JP3051762B2 - 核燃料集合体 - Google Patents

核燃料集合体

Info

Publication number
JP3051762B2
JP3051762B2 JP2407082A JP40708290A JP3051762B2 JP 3051762 B2 JP3051762 B2 JP 3051762B2 JP 2407082 A JP2407082 A JP 2407082A JP 40708290 A JP40708290 A JP 40708290A JP 3051762 B2 JP3051762 B2 JP 3051762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
nuclear fuel
nuclear
rods
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2407082A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05100066A (ja
Inventor
野 護 永
際 久 生 野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2407082A priority Critical patent/JP3051762B2/ja
Publication of JPH05100066A publication Critical patent/JPH05100066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3051762B2 publication Critical patent/JP3051762B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉に装荷
され、核燃料物質を含む燃料棒として一部軸方向の長さ
の短い燃料棒(短尺燃料棒)を含む核燃料集合体におい
て、より効率的な資源利用が可能となる核燃料集合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、沸騰水型原子炉に装荷される核
燃料集合体1の一実施例を示す断面図である。チャネル
ボックス2内には、核燃料物質を納めた燃料棒3と中性
子減速棒としてのウォータロッド4が、スペーサ5で互
いに離隔されながら、軸方向を垂直にして8行8列の格
子状に収納される。この核燃料集合体1においては、燃
料棒3の長さはすべて等しい。このため、燃料棒3とウ
ォータロッド4の両端はそれぞれ上部タイプレート6と
下部タイプレート7で支持・固定されるが、核燃料棒3
の上端と下端の位置(高さ)は揃えることができる。
【0003】ところで、最近、経済性の向上のため、燃
料の高燃焼度化がすすめられている。これに伴い、出力
ピーキング係数が上昇して燃料棒3の1本当りの熱的特
性が悪化するので、これを緩和する為、核燃料集合体内
に格子状に配列される燃料棒3の格子数を従来の8行8
列の格子数より増やす設計が考えられている。しかし、
格子数の増加により、チャンネルボックス2内における
圧力損失が増大し、安定性が低下するなどの問題が発生
する。
【0004】そこで、こうした問題を解決するため、図
5(A)に示す従来の軸方向長さの燃料棒(以下「長尺
燃料棒」と呼ぶ)3に対して、図5(B)に示す、長尺
燃料棒3より軸方向長さの短い短尺燃料棒8が考案され
た。長尺燃料棒3および短尺燃料棒8とも、被覆管9の
下端を下部端栓10で封止し、燃料ペレット11を下方
から順次充填する。そして最上部の燃料ペレットの上
に、燃焼時に燃料ペレットの膨脹を吸収するエクスパン
ションスプリング12を配置した後、上部端栓13で被
覆管9の上端を封止する。短尺燃料棒8は長尺燃料棒3
に比べ、被覆管9が短く、収納される燃料ペレット11
の数が少ない。
【0005】図6は、この短尺燃料棒8を長尺燃料棒3
と混在させ、9行9列の格子状に配列した核燃料集合体
を示す断面図である。図4と対応する箇所には同一の符
号を付してその説明を省略する。この核燃料集合体14
においては、短尺燃料棒8(斜線を付した)は、下部タ
イプレート7には取り付けられるが、上部タイプレート
6には届かない。
【0006】図7と図8は、それぞれ図6のVII −VII
線およびVIII−VIII線断面図である。図7に示すよう
に、短尺燃料棒8は、太径の2本のウォータロッド4を
取り囲みながら9行9列に計66本配列される長尺燃料
棒3の中にあって、外側から2行目・2列目に計8個配
置されるが、短尺燃料棒8が届かないVIII−VIII線断面
領域においては、この位置に空隙16が生ずる。
【0007】ところで、核燃料集合体は、炉心、燃料の
安定性及び健全性の観点から、核燃料集合体全体として
平坦な出力分布を達成する必要がある。そこで、燃料棒
としては長尺燃料棒3だけを含む従来の核燃料集合体1
について、径方向および軸方向においてそれぞれ核分裂
性物質、例えばウラン235の量を異ならせた核設計が
提案されている。
【0008】しかし、この核設計を上述の短尺燃料棒を
含む核燃料集合体14に適用すると、次のような問題点
が起こる。図9は、核燃料集合体14中の無限増倍率を
燃焼度(燃焼時間のパラメータ)との関係でみたもので
ある。この図から、燃焼度の小さい領域(燃焼初期)に
おいては、短尺燃料棒8が存在せず核燃料物質量が(相
対的に)少ない径方向断面(図6のVIII−VIII線断面;
上部断面)の無限増倍率は、短尺燃料棒8が存在して核
燃料物質が(相対的に)多い径方向断面(図6のVII −
VII 線断面;下部断面)の無限増倍率に比べて小さいこ
とが分る。なお、両断面において、断面平均の核分裂性
物質の濃縮度および可燃性毒物の量は等しくしてある。
【0009】核分裂性物質の濃縮度と可燃性毒物の量を
等しくしてもなお生ずるこの無限増倍率の差は、下部断
面は上部断面に比べて冷却材の通過面積が小さいため、
減速材量が少なく中性子スペクトルが硬く、可燃性毒物
による反応度低下量が少ないことから起る。なお短尺燃
料棒を含む核燃料集合体においては、可燃性毒物量が軸
方向を通じて一様である場合、核燃料物質量の少ない領
域の方が、核燃料物質量の多い領域に比べて、相対的な
可燃性毒物量が多くなる為、この無限増倍率の差はより
顕著になる。
【0010】燃焼初期において、このように軸方向の増
倍率に差異があると、原子炉の運転サイクルを通して軸
方向の平坦な出力分布を得ることは難しく、燃焼初期に
おいては下部断面の増倍率が高いため、図10に示すよ
うに、軸方向の下部で出力が高くなる。そして運転サイ
クルの末期になると、図11に示すように、今度は初期
に燃焼があまり進行せず燃料の残留割合が高い軸方向上
部が、サイクル初期の燃料の燃焼が進んだ軸方向下部よ
り出力が高くなる。沸騰水型原子炉においては、スクラ
ム時には、原子炉の底部から制御棒が挿入される。した
がって、運転サイクルの末期にスクラムが生じたとき
は、出力分布が軸方向の上部に偏っているため、軸方向
の下方から制御棒が挿入されても反応度の低下割合は小
さい。すなわち、サイクル末期にはスクラム反応度特性
が劣化するため、原子炉の安全性確保の上で支障が生ず
ることになる。
【0011】また、沸騰水型原子炉においては、ウラン
235と反応し易い熱中性子は核燃料集合体間のウォー
タギャップ内の減速材領域で多く発生する。従って、核
燃料集合体14においては、その外周部で熱中性子束が
高く、中心部で熱中性子束が低くなっている。
【0012】また、核燃料集合体14内の核燃料棒3及
び8の出力Pは次式で与えられる。
【0013】P=Σf・φ ここで、Σfは核分裂性物質の巨視的核分裂断面積、φ
は燃料棒位置の熱中性子束である。
【0014】ここで、核燃料集合体14内の燃料棒3及
び8の核分裂性物質の濃縮度を全て同一とした場合に
は、核燃料集合体14内の出力は概ね中心部から外周部
に向かって大きくなる。この核燃料集合体14において
は核燃料集合体14の外周部の燃料棒3が大きな出力を
発生し、核燃料集合体14内の燃料棒3の最大相対出力
比(以下、「局所出力ピーキング」と称す)が大きくな
る。そのため、従来、燃料棒として長尺燃料棒3だけを
8行8列の正方格子状に束ねて構成される核燃料集合体
1については、局所出力ピーキングを抑える目的で、核
燃料集合体1内の外周部における燃料棒3の核分裂性物
質の濃縮度を低く、中心部における燃料棒3の核分裂性
物質の濃縮度を高くした核燃料集合体1が用いられてき
た。
【0015】この核設計を長尺燃料棒3と短尺燃料棒8
を9行9列の正方格子状に束ねて構成される核燃料集合
体14に適用すると、局所出力ピーキングを抑え核燃料
集合体14の径方向出力分布の平坦化を図ることができ
るが、燃料棒本数が従来の核燃料集合体1に比べて増加
しており、燃料棒1本当りの熱負荷が低減されているの
で、燃料棒1本当りの局所出力ピーキングが多少大きく
なっても熱的特性が悪化しないにもかかわらず、熱中性
子束の高い領域に濃縮度の低い燃料棒3を、反対に熱中
性子束の低い領域に濃縮度の高い燃料棒3又は8を配し
ている為、核燃料集合体14の無限増倍率が小さく、核
分裂性物質が有効に利用されない問題を生じる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
核燃料集合体14において、外周部に位置する長尺燃料
棒3の局所出力ピーキングは、できるだけ高い方が無限
増倍率が大きくなり、核分裂性物質がより有効に利用さ
れることになる。しかし、従来の核設計手法をそのまま
適用すると、核分裂性物質の有効利用が図れない問題点
が生じる。
【0017】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、沸騰水型原子炉に装荷される核燃料集合体におい
て、燃料棒として長尺燃料棒と短尺燃料棒とを併せ持つ
核燃料集合体においても、軸方向出力分布の平坦化を図
ることによって、スクラム反応度特性の劣化を防止で
き、しかも、この出力分布の平坦化によって得られた熱
的特性に伴って外周部に位置する長尺燃料棒の局所出力
ピーキングを高くすることによって、無限増倍率を大き
くし、熱的な特性を損なうことなく核分裂性物質がより
有効に利用されるような核燃料集合体を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、核燃料物質を含有する燃料棒と、核燃料
物質のほかに可燃性毒物をも含有する燃料棒とをチャン
ネルボックス内に正方格子状に束ねて構成され、これら
燃料棒は軸方向長さの異なる長尺燃料棒と短尺燃料棒と
を含むために、軸方向において核燃料物質量に相違があ
る核燃料集合体において、前記燃料棒のうち可燃性毒物
を含有する燃料棒の少なくとも一部は、軸方向において
可燃性毒物の濃度が異なる少なくとも2つの領域を有す
る長尺燃料棒であり、かつ、前記燃料棒のうち、最外周
に配列される燃料棒では、上下端の6〜12インチの両
端部分を除き、軸方向において核分裂性物質の濃縮度分
布は無く、2層目以内に配列される燃料棒においての
み、核分裂性物質の濃縮度分布を有し、さらに、核燃料
物質量の相対的に少ない軸方向領域の径方向断面におけ
る可燃性毒物の濃度は、核燃料物質量の相対的に多い軸
方向領域の径方向断面における可燃性毒物の濃度よりも
相対的に低くされていることを特徴とする核燃料集合体
を提供する。なお、ここで、燃料棒が「核分裂性物質の
濃縮度分布を有する」とは、軸方向において核分裂性物
質の濃縮度が均一ではなく、核分裂性物質の濃縮度が異
なる複数の領域を有するよう設定されていることをい
う。
【0019】
【作用】本発明の核燃料集合体においては、短尺燃料棒
を含むことにより軸方向において核燃料物質量の多い領
域と少ない領域、またこれに対応して冷却材通過面積の
少ない領域と多い領域が生じても、その核燃料物質量の
少ない領域には、核燃料物質量の多い領域よりも可燃性
毒物の含有量を小さくするため、核燃料物質量および冷
却材通過面積の相違による無限増倍率の差異を相殺して
平坦な軸方向出力密度分布を実現する。よって、運転サ
イクルのどの時期においても、燃料棒の軸方向下方から
挿入される制御棒に対してスクラム反応度特性の劣化を
生じることがなく、スクラム時においても、原子炉の安
全性を高めることができる。
【0020】また、最外周に配列される燃料棒には、上
下端の約6〜約12インチの両端部分を除き、軸方向に
おいて核分裂性物質の濃縮度分布を無くし、2層目以内
の燃料棒においてのみ、核分裂性物質の濃縮度分布をつ
けてあるので、特に軸方向下部に相当する領域におい
て、最外周に配列される燃料棒の核分裂性物質の濃縮度
を下げることが無くなるので、局所出力ピーキングは大
きくなる。これによって、熱中性子束の高い領域の近傍
で核分裂性物質の濃縮度が高くなり、核分裂性物質の有
効利用が図られる。
【0021】ここで、原子炉の運転における熱的制限値
の1つとして、燃料棒1フィートあたりの出力密度(以
下「線出力密度」と称す)があり、この線出力密度(L
HGR)と局所出力ピーキングとの関係について簡単に
説明する。LHGRは次式で与えられる。 LHGR=CALHGR・Pr・Pax・PLPF ここでCALHGRは炉心平均の線出カ密度、Prは対
象燃料棒を含む核燃料集合体出力の炉心平均出力に対す
る比率(以下半径方向ピーキングと称す)、Paxは対象
位置の核燃料集合体軸方向出力比(以下軸方向ピーキン
グと称す)、PLPF は核燃料集合体の局所出力ピーキン
グである。つまり、本発明の核燃料集合体によれば、前
述の方法により、平坦な軸方向出力密度分布が得られる
ため、軸方向ピーキングの値が小さくなり、その分、局
所出力ピーキングの値が大きくなっても、熱的な特性は
悪化しない。
【0022】また、長尺燃料棒と短尺燃料棒を9行9列
の正方格子状に束ねて構成した核燃料集合体において
は、長尺燃料棒のみを8行8列の正方格子状に束ねて構
成した核燃料集合体に比べて燃料棒本数が増加してい
る。このため、CALHGRは、長尺燃料棒と短尺燃料
棒を9行9列の正方格子状に束ねて構成した核燃料集合
体の方が、長尺燃料棒のみを8行8列の正方格子状に束
ねて構成した核燃料集合体より小さくなっている。よっ
て、燃料棒1本当りの局所出力ピーキングが多少大きく
なっても、核燃料集合体としての熱的特性は悪化しな
い。
【0023】以上のように、本発明による核燃料集合体
によれば、燃料棒の軸方向下方から挿入される制御棒に
対してスクラム反応度特性の劣化を生じることがなく、
スクラム時においても、原子炉の安全性を高めることが
でき、かつ、熱的な特性を損なうことなく局所出力ピー
キングの活用ができ、核分裂性物質がより有効に利用で
きる。
【0024】
【実施例】以下図1(A)および(B)ないし図3を参
照して本発明の実施例を説明する。図1(A)は、本発
明による核燃料集合体30の径方向断面図であり、断面
が円形の各燃料棒内の数字・記号31〜34およびP,
Gは、核燃料物質(ウラン)量および可燃性毒物量の異
なる燃料棒の種類を示す参照符号である。記号Wはウオ
ータロッドを表す。また図1の(B)は、この核燃料集
合体30に収納される長尺燃料棒31〜34およびGな
らびに短尺燃料棒Pの軸方向のウラン濃縮度(核分裂物
質量)と可燃性毒物としてのガトリニウムの濃度を示
す。ウラン濃縮度a,b,c,d,eの大きさは、a>
b>c>d>eであり、ガトリニウム濃度v,x,y,
zの大きさは、v≧x>y≧zである。
【0025】本実施例の核燃料集合体30は、チャンネ
ルボックス内に長尺燃料棒31〜34およびGを計66
本、短尺燃料棒Pを8本、そしてウォータロッドWを2
本納めて構成されている。長尺燃料棒32は軸方向にお
いてウラン濃縮度が異なり、下部がc、中央部がa、上
部がcである。また長尺燃料棒Gにおけるガトリニウム
含有量も軸方向で異なり、下部がv,中央下部がx、中
央上部がy、上部がzである。
【0026】本実施例の核燃料集合体30は、チャンネ
ルボックス内に長尺燃料棒31〜34およびGを計66
本、短尺燃料棒Pを8本、そしてウォータロッドWを2
本納めて構成されている。長尺燃料棒32は軸方向にお
いてウラン濃縮度が異なり、下部がc、中央部がb、上
部がaである。また長尺燃料棒Gにおけるガドリニウム
濃度も軸方向で異なり、下部がv、中央下部がx、中央
上部がy、上部がxである。
【0027】また本実施例においては、高さl3 の短尺
燃料棒P(ウラン濃縮度b)を含むため、核燃料集合体
の下方部分(高さl1 から高さl3 まで)の軸方向領域
は、短尺燃料棒が存在しない高さl3 から高さl6 まで
の軸方向領域に比べて、核燃料物質量が多い。
【0028】しかし、本実施例においては、長尺燃料棒
Gが、軸方向で均一な濃縮度dのウランを含むが、さら
に高さl3 から高さl4 までにガドリニウムをxより少
ないyだけ含有する。このため、高さl3 から高さl4
までの核燃料物質量が相対的に少ない軸方向領域におい
ては、ガドリニウム含有量も核燃料物質量が相対的に多
い他の軸方向領域より相対的に少ないことになる。
【0029】図2は、核燃料集合体の中性子無限増倍率
を、図9と同様に燃焼度(燃焼時間のパラメータ)との
関係でみたものである。図2から、本実施例の核燃料集
合体30は、その燃焼前半において、短尺燃料棒Pが存
在せず核燃料物質量が少ない径方向断面(図1の(B)
の高さl3 からl6 までの領域の断面;上部断面)も、
短尺燃料棒Pが存在して核燃料物質量が多い径方向断面
(図1の(B)の高さl1 からl3 までの領域の断面;
下部断面)も、無限増倍率がほぼ等しいことが分る。こ
れは、核燃料物質が少ない領域には、それに対応して可
燃性毒物の含有量も減らしたため、核燃料物質の減少に
つれて低下する中性子の増倍率が、可燃性毒物の含有量
低下によって相殺されるためである。したがって、本実
施例の核燃料集合体30における軸方向の出力密度は、
原子炉運転サイクルを通じて軸方向における燃焼率の差
があまりないため、図3に示すように、原子炉運転サイ
クルの初期と末期を含め、常にほぼ平坦である。よっ
て、本実施例においては、スクラムが運転サイクルのい
かなる時期に発生しても、軸方向下方から挿入される制
御棒に対して良好な反応度特性を示し、原子炉の安全性
が保たれる。
【0030】また、本実施例においては、できるだけ最
外周に配列される燃料棒のウラン濃縮度を高めている。
これにより、熱中性子束の高い最外周位置の相対出力比
が高く、この効果によって、無限増倍率が大きくなり、
その分、核燃料集合体平均のウラン濃縮度を下げること
が可能である。これにより、ウラン資源の有効利用が図
れる。
【0031】なお、本実施例の説明においては、軸方向
の長さが2種類、すなわち長尺燃料棒と短尺燃料棒の長
さがそれぞれ1種類づつの核燃料集合体について説明し
たが、これに限られるものではなく、軸方向の長さが3
種類以上の核燃料集合体であっても、軸方向の核燃料物
質量の多寡に対応して均一な軸方向出力密度が得られる
ように可燃性毒物の含有量を調整し、最外周に、軸方向
でウラン濃縮度が異なる長尺燃料棒を配置せず、局所出
力ピーキングの活用でウラン資源の有効活用を図ったも
のであれば同様の効果を奏することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の核燃料集
合体においては、短尺燃料棒を含むことにより、軸方向
において核燃料物質量の相違が生じても平坦な軸方向出
力密度分布が得られ、運転サイクルのどの時期において
も、スクラム時に挿入される制御棒に対して反応度特性
の劣化を生じることがなく、原子炉の安全性を高めるこ
とができると共に、局所出力ピーキングの活用により、
核分裂性物質資源の有効利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例に係る核燃料集合体
の径方向断面図、(B)はその実施例における各燃料棒
の軸方向における核燃料物質量と可燃性毒物量を示すグ
ラフ図。
【図2】本実施例に係る核燃料集合体の上部断面と下部
断面における燃焼度と中性子増倍率の関係を示すグラフ
図。
【図3】本実施例に係る核燃料集合体の原子炉運転サイ
クル初期と末期の軸方向出力密度を示すグラフ。
【図4】燃料棒がすべて長尺燃料棒である核燃料集合体
の軸方向断面図。
【図5】(A)は長尺燃料棒の軸方向断面図、(B)は
短尺燃料棒の軸方向断面図。
【図6】燃料棒が長尺燃料棒と短尺燃料棒からなる核燃
料集合体の軸方向断面図。
【図7】図6のVII −VII 線断面図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】この核設計を適用した核燃料集合体の上部断面
と下部断面における燃焼度と中性子増倍率の関係を示す
グラフ図。
【図10】核設計を適用した核燃料集合体の原子炉運転
サイクル初期の軸方向出力密度を示すグラフ。
【図11】運転サイクル末期の軸方向出力密度を示すグ
ラフ図。
【符号の説明】
2 チャンネルボックス 5 スペーサ 6 上部タイプレート 7 下部タイプレート 30 核燃料集合体 31 長尺燃料棒 32 長尺燃料棒 33 長尺燃料棒 34 長尺燃料棒 G 長尺燃料棒 P 短尺燃料棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−103491(JP,A) 特開 昭63−204193(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核燃料物質を含有する燃料棒と、核燃料物
    質のほかに可燃性毒物をも含有する燃料棒とをチャンネ
    ルボックス内に正方格子状に束ねて構成され、これら燃
    料棒は軸方向長さの異なる長尺燃料棒と短尺燃料棒とを
    含むために、軸方向において核燃料物質量に相違がある
    核燃料集合体において、前記燃料棒のうち可燃性毒物を含有する燃料棒の少なく
    とも一部は、軸方向において可燃性毒物の濃度が異なる
    少なくとも2つの領域を有する長尺燃料棒であり、 かつ、 前記燃料棒のうち、最外周に配列される燃料棒で
    は、上下端の6〜12インチの両端部分を除き、軸方向
    において核分裂性物質の濃縮度分布は無く、2層目以内
    に配列される燃料棒においてのみ、核分裂性物質の濃縮
    度分布を有し、さらに、 核燃料物質量の相対的に少ない軸方向領域の径
    方向断面における可燃性毒物の濃度は、核燃料物質量の
    相対的に多い軸方向領域の径方向断面における可燃性毒
    物の濃度よりも相対的に低くされていることを特徴とす
    る核燃料集合体。
JP2407082A 1990-12-26 1990-12-26 核燃料集合体 Expired - Lifetime JP3051762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2407082A JP3051762B2 (ja) 1990-12-26 1990-12-26 核燃料集合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2407082A JP3051762B2 (ja) 1990-12-26 1990-12-26 核燃料集合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05100066A JPH05100066A (ja) 1993-04-23
JP3051762B2 true JP3051762B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=18516705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2407082A Expired - Lifetime JP3051762B2 (ja) 1990-12-26 1990-12-26 核燃料集合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3051762B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05100066A (ja) 1993-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3531011B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉
JPH0232293A (ja) 沸騰水型原子炉
JPH07101237B2 (ja) 燃料集合体及び原子炉
US5009840A (en) Fuel assembly for nuclear reactor
JP3105933B2 (ja) 燃料集合体
JP3051762B2 (ja) 核燃料集合体
JP4040888B2 (ja) 燃料集合体
JP3525657B2 (ja) 燃料集合体
JP2963731B2 (ja) 核燃料集合体
JP3514869B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP2953789B2 (ja) 核燃料集合体
JP2966877B2 (ja) 燃料集合体
JPS6319032B2 (ja)
JP2972177B2 (ja) 熱中性子炉用燃料要素及び燃料集合体
JP4351798B2 (ja) 燃料集合体および原子炉
JP3916807B2 (ja) Mox燃料集合体
JP4046870B2 (ja) Mox燃料集合体
JP3075749B2 (ja) 沸騰水型原子炉
JP2000046978A (ja) 燃料集合体
JPS60205281A (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体
JP3171957B2 (ja) 燃料集合体
JPH0816711B2 (ja) 燃料集合体
JPH10170678A (ja) 燃料集合体
JP2000292575A (ja) 燃料集合体
JP2003262692A (ja) 沸騰水型原子炉用燃料集合体及び該燃料集合体内の燃料棒配置の決定法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080331

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090331

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100331

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110331

Year of fee payment: 11