しかしながら上記2つの発明では未だ以下のような課題が残されている。
沸騰水型原子炉では一般に炉心1における余剰反応度を1〜2%Δkの適切な範囲に制御するために、燃料集合体2〜5を構成する一部の燃料棒6,7にガドリニア等の可燃性毒物を含有させている。
燃料集合体2〜5の1体当たりの可燃性毒物入り燃料棒の本数は、燃焼サイクル初期における余剰反応度を適切な範囲に設定するように、また可燃性毒物の濃度は燃焼サイクルの長さにほぼ比例して決定される。前記図20に示した平均濃縮度2.1 %の初装荷炉心において、従来使用されてきた最高濃度である7.5 %のガドリニアを、燃料集合体H、M、Lを構成する適切な本数の燃料棒に含有させた場合の第1サイクルの余剰反応度は、1.2 〜2 %Δkの一定値を取り、サイクル末期にはほぼゼロとなる。
ところが、初装荷燃料の平均濃縮度が高くなると、原子炉の運転期間が一定であっても、従来の濃度の可燃性毒物を用いたままでは運転サイクル中期以降の余剰反応度が増大してしまう。一例として、図20において各初装荷燃料の装荷体数を調整して平均濃縮度を 2.7%に高めた初装荷炉心の余剰反応度は、サイクル後半で 3%Δkを超える。
さらに、可燃性毒物としてガドリニアを用いた場合に、可燃性毒物入り燃料棒1本当たりの反応度効果は3〜4%Δkであるから、初装荷燃料の大半を占める高濃縮度燃料集合体における可燃性毒物入り燃料棒本数の調整により、余剰反応度を常に適切な範囲に設定できるとは限らない。
例えば、初装荷燃料の平均濃縮度を0.1 %増大させるためには、余剰反応度を約1%Δk低下させる必要があるが、可燃性毒物入り燃料棒の本数を1本増やすと余剰反応度は2〜3%Δk低下してしまう。
本発明の目的とするところは、取出し燃焼度を増大させて燃料の有効利用により経済性を大幅に向上させるため初装荷燃料の平均濃縮度を高めた原子炉の炉心における余剰反応度の増大の課題を解決し、余剰反応度を適切な範囲に制御することができる原子炉の炉心を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明に係る原子炉の炉心は、1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成され、各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に炉心周辺領域と炉心内部領域とに2分割された原子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体を装荷すると共に、最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体には少なくとも上下端を除く部分に可燃性毒物を含有する可燃性毒物入り燃料棒を有する第1の燃料集合体と可燃性毒物入り燃料棒の本数が前記第1の燃料集合体よりも少ない第2の燃料集合体とが存在し、前記第1の燃料集合体および前記第2の燃料集合体をいずれも前記炉心周辺領域および前記炉心内部領域の両方に装荷し、前記第1の燃料集合体を前記炉心周辺領域よりも前記炉心内部領域に多く配置したことを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る原子炉の炉心は、1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成される原子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体を装荷すると共に、最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体には少なくとも上下端を除く部分に可燃性毒物を含有する可燃性毒物入り燃料棒を有する第1の燃料集合体と可燃性毒物入り燃料棒の本数が前記第1の燃料集合体よりも少ない第2の燃料集合体とが存在し、前記第1の燃料集合体が炉心最外周に配置されると共に前記第2の燃料集合体が炉心最外周から2層目及び3層目の少なくとも一方に配置されたことを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る原子炉の炉心は、1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成される原子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体を装荷すると共に、最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体には少なくとも上下端を除く部分に可燃性毒物を含有する可燃性毒物入り燃料棒を有する第1の燃料集合体と可燃性毒物入り燃料棒の本数が前記第1の燃料集合体よりも少ない第2の燃料集合体とが存在し、前記原子炉の炉心が4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体で構成された高反応度セルと前記最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度の低い4体の前記初装荷燃料集合体で構成された低反応度セルとを備え、前記低反応度セルにX及びY方向のいずれにおいても面しない前記高反応度セルには、前記低反応度セルにX及びY方向の少なくともいずれか一方において面する前記高反応度セルよりも前記第1の燃料集合体が多く装荷されていることを特徴とする。
図1の燃料配置構成図は炉心の1/4を示したもので、図1(a)は第1サイクルの炉心15a、図1(b)は第2サイクルの炉心15bで、いずれも3種類の初装荷燃料集合体が装荷されている。図中で4角内に1で示した燃料集合体16と、2で示した燃料集合体17は同じ高濃縮度初装荷燃料であり、Lで示した燃料集合体18は低濃縮度初装荷燃料である。
なお、1本の制御棒13の周囲に4体の燃料集合体16〜18を配置したものが1セルで、4体の燃料集合体全てに低濃縮度初装荷燃料である燃料集合体18(L)を配置した、太枠で示す部分の低反応度セル14に対して、高反応度セル19と呼んでいる。
前記原子炉の炉心15a,15bに装荷された燃料集合体は、夫々複数の燃料棒を正方格子状に束ねて構成され、四角内に1と2で示した初装荷燃料の平均濃縮度が約2.7 %以上であり、かつ可燃性毒物として燃料棒に含有されるガドリニアの濃度が少なくとも一部の初装荷燃料集合体において7.5 %よりも高く含有させている。
また、図1(a)に示す第1サイクルの炉心15aにおいて初装荷燃料集合体が装荷され、図1(b)の第2サイクルの炉心15bまたは第3サイクル以降において取替燃料集合体が装荷される炉心において、前記初装荷燃料集合体の平均取出燃焼度を前記取替燃料集合体の平均取出燃焼度の約0.7 倍以上とする。
以上の構成によれば、平均濃縮度を大幅に高めた初装荷炉心においては、第1サイクルの余剰反応度を適切な範囲に設定することができる。図2の特性図は上記図20の従来例で用いられた4種類の初装荷燃料集合体のうち、燃料集合体2(H)と燃料集合体4(L)を用いて、その装荷体数割合の調整によって構成した平均濃縮度の異なる種々の初装荷炉心における第1サイクルの余剰反応度の最大値を示したものである。
燃料集合体2(H)は従来用いられてきた濃度 7.5%のガドリニア入り燃料棒を9本、また燃料集合体4(L)は2本有していて、本来、装荷体数割合の変更に伴ってガドリニア入り燃料棒の本数を調整する必要があるが、サイクル末期付近ではガドリニアの反応度価値は消滅しているので、余剰反応度の最大値はガドリニア入り燃料棒本数の影響をあまり受けない。
図2においては、炉心最外周に燃料集合体4(L)を配置した場合が曲線20、燃料集合体2(H)を配置した場合を曲線21で示す。炉心最外周に燃料集合体2を配置した場合に、平均濃縮度が約 2.7%以上の炉心では余剰反応度が 4.5%Δkを越えている。一般に低反応度セルはX方向、Y方向及び対角方向において互いに隣接しないように配置されるため、従来の図20に示す炉心1では最大45個の低反応度セル14を配置できる。
しかしながら、45本の制御棒13で制御可能な余剰反応度は約 4.5%Δkであるから、濃度 7.5%のガドリニアを用いる限り、平均濃縮度が約 2.7%以上の初装荷炉心では原子炉の制御ができないことになる。
したがって、この構成に基づいて 7.5%よりも高濃度のガドリニアを使用することにより、適切な余剰反応度を有する平均濃縮度が約 2.7%以上の初装荷炉心を構成することができる。
一方、炉心最外周に高濃縮度燃料集合体16(1)と高濃縮度燃料集合体17(2)を配置すると、炉心からの中性子の漏洩が増大するので余剰反応度を低くでき、平均濃縮度が約 2.9%以上の炉心で余剰反応度が 4.5%Δkを越える。したがって、このような燃料配置を採用した炉心では、平均濃縮度が約 2.9%以上で、7.5%よりも高濃度のガドリニアを用いればよい。
図2における曲線22は、1種類の燃料集合体で構成した種々の濃縮度の初装荷炉心において、濃度 7.5%のガドリニアを用いた場合の第1サイクルの余剰反応度の最大値で、この図2から分かるように濃縮度の異なる複数の燃料で構成した初装荷炉心の場合は、曲線20または曲線21に比べて余剰反応度はかなり大きくなっている。これは、燃料の濃縮度が高いほど中性子スペクトルがハードになるためガドリニアの燃焼が遅れるからである。
すなわち、平均濃縮度が同じであれば、濃縮度が異なる複数の燃料で炉心を構成し、濃縮度の高い燃料により多くの可燃性毒物を含有させることによって、可燃性毒物の反応度寿命を長期化させ、これにより余剰反応度を低減することができる。
上記構成によって平均濃縮度を大幅に高めたことにより、初装荷燃料の平均取出燃焼度が従来よりも大幅に増加し、従来の図20に示した平均濃縮度 2.1%の初装荷炉心1では、初装荷燃料の平均取出燃焼度は約25GWd/tであり、濃縮度3.7%の取替燃料の平均取出燃焼度45GWd/tの0.56倍にしか満たないが、平均濃縮度を 2.7%に高めた初装荷炉心15aでは、平均取出燃焼度は約32GWd/tとなり、取替燃料の平均取出燃焼度の0.71倍となる。
第1の発明群においては、例えば図1の燃料配置構成図に示すように、第1サイクルにおいて初装荷燃料集合体が装荷され、第2サイクルまたは第3サイクル以降にて取替燃料集合体が装荷される原子炉を、各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に斜線23部分で2分割した炉心において、第1サイクルにて炉心周辺領域に配置されていた前記初装荷燃料集合体を第2サイクルにおいて炉心周辺領域よりも炉心内部領域に多く配置して運転する。
また、この濃縮度が異なる2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、第1サイクル及び第2サイクルにて炉心最外周に最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体を配置し、第1サイクルにおいて炉心最外周に配置された前記最高濃縮度初装荷燃料集合体と異なる前記最高濃縮度初装荷燃料集合体を第2サイクルにおいて炉心最外周に配置して運転する。
さらに、炉心の各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に斜線23部分で2分割して、第1サイクルの運転中に原子炉の炉心に挿入される制御棒の本数を炉心内部領域よりも炉心周辺領域において多くして運転する。
この第1の発明群による作用として、第2サイクルの余剰反応度を抑制できると共に、より長く運転することができる。図1(a)の炉心15aに示す第1サイクルにおいて炉心周辺領域に配置されていた初装荷燃料の高濃縮燃料集合体16,17は出力が低いため燃焼が進まないので、これに含有されている可燃性毒物および核分裂性物質は、第2サイクル移行時においても十分に残っている。
したがって、初装荷燃料集合体16〜18を図1(b)の炉心15bに示す第2サイクルにおいて、炉心の内部領域に移動させることにより、可燃性毒物の濃度を過度に高めることなく第2サイクルの余剰反応度を適切な範囲に制御することができると共に、第2サイクルの燃焼効率を高くなる。
なお、そのためには、可燃性毒物を多く含有する最高濃縮度初装荷燃料の燃料集合体16,17を、第1サイクルにおいて炉心周辺領域、特に炉心最外周に配置することが効果的であり、さらに、第1サイクルにおいて制御棒13の挿入によって炉心周辺領域の燃料の燃焼を一層遅れさせることによって、前記の作用をさらに強調することができる。
第2の発明群においては、例えば図1の燃料配置構成図に示すように、1本の制御棒13とこれを囲繞する4体の燃料集合体16〜18とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成される原子炉の炉心において、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体を装荷すると共に、第1サイクル及び第2サイクルにおいて最高濃縮度の前記初装荷燃料の燃料集合体16,17よりも濃縮度の低い4体の前記初装荷の燃料集合体18で低反応度セル14を構成して、運転中に制御棒13が挿入される前記低反応度セル14の数が第1サイクルよりも第2サイクルにおいて多くして運転する。
この第2の発明群による作用は、上記の第1の発明群によっても第2サイクルの余剰反度を十分に抑制できない場合に、第1サイクルよりも多い制御棒13を炉心に挿入することにより、第2サイクルの余剰反応度を制御することができる。
また一般に、燃焼に伴って燃料の反応度が減少して行くために、1本の制御棒13の反応度価値は、これを取り囲む燃料の燃焼と共に減少する。その結果、第1及び第2サイクルにおいて同じ濃縮度の初装荷燃料を低反応度セル14に用いた場合に、両サイクルにおいて余剰反応度が等しい場合であっても、第2サイクルの方がより多くの制御棒13を挿入しなければならない。
しかしながら、この第2の発明群によれば、このような状況に対処することができ、第1及び第2サイクル共に適切な本数の制御棒13を使用することによって原子炉を運転することができる。
次に第3の発明群は請求項1乃至4に係る発明であって、原子炉の炉心は1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成している。この炉心は濃縮度の異なる2種類以上の初装荷の燃料集合体16〜18を装荷すると共に、最高濃縮度の前記初装荷の燃料集合体16,17がさらに少なくとも上下端を除く大部分に可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が異なる2種類以上で構成している。
また、各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で径方向に2分割した炉心において、前記最高濃縮度初装荷燃料集合体を第1の燃料集合体と、この第1の燃料集合体よりも可燃性毒物入り燃料棒本数が多い第2の燃料集合体とで構成して、この第2の燃料集合体を炉心周辺領域よりも炉心内部領域に多く配置する。
さらに、前記第2の燃料集合体が炉心最外周に配置されると共に、前記第1の燃料集合体を炉心最外周から2層目及び3層目の少なくとも一方に配置して構成する。
また、4体の前記最高濃縮度初装荷の燃料集合体16,17で高反応度セル19を構成し、前記最高濃縮度初装荷の燃料集合体16,17よりも濃縮度の低い4体の前記初装荷の燃料集合体18で構成された低反応度セル14にX及びY方向のいずれにおいても面しない前記高反応度セル19には、前記低反応度セル14にX及びY方向の少なくともいずれか一方において面する前記高反応度セル19よりも前記第2の燃料集合体を多く装荷する。
この第3の発明群よる作用として、高濃縮度初装荷燃料が多く装荷された初装荷炉心15aにおいて、可燃性毒物入り燃料棒本数が異なる2種類以上の高濃縮度初装荷の燃料集合体16,17を装荷し、その装荷体数割合を調整することによって、第1及び第2サイクルの余剰反応度を適切な範囲に設定することができる。
さらに、可燃性毒物入り燃料棒本数が多い高濃縮度初装荷の燃料集合体17を炉心内部領域に多く配置することによって、炉心径方向出力分布を平坦化することができるので、熱的余裕が増大する。特に、可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない高濃縮度初装荷燃料16を炉心最外周に配置し、炉心最外周よりも内部においては可燃性毒物入り燃料棒本数が異なる高濃縮度初装荷燃料をほぼ均等に配置すると良い。
あるいは、可燃性毒物入り燃料棒本数が多い高濃縮度初装荷燃料集合体17を炉心最外周に配置し、可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない高濃縮度初装荷の燃料集合体16を炉心最外周から2層目または2層目と3層目に配置することによっても第1サイクルの炉心径方向出力分布を平坦化することができる。
この場合さらに、上記第1の発明群に基づいて、第1サイクル終了後に炉心最外周に装荷されていた可燃性毒物入り燃料棒本数が多い高濃縮度初装荷燃料集合体17を炉心内部領域の燃料集合体と入れ替えることによって、第2サイクルの余剰反応度を十分に低減することができる。
一方、可燃性毒物入り燃料棒本数が少ない高濃縮度初装荷の燃料集合体16を炉心最外周に配置した場合に、上記第1の発明群に基づいて燃料の入れ替えを行っても、第2サイクルの余剰反応度はあまり低下しない。したがって、第2サイクルの余剰反応度如何によって炉心最外周に装荷する初装荷燃料を選べば良い。
また、低反応度セル14に隣接しないセルでは制御棒13の反応度価値が大きいので、このセルに可燃性毒物入り燃料棒本数が多い高濃縮度初装荷の燃料集合体をより多く装荷することによって、初装荷燃料の平均濃縮度を引き下げることなく、炉停止余裕を向上させることができる。
次に第4の発明群では、図4の燃料棒配置の断面図に示すように図4(a),(b)は従来技術の燃料集合体25,26で、図4(c),(d)の燃料集合体27,28が本第4の発明群に基づいた燃料棒配置の燃料集合体を示す。複数の燃料棒を正方格子状に束ねて構成された燃料集合体及び前記燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、前記燃料集合体を構成する少なくとも1本の可燃性毒物入り燃料棒29がX及びY方向の4方向にて他の可燃性毒物入り燃料棒24と面している構成とする。なお、図中Gを付した燃料棒がガドリニア入り燃料棒24,29を示す。
また、濃縮度の異なる2種類以上の初装荷燃料集合体が装荷された原子炉の炉心において、最高濃縮度の前記初装荷燃料集合体が前記少なくとも1本の可燃性毒物入り燃料棒がX及びY方向の4方向にて他の可燃性毒物入り燃料棒と面している燃料集合体であるか、または外管と内管とからなる二重管構造で外管と内管とで形成された環状部に可燃性毒物を設けたウォータロッドを少なくとも1本具備する燃料集合体で、且つ前記最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度の低い前記初装荷燃料集合体が可燃性毒物を含有しないか、または前記最高濃縮度初装荷燃料集合体に含有されている可燃性毒物よりも反応度寿命が短い可燃性毒物を含有している構成としている。
この第4の発明群の作用としては、可燃性毒物の反応度価値を長期間持続させることができる。図4は可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒の種々の配置であり、図中Gを付した燃料棒がガドリニア入り燃料棒24を示す。なお、図4(a)は従来の燃料棒配置の燃料集合体25、図4(b)は特許文献3に開示されている発明に基づいた配置の燃料集合体26であり、図4(c)及び図4(d)の燃料集合体27,28が本第4の発明群に基づいた燃料棒配置の燃料集合体である。
これら4つの燃料集合体25〜28では、いずれも燃焼初期の無限増倍率が等しくなるようにガドリニア入り燃料棒24,29の本数を調整してある。濃度 7.5%のガドリニアを使用した場合の燃料集合体25〜28の無限増倍率を、図5の特性図により夫々曲線25a〜28aで示す。
また本第4の発明群では、X及びY方向の4方向を可燃性毒物入り燃料棒24によって包囲された可燃性毒物入り燃料棒29は、これを包囲した可燃性毒物によって中性子の入射を阻止されるので、包囲した可燃性毒物入り燃料棒24の可燃性毒物が燃焼して消失するまでは可燃性毒物として作用せず、これらが消失すると共に可燃性毒物として作用するようになる。
したがって、低濃度の可燃性毒物であっても十分長期間にわたって可燃性毒物として作用するため、第1及び第2サイクルの余剰反応度を制御することができる。さらに本第4の発明群の燃料集合体を用いることによって、第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化を平坦にすることができるので、制御棒操作が簡素化されて原子炉の運転が容易になる。
一般に低濃縮度燃料集合体18では、高濃縮度燃料集合体16,17に比べて中性子スペクトルが柔らかいため、可燃性毒物の燃焼が速い。したがって、高濃縮度初装荷燃料において第2サイクル終了時に消滅するように可燃性毒物濃度を設定し、これを低濃縮度初装荷燃料にも用いた場合には、低濃縮度初装荷燃料の可燃性毒物は第1サイクル終了時か、または第2サイクルの途中で消滅してしまうので、第2サイクルの中期以降では無限増倍率は燃焼と共に減少して行くことになる。
したがって、第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化を平坦にするためには、第2サイクルにおいて高濃縮度初装荷燃料の無限増倍率は燃焼と共に増加しなければならない。すなわち、高濃縮度初装荷燃料の無限増倍率の燃焼変化は、第1サイクルでは平坦であり第2サイクルでは増加していくことが望ましい。ところが、可燃性毒物入り燃料棒における中性吸収効果は、一般には、燃焼と共に表面積が減少して行くためにほぼ直線的に減少する。
しかしながら、本第4の発明群における燃料集合体では、燃焼に伴って4方向を取り囲む可燃性毒物の中性子吸収効果が減少すると共に、中心の可燃性毒物入り燃料棒の中性子吸収効果が増大してくるので、全体としての可燃性毒物による中性子吸収効果は比較的長い間一定の値が維持される。したがって、可燃性毒物であるガドリニア入り燃料棒24,29の本数を適切に設定することによって、前記した望ましい無限増倍率を達成できる。
さらに、前記と同様な無限増倍率は、外管と内管とからなる二重管構造で、この外管と内管との間に形成された環状部に可燃性毒物を充填させたウォータロッドを、少なくとも1本具備する構成の燃料集合体においても実現できる。この可燃性毒物が環状構造をしている場合に、燃焼に伴って可燃性毒物が占める領域の表面積はほとんど変化せず、その密度が減少して行く。
ところがガドリニウムのように中性子吸収断面積が大きい物質の場合には、ある程度以上の密度であれば、密度に関係なくその表面積だけで中性子吸収効果が決まるので、これによる中性子吸収効果は比較的長い間一定の値を維持し、その後急速に減少する。この結果、前記した望ましい無限増倍率が得られる。
以上本発明によれば、初装荷燃料の平均濃縮度を大幅に高めた原子炉の炉心において、第1サイクル及び第2サイクルの余剰反応度を適切な範囲に制御すると共に、十分な炉停止余裕を確保することができるので、初装荷燃料の取出燃焼度を増大して燃料経済性が大幅に向上する。
また、第1サイクル終了後に燃料交換を行わないので、原子炉の定期検査工程を簡素化することができて、原子力プラントにおける定期検査期間を短縮することができる。さらに、可燃性毒物の過度な高濃度化を避けることによって、燃料の健全性を維持することもできる効果がある。
本発明の一実施例を図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については同一符号を付して詳細説明を省略する。
第1実施例の炉心を図6の燃料配置構成図で示す。この図6は炉心の1/4を示したもので、(a)は第1サイクルの炉心30a、(b)は第2サイクルの炉心30bで、いずれも3種類の初装荷燃料が装荷されている。図中で4角内に1で示した燃料集合体31と、2で示した燃料集合体32は取替燃料と同じ濃縮度3.7%の高濃縮度初装荷燃料であり、Lで示した燃料集合体33は濃縮度 1.6%の低濃縮度初装荷燃料である。
なお、1本の制御棒13の周囲に4体の燃料集合体31〜33を配置した部分をセルと呼び、4体の燃料集合体全てに低濃縮度初装荷燃料である燃料集合体33を配置した部分が低反応度セル14で太枠で示している。
また第1サイクルの炉心30aでは、高濃縮度燃料の燃料集合体31(1)が 372体と、燃料集合体32(2)が 316体の計 668体、低濃縮度燃料の燃料集合体33(L)は 184体の合計 872体が装荷されており、この初装荷炉心の平均濃縮度は 3.3%である。
図7の燃料構成図により各初装荷燃料集合体31〜33及び取替燃料集合体34の濃縮度及びガドリニア入り燃料棒の構成を示す。図7の各領域35〜42における例えば「 3.9e,10G 7.0」は「濃縮度が 3.9%で、10本の 7.0%濃度のガドリニア入り燃料棒を有する」。また「 4.2e,10G 9.0」は「濃縮度が 4.2%で、10本の 9.0%濃度のガドリニア入り燃料棒を有する」ことを示している。
さらに、これらの燃料はいずれも上記図21に示した燃料集合体と同様の形状の高燃焼度用燃料であり、全長24ノードのうち、上端部2ノード及び下端部1ノードに斜線で示すガドリニアを含有しない天然ウラン領域が設けられている。
この高濃縮度燃料は下部のみにガドリニアを含有する燃料棒本数が異なる2種類があり、図7(a)に示す第1の燃料集合体であるA高濃縮度燃料集合体31に比べて、(b)に示す第2の燃料集合体であるB濃縮度燃料集合体32は、下部の領域39のみにガドリニアを含有する燃料棒が1本多い。
なお、A,B高濃縮度燃料集合体31,32におけるガドリニア入り燃料棒のうちで、上下端の天然ウラン領域を除く全長にわたってガドリニアを含有する10本の燃料棒は、図8の断面図にて燃料集合体31,32のGで示すガドリニア入り燃料棒43のように、5本1組を十字状に隣接配置したものを2組配設して構成する。
また、最高10%濃度のガドリニアを用いており、ガドリニア入り燃料棒の配置と併せて、第1サイクル及び第2サイクルの余剰反応度を平坦化している。なお、図7(c)に示す低濃縮度燃料集合体33は、上下端の天然ウラン領域を除いてガドリニア入り燃料棒本数は2本である。
次に低濃縮度燃料集合体に関連する参考発明について説明する。この参考発明は、原子炉の炉心を1本の制御棒とこれを囲繞する4体の燃料集合体とから構成されるセルを正方格子状に多数配列して構成し、初装荷燃料は濃縮度が異なる2種類以上の燃料集合体を装荷する。
この炉心は、その最外周を除くほとんど全ての前記セルが、最高濃縮度初装荷燃料集合体よりも濃縮度が低い低濃縮度初装荷燃料集合体を少なくとも1体含むか、またはセルのX,Y方向のいずれかの面において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と少なくとも2体面するか、またはセルの隅部4カ所のうち少なくとも3カ所において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方向に隣接するか、またはセルのX、Y方向のいずれかの面において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と1体面すると共にセルの隅部4カ所のうち少なくとも1カ所において前記低濃縮度初装荷燃料集合体と対角方向に隣接するか、のいずれかの構成である。
また、4体の前記最高濃縮度初装荷燃料集合体16,17で構成された高反応度セル19と4体の前記低濃縮度初装荷燃料集合体18で構成された低反応度セル14とを具備し、炉心最外周を除くほとんど全ての前記セルにおいて、前記高反応度セル19はXまたはY方向の少なくともいずれか一方において前記低反応度セル14と面し、かつ前記低反応度セル14にX及びY方向のいずれにおいても面しない前記セルには前記低濃縮度初装荷燃料集合体18が少なくとも1体装荷した構成としている。
この参考発明による作用としては、平均濃縮度を大幅に高めた炉心において十分な炉停止余裕を確保することができる。すなわち、図3(a)の要部燃料配置構成図に示すように、炉心の6行6列部分の燃料配置において、黒丸位置の制御棒13aの制御棒価値は、この制御棒13aを取り囲む4体の燃料の位置Aと、これらをさらに取り囲む8体の燃料の位置B、及び4体の燃料の位置Cの反応度に大きく依存する。
また図3(b)の特性図は、全ての燃料が高濃縮度燃料集合体16(1)と高濃縮度燃料集合体17(2)である場合の制御棒13の制御棒価値を基準にして、低濃縮度燃料集合体18(L)の装荷によって炉停止余裕が改善されて行く様子を示したものである。
高濃縮度燃料集合体16,17の1体を低濃縮度燃料集合体18の1体に置き換えた効果は、燃料位置Aで最も大きく、位置B、位置Cの順に減少している。この図3(b)から低濃縮度燃料集合体18を、Aの位置に1体か、Bの位置に2体か、Cの位置に3体か、またはB及びCの位置に1体ずつ配置することによって、同程度に炉停止余裕を改善することができることが分かる。
したがって、この参考発明に基づいて、炉停止余裕の改善に効果的な場所から優先的に低濃縮度燃料集合体18を装荷することによって、低濃縮度燃料集合体18の装荷体数を最小限に止めることができるので、その分だけ高濃縮度燃料集合体16,17の装荷体数が増加して、初装荷燃料の平均濃縮度を大幅に増加させることが可能となる。
図6(a)に示す第1サイクルの炉心30aでは、低濃縮度燃料集合体33(L)で構成される低反応度セル14が全炉心で21個具備されている。また低濃縮度燃料集合体33は、低反応度セル14に装荷されているほかに、参考発明にしたがって炉心内にほぼ均等に装荷されている。
これら以外の位置には全て高濃縮度燃料集合体31(1)と高濃縮度燃料集合体32(2)が装荷されており、炉心最外周セルの一部及び低反応度セル14にX及びY方向のいずれか一方において隣接しているほとんどのセルは高濃縮度燃料集合体31,32のみで構成された高反応度セル19である。
このような燃料配置の結果、初装荷燃料の平均濃縮度を 3.3%と高くした初装荷炉心において、約 1.5%Δkの一定な余剰反応度と、1%Δk以上の十分な炉停止余裕を確保することができた。
図6(b)に示す第2サイクルの炉心30bは、第1サイクル終了後に初装荷燃料と取替燃料集合体34との交換は行わずに、炉心30bを同心円状で2分割する斜線23を境界にして、周辺領域の燃料集合体と内部領域の燃料集合体とを入れ替えただけで構成したものである。
さらに、第1サイクルにおいて低反応度セル14に装荷されていた低濃縮度燃料集合体33を、低反応度セル14以外に装荷されていた低濃縮度燃料集合体33と入れ替えている。低反応度セル14に装荷された燃料は燃焼が進まないので、この燃料移動により低濃縮度燃料集合体33の燃焼を均一にすることができる。
また、低反応度セル14に装荷された低濃縮度燃料集合体33では、制御棒挿入側に近い燃料棒の燃焼が特に進まないため、サイクル末期で制御棒13が引き抜かれると、この燃料棒13に過大な出力ピークを生ずる可能性がある。
この傾向は低反応度セル14に装荷されていた期間が長いほど顕著なので、本第1実施例のように、低反応度セル14に装荷される低濃縮度燃料集合体33を入れ替えることによって、第2サイクル末期において過大な出力ピークが発生するのを避けることができる。
図9の特性図は、第1実施例における曲線44で示す第2サイクルの余剰反応度を、第1サイクル終了後の燃料移動を全く行わなかった場合の曲線45で示す余剰反応度とを比較したものである。第2サイクル末期の反応度は、燃料移動を行わないと約 0.7%Δk不足しており、第2サイクル末期まで原子炉を運転するためには、初装荷燃料の平均濃縮度を本一実施例よりもさらに約 0.1%高めなければならない。ところがその場合に、余剰反応度は図9の曲線45よりも約 0.7%Δk高くなり、最大で 2.5%Δkの大きな余剰反応度になってしまう。
しかしながら本第1実施例では、余剰反応度は第2サイクルの方が第1サイクルよりも小さいが、低反応度セル14の数は逆に第2サイクルの方が第1サイクルよりも多い。これは、第1サイクル、第2サイクル共に同じ低濃縮度初装荷燃料集合体33が低反応度セル14に装荷されているため、燃焼が進行して燃料の反応度が低下するにつれて制御棒13の反応度価値が減少することによる。
また、第1サイクルでは、炉心30aを各領域に含まれる燃料集合体数がほぼ等しくなるように同心円状で2分割する斜線23を境にして、炉心周辺領域の方が炉心内部領域よりも低反応度セル14の数が多い。これによって、炉心周辺領域に装荷されている燃料の燃焼を抑制し、これを第2サイクルにおいて炉心内部領域に移動させることによって、図9に示した効果を達成する一助としている。
第2サイクル終了後は、 184体の低濃縮度初装荷燃料集合体33が全て炉心30bから取り出され、図7(d)に示す濃縮度 3.7%の取替燃料集合体34が炉心に装荷されて第3サイクルの運転が行われる。本第1実施例の第1及び第2サイクルでは、高濃縮度初装荷燃料集合体31,32が炉心最外周に装荷されており、余剰反応度の低減に役立っつているだけでなく、第2サイクル終了後に炉心30bから取り出される低濃縮度燃料集合体33を長期間にわたって炉心内部に配置することによって、その取出燃焼度を増大させている。
一方、第3サイクル以降の炉心では、最も燃焼が進んで反応度が低下した燃料を炉心最外周に装荷し、炉心からの中性子の漏洩を低減して炉心の反応度を高めることにより、燃料の燃焼効率を向上させている。
このような燃料交換を繰り返した結果、本第1実施例による初装荷燃料全 872体の平均取出燃焼度は約38GWd/tとなり、濃縮度 3.7%の取替燃料34の平均取出燃焼度45GWd/tの 0.84 倍に達した。また、平均濃縮度が 2.1%の従来の初装荷燃料の平均取出燃焼度は約25GWd/tであるので、本発明によって初装荷燃料の平均濃縮度を大幅に高めた結果、平均取出燃焼度を約50%増大させることができた。
本炉心に装荷されている各初装荷燃料の濃縮度及びガドリニアは、図7に示すように軸方向に分布しており、この各燃料の燃焼変化を図10の特性図に示す無限増倍率を用いて、その作用について説明する。なお、図10における軸方向の各領域の無限増倍率は、前記図7において付した各領域と同じ符号に「a」を付加した符号で表す。
先ず、2種類のA,B高濃縮度燃料集合体31,32ではいずれも、特許文献4に記載の発明に基づいて、短尺燃料棒7の上端の上方よりも下方においてガドリニア入り燃料棒の本数を多くしている。本一実施例で用いた高燃焼度燃料では、短尺燃料棒7の存在のために無限増倍率の特性が上下で大きく異なっており、上方は下方に比べて燃料棒が少なく減速材が多いので、ガドリニアの中性子吸収効果は上方が下方よりも大きくなる。
したがって、ガドリニア入り燃料棒本数が上下で同じであれば、燃焼初期の無限増倍率は上方が下方よりも小さく、軸方向出力分布は下方ピークとなる。そこで本第1実施例のように、短尺燃料棒7の上端の上方よりも下方においてガドリニア入り燃料棒の本数を多くした結果、無限増倍率は図10の曲線36a及び37aのように上方が下方よりも大きくなって軸方向出力分布が平坦化する。またB高濃縮度燃料集合体32では、下部領域38においてガドリニア入り燃料棒が1本追加されており、さらに軸方向出力分布を平坦化している。
図11の特性図は、この第1実施例における第1サイクル中期の軸方向出力分布の曲線46を、図6(a)に示した炉心30aの第1サイクルに装荷される高濃縮度燃料として、図7(a)に示すA高濃縮度燃料集合体31のみを用いた場合の曲線47と、図7(b)に示すB高濃縮度燃料32のみを用いた場合の曲線48とを比較したものである。ただし比較のために、図7(a)に示されるA高濃縮度燃料集合体31における下端の天然ウラン領域の直上を、図7(b)に示されるB高濃縮度燃料集合体32の対応する領域40と同一とした。
この図11から分かるように、曲線47では下方ピークが大きく、短尺燃料棒7の上端(図7中の矢印)を境にして、下方の領域のガドリニア入り燃料棒本数を上方より1本多くしただけでは出力分布の下方歪を十分に是正することができない。一方、曲線48が示すように、全ての高濃縮度燃料集合体において下部のガドリニア入り燃料棒本数をさらに1本増加させると下部の出力が低下し過ぎてしまう。
そこで本発明のように、下部領域のみにガドリニアを含有する燃料棒本数が異なる2種類の高濃縮度燃料を用意して、その装荷体数割合を調整することによって適度な軸方向出力分布を達成することができる。
また、A,B高濃縮度燃料集合体31,32のいずれにおいても、下部領域38,39のガドリニア濃度を上部よりも大きくしてある。一般に沸騰水型原子炉では出力が下方に歪む性質があるため、下部領域の燃焼が上部よりも進むことになる。
ところが、高濃縮度燃料の無限増倍率は、第2サイクルでは燃焼に伴って上昇するため、上下のガドリニア濃度が同一の場合には、燃焼の速い下部の方が上部よりも無限増倍率が大きくなり、その結果、出力の下部ピークがさらに強調されることになる。したがって、下部領域のガドリニア濃度を上部よりも高くしておくことによって、軸方向出力分布を平坦化することができる。
なお本第1実施例では、ガドリニア分布に加えて、下部領域38,39,40の濃縮度を上部領域36,37よりも低くしており、これによっても軸方向出力分布を平坦化している。ただし図7(c)に示す低濃縮度燃料集合体33では、ガドリニア含有量は上下一様とした。これは、図10の曲線41a,42aから分かるように、ガドリニア入り燃料棒本数が少ない場合には、短尺燃料棒7の上端(図7中の矢印)を境にした上下でのガドリニアの反応度価値の相違が、軸方向出力分布へ及ぼす影響が小さいからである。
ただし、各燃料棒において斜線部の上下端天然ウラン領域を除いて濃縮度は軸方向一様とし、短尺燃料棒7の濃縮度を燃料集合体で使用されている中で最低の濃縮度とすることによって、実質的に軸方向濃縮度分布を持たせている。
ここで、低濃縮度燃料集合体33では濃度 7.5%のガドリニアを使用しており、その反応度価値は第1サイクルでほぼ消滅している。その結果、無限増倍率は第1サイクルではほぼ一定であり、第2サイクルでは燃焼と共に減少している。この無限増倍率と、第1サイクルではほぼ一定であり第2サイクルでは燃焼と共に増加する高濃縮度燃料の無限増倍率とを組み合わせることによって、第1及び第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化を平坦にすることができる。
本第1実施例ではまた、いずれの高濃縮度燃料においても、上端の天然ウラン直下の領域34においてガドリニア濃度を低くして無限増倍率を高め、この領域の出力を高めて軸方向出力分布を平坦化している。この炉心では大半の燃料が高濃縮度燃料であり、その無限増倍率は図10の曲線36aのように、第1サイクルでは燃焼と共にほぼ一定であり、第2サイクルでは燃焼と共に上昇している。
したがって、ガドリニア濃度が同じであれば、第2サイクルにおいて、上端に近く燃焼が進まない領域35では、燃焼が進む領域36に比べて無限増倍率が低くなる。その結果第3サイクルでは、燃焼の進まなかった領域35の無限増倍率が、燃焼が進んですでに無限増倍率のピークを越えた領域36よりも大きくなり、この領域35に出力ピークを生ずるようになる。そこで本一実施例では、領域35のガドリニア濃度を低くして、特に第2サイクルで無限増倍率を高めて燃焼を促進させている。
図12の特性図は第3サイクル末期の軸方向出力分布であるが、本第1実施例の曲線49は領域34のガドリニア濃度を、領域36と同一とした場合の曲線50よりも出力分布が平坦化されている。さらに、ガドリニア濃度を低くした結果から、反応度損失をもたらす第2サイクル終了時でのガドリニアの燃え残りを減少させることができて、反応度利得を得ている。
ところで取替燃料集合体34において、上端の天然ウラン領域の直下における可燃性毒物濃度をそれよりも下方の可燃性毒物濃度よりも低くする発明は、特許文献5に開示されている。これに対して本発明では、上端の天然ウラン直下の領域における可燃性毒物濃度と、それよりも下方の可燃性毒物濃度との差を、初装荷燃料において取替燃料集合体34よりも大きくしたことが特徴である。
本第1実施例におけるガドリニア濃度差は、取替燃料34では1%であるのに対して、B高濃縮度初装荷燃料集合体32では2%である。なお、この実施例では領域35として2ノードにおけるガドリニア濃度を低くしたが、3ノード以上にわたってガドリニア濃度を低くすると、第1サイクル末期でこの領域に出力ピークを生ずるので、領域35としては2ノードが適切である。
また、本第1実施例では、領域35の濃縮度を領域36よりも低くして、第2サイクル末期における領域35の無限増倍率の増大による炉停止余裕の悪化を避けている。ただし、炉停止時におけるこの領域の出力ピークは、燃焼があまり進んでいない第2サイクルでは平衡サイクルほど極端に大きくないので、濃縮度を下げなくとも設計基準を満たすことは可能である。
さらに、下端の天然ウランの直上領域の出力も低いので、B高濃縮度燃料集合体32においてこの領域40のガドリニア入り燃料棒の本数及び濃度を、その上の領域39よりも少なくして無限増倍率を高め、領域40の出力を高めて軸方向出力分布を平坦化している。
また、第3サイクル中期の軸方向出力分布を図13の特性図に示すが、この第1実施例の曲線51は領域40のガドリニア含有量を領域39と同一とした場合の曲線52よりも出力分布が平坦化されていることが分かる。なお、本第1実施例ではB高濃縮度燃料集合体32のガドリニア入り燃料棒を10本としたが、A高濃縮度燃料集合体31で10本、B高濃縮度燃料集合体32で11本としても良い。
第2実施例は図14の断面図に示す燃料集合体を採用している。この燃料集合体53は複数本束ねた燃料棒のほぼ中央に、外管54と内管55とからなる二重管構造で、これらに挟まれた環状部56に例えばガドリニアとジルコニウムのサーメット、または金属ガドリニウムのような可燃性毒物入りウォータロッド57を2本具備した構成としている。
ただし、燃料棒の中にGで示すガドリニア入り燃料棒43を5本併用しており、このうち1本は短尺燃料棒7の上端よりも下方のみにガドリニアが含有されている。
上記構成による一例として、可燃性毒物入りウォータロッド57の環状部56に濃度40%の可燃性毒物であるガドリニアを含有するサーメットを使用した場合で、上記図7(a)の下部領域37に相当する領域の無限増倍率を図15の特性図に示す。
この燃料集合体53における無限増倍率は、可燃性毒物を全く含有しない場合の無限増倍率の曲線58に対して、ウォータロッド57に含有されているガドリニアは、曲線59で示すように比較的長い間一定の中性子吸収効果を維持し、その後急速に減少する。しかし、濃度7%のガドリニアを含有させた燃料棒43が5本配置しされていることから、曲線60に示すような良好な無限増倍率が達成される。
なお、この燃料集合体53において、上記した第1実施例のようにガドリニア濃度を軸方向に分布させる場合は、燃料棒43に含有されるガドリニアではなく、ウォータロッド57の環状部56に設けたガドリニア濃度を分布させれば良い。
これにより、原子炉の炉心で第1サイクル及び第2サイクルの余剰反応度の燃焼変化を平坦化するために望ましい高濃縮度初装荷燃料の無限増倍率の燃焼変化、すなわち第1サイクルでは平坦であり、第2サイクルでは増加して行く無限増倍率を達成するために、上記第1実施例では図8に示すようにガドリニア入り燃料棒43を十字状配置にして多数用いたが、本第2実施例では、この数を削減することができる。
第3実施例は図16の燃料構成図に示す燃料集合体を採用している。すなわち、図6に示す炉心30a,30bに装荷する高濃縮度初装荷燃料集合体を、図16(a)の第1の燃料集合体であるC高濃縮度初装荷燃料集合体61、及び図16(b)の第2の燃料集合体であるD高濃縮度初装荷燃料集合体62とする。
この燃料集合体は上記第1実施例において図7(a),(b)で示したA,B高濃縮度燃料集合体31,32における、上下端の天然ウラン領域を削除して内部の濃縮領域を拡張したもので、その平均濃縮度を4.1 %に構成している。
燃料集合体において平均濃縮度を高める際には、上下端に配置した天然ウラン領域はそのままで、内部の濃縮領域の濃縮度を高めても良いが、本第3実施例のように構成することで、容易に軸方向出力分布を平坦化することができる。
また、上下端の天然ウラン領域の長さを取替燃料集合体34よりも短くして、内部の濃縮領域の濃縮度をやや高めても良い。なお、図16に示すC,D高濃縮度燃料集合体61,62において、上下端の可燃性毒物含有量をさらに少なくすれば、軸方向出力分布をさらに平坦化することができる。
あるいは、図7(a)に示した第1サイクルの炉心30aにおいて、炉心最外周に配置されている高濃縮度初装荷燃料だけを、図16(a)のC高濃縮度燃料集合体61に置き換えても良い。
濃縮度の高い高濃縮度初装荷燃料を炉心内部に装荷した場合に、径方向出力ピーキングの増大や炉停止余裕の悪化が懸念されるが、炉心最外周へ高濃縮度燃料集合体を装荷してもこのような問題は生ぜず、むしろ径方向出力ピーキングが平坦化されるという好ましい結果をもたらす。
この第3実施例によれば、上記第1実施例における初装荷燃料の平均取出燃焼度は約38GWd/tであり、このうち低濃縮度初装荷燃料集合体33は約20GWd/t、A,B高濃縮度初装荷燃料集合体16,17は約42GWd/tであった。すなわち、A,B高濃縮度初装荷燃料集合体16,17の平均取出燃焼度は、同じ濃縮度の取替燃料集合体34の平均取出燃焼度45GWd/tよりも小さい。
これは、全ての取替燃料集合体34は第4または第5サイクルの間、炉心に装荷されているのに対して、一部の高濃縮度初装荷燃料は3サイクル終了後に炉心から取り出されるからである。
そこで、燃料の健全性は、濃縮度ではなく取出燃焼度に依存することを考慮すると、本第3実施例のC,D高濃縮度初装荷燃料集合体61,62の濃縮度をさらに高めて、その取出燃焼度を取替燃料集合体34並みにまで増大させることによってさらに経済性を向上させることができる。
第4実施例を図17の炉心の燃料配置構成図に示す。第1サイクルにおける炉心63には、3種類の初装荷燃料が装荷されており、図中の4角内に1または2で示した燃料集合体は、図18の燃料構成図(a),(b)に示すE,F高濃縮度初装荷燃料集合体64,65(取替燃料集合体34と同濃縮度)であり、Lで示した燃料集合体は同じく図7(c)に示した濃縮度1.6 %の低濃縮度初装荷燃料集合体33である。
炉心63にはE高濃縮度燃料集合体64(1)が 384体、F高濃縮度燃料集合体65
(2)を 300体の計 684体で、低濃縮度燃料集合体33(L)は 188体の合計 872体が装荷されている。本第3実施例では低反応度セル14は45個具備されており、低濃縮度燃料集合体33はこれら低反応度セル14に 180体と、炉心周辺領域に8体装荷されている。
高濃縮度燃料はガドリニア入り燃料棒本数が異なる2種類があり、図18(a)に示す第1の燃料集合体であるE高濃縮度燃料集合体64は、ガドリニア入り燃料棒が図18(b)に示す第2の燃料集合体であるF高濃縮度燃料集合体65よりも2本多い。
なお、上記した第1実施例では、下部の一部を除いてガドリニア入り燃料棒本数が等しい2種類のA,B高濃縮度燃料集合体31,32を使用しており、これで適切な余剰反応度を達成することができた。
しかしながら、例えば図10の曲線39aと40aとの比較から分かるように、ガドリニア入り燃料棒1本の反応度価値は3〜4%Δkであるから、例えば初装荷燃料の平均濃縮度が異なる炉心で余剰反応度を調整しなければならない場合には、高濃縮度燃料が1種類だけでは対応が困難である。
そのような場合には、本第4実施例のようにガドリニア入り燃料棒の異なる2種類のE,F高濃縮度初装荷燃料集合体64,65を用意しておき、その装荷体数を調整することにより、余剰反応度を適切な範囲に容易に設定することが可能となる。
さらに第4実施例では、低反応度セル14に隣接しないセル66は隣接するセル67に比べて制御棒価値が大きいので、低反応度セル14に隣接しないセル66を、ガドリニア入り燃料棒本数の多いE高濃縮度燃料集合体64(1)3体と、ガドリニア入り燃料棒本数の少ないF高濃縮度燃料集合体65(2)を1体とで構成して炉停止余裕を向上させている。
また、炉心最外周にガドリニア入り燃料棒本数の多いE高濃縮度燃料集合体65
(1)を装荷すると共に、炉心最外周から2層目にはガドリニア入り燃料棒本数の少ないF高濃縮度燃料集合体65(2)を装荷して炉心径方向出力ピーキングを低減している。
本第4実施例では、炉心最外周に装荷されていたガドリニア入り燃料棒本数の多いE高濃縮度燃料集合体64を、第1サイクル終了後の炉心内部領域の燃料集合体と入れ替えることによって、第2サイクルの余剰反応度を十分に制御している。なお、炉心内の同等の位置に装荷された場合に、ガドリニア入り燃料棒本数の少ない燃料の方が軸方向出力ピーキングが増大しやすいので、本第4実施例では、下部のみにガドリニアを含有する燃料棒を、F高濃縮度燃料集合体65において1本多く具備させている。
ただし、F高濃縮度燃料集合体65に加えて、第1サイクルで炉心最外周に装荷されるE高濃縮度燃料集合体64にも下部にのみガドリニアを含有する燃料棒を1本増加しても良く。この場合には第1サイクル終了後の燃料移動によって、第2サイクルにおいて、余剰反応度を十分に低減できる上に、軸方向出力分布を平坦化することができる。
この第4実施例では45個の低反応度セル14を具備しており、炉心63を同心円状で2分割する斜線23を境界にして、炉心内部領域の低反応度セル14よりも炉心周辺領域の低反応度セル14において、より多くの制御棒13を挿入して第1サイクルの運転を行う。
第1サイクル終了後は、炉心周辺領域の高濃縮度燃料集合体と炉心内部領域の高濃縮度燃料集合体とを入れ替えて第2サイクルの炉心を構成する。さらに第2サイクルでは、第1サイクルで制御棒13が挿入されなかった低反応度セル14に装荷されていた低濃縮度初装荷燃料集合体33で構成された低反応度セル14に制御棒13を挿入して運転を行う。
これらによって、第2サイクルの余剰反応度の制御、及び燃焼効率が向上されると共に、第2サイクル終了時における低濃縮度燃料集合体33の制御棒挿入側の燃料棒13における出力ピーキングの増大が避けられる。
第5実施例は、図19の燃料配置構成図に示すように、第1サイクルにおける炉心68の燃料配置が、4角中に夫々H,M,Lで示す濃縮度が異なる3種類の初装荷燃料集合体で構成されており、夫々平均濃度 4.1%の高濃縮度燃料集合体69(H)が 480体、平均濃度 2.8%の中濃縮度燃料集合体70(M)が 208体、平均濃縮度 1.6%の低濃縮度燃料集合体33(L)が 184体と、合計 872体装荷されていて初装荷燃料の平均濃縮度は 3.3%である。
上記した第1実施例等では、第1実施例を例にすると高濃縮度燃料集合体31,32と低濃縮度燃料集合体33の2種類の初装荷燃料が用いられていて、このうち低濃縮度燃料集合体33は全て第2サイクル終了後に取り出され、一方高濃縮度燃料集合体31,32は第3乃至第6サイクルにおいて取り出される。
したがって、上記第3実施例のように、一部の高濃縮度燃料集合体61,62の濃縮度を高めたとしても、第3サイクル終了後に炉心から取り出されるものは未だ多くの核分裂性物質を残したままになる。
そこで本第5実施例では、第3サイクル終了後に炉心から取り出される 216体を中間濃縮度としている。
これにより、取り出し時の核分裂性物質の残存量を低減することができるので、核燃料資源を有効に活用することができる。ただし、このままでは初装荷燃料の平均濃縮度が低下してしまうので、本第5実施例では、高濃縮度燃料集合体69
(H)の濃縮度を取替燃料集合体34の 3.7%よりも高い 4.1%としてある。
また低濃縮度燃料集合体33(L)は、37個の低反応度セル14に装荷されているほかに、炉心周辺領域にも装荷して炉停止余裕の改善を図っている。中濃縮度燃料集合体70(M)は、低反応度セル14と炉心周辺領域の一部のセルを除いて、各セル71に1体を配置して出力ピークを低減すると共に、炉心最外周にも配置してある。
すでに述べたように、濃縮度が低くなると中性子スペクトルがソフトになるため可燃性毒物の反応度寿命は短くなるので、中濃縮度燃料集合体70に含有されているガドリニアは、高濃縮度燃料集合体69に含有されているガドリニアよりも早く消滅する。そこで本第5実施例では、中濃縮度燃料集合体70を炉心最外周に配置することでその燃焼を抑制し、これにより第2サイクルの余剰反応度の低減を図っている。
なお図19では、炉心最外周に中濃縮度燃料集合体70を配置しているが、低濃縮度燃料集合体33または高濃縮度燃料集合体69を配置しても良く。さらに、初装荷燃料の濃縮度の種類としては、第1乃至第4実施例では2種類、第5実施例では3種類を使用しているが、これに対して上記図20で示したように高濃縮度燃料集合体2〜4と低濃縮度燃料集合体5の4種類の濃縮度の初装荷燃料集合体で構成することもできる。
なお、この場合に低反応度セル14や炉停止余裕向上のために装荷する燃料としては、最低濃縮度燃料集合体5または2番目に低い濃縮度の初装荷燃料集合体4を用いることができる。また、第1サイクルにおいて炉心最外周に配置される初装荷燃料としては、最低濃縮度燃料集合体5、2番目に低い濃縮度の燃料集合体4、3番目に低い濃縮度の燃料集合体3、最高濃縮度の燃料集合体2、またはこれらを組合わせた配置が考えられる。
第6実施例としては、低反応度セル14や炉停止余裕向上のために装荷する燃料として、反応度が低い燃料であれば良いことから、その一例として図7(c)に示した低濃縮度燃料集合体33の代わりに、図7(a)及び(b)に示したA,B高濃縮度燃料集合体31,32よりもガドリニア入り燃料棒本数が多く、しかもガドリニア濃度も高い第3の高濃縮度燃料集合体を使用する。
すなわち、上記した第1乃至第5実施例では、濃縮度の低い初装荷燃料集合体を低反応度セル14や炉停止余裕向上のために配置している。しかしながら、低反応度セル14や炉停止余裕向上のために装荷する燃料としては、反応度が低い燃料であれば良く、必ずしも低濃縮度燃料集合体33である必要はない。
したがって、この第3の高濃縮度燃料集合体を使用すれば、前記A高濃縮度燃料集合体31及びB高濃縮度燃料集合体32に比べて、第1サイクル初期から第2サイクル末期までの燃焼期間において反応度が十分低いので、低反応度セル14及び炉停止余裕向上のための低反応度燃料集合体として使用することができる。
この場合に、低濃縮度燃料集合体33を用いた第1実施例に比べて、初装荷燃料の平均濃縮度をさらに高めることができるので、初装荷燃料の取出燃焼度が増大して、経済性が向上するという効果が得られる。
1,63,68…炉心、2,16,17,25〜28,31,32,53,61,62,64,65,69…高燃焼度燃料集合体、3,70…中燃焼度燃料集合体、4,5,18,33…低燃焼度燃料集合体、6…長尺の燃料棒、7…短尺燃料棒、8…ウォータロッド、9…スペーサ、10…上部タイプレート、11…下部タイプレート、12…チャンネルボックス、13,13a…制御棒、14…低反応度セル、15a,30a…第1サイクルの炉心、15b,30b…第2サイクルの炉心、19…高反応度セル、20〜22,25a〜28a,35a〜42a,44〜52,58〜60…曲線、23…斜線(境界)、24,29,43…ガドリニア入り燃料棒、34…取替燃料集合体、35〜42…燃焼領域、54…外管、55…内管、56…環状部、57…可燃性毒物入りウォータロッド、66…低反応度セルに隣接しないセル、67…低反応度セルに隣接するセル、71…セル。