JP2852101B2 - 原子炉の炉心及び燃料の装荷方法 - Google Patents
原子炉の炉心及び燃料の装荷方法Info
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- JP2852101B2 JP2852101B2 JP2159768A JP15976890A JP2852101B2 JP 2852101 B2 JP2852101 B2 JP 2852101B2 JP 2159768 A JP2159768 A JP 2159768A JP 15976890 A JP15976890 A JP 15976890A JP 2852101 B2 JP2852101 B2 JP 2852101B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ウラン燃料集合体とウラン,プルトニウム
混合酸化物(以下、MOXという)燃料集合体とを、炉心
内に装荷する沸騰水型原子炉の燃料装荷方法に関する。
混合酸化物(以下、MOXという)燃料集合体とを、炉心
内に装荷する沸騰水型原子炉の燃料装荷方法に関する。
一般に、沸騰水型原子炉では天然ウランを濃縮した、
濃縮ウランを燃料物質として使用している。沸騰水型原
子炉の炉心は、燃料物質として濃縮ウランを含む燃料集
合体を装荷して構成される。原子炉の一定期間の運転
後、使用済となつた燃料集合体は未燃焼の新燃料集合体
と交換される。この一定期間の運転と燃料交換とを、繰
返し何度も行うため、炉心内には炉心滞在期間の異なる
複数の燃料集合体が混在している。
濃縮ウランを燃料物質として使用している。沸騰水型原
子炉の炉心は、燃料物質として濃縮ウランを含む燃料集
合体を装荷して構成される。原子炉の一定期間の運転
後、使用済となつた燃料集合体は未燃焼の新燃料集合体
と交換される。この一定期間の運転と燃料交換とを、繰
返し何度も行うため、炉心内には炉心滞在期間の異なる
複数の燃料集合体が混在している。
第5図は、天然ウランから得られる濃縮ウランを燃料
物質として用いた燃料集合体21の横断面を示す。燃料集
合体21は、数種類の濃縮度の異なる燃料棒22を8×8の
正方格子形状に束ねて、チヤンネルボツクス23内に内装
して構成されている。図中、各燃料棒22内に示したF11
〜F19及びG1〜G3は、各燃料棒22のウラン濃縮度を示
す。G1〜G3を記した燃料棒22は、燃料ペレツト中に可燃
性毒物であるガドリニアが添加されている。図中Wを記
した棒は太径ウオータロツドである。
物質として用いた燃料集合体21の横断面を示す。燃料集
合体21は、数種類の濃縮度の異なる燃料棒22を8×8の
正方格子形状に束ねて、チヤンネルボツクス23内に内装
して構成されている。図中、各燃料棒22内に示したF11
〜F19及びG1〜G3は、各燃料棒22のウラン濃縮度を示
す。G1〜G3を記した燃料棒22は、燃料ペレツト中に可燃
性毒物であるガドリニアが添加されている。図中Wを記
した棒は太径ウオータロツドである。
第6図は炉心における燃料集合体21の配置例を示す。
炉心は横断面において1/4回転対称を有しているため、
第6図は横断面の1/4象限のみを示す。同図中の番号
は、燃料集合体21が炉心内で経験する燃料サイクル数を
示している。すなわち、1は1サイクル目、2は2サイ
クル目、…であることを示す。燃料サイクル数が多い燃
料集合体21程、炉心内の滞在期間が長い。第6図に示す
ように、炉内滞在期間の異なる燃料集合体21を炉心内に
一様に分布するように配置している。
炉心は横断面において1/4回転対称を有しているため、
第6図は横断面の1/4象限のみを示す。同図中の番号
は、燃料集合体21が炉心内で経験する燃料サイクル数を
示している。すなわち、1は1サイクル目、2は2サイ
クル目、…であることを示す。燃料サイクル数が多い燃
料集合体21程、炉心内の滞在期間が長い。第6図に示す
ように、炉内滞在期間の異なる燃料集合体21を炉心内に
一様に分布するように配置している。
この様な、原子炉燃料装荷方法に関する事例は、特公
昭63−16292号公報に示されている。
昭63−16292号公報に示されている。
沸騰水型原子炉の燃料集合体の一部にMOX燃料集合体
を使用する場合には、ウランとプルトニウムの核的特性
の違いから以下に述べるような問題が生ずる。このMOX
燃料集合体は、MOXを含む燃料ペレツトを充填した燃料
棒(MOX燃料棒)を備え、炉心内に装荷される。MOX燃料
集合体内のMOX燃料棒の割合が増えるに従いウラン燃料
集合体とMOX燃料集合体の反応度特性に違いがでてく
る。一般にMOX燃料集合体は、MOX燃料棒の割合が増加す
るに従いウラン燃料集合体に比べ、中性子スペクトルが
硬くなる。このため、プルトニウム転換率が向上し、燃
焼による反応度低下が小さくなるので、無限増倍率の燃
焼変化は緩やかになる。このように中性子スペクトルが
硬化することにより、ガドリニア等の可燃性毒物の反応
度制御能力が低下し、燃焼初期のMOX燃料集合体の無限
増倍率は、ウラン燃料集合体よりも大きくなる。これに
より、熱的余裕,炉停止余裕が減少する恐れがある。
を使用する場合には、ウランとプルトニウムの核的特性
の違いから以下に述べるような問題が生ずる。このMOX
燃料集合体は、MOXを含む燃料ペレツトを充填した燃料
棒(MOX燃料棒)を備え、炉心内に装荷される。MOX燃料
集合体内のMOX燃料棒の割合が増えるに従いウラン燃料
集合体とMOX燃料集合体の反応度特性に違いがでてく
る。一般にMOX燃料集合体は、MOX燃料棒の割合が増加す
るに従いウラン燃料集合体に比べ、中性子スペクトルが
硬くなる。このため、プルトニウム転換率が向上し、燃
焼による反応度低下が小さくなるので、無限増倍率の燃
焼変化は緩やかになる。このように中性子スペクトルが
硬化することにより、ガドリニア等の可燃性毒物の反応
度制御能力が低下し、燃焼初期のMOX燃料集合体の無限
増倍率は、ウラン燃料集合体よりも大きくなる。これに
より、熱的余裕,炉停止余裕が減少する恐れがある。
本発明の目的は、MOX燃料集合体を装荷した炉心にお
いて、熱的余裕を増大でき、所定期間,良好な原子炉運
転を行うことのできる原子炉の炉心及び燃料の装荷方法
を提供することにある。
いて、熱的余裕を増大でき、所定期間,良好な原子炉運
転を行うことのできる原子炉の炉心及び燃料の装荷方法
を提供することにある。
上記の目的は、プルトニウムを含む新燃料集合体を炉
心の最外周から2層目の第1領域及びコントロールセル
に隣接した第2領域に配置することによつて達成でき
る。
心の最外周から2層目の第1領域及びコントロールセル
に隣接した第2領域に配置することによつて達成でき
る。
本発明において、反応度が大きくなるMOX燃料集合体
を、中性子インポータンスの小さい第1及び第2領域配
置しているので、この反応度変化の緩やかなMOX燃料集
合体により、炉心周辺部及びコントロールセル周りの出
力を、運転期間を通してほぼ一定に保つことができ、極
端な出力分布のひずみを起こすことなく良好な原子炉運
転を継続することができる。
を、中性子インポータンスの小さい第1及び第2領域配
置しているので、この反応度変化の緩やかなMOX燃料集
合体により、炉心周辺部及びコントロールセル周りの出
力を、運転期間を通してほぼ一定に保つことができ、極
端な出力分布のひずみを起こすことなく良好な原子炉運
転を継続することができる。
以下、本発明の好適な一実施例である沸騰水型原子炉
の炉心を、第1図から第3図で説明する。第2図は、本
実施例に用いるMOX燃料集合体25の横断面を示す。
の炉心を、第1図から第3図で説明する。第2図は、本
実施例に用いるMOX燃料集合体25の横断面を示す。
MOX燃料集合体25のチヤネルボツクス27内に配置され
ている各燃料棒26は、プルトニウム富化度の異なるMOX
燃料棒F1〜F5、可燃性毒物であるガドリニアを含む燃料
棒Gを含む。MOX燃料棒F1〜F5は、サフイツクスの数字
が大きくなるにつれてプルトニウム富化度が小さくな
る。MOX燃料集合体25は、60本の燃料棒26のうち48本がM
OX燃料棒26である。MOX燃料集合体25は、新燃料集合体
の状態でMOXを含む。前述した燃料集合体21は、新燃料
集合体の状態でウランを含みプルトニウムを含まない。
ている各燃料棒26は、プルトニウム富化度の異なるMOX
燃料棒F1〜F5、可燃性毒物であるガドリニアを含む燃料
棒Gを含む。MOX燃料棒F1〜F5は、サフイツクスの数字
が大きくなるにつれてプルトニウム富化度が小さくな
る。MOX燃料集合体25は、60本の燃料棒26のうち48本がM
OX燃料棒26である。MOX燃料集合体25は、新燃料集合体
の状態でMOXを含む。前述した燃料集合体21は、新燃料
集合体の状態でウランを含みプルトニウムを含まない。
MOX燃料集合体25と第5図に示した燃料集合体21との
無限増倍率(以下k∞特性という)を比較して第3図に
示す。第3図において、特性fは、MOX燃料集合体25の
k∞特性であり、特性gは燃料集合体21のk∞特性であ
る。
無限増倍率(以下k∞特性という)を比較して第3図に
示す。第3図において、特性fは、MOX燃料集合体25の
k∞特性であり、特性gは燃料集合体21のk∞特性であ
る。
このk∞は、燃料集合体の反応度を表す指標であり、
燃焼の進行と共に、核分裂同位体が減少するため単調に
減少する傾向を示す。しかし、燃焼初期には、過剰な反
応度を抑制するため、燃料集合体には可燃性毒物である
ガドリニアが混入されており、初期のk∞は小さく抑え
られている。
燃焼の進行と共に、核分裂同位体が減少するため単調に
減少する傾向を示す。しかし、燃焼初期には、過剰な反
応度を抑制するため、燃料集合体には可燃性毒物である
ガドリニアが混入されており、初期のk∞は小さく抑え
られている。
両者のk∞特性を比較すると、k∞の燃焼に伴う変化
率はMOX燃料集合体25が燃料集合体21に比べ小さい。一
般に、プルトニウム含有率の多い燃料集合体ほどk∞の
変化率が緩やかになる。燃焼初期において、MOX燃料集
合体25のk∞は燃料集合体21のそれよりも大きくなる。
これにより、MOX燃料集合体25の燃焼初期での出力が大
きくなる。
率はMOX燃料集合体25が燃料集合体21に比べ小さい。一
般に、プルトニウム含有率の多い燃料集合体ほどk∞の
変化率が緩やかになる。燃焼初期において、MOX燃料集
合体25のk∞は燃料集合体21のそれよりも大きくなる。
これにより、MOX燃料集合体25の燃焼初期での出力が大
きくなる。
次に、燃料集合体21とMOX燃料集合体25とを用いて本
実施例の炉心を得る燃料装荷方法を説明する。第1図
は、取替燃料156体のうち約1/2の80体がMOX燃料集合体2
5であり、残りの76体が燃料集合体21である場合を示し
ている。第1図中に示す領域Aが、最外周層に隣接す
る、最外周から2層目(最外周層から1層目)領域であ
り、最外周層を除く炉心中心から炉心半径の約9/10より
外側の領域で構成される。又、領域Bがコントロールセ
ルCを囲みコントロールセルCに隣接する領域であり、
12体燃料集合体25が配置される。図中の数字に○印を付
した燃料集合体がMOX燃料集合体25である。○印のつい
ていない数字の位置には、燃料集合体21が配置される。
本実施例においては、第1図に示すようにMOX燃料集合
体25が、領域A及びBに配置され、燃料集合体21は中央
領域及び最外周層に配置される。第1図において、升目
内の数字は、第6図と同様に該当する燃料集合体が経験
するサイクル数を示す。最外周には、燃料集合体21のう
ちでk∞が最も小さい4サイクル目の燃料集合体21が配
置される。最外周層に隣接する最外周から2層目領域に
は、MOX燃料集合体が配置される。原子炉運転中に出力
制御用の制御棒24が装入されるコントロールセルCは、
3サイクル目の4体の燃料集合体21で構成される。領域
Bは、MOX燃料集合体25が配置される。領域Aの内側で
領域Bを除いた中央領域には、燃料集合体21が配置され
る。この中央領域に配置される燃料集合体21は、1〜3
サイクル目の燃料集合体である。領域A及びBに配置さ
れる燃料集合体25も、1〜3サイクル目の燃料集合体で
ある。コントロールセルC以外の位置に配置された制御
棒24は、原子炉運転中に全引抜き状態にある原子炉停止
用制御棒である。第1図中I方向及びJ方向に示す1〜
13はそれぞれ炉心内の番地を示す符号である。
実施例の炉心を得る燃料装荷方法を説明する。第1図
は、取替燃料156体のうち約1/2の80体がMOX燃料集合体2
5であり、残りの76体が燃料集合体21である場合を示し
ている。第1図中に示す領域Aが、最外周層に隣接す
る、最外周から2層目(最外周層から1層目)領域であ
り、最外周層を除く炉心中心から炉心半径の約9/10より
外側の領域で構成される。又、領域Bがコントロールセ
ルCを囲みコントロールセルCに隣接する領域であり、
12体燃料集合体25が配置される。図中の数字に○印を付
した燃料集合体がMOX燃料集合体25である。○印のつい
ていない数字の位置には、燃料集合体21が配置される。
本実施例においては、第1図に示すようにMOX燃料集合
体25が、領域A及びBに配置され、燃料集合体21は中央
領域及び最外周層に配置される。第1図において、升目
内の数字は、第6図と同様に該当する燃料集合体が経験
するサイクル数を示す。最外周には、燃料集合体21のう
ちでk∞が最も小さい4サイクル目の燃料集合体21が配
置される。最外周層に隣接する最外周から2層目領域に
は、MOX燃料集合体が配置される。原子炉運転中に出力
制御用の制御棒24が装入されるコントロールセルCは、
3サイクル目の4体の燃料集合体21で構成される。領域
Bは、MOX燃料集合体25が配置される。領域Aの内側で
領域Bを除いた中央領域には、燃料集合体21が配置され
る。この中央領域に配置される燃料集合体21は、1〜3
サイクル目の燃料集合体である。領域A及びBに配置さ
れる燃料集合体25も、1〜3サイクル目の燃料集合体で
ある。コントロールセルC以外の位置に配置された制御
棒24は、原子炉運転中に全引抜き状態にある原子炉停止
用制御棒である。第1図中I方向及びJ方向に示す1〜
13はそれぞれ炉心内の番地を示す符号である。
次に本実施例の作用を説明する。
本実施例においては、燃料集合体21とMOX燃料集合体2
5とを前述のように炉心内に配置しているので、以下に
説明するように炉心径方向出力分布のひずみによる熱的
余裕の減少防止を図ることができる。
5とを前述のように炉心内に配置しているので、以下に
説明するように炉心径方向出力分布のひずみによる熱的
余裕の減少防止を図ることができる。
本実施例が熱的余裕の減少を抑制できる理由は、炉心
の径方向における中性子インポータンス分布と密接な関
係がある。
の径方向における中性子インポータンス分布と密接な関
係がある。
一般に、炉心内のある位置における中性子インポータ
ンスとは、その位置に燃料集合体を装荷したときの出力
の大きさを表す指標となる。すなわち、インポータンス
の大きい位置にいk∞の高い燃料集合体を装荷するほど
その位置の出力は大きくなり、逆にインポータンスの小
さい位置にk∞の高い燃料集合体を配置した場合、その
位置の出力は大きくならない。沸騰水型原子炉における
中性子インポータンスの半径方向分布は、炉心中央部で
高く炉心周辺部に向かうにつれて小さくなる。又、コン
トロールセルC周りでも炉心中央部よりは小さくなる。
ンスとは、その位置に燃料集合体を装荷したときの出力
の大きさを表す指標となる。すなわち、インポータンス
の大きい位置にいk∞の高い燃料集合体を装荷するほど
その位置の出力は大きくなり、逆にインポータンスの小
さい位置にk∞の高い燃料集合体を配置した場合、その
位置の出力は大きくならない。沸騰水型原子炉における
中性子インポータンスの半径方向分布は、炉心中央部で
高く炉心周辺部に向かうにつれて小さくなる。又、コン
トロールセルC周りでも炉心中央部よりは小さくなる。
このため、インポータンスの大きな炉心中央部に燃焼
度0GWd/t(新燃料集合体)で、k∞の小さい燃料集合体
21を装荷し、インポータンスの小さい炉心周辺部(領域
A)及びコントロールセルCを囲む領域Bに燃焼度0GWd
/t(新燃料集合体)でk∞の大きい燃料集合体25を配置
することが、極端なひずみをつくらずに炉心半径方向出
力分布を比較的平坦にするための有効な手段である。こ
のように領域A及びBにMOX燃料集合体25の新燃料集合
体を配置することによつて、そのMOX燃料集合体25の炉
心中央領域(領域Aの内側で領域B及びコントロールセ
ルCを除いた領域)に配置した場合に比べて熱的余裕を
増大できる。
度0GWd/t(新燃料集合体)で、k∞の小さい燃料集合体
21を装荷し、インポータンスの小さい炉心周辺部(領域
A)及びコントロールセルCを囲む領域Bに燃焼度0GWd
/t(新燃料集合体)でk∞の大きい燃料集合体25を配置
することが、極端なひずみをつくらずに炉心半径方向出
力分布を比較的平坦にするための有効な手段である。こ
のように領域A及びBにMOX燃料集合体25の新燃料集合
体を配置することによつて、そのMOX燃料集合体25の炉
心中央領域(領域Aの内側で領域B及びコントロールセ
ルCを除いた領域)に配置した場合に比べて熱的余裕を
増大できる。
このため本実施例では、前述のようにMOX燃料集合体2
5を最外周層から1層目の位置及びコントロールセルC
を囲む位置に装荷している。これにより、MOX燃料集合
体25による出力分布のひずみを最小限に抑えることがで
きる。何故ならば、沸騰水型原子炉における中性子イン
ポータンス分布は、前述のように、中性子の漏洩の大き
なところで小さくなつている。従つて、炉心の半径方向
端から十分にはなれている炉心中央部では、中性子のも
れは小さい。炉心内側においては、コントロールセルC
及びこれを囲む位置を除いてはほとんど一定となる。こ
こで、炉心最外周にもMOX燃料集合体25を配置した場
合、出力分布を抑える効果はあるが、中性子の漏洩が大
きすぎ、反応度の高いMOX燃料集合体25を配置すると反
応度損失の効果の方が大きくなるため有効ではない。
又、最外周から2層目の領域及びコントロールセルを囲
む領域の燃料集合体の装荷量は有限であるので、MOX燃
料集合体の装荷割合が大きい場合は、この領域に1,2サ
イクル目の燃料集合体25を優先して装荷し、これらの領
域に装荷できないMOX燃料集合体25は、中央領域に装荷
せざるを得ない。この場合、中央領域には3サイクル目
のMOX燃料集合体25を装荷する。
5を最外周層から1層目の位置及びコントロールセルC
を囲む位置に装荷している。これにより、MOX燃料集合
体25による出力分布のひずみを最小限に抑えることがで
きる。何故ならば、沸騰水型原子炉における中性子イン
ポータンス分布は、前述のように、中性子の漏洩の大き
なところで小さくなつている。従つて、炉心の半径方向
端から十分にはなれている炉心中央部では、中性子のも
れは小さい。炉心内側においては、コントロールセルC
及びこれを囲む位置を除いてはほとんど一定となる。こ
こで、炉心最外周にもMOX燃料集合体25を配置した場
合、出力分布を抑える効果はあるが、中性子の漏洩が大
きすぎ、反応度の高いMOX燃料集合体25を配置すると反
応度損失の効果の方が大きくなるため有効ではない。
又、最外周から2層目の領域及びコントロールセルを囲
む領域の燃料集合体の装荷量は有限であるので、MOX燃
料集合体の装荷割合が大きい場合は、この領域に1,2サ
イクル目の燃料集合体25を優先して装荷し、これらの領
域に装荷できないMOX燃料集合体25は、中央領域に装荷
せざるを得ない。この場合、中央領域には3サイクル目
のMOX燃料集合体25を装荷する。
最初は、燃料集合体として燃料集合体21だけで炉心が
構成される。このような炉心から使用済の燃料集合体21
を取出し替りに新しい燃焼度0GWd/tのMOX燃料集合体25
を装荷する。このような燃料交替を繰返すことによつて
4サイクル後に第1図の炉心となる。燃料集合体として
燃料集合体21だけが装荷されている炉心において、ある
サイクルの運転終了後に新燃料であるMOX燃料集合体25
を装荷する方法を第7図により説明する。
構成される。このような炉心から使用済の燃料集合体21
を取出し替りに新しい燃焼度0GWd/tのMOX燃料集合体25
を装荷する。このような燃料交替を繰返すことによつて
4サイクル後に第1図の炉心となる。燃料集合体として
燃料集合体21だけが装荷されている炉心において、ある
サイクルの運転終了後に新燃料であるMOX燃料集合体25
を装荷する方法を第7図により説明する。
この燃料装荷方法は、第6図に示した燃料集合体21を
装荷してなる炉心内に、MOX燃料集合体25を初めて装荷
する場合を示す。使用済の燃料集合体21を取出した後に
装荷する新燃料集合体140体のうち、約1/2の68体がMOX
燃料集合体25であり、残りの72体が燃料集合体21であ
る。このようにMOX燃料集合体25が初めて装荷される場
合においては、最外周から2層目の領域A及びコントロ
ールセルCを囲む領域BにMOX燃料集合体25を装荷す
る。この燃料交換後に続く次の燃料サイクルでの運転に
おいて炉心半径方向出力分布のひずみを低減でき熱的余
裕の減少を抑制できる。第7図の状態で1つ燃料サイク
ルの運転が終了した後、使用済の燃料集合体21が炉心か
ら取出され、燃料集合体21及び25の新燃料集合体が炉心
内に装荷される。燃料集合体21は中央領域にMOX燃料集
合体25は、領域A,Bに装荷される。なお、次サイクル以
降も同様に、領域A及びBにMOX燃料集合体25の新燃料
集合体を装荷することにより、第1図に示すMOX燃料集
合体25と燃料集合体21が混在する平衡炉心に至るまで、
熱的余裕の減少を防ぐことができる。ただし、MOX燃料
集合体25を初めて装荷してから2サイクルの運転が経過
した後の燃料交換においては、領域A及びB内に配置さ
れたMOX燃料集合体25のうち2サイクルの運転を経験し
た燃料集合体25の一部を、第1図のの位置に移行させ
る。このような移行は、その後の燃料交換時においても
行われる。このため、平衡炉心においても、新燃料集合
体であるk∞の大きなMOX燃料集合体25を領域A及びB
に装荷することができる。
装荷してなる炉心内に、MOX燃料集合体25を初めて装荷
する場合を示す。使用済の燃料集合体21を取出した後に
装荷する新燃料集合体140体のうち、約1/2の68体がMOX
燃料集合体25であり、残りの72体が燃料集合体21であ
る。このようにMOX燃料集合体25が初めて装荷される場
合においては、最外周から2層目の領域A及びコントロ
ールセルCを囲む領域BにMOX燃料集合体25を装荷す
る。この燃料交換後に続く次の燃料サイクルでの運転に
おいて炉心半径方向出力分布のひずみを低減でき熱的余
裕の減少を抑制できる。第7図の状態で1つ燃料サイク
ルの運転が終了した後、使用済の燃料集合体21が炉心か
ら取出され、燃料集合体21及び25の新燃料集合体が炉心
内に装荷される。燃料集合体21は中央領域にMOX燃料集
合体25は、領域A,Bに装荷される。なお、次サイクル以
降も同様に、領域A及びBにMOX燃料集合体25の新燃料
集合体を装荷することにより、第1図に示すMOX燃料集
合体25と燃料集合体21が混在する平衡炉心に至るまで、
熱的余裕の減少を防ぐことができる。ただし、MOX燃料
集合体25を初めて装荷してから2サイクルの運転が経過
した後の燃料交換においては、領域A及びB内に配置さ
れたMOX燃料集合体25のうち2サイクルの運転を経験し
た燃料集合体25の一部を、第1図のの位置に移行させ
る。このような移行は、その後の燃料交換時においても
行われる。このため、平衡炉心においても、新燃料集合
体であるk∞の大きなMOX燃料集合体25を領域A及びB
に装荷することができる。
第1図において、コントロールセルCに3サイクル目
のMOX燃料集合体25を配置することも可能である。この
場合、中央領域ののMOX燃料集合体25の位置に、3サ
イクル目の燃料集合体21が装荷される。
のMOX燃料集合体25を配置することも可能である。この
場合、中央領域ののMOX燃料集合体25の位置に、3サ
イクル目の燃料集合体21が装荷される。
第4図は、本発明の他の実施例である沸騰水型原子炉
の炉心を示す。本実施例は取替体数156体のうち、約1/3
の52体がMOX燃料集合体25であり、残りの104体が燃料集
合体21の場合に構成される炉心を示している。MOX燃料
集合体25の装荷割合が小さい本実施例においても、最外
周から2層目の領域A及びコントロールセルCを囲む領
域BにMOX燃料集合体25が多数装荷されている。この場
合においても熱的余裕の減少を防ぐ効果があることは言
うまでもない。
の炉心を示す。本実施例は取替体数156体のうち、約1/3
の52体がMOX燃料集合体25であり、残りの104体が燃料集
合体21の場合に構成される炉心を示している。MOX燃料
集合体25の装荷割合が小さい本実施例においても、最外
周から2層目の領域A及びコントロールセルCを囲む領
域BにMOX燃料集合体25が多数装荷されている。この場
合においても熱的余裕の減少を防ぐ効果があることは言
うまでもない。
このように本発明によれば、MOX燃料集合体の新燃料
集合体をインポータンスの小さな領域に配置するので、
そのMOX燃料集合体の出力を抑制できて、熱的余裕を増
大でき、所定期間、良好な原子炉運転を行うことができ
る。
集合体をインポータンスの小さな領域に配置するので、
そのMOX燃料集合体の出力を抑制できて、熱的余裕を増
大でき、所定期間、良好な原子炉運転を行うことができ
る。
第1図は本発明の好適な一実施例である沸騰水型原子炉
の炉心の部分平面図、第2図は第1図の炉心に装荷され
たMOX燃料集合体の横断面図、第3図はウラン燃料集合
体とMOX燃料集合体とのk∞特性の比較図、第4図は本
発明の他の実施例である炉心の部分平面図、第5図はウ
ランを含みMOXを含まないウラン燃料集合体の横断面
図、第6図はウラン燃料集合体21のみで構成された炉心
の部分平面図、第7図は第6図の炉心にMOX燃料集合体
を初めて装荷して構成される炉心の局部平面図である。 21……燃料集合体、22,26……燃料棒、23,27……チヤネ
ルボツクス、24……制御棒、25……MOX燃料集合体、C
……コントロールセル。
の炉心の部分平面図、第2図は第1図の炉心に装荷され
たMOX燃料集合体の横断面図、第3図はウラン燃料集合
体とMOX燃料集合体とのk∞特性の比較図、第4図は本
発明の他の実施例である炉心の部分平面図、第5図はウ
ランを含みMOXを含まないウラン燃料集合体の横断面
図、第6図はウラン燃料集合体21のみで構成された炉心
の部分平面図、第7図は第6図の炉心にMOX燃料集合体
を初めて装荷して構成される炉心の局部平面図である。 21……燃料集合体、22,26……燃料棒、23,27……チヤネ
ルボツクス、24……制御棒、25……MOX燃料集合体、C
……コントロールセル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 持田 貴顕 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 平2−232595(JP,A) 特開 昭63−16292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 5/00 G21C 5/18
Claims (4)
- 【請求項1】複数の燃料集合体を有し、4体の前記燃料
集合体及び原子炉出力調整用制御棒を含む複数のコント
ロールセルを備えた原子炉の炉心において、プルトニウ
ムを含む新燃料集合体が、炉心の最外周から2層目の前
記燃料集合体が配置される第1領域及び前記コントロー
ルセルに隣接して前記燃料集合体が配置される第2領域
に配置されたことを特徴とする原子炉の炉心。 - 【請求項2】複数の燃料集合体を有し、4体の前記燃料
集合体及び原子炉出力調整用制御棒を含む複数のコント
ロールセルを備えた原子炉の炉心において、炉心の最外
周から2層目の前記燃料集合体が配置される第1領域及
び前記コントロールセルに隣接して前記燃料集合体が配
置される第2領域で、新燃料集合体の状態でプルトニウ
ムを含んだ燃料集合体の割合を大きくしたことを特徴と
する原子炉の炉心。 - 【請求項3】前記コントロールセル、前記第1及び第2
領域以外の領域では、新燃料集合体の状態でプルトニウ
ムを含まずウランを含んだ燃料集合体の割合が大きい請
求項1または2の原子炉の炉心。 - 【請求項4】複数の燃料集合体を有し、4体の前記燃料
集合体及び原子炉出力調整用制御棒を含む複数のコント
ロールセルを備えた原子炉の炉心内に燃料を装荷する方
法において、プルトニウムを含む新燃料集合体が、炉心
の最外周から2層目の前記燃料集合体が配置される第1
領域及び前記コントロールセルに隣接して前記燃料集合
体が配置される第2領域に装荷されることを特徴とする
燃料の装荷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2159768A JP2852101B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 原子炉の炉心及び燃料の装荷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2159768A JP2852101B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 原子炉の炉心及び燃料の装荷方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0472595A JPH0472595A (ja) | 1992-03-06 |
JP2852101B2 true JP2852101B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=15700847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2159768A Expired - Fee Related JP2852101B2 (ja) | 1990-06-20 | 1990-06-20 | 原子炉の炉心及び燃料の装荷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2852101B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011015756A1 (fr) * | 2009-08-06 | 2011-02-10 | Areva Np | Procédé d'exploitation d'un réacteur nucléaire à eau pressurisée permettant d'atteindre un cycle d'équilibre au plutonium |
-
1990
- 1990-06-20 JP JP2159768A patent/JP2852101B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0472595A (ja) | 1992-03-06 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |