JPH10206582A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH10206582A
JPH10206582A JP9153271A JP15327197A JPH10206582A JP H10206582 A JPH10206582 A JP H10206582A JP 9153271 A JP9153271 A JP 9153271A JP 15327197 A JP15327197 A JP 15327197A JP H10206582 A JPH10206582 A JP H10206582A
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JP
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fuel
rods
uranium
mox
rod
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JP9153271A
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English (en)
Inventor
Atsushi Fushimi
篤 伏見
Hidemitsu Shimada
秀充 嶋田
Tadao Aoyama
肇男 青山
Junjiro Nakajima
潤二郎 中島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平均取り出し燃焼度を増加せず燃料棒配列数を
増加することにより、MOX燃料棒の数を減らすことな
くMOX燃料棒のプルトニウム富化度種類数を低減でき
る燃料集合体を提供する。 【解決手段】ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料を充
填した複数本のMOX燃料棒101a,101bと、ガドリ
ニアを添加したウラン酸化物燃料を充填した複数本のウ
ラン−ガドリニア燃料棒101cと、水ロッド102と
を、9行9列の格子状配列中に配置した沸騰水型原子炉
用の燃料集合体において、MOX燃料棒101a,10
1b中に含まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内
の全燃料中に占める割合を3.4重量%以下の2.2重量
%とすることにより、MOX燃料棒101a,101b
のプルトニウム富化度を2種類に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉炉
心に装荷される燃料集合体に係わり、特に、ウラン−プ
ルトニウム混合酸化物燃料を用いた燃料集合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、資源有効利用等の観点から、軽水
炉におけるプルトニウム利用が検討され、ウラン−プル
トニウム混合酸化物燃料(以下、MOX燃料という)の
利用が提唱されている。このMOX燃料は、既にいくつ
かの照射試験を通じ、その健全性が確認されている。こ
のようなMOX燃料を備えた燃料集合体(以下、MOX
燃料集合体という)のうち、沸騰水型原子炉用燃料集合
体については、プルトニウム装荷量の増大,燃料集合体
製造コストの低減,高燃焼度化等の観点から検討が加え
られている。
【0003】沸騰水型原子炉用MOX燃料集合体の公知
例としては、例えば、第28回炉物理夏期セミナーテキ
スト87頁〜98頁(「フルMOX−BWRについ
て」)に記載のものがある。このMOX燃料集合体の構
造を表す横断面図を図5に示す。図5において、MOX
燃料集合体は、商用炉でウラン燃料用に用いられている
燃料集合体をベースにし、その濃縮ウラン燃料に換えて
MOX燃料を用いたものであり、8行8列の格子状に配
列した燃料棒1と、この格子状配列の中心における4本
分の燃料棒1のスペースに設けられた水ロッド2と、こ
れらの配列の外周を取り囲むチャンネルボックス3とを
備えている。
【0004】燃料棒1は、8行8列配列のうち水ロッド
2の分を除いた60本が設けられているが、そのうち4
8本の燃料棒1aがMOX燃料棒であり、すなわちMO
X燃料棒割合が80%となっている。また残りの12本
の燃料棒1bは、燃焼に伴なう燃料の余剰反応度の変化
を適正な値に抑制するために可燃性毒物としてガドリニ
アを添加したウラン−ガドリニア燃料棒である。またM
OX燃料棒1aは、最大線出力密度を既定値以下に保ち
出力分布を平坦化するように、プルトニウム富化度が異
なる4種類の燃料棒で構成されている。
【0005】ところで、上記公知技術の第88頁及び8
9頁にも記載されているように、8行8列配列のウラン
燃料集合体の取り出し燃焼度として実績があるのは、約
39GWd/t以下である。したがって、8行8列のM
OX燃料集合体の目標取り出し燃焼度も約39GWd/
t以下に設定するのが一般的である。この図5に示すM
OX燃料集合体においても、目標取り出し燃焼度を約3
9GWd/t以下としている。但し、この場合、MOX
燃料集合体はまだ実績がないことから、かなり余裕を見
て約33GWd/tとしている。またこのとき、このM
OX燃料集合体を全数装荷した炉心においても、ウラン
燃料集合体を用いた炉心と同程度の炉停止余裕・最大線
出力密度が実現可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、MOX燃料集合
体の製造コストを低減するニーズが非常に高まってい
る。通常、MOX燃料集合体の製造時には、最大線出力
密度を抑制し出力分布を平坦化するために、富化度種類
の異なるペレットが製造される。このとき、各富化度種
類毎に製造ラインのクリーニング等の準備工程が必要と
なることから、製造コストダウンのためには、MOX燃
料棒のプルトニウム富化度種類を減らすことが有効であ
る。
【0007】しかしながら、上記従来構造においては、
プルトニウム富化度種類数低減を図る場合に以下の課題
が存在する。
【0008】すなわち、前述したように、燃料集合体に
おける燃料棒の最大線出力密度は、燃料棒の健全性を保
つために運転サイクル期間を通じてある既定値以下にお
さえなければならないが、一般に、MOX燃料棒のプル
トニウム富化度種類数を減らした場合、燃料棒の最大線
出力密度が増大することとなる。この公知技術において
は、最大線出力密度の既定値までの余裕が少ないことか
ら、出力分布を平坦化するために4種類のプルトニウム
富化度分布が設定されている。そして富化度種類のさら
なる低減(この場合3種類以下への低減)を図ろうとす
ると、各MOX燃料棒のプルトニウム富化度分布や配置
等を最適化したとしても最大線出力密度の既定値を超え
ることとなる。したがって、プルトニウム富化度種類数
の低減を図ることは困難である。
【0009】但し、上記従来構造においても、MOX燃
料棒の数を減らし、その分を、ウラン燃料棒で置き換え
れば、よりMOX燃料棒のプルトニウム富化度種類数を
減らすことは可能である。しかしながらこの場合、MO
X燃料集合体1体当たりのプルトニウム装荷量が少なく
なり、資源の有効利用の観点から好ましくない。さら
に、1体の燃料集合体にプルトニウムを多く装荷するほ
どMOX燃料集合体の輸送コストを低減できるので、こ
の輸送コスト低減の観点からも好ましくない。
【0010】一方、MOX燃料集合体におけるMOX燃
料棒の配列を8行8列から9行9列にすることにより最
大線出力密度の既定値までの余裕を増大し、これによっ
て平均取り出し燃焼度を従来よりも増加する構成は既に
公知であり、例えば、特開平2−259493 号公報の図6に
そのような構造が開示されている(平均取り出し燃焼度
は約45GWd/t)。しかしながら、この燃料棒配列
数の増加による最大線出力密度の余裕の増大を、平均取
り出し燃焼度の増加でなくプルトニウム富化度種類数の
低減に利用する構造は開示されていない。すなわち、燃
料棒配列数を増加するときに平均取り出し燃焼度を増加
させないことにより、プルトニウム富化度種類数を低減
し、これによって製造コストを低減する概念は、従来存
在しなかった。
【0011】本発明の目的は、平均取り出し燃焼度を増
加させず燃料棒配列数を増加することにより、MOX燃
料棒の数を減らすことなくMOX燃料棒のプルトニウム
富化度種類数を低減できる燃料集合体を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料を
充填した複数本のMOX燃料棒と、可燃性毒物を添加し
たウラン酸化物燃料を充填した複数本の毒物入りウラン
燃料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、n行n列の
格子状配列中に配置した沸騰水型原子炉用の燃料集合体
において、nを9以上とし、前記MOX燃料棒中に含ま
れる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内の全燃料中に
占める割合を、3.4重量%以下とする。
【0013】また、ウラン−プルトニウム混合酸化物燃
料を充填した複数本のMOX燃料棒と、可燃性毒物を添
加したウラン酸化物燃料を充填した複数本の毒物入りウ
ラン燃料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、n行n
列の格子状配列中に配置した沸騰水型原子炉用の燃料集
合体において、nを10以上とし、前記MOX燃料棒中
に含まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内の全燃
料中に占める割合を、4.2 重量%以下とする。
【0014】一般に、燃料棒が、ウラン−プルトニウム
混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒と可燃性毒物を
添加したウラン酸化物燃料を充填した毒物入りウラン燃
料棒からなるMOX燃料集合体においては、ある平均取
り出し燃焼度を得るために必要な所要核分裂性プルトニ
ウム富化度には上限が存在する。すなわち、ある所定の
平均取り出し燃焼度を目標とする場合、核分裂性プルト
ニウム富化度の値がこの上限値を超えると、無駄な核分
裂性プルトニウムがある分余剰反応度が過大となってし
まう。
【0015】原子炉において、余剰反応度を適正値に抑
制することは炉停止余裕の確保等のためにきわめて重要
であるので、この過大な余剰反応度を適性値に抑え込む
必要が生じ、毒物入りウラン燃料棒の本数を増加させな
ければならなくなる。しかし毒物入りウラン燃料棒は、
通常、毒物が燃え尽きた後の出力分布を平坦化するため
に、U−235の濃縮度を高くしていることから、毒物
入りウラン燃料棒の本数の増加はさらに余剰反応度を増
加することにつながるため、実際は上限値を超えた点で
は、余剰反応度を抑制することが極めて困難となる。し
たがって、ある所定の平均取り出し燃焼度を目標とする
場合、所要核分裂性プルトニウム富化度には上限があ
り、核分裂性プルトニウムの富化度をこれ以下に設定し
なければならない。
【0016】この平均取り出し燃焼度と所要核分裂性プ
ルトニウム富化度上限値は、図2に示すように単調増加
関係にある。燃料棒を8行8列に配置した場合、限界と
なる平均取り出し燃焼度は39GWd/tであり、これ
に対応する所要核分裂性プルトニウム富化度の上限値は
3.4 重量%である。また、燃料棒を9行9列に配置し
た場合、公知技術の9×9MOX燃料集合体では平均取
出し燃焼度45GWd/tとしているが、線出力密度の
観点から限界となる平均取り出し燃焼度は51GWd/
tであり、これに対応する所要核分裂性プルトニウム富
化度の上限値は4.2 重量%である。
【0017】本発明においては、MOX燃料集合体中に
含まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内の全燃料
中に占める割合を、燃料棒を9行9列に配置したMOX
燃料集合体の場合に3.4 重量%以下としたことによ
り、平均取り出し燃焼度を、従来の燃料棒を8行8列に
配置した燃料集合体の限界である39GWd/t以下に
設定することができる。また、MOX燃料集合体中に含
まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内の全燃料中
に占める割合を、燃料棒を10行10列に配置したMO
X燃料集合体の場合に4.2 重量%以下としたことによ
り、平均取り出し燃焼度を、従来の燃料棒を9行9列に
配置した燃料集合体の限界である51GWd/t以下に設
定することができる。
【0018】一方、燃料集合体1体当たりの平均出力が
等しいとき、燃料集合体1体に含まれる燃料棒本数が多
いほど、燃料棒1本当たりの平均出力は小さくて済み、
最大線出力密度の既定値までの余裕が増大する。本発明
においては、燃料棒を9行9列の格子状に配列したMO
X燃料集合体の平均取り出し燃焼度を39GWd/t以
下に、燃料棒を10行10列の格子状に配列したMOX
燃料集合体の平均取り出し燃焼度を51GWd/t以下
にそれぞれ設定しているので、図7に示すように、燃料
棒1本当たりの平均出力がそれぞれ20%以上低減す
る。これにより、その平均出力が低減された分、最大線
出力密度の余裕が増大する。
【0019】ここにおいて、通常、沸騰水型原子炉用の
燃料集合体においては、減速材である水への距離に基づ
く燃料棒の熱中性子束格差に応じ、例えばMOX燃料棒
ではプルトニウム富化度の高・低分布をつけることが行
われる。すなわち、プルトニウム富化度種類数が多いほ
ど最大線出力密度を抑制することができ、少なくするほ
ど最大線出力密度が増大することとなる。本発明におい
ては、上記したように最大線出力密度の既定値までの余
裕が増加することにより、その分、最大線出力密度の増
加を許容できることとなるので、プルトニウム富化度種
類数を少なくすることができる。
【0020】好ましくは、前記燃料集合体において、前
記複数本のMOX燃料棒は、核分裂性プルトニウム富化
度が低い複数本の第1の燃料棒と、これら第1の燃料棒
より核分裂性プルトニウム富化度が高い複数本の第2の
燃料棒とから構成されており、前記複数本の第1の燃料
棒を前記n行n列の格子状配列の四隅を少なくとも含む
コーナー側領域に配置し、前記複数本の第2の燃料棒を
該コーナー側領域以外の領域に配置する。即ち、燃料集
合体中の燃料棒出力分布に対応して、低富化度の第1の
燃料棒をコーナー側領域、高富化度の第2の燃料棒をそ
れ以外の領域に配置することにより、プルトニウム富化
度の種類を高・低2つに統一することができる。したが
って、プルトニウム富化度を2種類に低減できる。
【0021】さらに好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記水ロッドを前記格子状配列中の略中央部領域に
配置し、前記水ロッドが占める格子位置と行及び列の少
なくとも一方が等しい格子位置に、前記第2の燃料棒ま
たは前記毒物入りウラン燃料棒を配置する。即ち、水ロ
ッドが占める格子状配列中の略中央部領域と行及び列の
少なくとも一方が等しい格子位置に、第1の燃料棒を配
置しないことにより、第1の燃料棒をコーナー側領域に
配置する構成を実現できる。
【0022】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、各毒物入りウラン燃料棒の最隣接する4つの格子位
置に、前記MOX燃料棒または前記水ロッドを配置す
る。
【0023】一般に、毒物入りウラン燃料棒に含まれる
可燃性毒物は、比較的エネルギーが小さい中性子を吸収
する断面積特性を備えているので、1本の毒物入りウラ
ン燃料棒の周囲には、この小エネルギー中性子が比較的
少なくなっている。ここで、このような燃料棒に近接す
る位置にもう1本の毒物入りウラン燃料棒を配置して
も、もともと小エネルギー中性子が比較的少なくなって
いるので、その断面積特性を有効に発揮することができ
ず無駄になる。そこで、各毒物入りウラン燃料棒の最隣
接する格子位置には毒物入りウラン燃料棒を置かずMO
X燃料棒または水ロッドを配置することにより、毒物入
りウラン燃料棒同士が近接し上記の無駄が発生するのを
防止できるので、可燃性毒物を有効に利用することがで
きる。よって、毒物入りウラン燃料棒の本数をさらに低
減することができる。
【0024】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記MOX燃料棒の本数を、全燃料棒本数の80%
以上とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0026】本発明の第1の実施形態を図1及び図2に
より説明する。図1は、本実施形態によるMOX燃料集
合体の構造を表す横断面図であり、9行9列の格子状に
配列された燃料棒101と、この格子状配列中の略中央
部領域における7本分の燃料棒101のスペースに設け
られた水ロッド102と、これらの配列の外周を取り囲
むチャンネルボックス103とを備えている。
【0027】燃料棒101は、9行9列配列のうち水ロ
ッド102の分を除いた74本が設けられているが、そ
のうち60本の燃料棒101a,101bがウラン−プ
ルトニウム混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒であ
り、その全燃料棒中に占める割合は約81%となってい
る。また残りの14本の燃料棒101cは、燃焼に伴な
う燃料の余剰反応度の変化を適正な値に抑制するために
可燃性毒物としてガドリニアを添加したウラン酸化物燃
料を充填したウラン−ガドリニア燃料棒である。
【0028】MOX燃料棒101a,101bは、含有
するプルトニウムの富化度が異なる2種類の燃料棒、す
なわち第1の燃料棒としての低富化度MOX燃料棒10
1aと、第2の燃料棒としての高富化度MOX燃料棒1
01bとで構成されている。低富化度MOX燃料棒10
1aは12本装荷されており、核分裂性プルトニウム富
化度が1.8 重量%となっている。そして低富化度MO
X燃料棒101aは、隣接燃料集合体間のギャップ水の
影響により最も出力が高くなりやすい、格子状配列の四
隅を含むコーナー側領域(この場合は格子状配列の四隅
及びその最隣接位置である。なお最隣接位置とは同行隣
接列又は同列隣接行位置をいう。以下同じ)に3本ずつ
計12本設置され、これによって出力分布を効率的に平
坦化している。
【0029】高富化度MOX燃料棒101bは48本装
荷されており、核分裂性プルトニウム富化度が4.0 重
量%となっている。そして、コーナー側領域以外、詳細
にはウラン−ガドリニア燃料棒101c,低富化度MO
X燃料棒101a、及び水ロッド102の配置位置以外
のすべての格子位置に配置されている。なお、水ロッド
102が占める格子位置と行又は列が等しい格子位置に
は、低富化度MOX燃料棒101aまたはウラン−ガド
リニア燃料棒101cが配置されている。また、これら
MOX燃料棒101a,101bの母材としては劣化ウ
ランを用いるが、天然ウランまたは減損ウランを母材と
してもよい。
【0030】一方、ウラン−ガドリニア燃料棒101c
は、濃縮度4.9% のウラン燃料に2.0 重量%の濃度
でガドリニアを添加したものである。そして、各ウラン
−ガドリニア燃料棒101cの最隣接位置(=同行隣接
列又は同列隣接行位置)には、MOX燃料棒101a,
101bか水ロッド102が配置されており、ウラン−
ガドリニア燃料棒101c同士が最隣接位置にならない
ようにしている。
【0031】尚、上記構成のMOX燃料集合体の目標取
り出し燃焼度は、公知技術のMOX燃料集合体と同様、
8×8ウラン燃料集合体の取り出し燃焼度として実績の
ある39GWd/t以下の33GWd/tに設定されて
いる。また、MOX燃料棒101a,101b中に含ま
れる核分裂性プルトニウム(Pu−239及びPu−2
41)が、燃料集合体内の全燃料に占める重量割合は、
2.9 重量%となっている。
【0032】次に、以上のような本実施形態のMOX燃
料集合体の作用を説明する。一般に、ウラン−プルトニ
ウム混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒と、可燃性
毒物を添加したウラン酸化物燃料を充填した毒物入りウ
ラン燃料棒とを含むMOX燃料集合体には、核分裂性物
質として、核分裂性ウラン(U−235)及び核分裂性
プルトニウム(Pu−239,241)が含有される。
【0033】このうち、毒物入りウラン燃料棒は、通
常、毒物が燃え尽きた後の出力分布を平坦化するため
に、U−235の濃縮度を現状製造設備で最高の4.9
重量%としている。また、その本数は、配置にもよる
が、余剰反応度を適正値に抑制するために、平均取り出
し燃焼度33GWd/tの場合12〜14本、平均取り
出し燃焼度39Wd/tの場合14〜16本,平均取り
出し燃焼度45Wd/tの場合16〜18本,平均取り
出し燃焼度51GWd/tの場合18〜20本が最低限
必要となる。
【0034】このような条件のもとで、この種のMOX
燃料集合体において、平均取り出し燃焼度と核分裂性プ
ルトニウム富化度の関係を考えるとき、ある平均取り出
し燃焼度を得るために必要な所要核分裂性プルトニウム
富化度には上限が存在することになる。これを図2に示
す。
【0035】図2において、例えば、ある所定の平均取
り出し燃焼度xを目標とする場合、核分裂性プルトニウ
ム富化度が比較的低い場合(図2中の点A)には、毒物
入りウラン燃料棒中に含まれるU−235が核分裂性プ
ルトニウム富化度の低い分を補うこととなり、可燃性毒
物の濃度を低く設定した毒物入りウラン燃料棒が必要最
低限より多い本数含まれることとなる。核分裂性プルト
ニウム富化度が増加するとともに補わなければならない
分が少なくなるので、毒物入りウラン燃料棒の本数が減
少し、これに伴って可燃性毒物の濃度が高くなる。
【0036】核分裂性プルトニウム富化度の上限値(図
2中の点B)になると、毒物入りウラン燃料棒は上述し
た最低限の本数となる。核分裂性プルトニウム富化度の
値がこの上限値を超える(図2中の点C)と、無駄な核
分裂性プルトニウムがある分余剰反応度が過大となって
しまう。原子炉において、余剰反応度を適正値に抑制す
ることは炉停止余裕の確保等のために極めて重要である
ので、この過大な余剰反応度を可燃性毒物で抑制する必
要が生じる。
【0037】通常、可燃性毒物の添加による負の反応度
量は、添加した燃料棒の表面積即ち燃料棒の本数に大き
く依存する。これは、同様の負の反応度を添加する可燃
性毒物の濃度で得ようとすると大幅に濃度を増加する必
要があり、しかも可燃性毒物の必要が無い燃焼後期にな
っても燃え残るというデメリットがあるからである。従
って、上記の過大な余剰反応度を抑え込むために毒物入
りウラン燃料棒の本数を増加させる必要が生じる。しか
し、前述のように、毒物入りウラン燃料棒の本数の増加
はさらに余剰反応度を増加することにつながるため、実
際は上限値(点B)を超えた点Cでは、余剰反応度を抑
制することが極めて困難となる。以上のように、ある所
定の平均取り出し燃焼度xを目標とする場合、所要核分
裂性プルトニウム富化度には上限yがあり、核分裂性プ
ルトニウムの富化度をこれ以下に設定しなければならな
い。
【0038】図2に示すように、この平均取り出し燃焼
度と所要核分裂性プルトニウム富化度上限値との関係は
単調増加関係にある。横軸が平均取り出し燃焼度である
が、線出力密度の観点から、燃料棒を8行8列に配置し
た燃料集合体では約39GWd/tが限界となる。また、
線出力密度は平均取り出し燃焼度が6GWd/t増す毎
に約10%ずつ増加すること、9×9燃料集合体では8
×8燃料集合体に比べ燃料棒1本当たりの平均出力が約
20%減少することから、燃料棒を9行9列に配置した
燃料集合体では約51GWd/tが限界となる。
【0039】図2に示すように、平均取り出し燃焼度3
3GWd/tでは所要核分裂性プルトニウム富化度上限
値は3.0 重量%、8行8列に配列した燃料集合体の限
界である39GWd/tでは3.4 重量%、9行9列に
配列した燃料集合体の限界である51GWd/tでは
4.2 重量%となる。
【0040】ここで、本実施形態のMOX燃料集合体に
おいては、MOX燃料集合体101a,101b中に含まれ
る核分裂性プルトニウムが燃料集合体内の全燃料中に占
める割合は、平均取出し燃焼度約39GWd/tに対応
する所要核分裂性プルトニウム富化度上限値3.4重量
%以下の2.9重量%である。これにより、平均取り出
し燃焼度を33GWd/tに設定することを可能にして
いる。
【0041】一方、一般に、燃料集合体1体当たりの平
均出力が等しいとき、集合体1体に含まれる燃料棒本数
が多いほど、燃料棒1本当たりの平均出力は小さくて済
む。燃料棒の最大出力は線出力密度(=単位長さ当たり
の出力)で規定されていることから、燃料棒1本の平均
出力が低下すれば、最大線出力密度の既定値までの余裕
が増大する。
【0042】ここで、本実施形態においては、平均取り
出し燃焼度を公知技術のMOX燃料集合体と同等の39
GWd/t以下に設定しており、この条件の下で、燃料
棒101を9行9列の格子状配列に配置している。これ
により、1本の燃料棒101当たりの平均の出力が、n=
8の構造の80%程度に低減される。これにより、その
平均出力が低減された分、最大線出力密度の余裕が増大
する。これを、燃料集合体のある高さ断面においての各
燃料棒の出力とその平均値との比である局所出力ピーキ
ング係数に置き換えて考えると、例えば8行8列の構造
で最大1.25程度まで平坦化する必要があったとすると、
9行9列の本実施形態では1.5 程度まで許される。す
なわち、大きな局所出力ピーキングを許容でき、最大線
出力密度の余裕が増加していることを示している。
【0043】通常、沸騰水型原子炉用の燃料集合体にお
いては、減速材である水に近い燃料棒(すなわち最外周
の燃料棒等)ほど熱中性子束が大きく、逆に他の燃料棒
に取り囲まれている燃料棒ほど熱中性子束が小さくなる
傾向にある。これによって出力分布が生じるのを防止し
出力を平坦化するために、この熱中性子束格差に応じ、
例えばMOX燃料棒では前者のプルトニウム富化度を比
較的低くし、後者のプルトニウム富化度を比較的高くす
る等の富化度分布をつけることが行われる。従って、プ
ルトニウム富化度種類数を多くしてきめ細かく出力調整
を行うほど最大線出力密度を抑制することができ、逆に
プルトニウム富化度種類数を少なくするほど最大線出力
密度が増大することとなる。
【0044】本実施形態のMOX燃料集合体において
は、上記したように最大線出力密度の余裕が増加するこ
とにより、その分、最大線出力密度の増加を許容できる
こととなるので、MOX燃料棒101a,101bのプ
ルトニウム富化度を高富化度(4.0重量%)と低富化
度(=1.8重量%)の2種類にすることができる。
【0045】尚、本実施形態のMOX燃料集合体におい
ては、各ウラン−ガドリニア燃料棒101cの最隣接す
る4つの格子位置にはMOX燃料棒101a,101b
または水ロッド102を配置し、ウラン−ガドリニア燃
料棒101cどうしが最隣接位置に配置しないようにし
ているが、これによって以下のような作用を奏する。一
般に、毒物入りウラン燃料棒に含まれる可燃性毒物は、
比較的エネルギーが小さい中性子を吸収する断面積特性
を備えているので、1本の毒物入りウラン燃料棒の周囲
には、この小エネルギー中性子が比較的少なくなってい
る。ここで、このような燃料棒に近接する位置にもう1
本の毒物入りウラン燃料棒を配置しても、もともと小エ
ネルギー中性子が比較的少なくなっているので、その断
面積特性を有効に発揮することができず無駄になる。
【0046】そこで、本実施形態においては、ウラン−
ガドリニア燃料棒101c同士が最隣接位置に配置しな
いようにすることにより、ウラン−ガドリニア燃料棒10
1cどうしが近接し上記の無駄が発生するのを防止できる
ので、ガドリニアを有効に利用し、ウラン−ガドリニア
燃料棒101cの本数をさらに低減することができる。
【0047】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、平均取出し燃焼度を公知技術と同様の39GWd/
t以下とし、燃料棒を8行8列から9行9列としたこと
による最大線出力密度の余裕の増加を、プルトニウム富
化度種類の低減による出力分布の歪み増大の補償分とし
て活用することで、MOX燃料棒101a,101bの
富化度種類数を2種類に減少させることができる。
【0048】また、このとき、公知技術の構造でプルト
ニウム富化度種類数を減らす場合のように、MOX燃料
棒の数を減らしてウラン燃料棒に置き換える必要がない
ので、資源の有効利用及び輸送コスト低減を図ることが
できる。
【0049】本発明の第2の実施形態を図3により説明
する。この実施形態は、異なる形状の水ロッドを用いた
場合の実施形態である。図3は、本実施形態によるMO
X燃料集合体の構造を表す横断面図であり、9行9列の
格子状に配列された燃料棒201と、この格子状配列中
の略中央部領域における9本分の燃料棒201のスペー
スに設けられた正方形断面の水ロッド(ウォータチャン
ネル)202と、これらの配列の外周を取り囲むチャン
ネルボックス203とを備えている。
【0050】燃料棒201は、9行9列配列のうち水ロ
ッド202の分を除いた72本が設けられているが、そ
のうち60本の燃料棒201a,201bがウラン−プ
ルトニウム混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒であ
り、MOX燃料棒が全燃料棒に占める割合は、第1の実
施形態と同等の約83%となっている。また残りの12
本の燃料棒201cは可燃性毒物としてガドリニアを添
加したウラン酸化物燃料を充填したウラン−ガドリニア
燃料棒である。
【0051】MOX燃料棒201a,201bは、含有
するプルトニウムの富化度が異なる2種類の燃料棒、す
なわち第1の燃料棒としての低富化度MOX燃料棒20
1aと、第2の燃料棒としての高富化度MOX燃料棒2
01bとで構成されている。低富化度MOX燃料棒20
1aは12本装荷されており、核分裂性プルトニウム富
化度が第1の実施形態同様1.8 重量%となっている。
低富化度MOX燃料棒201aは、格子状配列の四隅を
含むコーナー側領域に3本ずつ計12本設置されてい
る。
【0052】高富化度MOX燃料棒201bは46本が
コーナー側領域以外に配置されており、核分裂性プルト
ニウム富化度が第1の実施形態同様4.0 重量%となっ
ている。なお、水ロッド202が占める格子位置と行又
は列が等しい格子位置には、低富化度MOX燃料棒20
1aまたはウラン−ガドリニア燃料棒201cが配置さ
れている。
【0053】ウラン−ガドリニア燃料棒201cは、第
1の実施形態同様、濃縮度4.9 %のウラン燃料に2.
0 重量%の濃度でガドリニアを添加したものである。
各ウラン−ガドリニア燃料棒201cの最隣接位置に
は、MOX燃料棒201a,201bか水ロッド202が配
置されており、ウラン−ガドリニア燃料棒201c同士
が最隣接位置にならないようにしている。
【0054】尚、上記構成のMOX燃料集合体の目標取
り出し燃焼度も、第1の実施形態同様、33GWd/t
に設定されている。また、MOX燃料棒201a,20
1b中に含まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内
の全燃料に占める重量割合は、第1の実施形態より多い
3.0 重量%となっている。以上のように構成した本実
施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0055】本発明の第3の実施形態を図4により説明
する。この実施形態は格子配列を10行10列とした場
合の実施形態である。図4は、本実施形態によるMOX
燃料集合体の構造を表す横断面図であり、10行10列
の格子状に配列された燃料棒301と、この格子状配列
中の略中央部領域における10本分の燃料棒301のス
ペースに設けられた3本の水ロッド302と、これらの
配列の外周を取り囲むチャンネルボックス303とを備
えている。
【0056】燃料棒301は、10×10配列のうち水
ロッド302の分を除いた90本が設けられているが、
そのうち74本の燃料棒301a,301bがウラン−
プルトニウム混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒で
あり、MOX燃料棒割合が全燃料棒に占める割合は第1
の実施形態より高い約82%となっている。また残りの
16本の燃料棒301cは可燃性毒物としてガドリニア
を添加したウラン酸化物燃料を充填したウラン−ガドリ
ニア燃料棒である。
【0057】MOX燃料棒301a,301bは、含有
するプルトニウムの富化度が異なる2種類の燃料棒、す
なわち第1の燃料棒としての低富化度MOX燃料棒30
1aと、第2の燃料棒としての高富化度MOX燃料棒3
01bとで構成されている。低富化度MOX燃料棒30
1aは4本装荷されており、第1及び第2の実施形態同
様、核分裂性プルトニウム富化度が1.8 重量%となっ
ている。また低富化度MOX燃料棒301aは、コーナ
ー側領域(この場合格子状配列の四隅のみ)に1本ずつ
計4本設置されている。
【0058】高富化度MOX燃料棒301bは70本が
コーナー側領域以外(この場合四隅以外)に配置されて
おり、核分裂性プルトニウム富化度が第1及び第2の実
施形態同様4.0 重量%となっている。なお、水ロッド
302が占める格子位置と行又は列が等しい格子位置に
は、低富化度MOX燃料棒301aまたはウラン−ガド
リニア燃料棒301cが配置されている。
【0059】ウラン−ガドリニア燃料棒301cは、第
1及び第2の実施形態同様、濃縮度4.9%のウラン燃
料に2.0重量%の濃度でガドリニアを添加したもので
ある。そして、各ウラン−ガドリニア燃料棒301cの
最隣接位置には、MOX燃料棒301a,301bか水
ロッド302が配置されており、ウラン−ガドリニア燃
料棒301cどうしが最隣接位置にならないようにして
いる。
【0060】上記構成のMOX燃料集合体の目標取り出
し燃焼度も、第1及び第2の実施形態同様、33GWd
/tに設定されている。また、MOX燃料棒301a,
301b中に含まれる核分裂性プルトニウムが燃料集合体内
の全燃料に占める重量割合は、第1の実施形態より多い
3.0 重量%となっている。
【0061】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、第1及び第2の実施形態と同様の効果に加え、以下
のような効果がある。即ち、第1及び第2の実施形態よ
り燃料棒本数が増加し、燃料棒1本当たりの平均の出力
が下がるので、さらに20%程度、局所出力ピーキング
係数の取り得る範囲が拡大し、最大線出力密度の既定値
までの余裕が増大する。これにより、格子状配列におけ
る高富化度燃料棒・低富化度燃料棒の本数バランスや、
その配置分布や、それらの高・低富化度の設定(両者の
富化度差の大小を含む)に関し、設計の自由度を高める
ことができる。なお、上記第3の実施形態においては1
0行10列(n=10)の格子状配列であったが、これ
に限られない。すなわち、nは11以上でもあってもよ
く、nが多いほど、上記したような設計の自由度がより
増加する。
【0062】また、上記第1〜第3の実施形態において
は、いずれも平均取り出し燃焼度を33GWd/tに設
定したが、これに限られず、8×8ウラン燃料集合体で
実績のある39GWd/t以下の種々の値を設定でき
る。燃焼度が高くなると熱的余裕は厳しくなる傾向にあ
るが、MOX富化度種類数を2種類とすることは33G
Wd/t以上であっても可能である。一方、燃焼度が低
いほど、上記したような設計の自由度はより増加する。
【0063】本発明の第4の実施形態を図6により説明
する。この実施形態は、格子配列を10行10列とし、
平均取り出し燃焼度を51GWd/tに設定した場合の
実施形態である。図6は、本実施形態によるMOX燃料
集合体の構造を表す横断面図であり、10行10列の格
子状に配列された燃料棒401と、この格子状配列中の
略中央部領域における10本分の燃料棒401のスペー
スに設けられた3本の水ロッド402と、これらの配列
の外周を取り囲むチャンネルボックス403とを備えて
いる。
【0064】燃料棒401は、10×10配列のうち水
ロッド402の分を除いた90本が設けられているが、
そのうち72本の燃料棒401a,401bがウラン−
プルトニウム混合酸化物燃料を充填したMOX燃料棒で
あり、MOX燃料棒割合が全燃料棒に占める割合は約8
0%となっている。残りの18本の燃料棒401cが可
燃性毒物としてガドリニアを添加したウラン酸化物燃料
を充填したウラン−ガドリニア燃料棒であり、目標とす
る平均取り出し燃焼度を高く設定した分、第3の実施例
と比べて本数が2本増加してある。
【0065】MOX燃料棒401a,401bは、含有
するプルトニウムの富化度が異なる2種類の燃料棒、す
なわち第1の燃料棒としての低富化度MOX燃料棒40
1aと、第2の燃料棒としての高富化度MOX燃料棒4
01bとで構成されている。低富化度MOX燃料棒40
1aは4本装荷されており、核分裂性プルトニウム富化
度が2.2 重量%となっている。また、低富化度MOX
燃料棒401aは、コーナー側領域(この場合格子状配
列の四隅のみ)に1本ずつ、計4本設置されている。
【0066】高富化度MOX燃料棒401bは70本が
コーナー側領域以外(この場合四隅以外)に配置されて
おり、核分裂性プルトニウム富化度が5.3 重量%とな
っている。尚、水ロッド402が占める格子位置と行又
は列が等しい格子位置には、高富化度MOX燃料棒40
1bまたはウラン−ガドリニア燃料棒401cが配置さ
れている。
【0067】ウランーガドリニア燃料棒401cは、濃
縮度4.9%のウラン燃料に2.2重量%の濃度でガドリ
ニアを添加したものである。そして、各ウラン−ガドリ
ニア燃料棒401cの最隣接位置には、MOX燃料棒4
01a,401bか水ロッド402が配置されており、
ウラン−ガドリニア燃料棒401c同士が最隣接位置に
ならないようにしている。
【0068】上記構成のMOX燃料集合体では、MOX
燃料棒401a,401b中に含まれる核分裂性プルト
ニウムが燃料集合体内の全燃料に占める重量割合が、5
1GWd/tに対する上限値4.2重量%以下の4.1重
量%となっており、目標とする平均取り出し燃焼度が、
燃料棒を9行9列に配列した燃料集合体での限界の平均
取り出し燃焼度と同様の51GWd/tに設定されてい
る。
【0069】即ち、燃料棒を10行10列に配置するこ
とで燃料棒1本当たりの平均出力を、燃料棒を9行9列
に配列した場合の約80%に低減している。これによ
り、その平均出力が低減された分、最大線出力密度の余
裕が増大する。本実施形態では、増大した最大線出力密
度の余裕を、プルトニウム富化度種類の低減による燃料
集合体内の出力分布の歪み増大の補償分として活用し、
MOX燃料棒401a,401bの富化度種類数を2種
類としている。
【0070】尚、上記第4の実施形態においては10行
10列(n=10)の格子状配列であったが、これに限
られない。即ち、nは11以上であってもよく、nが多
いほど、最大線出力密度の余裕が増大し設計の自由度が
増大する。また、目標とする平均取り出し燃焼度を51
GWd/tとしているが、核分裂性プルトニウム富化度
を下げ、より小さい平均取り出し燃焼度とすることも可
能である。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、9行9列以上の燃料棒
配列で平均取出し燃焼度を39GWd/t以下に設定で
き、10行10列以上の燃料棒配列で平均取出し燃焼度
を51GWd/tに設定できるので、これによる最大線
出力密度の余裕の増大を、プルトニウム富化度種類の低
減による出力分布の歪み増大の補償分として活用して、
MOX燃料棒の富化度種類数を2種類に減少させること
ができる。
【0072】従って、燃料ペレットの製造工程を簡素化
して、MOX燃料集合体の製造コストの低減を図ること
ができる。また、MOX燃料棒の数を減らしてウラン燃
料棒に置き換える必要が無いので、資源の有効利用及び
輸送コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるMOX燃料集合
体の横断面図。
【図2】平均取り出し燃焼度と所要核分裂性プルトニウ
ム富化度との関係図。
【図3】本発明の第2の実施形態によるMOX燃料集合
体の横断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態によるMOX燃料集合
体の横断面図。
【図5】従来のMOX燃料集合体の横断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態によるMOX燃料集合
体の横断面図。
【図7】燃料棒配列数と平均取り出し燃焼度の関係図。
【符号の説明】
101a,201a,301a,401a…低富化度M
OX燃料棒(第1の燃料棒)、101b,201b,3
01b,401b…高富化度MOX燃料棒(第2の燃料
棒)、101c,201c,301c…ウラン−ガドリ
ニア燃料棒(毒物入りウラン燃料棒)、102,20
2,302,402…水ロッド、403…チャンネルボ
ックス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 3/30 GDBX (72)発明者 中島 潤二郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料を充
    填した複数本のMOX燃料棒と、可燃性毒物を添加した
    ウラン酸化物燃料を充填した複数本の毒物入りウラン燃
    料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、n行n列の格
    子状配列中に配置した沸騰水型原子炉用の燃料集合体に
    おいて、 nを9以上とし、 前記MOX燃料棒中に含まれる核分裂性プルトニウムが
    燃料集合体内の全燃料中に占める割合を、3.4 重量%
    以下としたことを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】ウラン−プルトニウム混合酸化物燃料を充
    填した複数本のMOX燃料棒と、可燃性毒物を添加した
    ウラン酸化物燃料を充填した複数本の毒物入りウラン燃
    料棒と、少なくとも1本の水ロッドとを、n行n列の格
    子状配列中に配置した沸騰水型原子炉用の燃料集合体に
    おいて、 nを10以上とし、 前記MOX燃料棒中に含まれる核分裂性プルトニウムが
    燃料集合体内の全燃料中に占める割合を、4.2 重量%
    以下としたことを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の燃料集合体に
    おいて、 前記複数本のMOX燃料棒は、核分裂性プルトニウム富
    化度が低い複数本の第1の燃料棒と、これら第1の燃料
    棒より核分裂性プルトニウム富化度が高い複数本の第2
    の燃料棒とから構成されており、 前記複数本の第1の燃料棒は、前記n行n列の格子状配
    列の四隅を少なくとも含むコーナー側領域に配置され、
    前記複数本の第2の燃料棒は、該コーナー側領域以外の
    領域に配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項3記載の燃料集合体において、 前記水ロッドは、前記格子状配列中の略中央部領域に配
    置されており、 前記水ロッドが占める格子位置と行及び列の少なくとも
    一方が等しい格子位置には、前記第2の燃料棒または前
    記毒物入りウラン燃料棒を配置したことを特徴とする燃
    料集合体。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2記載の燃料集合体に
    おいて、 各毒物入りウラン燃料棒の最隣接する4つの格子位置に
    は、前記MOX燃料棒または前記水ロッドを配置したこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項1又は請求項2記載の燃料集合体に
    おいて、 前記MOX燃料棒の本数を、全燃料棒本数の80%以上
    としたことを特徴とする燃料集合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1650767A1 (en) * 2003-06-30 2006-04-26 Nuclear Fuel Industries, Ltd. Mox fuel assembly for pressurized water reactor
JP2013217715A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 燃料集合体
JPWO2017145268A1 (ja) * 2016-02-23 2018-11-29 株式会社日立製作所 燃料集合体及びそれを装荷する炉心

Cited By (4)

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