JP4713224B2 - 沸騰水型原子炉用燃料集合体の組、及び炉心 - Google Patents

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Description

本発明は、ウラン・プルトニウム混合酸化物を用いた沸騰水型原子炉用燃料集合体、燃料集合体の組、及び炉心に関するものである。
使用済原子燃料を再処理して得られたプルトニウム(以下、Puという)を混合したウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下、MOX燃料という)を軽水炉に装荷するいわゆるプルサーマル計画が現在進行している。MOX燃料の設計においては、MOX燃料の経済性、Pu消費などの観点から、複数の設計概念が考えられる。
例として、MOX集合体の製造体数及び輸送体数の低減を重視する設計概念、MOX燃料棒の製造本数の低減とともに炉心装荷Pu量の増大を重視する設計概念などが有効な設計概念として考えられる。ここで、核分裂性プルトニウム富化度(以下、「Puf富化度」と記す)種類を含めMOX燃料棒の種類を単一とした場合、燃料棒製造コストの低減等の利点がある(例えば、特許文献1参照)。
従って、MOX燃料棒の富化度種類を単一とする設計(単一富化度設計)は、MOX燃料設計の有望な概念の1つである。以下、単一富化度のMOX燃料について説明する。沸騰水型原子炉は炉心内で減速材が沸騰するため、集合体内の減速材分布に偏りが生じひいては集合体内出力分布に歪みが生じる。これを緩和し集合体内の出力分布を平坦化するため集合体内に濃縮度分布若しくは富化度分布を持たせる必要がある。
MOX燃料棒のPuf富化度を全て同一とした単一富化度MOX燃料集合体については、集合体内の出力分布を緩和するためにはPuを含まないウラン燃料棒及びPuを含まず可燃性毒物を含有する可燃性毒物入り燃料棒を適度に配置する必要があり、MOX燃料棒及びウラン燃料棒の配置の工夫が必要であるとともに、ウラン燃料棒に対して濃縮度分布を適切に設定する必要がある。
このため、集合体内のMOX燃料棒本数は一般的に集合体内燃料棒本数の1/3以下、即ち,集合体内のMOX重金属割合は1/3以下である。ところで、現行の軽水炉においては、炉心内のMOX重金属重量割合が1/3程度までは従来のウラン燃料炉心と同様の設計が可能であるとされている。
Puの有効な消費の観点からは炉心内のMOX重金属重量を1/3を超えない範囲で、可能な限り高めることが望ましい。
前述のとおり単一富化度MOX集合体内のMOX重金属割合は一般的に1/3以下であるので、単一富化度MOX集合体を装荷した炉心において、炉心内MOX重金属割合を1/3を超えない範囲で可能な限り高めるためには、炉心内の燃料集合体の全数を当該MOX集合体とする必要がある。
この場合、サイクル長さの変動等に柔軟に対応するために、反応度調整を容易にする方法として、可燃性毒物入り燃料棒本数の異なる複数のタイプの燃料を準備しておくことが極めて好ましい。
可燃性毒物添加量の異なる2種類の取替燃料を用いて炉心を構成することを2ストリームと呼ぶが、この2ストリーム用に設計された燃料集合体の組としては例えば特許2958861号に示された概念が有効である(例えば、特許文献2参照)。
これは、可燃性毒物入り燃料棒の本数の多い第2集合体において、可燃性毒物入り燃料棒本数の少ない第1集合体よりも水ロッドに隣接する可燃性毒物入り燃料棒本数を多くしたものである。しかしながら、本概念は主にMOX燃料棒を含まない燃料集合体に対して最適化されたものであり、特に単一富化度のMOX燃料棒を使用するに当たってはその特性に配慮した設計が望まれる。
特開2003−107183号公報 特許第2958861号公報
また一方、MOX燃料集合体1体当たりの取出エネルギを大きくして平均取出燃焼度を向上させるため、よりPuf富化度を高めるための開発が実施されている。Puf富化度を高め、かつ集合体内でMOX燃料棒の富化度を1種類とすると、MOX燃料棒の出力が過度に増大し、燃料健全性に悪影響を及ぼす可能性が高まる。更に、Puf富化度の増大に際しては、中性子スペクトルが硬化するため可燃性毒物価値が劣化する。このため、可燃性毒物入り燃料棒の配置を適切に選択する必要がある。
可燃性毒物価値を高める手段として、可燃性毒物入り燃料棒をスペクトルの軟らかくなる位置、すなわち水ギャップに隣接する位置(集合体最外周位置)におく方法が有効である。
しかしながら、本方法は制御棒価値を低下させるなどの悪影響が懸念されるため、ここでは可燃性毒物入り燃料棒を集合体内周部に適切に配置する方法を優先させる。この場合、可燃性毒物入り燃料棒本数の異なる2タイプの燃料を用意する場合にも同様に両者に対して最適化を図ることが必要である。
また、例えば現在のウラン燃料において応力評価等の燃料棒の熱・機械設計で想定しているペレット最高燃焼度は75000MWd/tであり、MOX燃料についてもこの値を超えないように設計することが要求される。
この制限値は燃料健全性に係り、検証済みデータが拡充しない限り、現状での伸長は困難と考えられる。単一富化度MOX燃料棒を使用する場合には、燃料棒燃焼度や燃料ペレット燃焼度の増大が富化度を増加させる際の大きな障害となっており、従来からも十分検討されていなかった新たな課題である。取出平均燃焼度45000MWd/tを目指した従来の単一富化度設計においては、ペレット燃焼度75000MWd/tの制限値を満足して、かつPuf富化度を5.0wt%以上に高めることが極めて困難であった。
本発明は、高富化度化を目指した沸騰水型原子炉用MOX燃料において、単一富化度のMOX燃料棒を使用するに当たってペレット最高燃焼度に対する余裕を十分に確保し、かつ反応度制御に適した沸騰水型原子炉用燃料集合体、燃料集合体の組、及び炉心を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体の組は、核燃料物質からなる燃料ペレットを被覆管内に充填した燃料棒群が、正方格子状配列に規則正しく配置されると共に、この格子配列のほぼ中央位置に燃料棒複数本相当の領域を占める非沸騰領域である水ロッドを備え、
前記燃料棒群として、核分裂性プルトニウム富化度が1種類かつ5wt%以上の複数本のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本のウラン酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本の可燃性毒物入りウラン酸化物燃料棒とからなる沸騰水型原子炉用燃料集合体であって
ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒が、最外周を除いて、尚且つ、水ロッド隣接位置を除いて配置され、
平均二酸化プルトニウム富化度が互いに同等で可燃性毒物の量が互いに異なる2ストリーム用取り替え燃料集合体を構成する第1の燃料集合体と第2の燃料集合体とからなる沸騰水型原子炉用燃料集合体の組において、
第1の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒の全てが、水ロッドに隣接する領域に配置され、それ以外の領域には前記可燃性毒物入り燃料棒が配置されず、
第2の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒本数が、第1の燃料集合体よりも多く、水ロッドに隣接する領域の全てと最外周を除く内周領域とに配置されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る沸騰水型原子炉炉心は、請求項1に記載された沸騰水型原子炉用燃料集合体の組を装荷したものである。
本発明においては、核分裂性プルトニウム富化度を単一とした単一富化度ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒を使用する場合に、燃料棒や燃料ペレットの最高燃焼度に対する余裕を確保した上で核分裂性プルトニウム富化度を増大させた沸騰水型原子炉用燃料集合体を提供できるという効果がある。更に、可燃性毒物入り燃料棒本数の異なる2種類の沸騰水型原子炉用燃料集合体からなる組を用いることで、反応度制御が容易な沸騰水型原子炉炉心を提供できるという効果がある。
本発明においては、燃料棒群として、核分裂性プルトニウム富化度が1種類かつ5wt%以上の複数本のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本のウラン酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本の可燃性毒物入りウラン酸化物燃料棒とを備えた沸騰水型原子炉用燃料集合体において、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒が、最外周を除いて、尚且つ、水ロッド隣接位置を除いて配置され、前記可燃性毒物入り燃料棒が、水ロッドに隣接する領域に、配置されているため、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒(以下MOX燃料棒)を高い核分裂性プルトニウム富化度(以下Puf富化度)で、かつ富化度種類を1種類として使用する場合に、燃料健全性の確保及び経済性にすぐれた燃料を提供できる。
即ち、MOX燃料棒が、最外周を除いて、尚且つ、水ロッド隣接位置を除いて配置され、可燃性毒物入り燃料棒が、水ロッドに隣接する領域に配置されているため、燃焼初期の局所ピーキング係数は大きいものの、燃焼の進行に応じて局所ピーキング係数の値が減少し、燃焼末期においては従来設計例の値よりも小さくなる。
これは、従来設計例では高富化度のMOX燃料棒を水ロッドに隣接させ、燃焼を通じて反応度が高まる領域に配置したことによるものであるのに対し、本発明では、可燃性毒物入り燃料棒が水ロッドに隣接する領域に配置されているため、燃焼末期において水ロッドに隣接した位置における燃料棒の反応度が過度に高まらないようにしたためである。
即ち、従来設計例は可燃性毒物効果の観点から可燃性毒物入り燃料棒の配置が最適化されているものの、燃焼を通じた局所ピーキング係数の傾向については何ら配慮がなされていないのに対し、可燃性毒物入り燃料棒を全て水ロッド隣接位置に配置する本発明は、燃焼中期以降の局所ピーキング係数の低減に及ぼす効果が極めて大きくなる。
この結果、本発明では、ペレット最高燃焼度の設計値に対し十分な余裕を持たせたうえ、さらなる高富化度化を達成することができる。なお、本発明の燃料集合体は燃焼初期の局所ピーキング係数が大きいものの、燃料棒本数の多い集合体においては、最大線出力密度等の熱的余裕の制限値に対する裕度は十分大きく、問題となることはない。
また、別の発明である沸騰水型原子炉用燃料集合体の組は、平均二酸化プルトニウム富化度が互いに同等で可燃性毒物の量が互いに異なる2ストリーム用取り替え燃料集合体を構成するにあたり、第1の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒の全てが水ロッドに隣接する領域に配置され、第2の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒本数が第1の燃料集合体よりも多く、水ロッドに隣接する領域の全てと最外周を除く内周領域とに配置されている。
これにより、サイクル初期の反応度の調整幅を増大させ、サイクル長さの変動等に対する柔軟性を増大させることができる。またPuの同位体組成は一般に設計時と製造時に異なるため、同一のPuf富化度としてもPuf割合が異なり、無限増倍率の燃焼変化に差異を生じる可能性があるが、本発明ではこのようなPu同位体組成の変化に対する柔軟性も大きくなる。更に、燃焼末期の局所ピーキング係数は従来設計例よりも小さくすることができる。
更に、第1の燃料集合体及び/又は第2の燃料集合体を装荷した2ストリーム炉心では、ペレット最高燃焼度に対する余裕を増大させることができ、かつ、反応度制御のより容易な炉心を構成することができる。
比較例1,2
沸騰水型原子炉用燃料集合体の断面において、水ギャップに隣接した領域(集合体最外周領域)では中性子スペクトルが軟らかく、出力が過大となりやすくなる。更に、周囲を水ギャップに囲まれたコーナ部はより出力が過大となり、これを回避するため、コーナ部の濃縮度若しくはPuf富化度は他領域より小さくすることが通常である。MOX燃料棒のPuf富化度を単一とし、かつ富化度を高める場合にはMOX燃料棒を最外周に配置する設計は困難であり、MOX燃料棒は最外周以外の集合体内周部に配置することが望ましい。
また、MOX燃料集合体においては、中性子スペクトルが硬くなり可燃性毒物の価値が小さくなる傾向にあるため可燃性毒物入り燃料棒の配置を最適化する必要がある。中性子スペクトルの軟らかい水ギャップに隣接した位置に可燃性毒物入り燃料棒を配置することにより、可燃性毒物価値は高まるが、制御棒価値の劣化及び水ギャップ部に存在する炉内核計装系の感度劣化といった問題点が生じる可能性がある。
図8は係る条件を反映させた従来の設計例を示したものであり、9×9格子配列で、中央部3×3の9本の燃料棒を占める領域に角形の水ロッドWを配したものである。本燃料集合体はタイプ1のMOX燃料棒、タイプ2〜4のウラン燃料棒及びタイプG1、G2の可燃性毒物入り燃料棒からなる単一富化度MOX燃料集合体である。タイプ1のPuf富化度は5.5wt%と高くし、かつ最外周以外の集合体内周部の2層目と水ロッドに隣接した位置に配置されている。
また、G1、G2の可燃性毒物入り燃料棒は集合体の最外周を除く位置に分散して配置されており、可燃性毒物入り燃料棒本数はG1とG2あわせて12本である。タイプ1のMOX燃料棒の母材は劣化ウランである。タイプ2〜4のウラン燃料棒及びタイプG1、G2の可燃性毒物入り燃料棒の上下端には劣化ウランブランケットを用いている。
ウラン燃料棒の濃縮度分布はAが最高濃縮度の燃料ペレットを使用し、以下順にB、Cと燃料ペレットの濃縮度が低くなっている。可燃性毒物の混合率はα<β<γとなっており、可燃性毒物入り燃料棒はPuを含んでおらず、濃縮度は中間濃縮度Bとなっている。
図9もまた従来の設計例を示したものであり、図8に示した燃料集合体に対し、可燃性毒物入り燃料棒を4本加え、可燃性毒物入り燃料棒本数をG1とG2あわせて16本としたものである。
図8、図9の燃料集合体をそれぞれ従来設計例1、従来設計例2とし、以下、従来設計例と本発明の実施例により本発明について詳細に説明する。なお、従来設計例と実施例ともに、Puf割合は67wt%の標準組成である。
実施例1
本発明の第1の実施例として、9×9格子配列で、中央部3×3の9本の燃料棒を占める領域に角形の水ロッドWを配した燃料集合体を図1に示す。本燃料集合体は、タイプ1のMOX燃料棒、タイプ2〜4のウラン燃料棒及びタイプG1、G2の可燃性毒物入り燃料棒からなる単一富化度燃料集合体であり、全てのタイプの燃料棒本数及び濃縮度分布並びに可燃性毒物混合率は図8に示した従来設計例1と同じであるが、タイプ1燃料棒とタイプG2燃料棒の集合体内配置が異なっている。
即ち、本実施例においては、タイプ1のMOX燃料棒をすべて最外周領域及び水ロッドに隣接した領域以外の領域に配置し、可燃性毒物入り燃料棒をすべて水ロッドに隣接した領域に配置したものである。
図2に、図8及び図1に示した燃料集合体の下部断面における局所ピーキング係数の燃焼変化を示す。従来設計例1においては、燃焼を通じて局所ピーキング係数はほぼ一定であり、燃焼末期においても高い局所ピーキング係数の値を維持している。
一方、本発明の実施例1では、従来設計例1と比較して、燃焼初期の局所ピーキング係数は大きいものの、燃焼の進行に応じて局所ピーキング係数の値が減少し、燃焼末期においては従来設計例の値よりも小さくなる。これは、従来設計例1では高富化度のMOX燃料棒を水ロッドに隣接させ、燃焼を通じて反応度が高まる領域に配置したことによるものであるのに対し、実施例1においては可燃性毒物入り燃料棒をすべて水ロッドに隣接した位置に配置し、燃焼末期において水ロッドに隣接した位置における燃料棒の反応度が過度に高まらないようにしたことによる。
即ち、従来設計例1は可燃性毒物効果の観点から可燃性毒物入り燃料棒の配置が最適化されているものの、燃焼を通じた局所ピーキング係数の傾向については何ら配慮がなされていないのに対し、可燃性毒物入り燃料棒を全て水ロッド隣接位置に配置する実施例1の設計は、燃焼中期以降の局所ピーキング係数の低減に及ぼす効果が極めて大きいことがわかる。
この結果、燃焼末期に局所ピーキング係数が大きい従来設計例1の場合、ペレット最高燃焼度が大きくなってしまい、例えばペレット最高燃焼度の設計値を75000MWd/tとした場合に、これ以上のPuf富化度の増大が困難となるのに対し、実施例1の設計においては、ペレット最高燃焼度の設計値に対し十分な余裕を持たせたうえ、さらなる高富化度化を達成することができる。なお、本発明の燃料集合体は燃焼初期の局所ピーキング係数が大きいものの、本実施例に示す9×9格子のように燃料棒本数の多い集合体においては、最大線出力密度等の熱的余裕の制限値に対する裕度は十分大きく、問題となることはない。
実施例2
本発明の第2の実施例として、9×9格子配列で、中央部3×3の9本の燃料棒を占める領域に角形の水ロッドWを配した燃料集合体を図3に示す。本集合体は実施例1の燃料集合体に対して、可燃性毒物入り燃料棒の本数を4本増やしたものであり、タイプ1のMOX燃料棒、タイプ2〜4のウラン燃料棒及びタイプG1、G2の可燃性毒物入り燃料棒からなる単一富化度燃料集合体である。
また、本燃料集合体は、全てのタイプの燃料棒本数及び濃縮度分布並びに可燃性毒物混合率は図9に示した従来設計例2と同じであるが、タイプ1燃料棒とタイプG2の燃料棒配置が異なっている。すなわち本実施例においては、タイプ1のMOX燃料棒をすべて最外周領域及び水ロッドに隣接した領域以外の領域に配置し、可燃性毒物入り燃料棒を水ロッドに隣接した位置及び集合体最外周から1層内側の領域に配置した。
図4は図3及び図9に示した燃料集合体の下部断面における局所ピーキング係数の燃焼変化を示す線図である。図4に示すとおり、局所ピーキング係数の傾向は実施例1と従来設計例1の比較の場合と同様であるが、実施例2においては、実施例1の集合体に対して可燃性毒物入り燃料棒を4本追加するに当たって、局所ピーキング係数が高まりやすい位置に可燃性毒物入り燃料棒を新たに配置することによって燃焼初期の無限増倍率及び局所ピーキング係数の双方を抑制することができる。
また、図5は図1及び図3に示した実施例の下部断面における無限増倍率の燃焼変化を示す線図である。図6は図8及び図9に示した従来設計例の下部断面における無限増倍率の燃焼変化を示す線図である。図5と図6の比較より、可燃性毒物入り燃料棒本数の異なる2つの燃料タイプで炉心を構成した2ストリーム炉心の場合、従来設計例1、2の組合せでは燃焼初期の反応度差が約7%Δkであるのに対し、実施例1、2の組合せでは燃焼初期の反応度差が約10%Δkである。
このことにより、実施例1、2の組合せで炉心を構成した場合、実施例1と実施例2の燃料集合体の体数を調整することにより、サイクル初期の反応度の調整幅が増大する。即ち、サイクル長さの変動等に対する柔軟性が増大することを意味する。またPuの同位体組成は一般に設計時と製造時に異なるため、同一のPuf富化度としてもPuf割合が異なり、無限増倍率の燃焼変化に差異を生じる可能性がある。本発明はこのようなPu同位体組成の変化に対する柔軟性も大きい。更に、燃焼末期の局所ピーキング係数は従来設計例1、2よりも実施例1、2の方が小さい。
以上説明したとおり、実施例1、2の燃料集合体を組合せた2ストリーム炉心によって、ペレット最高燃焼度に対する余裕を増大させることができ、かつ、反応度制御のより容易な炉心を構成することができる。
なお、従来設計例の燃料集合体を装荷した平衡炉心においては、最大線出力密度は制限値に対して十分な余裕があるものの、ペレット最高燃焼度は約73000MWd/tとなるため、さらなる富化度増大が不可能なことはもとより、制限値に対する裕度が小さく、Puf富化度5.5wt%を達成することは実質困難である。
図7は実施例1と実施例2の燃料集合体のみを装荷した平衡炉心の最大線出力密度の燃焼変化を示す線図である。本実施例においては図2に示した通り、従来設計例よりも燃焼初期の局所ピーキング係数が若干増大する傾向があるものの、燃焼を通じて最大線出力密度は制限値に対して十分な余裕がある。またペレット最高燃焼度は69000MWd/t未満であり、75000MWd/tに対して十分な余裕を確保することができる。これによってさらなる富化度増大も可能となる。
本発明の一実施例の第1実施例を示す9×9燃料集合体の説明図である。 図1及び図8に示した燃料集合体の下部断面における局所ピーキング係数の燃焼変化を示す線図である。 本発明の別の実施例の第2実施例を示す9×9燃料集合体の説明図である。 図3及び図9に示した燃料集合体の下部断面における局所ピーキング係数の燃焼変化を示す線図である。 図1及び図3に示した実施例の下部断面における無限増倍率の燃焼変化を示す線図である。 図8及び図9に示した従来設計例の下部断面における無限増倍率の燃焼変化を示す線図である。 実施例1と実施例2の燃料集合体のみを装荷した平衡炉心の最大線出力密度の燃焼変化を示す線図である。 従来設計例1を示す9×9燃料集合体の説明図である。 従来設計例2を示す9×9燃料集合体の説明図である。

Claims (2)

  1. 核燃料物質からなる燃料ペレットを被覆管内に充填した燃料棒群が、正方格子状配列に規則正しく配置されると共に、この格子配列のほぼ中央位置に燃料棒複数本相当の領域を占める非沸騰領域である水ロッドを備え、
    前記燃料棒群として、核分裂性プルトニウム富化度が1種類かつ5wt%以上の複数本のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本のウラン酸化物燃料棒と、プルトニウムを含有しない複数本の可燃性毒物入りウラン酸化物燃料棒とからなる沸騰水型原子炉用燃料集合体であって、
    ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料棒が、最外周を除いて、尚且つ、水ロッド隣接位置を除いて配置され、
    平均二酸化プルトニウム富化度が互いに同等で可燃性毒物の量が互いに異なる2ストリーム用取り替え燃料集合体を構成する第1の燃料集合体と第2の燃料集合体とからなる沸騰水型原子炉用燃料集合体の組において、
    第1の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒の全てが、水ロッドに隣接する領域に配置され、それ以外の領域には前記可燃性毒物入り燃料棒が配置されず、
    第2の燃料集合体は、前記可燃性毒物入り燃料棒本数が、第1の燃料集合体よりも多く、水ロッドに隣接する領域の全てと最外周を除く内周領域とに配置されていることを特徴とする沸騰水型原子炉用燃料集合体の組。
  2. 請求項1に記載された沸騰水型原子炉用燃料集合体の組を装荷した沸騰水型原子炉炉心。
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