JPH05229064A - 多層構造体 - Google Patents

多層構造体

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JPH05229064A
JPH05229064A JP4072422A JP7242292A JPH05229064A JP H05229064 A JPH05229064 A JP H05229064A JP 4072422 A JP4072422 A JP 4072422A JP 7242292 A JP7242292 A JP 7242292A JP H05229064 A JPH05229064 A JP H05229064A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 PVA100重量部に対して15重量部以上
の可塑剤を含むPVAフィルム層の両側にゴム層を有す
る多層構造体。 【効果】 本発明の多層構造体はガスバリヤー性および
0℃以下の低温での柔軟性に優れており、かつ層間接着
力も良好であり、ダイヤフラム等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)フイルム層とゴム層とから
なる低温柔軟性およびガスバリヤー性に優れた多層構造
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、給湯および冷・暖房システムの膨
張タンクならびに自動車ブレーキおよびサスペンション
などの油圧システムのアキュームレーターに使用される
ダイヤフラムには、低温柔軟性とガスバリヤー性が必要
とされることから、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム(NBR)、ブチルゴム等のゴム製品が使用さ
れてきたが、近年、各種分野においてゴム単独では充分
に対応できない事態に至っている。例えば、給湯および
冷・暖房システムの膨張タンクのダイヤフラムにはブチ
ルゴムが使用されていたが、ブチルゴム製のダイヤフラ
ムの場合には封入窒素ガスの圧力が経時的に低下してく
るために、数ケ月〜1年毎に窒素ガスを封入して窒素ガ
スの圧力を調節することが必要であり、窒素ガスを封入
して窒素ガスの圧力を調節する手間を回避するために、
ゴムの窒素ガス透過性を従来の1/5〜1/10以下に
低減することが望まれていた。また、自動車ブレーキ用
およびサスペンション用のアキュムレーターにはゴム製
のダイヤフラムが使用されていたが、この場合にも封入
窒素ガスの圧力が経時的に低下してくるために、1〜3
年でダイヤフラムを取り替える必要があった。
【0003】ダイヤフラムのガスバリヤー性を改善する
方法としては、ゴムとPVAフィルムを複合することが
提案されている(特開平2−270552号、特開平3
−24938号、特開平3−39381号)。これらの
方法において、本来は硬い樹脂であるPVAを柔軟化す
るために、PVA100重量部に対してグリセリンなど
のポリオール系可塑剤を10重量部程度添加することが
推奨されている。PVA100重量部に対して可塑剤1
0重量部程度の添加では、PVAフィルムのガスバリヤ
ー性及び常温付近での柔軟性は良好であるが、0℃以下
での柔軟性が不十分であり、特に自動車用のダイヤフラ
ムでは0℃以下(最低使用温度:−40℃)で使用され
る場合には短期間の使用でダイヤフラムの破損が生じる
という問題があった。このような低温における柔軟性を
付与するためには、PVAに可塑剤を多量に添加すれば
良いが、可塑剤を多量に添加するとガスバリヤー性の低
下が問題になる。ガスバリヤー性の低下を補うためには
PVAフィルムを厚膜にすれば良いが、PVAフィルム
の製法は溶剤を多量に含む、所謂、乾式製膜法が採用さ
れているために、厚膜の製造は困難であった。さらに可
塑剤を多量に添加すると可塑剤の滲出のために、PVA
フィルムとゴムとの接着力が低下するという問題があっ
た。また、特開平2−270552号によると、PVA
フィルムから可塑剤が揮散するのを防ぐ目的でPVAフ
ィルムとゴムとの間にフッソ系樹脂フィルムの使用が提
案されているが、フッソ系樹脂フィルムを使用した場合
にはPVAフィルムとゴムとの層間の安定した接着力が
得にくい上に、層間接着力が経時的に低下し易いという
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のPVA
フィルムでは達成できなかった、0℃以下の低温におい
ても良好な柔軟性を保持し、ガスバリヤー性に優れ、か
つゴムとの良好な接着性を有するダイヤフラム用のPV
Aフィルム系複合体を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、PVA100重量部
に対して15重量部以上の可塑剤を含むPVAフィルム
層の両側にゴム層を有する多層構造体を見出し、本発明
を完成させるに至った。PVAの重合度および鹸化度
は、フィルム強度の観点から、重合度は500以上が好
ましく、1000以上がより好ましく、鹸化度は90モ
ル%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましい。
【0006】本発明のPVAフィルムに使用されるPV
Aとしては、酢酸ビニルを重合して得たポリ酢酸ビニル
を鹸化することにより得られた通常のPVAなどが使用
できる。これらの通常のPVAのほかに、不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘
導体、炭素数2〜30のα−オレフィン等からなる構成
単位を15モル%未満含有する変性ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセター
ル、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール等
も用いることができる。本発明の可塑剤としては、各種
のポリオール類が使用されるが、中でもグリセリン、ジ
グリセリン、トリグリセリン等のトリオール類、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール等のグリコール類が好ましく、
これらのなかでも可塑効果および耐揮発性のバランスの
点でグリセリン、ジエチレングリコール、ジグリセリン
の単独あるいは混合使用がより好ましい。
【0007】PVAフィルム層のPVA中の可塑剤の含
有量は、PVA100重量部に対して15重量部以上で
あることが必要であり、−40℃の極低温での使用を考
えると可塑剤含有量は20重量部以上が好ましい。可塑
剤の含有量が15重量部未満では、0℃以下の低温での
柔軟性が低下する。可塑剤含有量の上限については特に
限定はないが、ゴムの加硫時の耐熱性を保持する点か
ら、100重量部以下が好ましく、60重量部以下がよ
り好ましい。本発明のPVAフィルムの厚みは、ガスバ
リヤー性の点から100μm以上が好ましく、特に可塑
剤含有量が20重量部以上の場合にはPVAフィルムの
厚みは200μm以上が好ましい。厚みが100μm以
上のPVAフィルム層の製造方法については特に制限は
ないが、製造コストの点からは、厚みが50〜100μ
mのPVAフィルムを複数積層する方法が好ましい。
【0008】PVAフィルムを積層する方法としては、
特開平3−39381号および特開平3−24938号
によると、水あるいは水+ポリオール混合物を利用する
方法、あるいはPVA水溶液を利用する方法が提案され
ているが、これらの方法ではPVAフィルムを水で膨潤
し、次に加熱してPVAフィルムの一部を溶解させて圧
着することにより接着しているが、塗布した水が急速に
PVAフィルムに拡散するために、加熱圧着の開始のタ
イミング、加熱時間あるいは圧着時間により接着力が大
きく変化し、安定した接着力が得にくいという問題があ
った。
【0009】本発明者らはPVAフィルムの積層方法に
ついて検討した結果、含水低級アルコールに金属ハロゲ
ン化物を溶解したものを接着液として用いる方法を見出
した。金属ハロゲン化物としては塩化カリウム、塩化リ
チウム、塩化亜鉛などの金属塩化物、臭化カリウム、臭
化リチウム、臭化亜鉛などの金属臭化物、ヨウ化リチウ
ム、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛などの金属ヨウ化物な
どの各種の金属ハロゲン化物が使用でき、これらのなか
でも塩化リチウム、塩化亜鉛が好ましい。低級アルコー
ルとしては炭素数6以下のアルコールが使用でき、その
なかでもメタノール、エタノール、n−プロパノールま
たはi−プロパノールが好ましい。低級アルコールに対
する水の含有量は、アルコール100重量部に対して1
0〜60重量部が好ましい。含水低級アルコールに対す
る金属ハロゲン化物の含有量は、含水低級アルコール1
00重量部に対して10重量部以上が好ましく、20重
量部以上がより好ましい。金属ハロゲン化物の含有量の
上限については特に制限はないが、50重量部以下が好
ましく、一般的には飽和溶解度付近の含有量で使用する
のが好ましい。
【0010】PVAフィルムの積層は通常のドライラミ
ネーターなどを使用して行う。接着液塗布量は1〜30
g/m↑2が好ましく、安定した良好な接着力を得るに
は4〜15g/m↑2の塗布量がより好ましい。接着液
を塗布した後、1〜120秒後に圧着する。常温での圧
着でも必要な接着力が得られるが、フィルム全面での均
一な接着力を得るためには加熱圧着することが好まし
い。加熱温度は40〜150℃が好ましく、80〜12
0℃がより好ましい。PVAフィルムの積層枚数は、必
要とするガスバリヤー性によって異なるが、2層以上何
層でも可能である。高いガスバリヤー性を必要とする自
動車ブレーキシステム用などのダイヤフラムには5〜2
0層の積層が必要になるが、このような多層積層品でも
本発明の接着方法で作成したPVA積層フィルムは長期
間の使用後でも良好な積層界面接着力を保持している。
PVAフィルム層とゴム層との積層方法としては、PV
Aフィルム層の両面に接着剤を塗布乾燥した後、PVA
フィルム層の両面にゴム膜を配して、ゴム膜の外側より
プレス等により所定の圧力および温度を与えて、ダイヤ
フラム形状に一体に加硫成形する。必要ならばゴム層と
の一体化に先立って、PVAフィルム積層品を真空成
形、圧空成形などの成形加工を施しておくこともでき
る。
【0011】本発明のゴム層としては、各種のゴムが使
用できるが、そのなかでもガスバリヤー性に優れたブチ
ルゴムあるいはNBRなどのニトリル系ゴムなどが好適
に用いられる。ゴム層の厚みは0.5〜5mmが好まし
い。PVAフィルム層とゴム層との積層化の際の接着剤
としては、フェノール系接着剤、クロロスルホン化ポリ
エチレン系接着剤あるいは各種のゴム系接着剤を単独で
も使用できるが、例えばPVA層側にフェノール系接着
剤を用い、ゴム層側にゴム系接着剤を用いる2層接着剤
構成にすることにより、さらに良好な接着力が得られ
る。接着剤の必要塗布厚みは、乾燥後の膜厚で1〜30
μmが好ましい。
【0012】PVAフィルムはゴム用接着剤に対しても
接着性は良好であることから、各種のゴム用接着剤でも
PVAフィルム層とゴム層との接着性は接着直後は良好
であるが、本発明のPVAフィルム層には多量の可塑剤
を含むために、積層化直後は良好な接着力を示すもの
の、経時変化に伴い可塑剤の滲出により、接着剤層に可
塑剤が移行して、接着剤とゴムとの界面接着力が低下
し、その結果、PVAフィルム層とゴム層との層間接着
力が低下してくる。PVAフィルム層の可塑剤含有量が
高くなるに従い、層間接着力の低下が速くなり、可塑剤
含有量25重量部では数ケ月間で接着力が低下し、可塑
剤含有量40重量部では数週間で接着力が低下して、P
VAフィルム層とゴム層との層間は容易に剥離するまで
になる。PVAフィルム層とゴム層との間にポリアミド
系樹脂フィルム層を介在させることにより、PVAフィ
ルム層とゴム層との層間接着力をより向上させることが
できる。ポリアミド系樹脂フィルム層の厚みとしては5
〜100μmが好ましく、10〜40μmがより好まし
い。ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン
10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・6、
ナイロン6・9、ナイロン6・10、ナイロン6・1
1、ナイロン6・12、ナイロン6/6・6、ナイロン
12・12等から選ばれた一種または二種以上が使用で
きる。
【0013】ポリアミド系樹脂フィルム層はポリアミド
樹脂単独でも良いが、ポリアミド樹脂およびエチレンビ
ニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称する)
の混合組成物にすることによりガスバリヤー性が著しく
向上する。ポリアミド系樹脂とEVOHとの混合比率
は、重量比で100/0〜10/90が好ましく、80
/20〜30/70がより好ましい。EVOHの混合比
率が90重量%を越えると初期接着力が低下する。ま
た、ポリアミド系樹脂とEVOHとの混合組成物には、
第三成分として、芳香族酸アミド、芳香族酸エステルあ
るいはポリオレフィン系エラストマーを混合することに
より、ポリアミド系樹脂とEVOHとの相溶性が向上
し、ポリアミド系樹脂フィルム層の強度が向上する。ポ
リアミド系樹脂とEVOHの合計重量に対する第三成分
の重量比は、100/2〜100/40が好ましい。
【0014】
【実施例】以下の実施例において特に断りのない限り、
「%」は「重量%」を意味する。
【0015】実施例1 重合度1750、鹸化度99.9モル%のPVA40重
量部、水53重量部およびグリセン7重量部からなるペ
レットを用いて押出乾式製膜法により、膜厚み60μm
のPVAフィルムロールを作成した。作成したPVAフ
ィルムについてメタノールを溶剤としたソックスレー抽
出を行いグリセンを抽出した後、溶剤を蒸発した後の残
量を測定することにより、PVAフィルム中のPVA1
00重量部に対するグリセン含有量を求めた結果は1
7.2重量部であった。接着液として、塩化リチウム4
0重量部をメタノール80重量部と水20重量部の混合
液に溶解したものを用意した。先に作成したPVAフィ
ルムロール2本を用いてドライラミネーターを使用し
て、加工速度30m/分、接着液塗布量8g/m↑2、
溶剤乾燥炉(乾燥条件:加熱なし、通風のみ)での乾
燥、接着液塗布後圧着までの時間28秒および圧着ロー
ル温度100℃の条件で積層加工を行い、PVAフィル
ムの2層積層品を得た。次にこの2層積層品に同条件で
さらにPVAフィルムを1層を積層して、PVAフィル
ムの3層積層品を得た。同様に1層ずつ積層加工を繰り
返して、最終的に積層数10層、総厚み630μmのP
VAフィルム積層品を得た。次にこのPVAフィルム積
層品の片面にフェノール系接着剤(Thixon−71
5)を乾燥膜厚で2μm塗布し、150℃で乾燥した
後、さらにその上にニトリルゴム系接着剤(セメダイン
−540)を乾燥膜厚で15μm塗布し、80℃で乾燥
した後、続いて反対面に同様にフェノール系接着剤とニ
トリルゴム系接着剤を塗布乾燥して、両面接着剤塗布済
みPVAフィルム積層品を作成した。次にこの接着剤塗
布済みPVAフィルム積層品の両面にニトリルゴム配合
物からなる厚み3mmのゴム膜を配し、ゴムの外側より
加圧加熱して常法により加硫成形を行い全層が一体化さ
れた概略半球状のダイヤフラム及びガスバリヤー性測定
用の平板状シートを得た。得られたダイヤフラムは全層
が一体化されており、PVAフィルム層とゴム層との層
間接着力も強く剥離不能であった。また30万回の作動
後においても相関接着力に変化は生じていなかつた。ま
た平板状シートの35℃における窒素ガス透過速度をA
STM D1434に準じて測定したところ、1.4c
c/m↑2・day・atmで、次に述べる比較例1の
ゴム単体のシートに比べて優れた窒素ガス遮断性を示し
ていた。
【0016】比較例1 実施例1と同じ材質の厚さ6mmのニトリルゴム膜のみ
を用いて、実施例1と同様にして平板状シート(PVA
フィルム層がなく、ゴム層のみからなるシート)を作成
して、窒素ガス透過速度を測定した結果、32cc/m
↑2・day・atmであった。
【0017】実施例2 重合度1750、鹸化度99.9モル%のPVA35重
量部、水50重量部およびグリセン15重量部からなる
ペレットを用いて押出乾式製膜法により、膜厚み80μ
mのPVAフィルムロールを作成した。PVAフィルム
中のPVA100重量部に対するグリセン含有量を求め
た結果は40.5重量部であった。実施例1と同様にし
て、加工速度10m/分、接着剤塗布量8g/m↑2、
接着剤塗布後圧着までの時間84秒および圧着ロール温
度100℃の条件で積層加工を行い、最終的に積層数2
0層、総厚み1700μmのPVAフィルム積層品を得
た。 一方、ポリアミド系樹脂として11ナイロン60
重量部、エチレン含量32モル%、鹸化度99.5モル
%のEVOH40重量部およびベンゼンスルホン酸ブチ
ルアミド5重量部からなるペレットを溶融押出製膜し
て、膜厚み25μmの混合組成物膜ロールを作成した。
該混合組成物膜の片面に、ドライラミネーターを用い
て、フェノール系接着剤(Thixon−715)を乾
燥膜厚2μmで塗布し、150℃で乾燥した後、さらに
その上にニトリルゴム系接着剤(セメダイン−540)
を乾燥膜厚15μmで塗布し、80℃で乾燥した後、巻
き取った。次に該混合組成物膜の反対面に上記と同条件
でフェノール系接着剤とニトリルゴム系接着剤を塗布乾
燥した後、前記の積層数20層のPVAフィルム積層品
を圧着ラミネートした。PVAフィルム積層品のもう一
方の側についても同様の操作により混合組成物膜をラミ
ネートして、PVAフィルム積層品の両面に2層接着層
を有する混合組成物/PVA/混合組成物の層構成を有
する積層品を作成した。 次に上記の積層品を真空圧空
成形機を用いて150℃で成形することにより、実施例
1と相似型の成形品を作成した。この成形品の両側に実
施例1と同じ厚み3mmのニトリルゴム膜を配し、ゴム
膜の外側から加圧加熱を行って、実施例1と同型のニト
リルゴム/混合組成物/PVA/混合組成物/ニトリル
ゴムの層構成を有するダイヤフラム及びガスバリヤー性
測定用の平板状シートを得た。得られたダイヤフラムは
全層が一体化されており、いずれの層間接着力も強く剥
離不能であった。また30万回の作動後においても相関
接着力に変化はなかった。また平板状シートの35℃に
おける窒素ガス透過速度を測定したところ、1.8cc
/m↑2・day・atmで、優れた窒素ガス遮断性を
示していた。
【0018】実施例3 重合度1750、鹸化度99.9モル%のPVA40重
量部、水50重量部およびグリセン10重量部からなる
ペレットを用いて押出乾式製膜法により、膜厚み150
0μmのPVAフィルムを作成した。但し、膜厚が厚い
ために通常の乾燥時間よりも乾燥時間を延長した。得ら
れたPVAフィルム中のPVA100重量部に対するグ
リセン含有量を測定した結果は24.6重量部であっ
た。次にこのPVAフィルムの両面に実施例2と同じポ
リアミド系樹脂およびEVOHの混合組成物膜を実施例
2と同様にして積層することにより、混合組成物/PV
A/混合組成物の層構成を有する積層品を作成した。さ
らにこの積層品の両面に実施例1と同じニトリルゴムを
配して実施例1と同様に一体化加硫成形を行い、ダイヤ
フラム及び平板状シートを作成した。得られたダイヤフ
ラムは全層が一体化されており、いずれの層間接着力も
強く剥離不能であった。また30万回の作動後において
も相関接着力に変化は生じなかった。また平板状シート
の35℃における窒素ガス透過速度を測定したところ、
2.2cc/m↑2・day・atmで、良好な窒素ガ
ス遮断性を示していた。
【0019】
【発明の効果】本発明の多層構造体はガスバリヤー性お
よび0℃以下の低温での柔軟性に優れており、かつ層間
接着力も安定しており、種々の用途のダイヤフラムに好
適である。本発明の多層構造体を使用したダイヤフラム
はガスバリヤー性に優れ、10年以上の長期間の使用に
耐えることが予測できる。またチューブ、ホース、プラ
ダ、ベローズおよび成形容器などのダイヤフラム以外の
用途にも利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 3/02 A 7366−3J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール100重量部に対
    して15重量部以上の可塑剤を含むポリビニルアルコー
    ルフイルム層の両側にゴム層を有する多層構造体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールフイルム層が複数
    のポリビニルアルコールフイルムである請求項1記載の
    多層構造体。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールフイルム層とゴム
    層との間にポリアミド系樹脂フイルム層を有する請求項
    1または2記載の多層構造体。
  4. 【請求項4】 ポリアミド系樹脂フイルム層がポリアミ
    ド系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の混
    合組成物からなることを特徴とする請求項3記載の多層
    構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいづれか1つの項に記載
    の多層構造体を用いたダイヤフラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011173976A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系重合体フィルム用接着剤
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