JPH09166678A - Mox燃料集合体 - Google Patents

Mox燃料集合体

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JPH09166678A
JPH09166678A JP7327215A JP32721595A JPH09166678A JP H09166678 A JPH09166678 A JP H09166678A JP 7327215 A JP7327215 A JP 7327215A JP 32721595 A JP32721595 A JP 32721595A JP H09166678 A JPH09166678 A JP H09166678A
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JP
Japan
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fuel
rods
fuel rods
mox
row
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Application number
JP7327215A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Suzuki
龍雄 鈴木
Sadayuki Izutsu
定幸 井筒
Satoshi Fujita
聡志 藤田
Takaaki Mochida
貴顕 持田
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガドリニア入り燃料棒における全体の負の反応
度価値を低下させることなくその本数を低減し、その低
減分をMOX燃料棒に置き換えることにより、プルトニ
ウムの使用率を向上できるMOX燃料集合体を提供す
る。 【解決手段】9行9列に配置された燃料棒15のうち、
ウォータロッド13を配置するために置き換えられた7
本の燃料棒位置に対し同行隣接列若しくは同列隣接行と
なるような近接する位置には、ガドリニア入りのウラン
燃料棒15bが6本配列され、その他の位置には68本
のMOX燃料棒15aが配列されている。このとき、6
本のガドリニア入りウラン燃料棒15bは、9行9列配
列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、
2本のウォータロッド13,13を挟んで2組配列され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉に
備えられる燃料集合体に係わり、特に、ウラン・プルト
ニウム混合酸化物燃料を備えたMOX燃料集合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所の核燃料リサイクルとし
て、再処理によって取り出されたプルトニウムをウラン
と混合させたウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以
下適宜、MOX燃料という)の利用が提唱されている。
燃料サイクル費の低減を図るためには、プルトニウムの
消費を高めるすなわちプルトニウムの使用率を高めるこ
とが好ましい。
【0003】一方、近年、同様に燃料サイクル費の低減
を図る観点から、ウラン燃料の高燃焼度化と並行する形
で、MOX燃料の高燃焼度化が図られる傾向にある。こ
のようなMOX燃料の高燃焼度化の傾向が、(1)短尺
燃料棒の採用、(2)ウォータロッドの太径化、(3)
ガドリニア入り燃料棒本数の増加、をもたらすようにな
っている。これらについて、以下順番に詳細を説明す
る。
【0004】(1)短尺燃料棒の採用 一般に、燃料の高燃焼度化を図るためには、燃料の保有
する反応度を高める必要がある。したがって、ウラン燃
料の高燃焼度化を図るためには、ウラン濃縮度のを増加
させる必要があり、MOX燃料の高燃焼度化を図るため
には、MOX燃料のプルトニウム富化度(以下適宜、単
に富化度と呼ぶ)を増加させる必要がある。
【0005】ここで、一般に燃料集合体にMOX燃料を
充填すると、核分裂性物質であるプルトニウム239や
プルトニウム241の熱中性子吸収断面積がウラン23
5より大きいこと、プルトニウム240による中性子吸
収がウラン238より大きいこと等により、ウラン燃料
集合体よりも中性子スペクトルが硬くなる傾向がある。
これに加えて、前述したようにMOX燃料の富化度を増
加させると、これによっても中性子スペクトルの硬化が
増す傾向が生じる。
【0006】これに対する対策の1つとして、例えば8
行8列の燃料棒配列(以下適宜、8×8配列という)の
燃料集合体を9行9列の燃料棒配列(以下、9×9配列
という)等の燃料集合体に変更することで、中性子スペ
クトルを軟らかくすることが考えられている。
【0007】但しこのとき、9×9配列の燃料集合体に
変更する際、単に燃料棒本数を増加させただけでは、本
数増加による表面積の増大が気泡の抵抗を増やし、炉心
の圧力損失が増加して熱水力安定性が悪化する等の課題
が生じるので、燃料棒の一部に、軸方向長さが短い短尺
燃料棒を使用し、圧力損失の増加を押さえるようにして
いる。
【0008】(2)ウォータロッドの太径化 上記(1)で述べたような、MOX燃料における中性子
スペクトル硬化に対するもう1つの対策として、ウォー
タロッドを太径化することで水(すなわち中性子の減速
材)領域を増加し、中性子スペクトルを軟らかくするこ
とが考えられている。
【0009】なお、以上(2)の方策を講じてウラン燃
料の高燃焼度化を図った公知技術例として、例えば、特
開昭62−217186号公報に記載のものがある。
【0010】(3)ガドリニア入り燃料棒本数の増加 上記(1)で前述したように、MOX燃料の高燃焼度化
を図る際には燃料の反応度が高められていることから、
余剰反応度を適切に制御するためには、燃料集合体に使
用される可燃性中性子毒物のガドリニア入り燃料棒の本
数を増加させる必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)〜(3)に関しては、いずれも、最終的にプルト
ニウムの使用率を低下させるという新たな課題が生じ
る。すなわち、(1)短尺燃料棒の採用が行われるよう
になれば、その分MOX燃料が少なくなるので、プルト
ニウムの使用率を低下させることになる。また、(2)
ウォータロッドの太径化が行われるようになれば、ウォ
ータロッドにより押しのけられる横断面積が増えるの
で、その分MOX燃料棒の燃料集合体に占める割合が減
少して、プルトニウムの使用率を低下させることにな
る。また、一般に、プルトニウムは強い中性子吸収体で
あることから、ガドリニア入り燃料棒にはウランが用い
られるので、(3)ガドリニア入り燃料棒本数の増加が
行われるようになれば、その分MOX燃料棒の燃料集合
体に占める割合が減少し、プルトニウムの使用率を低下
させることになる。
【0012】このようなプルトニウムの使用率の低下を
防止するためには、上記(1)〜(3)の方策のうちい
ずれか1つの方策を、プルトニウム使用率が低下しない
ように改良すればよい。
【0013】本発明の目的は、ガドリニア入り燃料棒に
おける全体の負の反応度価値を低下させることなくその
本数を低減し、その低減分をMOX燃料棒に置き換える
ことにより、プルトニウムの使用率を向上できるMOX
燃料集合体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、複数行複数列の格子状に配列され
核分裂性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格
子状に配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の複数本
の燃料棒を置き換える形で配列された少なくとも1本の
ウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記
核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃
料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物
質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填さ
れ軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第
2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が
充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒のうち、少
なくとも第1及び第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装
荷されるMOX燃料集合体において、前記第3の燃料棒
のすべては、前記第2の燃料棒の配列位置及び前記ウォ
ータロッドに置き換えられた複数本の燃料棒の配列位置
のうち少なくとも一方の配列位置に対して、同行隣接列
及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置に
配列されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提
供される。
【0015】軽水炉においては、水は冷却材としてだけ
ではなく、中性子の減速材としても重要な役割を担って
おり、炉心内部の水とプルトニウム及びウランの体積比
(=減速材対燃料比)が、核特性に影響を与える重要な
要素となっている。すなわち、減速材対燃料比は、高速
中性子エネルギー及び共鳴中性子エネルギー領域での中
性子吸収率に影響を与える。
【0016】つまり、一般に、低濃縮ウランを用いる熱
中性子炉では、熱外中性子の吸収反応の大半は、例えば
Pu240、U238のような親物質への捕獲反応であ
り、核分裂によるエネルギー発生と中性子の増倍には寄
与しない。しかしながら、減速材対燃料比が増加する
と、核分裂中性子(平均約2MeVのエネルギーを有す
る)が熱中性子まで減速される割合が増加する。
【0017】したがって、熱中性子炉では、減速材対燃
料比を増加させて中性子スペクトルを軟らかくすること
により、熱中性子を増加させ、Pu239、Pu24
1、U235への中性子吸収を増加させることができ
る。そしてこれにより核分裂に寄与する中性子が増える
ので、中性子束及び無限増倍率を大きくすることができ
る。そしてこのようにして中性子束を大きくすることに
よって、強い熱中性子吸収体である可燃性毒物の負の反
応度価値、すなわち、反応度に対して負の方向に働く効
果もまた高めることができることになる。
【0018】燃料集合体においては、減速材対燃料比が
高くなる位置として、例えば、燃料チャンネルボックス
の外側の水ギャップ、ウォータロッド、及び短尺燃料棒
上部の水領域等が考えられる。
【0019】本発明においては、可燃性毒物を含有する
第3の燃料棒を、複数本の燃料棒を置き換えたウォータ
ロッド位置又は短尺である第2の燃料棒の配列位置に対
して同行隣接列又は同列隣接行、すなわち非常に近接し
た位置に配列する。ここで、ウォータロッドは全領域が
水であるのでこれに近いほど減速材対燃料比が高く、ま
た第2の燃料棒については、短尺の燃料棒上方は水領域
であるので同様にこれに近いほど減速材対燃料比が高
い。
【0020】したがって、第3の燃料棒の配列位置は中
性子スペクトルが軟らかく、中性子束分布が高くなるの
で、結果として、第3の燃料棒に含有される可燃性毒物
の負の反応度価値が高められる。よってその分、可燃性
毒物入りの第3の燃料棒の本数を従来より低減しても、
従来と同等の反応度抑制効果を得ることができる。好ま
しくは、前記MOX燃料集合体において、前記格子状配
列は9行9列であり、前記ウォータロッドは、中央部領
域近傍の7本の燃料棒を置き換える形で前記9行9列配
列の対角線方向に隣接して2本配列されており、前記第
3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同行隣接
列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係となる位置
に、計6本配列されていることを特徴とするMOX燃料
集合体が提供される。
【0021】さらに好ましくは、前記MOX燃料集合体
において、前記6本の第3の燃料棒は、前記9行9列配
列の対角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、
前記2本のウォータロッドを挟んで2組配列されている
ことを特徴とするMOX燃料集合体が提供される。
【0022】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォー
タロッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換え
る形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配
列されており、前記第2の燃料棒は、前記9行9列配列
の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅
位置及び各辺中点位置に計8本配列されており、前記第
3の燃料棒は、前記ウォータロッドに置き換えられた7
本の燃料棒位置及び前記8本の第2の燃料棒位置に対し
て、同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関
係となる位置に、計14本配列されていることを特徴と
するMOX燃料集合体が提供される。
【0023】さらに好ましくは、前記MOX燃料集合体
において、前記8本の第2の燃料棒のうち、前記9行9
列配列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における
四隅位置に配置された4本を、同径のウォータロッドに
置き換えたことを特徴とするMOX燃料集合体が提供さ
れる。すなわちこれにより、減速材対燃料比を増加させ
ボイド反応度係数絶対値を低減し過渡変化を緩和した配
列構成に適用した場合も、可燃性毒物入り燃料棒の本数
を従来より低減することができる。
【0024】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれ
は、軸方向に一様なプルトニウム富化度分布を有し、か
つ、その平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第
1及び第2の燃料棒全体で4種類以下となるように構成
されていることを特徴とするMOX燃料集合体が提供さ
れる。
【0025】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれ
は、平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及
び第2の燃料棒全体で複数種類となるように構成されて
おり、かつ、各第2の燃料棒の平均プルトニウム富化度
は、前記複数種類の平均プルトニウム富化度のうち、大
きい方から2番目の値となっていることを特徴とするM
OX燃料集合体が提供される。
【0026】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、前記第3の燃料棒は、燃料有効長をHとしたと
き、有効長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び
(23/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃
料ペレットが充填された領域を備えていることを特徴と
するMOX燃料集合体が提供される。
【0027】また好ましくは、前記MOX燃料集合体に
おいて、前記複数の第3の燃料棒のそれぞれに添加され
る可燃性毒物の濃度は、該複数の第3の燃料棒全体で複
数種類になっていることを特徴とするMOX燃料集合体
が提供される。
【0028】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充
填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された
燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換え
る形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列さ
れた2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料
棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混
合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記
核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃
料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い
複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウ
ラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒
を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体にお
いて、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対
して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関
係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配
列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四
隅位置及びこれに対して同行隣接列及び同列隣接行のう
ちいずれか一方の関係となる位置に配列されている12
本との、あわせて18本が配置されていることを特徴と
するMOX燃料集合体が提供される。これにより、すな
わち、ウラン量を増加させ原子炉運転期間の延長に対応
可能とした配列構成に適用した場合も、可燃性毒物入り
の第3の燃料棒の本数を従来より低減することができ
る。
【0029】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、9行9列の格子状に配列され核分裂性物質が充
填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配列された
燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換え
る形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して配列さ
れた2本のウォータロッドとを有し、前記複数本の燃料
棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混
合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料棒、前記
核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃
料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よりも短い
複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質としてウ
ラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3の燃料棒
を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集合体にお
いて、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対
して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関
係となる位置に配列されている6本と、前記9行9列配
列の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅
位置に配列されている4本と、前記第2の燃料棒の配列
位置に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか
一方の関係となる位置に配列されている8本の、あわせ
て18本が配置されていることを特徴とするMOX燃料
集合体が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1及
び図2により説明する。本実施形態によるMOX燃料集
合体の全体構造を表す縦断面図を図2に、図2中I−I
水平横断面図を図1に示す。
【0031】図1及び図2において、燃料集合体16
は、9行9列の格子状に配列された燃料棒15と、中央
部領域近傍の7本の燃料棒15を置き換える形で9行9
列配列の対角線方向に隣接して2本配列された2本のウ
ォータロッド13と、燃料棒15及びウォータロッド1
3の上下端部を保持する上部タイプレート18及び下部
タイプレート19と、燃料棒15の軸方向の複数箇所に
配置され、燃料棒15及びウォータロッド13の相互間
の間隙を適切な状態に保持する燃料スペーサ20と、上
部タイプレート18に取り付けられ、スペーサ20で保
持された燃料棒15の束の外周を取り囲むチャンネルボ
ックス12等から構成される。
【0032】上部タイプレート18には、図示しないチ
ャンネルファスナが取り付けられている。チャンネルボ
ックス12近傍には、それに隣接するように十字型の制
御棒(図示せず)が挿入されて反応度の調整が行われ
る。
【0033】燃料棒15は、特に詳細を図示しないが、
上部端栓及び下部端栓により両端を密封された被覆管内
に、多数の燃料ペレットを充填したものである。そして
燃料棒15は、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料ペ
レット(MOX燃料ペレット)を充填したMOX燃料棒
15aと、ウラン燃料ペレットを充填するとともにガド
リニアが添加されたウラン燃料棒15bとから構成され
る。すなわち、燃料棒15a,bは、これら燃料ペレッ
トを、被覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリ
ングが上下に押圧する構造となっている。
【0034】MOX燃料棒15aのMOX燃料ペレット
は、燃料物質であるPuO2で主として構成され、核分
裂物質である239Pu及び241Puを含んでおり、プルト
ニウム富化度が増加されたいわゆる高燃焼度化燃料とな
っている。たMOX燃料棒15aは、軸方向に一様なプ
ルトニウム富化度分布となっており、そして各MOX燃
料棒15aのプルトニウム富化度の値は、MOX燃料棒
15a全体で4種類以下となるように構成されている。
【0035】またウラン燃料棒15bのウラン燃料ペレ
ットは、燃料物質であるUO2で主として構成され、核
分裂物質である235Uを含んでおり、ウラン濃縮度が増
加されたいわゆる高燃焼度化燃料となっている。またウ
ラン燃料棒15bは、燃料有効長をHとしたとき、有効
長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び(23/
24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペレッ
トが充填された領域を備えている。さらに各ウラン燃料
棒15bに添加されるガドリニアの濃度は、ウラン燃料
棒15b全体で1種類であるか、若しくは2種類以上で
もよい。
【0036】そして図1に示されるように、9行9列に
配置された燃料棒15のうち、ウォータロッド13を配
置するために置き換えられた7本の燃料棒位置に対し同
行隣接列若しくは同列隣接行となるような近接する位置
には、ガドリニア入りのウラン燃料棒15bが6本配列
され、その他の位置には68本のMOX燃料棒15aが
配列されている。このとき、6本のガドリニア入りウラ
ン燃料棒15bは、9行9列配列の対角線方向に互いに
隣接する3本の燃料棒の組が、2本のウォータロッド1
3,13を挟んで2組配列されている。
【0037】ウォータロッド13は、燃料棒15と同じ
被覆管が用いられているが、燃料棒15の3.5本分の
領域を占める太径のものとなっている。また特に詳細を
図示しないが、ウォータロッド13には、燃料物質は充
填されず、被覆管の上部及び下部の側面に孔を設けるこ
とで、内部を沸騰しない冷却水が通過するようになって
いる。
【0038】なお、沸騰水型原子炉(以下適宜、BWR
という)の炉心は、燃料集合体16の4体に1本の割合
で十字型の制御棒が挿入される構造である。そしてBW
R炉心には、挿入される制御棒に面するチャンネルボッ
クス12の外側に形成される水ギャップの幅が、その反
対側にあって制御棒に面しないチャンネルボックス12
の外側に形成される水ギャップの幅よりも広くなってい
る炉心(いわゆるD格子炉心)と、これら2つの水ギャ
ップの幅が等しい炉心(C格子炉心・S格子炉心・N格
子炉心)とがある。本実施形態の燃料集合体16は、後
者の炉心に装荷される燃料集合体である。
【0039】次に、本実施形態の作用効果を以下に説明
する。軽水炉においては、水は冷却材としてだけではな
く、中性子の減速材としても重要な役割を担っており、
炉心内部の水とプルトニウム及びウランの体積比(=減
速材対燃料比)が、核特性に影響を与える重要な要素と
なっている。すなわち、減速材対燃料比は、高速中性子
エネルギー及び共鳴中性子エネルギー領域での中性子吸
収率に影響を与える。
【0040】つまり、一般に、低濃縮ウランを用いる熱
中性子炉では、熱外中性子の吸収反応の大半は、例えば
Pu240、U238のような親物質への捕獲反応であ
り、核分裂によるエネルギー発生と中性子の増倍には寄
与しない。しかしながら、減速材対燃料比が増加する
と、核分裂中性子(平均約2MeVのエネルギーを有す
る)が熱中性子まで減速される割合が増加する。
【0041】したがって、熱中性子炉では、減速材対燃
料比を増加させて中性子スペクトルを軟らかくすること
により、熱中性子を増加させ、Pu239、Pu24
1、U235への中性子吸収を増加させることができ
る。そしてこれにより核分裂に寄与する中性子が増える
ので、中性子束及び無限増倍率を大きくすることができ
る。そしてこのようにして中性子束を大きくすることに
よって、強い熱中性子吸収体である可燃性毒物(例えば
ガドリニア)の負の反応度価値、すなわち、反応度に対
して負の方向に働く効果もまた高めることができること
になる。
【0042】本実施形態の燃料集合体16においては、
ガドリニア入りウラン燃料棒15bをウォータロッド1
3の位置に対して非常に近接した位置に配列する。ここ
で、ウォータロッド13は全領域が水であるのでこれに
近いほど減速材対燃料比が高くなる。したがって、ガド
リニア入りウラン燃料棒15bの配列位置は中性子スペ
クトルが軟らかく中性子束分布が高くなるので、結果と
して、MOX燃料棒15aにおけるプルトニウム富化度
の増加やウラン燃料棒15bにおけるウラン濃縮度増加
によって生じる、燃料棒15bのガドリニアによる反応
度制御能力の低下を打ち消し、このガドリニアの負の反
応度価値を高めることができる。よってその分、ガドリ
ニア入りウラン燃料棒15bを従来より低減した本数
(例えば本実施形態では6本)としても、従来と同等の
反応度抑制効果を得ることができる。したがって、その
本数低減分をMOX燃料棒15aに置き換えることで、
従来よりも燃料集合体16に占めるMOX燃料棒15a
の本数を増やす(例えば本実施形態では68本)ことが
でき、結果としてプルトニウムの使用率を向上すること
ができる。
【0043】本発明の第2の実施形態を図3〜図7によ
り説明する。本実施形態は、いわゆる短尺燃料棒を含む
燃料集合体の実施形態である。本実施形態によるMOX
燃料集合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)に
おける水平横断面図を図3に示す。なお図3には、チャ
ンネルボックスに隣接して挿入される制御棒も併せて示
してある。図3において、本実施形態の燃料集合体21
6は、取出燃焼度45GWd/tを目標とした13ヶ月
〜18ヶ月の運転に対応できるような燃料設計を想定し
ており、9行9列の格子状に配列された燃料棒215
と、中央部領域近傍の7本の燃料棒215を置き換える
形で9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列され
た2本のウォータロッド213と、燃料棒215の束の
外周を取り囲むチャンネルボックス212とを備えてい
る。また特に図示しないが、第1の実施形態と同様に、
後述する短尺燃料棒を除く燃料棒215の大部分及びウ
ォータロッド213の上端部は上部タイプレートで保持
され、また燃料棒215のすべて及びウォータロッド2
13の下端部は下部タイプレートで保持され、燃料棒2
15の軸方向の複数箇所には、燃料棒215及びウォー
タロッド213の相互間の間隙を適切な状態に保持する
燃料スペーサが設けられている。そして第1の実施形態
同様、上部タイプレートにはチャンネルファスナが取り
付けられ、チャンネルボックス212近傍には、それに
隣接するように十字型の制御棒214が挿入されて反応
度の調整が行われる。
【0044】そして、燃料集合体216を構成する燃料
棒215は、図3に示すように、燃料棒番号1〜6で示
す6種類がある。燃料棒番号1〜4で表される燃料棒2
15は、燃料有効長Hの全範囲にそれぞれ富化度A,
B,C,D重量%の核分裂性プルトニウムが充填されて
いる長尺のMOX燃料棒である。また燃料棒番号5で表
される燃料棒215は、燃料有効長Hとして、有効長下
端からの距離(1/24)H〜(15/24)Hの範囲
に富化度B重量%の核分裂性プルトニウムが充填されて
いる短尺のMOX燃料棒である。このとき、MOX燃料
の富化度の大小関係は、富化度の大きい方から、A,
B,C,D重量%であり、軸方向に一様な富化度となっ
ている。すなわち、燃料棒番号5の燃料棒215は、大
きい方から2番目のプルトニウム富化度の値となってい
る。
【0045】一方、燃料棒番号6で表される燃料棒21
5は、ガドリニア入りのウラン燃料棒であり、燃料有効
長Hとして、有効長下端からの距離0〜(1/24)H
及び(23/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからな
る燃料ペレットが充填された領域(天然ウランブランケ
ット領域)が備えられており、また有効長下端からの距
離(2/24)H〜(22/24)Hの範囲に、可燃性
毒物であるガドリニアを含有している濃縮ウランが充填
されている領域(濃縮ウラン領域)が備えられているウ
ラン燃料棒である。このとき、濃縮ウラン領域の235
濃縮度はE重量%であり、ガドリニア濃度はF重量%で
ある。また、天然ウランブランケット領域の235U濃縮
度は0.71重量%である。なお、ガドリニア濃度及び
軸方向分布は、1種類であるが、それぞれの炉心におい
て適宜、1種類または複数種類を選択してもよい。以上
説明したような、燃料棒番号1〜6の燃料棒に関する、
プルトニウム富化度及びウラン濃縮度分布を概念的に表
した図を図4に示す。
【0046】またこれら燃料棒215は、特に詳細を図
示しないが、第1の実施形態の燃料棒15と同様、上部
端栓及び下部端栓により両端を密封された被覆管内に、
多数の燃料ペレットを充填したものである。MOX燃料
棒215(燃料棒番号1〜5)は、ウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料ペレット(MOX燃料ペレット)を被
覆管内のガスプレナム領域に配置されたスプリングが上
下に押圧する構造となっている。このときMOX燃料ペ
レットは、燃料物質であるPuO2で主として構成さ
れ、核分裂物質である239Pu及び241Puを含んでお
り、プルトニウム富化度が増加されたいわゆる高燃焼度
化燃料となっている。またガドリニア入りウラン燃料棒
215(燃料棒番号6)は、ウラン燃料ペレットを被覆
管内のガスプレナム領域に配置されたスプリングが上下
に押圧する構造となっている。このときウラン燃料ペレ
ットは、燃料物質であるUO2で主として構成され、核
分裂物質である235Uを含んでおり、すなわち、燃料有
効長をHとしたとき、有効長最下端からの距離が0〜
(1/24)H及び(23/24)H〜Hの範囲に、天
然ウランからなる燃料ペレットが充填された領域を備え
ている。さらに各ウラン燃料棒15bに添加されるガド
リニアの濃度は、ウラン燃料棒15b全体で1種類であ
るか、若しくは2種類以上でもよい。
【0047】そして図3に示されるように、9行9列に
配置された燃料棒215のうち、燃料棒番号5で表され
る短尺燃料棒215は、9行9列配列の最外周配列のす
ぐ内側の正方形状配列における、四隅位置及び各辺中点
位置に計8本配列されている。また燃料棒番号6で表さ
れるガドリニア入りのウラン燃料棒215は、それら短
尺燃料棒215に対して同行隣接列若しくは同列隣接行
となるような近接する位置に8本と、ウォータロッド2
13を配置するために置き換えられた7本の燃料棒位置
に対して同行隣接列若しくは同列隣接行となるような近
接する位置に6本、合計で14本配列され、その他の位
置には燃料棒番号1〜4で表されるMOX燃料棒215
が図示のように配列されている。なおこのとき、ウォー
タロッド213に隣接する6本のガドリニア入りウラン
燃料棒215(燃料棒番号6)は、9行9列配列の対角
線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、2本のウ
ォータロッド213,213を挟んで2組配列されてい
る。
【0048】次に、本実施形態の作用効果を以下に説明
する。第1の実施形態において前述したように、熱中性
子炉では、減速材対燃料比を増加させて中性子スペクト
ルを軟らかくすることにより、熱中性子を増加させ、P
u239、Pu241、U235への中性子吸収を増加
させることができる。そしてこれにより核分裂に寄与す
る中性子が増えるので、中性子束及び無限増倍率を大き
くすることができる。そしてこのようにして中性子束を
大きくすることによって、強い熱中性子吸収体である可
燃性毒物の負の反応度価値、すなわち、反応度に対して
負の方向に働く効果もまた高めることができることにな
る。
【0049】本実施形態の燃料集合体216において
は、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号
6)をウォータロッド213の位置及び短尺MOX燃料
棒215(燃料棒番号5)の配列位置に対して非常に近
接した位置に配列する。
【0050】ここで、ウォータロッド213は全領域が
水であるのでこれに近いほど減速材対燃料比が高く、ま
た短尺MOX燃料棒215については、短尺の燃料棒上
方は水領域であるので同様にこれに近いほど減速材対燃
料比が高い。したがって、ガドリニア入りウラン燃料棒
215(燃料棒番号6)の配列位置は中性子スペクトル
が軟らかく、中性子束分布が高くなる。このことを図5
を用いてさらに具体的に説明する。
【0051】図5は、燃料集合体216の、短尺燃料棒
215(燃料棒番号5)が存在する水平横断面上(有効
長下端からの距離(1/24)H〜(15/24)Hの
範囲)における、2本の太径ウォータロッド213,2
13領域内の対角線方向線分OO’O”及び線分PP’
(図1参照)上での熱中性子束分布を、各点O,O’,
O”,P,P”において解析計算した結果である。な
お、これら点O,O’,O”,P,P”は、ウォータロ
ッド213,213に置き換えられた7本の燃料棒21
5の中心位置に相当する位置であり、また、熱中性子束
分布は、前述した水平横断面上の熱中性子束を1.0に
規格化したときの相対値で表している。図5に示される
ように、線分OO’O”の両端O及びO”における熱中
性子束の値は0.97程度であるが、2本の太径ウォー
タロッド213,213間に挟まれる中点O’では約
1.34と極めて高くなる。そして、線分PP’の両端
P及びP’における熱中性子束の値は、線分OO’O”
の中点O’の高い値の影響を受けて、点O及び点O”の
熱中性子束よりも高くなっている。したがって、この線
分PP’の両端P及びP’に対して同行隣接列若しくは
同列隣接行位置に配列された6本のガドリニア入りウラ
ン燃料棒215(燃料棒番号6)は、熱中性子束の高い
位置に配置されていることがわかる。
【0052】また図5に示された結果から、水領域に近
いほど熱中性子束の値が高くなることが容易に類推され
るので、上方が水領域となる短尺のMOX燃料棒215
(燃料棒番号5)に対して同行隣接列若しくは同列隣接
行位置に配列された8本のガドリニア入りウラン燃料棒
215(燃料棒番号6)も、熱中性子束の高い位置に配
置されていることがわかる。
【0053】以上のように、合計14本のガドリニア入
りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)の配列位置は中
性子スペクトルが軟らかく中性子束分布が高くなるの
で、結果として、MOX燃料棒215(燃料棒番号1〜
5)におけるプルトニウム富化度の増加によって生じ
る、ウラン燃料棒215(燃料棒番号6)のガドリニア
による反応度制御能力の低下を打ち消し、このガドリニ
アの負の反応度価値を高めることができる。よってその
分、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号
6)を従来より低減した本数(例えば本実施形態では1
4本)としても、従来と同等の反応度抑制効果を得るこ
とができる。このことを図6及び図7を用いてさらに具
体的に説明する。
【0054】図6は、本実施形態のMOX燃料集合体2
16の比較例として参照するMOX燃料集合体266の
水平横断面図である。本実施形態と同等の部材には同一
の符号を付す。図6に示すMOX燃料集合体266にお
いて、図3に示す本実施形態のMOX燃料集合体216
と異なる点は、2本の太径ウォータロッド213,21
3に近接して6本設けていたガドリニア入りウラン燃料
棒215(燃料棒番号6)を、ウォータロッド213,
213から少し離れた位置に8本配置したことである。
これにともなって燃料棒番号1のMOX燃料棒215の
本数が2本減っている。その他の点は、本実施形態によ
るMOX燃料集合体216とほぼ同様である。
【0055】上記比較例によるMOX燃料集合体266
及び本実施形態によるMOX燃料集合体216の、下部
領域(短尺燃料棒の存在する領域)における無限増倍率
を、横軸に燃焼度をとって比較して図7に示す。図7に
示されるように、燃焼の進行にともない、両者の無限増
倍率の値はほとんど同一のカーブを描きながら推移する
ことがわかる。よって、本実施形態によるMOX燃料集
合体216によれば、ガドリニア入りウラン燃料棒21
5(燃料棒番号6)を、従来構造に相当する比較例によ
るMOX燃料集合体266より2本低減しても、従来と
同等の反応度抑制効果を得ることができる。
【0056】したがって、本実施形態のMOX燃料集合
体216によれば、そのガドリニア入りウラン燃料棒2
15(燃料棒番号6)の本数低減分(2本)をMOX燃
料棒215(燃料棒番号1〜5)に置き換えることで、
従来よりも燃料集合体216に占めるMOX燃料棒21
5(燃料棒番号1〜5)の本数を58本から60本に2
本増やすことができるので、結果としてプルトニウムの
使用率を向上することができる。
【0057】なお、上記第2の実施形態においては、ガ
ドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)に
は、天然ウランからなる燃料ペレットが充填されていた
が、これに限られず、例えばウラン濃縮度が増加された
いわゆる高燃焼度化燃料のペレットが充填されていても
よい。この場合も同様の効果を得る。
【0058】本発明の第3の実施形態を図8により説明
する。本実施形態によるMOX燃料集合体316の下部
領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平横断面
図を図8に示す。なお図8には、第2の実施形態同様、
チャンネルボックスに隣接して挿入される制御棒も併せ
て示してある。第2の実施形態と同等の部材には同一の
符号を付す。図8において、本実施形態の燃料集合体3
16は、ウラン量の増加により運転期間の延長に対応可
能な構造となっているものであり、図3に示された第2
の実施形態の燃料集合体216と異なる点は、8本の短
尺燃料棒215(燃料棒番号5)のうちの4本を、ガド
リニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)に置き
換えていることである。その他の構造は、第2の実施形
態とほぼ同様である。
【0059】本実施形態によっても、第2の実施形態と
同様の効果を得る。すなわち、従来、ウラン量を増加さ
せ原子炉運転期間の延長に対応可能とするために、ガド
リニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)が比較
的多数(例えば20本)設けられていたのを、その中の
一部(本実施形態では6本)を中性子スペクトルが軟ら
かく中性子束分布が高いウォータロッド213,213
近接位置に配置することにより、その近接配置されたウ
ラン燃料棒215(燃料棒番号6)についてガドリニア
の負の反応度価値を高めることができる。よってその
分、ガドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号
6)全体の本数を従来よりも低減(例えば本実施形態で
は18本で2本低減可能)しても、従来と同等の反応度
抑制効果を得ることができる。したがって、その本数低
減分をMOX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)に置き
換えることで、従来よりも燃料集合体316に占めるM
OX燃料棒215(燃料棒番号1〜5)の本数を増やす
(例えば本実施形態では56本)ことができるので、結
果として従来構造よりプルトニウムの使用率を向上する
ことができる。
【0060】なお、上記構成の変形例として、8本のガ
ドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)を、
4本残る短尺燃料棒215(燃料棒番号5)を挟むよう
に両隣に配置する構成もある。このような構成の燃料集
合体356を図9に示す。
【0061】本発明による第4の実施形態を図10によ
り説明する。本実施形態によるMOX燃料集合体416
の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水平
横断面図を図10に示す。なお図10には、第2及び第
3の実施形態同様、チャンネルボックスに隣接して挿入
される制御棒も併せて示してある。第2及び第3の実施
形態と同等の部材には同一の符号を付す。図10におい
て、本実施形態の燃料集合体416は、減速材対燃料比
を増加させてボイド反応度係数絶対値を低減し、過渡変
化を緩和可能な構造となっているものであり、図3に示
された第2の実施形態の燃料集合体216と異なる点
は、8本の短尺燃料棒215(燃料棒番号5)のうちの
4本を、同径の長尺のウォータロッド413に置き換え
ていることである。その他の構造は、第2の実施形態と
ほぼ同様である。
【0062】本実施形態によっても、第2の実施形態と
同様の効果を得る。すなわち、従来、減速材対燃料比を
増加させてボイド反応度係数絶対値を低減し、過渡変化
を緩和可能とするために、4本のウォータロッド413
を設けると共にガドリニア入りウラン燃料棒215(燃
料棒番号6)が比較的多数(例えば16本)設けられて
いた構造において、ガドリニア入りウラン燃料棒215
(燃料棒番号6)のすべてを、中性子スペクトルが軟ら
かく中性子束分布が高いウォータロッド213又はウォ
ータロッド413の近接位置に配置することにより、ウ
ラン燃料棒215(燃料棒番号6)中のガドリニアの負
の反応度価値を高めることができる。よってその分、ガ
ドリニア入りウラン燃料棒215(燃料棒番号6)全体
の本数を従来よりも低減(例えば本実施形態では14本
で2本低減可能)しても、従来と同等の反応度抑制効果
を得ることができる。
【0063】したがって、その本数低減分をMOX燃料
棒215(燃料棒番号1〜5)に置き換えることで、従
来よりも燃料集合体416に占めるMOX燃料棒215
(燃料棒番号1〜5)の本数を増やす(例えば本実施形
態では56本)ことができるので、結果として従来構造
よりプルトニウムの使用率を向上することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、可燃性毒物を含有する
第3の燃料棒を、短尺である第2の燃料棒の配列位置又
は複数本の燃料棒を置き換えたウォータロッド位置に対
して同行隣接列又は同列隣接行、すなわち非常に近接し
た位置に配置するので、中性子スペクトルが軟らかく、
中性子束分布が高くなる。よって結果として、第3の燃
料棒に含有される可燃性毒物の負の反応度価値が高めら
れ、その分、可燃性毒物入りの第3の燃料棒の本数を従
来より低減しても、従来と同等の反応度抑制効果を得る
ことができる。したがって、その本数低減分をMOX燃
料棒に置き換えることで、燃料集合体に占めるMOX燃
料棒の本数を従来よりも増やし、プルトニウムの使用率
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるMOX燃料集合
体の水平横断面図である。
【図2】図1に示されたMOX燃料集合体の全体構造を
表す縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態によるMOX燃料集合
体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水
平横断面図である。
【図4】図3に示されたMOX燃料集合体に備えられた
燃料棒に関する、プルトニウム富化度及びウラン濃縮度
分布を概念的に表した図である。
【図5】図3に示されたMOX燃料集合体の、短尺燃料
棒が存在する水平横断面上における熱中性子束分布を解
析計算した結果を表す図である。
【図6】図3に示されたMOX燃料集合体の比較例とし
て参照するMOX燃料集合体の水平横断面図である。
【図7】図3に示されたMOX燃料集合体及び図6に示
されたMOX燃料集合体の、下部領域(短尺燃料棒の存
在する領域)における無限増倍率を比較して示した図で
ある。
【図8】本発明の第3の実施形態によるMOX燃料集合
体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における水
平横断面図である。
【図9】図8に示された構成の変形例を表す水平横断面
図である。
【図10】本発明の第4の実施形態によるMOX燃料集
合体の下部領域(短尺燃料棒の存在する領域)における
水平横断面図である。
【符号の説明】
12 燃料チャンネルボックス 13 ウォータロッド 15 燃料棒 15a MOX燃料棒 15b ガドリニア入りウラン燃料棒 16 燃料集合体 18 上部タイプレート 19 下部タイプレート 20 燃料スペーサ 212 燃料チャンネルボックス 213 ウォータロッド 214 制御棒 215 燃料棒 216 燃料集合体 316 燃料集合体 413 ウォータロッド 416 燃料集合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 聡志 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 持田 貴顕 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数行複数列の格子状に配列され核分裂
    性物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に
    配列された燃料棒のうち中央部領域近傍の複数本の燃料
    棒を置き換える形で配列された少なくとも1本のウォー
    タロッドとを有し、前記複数本の燃料棒は、前記核分裂
    性物質としてウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充
    填された複数本の第1の燃料棒、前記核分裂性物質とし
    てウラン・プルトニウム混合酸化物燃料が充填され軸方
    向長さが前記第1の燃料棒よりも短い複数本の第2の燃
    料棒、及び前記核分裂性物質としてウラン燃料が充填さ
    れ可燃性毒物を含有する第3の燃料棒のうち、少なくと
    も第1及び第3の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷され
    るMOX燃料集合体において、 前記第3の燃料棒のすべては、前記第2の燃料棒の配列
    位置及び前記ウォータロッドに置き換えられた複数本の
    燃料棒の配列位置のうち少なくとも一方の配列位置に対
    して、同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の
    関係となる位置に配列されていることを特徴とするMO
    X燃料集合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロ
    ッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形
    で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列さ
    れており、前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置
    に対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方
    の関係となる位置に、計6本配列されていることを特徴
    とするMOX燃料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記6本の第3の燃料棒は、前記9行9列配列の対
    角線方向に互いに隣接する3本の燃料棒の組が、前記2
    本のウォータロッドを挟んで2組配列されていることを
    特徴とするMOX燃料集合体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記格子状配列は9行9列であり、前記ウォータロ
    ッドは、中央部領域近傍の7本の燃料棒を置き換える形
    で前記9行9列配列の対角線方向に隣接して2本配列さ
    れており、前記第2の燃料棒は、前記9行9列配列の最
    外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置
    及び各辺中点位置に計8本配列されており、前記第3の
    燃料棒は、前記ウォータロッドに置き換えられた7本の
    燃料棒位置及び前記8本の第2の燃料棒位置に対して、
    同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係と
    なる位置に、計14本配列されていることを特徴とする
    MOX燃料集合体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記8本の第2の燃料棒のうち、前記9行9列配列
    の最外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位
    置に配置された4本を、同径のウォータロッドに置き換
    えたことを特徴とするMOX燃料集合体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、
    軸方向に一様なプルトニウム富化度分布を有し、かつ、
    その平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及
    び第2の燃料棒全体で4種類以下となるように構成され
    ていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数本の第1及び第2の燃料棒のそれぞれは、
    平均プルトニウム富化度の値が、該複数本の第1及び第
    2の燃料棒全体で複数種類となるように構成されてお
    り、かつ、各第2の燃料棒の平均プルトニウム富化度
    は、前記複数種類の平均プルトニウム富化度のうち、大
    きい方から2番目の値となっていることを特徴とするM
    OX燃料集合体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記第3の燃料棒は、燃料有効長をHとしたとき、
    有効長最下端からの距離が0〜(1/24)H及び(2
    3/24)H〜Hの範囲に、天然ウランからなる燃料ペ
    レットが充填された領域を備えていることを特徴とする
    MOX燃料集合体。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のMOX燃料集合体におい
    て、前記複数の第3の燃料棒のそれぞれに添加される可
    燃性毒物の濃度は、該複数の第3の燃料棒全体で複数種
    類になっていることを特徴とするMOX燃料集合体。
  10. 【請求項10】 9行9列の格子状に配列され核分裂性
    物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配
    列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を
    置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接し
    て配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数
    本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルト
    ニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料
    棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合
    酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よ
    りも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質
    としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3
    の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集
    合体において、 前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同
    行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係とな
    る位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最
    外周配列のすぐ内側の正方形状配列における、四隅位置
    及びこれに対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいず
    れか一方の関係となる位置に配列されている12本と
    の、あわせて18本が配置されていることを特徴とする
    MOX燃料集合体。
  11. 【請求項11】 9行9列の格子状に配列され核分裂性
    物質が充填された複数本の燃料棒と、これら格子状に配
    列された燃料棒のうち中央部領域近傍の7本の燃料棒を
    置き換える形で前記9行9列配列の対角線方向に隣接し
    て配列された2本のウォータロッドとを有し、前記複数
    本の燃料棒は、前記核分裂性物質としてウラン・プルト
    ニウム混合酸化物燃料が充填された複数本の第1の燃料
    棒、前記核分裂性物質としてウラン・プルトニウム混合
    酸化物燃料が充填され軸方向長さが前記第1の燃料棒よ
    りも短い複数本の第2の燃料棒、及び前記核分裂性物質
    としてウラン燃料が充填され可燃性毒物を含有する第3
    の燃料棒を含み、軽水炉炉心に装荷されるMOX燃料集
    合体において、 前記第3の燃料棒は、前記7本の燃料棒位置に対して同
    行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の関係とな
    る位置に配列されている6本と、前記9行9列配列の最
    外周配列のすぐ内側の正方形状配列における四隅位置に
    配列されている4本と、前記第2の燃料棒の配列位置に
    対して同行隣接列及び同列隣接行のうちいずれか一方の
    関係となる位置に配列されている8本の、あわせて18
    本が配置されていることを特徴とするMOX燃料集合
    体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006184174A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉の燃料集合体
JP2011133307A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉用の燃料集合体および沸騰水型原子炉の炉心

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006184174A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉の燃料集合体
JP2011133307A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 沸騰水型原子炉用の燃料集合体および沸騰水型原子炉の炉心

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