JPH05230809A - 斜張橋のステーケーブル定着方法及び定着装置並びに防振装置 - Google Patents

斜張橋のステーケーブル定着方法及び定着装置並びに防振装置

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JPH05230809A
JPH05230809A JP3082292A JP3082292A JPH05230809A JP H05230809 A JPH05230809 A JP H05230809A JP 3082292 A JP3082292 A JP 3082292A JP 3082292 A JP3082292 A JP 3082292A JP H05230809 A JPH05230809 A JP H05230809A
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JP
Japan
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cable
fixing
stay
stay cable
tube
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JP3082292A
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English (en)
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Toshiyuki Kitsuta
敏之 橘田
Tsutomu Honda
勉 本田
Satoshi Hara
諭 原
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜張橋のステーケーブルの機械的強度を維持
しつつ、ステーケーブルの防錆効果を高め、ステーケー
ブル定着装置の構成を簡素化する。 【構成】 FRP材のステーケーブル5,5…を使用
し、外筒管26内にステーケーブル5,5…を挿通す
る。ステーケーブルの一端部5a,5a…を定着装置2
0により主塔2へ定着する。外筒管26とステーケーブ
ル5,5…との空間部に適宜間隔で防振装置31,31
…を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は斜張橋に関するものであ
り、特に、ステーケーブルの定着方法及び定着装置並び
に防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は此種斜張橋を示したものであり、
橋脚1,1の上部に主塔2,2を立設し、橋脚1,1及
び橋台3,3に橋桁4,4…を架設する。そして、主塔
2,2に複数のステーケーブル5,5…の一端部を定着
し、之等ステーケーブル5,5…の他端部を橋桁4,4
…に定着して支持してある。
【0003】図10は従来の斜張橋のステーケーブル定
着装置を示しており、主塔2の凹部6へ定着用プレート
7を当接し、定着ナット8により大径の定着管9を固定
する。ステーケーブル5,5…にはPC鋼材が使用さ
れ、外筒管10の中に之等ステーケーブル5,5…を挿
通してその一端部に夫々楔11,11…を固着し、楔定
着プレート12にて係止する。そして、定着管9内にグ
ラウト13を注入して凝結・硬化させ、楔定着プレート
12並びにステーケーブル5,5…の端部を固定する。
【0004】又、ステーケーブル5,5…の防錆のため
に外筒管10とステーケーブル5,5…との空間部にも
グラウト14を注入して硬化させ、更に、ケーシング管
15の端部に防振材16を配置して、外筒管10を支持
させてある。尚、符号17は保護キャップである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、前述したよう
に、ステーケーブル5,5…にPC鋼材を使用してお
り、その防錆のために、外筒管10の空間部にグラウト
14を注入して凝結・硬化させている。そして、ステー
ケーブル5,5…を交換する際には、外筒管10ごと取
り替える。従って、主塔2の凹部6にケーシング管15
を配置し、ここで外筒管10の取り外しを行っており、
構成が複雑になっている。又、その都度外筒管10も廃
棄するため、保守作業がコスト高になっている。
【0006】そこで、ステーケーブルの機械的強度を維
持しつつ高い防錆効果を有し、ステーケーブル交換時の
保守作業を簡素化するために解決すべき技術的課題が生
じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、主塔に複数のステー
ケーブルの一端部を定着し、之等複数のステーケーブル
の他端部を橋桁に定着して支持した斜張橋に於いて、外
筒管内にFRP材のステーケーブルを挿通し、外筒管及
びステーケーブルの一端部を定着装置にて主塔へ定着
し、この定着装置内にグラウトを注入して固化させ、更
に、前記外筒管とステーケーブルとの空間部の所々に、
適宜間隔で防振装置を介装したことを特徴とする斜張橋
のステーケーブル定着方法を提供するものである。
【0008】
【作用】本発明はステーケーブルにFRP材を使用して
いるため、防錆効果に関してはPC鋼材と比較して極め
て優れている。又FRP材はPC鋼材に匹敵する高強度
を有しているので、斜張橋の支持強度には何ら問題はな
い。そして、防錆効果の高いステーケーブルを使用する
ため、外筒管とステーケーブルの空間部には、所々に適
宜間隔で防振装置を介装すればよく、外筒管内へグラウ
トを注入する必要がない。
【0009】又、ステーケーブルの一端部は定着装置に
よって主塔に定着されるが、従来型のケーシング管が不
要であり、簡素化した定着装置であるため、FRP材の
ステーケーブルの緊張に対する疲労強度を高く維持で
き、ステーケーブル交換時の保守作業を簡便にすること
ができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図9に従
って詳述する。尚、図1に関しては従来技術ですでに説
明してあるので、再度の説明は省略する。図2は本発明
のステーケーブル定着装置20を示したものであり、主
塔2の凹部6へ定着用プレート21を当接し、定着管2
2を挿通する。後述するように、該定着管22内には予
め工場製作時にFRP材のステーケーブルの一端部5
a,5a…を挿入して、一次注入レジン23で定着して
あり、該定着管22へ定着ナット24を緊締して定着用
プレート21へ定着する。上記ステーケーブル5,5…
の一次定着により、斜張橋の静荷重(主として自重)を
支持する。
【0011】次に、上記ステーケーブルの一端部5a,
5a…を一次定着した後、現場施工によって定着用プレ
ート21の下部にグラウトを注入し、凝結・硬化させて
二次注入レジン25を形成する。このグラウトの注入の
手順としては種々の工程があり、本実施例では外筒管2
6の一部に開口孔27を開穿し、スライド自在な二重管
28を嵌着する。そして、図3に示すように、二重管2
8をスライドして開口孔27を露出させ、注入ホース2
9及びエア抜きホース30を定着用プレート21の下部
に至るまで挿入する。然る後、注入ホース29から定着
用プレート21の下部にグラウトを注入しながら、エア
抜きホース30で内部のエア抜きを行い、注入したグラ
ウトを凝結・硬化させて前記二次注入レジン25を形成
する。この二次定着により、ステーケーブル5,5…の
緊張力の変動即ち、斜張橋にかかる動荷重を支持する。
【0012】ここで、定着装置20内に注入するレジン
の特性について説明する。例えば、図4に示すように、
FRP材のステーケーブル5を定着管22内に挿通して
レジンRで定着した場合、ステーケーブル5とレジンR
との付着応力τは、後述するように定着管の入口22a
付近に集中する。図5は定着管の入口22aからの距離
Xに対するステーケーブル5とレジンRとの付着応力τ
の大きさを示し、実線で示す硬質レジンを使用した場合
は定着管の入口22a付近での付着応力τの集中が大き
く、破線で示す軟質レジンを使用した場合は定着管の入
口22a付近での応力集中が小さく、定着管22の奥の
方まで付着応力τが分散する。
【0013】従って、FRP材のステーケーブル5を架
設するときに、緊張力を定着するための一次注入レジン
23としては、確実な定着が可能である硬質レジンが適
している。軟質レジンは一般的にクリープが大であるた
め、長期間経過したときに緊張力が減少したり、或い
は、ステーケーブル5が抜け出してしまう等の虞があ
る。これに対して、動荷重のみを負担する二次注入レジ
ン25には軟質レジンが適している。動荷重は常時加わ
る荷重ではなく、繰り返し加わる疲労荷重なのでクリー
プの影響は小さく、寧ろ、耐疲労性を高めるために、応
力を分散して受ける軟質レジンがよい。
【0014】尚、硬質レジンは弾性係数E=200〜4
00Kg f/mm2 程度のレジンを使用し、微粉末や砂等を
添加すれば更に硬質にできる。又、軟質レジンは弾性係
数E=100〜200Kg f/mm2 程度のレジンを使用す
ればよい。ここで、図2に示したように、FRP材のス
テーケーブル5,5…は外筒管26の内部に挿通されて
いるが、FRP材は軽量であり且つ緊張力に対する強度
が大であるため、略直線状に架設することができる。然
し、外筒管26は自重により垂れ下がるので、ステーケ
ーブル5,5…が外筒管26を支えることになる。そし
て、外筒管26は風や通行車両等により振動するのでス
テーケーブル5,5…と接触し、FRP材のステーケー
ブル5,5…が損傷する虞があるため、ステーケーブル
5,5…と外筒管26との空間部には所々に適宜間隔で
防振装置31,31…を介装する。
【0015】図6及び図7は防振装置31の一例を示
し、ステーケーブル5,5…の周囲をウレタンフォーム
やゴム等の防振作用のある防振部材31aで被覆し、外
筒管26との空間部にスペーサー31bを介装して、ス
テーケーブル5が直接外筒管26に接触しないようにす
る。スペーサー31bの材質は、ステーケーブル5と同
様にFRP材が好ましいが、ステンレス鋼材や亜鉛メッ
キ鋼材等の防錆効果の高いものを使用してもよい。従っ
て、従来型のように、ステーケーブル5,5…と外筒管
26との空間部にグラウトを注入しない。
【0016】前述した防振装置31は防振部材31a自
体の防振作用によって外筒管26の振動を防止するが、
外筒管26との空間部に適宜間隔で防振装置31,31
…を介装すれば、極めて高い防振効果を発揮する。図8
はステーケーブル5と外筒管26との空間部に防振装置
31を介装しない場合の振動状態を示し、図9はステー
ケーブル5と外筒管26との空間部に防振装置31,3
1…を介装した場合の振動状態を示す。図8の防振装置
がない場合は一次の振動モードが卓越し、図9の防振装
置31,31…がある場合は外筒管26の振動が防止さ
れ、高次の振動モードが卓越するので共振周波数が高く
なり、極めて揺れにくい構造となる。
【0017】次に、防振装置31の設置による共振周波
数の変化の計算例を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】防振装置の設置間隔が短いほど共振周波数
が高くなって揺れにくいのであるが、工事現場の施工性
と経済性とを考慮すれば、2〜3mが適当な設置間隔で
ある。この結果、外筒管26及びステーケーブル5の双
方とも揺れにくくなり、橋桁上を通行する車両による振
動や風による振れを抑制し、定着装置に加わる疲労を軽
減できる。
【0020】又、図2に示すように、外筒管26の上端
部は定着用プレート21の裏面に達する位置まで主塔2
に埋設されており、従来型で使用していたケーシング管
は不要となり、定着装置20の構成を簡素化できる。
尚、符号32は保護キャップである。そして、ステーケ
ーブル5,5…を交換する際には、外筒管26を取り外
すことなくステーケーブル5,5…のみを取り替える。
従って、外筒管26は再使用でき、ケーブル交換作業を
安価に行うことができる。
【0021】尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない
限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該
改変されたものに及ぶことは当然である。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記一実施例に詳述したよう
に、FRP材のステーケーブルを使用するため、機械的
強度を維持しつつ高い防錆効果が得られる。又、外筒管
とステーケーブルとの空間部には防錆のためのグラウト
を注入せず、防振装置を介装するため動荷重に対して定
着装置に加わる疲労を軽減でき、定着装置の構成も簡素
化される。更に、ケーブル交換時の保守作業がコストダ
ウンできる等、正に諸種の効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜張橋の正面図。
【図2】本発明の一実施例のステーケーブル定着装置の
要部断面図。
【図3】二次注入レジンの注入工程を示す定着装置の要
部断面図。
【図4】FRP材のステーケーブルを挿通して定着した
定着管の断面図。
【図5】定着管の入口からの距離と付着応力との関係を
示すグラフ。
【図6】防振装置の一部切欠正面図。
【図7】図6のA−A線断面図。
【図8】防振装置のない場合の振動モードを説明する正
面図。
【図9】防振装置のある場合の振動モードを説明する正
面図。
【図10】従来型のステーケーブル定着装置の要部断面
図。
【符号の説明】
1 橋脚 2 主塔 3 橋台 4 橋桁 5 ステーケーブル 6 凹部 20 定着装置 21 定着用プレート 22 定着管 23 一次注入レジン 24 定着ナット 25 二次注入レジン 26 外筒管 31 防振装置 31a 防振部材 31b スペーサー 32 保護キャップ R レジン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主塔に複数のステーケーブルの一端部を
    定着し、之等複数のステーケーブルの他端部を橋桁に定
    着して支持した斜張橋に於いて、外筒管内にFRP材の
    ステーケーブルを挿通し、外筒管及びステーケーブルの
    一端部を定着装置にて主塔へ定着し、この定着装置内に
    グラウトを注入して固化させ、更に、前記外筒管とステ
    ーケーブルとの空間部の所々に、適宜間隔で防振装置を
    介装したことを特徴とする斜張橋のステーケーブル定着
    方法。
  2. 【請求項2】 定着管内にFRP材のステーケーブルの
    一端部を挿入し、該定着管に硬質レジンのグラウトを注
    入後固化させて一次注入レジンとし、主塔に定着プレー
    トを当接して該定着管を挿通するとともに、定着ナット
    により該定着管を固定してステーケーブルの一端部を一
    次定着し、更に、軟質レジンのグラウトを注入後固化さ
    せて二次注入レジンとし、ステーケーブルを二次定着し
    たことを特徴とする請求項1記載の斜張橋のステーケー
    ブル定着装置。
  3. 【請求項3】 FRP材のステーケーブルの周囲を防振
    部材で被覆し、外筒管と防振部材との空間部にスペーサ
    ーを介装したことを特徴とする請求項1記載の斜張橋の
    ステーケーブル防振装置。
JP3082292A 1992-02-18 1992-02-18 斜張橋のステーケーブル定着方法及び定着装置並びに防振装置 Withdrawn JPH05230809A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10152810A (ja) * 1996-11-26 1998-06-09 Shinko Kosen Kogyo Kk 連結ケーブル
ES2332442A1 (es) * 2008-07-11 2010-02-04 Universidad De Granada Estructura autotensada para puente de material compuesto.
CN109826083A (zh) * 2019-03-08 2019-05-31 北京工业大学 一种cfrp片材型拉索矮塔斜拉桥

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