JPH1048373A - 燃料集合体及びチャンネルボックス並びに原子炉の炉心 - Google Patents

燃料集合体及びチャンネルボックス並びに原子炉の炉心

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JPH1048373A
JPH1048373A JP8203415A JP20341596A JPH1048373A JP H1048373 A JPH1048373 A JP H1048373A JP 8203415 A JP8203415 A JP 8203415A JP 20341596 A JP20341596 A JP 20341596A JP H1048373 A JPH1048373 A JP H1048373A
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JP
Japan
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channel box
fuel
fuel assembly
neutron absorption
boundary
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JP8203415A
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English (en)
Inventor
Masao Chagi
雅夫 茶木
Tadao Aoyama
肇男 青山
Yoko Yuji
洋子 湯地
Hidemitsu Shimada
秀充 嶋田
Junichi Miwa
順一 三輪
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、MOX燃料を用いた場合で
も、軸方向出力分布を十分に平坦化し安定性余裕を増大
できる燃料集合体及びチャンネルボックス並びに原子炉
の炉心を提供することにある。 【解決手段】チャンネルボックス7は、材質が異なる2
種類の構造材から構成されており、上部構造材12はジ
ルカロイ−2製、下部構造材11はジルカロイ−2より
も中性子吸収能が大きなステンレス鋼製である。上部構
造材12と下部構造材11の境界は、チャンネルボック
ス7の下端からその全長の約5/24の位置にあり、上
部構造材12と下部構造材11は溶接により接続されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は沸騰水型原子炉に装
荷される燃料集合体に係り、特にウラン・プルトニウム
混合酸化物(以下、MOXという)燃料を含む燃料棒を
備えたMOX燃料集合体に好適な燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉では原子炉の炉心の軸方
向の出力分布の偏りが必要以上に大きくなることは、除
熱性能や炉心の熱水力的及び核熱水力的安定性の点から
好ましくない。
【0003】この対策として、現在原子炉で用いられて
いるウラン燃料では、核分裂性物質である 235Uの濃縮
度を軸方向で数種類に変えて軸方向出力分布の調整を行
う第1の従来技術がある。また、可燃性毒物の濃度を軸
方向に変化させることによって軸方向出力分布の調整を
行う第2の従来技術がある。これらの従来技術は、燃料
棒に装填する燃料ペレットを複数種類作ることによって
可能となっている。
【0004】上記以外に、炉心の軸方向出力分布を改善
して炉心の安定性余裕を増加させる技術として、チャン
ネルボックスの外形は変化させずにチャンネルボックス
内の流路面積を変える第3の従来技術が、特開昭63−26
1190号公報,特開昭63−293490号公報,特開平1−98994
号公報,特開平1−105193号公報,特開平2−147888号公
報,特開平2−216087号公報等に記載されている。
【0005】また、第4の従来技術として、チャンネル
ボックスの下端からその全長の1/4〜13/24の位
置より下部でチャンネルボックスの肉厚を外に膨らませ
ることによって大きくし、厚肉にした部分のチャンネル
ボックスの中性子吸収の増加によって軸方向出力分布を
平坦化することが、特開昭55−55284 号公報に記載され
ている。
【0006】また、第5の従来技術として、燃料集合体
間に中性子吸収板を設け、この板の中性子吸収によって
軸方向出力分布を平坦化することが、特開昭58−95291
号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1及び
第2の従来技術で、 235Uや可燃性毒物の濃度が異なる
燃料ペレットを複数種類作ると、燃料ペレットを1種類
しか作らない場合に比べて燃料集合体の製造コストが大
きくなる。即ち、MOX燃料集合体の場合、MOX燃料を
含む燃料ペレットの製造はグローブボックスの中での作
業となるため、製造コストの制限から燃料ペレットは1
種類になる可能性があり、上記第1及び第2の従来技術
の適用は難しい。
【0008】また、第3の従来技術では後述するような
MOX燃料を炉心に装荷した場合に必要とされる安定性
余裕の大幅な改善は期待できない。また、第4及び第5
の従来技術でもMOX燃料を装荷した場合に関しては考
慮されていない。
【0009】本発明の目的は、MOX燃料を用いた場合
でも、軸方向出力分布を十分に平坦化し安定性余裕を増
大できる燃料集合体及びチャンネルボックス並びに原子
炉の炉心を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明では、チャンネルボックスを、その下端
からその全長の約5/24の位置を境界として、該境界
より下部の中性子吸収能が該境界より上部の中性子吸収
能よりも大きくする。
【0011】第2の発明では、燃料集合体,制御棒及び
炉内計装管以外に、燃料集合体間に構造物を設け、該構
造物を、チャンネルボックス下端からチャンネルボック
ス全長の約5/24の位置を境界として、該境界より下
部の中性子吸収能が該境界より上部の中性子吸収能より
も大きくする。
【0012】第1の発明によれば、チャンネルボックス
下部の中性子吸収能をチャンネルボックス上部よりも大
きくしたことによって、下部でのチャンネルボックスに
よる中性子吸収が上部より大きくなるので、下部の中性
子束は相対的に小さくなり、下部の出力を抑えることが
できる。しかも、上部と下部の境界をチャンネルボック
ス下端からその全長の約5/24の位置としたことによ
り、後述するように、MOX燃料がウラン燃料に比べて
出力が特に大きくなる下部領域での出力を確実に抑制で
きるので、MOX燃料を用いた場合でも、軸方向出力分
布を平坦化して安定性余裕を増大することができる。
【0013】第2の発明では、第1の発明のチャンネル
ボックスの代わりに構造物を用いて軸方向の中性子吸収
能を調整できるので、第1の発明と同様な効果を達成す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】沸騰水型原子炉に用いる本発明に
よる燃料集合体の第1実施例を図1を用いて説明する。
図1は本発明による燃料集合体の第1実施例を示す図
で、(a)は燃料集合体の縦断面を、(b)はチャンネ
ルボックスの縦断面を、それぞれ示す。燃料集合体1
は、複数の燃料棒4,燃料棒4の上端部及び下端部を保
持する上部タイプレート2及び下部タイプレート3,燃
料棒4及び水ロッド5の相互の間隔を保持する燃料スペ
ーサ6,チャンネルボックス7等を備える。燃料棒4は
1種類のMOX燃料ペレットを複数充填したMOX燃料
棒も含み、所定のピッチで正方格子状に配置される。チ
ャンネルボックス7は上部タイプレート2に取り付けら
れ、燃料棒4を取り囲むように下方に向かって伸びてい
る。チャンネルボックス7の下端部は下部タイプレート
3の上面より下方に伸びており、下部タイプレート3も
取り囲む。
【0015】チャンネルボックス7は、材質が異なる2
種類の構造材から構成されており、上部構造材12はジ
ルカロイ−2製,下部構造材11はステンレス鋼製であ
る。上部構造材12と下部構造材11の境界は、チャン
ネルボックス7の下端からその全長の約5/24の位置
にあり、上部構造材12と下部構造材11は溶接により
接続されている。
【0016】沸騰水型原子炉の場合、炉心下部は冷却材
兼減速材である水が沸騰しておらず、水が沸騰している
炉心上部に比べて水対ウラン比が大きくなる。従って、
炉心下部では、水による中性子の減速作用によって熱中
性子束が大きくなる。原子炉における核分裂反応は熱中
性子が多いほど活発になるので、炉心下部の方が出力は
大きくなる。
【0017】原子炉が高出力で冷却材流量が低くなった
場合、例えば冷却材である水が自然循環になった場合に
おける、燃料集合体での軸方向出力分布の解析結果の一
例を図2に示す。同図には、ウラン燃料棒のみを装荷し
たウラン燃料集合体と、MOX燃料棒も含むMOX燃料集
合体の両方を示す。同図の軸方向高さは、0がチャンネ
ルボックスの下端に、1がチャンネルボックスの上端に
対応している。
【0018】図2から、軸方向高さが5/24〜1の範
囲では、MOX燃料集合体の方がウラン燃料集合体より
も出力は小さい。逆に、軸方向高さが0〜5/24の範
囲では、MOX燃料集合体の方がウラン燃料集合体より
も出力は大きい。即ち、MOX燃料集合体の方がウラン燃
料集合体よりも出力分布の下歪が激しくなる。このた
め、原子炉の安定性余裕、特にチャンネル安定性や領域
安定性の余裕は、MOX燃料集合体の方がウラン燃料集
合体よりも小さくなる。
【0019】本実施例では、チャンネルボックス7の下
端からその全長の約5/24の位置を境界として、上部
構造材12にジルカロイ−2を、下部構造材11にジル
カロイ−2よりも中性子吸収能が大きなステンレス鋼を
用いているので、図2に示したMOX燃料集合体の出力
分布の下歪を改善し、軸方向出力分布を平坦化できる。
従って、原子炉の安定性余裕、特にチャンネル安定性や
領域安定性の余裕を大きくできる。
【0020】図2では、MOX燃料集合体の下部の出力
がウラン燃料集合体に比べて50%以上大きくなってい
る。このMOX燃料集合体において、ウラン燃料集合体
と同等なチャンネル安定性の余裕を確保するためには、
チャンネル安定性の減幅比で0.1以上の改善が必要と
なる。ここで、減幅比とは、燃料集合体に入る冷却水の
流量が変化した際に、冷却水入口における流量の変化分
が時間的に減衰する割合を表す。
【0021】減幅比が1以下の場合チャンネル安定性は
安定となり、減幅比が1より大きい場合チャンネル安定
性は不安定となる。チャンネル安定性の減幅比を0.1
以上改善するためには、軸方向出力分布の下部のピ−ク
を10%以上減少させることが必要である。このために
は、下部構造材11と上部構造材12の中性子吸収能の
差を、ジルカロイ−2で1.5mm 以上の肉厚に相当する
大きさとする必要がある。
【0022】本実施例のように炉心下部で中性子吸収を
大きくすると、原子炉の炉心全体の出力は小さくなる。
これに対しては、MOX燃料集合体のプルトニウム富化
度を大きくすることで対応できる。プルトニウム富化度
は純度の高いプルトニウムと天然ウランとの混合率で調
節できる。従って、プルトニウム富化度を上げることは
コスト上昇にはならず、むしろコストを低下させる。
【0023】本実施例では、チャンネルボックス7の下
端からその全長の約5/24の位置でのみ中性子吸収能
を変化させる例を示した。しかし、中性子吸収能を変化
させる位置を複数設けても良く、中性子吸収能が異なる
複数の構造材を溶接して軸方向に複数段の中性子吸収能
の変化をつけ、より細かな軸方向出力分布の調整を行う
ことも可能である。
【0024】また、下部構造材11の中性子吸収能を軸
方向で連続的に変化させれば更に細かな軸方向出力分布
の調整が可能である。構造材11の中性子吸収能の変化
のつけ方としては、中性子吸収能の大きい材料を単体で
用いるか、中性子吸収能の大きな材料を他の物質に混ぜ
たものなどが考えられる。具体的には、ステンレス鋼以
外に、ステンレス鋼にガドリニアやほう素を添加したも
の,ステンレス鋼にガドリニアやほう素を封入したも
の,ハフニウムなどが挙げられる。
【0025】また、下部構造材11や上部構造材12の
水平断面全体で一様に中性子吸収能を変化させるのでは
なく、一部分のみを変化させてもよい。具体的には、下
部構造材11や上部構造材12のコーナー部に近いとこ
ろだけ中性子吸収能を変化させたり、逆にコーナー部以
外のところだけ中性子吸収能を変化させてもよい。
【0026】これらの場合においても、チャンネルボッ
クス下端から全長の約5/24の位置より下部の中性子
吸収能を上部より大きくすることが大切である。
【0027】次に、図3を用いて本発明によるチャンネ
ルボックスの第2実施例を説明する。図3は第2実施例
のチャンネルボックスの縦断面図である。本チャンネル
ボックスは、ジルカロイ−2製のチャンネルボックス7
の下部に、ジルカロイ−2よりも中性子吸収能の大きな
中性子吸収板13を溶接したものである。中性子吸収板
13の材質としては、ステンレス鋼,ハフニウム,ガド
リニウム,ボロンなどを用いることができる。中性子吸
収板13の長さは、チャンネルボックス7の全長の約5
/24とする。
【0028】本チャンネルボックスをMOX燃料集合体
に設けることにより、第1実施例と同様に、MOX燃料
集合体の軸方向出力分布を平坦化し、原子炉の安定性余
裕を増大することができる。本実施例では、チャンネル
ボックス7の上端から下端までに第1実施例のような軸
方向に接続する溶接部がないので、チャンネルボックス
7の強度は第1実施例よりも強くなる。
【0029】また、中性子吸収板13の肉厚を軸方向で
連続的に変化させることによって、より細かい軸方向出
力分布の調整が可能となる。更に、中性子吸収板13を
筒状にしてチャンネルボックス7の外周を覆うようにし
ても良い。この場合、図3に比べて溶接点の数が少なく
なることが期待できる。
【0030】尚、チャンネルボックス7に溶接する中性
子吸収能の大きな部材は、図3のような板状に限定され
ず、例えば、図4に示すような棒状の中性子吸収棒14
を、チャンネルボックス7の下部に軸方向に所定の間隔
を空けて設けても良い。この場合も、中性子吸収棒14
を設ける高さは、チャンネルボックス7の全長の約5/
24とする。図4では、軸方向の中性子吸収能の差を中
性子吸収棒14の間隔を変えることにより調整できる。
更に、図4で中性子吸収棒14をリング状にしても良
い。
【0031】また、図5に示すように、長さの違う棒状
の中性子吸収棒14を、チャンネルボックス7の下部の
周方向に並べて溶接しても良い。この場合も、長い中性
子吸収棒14の長さは、チャンネルボックス7の全長の
約5/24とする。図5では、軸方向の中性子吸収能の
差を中性子吸収棒14の長さを変えることにより調整で
きる。
【0032】次に、図6を用いて本発明によるチャンネ
ルボックスの第3実施例を説明する。図6は第3実施例
のチャンネルボックスの縦断面図である。本実施例で
は、チャンネルボックス7を、肉厚が等しいチャンネル
ボックス上部7aと、チャンネルボックス上部7aより
も肉厚が厚いチャンネルボックス下部7bとを一体で構
成する。チャンネルボックス7の材質としては、中性子
吸収能の大きなステンレス鋼又はステンレス鋼にボロン
を添加したものを用い、チャンネルボックス上部7aと
チャンネルボックス下部7bの中性子吸収能の差を、ジ
ルカロイ−2で1.5mm 以上の肉厚に相当する大きさと
する。チャンネルボックス上部7aとチャンネルボック
ス下部7bの境界は、チャンネルボックス7の全長の約
5/24の位置とする。
【0033】本チャンネルボックスをMOX燃料集合体
に設けることにより、第1実施例と同様に、MOX燃料
集合体の軸方向出力分布を平坦化し、原子炉の安定性余
裕を増大することができる。本実施例でも、チャンネル
ボックス7の上端から下端まで溶接部がないので、チャ
ンネルボックス7の強度は第1実施例よりも強くなる。
また、チャンネルボックス下部7bの肉厚を、図7のよ
うに連続的に変化させることによって、より細かい軸方
向出力分布の調整が可能となる。
【0034】次に、図8及び図9を用いて本発明による
原子炉炉心の第4実施例を説明する。図9は第4実施例
の横断面図(水平断面図)の一部を、図8は図9のA−
A矢視の概略図を、それぞれ示す。
【0035】本実施例では、図9に示すように、4体の
燃料集合体を1つのセルとして構成し、セルの周囲に棒
状の中性子吸収棒16を所定の間隔で複数設けている。
図9はセルの中心に十字形の制御棒15が挿入された状
態を示しており、このセルは制御セルに対応する。
【0036】セルを構成する燃料集合体は、9行9列の
正方格子状に配置された燃料棒4と、中央部の7本の燃
料棒が配置可能な領域に対角線状に配置された2本の太
径の水ロッド5と、チャンネルボックス7とを備える。
セルを構成する4つの燃料集合体のうち、少なくとも1
つはMOX燃料棒を含む燃料集合体である。
【0037】中性子吸収棒16は、図8に示すように、
上部格子板(図示せず)から燃料集合体1の間に吊るさ
せている。中性子吸収棒16は、太さが等しい中性子吸
収棒上部16aと、中性子吸収棒上部16aよりも太い
中性子吸収棒下部16bとが一体で構成されている。中
性子吸収棒16の材質としては、中性子吸収能の大きな
ステンレス鋼又はハフニウムを用い、中性子吸収棒上部
16aと中性子吸収棒下部16bの中性子吸収能の差
を、ジルカロイ−2で1.5mm 以上の肉厚に相当する大
きさとする。中性子吸収棒上部16aと中性子吸収棒下
部16bの境界は、チャンネルボックス7の全長の約5
/24の位置とする。
【0038】本実施例では中性子吸収棒16がMOX燃
料集合体の出力分布の下歪を改善するので、第1実施例
と同様に、MOX燃料集合体の軸方向出力分布を平坦化
し、原子炉の安定性余裕を増大することができる。本実
施例の場合、燃料集合体1の特性(出力分布など)に合
わせて中性子吸収棒16の太さ,材質,本数などを変え
ることが可能であり、燃料集合体1の特性に合わせた細
かな出力の調整ができると共に、炉心の半径方向の出力
分布も調整できる。
【0039】尚、図9では制御セルに関して示している
が、制御セル以外のMOX燃料集合体が装荷されたセル
に対しても同じように中性子吸収棒16を設けて炉心を
構成することにより、原子炉の安定性余裕を増大するこ
とができる。
【0040】中性子吸収棒16の材質としては、ステン
レス鋼,ハフニウム以外にも、中性子吸収断面積がステ
ンレス鋼より大きいハフニウム,ガドリニウム,ボロン
などを、ステンレス鋼やジルコニウムに混入もしくは封
入したものも用いることができる。
【0041】また、中性子吸収棒16の中性子吸収能を
軸方向に連続的に変化させることにより、出力の調整が
より細かくできる。中性子吸収棒16は棒状に限定され
ず、板状にして上部格子板から吊るしても良く、その上
端が燃料棒4の燃料有効長より上側にきても良い。
【0042】更に、中性子吸収棒16の代わりに、図1
0に示すように、筒状の中性子吸収筒17の内部のう
ち、チャンネルボックス全長の約5/24の高さまでの
下部領域に中性子吸収断面積が大きいハフニウム,ガド
リニア,ボロンなどの中性子吸収体18を封じ込んだも
のを用いても良い。この場合、中性子吸収筒17の外径
を変えずに軸方向出力分布を調整できる。中性子吸収体
18は複数のペレットを積み重ねた構造としても良く、
この場合、ペレットの中性子吸収能に変化をつけること
により、細かな出力分布の調整ができる。
【0043】また、中性子吸収筒17の内部空間全体
に、中性子吸収体18の中性子吸収能を軸方向に変化さ
せて封入しても良い。この場合も、チャンネルボックス
全長の約5/24の位置を境界にして、境界より下側の
領域の中性子吸収能を境界より上側の領域の中性子吸収
能よりも大きくする。
【0044】更に、中性子吸収筒17の内部に封入する
中性子吸収体18としてガドリニウムなどの可燃性毒物
を用いることにより、燃料の燃焼度に合わせて中性子吸
収体18の中性子吸収能を変化させることも可能であ
る。この場合、炉心の余剰反応度を抑制するためには最
も効果的となる。
【0045】また、上記した各実施例において、更に下
部タイプレートにも中性子吸収材又は可燃性毒物を混入
することによって、軸方向出力分布の調整幅をより大き
くすることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、MOX燃料を用いた場
合でも、軸方向出力分布を十分に平坦化し、原子炉の安
定性余裕を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料集合体の第1実施例を示す図
で、(a)は燃料集合体の縦断面を、(b)はチャンネ
ルボックスの縦断面を、それぞれ示す。
【図2】燃料集合体での軸方向出力分布の解析結果の一
例を示す図。
【図3】本発明によるチャンネルボックスの第2実施例
を示す縦断面図。
【図4】第2実施例の変形例を示す図。
【図5】第2実施例の他の変形例を示す図。
【図6】本発明によるチャンネルボックスの第3実施例
を示す縦断面図。
【図7】第3実施例の変形例を示す図。
【図8】図9のA−A矢視の概略図。
【図9】本発明による炉心の第4実施例の横断面の一部
を示す図。
【図10】第4実施例の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…上部タイプレート、3…下部タイ
プレート、4…燃料棒、5…水ロッド、6…燃料スペー
サ、7…チャンネルボックス、11…下部構造材、12
…上部構造材、13…中性子吸収板、14,16…中性
子吸収棒、15…制御棒、17…中性子吸収筒、18…
中性子吸収体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 秀充 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 三輪 順一 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の燃料棒と、該燃料棒の上端部及び下
    端部を保持する上部タイプレート及び下部タイプレート
    と、前記燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、該燃
    料スペーサ及び前記燃料棒を取り囲むチャンネルボック
    スとを備えた燃料集合体において、 前記燃料棒はウラン・プルトニウム混合酸化物燃料を含
    み、前記チャンネルボックスはその下端から全長の約5
    /24の位置を境界として、該境界より下部の中性子吸
    収能が該境界より上部の中性子吸収能よりも大きいこと
    を特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記チャンネルボック
    スの下部の肉厚は前記チャンネルボックスの上部の肉厚
    よりも厚く、この肉厚差はジルカロイ−2で1.5mm 以
    上の肉厚に相当する中性子吸収能の差を有することを特
    徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】燃料集合体に使用されるチャンネルボック
    スであって、チャンネルボックスの下端から全長の約5
    /24の位置を境界として、該境界より下部の中性子吸
    収能が該境界より上部の中性子吸収能よりも大きいこと
    を特徴とするチャンネルボックス。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記チャンネルボック
    スの下部の肉厚は前記チャンネルボックスの上部の肉厚
    よりも厚く、この肉厚差はジルカロイ−2で1.5mm 以
    上の肉厚に相当する中性子吸収能の差を有することを特
    徴とするチャンネルボックス。
  5. 【請求項5】ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料を含
    む燃料棒を束ねた燃料集合体と、該燃料集合体間に挿入
    される制御棒及び炉内計装管とを備えた原子炉の炉心に
    おいて、 前記燃料集合体,前記制御棒及び前記炉内計装管以外
    に、前記燃料集合体間に構造物を設け、 該構造物は、前記燃料集合体のチャンネルボックス下端
    からチャンネルボックス全長の約5/24の位置を境界
    として、該境界より下部の中性子吸収能が該境界より上
    部の中性子吸収能よりも大きいことを特徴とする原子炉
    の炉心。
JP8203415A 1996-08-01 1996-08-01 燃料集合体及びチャンネルボックス並びに原子炉の炉心 Pending JPH1048373A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180047466A1 (en) * 2015-03-13 2018-02-15 Westinghouse Electric Sweden Ab Fuel channel for a nuclear boiling water reactor

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