JPH06174874A - 燃料集合体及び炉心 - Google Patents

燃料集合体及び炉心

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JPH06174874A
JPH06174874A JP4324392A JP32439292A JPH06174874A JP H06174874 A JPH06174874 A JP H06174874A JP 4324392 A JP4324392 A JP 4324392A JP 32439292 A JP32439292 A JP 32439292A JP H06174874 A JPH06174874 A JP H06174874A
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cross
fuel
fuel assembly
sectional area
rod
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JP4324392A
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English (en)
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Riyouji Masumi
亮司 桝見
Tadao Aoyama
肇男 青山
Junichi Koyama
淳一 小山
Yoko Ishibashi
洋子 石橋
Takaaki Mochida
貴顕 持田
Hideo Soneda
秀夫 曽根田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C3/00Reactor fuel elements and their assemblies; Selection of substances for use as reactor fuel elements
    • G21C3/30Assemblies of a number of fuel elements in the form of a rigid unit
    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
    • G21C3/326Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements comprising fuel elements of different composition; comprising, in addition to the fuel elements, other pin-, rod-, or tube-shaped elements, e.g. control rods, grid support rods, fertile rods, poison rods or dummy rods
    • G21C3/328Relative disposition of the elements in the bundle lattice
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱的余裕及び炉停止余裕を確保することにより
燃料集合体の大型化を図ることができる燃料集合体及び
これを用いた炉心を提供する。 【構成】隣接する燃料集合体10,10間の中心間距離
XはX≒23cmであり、従来に比し約1.5倍と大型化
が図られている。ギャップ水領域厚さは従来と同じ約1
6mmでありギャップ水領域は相対的に薄くなっている。
一方、H/U比は従来と同じ値約5であり、ギャップ水
領域に存在していた非沸騰水が減少した分が、水ロッド
としてチャンネルボックス内に配置される。これによっ
て水ロッド内横断面積/燃料ペレットの横断面積≒0.
6となり、局所出力ピーキング係数の値を低減し熱的余
裕を増大することができる。また水ロッド4の横断面積
を15cm2として余剰反応度を低減するので炉停止余裕
を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉(BW
R)に係り、特に、熱的余裕及び炉停止余裕を確保しつ
つ燃料集合体を大型化して燃料集合体数を削減すること
により、燃料交換作業の省力化に好適な燃料集合体及び
炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】BWRの燃料集合体は、「軽水炉」(秋
山守著、同文書院刊)に記載のように、一般に、核分裂
性物質を含む燃料ペレットを被覆管に充てんした燃料棒
を正方格子状に多数束ね、外幅が約14cmの断面形状が
正方形のチャンネルボックスで覆って構成される。炉心
は上記の燃料集合体をさらに束ねて円柱状に形成され
る。燃料としては、濃縮ウランあるいはプルトニウムを
富化したウランが酸化物の化学形態で使用される。
【0003】炉心の反応度は燃料の燃焼に伴って減少し
ていくので、運転サイクル末期でも原子炉が臨界を保つ
ように、運転サイクル初期には燃料を臨界量よりも多く
装荷している。その結果生じる余剰反応度は、ガドリニ
ア等の可燃性毒物を燃料に混合すると共に、炭化硼素あ
るいはハフニウムからなる十字型の制御棒を隣接する複
数の燃料集合体の間に挿入することによって中性子の吸
収量を調節して制御している。
【0004】燃料集合体のチャンネルボックスの周囲に
は十字型の制御棒を挿入するために、制御棒ブレード厚
の約2倍の非沸騰水で満たされたギャップ水領域を設け
ている。また燃料集合体中央部には、中性子束分布平坦
化の観点から、やはり非沸騰水を満たした水ロッドを設
けている。これらの非沸騰水領域と燃料物質量とに依存
する炉心平均の水素対ウラン原子数比(以下、適宜H/
U比という)は、主として省ウラン資源の観点から、所
要ウラン濃縮度が最小となるように4〜5の範囲に調整
されている。
【0005】一方、原子炉の運転を停止する際には蒸気
が水に変わり水の量が増えるので、余剰反応度が増大す
る。従って炉停止余裕の確保が重要となる。燃料集合体
及び炉心の炉停止余裕の増大については以下の2つの公
知技術がある。 特開昭63−231293号公報 この公知技術では、チャンネルボックス内に存在する全
燃料棒内のペレットの横横断面積に対する、チャンネル
ボックス外の飽和水領域であるギャップ水領域横断面積
の比を1以上とすることにより、中性子平均エネルギを
減少し、炉心上下間に存在する中性子減速効果の違いを
減少して炉停止余裕の増大を図るものである。
【0006】特開平2−12088号公報 この公知技術では、燃料集合体の中心部に、チャンネル
内ボックス内横断面積の9.1%以上の非沸騰水領域を
もつように構成することにより余剰反応度を低減し、炉
停止余裕の増大を図るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、一般的に、出力
を高める場合には、燃料集合体数を増やすことで対応し
ているが、燃料集合体数を増やすと、定期検査における
燃料交換体数や燃料移動体数が増大し、燃料交換作業に
費やす時間や労働力が増えてプラント利用率が低下する
恐れもあり、必ずしも出力を高めたことによるスケール
メリットが得られないという問題がある。したがって、
燃料集合体を大型化して燃料集合体数を減らすことが燃
料交換の省力化の観点から有効である。
【0008】ところが燃料集合体を大型化すると、炉心
の非均質性が増大するため、炉心の径方向出力ピーキン
グ係数が増大する。さらに、炉心の大きさ一定のもとで
は燃料集合体の大型化によって燃料集合体の数が減る。
したがって制御棒の数が減って制御棒のブレード幅の総
延長が相対的に短くなるので、制御棒価値が減少し炉停
止余裕が減少する。よって燃料集合体の大型化に際して
はこれらを防止する手段を講じる必要がある。
【0009】しかしながら、燃料集合体の大型化に際し
て上記公知技術を適用した場合には以下の欠点が存在す
る。公知技術においては、中性子減速効果の減少によ
り炉停止余裕は増大するが、燃料ペレット横断面積に対
するギャップ水領域横断面積の比を増加させるので熱的
余裕は減少する。
【0010】公知技術においては、非沸騰水領域の横
断面積を、チャンネル内横断面積を基準として限定する
ので、燃料棒の充填状態のいかんにより炉停止余裕の増
大の実効が得られない場合がある。熱的余裕についても
同様である。また、燃料として混合酸化物燃料棒を使用
する場合であるので、この数値限定の値はウラン燃料を
使用する場合に対しては汎用性がない。
【0011】本発明の第1の目的は、燃料集合体の大型
化を図ることができる燃料集合体及びこれを用いた炉心
を提供することである。
【0012】本発明の第2の目的は、熱的余裕を確保す
ることにより燃料集合体の大型化を図ることができる燃
料集合体及びこれを用いた炉心を提供することである。
【0013】本発明の第3の目的は、炉停止余裕を確保
することにより燃料集合体の大型化を図ることができる
燃料集合体及びこれを用いた炉心を提供することであ
る。
【0014】なお、本発明では、燃料体数を半減するこ
とを念頭におき、燃料集合体のサイズを約1.5倍以上
とすることを大型化の目安とした。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明によれば、核分裂性物質を含
む燃料ペレットを被覆管に充填した多数の燃料棒と核分
裂により発生する中性子を減速する減速材を満たした少
なくとも1本の減速棒とを有する燃料集合体において、
前記減速棒の減速材が満たされる部分の横断面積の総和
と前記燃料ペレットの横断面積の総和との比の軸方向平
均値が0.4以上であることを特徴とする燃料集合体が
提供される。
【0016】上記第1及び第3の目的を達成するため
に、好ましくは、前記記燃料集合体において、前記減速
棒1本当りの減速材が満たされる部分の横断面積が14
〜50cm2であることを特徴とする燃料集合体が提供さ
れる。
【0017】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記多数の燃料棒の上端部を束ねる上部タイプレー
トの外縁を鉛直下方に伸ばした面で囲まれる水平断面に
おける前記減速材の横断面積の総和と前記燃料ペレット
の横断面積の総和との比が2.7〜3.4であることを
特徴とする燃料集合体が提供される。
【0018】上記第1の目的を達成するために、さらに
好ましくは、前記燃料集合体において、前記減速棒の少
なくとも1本は減速材の流量に対応して管内の水位が上
下する二重管水ロッドであることを特徴とする燃料集合
体が提供される。
【0019】また上記第1〜第3の目的を達成するため
に、本発明によれば、上記燃料集合体を有する炉心が提
供される。
【0020】さらに上記第1及び第2の目的を達成する
ために、好ましくは、前記炉心において、前記燃料集合
体の周囲のギャップ水領域に満たされた減速材の横断面
積の総和と前記燃料ペレットの横断面積の総和との比が
0.7以下であることを特徴とする炉心が提供される。
【0021】また上記第1及び第3の目的を達成するた
めに、好ましくは、前記炉心において、中性子吸収材を
含む複数の吸収棒を十字型断面形状に束ねて構成され前
記燃料集合体の周囲のギャップ水領域に挿入される制御
棒を有し、前記吸収棒の表面積の総和と燃料棒の表面積
の総和との比が0.20以上であることを特徴とする炉
心が提供される。
【0022】さらに好ましくは、前記炉心において、中
性子吸収材を含む複数の吸収棒を十字型断面形状に束ね
て構成され前記燃料集合体の周囲のギャップ水領域に挿
入される制御棒を有し、前記吸収棒の横断面積の総和と
前記ギャップ水領域の横断面積の総和との比が0.4以
上であることを特徴とする炉心が提供される。
【0023】また好ましくは、前記炉心において、前記
減速材の横断面積の総和と前記燃料ペレットの横断面積
の総和との比が3.0〜3.5であることを特徴とする
炉心が提供される。
【0024】
【作用】以上のように構成した本発明においては、減速
棒の減速材が満たされる部分の横断面積/燃料ペレット
の横断面積の軸方向平均値≧0.4とすることにより、
減速棒の減速材の横断面積を増やしギャップ水領域の横
断面積を減らして局所出力ピーキング係数の値を低減
し、熱的余裕を確保する。
【0025】また、減速棒1本当たりの減速材の横断面
積を14〜50cm2とすることにより、余剰反応度を低
減して炉停止余裕を確保する。さらに、上部タイプレー
トの外縁を鉛直下方に伸ばした面で囲まれる水平断面に
おける減速材の横断面積の総和/燃料ペレットの横断面
積の総和≒2.7〜3.4とすることにより、余剰反応
度を低減して炉停止余裕を確保する。また減速棒の少な
くとも1本を二重管水ロッドとすることにより、流量制
御によるスペクトルシフトの効果を増幅してウラン濃縮
度を低減しまた制御棒を挿入しない運転を行う。
【0026】また、燃料集合体の周囲のギャップ水領域
に満たされた減速材の横断面積の総和/燃料ペレットの
横断面積の総和≦0.7とすることにより、局所出力ピ
ーキング係数の値を低減し、熱的余裕を確保する。さら
に吸収棒の表面積の総和/燃料棒の表面積の総和≧0.
20とすることにより、制御棒価値を高め炉停止余裕を
確保する。また吸収棒の横断面積の総和/ギャップ水領
域の横断面積の総和≧0.4とすることにより、制御棒
価値を高め炉停止余裕を確保する。さらに減速材の横断
面積の総和/燃料ペレットの横断面積の総和≒3.0〜
3.5とすることにより、余剰反応度を低減して炉停止
余裕を確保する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図15により
説明する。本発明の第1の実施例を図1〜図7により説
明する。本実施例の燃料集合体の断面図を図1に、燃料
集合体のチャンネルボックスを取り除いた状態を図2に
示す。図1は炉心の一部である隣接する4つの燃料集合
体についてその水平断面を示した図である。図1におい
て、燃料集合体10は、ジルカロイの被覆管20に濃縮
ウラン酸化物からなる燃料ペレット11を充填した燃料
棒1と、減速材として非沸騰水を満たした横断面十字型
の水ロッド4と、燃料棒1と水ロッド4とを束ねて覆う
ジルカロイ製の角筒状のチャンネルボックス21とで構
成されている。隣接する燃料集合体10,10間の中心
間距離XはX≒23cmであり、従来の約15cmに比し約
1.5倍と大型化されている。また隣接する4つの燃料
集合体10,10,10,10の間のギャップ水領域6
0には、余剰反応度を制御する目的で、中性子吸収棒と
して炭化硼素を含む吸収棒61を束ねた十字型制御棒6
が挿入される構成であり、1つの燃料集合体10につい
てみると、正方形断面の4辺にあたる4つの面のうち2
面を一組としてその一組に対し1つの制御棒6がそれら
2面に近接するような形で挿入可能である。すなわち、
燃料集合体10の正方形断面のすべての面に近接して制
御棒6が挿入可能である。
【0028】図2において、燃料棒1及び水ロッド4は
上端を上部タイプレート81に支持され、下端を下部タ
イプレート82に支持され、かつ中間部の複数箇所をス
ペーサ83により保持されている。図1に示すチャンネ
ルボックス21はこれら燃料棒1及び水ロッド4で構成
された燃料バンドルを取り囲んでいる。
【0029】燃料棒1は、燃料ペレット11のウラン濃
縮度は約6%であり、その径は約9mm、また燃料棒1の
径は約10mmであり、この燃料棒1が16行16列で1
96本、約13mmの間隔をもって配列されている。水ロ
ッド4は、横断面積が約15cm2のものが1つの燃料集
合体10に5本配置され、H/U比は従来技術と同じ約
5となっている。制御棒6は、直径が約8mmである吸収
棒61をブレード当たり24本配置して構成される。制
御棒6のブレード厚さは従来と同じ約8mmである。
【0030】ギャップ水領域60は非沸騰水で満たされ
ており、このギャップ水領域60の厚さは従来と同様に
制御棒ブレード厚さの約2倍の厚さ(約16mm)であ
る。したがって燃料集合体が大きくなった分ギャップ水
領域60は相対的に薄くなる。即ち、ギャップ水領域6
0の非沸騰水は従来よりも少なくなる。一方、H/U比
は従来と同じ値であり約5であるから、ギャップ水領域
60の非沸騰水が減少した分が、水ロッド4の非沸騰水
が拡大した形でチャンネルボックス21内に配置される
こととなる。また本実施例の燃料集合体10において
は、水ロッド4の非沸騰水が満たされる部分の横断面積
の総和と燃料ペレット11の横断面積の総和との比の軸
方向平均値(以下、水ロッド内横断面積/燃料ペレット
横断面積という。)≒0.6、水ロッド4の1本当たり
非沸騰水が満たされる部分の内横断面積(以下、水ロッ
ド1本当たりの内横断面積という。)≒15cm2となっ
ている。さらに炉心あたりでみると、燃料集合体10の
周囲のギャップ水領域60に満たされた非沸騰水の横断
面積の総和と燃料ペレット11の横断面積の総和との比
(以下、ギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面
積という。)≒0.5、吸収棒61の表面積の総和と燃
料棒1の表面積の総和との比(以下、吸収棒の表面積/
燃料棒の表面積という。)≒0.2、吸収棒61の横断
面積の総和とギャップ水領域60の横断面積との比(以
下、吸収棒の横断面積/水ギャップ水領域横断面積とい
う。)≒0.4である。
【0031】本実施例の燃料集合体10は、水ロッド4
の横断面積を増やすことにより熱的余裕を確保すると共
に、水ロッド4の横断面積を最適化して余剰反応度を低
減することにより炉停止余裕を確保し、燃料集合体10
の大型化を図ったものである。以下、このことを図3〜
図5により説明する。
【0032】熱的余裕を増大するためには、燃料集合体
における局所出力ピーキング係数を低減する必要があ
る。本願発明者等は、径方向の局所出力ピーキング係数
と水ロッド内横断面積/燃料ペレット横断面積との関係
を検討した結果、図3に示す結果を得た。
【0033】図3は、燃料集合体を炉心に配置し、ギャ
ップ水領域の厚さを一定に保ちつつその大きさを大型化
し、ギャップ水領域の面積が増大しない分は水ロッドの
面積を増やすことによってH/U比を約5に固定し、水
ロッド内横断面積/燃料ペレット横断面積を変化させて
径方向の局所出力ピーキング係数の変化を求めたもので
ある。図3において、従来技術における水ロッド内横断
面積/燃料ペレット横断面積≒0.2から水ロッド内横
断面積を増加させると、ギャップ水の減少によって燃料
集合体の外側の燃料棒近傍の水が減少するので、局所出
力ピーキング係数は低下する。しかしある程度水ロッド
内横断面積が増加すると、燃料集合体の内側の燃料棒の
出力がその近傍の水が増加することによって増加してく
るので局所出力ピーキング係数の値は下げ止まり、水ロ
ッド内横断面積がそれ以上増加してもほとんど低下しな
くなる。
【0034】図3より、水ロッド内横断面積/燃料ペレ
ット横断面積の値が0.4付近になると、局所出力ピー
キング係数の値の低下割合は変曲点を示し、この後次第
に局所出力ピーキング係数の値の低下は飽和していく。
したがって、燃料集合体の大型化に際して局所出力ピー
キング係数を小さくするためには、水ロッド内横断面積
/燃料ペレット横断面積≧0.4とすることが有効であ
るとが分かった。
【0035】本実施例の燃料集合体10においては、水
ロッド4の横断面積を増やして、ギャップ水領域60の
横断面積を減らすことによって、水ロッド内横断面積/
燃料ペレットの横断面積≒0.6である。したがって、
局所出力ピーキング係数の値を低減でき、熱的余裕を増
大することができる。
【0036】一方、炉停止余裕を増大するには余剰反応
度を低減させることが有効である。本願発明者等は、燃
料集合体内における水ロッド1本当たりの内横断面積と
燃料集合体の反応度を表す無限増倍率及び余剰反応度
(冷温時反応度差−運転時反応度差)とを調べた結果、
図4に示す関係を得た。
【0037】図4は、H/U比≒5〜6の一定値に固定
した炉心で、水ロッドのトータルの横断面積の和は変え
ずに、水ロッドの本数を増減して水ロッド1本当たりの
内横断面積を変化させて、冷温時及び運転時の無限増倍
率の変化(図4(a))と運転時冷温時反応度差の変化
(図4(b))とを求めたものである。なお、複数の水
ロッドが隣接する場合には、水ロッド1本当たりの横断
面積としてそのひとまとまりの水ロッドの横断面積をと
るものとする。図4(a)において、従来技術における
水ロッド1本当たりの内横断面積は、約12cm2から1
本当たりの内横断面積を増加させると、冷温時と運転時
の反応度はいずれも低下する。しかしこのとき冷温時の
反応度の低下幅がより大きいので、図4(b)に示すよ
うに運転時冷温時反応度差は次第に低下し、水ロッドの
横断面積が約50cm2になるとついに冷温時の無限増倍
率が運転時の無限増倍率を下回り、その差はマイナスと
なる。
【0038】なお図4(a)及び図4(b)の関係は、
固定するH/U比の値はH/U≒5〜6であれば、燃料
集合体の種類や大小に係わらず成立する。
【0039】図4より、水ロッド1本当たりの内横断面
積が14cm2以上であれば、従来以上に運転時冷温時の
反応度差を低減し炉停止余裕の増大に効果がある。また
水ロッド1本当たりの内横断面積が約50cm2で冷温時
の無限増倍率が運転時の無限増倍率を下回ってしまう。
したがって、燃料集合体の大型化に際して炉停止余裕を
増大させるためには、水ロッド1本当たりの内横断面積
を14〜50cm2とすれば有効であることが分かった。
【0040】本実施例の燃料集合体10においては、水
ロッド4の横断面積は15cm2であるので、上記条件を
満たし、余剰反応度を低減でき炉停止余裕を増大させる
ことができる。
【0041】次に本実施例の燃料集合体10を用いた炉
心においては、熱的余裕増大の観点からの炉心の局所出
力ピーキング係数の低減に関し、本願発明者等は、径方
向の局所出力ピーキング係数とギャップ水領域横断面積
/燃料ペレット横断面積との関係を検討した結果、図5
に示す結果を得た。これは、図3に示す水ロッド内横断
面積/燃料ペレット横断面積と径方向の局所出力ピーキ
ング係数との関係をH/U比が約5で一定であることか
らギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面積と径
方向の局所出力ピーキング係数との関係に換算したもの
であり、横軸が燃料集合体の水ロッド内横断面積/燃料
ペレット横断面積でなく炉心におけるギャップ水領域横
断面積/燃料ペレット横断面積となって数値が変わるこ
とを除いて、定性的な傾向は図3とほぼ同様である。す
なわち、ギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面
積の値が0.7付近になった以後は局所出力ピーキング
係数の値の低下は飽和していく。したがって、燃料集合
体の大型化に際して局所出力ピーキング係数を小さくす
るためには、ギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横
断面積≧0.7とすることが有効であることが分かっ
た。
【0042】本実施例の燃料集合体10を用いた炉心に
おいては、水ロッド4の横断面積を増やして、ギャップ
水領域60の横断面積を減らすことによって、ギャップ
水領域横断面積/燃料ペレットの横断面積≒0.5であ
る。したがって、局所出力ピーキング係数の値を低減で
き、熱的余裕を増大させることができる。
【0043】一方、本実施例の燃料集合体10を用いた
炉心においては、上記燃料集合体10の構成による炉停
止余裕の増大効果に加え、制御棒価値が増大することに
よっても炉停止余裕を増大させることができる。以下、
このことを図6及び図7を用いて説明する。
【0044】本願発明者等は、炉心に用いる燃料集合体
の燃料棒の表面積と吸収棒の表面積、及びギャップ水領
域60の面積との関係を検討した結果、図6及び図7に
示す結果を得た。
【0045】図6は、炉心において、燃料集合体中心間
距離X≒15cm(従来技術と同じ)の場合と燃料集合体
中心間距離X≒23cm(大型化)の場合とについて、H
/U比≒5に固定した条件で吸収棒表面積/燃料棒表面
積を変化させ、従来技術の炉停止余裕の値を基準とした
場合の炉停止余裕の値の変化を求めたものである。図6
において、X≒15cmの場合も23cmの場合も、吸収棒
の表面積が相対的に増加するにともない制御棒価値が増
加し、炉停止余裕が増加する右上がりの曲線となる特性
を示す。燃料集合体を大型化してX≒23cmとすると、
炉心当たりの制御棒数が減ることにより制御棒価値が減
少するのでX≒15cmの場合に比し特性曲線が下方へ移
行する。図6より、炉心に用いる燃料集合体を大型化し
燃料集合体中心間距離がX≒23cmとなった場合におい
ても、吸収棒表面積/燃料棒表面積の値が0.20以上
では、従来技術(X≒15cmの燃料集合体を吸収棒表面
積/燃料棒表面積≒0.13で使用)と同等の炉停止余
裕の値を確保できることが分かった。
【0046】本実施例の燃料集合体10を用いた炉心に
おいては、正方形断面のすべての面に対し制御棒6を挿
入して制御棒価値を高めることによって、吸収棒表面積
/燃料棒表面積の値は約0.2である。したがって、炉
停止余裕を確保することができる。
【0047】図7は、炉心において、燃料集合体中心間
距離X≒15cm(従来技術と同じ)の場合と燃料集合体
中心間距離X≒23cm(大型化)の場合とについて、H
/U比≒5に固定した条件で吸収棒横断面積/ギャップ
水領域横断面積を変化させ、従来技術の炉停止余裕の値
に対する炉停止余裕の変化を求めたものである。図7に
おいても、図6とほぼ同様の特性を示し、炉心に用いる
燃料集合体を大型化し燃料集合体中心間距離がX≒23
cmとなった場合においても、吸収棒横断面積/ギャップ
水領域横断面積の値が0.4以上であれば、従来の炉心
(X≒15cmの燃料集合体で構成された炉心を吸収棒横
断面積/ギャップ水領域横断面積≒0.25で使用)と
同等の炉停止余裕の値を確保できることが分かる。
【0048】本実施例の燃料集合体10を用いた炉心に
おいては、正方形断面のすべての面に近接して制御棒6
を挿入して制御棒価値を高め、吸収棒横断面積/ギャッ
プ水領域横断面積の値を0.4とするので、炉停止余裕
を確保することができる。
【0049】以上説明したように、本実施例の燃料集合
体10によれば、水ロッド4の横断面積を増やしてギャ
ップ水領域60の横断面積を減らし水ロッド内横断面積
/燃料ペレットの横断面積≒0.6とするので熱的余裕
を確保でき、また水ロッド4の横断面積を15cm2とし
て余剰反応度を低減するので炉停止余裕を確保できる。
よって、燃料集合体を大型化して燃料集合体数を低減で
きるので、燃料交換作業の省力化が可能となる。
【0050】また、本実施例の燃料集合体10を用いた
炉心によれば、ギャップ水領域60の横断面積を減ら
し、ギャップ水領域横断面積/燃料ペレットの横断面積
≒0.5とするので、局所出力ピーキング係数の値を低
減でき、熱的余裕を確保することができ、燃料集合体1
0の構成による上記炉停止余裕増大効果を得る。また、
さらに本実施例の燃料集合体10を用いた炉心によれ
ば、上記炉停止余裕増大効果に加え、正方形断面のすべ
ての面に対し制御棒6を挿入して制御棒価値を高め吸収
棒表面積/燃料棒表面積の値を0.2とし、また吸収棒
横断面積/ギャップ水領域横断面積の値を0.4とする
ので、炉停止余裕を確保できる。よって、炉心における
燃料集合体数を低減できるので、燃料交換作業の省力化
が可能となる。
【0051】なお、上記第1の実施例の燃料集合体10
において、水ロッド4を水素化ジルコニウムの棒に置き
換えてもよい。このような固体減速棒は、水ロッドとほ
ぼ同等の減速能力をもつので、上記の実施例と同様に炉
停止余裕を確保できる。この燃料集合体を装荷して構成
した炉心においても同様の効果が得られる。
【0052】本発明の第2の実施例を図8〜図12によ
り説明する。本実施例の燃料集合体15の断面図を図8
に示す。図8は炉心の一部である隣接する4つの燃料集
合体についてその水平断面を示した図である。図1と共
通の部品については共通の番号で示す。
【0053】第1の実施例と異なる点は、水ロッド14
の断面形状が正方形となりやや大きくなったこと(横断
面積は約20cm2)と、これに伴い燃料棒1の数が16
本減って176本になりH/U比は約6となったことで
ある。また本実施例の燃料集合体15においては、水ロ
ッド内横断面積/燃料ペレット横断面積≒1.0、水ロ
ッド1本当たりの内横断面積≒20cm2、チャンネルボ
ックス21内における減速材(沸騰水及び非沸騰水)の
横断面積の総和と燃料ペレット11の横断面積の総和と
の比(以下、燃料集合体平均の水対燃料体積比とい
う。)≒2.7となっており、さらに炉心あたりでみる
と、ギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面積≒
0.6、炉心の減速材(沸騰水及び非沸騰水)の横断面
積の総和と燃料ペレット11の横断面積の総和との比
(以下、炉心平均の水対燃料体積比という。)≒3.3
である。
【0054】本実施例において、熱的余裕増大の観点か
らの燃料集合体における局所出力ピーキング係数の低減
に関し、第1の実施例における図3と同様に、径方向の
局所出力ピーキング係数と水ロッド内横断面積/燃料ペ
レット横断面積との関係を検討した結果、図3により説
明した燃料集合体10の場合と同様な図9に示す結果を
得た。
【0055】図9において、図2と異なる点はH/U比
≒6である点のみで、定性的な傾向はほぼ同様である。
すなわち、出力ピーキング係数の値の低下は水ロッド内
横断面積/燃料ペレット横断面積の値が0.4付近で変
曲点を示し、以後は局所出力ピーキング係数の値の低下
は飽和していく。したがって、燃料集合体の大型化に際
して局所出力ピーキング係数を小さくするためには、水
ロッド内横断面積/燃料ペレット横断面積≧0.4とす
ることが有効であることが分かった。すなわち、H/U
比≒5である第1の実施例と同様の結果を得た。
【0056】本実施例の燃料集合体15においては、水
ロッド内横断面積/燃料ペレットの横断面積≒1.0で
ある。したがって、局所出力ピーキング係数の値を低減
でき熱的余裕を増大させることができる。
【0057】また、本実施例の燃料集合体15の水ロッ
ド1本当たりの内横断面積は20cm2であって、第1の
燃料集合体10と同様に、図4における燃料集合体の大
型化に際し余剰反応度を低減するための条件である水ロ
ッド1本当たりの内横断面積14〜50cm2を満たすの
で、余剰反応度を低減でき炉停止余裕を増大させること
ができる。
【0058】一方、本願発明者等は、本実施例の燃料集
合体15において、上記水ロッド1本当たりの内横断面
積の最適化による炉停止余裕の増大の効果に加え、燃料
集合体平均の水対燃料体積比を最適化することによって
も炉停止余裕を増大させることができることが分かっ
た。以下、このことを図10を用いて説明する。
【0059】図10は、減速材のうち沸騰水(燃料集合
体15のチャンネルボックス21内の燃料棒1及び水ロ
ッド14間の沸騰水)の割合が一定(沸騰水横断面積/
燃料ペレット横断面積≒1.7、平均ボイド率40%で
従来技術と同じ)の条件下で、燃料集合体内の水対燃料
体積比を変化させて、冷温時及び運転時の無限増倍率の
変化と運転時冷温時反応度差の変化とを求めたものであ
る。図10において、従来の燃料集合体における水対燃
料体積比の値(約2.3)から水の体積比をが増加させ
ていくと、運転時においては、水による中性子の減速効
果が増大して無限増倍率は緩やかに増加するが、水対燃
料体積比をさらに増加させると水による中性子の吸収効
果が減速効果を上回るようになり無限増倍率は次第に緩
やかに減少するようになる。また冷温時においては、運
転時よりも水の密度が大きいために、図示する範囲にお
いては常に中性子の吸収効果のほうが減速効果を上回っ
ており、水の体積比の増加に伴って無限増倍率は常に減
少する。
【0060】図10より、燃料集合体平均の水対燃料体
積比=2.7以上であれば、従来以上に運転時冷温時の
反応度差を低減し炉停止余裕の増大に効果がある。一方
水対燃料体積比≒3.4で運転時における無限増倍率の
値が従来技術の値を下回ってしまう。したがって、燃料
集合体の大型化に際して炉停止余裕を増大させるために
は、燃料集合体平均の水対燃料体積比を2.7〜3.4
とすれば有効であることが分かった。
【0061】本実施例の燃料集合体15においては、水
対燃料体積比≒2.7であるので、上記条件を満たし、
運転時の反応度をあまり低下させることなく冷温時の反
応度を低減し余剰反応度を低減でき、炉停止余裕を増大
させることができる。
【0062】なお図8に示したチャンネルボックスを取
り除いた状態において上記の条件を考える場合は、燃料
集合体平均の水対燃料体積比の値として、燃料棒1の上
端部を束ねる上部タイプレート81(図2参照)の外縁
を鉛直下方に伸ばした面で囲まれる領域の減速材(沸騰
水及び非沸騰水)の横断面積の総和と燃料ペレット11
の横断面積の総和との比をとればよい。
【0063】次に本実施例の燃料集合体15を用いた炉
心においては、熱的余裕の向上の観点からの炉心の局所
出力ピーキング係数の低減に関し、本願発明者等は、径
方向の局所出力ピーキング係数とギャップ水領域/燃料
ペレット横断面積との関係を検討した結果、図11に示
す結果を得た。これは、図9に示す水ロッド内横断面積
/燃料ペレット横断面積と径方向局所出力ピーキング係
数との関係をH/U比が約6で一定であることからギャ
ップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面積と径方向局
所出力ピーキング係数との関係に換算したものであり、
図11において図9と異なる点は、横軸が燃料集合体の
水ロッド内横断面積/燃料ペレット横断面積でなく炉心
におけるギャップ水領域横断面積/燃料ペレット横断面
積となって数値が変わる点を除いて、定性的な傾向は図
9とほぼ同様である。すなわち、ギャップ水領域横断面
積/燃料ペレット横断面積の値が1.2付近になった以
後は局所出力ピーキング係数の値の低下は飽和してい
く。したがって、燃料集合体の大型化に際して局所出力
ピーキング係数を小さくするためには、ギャップ水領域
横断面積/燃料ペレット横断面積≧1.2とすることが
有効であることが分かった。
【0064】本実施例の燃料集合体15を用いた炉心に
おいては、水ロッド4の横断面積を増やして、ギャップ
水領域60の横断面積を減らすことによって、ギャップ
水領域横断面積/燃料ペレットの横断面積≒0.6であ
る。したがって、局所出力ピーキング係数の値を低減で
き、熱的余裕を増大することができる。
【0065】また本実施例の燃料集合体を用いた炉心に
おいては、炉停止余裕増大の観点からの炉心の余剰反応
度(運転時冷温時反応度差)の低減に関し、本願発明者
等は、実効増倍率及び運転時冷温時反応度差と炉心平均
の水対燃料体積比との関係を検討した結果、図12に示
す結果を得た。これは、図10に示す燃料集合体平均の
水対燃料体積比と無限増倍率及び運転時冷温時反応度差
との関係を炉心平均の水対燃料体積比と実効増倍率及び
運転時冷温時反応度差との関係に換算したものであり、
横軸が炉心平均の水対燃料体積比である(従来の炉心で
は約2.8)ことと燃料集合体の反応度を表す無限増倍
率でなく炉心の反応度を表す実効増倍率となることを除
いて、定性的な傾向は図10とほぼ同様である。すなわ
ち、水対燃料体積比=3.0以上であれば、従来以上に
運転時冷温時の反応度差を低減し炉停止余裕の増大に効
果があるが、水対燃料体積比≒3.5で運転時における
無限増倍率の値が従来技術の値を下回ってしまう。した
がって、燃料集合体の大型化に際して炉停止余裕を増大
させるためには、水対燃料体積比を3.0〜3.5とす
れば有効であることが分かった。
【0066】本実施例の燃料集合体15を用いた炉心に
おいては、水対燃料体積比≒3.3であるので、上記条
件を満足し、中性子スペクトルをソフトに(平均エネル
ギーを低く)して運転時冷温時反応度差を減少させて余
剰反応度を低減し、炉停止余裕を増大させることができ
る。
【0067】したがって、本実施例の燃料集合体15に
よっても、水ロッド14の横断面積を増やしてギャップ
水領域65の横断面積を減らし水ロッド内横断面積/燃
料ペレットの横断面積≒1.0とするので熱的余裕を確
保でき、また水ロッド14の横断面積≒20cm2として
余剰反応度を低減するので、炉停止余裕を確保できる。
またさらに本実施例の燃料集合体15によれば、燃料集
合体平均の水対燃料体積比≒2.7として余剰反応度を
低減するので、炉停止余裕を確保できる。よって、燃料
集合体を大型化して燃料集合体数を低減できるので、燃
料交換作業の省力化が可能となる。
【0068】また、本実施例の燃料集合体15を用いた
炉心によっても、ギャップ水領域65の横断面積を減ら
しギャップ水領域横断面積/燃料ペレットの横断面積≒
0.6とするので、局所出力ピーキング係数の値を低減
し熱的余裕を確保することができ、かつ、燃料集合体1
5において水ロッド1本当たりの内横断面積が20cm 2
であることによって上記炉停止余裕確保の効果を得る。
【0069】またさらに、本実施例の燃料集合体15を
用いた炉心によれば、上記炉停止余裕確保の効果に加
え、炉心平均の水対燃料体積比≒3.3として運転時冷
温時反応度差を減少し余剰反応度を低減するので、炉停
止余裕を確保することができる。よって、炉心における
燃料集合体数を低減できるので、燃料交換作業の省力化
が可能となる。
【0070】本発明の第3の実施例を図13により説明
する。本実施例の燃料集合体40の断面図を図13に示
す。第1の実施例と共通の部品については共通の番号で
示す。本実施例の燃料集合体40は、図1に示した第1
の実施例の燃料集合体10において、水ロッド4を、減
速材の流量が高いときには管内の水位が高く減速材の流
量が低いときには管内の水位が低くなる二重管水ロッド
42に置き換えたものである。その他の点は、第1の実
施例とほぼ同様である。なお、二重管水ロッド42につ
いては、特開昭63−73187に詳しい。
【0071】上記構成の燃料集合体40によれば、第1
の実施例の燃料集合体10により得られる熱的余裕・炉
停止余裕確保の効果に加え、流量制御によるスペクトル
シフトの効果を増幅できるので、ウラン濃縮度を低減す
ることができまた制御棒を挿入しない運転が可能とな
る。
【0072】また上記の燃料集合体40を装荷して構成
した炉心の実施例でも、ウラン濃縮度の低減や制御棒を
挿入しない運転に関し、燃料集合体40と同様の効果が
得られる。
【0073】本発明の第4の実施例を図14及び図15
により説明する。本実施例は本発明を水平断面が六角形
の燃料集合体に適用した実施例である。本実施例の燃料
集合体の断面図を図14に示す。第1及び第2の実施例
と共通の部品については共通の番号で示す。本実施例の
燃料集合体30においては、燃料集合体30の六角形の
一辺は約12cm、炉心(後述)を構成する際の燃料集合
体中心間距離Y≒22cm2であり大型化が図られてい
る。また燃料集合体30においては、チャンネルボック
ス22の内部にクラスタ制御棒7が挿入される構成とな
っており炉心を構成する際の燃料集合体間のギャップ水
領域を第1の実施例に比べさらに狭めているので、水ロ
ッド内横断面積/燃料ペレット横断面積比≒1.0と第
1の実施例に比しさらに大きくなっている。また水ロッ
ド1本当たりの内横断面積≒15cm2である。
【0074】以上の構成の本実施例の燃料集合体30に
おいて、本願発明者らは、第1の実施例において説明し
た図3における水ロッド内横断面積/燃料ペレット横断
面積と径方向局所出力ピーキングとの関係は、燃料集合
体の断面形状や燃料棒配列に関係なく本実施例の燃料集
合体30においても成立することを得た。本実施例の燃
料集合体30においては、水ロッド内横断面積/燃料ペ
レット横断面積≒1.0であるので、局所出力ピーキン
グを低減し熱的余裕を増大させることができる。
【0075】また本願発明者らは、第1の実施例におい
て説明した図4(a)及び図4(b)における水ロッド
1本当たりの内横断面積と無限増倍率及び運転時冷温時
反応度差との関係は、燃料集合体の断面形状や燃料棒配
列に関係なく本実施例の燃料集合体30においても成立
することを得た。本実施例の燃料集合体30においては
水ロッド1本当たりの内横断面積≒15cm2であるの
で、余剰反応度を低減し炉停止余裕を増大させることが
できる。
【0076】また本実施例の燃料集合体30を用いた炉
心を図15に示す。図のように、燃料集合体30は各辺
それぞれ1個合計6個の他の燃料集合体30に接する形
で蜂の巣状に配置され炉心を構成する。本実施例の燃料
集合体30を用いた炉心においては、上記燃料集合体3
0における熱的余裕の増大効果及び余剰反応度の低減に
よる炉停止余裕の増大効果が得られる。
【0077】したがって、本実施例の燃料集合体30に
よれば、チャンネルボックス22の内部にクラスタ制御
棒が挿入され水ロッド内横断面積/燃料ペレット横断面
積比≒1.0とするので熱的余裕を確保でき、また水ロ
ッド41の横断面積を15cm2として余剰反応度を低減
するので炉停止余裕を確保できる。よって、燃料集合体
を大型化して燃料集合体数を低減できるので、燃料交換
作業の省力化が可能となる。
【0078】また、本実施例の燃料集合体30を用いた
炉心によれば、上記効果と同様の効果を得る。
【0079】なお、上記第4の実施例において、燃料集
合体の断面形状を六角形としたが、三角形、菱形、円な
ど、その他の形状としても本発明は適用でき、同様の効
果を得る。
【0080】また以上の第1〜第4の実施例において
は、燃料として濃縮ウラン酸化物を、炉心構造材として
ジルカロイを、減速材及び冷却材として水をそれぞれ使
用したが、その他の燃料、構造材、減速材、冷却材を使
用した場合にも本発明は適用でき、同様の効果を得る。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、減速棒の減速材が満た
される部分の横断面積/燃料ペレットの横断面積の軸方
向平均値≧0.4とするので、熱的余裕を確保できる。
よって燃料集合体を大型化して燃料集合体数を低減し燃
料交換作業の省力化を図れる。
【0082】また、減速棒1本当たりの減速材の横断面
積を14〜50cm2とするので、余剰反応度を低減して
炉停止余裕を確保できる。よって燃料集合体を大型化し
て燃料集合体数を低減し燃料交換作業の省力化を図れ
る。さらに、上部タイプレートの外縁を鉛直下方に伸ば
した面で囲まれる水平断面における減速材の横断面積の
総和/燃料ペレットの横断面積の総和≒2.7〜3.4
とするので、余剰反応度を低減して炉停止余裕を確保で
きる。また減速棒の少なくとも1本を二重管水ロッドと
するので、流量制御によるスペクトルシフトの効果を増
幅してウラン濃縮度を低減できまた制御棒を挿入しない
運転が可能となる。
【0083】また、燃料集合体の周囲のギャップ水領域
に満たされた減速材の横断面積の総和/燃料ペレットの
横断面積の総和≦0.7とするので、局所出力ピーキン
グ係数の値を低減して熱的余裕を確保できる。よって炉
心における燃料集合体数を低減し燃料交換作業の省力化
を図れる。さらに吸収棒の表面積の総和/燃料棒の表面
積の総和≧0.20とするので、制御棒価値を高め炉停
止余裕を確保できる。また吸収棒の横断面積の総和/ギ
ャップ水領域の横断面積の総和≧0.4とするので、制
御棒価値を高め炉停止余裕を確保できる。さらに減速材
の横断面積の総和/燃料ペレットの横断面積の総和≒
3.0〜3.5とするので、余剰反応度を低減して炉停
止余裕を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の燃料集合体の水平断面
図である。
【図2】チャンネルボックスを取り外した状態の燃料集
合体の側面断面図である。
【図3】水ロッド内横断面積と燃料ペレット横断面積と
の比の変化に対する局所出力ピーキング係数の変化を示
す図である。
【図4】水ロッド1本当たりの内横断面積の変化に対す
る無限増倍率及び運転時冷温時反応度差の変化を示す図
である。
【図5】ギャップ水領域横断面積と燃料ペレット横断面
積との比の変化に対する局所出力ピーキング係数の変化
を示す図である。
【図6】吸収棒表面積と燃料棒表面積との比の変化に対
する炉停止余裕の変化を示す図である。
【図7】吸収棒横断面積とギャップ水領域横断面積との
比の変化に対する炉停止余裕の変化を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例の燃料集合体の水平断面
図である。
【図9】水ロッド内横断面積と燃料ペレット横断面積と
の比の変化に対する局所出力ピーキング係数の変化を示
す図である。
【図10】燃料集合体平均の水対燃料体積比の変化に対
する無限増倍率及び運転時冷温時反応度差の変化を示す
図である。
【図11】ギャップ水領域横断面積と燃料ペレット横断
面積との比の変化に対する局所出力ピーキング係数の変
化を示す図である。
【図12】炉心平均の水対燃料体積比の変化に対する実
効増倍率及び運転時冷温時反応度差の変化を示す図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施例の燃料集合体の水平断
面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の燃料集合体の水平断
面図である。
【図15】第4の実施例の燃料集合体を用いた炉心の水
平断面図である。
【符号の説明】
1 燃料棒 4 水ロッド 6 十字型制御棒 10 燃料集合体 11 燃料ペレット 14 水ロッド 15 燃料集合体 20 被覆管 21,22 チャンネルボックス 30 燃料集合体 40 燃料集合体 41 水ロッド 42 二重管水ロッド 60 ギャップ水領域 61 吸収棒 65 ギャップ水領域 81 上部タイプレート X 燃料集合体中心間距離 Y 燃料集合体中心間距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 洋子 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 持田 貴顕 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 曽根田 秀夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核分裂性物質を含む燃料ペレットを被覆
    管に充填した多数の燃料棒と核分裂により発生する中性
    子を減速する減速材を満たした少なくとも1本の減速棒
    とを有する燃料集合体において、 前記減速棒の減速材が満たされる部分の横断面積の総和
    と前記燃料ペレットの横断面積の総和との比の軸方向平
    均値が0.4以上であることを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料集合体において、前
    記減速棒1本当りの減速材が満たされる部分の横断面積
    が14〜50cm2であることを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃料集合体において、前
    記多数の燃料棒の上端部を束ねる上部タイプレートの外
    縁を鉛直下方に伸ばした面で囲まれる水平断面における
    前記減速材の横断面積の総和と前記燃料ペレットの横断
    面積の総和との比が2.7〜3.4であることを特徴と
    する燃料集合体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の燃料集合体において、前
    記減速棒の少なくとも1本は減速材の流量に対応して管
    内の水位が上下する二重管水ロッドであることを特徴と
    する燃料集合体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のいずれか1項記載の
    燃料集合体を有する炉心。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の炉心において、前記燃料
    集合体の周囲のギャップ水領域に満たされた減速材の横
    断面積の総和と前記燃料ペレットの横断面積の総和との
    比が0.7以下であることを特徴とする炉心。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の炉心において、中性子吸
    収材を含む複数の吸収棒を十字型断面形状に束ねて構成
    され前記燃料集合体の周囲のギャップ水領域に挿入され
    る制御棒を有し、前記吸収棒の表面積の総和と燃料棒の
    表面積の総和との比が0.20以上であることを特徴と
    する炉心。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の炉心において、中性子吸
    収材を含む複数の吸収棒を十字型断面形状に束ねて構成
    され前記燃料集合体の周囲のギャップ水領域に挿入され
    る制御棒を有し、前記吸収棒の横断面積の総和と前記ギ
    ャップ水領域の横断面積の総和との比が0.4以上であ
    ることを特徴とする炉心。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の炉心において、前記減速
    材の横断面積の総和と前記燃料ペレットの横断面積の総
    和との比が3.0〜3.5であることを特徴とする炉
    心。
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