JP2972917B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP2972917B2 JP2074244A JP7424490A JP2972917B2 JP 2972917 B2 JP2972917 B2 JP 2972917B2 JP 2074244 A JP2074244 A JP 2074244A JP 7424490 A JP7424490 A JP 7424490A JP 2972917 B2 JP2972917 B2 JP 2972917B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、沸騰水型原子炉(BWR)に用いられる燃料
集合体に係り、特に、燃料経済性を高めるために燃焼度
を高くした燃料集合体に関する。
〔従来の技術〕
沸騰水型原子炉用燃料集合体は、核燃料を装荷した燃
料棒と、核燃料に可燃性毒物としてガドリニアなどを混
入した可燃性毒物入り燃料棒とを正方格子状に配列して
構成されている。この説明では、可燃性毒物入り燃料棒
をガドリニア入り燃料棒ということにする。
一般に、燃料棒に混入するガドリニアの濃度とガドリ
ニア入り燃料棒の本数とを調整し、炉心の反応度特性お
よび熱特性を適切に制御する。
すなわち、次の4項目 所定の運転サイクルの運転が可能であり、その運転サ
イクル中の余剰反応度燃焼変化が設計条件を満たしてい
ること 燃料経済性を損なわないように、運転サイクル末期
(EOC)で可燃性毒物が炉心に残っていないこと 炉停止余裕を満足していること 熱的設計条件を満足していること を満たすように、ガドリニア入り燃料棒を設計する。
上記条件,を満たすように、ガドリニア濃度やガ
ドリニア入り燃料棒の本数を決定し、同時に、条件,
を満足できればよい。沸騰水型原子炉の場合、通常、
1つの運転サイクル、すなわち、原子炉の起動から燃料
交換のための原子炉の運転停止までの期間は、12ケ月で
あり、また、平均濃縮度は、3重量%程度と低い。した
がって、抑制すべき余剰反応度が小さく、ガドリニア濃
度とガドリニア入り燃料棒の本数との積で表されるガド
リニア量は、少なくてよい。
近年、例えば、特開昭62−106391号公報に記載のよう
に、濃縮度を増加させて、燃料の取出し燃焼度を伸長さ
せ、運転サイクルの期間を長くして、燃料経済性を高め
ることが可能な燃料集合体が考えられている。
第7図は、この種の高燃焼度用燃料集合体の構造の一
例を示す横断面図である。第7図の高燃焼度用燃料集合
体1では、ガドリニア濃度が異なる2種類以上のガドリ
ニア入り燃料棒71および72を用い、これらの燃料棒をガ
ドリニア濃度に従って第1グループおよび第2グループ
に分け、第1グループのガドリニア反応度価値が1つの
運転サイクルでなくなり、第2グループのガドリニア反
応度価値が1つの運転サイクル以上持続するように、ガ
ドリニア濃度を調整し、第1グループが第2グループの
外側になるように配置している。
〔発明が解決しようとする課題〕
沸騰水型原子炉用燃料集合体では、燃料集合体周辺部
の燃料棒と燃料集合体中央部の燃料棒とで、中性子スペ
クトルに差が生じる。そのため、新燃料集合体に添加さ
れた可燃性毒物が、その燃料集合体に関する最初の運転
サイクルで燃えつきるように、設計しなければならな
い。換言すれば、可燃性毒物が燃え残り、次の運転サイ
クルでむだな熱中性子吸収が生じないように、燃料集合
体の横断面内の位置を考慮して可燃性毒物濃度を調整す
る必要がある。
取出し燃焼度がより大きくなった高燃焼度用燃料集合
体1では、第8図に示すように、燃料集合体内の横断面
における中性子スペクトルの均質性を向上させるため、
燃料集合体中央部に少なくとも1本の太径水ロッド7を
配置する。その結果、燃料集合体の横断面では、中性子
スペクトルはほぼ同じで、後に説明する通り、各横断面
における出力分布が平坦となる。
したがって、燃料集合体中央部に太径水ロッドを配置
した高燃焼度用燃料集合体1において、次に平坦化すべ
き対象は、燃料集合体の軸方向出力分布である。軸方向
出力分布は、軸方向のボイド率分布の影響を受けるの
で、軸方向のボイド率分布に応じて、可燃性毒物の分布
を適切に調整する必要がある。
本発明の目的は、太径水ロッドを有する高燃焼度用燃
料集合体において、燃焼経済性を低下させることなく、
炉心の軸方向出力分布を平坦化するとともに、炉心安全
性を高めることができる燃料集合体を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、燃料集合体の
中央部に少なくとも1本の太径水ロッドを有し、複数の
燃料棒が格子状に配列された沸騰水型原子炉用の燃料集
合体において、太径水ロッドに面した第1領域に第1可
燃性毒物入り燃料棒が存在し、第1領域の外側の第2領
域に第2可燃性毒物入り燃料棒が存在し、第1可燃性毒
物入り燃料棒内の第1濃縮ウラン領域の上端は、第2可
燃性毒物入り燃料棒内の第2濃縮ウラン領域の上端と同
じレベルにあり、第1濃縮ウラン領域の下端は、第2濃
縮ウラン領域の下端と同じレベルにあり、第1可燃性毒
物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度と第2可燃性毒物
入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度との差は、第1可燃
性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度と第2可燃性
毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度との差よりも大
きく形成されている燃料集合体を提案する。
炉心上部のボイド率が高い領域では、燃料集合体中央
部に挿入される太径水ロッド付近の出力は、他の燃料領
域に比べて低下するので、可燃性毒物濃度を他の燃料領
域に比べて小さくする。一方、炉心下部のボイド率が低
い領域では、燃料集合体の均質性は高められているの
で、可燃性毒物濃度の差を小さくする。燃料集合体の軸
方向の可燃性毒物の濃度分布をこのように設定にする
と、軸方向出力分布を平坦化するとともに、十分なスク
ラム反応度を確保して炉心の安全性を高められる。
前記第1領域の燃料棒で第2領域に面する部分には、
燃料棒が正方格子状に5本×5本配列される。
また、前記第2領域には燃料棒が正方格子状に7本×
7本配列され、第2領域の外側の第3領域には燃料棒が
正方格子状に9本×9本配列される。
いずれの燃料集合体においても、第1可燃性毒物入り
燃料棒の上部の可燃性毒物濃度をゼロとすることができ
る。
さらに、第1可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒
物濃度を、第2可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒
物濃度よりも高くすることが可能である。
第1可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度
は、第2可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度
と等しく設定してもよい。
燃料棒の燃料濃縮度は、軸線方向で多領域に分割形成
することもできる。
上記複数の燃料棒は、それら燃料棒の一部として、他
の燃料棒よりも長さが短い部分長燃料棒を含んでもよ
い。
〔作用〕
第1表は、燃料集合体内の横断面における中性子スペ
クトルの均質性を向上させるため、燃料集合体中央部に
太径水ロッド7を備えてはいるがガドリニアなどの可燃
性毒物を含まない燃料集合体において、第8図の各領域
の平均出力を比較した結果を示している。
燃料集合体下部においてボイド率が0%の場合には、
太径水ロッド7の存在により、燃料集合体内の均質性が
高められおり、太径水ロッド7まわりの第1領域83の平
均出力は、ギャップ水領域8に面した外側領域81の
平均出力は次に高くなっている。また、第1領域83
と隣接しているがギャップ水領域8には面していない第
2領域82の平均出力に対する第1領域83の平均出力
の比I/は、1.010であり、出力分布は、燃料
集合体の横断面において平坦化されている。
燃料集合体上部においてボイド率が70%の場合も、第
2領域82の平均出力に対する第1領域83の平均出力
の比I/は、0.977であり、出力分布は、燃料
集合体の横断面において平坦化されている。
このような事実から、太径水ロッドを有する高燃焼度
用燃料集合体1では、燃料集合体の横断面よりもむしろ
燃料集合体の軸方向ボイド率分布を考慮し、燃料集合体
の上部〜下部の各横断面におけるガドリニア濃度を決定
すればよいことがわかる。
そこで、燃料集合体内の横断面における中性子スペク
トルの均質性を向上させるため、燃料集合体中央部に太
径水ロッド7を配置した第8図の高燃焼度用燃料集合体
1においては、ガドリニア入り燃料棒を、例えば、第2
領域82に8本配置し、第1領域83に7本配置する。
燃料集合体に添加するガドリニア量をそれぞれ一定に
して、第2領域82に配置されたガドリニア入り燃料棒の
ガドリニア平均濃度をGM重量%,第1領域83に配置され
るガドリニア入り燃料棒のガドリニア平均濃度をGI重量
%としたとき、GIとGMとの大小関係は、第2表に示すよ
うに、3つのケースに場合分けできる。
第2表において、ケースAは、第1領域83のガドリニ
ア平均濃度GIとその外側の第2領域82のガドリニア平均
濃度GMとを等しくした基準のケースである。ガドリニア
濃度差を大きくとったケースとしては、ケースBおよび
ケースCがあり、ケースBは、第1領域83のガドリニア
平均濃度GIの方が大きい場合であり、ケースCは、第2
領域82のガドリニア平均濃度GMの方が大きい場合であ
る。
第9図は、燃料集合体上部においてボイド率が70%の
場合について、燃料集合体の中性子無限増倍率差の燃焼
変化を示す図である。第10図は、燃料集合体下部におい
てボイド率が0%の場合について、燃料集合体の中性子
無限増倍率差の燃焼変化を示す図である。
第11図において、破線は、第9図のケースBとケース
Aとの無限増倍率の差を示し、実線は、第9図のケース
CとケースAとの無限増倍率の差を示している。燃料集
合体上部においてボイド率が70%である場合、第1領域
83と第2領域82におけるガドリニア濃度を等しくしない
ケースB,Cの方が、ガドリニア濃度を等しくする基準ケ
ースAと比べて、運転サイクル初期からその中期(約10
GWd/st)までの間、中性子無限増倍率を最大約0.3%Δ
k大きく保つことができる。
第12図において、破線は、第10図のケースBとケース
Aとの無限増倍率の差を示し、実線は、第10図のケース
CとケースAとの無限増倍率の差を示している。燃料集
合体下部においてボイド率が0%である場合も、第1領
域83と第2領域82におけるガドリニア濃度を等しくしな
いケースB,Cの方が、ガドリニア濃度を等しくするケー
スAに比べて、運転サイクル初期からその中期までの
間、中性子無限増倍率を最大約0.6%Δk大きくでき
る。
このように、燃料集合体の上部および下部の各断面に
おいて、燃料集合体中央部(第1領域83)と外側領域
(第2領域82)との間で、ガドリニア濃度差を大きくし
たとき、すなわち、ケースBおよびCのように、太径水
ロッド7周辺の燃料集合体中央部(第1領域83)とその
外側領域(第2領域82)とで、ガドリニア濃度差を大き
くすると、運転サイクル始めから運転サイクル中期まで
の中性子無限増倍率が大きくなり、運転サイクル中期か
ら運転サイクル終了時期までの中性子無限増倍率が小さ
くなる。
一方、ケースAのように、第1領域83と第2領域82と
の間でガドリニア濃度に差をつけない方が、運転サイク
ル中期に至るまでの中性子無限増倍率が小さくなるが、
運転サイクル中期以降における中性子無限増倍率が約0.
9%Δk大きくなる。
したがって、燃料集合体の上部では、その横断面にお
いて中央部と外側領域とでガドリニア濃度に差をつけ、
燃料集合体の下部ではその横断面において中央部と外側
領域とのガドリニア濃度差を上部におけるその差よりも
小さくする(好ましくはゼロにする)ようなガドリニア
濃度分布とした燃料集合体では、運転サイクル中期から
運転サイクル末期に至るまで、燃料集合体上部と燃料集
合体下部との中性子無限増倍率の差を小さくして、燃料
集合体平均の軸方向出力分布を平坦化できる。
この場合、運転サイクル始めから運転サイクル中期に
至るまでの燃料集合体の上部と燃料集合体下部との中性
子無限増倍率の差も小さくなる。また、運転サイクル末
期における軸方向出力分布の歪みを是正できる。
燃料集合体下部では、必ずしも、ケースAのようにGI
=GMにしなくともよい。すなわち、ガドリニア濃度差に
注目すると、燃料集合体上半分におけるガドリニア濃度
差を基準と考えたときに、燃料集合体下半分では、燃料
集合体上半分よりも小さければ、燃料集合体上半分とそ
の下半分との中性子無限増倍率の差を小さくして、燃料
集合体軸方向の出力分布を平坦化できる。
さらに、軸方向出力分布を平坦化するには、燃料集合
体上半分および下半分の各領域で、運転サイクル中の中
性子無限増倍率に、最も長い間影響する代表ガドリニア
濃度の最大値にも注目する必要がある。
炉心軸方向のボイド率分布は、既に述べたように、燃
料集合体下部で低く、燃料集合体上部で高い。したがっ
て、中性子スペクトルは、燃料集合体下部の方がより軟
らかいので、熱中性子吸収断面積が大きいガドリニア
は、燃料集合体下部で多く消費される。ガドリニアの燃
焼の様子と同じように、各分裂性物質、例えばウラン23
5も中性子スペクトルが軟らかい燃料集合体下部で、よ
り多く反応するため、軸方向出力分布は、燃料集合体下
部の方で、より大きくなりがちである。
そこで、軸方向出力分布を平坦化するには、代表ガド
リニア濃度の最大値が燃料集合体下部で、より大きくな
っていればよい。
第13図は、ガドリニア濃度GI,GMの組み合わせを第3
表に示すようにして、燃料集合体上部においてボイド率
が70%の運転時と冷温時との中性子無限増倍率差Δksw
ingの差の燃焼変化を示す図である。
第13図に示すように、運転時のボイド率が燃料集合体
上部において70%である場合、燃料集合体上部でガドリ
ニア濃度差を1.0重量%以上つけたケースE,Fでは、運転
サイクル中期以降の前半に相当する10〜15GWd/stで、運
転時と冷温時との反応度差Δkswingをより小さくでき
るので、運転サイクル中期以降の炉停止余裕を改善する
ことが可能となる。
このように、燃料集合体の上部の横断面において、中
央部(第1領域83)と外側領域(第2領域82)とのガド
リニア濃度差を1.0重量%以上つけると、燃料集合体軸
方向の出力分布を平坦化できるという前記効果が得られ
るとともに、炉停止余裕も改善できる。
〔実施例〕
次に、第1図〜第6図および第14図を参照して、本発
明による燃料集合体の実施例を説明する。
《実施例1》 第1図は、本発明による燃料集合体の実施例1の構成
を示す図である。燃料集合体1は、その水平断面中央部
に太径水ロッド7を配置し、燃料棒2を9×9の正方格
子状に配列して構成されている。第1図(a)の記号A,
B,C,Dは、燃料棒を表し、記号G1,G2は、ガドリニア入り
燃料棒を表している。第1図(b)の数値は、燃料棒A,
B,C,Dの濃縮度をそれぞれ示している。また、領域21
は、天然ウランのペレットを充填した領域であり、領域
22は、濃縮ウランのペレットを充填した領域である。第
1図(b)のGをつけた数字は、ガドリニア濃度(重量
%)を示し、その他の数字は、濃縮度(重量%)を示し
ている。天然ウラン充填領域21および濃縮ウラン充填領
域22を含めた領域の軸方向全長を燃料有効長という。
ガドリニア入り燃料棒G2は、太径水ロッド7に隣接す
るように、燃料集合体1の最外周から第3層目に配置さ
れた燃料棒が位置する第1領域83に配置する。ガドリニ
ア入り燃料棒G2は、燃料有効長の下端から炉心有効長の
12/24までの範囲で、ガドリニア濃度を5.0重量%とし、
それより上部では、4.5重量%として、ガドリニア濃度
が上下2領域の燃料棒である。
ガドリニア入り燃料棒G2が配置された第1領域83より
も外側に位置する第2領域82では、ガドリニア入り燃料
棒G2と比べて、ガドリニア濃度を下部で0.5重量%濃く
し、上部で1.0重量%薄くしたガドリニア入り燃料棒G1
を配置する。すなわち、本実施例1では、燃焼度0GWd/s
tの場合に、燃料集合体下半分の代表ガドリニア濃度差
は、0.5重量%であり、燃料集合体上半分の代表ガドリ
ニア濃度差は、1.0重量%となる。
第14図は、代表ガドリニア濃度差を燃料集合体上半分
で0重量%とし、下半分で0.5重量%とした比較例を示
す図である。本実施例1と第14図との比較例とで炉心運
転特性を比較すると、運転サイクル末期の軸方向出力分
布を本実施例1では、平坦化できる。これを燃料集合体
下半分の出力分担割合でみると、本実施例1では0.2%
程度増加し、50.1%程度になる。燃料集合体の下半分の
出力分担割合を増加させると、十分なスクラム反応度を
確保できて、炉心の安全性を高めることができる。一
方、炉心の炉停止余裕を比較すると、本実施例1による
炉心の方が、0.3〜0.4%Δk程度余裕が増大する。
なお、本実施例1において、上下2領域のガドリニア
入り燃料棒G1およびG2を挿入する領域を入れ替えた実施
例でも、炉停止余裕は、0.2〜0.3%Δk程度増大する。
《実施例2》 第2図は、上下2領域のガドリニア入り燃料棒G1,G2
を2種類用いる他に、太径水ロッド7に面した第1領域
83に、上下1領域のガドリニア入り燃料棒G3を含めて構
成した燃料集合体を示す図である。ガドリニア入り燃料
棒G2の一部に代えて、上下1領域のガドリニア入り燃料
棒G3を挿入すると、燃料集合体上半分と下半分とのガド
リニア存在量比を大きくでき、炉心軸方向出力分布が平
坦化され、炉停止余裕がより改善される。
《実施例3》 第3図は、第1領域に配置される燃料集合体上部のガ
ドリニア濃度がゼロ%の上下2領域ガドリニア入り燃料
棒G2を含めて構成した燃料集合体を示す図である。燃料
集合体に挿入する上下2領域ガドリニア入り燃料棒にお
いて、運転サイクル初期の最大線出力密度を抑制するた
めには、第1領域83に配置される燃料集合体上部のガド
リニア濃度がゼロ%である上下2領域ガドリニア入り燃
料棒G2を数本含んでいてもよい。
このように、第1領域83に配置される上下2領域ガド
リニア入り燃料棒の上半分のガドリニア濃度をゼロまた
は1.0重量%のように非常に薄くして、炉心上部におけ
る第1領域83および第2領域82のガドリニア濃度差をつ
けてもよい。
《実施例4》 これまでは、ガドリニアを含まない燃料棒の燃料濃縮
度が上下1領域である実施例を示したが、第4図に示す
ように、濃縮度を2領域とした燃料集合体であってもよ
い。本実施例4では、燃料集合体最外周に位置する燃料
棒Bを上下2領域の燃料濃縮度を持つ燃料棒としてい
る。本実施例4では、燃料集合体上部の平均濃縮度を炉
心下部よりも高くして、運転サイクル初期の軸方向出力
分布を平坦化できる。
本実施例4では、ボイド率が大きい燃料集合体上部の
平均濃縮度を燃料集合体下部の平均濃縮度よりも高く
し、軸方向出力分布を平坦化でき、ガドリニア分布の調
整による炉心平均の軸方向出力分布を平坦化する効果を
助長できる。
《実施例5》 さらに、ガドリニアを含まない燃料棒の燃料濃縮度
は、第5図に示すように、軸方向で多領域の濃縮度であ
ってもよい。上端付近の濃縮度を小さくすると、第13図
に示される運転時の反応度と冷温時の反応度との差がよ
り負側になり、冷温時の炉心反応度を効果的に抑制でき
る。したがって、集合体最外周部よりも内側にある燃料
棒Aの濃縮度を軸方向で3領域としている。
すなわち、本実施例5では、燃料有効長の下端を基準
にして、燃料有効長の20/24〜23/24の範囲の平均濃縮度
を中央部燃料有効長の8/24〜20/24の範囲の平均濃縮度
よりも低くすることと組み合わせて、運転サイクル初期
・末期の炉停止余裕を改善できる。
本実施例5のように、燃料集合体下部から燃料集合体
中央部および燃料集合体上部にかけて濃縮度を高める
と、軸方向出力分布の平坦化を促進し、本発明で示した
ガドリニア分布による効果を助長できる。
《実施例6》 第6図に示すように、複数の燃料棒の一部を燃料有効
長が短い部分長燃料棒Pとしてもよい。本実施例6は、
第5図に示した実施例5において、燃料棒Aのうちの8
本を残りの燃料棒の燃料有効長の15/24とした部分長燃
料棒Pとしたものである。
部分長燃料棒Pを用いると、炉心上部の各分裂性物質
が少ないので、第5図の実施例5で、上端付近の濃縮度
を小さくした場合と同様の効果が得られ、炉停止余裕を
改善できる。このように部分長燃料棒Pを含めて構成し
た燃料集合体であっても、本発明により軸方向出力分布
を平坦化するという基本的な効果が失われることはな
い。
なお、プルトニウムが十分に供給されて、MOX燃料が
用いられるようになった場合、上記実施例の燃料をMOX
燃料に置き換えた実施例も考えられる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、運転サイクル中期以降において燃料
集合体上部と燃料集合体下部との中性子無限増倍率の差
を小さくできるので、燃料集合体の軸方向出力分布を平
坦化するとともに、十分なスクラム反応度を確保し、炉
心安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による燃料集合体の実施例の構成を示
す図である。第2図は、太径水ロッドに面した第1領域
に上下1領域のガドリニア入り燃料棒G3を含めて構成し
た燃料集合体を示す図である。第3図は、第1領域に配
置される燃料集合体上部のガドリニア濃度がゼロ%の上
下2領域ガドリニア入り燃料棒G2を含めて構成した燃料
集合体を示す図である。第4図は、ガドリニアを含まな
い燃料棒Bの燃料濃縮度が2領域である燃料集合体を示
す図である。第5図は、ガドリニアを含まない燃料棒A
の燃料濃縮度が軸方向で多領域である燃料集合体を示す
図である。第6図は、燃料棒の一部を燃料有効長が短い
部分長燃料棒Pとした燃料集合体を示す図である。第7
図は、従来の高燃焼度用燃料集合体の構造の一例を示す
横断面図である。第8図は、燃料集合体中央部に少なく
とも1本の太径水ロッド7を配置した従来の高燃焼度用
燃料集合体の構造の一例を示す横断面図である。第9図
は、第8図の燃料集合体上部においてボイド率が70%の
場合について、燃料集合体の中性子無限増倍率差の燃焼
変化を示す図である。第10図は、第8図の燃料集合体下
部においてボイド率が0%の場合について、燃料集合体
の中性子無限増倍率差の燃焼変化を示す図である。第11
図は、第9図のケースBとケースAとの無限増倍率の差
およびケースCとケースAとの無限増倍率の差を示す図
である。第12図は、第10図のケースBとケースAとの無
限増倍率の差およびケースCとケースAとの無限増倍率
の差を示す図である。第13図は、燃料集合体上部におい
てボイド率が70%の運転時と冷温時との中性子無限増倍
率差Δkswingの差の燃焼変化を示す図である。第14図
は、代表ガドリニア濃度差を燃焼集合体上半分で0重量
%とし、下半分で0.5重量%とした比較例を示す図であ
る。 1……高度燃焼用燃料集合体、2……燃料棒、4……水
ロッド、5……燃料集合体、 6……十字型制御棒、7……太径水ロッド、8……ギャ
ップ水領域、 21……天然ウラン充填領域、22……濃縮ウラン充填領
域、 71……ガドリニア入り燃料棒A、 72……ガドリニア入り燃料棒B、 81……ギャップ水領域8に面した外側領域、 82……第1領域83の外側の第2領域、 83……太径水ロッド7に面した第1領域、 GI……第1領域83のガドリニア平均濃度、 GM……第2領域82のガドリニア平均濃度、 ……第1領域83の平均出力、 ……第2領域82の平均出力、 ……外側領域81の平均出力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 肇男 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 山下 淳一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭60−187890(JP,A) 特開 昭56−157890(JP,A) 特開 昭56−166488(JP,A) 特開 昭57−84388(JP,A) 特開 昭58−120191(JP,A) 特開 昭61−66986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/30 G21C 3/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料集合体の中央部に少なくとも1本の太
    径水ロッドを有し、複数の燃料棒が格子状に配列された
    沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、 前記太径水ロッドに面した第1領域に第1可燃性毒物入
    り燃料棒が存在し、前記第1領域の外側の第2領域に第
    2可燃性毒物入り燃料棒が存在し、 第1可燃性毒物入り燃料棒内の第1濃縮ウラン領域の上
    端は、第2可燃性毒物入り燃料棒内の第2濃縮ウラン領
    域の上端と同じレベルにあり、前記第1濃縮ウラン領域
    の下端は、前記第2濃縮ウラン領域の下端と同じレベル
    にあり、 第1可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度と第
    2可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度との差
    は、第1可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度
    と第2可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度と
    の差よりも大きく形成されている ことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の燃料集合体において、 前記第1領域の燃料棒で前記第2領域に面する部分には
    燃料棒が正方格子状に5本×5本配列されている ことを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の燃料集合体において、 前記第2領域には燃料棒が正方格子状に7本×7本配列
    され、 第2領域の外側の第3領域には燃料棒が正方格子状に9
    本×9本配列されている ことを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか一項に記載の
    燃料集合体において、 第1可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度がゼ
    ロであることを特徴とする燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3のいずれか一項に記載の
    燃料集合体において、 第1可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度が、
    第2可燃性毒物入り燃料棒の上部の可燃性毒物濃度より
    も高い ことを特徴とする燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか一項に記載の
    燃料集合体において、 第1可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度が、
    第2可燃性毒物入り燃料棒の下部の可燃性毒物濃度と等
    しい ことを特徴とする燃料集合体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか一項に記載の
    燃料集合体において、 燃料棒の燃料濃縮度が、軸線方向で多領域に分割形成さ
    れている ことを特徴とする燃料集合体。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7のいずれか一項に記載の
    燃料集合体において、 前記複数の燃料棒が、複数の燃料棒の一部として他の燃
    料棒よりも長さが短い部分長燃料棒を含む ことを特徴とする燃料集合体。
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