JP5716117B1 - 既設桁橋のヒンジ部補強方法および補強構造 - Google Patents

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【課題】既設桁橋におけるヒンジ部の抜本的な補強方法および補強構造を提供してヒンジ部をほぼ完璧に補強し、橋梁全体を連続化する補強構造にして、使用期間中の破損と劣化を防ぐと共に、安全で快適な走行性を確保すること。【解決手段】所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部を切断して撤去し、打ち替え範囲内の所要箇所にジャッキ4を設置し、ジャッキ4の押出により打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力を与え、ジャッキ4を押し出した状態で打ち替え範囲にコンクリートを打設して硬化させ、コンクリート硬化後にジャッキ4を緩めて取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与する。これにより、打ち替え部の施工時の初期ひび割れ発生および供用時のひび割れ発生を抑制し、橋面からの雨水などの水分供給によるコンクリートの劣化を防ぐことができる。【選択図】図5

Description

本発明は、ヒンジを有する連続PC桁橋における既設桁橋のヒンジ部補強方法および補強構造に関するものである。
この種の支間中央部にヒンジを有する連続PC桁橋は、ヒンジにより任意の橋脚から進められ、分割施工ができることと、断面力が施工時と供用時でほぼ一致するという利点がある。また、連続桁橋の支間の中間部に適当なヒンジを挿入した形式で、ゲルバー桁橋と呼ばれるものがあり、ヒンジがあるため静定構造となり、上部構造内に無理な応力や変形が生じないため有利となり、全体の桁高が小さくて済む等という長所がある。
上記のようなヒンジ部を有する連続PC桁橋は古くから数多く建設されてきたが、近年、通過車両の重量制限が緩和され上昇することによってヒンジ部の破損、または、橋面からの雨水で水分供給が多いなどにより、ヒンジ部の劣化現象が急増してきたため、補強を施すことが必要となった。また、高速道路では車両が高速走行時に、ヒンジ部で発生する騒音や振動が走行性を阻害することにより、ヒンジ部を連続化して走行性を高めるように、いわゆるノージョイント化することが要求されており、そのためにヒンジ部の補強構造および補強方法については複数の技術が公知になっている。
その公知に係る第1の従来技術としては、ゲルバー橋の定着げたに支承される吊りげたのヒンジ部近傍の桁下側に橋軸直角方向に設けられたH鋼と、該H鋼の両端部に設けられたジャッキと、該ジャッキにより鉛直方向に移動可能に設けられた偏向具と、前記吊りげたを支承する側の、前記定着げた端部の側面、並びに前記定着げたに支承される側の、前記吊りげた端部の側面に、橋軸直角方向に延在する横締めPC鋼材によってプレストレスが導入され、前記定着げたと前記吊りげたとにそれぞれ一体化されて、少なくとも前記偏向具よりも高い位置になるように格別に設けられたブラケットと、前記定着げたの端部と前記吊りげたの端部との間隙に充填された充填材と、前記偏向具に掛けられて、前記両ブラケット間に張設された外ケーブルとを備えたことを特徴とする、ゲルバー橋ヒンジ部の補強構造および補強方法である(特許文献1参照)。
この補強構造によれば、外ケーブルの緊張力により吊りげたを引き揚げるので、補強効果を積極的に得ることができる。また、吊り梁のごとき強度上の問題等はないので、T桁橋以外の橋、例えば箱桁橋等にも施工することができる。また、吊り梁のように高架下から見て目立つものはないので、景観を損なうことはない、というものである。
また、公知に係る第2の従来技術としては、ゲルバー橋の定着げたに支承される側の、吊りげたの端部下面に設けられた定着ブラケットと、該定着ブラケットに下端が至り、前記吊りげたに上端が至るように前記定着ブラケットと前記吊りげたとに、緊張されて埋設された補強材と、前記定着げたの端部と前記吊りげたの端部との間隙に充填された充填材と、前記定着げたから前記定着ブラケットに向かって斜め下方に延在するように、前記吊りげたを支承する側の、前記定着げたの端部近傍に上端が固定され、前記定着ブラケットに下端が固定されて、緊張された斜吊材とを備えたことを特徴とする、ゲルバー橋ヒンジ部の補強構造および補強方法である(特許文献2参照)。
この補強構造によれば、外ケーブルの緊張力により吊りげたを引き揚げるので、補強効果を積極的に得ることができる。また、吊り梁のごとき強度上の問題等はないので、T桁橋以外の橋、例えば箱桁橋等にも施工することができる。また、吊り梁のように高架下から見て目立つものはないので、景観を損なうことはない、というものである。
特開平09−235705号公報 特開平09−235706号公報
前記第1および第2の従来技術においては、外ケーブルまたは斜吊鋼棒などの補強材を用いることによって、ヒンジ部および桁の応力が改善されているものの、劣化または破損されたヒンジ部のコンクリートに対しては、抜本的な補強対策とはなっていないのである。特に、橋面からの雨水による水分供給の多いヒンジ部周辺では、以後もアルカリ骨材反応(ASR)による劣化の進行が当然のこととして予想される。また、偏向具やブラケットを橋梁外側面に突出させて余剰に形成されていること、および外ケーブルや斜吊鋼棒が外側面に露出した状態で張設されていることにより、橋梁の美観を著しく損ねるという問題点を有している。
そこで、本発明は、ヒンジ部の抜本的な補強方法を提供してヒンジ部をほぼ完璧に補強し、橋梁全体を連続化する補強構造にして、使用期間中の破損と劣化を防ぐと共に、安全で快適な走行性を確保することを目的とするものである。
本発明は上記目的を達成するための具体的手段として、第1の発明は、既設桁橋におけるヒンジ部の補強方法であって、所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部を切断して撤去し、該打ち替え範囲内の所要箇所にジャッキと共に該ジャッキを囲う枠を設置し、該ジャッキの押出により打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力を与え、前記ジャッキを押し出した状態で上記打ち替え範囲にコンクリートを打設して硬化させ、該コンクリート硬化後にジャッキを緩めて枠と共に取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与することを特徴とする既設桁橋のヒンジ部補強方法を提供するものである。
この第1の発明においては、前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで鉄骨鋼材を配置し、増し打ちコンクリートで橋桁と一体化すること;および前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで外ケーブルを配置し、増し打ちコンクリートで偏向部と定着部を設けて橋桁と一体化し、前記外ケーブルを定着部に緊張定着することにより、打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与すること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る第2の発明として、既設桁橋におけるヒンジ部において、所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部が切断して撤去され、該打ち替え範囲内の所要箇所にジャッキと共に該ジャッキを囲う枠が設置され、該ジャッキの押出による打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力が与えられ、前記ジャッキの押し出し状態で上記打ち替え範囲にコンクリートが打設されて硬化し、該コンクリート硬化後にジャッキを緩めて枠と共に取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスが付与されることを特徴とする既設桁橋のヒンジ部補強構造を提供するものである。
この第2の発明においては、前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで鉄骨鋼材が配置され、増し打ちコンクリートで橋桁と一体化されること;および前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで外ケーブルを配置され、増し打ちコンクリートで偏向部と定着部が設けられて橋桁と一体化され、前記外ケーブルが定着部に緊張定着されることにより、打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスが付与されること、を付加的な要件として含むものである。
本発明に係るヒンジ部補強方法および補強構造によれば、以下に示す通りの効果を奏する。
1.打ち替え範囲(打ち替え部)にジャッキを設置して押し出した状態で、即ち、ジャッキを作動させてストロークを延ばしてジャッキの押出により打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力を与えている状態でコンクリートを打設し、コンクリート硬化後にジャッキを緩めて(延ばしてあったストロークを元に戻す)取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与することにより、打ち替え部の施工時の初期ひび割れ発生および供用時のひび割れ発生を抑制し、橋面からの雨水などの水分供給によるコンクリートの劣化を防ぐことができると共に、ヒンジ部を連続化した打ち替え部に引張力が生じにくい状態になり応力改善に寄与する効果が顕著である。
2.打ち替え部に配置した鉄骨鋼材により、打ち替え部の断面耐力が大幅に向上し、ヒンジ部が連続した状態になるので、供用中の破損を防ぐことができるという優れた効果を奏する。
3.打ち替え部に外ケーブルを配置して緊張定着することにより、打ち替え部に所要のプレストレス力が導入されてフルプレストレス状態にすることが可能となるので、構造性能が大幅にアップされるという優れた効果を奏する。
4.既設ヒンジ部を連続化したことにより、車両の高速走行で発生する騒音や振動を減らすことができるので、安全で快適な走行性を確保できるという優れた効果を奏する。
本発明が適用される最も一般的な箱桁で構成された既設のPC桁橋であって、(a)は支間の中央部にヒンジ部を有する既設桁橋を、(b)は中間部にヒンジ部を有する既設桁橋をそれぞれ略示的に示した説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係るヒンジ部補強方法の工程で、ヒンジ部を切断除去して打ち替え範囲を示す要部を拡大して示した説明図である。 図1のA−A線に沿う略示的断面図である。 同ヒンジ部補強方法において、切断面をウォータージェットでコンクリートを削って鉄筋等の一部を露出させた状態を示す要部の側面図である。 同ヒンジ部補強方法において、打ち替え範囲の所要箇所にジャッキを設置して押出により打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力を与えている状況を略示的に示した要部の側面図である。 図5のA−A線に沿う略示的断面図である。 同ヒンジ部補強方法において、打ち替え範囲に接続鉄筋を配設した状況を略示的に示した要部の側面図である。 同ヒンジ部補強方法において、打ち替え範囲に新設コンクリートを打設した状況を略示的に示した要部の側面図である。 図8のA−A線に沿う略示的断面図である。 同ヒンジ部補強方法において、打ち替え範囲に打設した新設コンクリートが硬化した後に、ジャッキを取り外して新設コンクリートにプレストレスが導入された状況を略示的に示した要部の側面図である。 図10のA−A線に沿う略示的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るヒンジ部補強方法を略示的に示した要部の側面図である。 図12のA−A線に沿う略示的断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るヒンジ部補強方法を略示的に示した要部の側面図である。 図14のA−A線に沿う略示的断面図である。 図14のB−B線に沿う略示的断面図である。
本発明を図示の複数の実施の形態に基づいて詳しく説明する。まず、図1〜11に示した第1の実施の形態に係る既設桁橋Gのヒンジ部補強方法および補強構造において、図1は、例えば、橋脚Pに架設してある既設のPC橋桁1を示すものであって、該橋桁1が最も一般的な箱桁で構成され、支間の中央部又は中間部にヒンジ部2を有するものである。
上記のような既設桁橋Gのヒンジ部2を補強するに当たって、図2に示したように、ヒンジ部2を含む両側の橋桁1を所要範囲に渡って打ち替え範囲aとして分割切断して除去する。この場合の分割切断は、例えば、仮支柱等で分割切断する部分を支持した状態で、例えば、ワイヤーソー等の切断手段を用いて分割切断し、その分割切断した部分は、そのままクレーンでつり上げて搬出する。
橋桁1の両側の切断面には、図3に示したように、PC橋桁1内に配設されていた鉄筋3および既設PC鋼材(図示省略)が切断されてその端面が露出している。この橋桁1の切断面において、図4に示したように、ウォータージェットによりコンクリートを所要厚さ削り取って、鉄筋3およびPC鋼材を所要長さ突出させ、PC鋼材については、その先端部に楔式定着具を取り付けて再定着する。なお、既設PC鋼材については、既設の定着具を撤去して再定着するまでは、グラウトによる付着のみで定着状態となるため、既設のグラウト状態を確認し、必要に応じてグラウト再充填作業を行う場合もある。
次に、図5と図6に示したように、既設橋桁1の両側の切断面、即ち、打ち替え範囲a間の所要箇所に複数のジャッキ4を配置し、該ジャッキ4をそれぞれ均等に押し出し、即ち、ジャッキ4を作動させてストロークを延ばし、該押出力によって打ち替え範囲aにおける両側の橋桁1の断面に圧縮力(矢印b)を与えて弾性変形させる。その後に、図7に示したように、露出させた両側の鉄筋3に、新たな接続鉄筋5を、例えば、エンクローズ溶接により軸方向に接続すると共に、必要な補強筋(図示せず)、例えば、スターラップ筋を配筋する。
続いて、打ち替え範囲aを取り囲むように既設橋桁1と同様の箱桁状に、上面は開放状態に型枠を組むと共に、ジャッキ4の周りに打設するコンクリートが入り込まないように枠6で囲って型枠を組み、ジャッキ4を押し出した状態のままで、図8と図9に示したように、上面の開放部から打ち替え範囲a内に新設コンクリート7を打設する。
新設コンクリート7を打設後に、養生して新設コンクリート7が硬化した後に、図10と図11に示したように、型枠を取り外すと共にジャッキ4を緩めて(延ばしてあったストロークを元に戻して)取り外し、枠6も取り外して回収すると、両側の桁橋1の断面に予め付与されていた圧縮力が開放され、橋桁1の弾性変形が戻ることによって、打ち替え範囲aに打設した新設コンクリート7にプレストレス(矢印c)が付与される。また、ジャッキ4と枠6が取り外された凹部6a内には、例えば、無収縮モルタル等の充填材8を詰めて埋める。
このように打ち替え範囲a内に打設した新設コンクリート7にプレストレスが付与されて形成されることによって、劣化または破損されたヒンジ部が既設橋桁1と連続化した状態で補強され、施工時の初期ひび割れ発生を抑制できるばかりでなく、使用時のひび割れ発生を抑制することができるのである。なお、使用されるジャッキとしては、油圧ジャッキ、ネジジャッキまたはボルトジャッキのいずれでも良く、特に、限定されるものではない。また、打ち替え範囲aに打設されるコンクリートは、膨張コンクリートを用いることが好ましい。つまり、ジャッキで導入されたプレストレスと併せて、より一層初期ひび割れ防止効果が得られる。
次に、図12と図13に示した第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態に係る構成要件に、さらにヒンジ部補強の強度アップを図る構成を付加したものである。
即ち、前記第1の実施の形態で説明した打ち替え範囲a内に新設コンクリート7を打設し、プレストレスを導入して既設橋桁1を連続化した後に、橋桁1の長手方向において箱桁の内側両側面側に沿って打ち替え範囲aを超えて両側の橋桁1に至る長さの、例えば、H形鋼からなる鉄骨鋼材10を配置し、該鉄骨鋼材10の両端部には端部プレート11を溶接等で一体的に取り付け(貼り付け)てあって、鉄骨鋼材10の周りに増し打ちコンクリート12を打設して橋桁1と一体的に形成させる。このように鉄骨鋼材10の両端部に設けた端部プレート11によって増し打ちコンクリート12に強固に定着され、鉄骨鋼材10のみの場合に比べて鉄骨鋼材10の長さを短くできるので、施工が簡単になる。なお、図示省略するが、橋桁1から必要なアンカー筋を出して増し打ちコンクリート12との一体化する方法は従来通りとする。
また、鉄骨鋼材10を構成するH形鋼のフランジにスタッドボルト13を取り付けて増し打ちコンクリート12との付着を高めることが望ましい。さらに、端部プレート11にアンカー筋(異形鉄筋)14をナットを介して取り付けることによって、増し打ちコンクリート12との定着力が高くなり、大きな断面を持つ鉄骨鋼材10でも定着長さを短くして断面耐力を大幅に増加させることが可能となる。また、図示していないが、鉄骨鋼材10の配置と共に、第1の実施の形態と同様な接続鉄筋を配置することが好ましい。
さらに、図14〜図16に示した第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態も、前記第1の実施の形態に係る構成要件に、さらにヒンジ部補強の強度アップを図る構成を付加したものである。
即ち、前記第1の実施の形態で説明した打ち替え範囲a内に新設コンクリート7を打設し、プレストレスを導入して既設橋桁1を連続化した後に、前記第2の実施の形態に係る鉄骨鋼材に代えて、橋桁1の長手方向において打ち替え範囲aを超えて両側の既設橋桁1に至る長さの複数の外ケーブル15を、箱桁の内側に配設して緊張定着したものである。この場合に、新設コンクリート7の両端部側に鉛直補強リブ16を、底部に偏向部17を増し打ちコンクリートでそれぞれ一体的に設けると共に、既設橋桁1の箱桁内に外ケーブル15の両端部を定着するための定着部18も増し打ちコンクリートにより所要箇所に設け、前記偏向部17を挿通した外ケーブル15の両端部を前記定着部18において、定着具19により緊張定着する。
なお、図示は省略するが、橋桁1から必要なアンカー筋を出して、鉛直補強リブ16と偏向部17及び定着部18の増し打ちコンクリートと一体化する方法は従来通りとする。
偏向部17には、鋼管やPE管等の外ケーブル15挿通用の偏向管が打ち込まれており、外ケーブル15は、保護管とその内部に挿入されたアンボンドPC鋼より線とからなり、保護管には高密度ポリエチレン管、塩化ビニール管、FRP管または鋼管等が用いられ、PC鋼より線としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂または亜鉛メッキで表面を防錆処理したものが使用される。
そして、外ケーブル15を緊張定着することによって、打ち替え範囲aの新設コンクリート7に所要のプレストレスを導入してフルプレストレス状態にすることができる。要するに、前記第1の実施の形態で、ジャッキ4により付与されたプレストレスが、主として初期ひび割れ防止に効果的に寄与すると認められるが、供用期間中の荷重や振動に対して不足する場合に、前記第2の実施の形態に係る鉄骨鋼材10の配置も含めて、外ケーブル15を配置してプレストレスを導入しておくことで、その不足分を補うことができるのである。
以上の実施の形態については、中央ヒンジ部を有する一般的な箱桁で構成された既設桁橋の補強について説明したが、ゲルバーヒンジ部を有する既設ゲルバー桁橋についても当然のこととして適用できることは云うまでもない。また、前記いずれの実施の形態については、発明の本質に係わる部分だけを図示して説明したが、従来から当然のこととして行って来た技術は、図示して説明するまでもなく採用できるのである。例えば、第1の実施の形態においては、軸方向に配設した接続鉄筋以外に、必要な補強筋(スターラップ筋や帯筋等)の配筋状況は省略し、第2及び第3の実施の形態においては、橋桁からアンカー筋を出して増し打ちコンクリートと一体化させる状況等を省略してある。
本発明に係る既設桁橋のヒンジ部補強方法および補強構造は、所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部を切断して撤去し、該打ち替え範囲a内の所要箇所にジャッキ4を設置し、該ジャッキ4の押出により打ち替え範囲aの両側の橋桁断面に圧縮力を与え、前記ジャッキ4を押し出した状態で上記打ち替え範囲にコンクリート7を打設して硬化させ、該コンクリート硬化後にジャッキ4を緩めて取り外すことによって打ち替え範囲a内のコンクリートにプレストレスを付与する構成にしたことにより、打ち替え部の施工時の初期ひび割れ発生および供用時のひび割れ発生を抑制し、橋面からの雨水などの水分供給によるコンクリートの劣化を防ぐことができると共に、ヒンジ部を連続化した打ち替え部に引張力が生じにくい状態になり応力改善に寄与する効果が顕著であるばかりでなく、ヒンジ部を連続化したことにより、車両の高速走行で発生する騒音や振動を減らすことができるので、安全で快適な走行性を確保できるのであり、既設のこの種桁橋に広く利用できる。
G 既設桁橋
P 橋脚
1 橋桁
2 ヒンジ部
3 鉄筋
4 ジャッキ
5 接続鉄筋
6 枠
6a 凹部
7 新設コンクリート
8 充填材
10 鉄骨鋼材
11 端部プレート
12 増し打ちコンクリート
13 スタッドボルト
14 アンカー筋(異形鉄筋)
15 外ケーブル
16 鉛直補強リブ
17 偏向部
18 定着部
19 定着具
a 打ち替え範囲(打ち替え部)
b 圧縮力の方向を示す矢印
c プレストレスの方向を示す矢印

Claims (6)

  1. 既設桁橋におけるヒンジ部の補強方法であって、
    所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部を切断して撤去し、
    該打ち替え範囲内の所要箇所にジャッキと共に該ジャッキを囲う枠を設置し、該ジャッキの押出により打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力を与え、
    前記ジャッキを押し出した状態で上記打ち替え範囲にコンクリートを打設して硬化させ、
    該コンクリート硬化後にジャッキを緩めて枠と共に取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与すること
    を特徴とする既設桁橋のヒンジ部補強方法。
  2. 前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで鉄骨鋼材を配置し、増し打ちコンクリートで橋桁と一体化すること
    を特徴とする請求項1に記載の既設桁橋のヒンジ部補強方法。
  3. 前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで外ケーブルを配置し、増し打ちコンクリートで偏向部と定着部を設けて橋桁と一体化し、
    前記外ケーブルを定着部に緊張定着することにより、打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスを付与すること
    を特徴とする請求項1に記載の既設桁橋のヒンジ部補強方法。
  4. 既設桁橋におけるヒンジ部において、
    所定の打ち替え範囲で既設ヒンジ部が切断して撤去され、
    該打ち替え範囲内の所要箇所にジャッキと共に該ジャッキを囲う枠が設置され、該ジャッキの押出による打ち替え範囲の両側の橋桁断面に圧縮力が与えられ、
    前記ジャッキの押し出し状態で上記打ち替え範囲にコンクリートが打設されて硬化し、
    該コンクリート硬化後にジャッキを緩めて枠と共に取り外すことによって打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスが付与されること
    を特徴とする既設桁橋のヒンジ部補強構造。
  5. 前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで鉄骨鋼材が配置され、増し打ちコンクリートで橋桁と一体化されること
    を特徴とする請求項4に記載の既設桁橋のヒンジ部補強構造。
  6. 前記打ち替え範囲に亘って両側の橋桁長手方向に所要長さまで外ケーブルを配置され、増し打ちコンクリートで偏向部と定着部が設けられて橋桁と一体化され、
    前記外ケーブルが定着部に緊張定着されることにより、打ち替え範囲内のコンクリートにプレストレスが付与されること
    を特徴とする請求項4に記載の既設桁橋のヒンジ部補強構造。
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