒の本数が異なる2種類以上で構成し
    たことを特徴とする原子炉の炉心。
  6. 【請求項6】 各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等
    しくなるように同心円状で径方向に2分割した炉心にお
    いて、前記最高濃縮度初装荷燃料集合体が第1の燃料集
    合体と下部の一部分のみに可燃性毒物を含有する燃料棒
    本数が前記第1の燃料集合体よりも多い第2の燃料集合
    体とで構成されこの第2の燃料集合体が炉心周辺領域よ
    りも炉心内部領域に多く配置したことを特徴とする請求
    項5記載の原子炉の炉心。
  7. 【請求項7】 4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体
    で構成された高反応度セルと前記最高濃縮度初装荷燃料
    集合体よりも濃縮度の低い4体の前記初装荷燃料集合体
    で構成された低反応度セルとを備えてなる原子炉の炉心
    において、前記低反応度セルにX及びY方向のいずれに
    おいても面しない前記高反応度セルには前記低反応度セ
    ルにX及びY方向の少なくともいずれか一方において面
    する前記高反応度セルよりも前記第2の燃料集合体を多
    く装荷したことを特徴とする請求項5又は請求項6記載
    の原子炉の炉心。
  8. 【請求項8】 初装荷燃料集合体が装荷された原子炉の
    炉心において、上端または下端に設けられた可燃性毒物
    を含有しない低濃縮度領域を除いた軸方向内部領域にて
    前記可燃性毒物を含有しない低濃縮度領域に隣接する軸
    方向領域の少なくとも一方における可燃性毒物入り燃料
    棒本数または可燃性毒物濃度の一方または両方が軸方向
    中央領域よりも少ない前記初装荷燃料集合体を装荷した
    ことを特徴とする原子炉の炉心。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8記載の原子炉の炉
    心において、第1サイクル運転終了後に炉心内の前記初
    装荷燃料集合体と前記取替燃料集合体との燃料交換を行
    わないことを特徴とする原子炉の運転方法。
  10. 【請求項10】 第1サイクル運転終了後に炉心内の前
    記初装荷燃料集合体の配置を変更することを特徴とする
    請求項9記載の原子炉の炉心の運転方法。
  11. 【請求項11】 濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃
    料集合体が装荷された原子炉の炉心において、第2サイ
    クル運転終了後に最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体よ
    りも濃縮度の低い前記初装荷燃料集合体のみを取替燃料
    集合体と交換することを特徴とする請求項9又は請求項
    10記載の原子炉の炉心の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011064568A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉の炉心
JP2012137308A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 初装荷炉心の運転方法
JP2013250275A (ja) * 2013-07-31 2013-12-12 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉の初装荷炉心および沸騰水型原子炉の運転方法

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