JP2790334B2 - 多層構造体 - Google Patents
多層構造体Info
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- JP2790334B2 JP2790334B2 JP1244640A JP24464089A JP2790334B2 JP 2790334 B2 JP2790334 B2 JP 2790334B2 JP 1244640 A JP1244640 A JP 1244640A JP 24464089 A JP24464089 A JP 24464089A JP 2790334 B2 JP2790334 B2 JP 2790334B2
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Description
【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、ポリアミド樹脂とエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(EVOH)とさらに第三成分の混合物からな
る熱安定性、溶融成形性に優れた樹脂組成物からなる層
とゴム層の少なくとも二層からなる多層構造体に関す
る。かかる樹脂組成物は、ゴムと積層加工性にすぐれ、
積層してもゴムの柔軟性を損うことなく、バリヤー性を
付与するに好適な成形物を供給するのに適している。
ール共重合体(EVOH)とさらに第三成分の混合物からな
る熱安定性、溶融成形性に優れた樹脂組成物からなる層
とゴム層の少なくとも二層からなる多層構造体に関す
る。かかる樹脂組成物は、ゴムと積層加工性にすぐれ、
積層してもゴムの柔軟性を損うことなく、バリヤー性を
付与するに好適な成形物を供給するのに適している。
B.従来の技術 (その1):EVOHは、溶融成形性、ガスバリヤー性、保
香性、耐油・耐溶剤性、帯電防止性に優れ、又ポリアミ
ド樹脂は耐衝撃性、柔軟性、高温湿熱性に優れることか
ら、従来、両者を混合した組成物からなる成形物は食品
包装用、医薬用、農薬用のフイルム、シート、ボトルと
しての利用が提案されてきた。
香性、耐油・耐溶剤性、帯電防止性に優れ、又ポリアミ
ド樹脂は耐衝撃性、柔軟性、高温湿熱性に優れることか
ら、従来、両者を混合した組成物からなる成形物は食品
包装用、医薬用、農薬用のフイルム、シート、ボトルと
しての利用が提案されてきた。
しかしながらよく知られているように、ポリアミド樹
脂、EVOHともに熱安定性が悪く長時間成形を続けるとゲ
ル発生の問題があるが、ポリアミド樹脂とEVOHの混合物
では更にこれが加速されて、成形開始数時間後からゲル
の発生を見ることがある。更にポリアミド樹脂とEVOHの
混合物は、特にメチレン基数とアミド基数の比が9≦CH
2/NHCOのポリアミド樹脂において、成形時のダイスエル
が大きく、このためフイルム、シートの厚み斑を大きく
するといった溶融成形性不良の問題もあり、改善が要望
されている。
脂、EVOHともに熱安定性が悪く長時間成形を続けるとゲ
ル発生の問題があるが、ポリアミド樹脂とEVOHの混合物
では更にこれが加速されて、成形開始数時間後からゲル
の発生を見ることがある。更にポリアミド樹脂とEVOHの
混合物は、特にメチレン基数とアミド基数の比が9≦CH
2/NHCOのポリアミド樹脂において、成形時のダイスエル
が大きく、このためフイルム、シートの厚み斑を大きく
するといった溶融成形性不良の問題もあり、改善が要望
されている。
熱安定性の改良方法としては、ポリアミドの末端のカ
ルボキシル基とアミド基の比率をカルボキシル基過多に
する提案が為されているが、ポリアミドの生産において
カルボキシル基の比率を十分に高めることが困難で、必
要な熱安定性改善効果を得るまだに至つていない。一方
溶融成形性の改善技術については全く知られていない。
ルボキシル基とアミド基の比率をカルボキシル基過多に
する提案が為されているが、ポリアミドの生産において
カルボキシル基の比率を十分に高めることが困難で、必
要な熱安定性改善効果を得るまだに至つていない。一方
溶融成形性の改善技術については全く知られていない。
(その2):従来、自動車エアコン用フレオンホース、
給湯および冷・暖房システムの膨張タンクのダイヤフラ
ムなど柔軟性とガス遮断性を要する用途には、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体系ゴム(NBR)、ブチル
ゴム等のガス遮断性に優れたゴム製品が使用されてきた
が、各種分野で近年ゴム単独では対応できない事態に至
つている。例えばフレオンホースについては、フロンガ
スによる成層圏オゾン層の破壊を防止するために、ホー
スからのガスの漏洩低減が必須となつており、ホースの
フロン12ガス透過性を現在の1/5〜1/10以下に低減する
必要があると言われていれが、NBRその他のゴムホース
では対応不可能である。また給湯および冷・暖房システ
ムの膨張タンクのダイヤフラムには従来ブチルゴムが使
用されていて、封入窒素ガスの圧力が経時的に低下して
くる為、数ケ月〜1年毎に窒素ガスを封入調節が必要で
あるが、この種の膨張タンクの使用は近年急速に伸びて
きており、封入調節手間を回避するために、調節期間の
大幅延長あるいは調節不要にするために、ゴムの窒素ガ
ス透過性を1/5〜1/10以下に低減する必要に迫られてい
る。
給湯および冷・暖房システムの膨張タンクのダイヤフラ
ムなど柔軟性とガス遮断性を要する用途には、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体系ゴム(NBR)、ブチル
ゴム等のガス遮断性に優れたゴム製品が使用されてきた
が、各種分野で近年ゴム単独では対応できない事態に至
つている。例えばフレオンホースについては、フロンガ
スによる成層圏オゾン層の破壊を防止するために、ホー
スからのガスの漏洩低減が必須となつており、ホースの
フロン12ガス透過性を現在の1/5〜1/10以下に低減する
必要があると言われていれが、NBRその他のゴムホース
では対応不可能である。また給湯および冷・暖房システ
ムの膨張タンクのダイヤフラムには従来ブチルゴムが使
用されていて、封入窒素ガスの圧力が経時的に低下して
くる為、数ケ月〜1年毎に窒素ガスを封入調節が必要で
あるが、この種の膨張タンクの使用は近年急速に伸びて
きており、封入調節手間を回避するために、調節期間の
大幅延長あるいは調節不要にするために、ゴムの窒素ガ
ス透過性を1/5〜1/10以下に低減する必要に迫られてい
る。
ゴムのバリヤー性を改善する方法としてはゴムとガス
バリヤー性樹脂を複合することが容易に着想され、各種
のバリヤー性樹脂の利用が提案されており、EVOHあるい
はナイロンの利用についてもいくつかの提案が見られ
る。例えば、特開昭58−197040、特開昭60−18331、実
公昭62−29242にはEVOHを単層またはポリアミドその他
の樹脂との多層でゴムと積層することが開示されている
がいずれもEVOHは単独使用であり、低温強度、低温柔軟
性、耐高温湿熱性に劣るものである。また特開昭53−63
614にはEVOHとポリアミドの混合物をゴムと積層するこ
とが提案されているが、実施例はEVOH単独またはEVOHと
変性ポリエチレンのブレンドが記載されているだけであ
る。さらに特公昭44−24277あるいは特開昭50−121347
にはEVOHとポリアミドとのブレンドの開示があるが、い
ずれの公報にも6−ナイロン使用の記載はあるもの、そ
の明細書および実施例中に11ナイロンあるいは12ナイロ
ンに関する記載は一切無い。またEVOHと6−ナイロン系
は成形時にゲルが発生し易いし、柔軟性、耐高温湿熱性
に劣る。
バリヤー性樹脂を複合することが容易に着想され、各種
のバリヤー性樹脂の利用が提案されており、EVOHあるい
はナイロンの利用についてもいくつかの提案が見られ
る。例えば、特開昭58−197040、特開昭60−18331、実
公昭62−29242にはEVOHを単層またはポリアミドその他
の樹脂との多層でゴムと積層することが開示されている
がいずれもEVOHは単独使用であり、低温強度、低温柔軟
性、耐高温湿熱性に劣るものである。また特開昭53−63
614にはEVOHとポリアミドの混合物をゴムと積層するこ
とが提案されているが、実施例はEVOH単独またはEVOHと
変性ポリエチレンのブレンドが記載されているだけであ
る。さらに特公昭44−24277あるいは特開昭50−121347
にはEVOHとポリアミドとのブレンドの開示があるが、い
ずれの公報にも6−ナイロン使用の記載はあるもの、そ
の明細書および実施例中に11ナイロンあるいは12ナイロ
ンに関する記載は一切無い。またEVOHと6−ナイロン系
は成形時にゲルが発生し易いし、柔軟性、耐高温湿熱性
に劣る。
その他に特開昭63−114645にはメチレン基数とアミド
基数の比率が6.6≦CH2/NHCO≦10を満足するナイロン樹
脂とEVOHのブレンドが開示されているが、この構成では
柔軟性が不十分である。
基数の比率が6.6≦CH2/NHCO≦10を満足するナイロン樹
脂とEVOHのブレンドが開示されているが、この構成では
柔軟性が不十分である。
C.発明が解決しようとする課題 <第1の課題> EVOHとポリアミド樹脂との混合につい
ての従来の技術は熱安定性の解決が十分でなく、溶融成
形不良の解決法についてはまつたく不明で、この解決法
が本発明の第1の課題である。
ての従来の技術は熱安定性の解決が十分でなく、溶融成
形不良の解決法についてはまつたく不明で、この解決法
が本発明の第1の課題である。
<第2の課題> 柔軟性を付与し、たとえばEVOHとポリ
アミドの混合物をゴムと複合してゴムの柔軟性を損うこ
となく、ガス遮断性を改善することが本発明の第2の課
題である。
アミドの混合物をゴムと複合してゴムの柔軟性を損うこ
となく、ガス遮断性を改善することが本発明の第2の課
題である。
D.課題を解決するための手段 第1の課題を解決するための手段は、(A)ポリアミ
ド樹脂および(B)EVOHに、(C)芳香族酸アミド、芳
香族酸エステルおよびオレフイン系エラストマーから選
ばれる少なくとも1種を配合することである。
ド樹脂および(B)EVOHに、(C)芳香族酸アミド、芳
香族酸エステルおよびオレフイン系エラストマーから選
ばれる少なくとも1種を配合することである。
また第1の課題および第2の課題を解決するための手
段は、(A)のポリアミド樹脂として11−ナイロンおよ
び/または12−ナイロンを選択し、これに(B)および
(C)を配合することである。
段は、(A)のポリアミド樹脂として11−ナイロンおよ
び/または12−ナイロンを選択し、これに(B)および
(C)を配合することである。
次にまず第1の課題を解決するための手段の詳細につ
いて述べる。
いて述べる。
本発明に用いる(B)EVOHとしてはエチレン含有率20
〜65モル%、好適には25〜50モル%、酢酸ビニル部分の
鹸化度95モル%以上、好適には99.0モル%以上のものが
あげられる。エチレン含有率が20モル%未満では高湿度
のガスバリヤー性が低下し、65モル%を越えるとやはり
ガスバリヤー性の低下が起こる。また鹸化度が95モル%
未満ではこれまたガスバリヤー性が低下する。またEVOH
のメルトインデツクス(MI)(190℃、2160g荷重下)は
0.5〜20g/10分が好適である。
〜65モル%、好適には25〜50モル%、酢酸ビニル部分の
鹸化度95モル%以上、好適には99.0モル%以上のものが
あげられる。エチレン含有率が20モル%未満では高湿度
のガスバリヤー性が低下し、65モル%を越えるとやはり
ガスバリヤー性の低下が起こる。また鹸化度が95モル%
未満ではこれまたガスバリヤー性が低下する。またEVOH
のメルトインデツクス(MI)(190℃、2160g荷重下)は
0.5〜20g/10分が好適である。
本発明に用いる(A)ポリアミド樹脂としては、ナイ
ロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン6・6、ナイロン6・9、ナイロン6・10、ナイロン
6・11、ナイロン6・12、ナイロン6/6・6、ナイロン1
2・12等から選ばれた一種また二種以上の混合物が使用
できる。
ロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン6・6、ナイロン6・9、ナイロン6・10、ナイロン
6・11、ナイロン6・12、ナイロン6/6・6、ナイロン1
2・12等から選ばれた一種また二種以上の混合物が使用
できる。
本発明における(A)ポリアミド樹脂と(B)EVOHの
混合比率{(A)/(B)}は重量比で95/5〜5/95で、
好適には10/90〜80/20、さらには25/75〜70/30である。
EVOHの混合比率が5%未満ではガス遮断性が不足する。
一方ナイロン樹脂の混合比率が5%未満では耐衝撃性、
柔軟性が不良である。
混合比率{(A)/(B)}は重量比で95/5〜5/95で、
好適には10/90〜80/20、さらには25/75〜70/30である。
EVOHの混合比率が5%未満ではガス遮断性が不足する。
一方ナイロン樹脂の混合比率が5%未満では耐衝撃性、
柔軟性が不良である。
本発明は第三成分として芳香族酸アミド、あるいは芳
香族酸エステル、あるいはポリオレフイン系エラストマ
ーを混合使用する点に特徴を有しており、これらの第三
成分の混合により、はじめてEVOHとポリアミド樹脂の混
合物の熱安定性不良および/あるいは溶融成形性不良、
即ちゲル発生および/あるいは厚薄変動が解決可能とな
る。
香族酸エステル、あるいはポリオレフイン系エラストマ
ーを混合使用する点に特徴を有しており、これらの第三
成分の混合により、はじめてEVOHとポリアミド樹脂の混
合物の熱安定性不良および/あるいは溶融成形性不良、
即ちゲル発生および/あるいは厚薄変動が解決可能とな
る。
本発明に用いる(C)芳香族酸アミド、あるいは芳香
族酸エステルとしてはベンゼンスルホン酸エチルアミ
ド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド等のベンゼンスル
ホン酸アミドおよびその誘導体、あるいは安息香酸エチ
ルアミド、安息香酸ブチルアミド、安息香酸2エチルヘ
キシルアミドなどの安息香酸アミドおよびその誘導体、
あるいは安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸2
エチルヘキシルなどの安息香酸エステル類およびその誘
導体などが使用できるが、中でも沸点160℃以上/2mmHg
のものが好適である。
族酸エステルとしてはベンゼンスルホン酸エチルアミ
ド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド等のベンゼンスル
ホン酸アミドおよびその誘導体、あるいは安息香酸エチ
ルアミド、安息香酸ブチルアミド、安息香酸2エチルヘ
キシルアミドなどの安息香酸アミドおよびその誘導体、
あるいは安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸2
エチルヘキシルなどの安息香酸エステル類およびその誘
導体などが使用できるが、中でも沸点160℃以上/2mmHg
のものが好適である。
本発明のオレフイン系エラストマーとしてはエチレン
とプロピレンの共重合体(EPM)あるいはエチレンとプ
ロピレンとジエン系モノマーの共重合体(EPDM)あるい
はこれらの共重合体にポリエチレン、あるいはポリプロ
ピレンを混合したものが使用できる。
とプロピレンの共重合体(EPM)あるいはエチレンとプ
ロピレンとジエン系モノマーの共重合体(EPDM)あるい
はこれらの共重合体にポリエチレン、あるいはポリプロ
ピレンを混合したものが使用できる。
本発明における(A)EVOHと(B)ポリアミド樹脂の
合計重量に対する(C)第三成分の重量比は{(A)+
(B)}/(C)=100/2〜100/40である。第三成分の
重量比が2/100未満では、熱安定性不良あるいは/およ
び溶融成形性不良が改善されず、また重量比が40/100を
越すとバリヤー性が不十分になる。
合計重量に対する(C)第三成分の重量比は{(A)+
(B)}/(C)=100/2〜100/40である。第三成分の
重量比が2/100未満では、熱安定性不良あるいは/およ
び溶融成形性不良が改善されず、また重量比が40/100を
越すとバリヤー性が不十分になる。
これらの第三成分の混合がEVOHとポリアミド樹脂の熱
安定性、混合溶融成形性を向上させる理由としては、芳
香族酸アミドおよび芳香族酸エステルについては主とし
てEVOHとポリアミド樹脂の相溶性を改善する効果による
ものであり、ポリオレフイン系エラストマーについては
主としてEVOHとポリアミド樹脂との反応を低減させる効
果によるものであると推定している。
安定性、混合溶融成形性を向上させる理由としては、芳
香族酸アミドおよび芳香族酸エステルについては主とし
てEVOHとポリアミド樹脂の相溶性を改善する効果による
ものであり、ポリオレフイン系エラストマーについては
主としてEVOHとポリアミド樹脂との反応を低減させる効
果によるものであると推定している。
次に本発明の第1の課題および第2の課題を解決する
ための手段の詳細について述べる。
ための手段の詳細について述べる。
本発明者は、上記課題を解決すべく、11−ナイロンあ
るいは12−ナイロンとガス遮断性に優れたEVOHの混合物
について検討した。11−ナイロンおよび12−ナイロンは
柔軟性、耐高温湿熱性に優れているが、ガシバリヤー性
に劣る。一方EVOHはガスバリヤー性に優れているが、柔
軟性および耐高温湿熱性に劣る。従つて11−ナイロンあ
るいは12−ナイロンとEVOHを混合することにより、それ
ぞれの欠点を補完した優れた物性のものが得られること
が予想される。しかし既によく知られているようにナイ
ロン樹脂とEVOHを混合溶融するとゲルの発生など熱安定
性が悪く長時間運転できない欠点があり、11−ナイロン
あるいは12−ナイロンとEVOHの混合ではその上に、ダイ
スエルが大きいことにより、チユーブあるいはシート、
あるいはフイルムの成形では長さ方向の厚み変動が生じ
る問題があつた。そこで本発明者は、このような溶融成
形性不良、すなわちゲル発生および厚み変動の改善につ
い鋭意検討の結果、11−ナイロンあるいは12−ナイロン
とEVOHの混合物にさらに特定の第3成分を混合すること
により改善できることを見出し本発明を完成するに至つ
た。
るいは12−ナイロンとガス遮断性に優れたEVOHの混合物
について検討した。11−ナイロンおよび12−ナイロンは
柔軟性、耐高温湿熱性に優れているが、ガシバリヤー性
に劣る。一方EVOHはガスバリヤー性に優れているが、柔
軟性および耐高温湿熱性に劣る。従つて11−ナイロンあ
るいは12−ナイロンとEVOHを混合することにより、それ
ぞれの欠点を補完した優れた物性のものが得られること
が予想される。しかし既によく知られているようにナイ
ロン樹脂とEVOHを混合溶融するとゲルの発生など熱安定
性が悪く長時間運転できない欠点があり、11−ナイロン
あるいは12−ナイロンとEVOHの混合ではその上に、ダイ
スエルが大きいことにより、チユーブあるいはシート、
あるいはフイルムの成形では長さ方向の厚み変動が生じ
る問題があつた。そこで本発明者は、このような溶融成
形性不良、すなわちゲル発生および厚み変動の改善につ
い鋭意検討の結果、11−ナイロンあるいは12−ナイロン
とEVOHの混合物にさらに特定の第3成分を混合すること
により改善できることを見出し本発明を完成するに至つ
た。
即ち本発明の上記第1および第2の課題は、(A)11
−ナイロンおよび12−ナイロンから選ばれる少なくとも
1種および(B)EVOHに(C)芳香族酸アミド、芳香族
酸エステルおよびオレフイン系エラストマーから選ばれ
る少なくとも1種を配合することによつて解決される。
−ナイロンおよび12−ナイロンから選ばれる少なくとも
1種および(B)EVOHに(C)芳香族酸アミド、芳香族
酸エステルおよびオレフイン系エラストマーから選ばれ
る少なくとも1種を配合することによつて解決される。
ここで11−ナイロンまたは12−ナイロンとしてはω−
アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸あるいはω
−ラウロラクタムの単独重合体および共重合体、あるい
は12・12ナイロンがあげられる。これらのナイロン樹脂
は主として単独で使用されるが、混合することも差支え
ない。
アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸あるいはω
−ラウロラクタムの単独重合体および共重合体、あるい
は12・12ナイロンがあげられる。これらのナイロン樹脂
は主として単独で使用されるが、混合することも差支え
ない。
(A)/(B)、{(A)+(B)}/(C)の混合
比率は前述したとおりである。
比率は前述したとおりである。
本発明の樹脂組成物を溶融成形する方法としては、押
出インフレ製膜、押出キヤスト製膜、Tダイシート成
形、チユーブ成形、圧縮成形、射出成形、トランスフア
ー成形などの方法が使用できる。
出インフレ製膜、押出キヤスト製膜、Tダイシート成
形、チユーブ成形、圧縮成形、射出成形、トランスフア
ー成形などの方法が使用できる。
(A)EVOHと(B)ポリアミド樹脂と(C)第三成分
の混合については、成形に先立つて3成分が混合される
かぎりどのような方法でも採用できるが、(A)+
(B)+(C)を溶融混合ペレツト化した後成形する
か、(A)+(C)の溶融混合ペレツトと(B)のペレ
ツトを混合した後成形するか、あるいは(B)+(C)
の溶融混合ペレツトと(A)のペレツトを混合したのち
成形することが好ましい。
の混合については、成形に先立つて3成分が混合される
かぎりどのような方法でも採用できるが、(A)+
(B)+(C)を溶融混合ペレツト化した後成形する
か、(A)+(C)の溶融混合ペレツトと(B)のペレ
ツトを混合した後成形するか、あるいは(B)+(C)
の溶融混合ペレツトと(A)のペレツトを混合したのち
成形することが好ましい。
成形温度は180〜260℃が良好で、好適には200〜240℃
である。260℃を越えると芳香族酸アミドあるいは芳香
族酸エステルの揮散が生じるので好ましくない。本発明
の組成物に必要に応じて、ガスバリヤー性を阻害しない
範囲で、カルボン酸変性ポリオレフイン、酢酸ビニル含
有量3〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVA鹸化物などを加えてもよい。
である。260℃を越えると芳香族酸アミドあるいは芳香
族酸エステルの揮散が生じるので好ましくない。本発明
の組成物に必要に応じて、ガスバリヤー性を阻害しない
範囲で、カルボン酸変性ポリオレフイン、酢酸ビニル含
有量3〜40重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVA鹸化物などを加えてもよい。
本発明の樹脂組成物からなる成形物はガスバリヤー
性、柔軟性、耐衝撃性、耐高温湿熱性に優れており、シ
ート、フイルム、チユーブ、ボトル、容器、各種成形品
として、ゴムとの複層で、食品、薬品、工業用品などの
分野で使用できる。
性、柔軟性、耐衝撃性、耐高温湿熱性に優れており、シ
ート、フイルム、チユーブ、ボトル、容器、各種成形品
として、ゴムとの複層で、食品、薬品、工業用品などの
分野で使用できる。
(A)ポリアミド樹脂として11−ナイロン、12−ナイ
ロンを使用した本発明の樹脂組成物からなる成形物は、
柔軟で、ガスバリヤー性、耐高温湿熱性に優れており、
フレオンホースの内層チユーブあるいはダイヤフラムの
中間層など主としてゴムと複合して使用されるが、それ
以外の使用も勿論可能である。
ロンを使用した本発明の樹脂組成物からなる成形物は、
柔軟で、ガスバリヤー性、耐高温湿熱性に優れており、
フレオンホースの内層チユーブあるいはダイヤフラムの
中間層など主としてゴムと複合して使用されるが、それ
以外の使用も勿論可能である。
ゴムの加硫加工は一般に150〜180℃、4〜6時間程度
のスチーム加熱により実施されるが、本発明の樹脂組成
物からなる成形物は耐高温湿熱性に極めて優れていて、
加硫加工を経ても全く溶融変形は見られない。
のスチーム加熱により実施されるが、本発明の樹脂組成
物からなる成形物は耐高温湿熱性に極めて優れていて、
加硫加工を経ても全く溶融変形は見られない。
本発明の多層構造体は、柔軟性を阻害しないかぎり、
11−あるいは12−ナイロンを始め各種の樹脂との複層で
使用できることは勿論である。複層化は共押出成形、ラ
ミネート加工等が利用できる。
11−あるいは12−ナイロンを始め各種の樹脂との複層で
使用できることは勿論である。複層化は共押出成形、ラ
ミネート加工等が利用できる。
次に例をあげて本発明の多層構造体を更に説明する。
E.実施例 実施例1 エチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル%、MI
(190℃、2160g荷重下)1.3g/10分のEVOH70重量部と12
−ナイロン30重量部の混合ペレツトに押出機ホツパーで
ベンゼンスルホン酸ブチルアミド6重量部を添加しつ
つ、押出機(4mmφ、L/D=28)、ダイ、冷却水槽、カツ
ターからなるペレツト化装置を用いて230℃で溶融混合
ペレツト化を行つた。ペレツト成形は順調で、ダイから
吐出されるストランドの太さは流れ方向に均一であつ
た。このペレツトを用いて、押出機(40mmφ、L/D=2
8)、Tダイ、引取機からなるフイルム成形機を用い
て、押出温度230℃で、厚み50μmのフイルムを作成し
た。フイルム作成は厚み変動およびゲル発生もなく順調
であつた。このフイルムの酸素透過率をモダンコントロ
ール社製OXTRAN 10/50Aを用いて、20℃、65%RHで測定
したところ、2.5cc・20μ/m2・day・atmであつた。
(190℃、2160g荷重下)1.3g/10分のEVOH70重量部と12
−ナイロン30重量部の混合ペレツトに押出機ホツパーで
ベンゼンスルホン酸ブチルアミド6重量部を添加しつ
つ、押出機(4mmφ、L/D=28)、ダイ、冷却水槽、カツ
ターからなるペレツト化装置を用いて230℃で溶融混合
ペレツト化を行つた。ペレツト成形は順調で、ダイから
吐出されるストランドの太さは流れ方向に均一であつ
た。このペレツトを用いて、押出機(40mmφ、L/D=2
8)、Tダイ、引取機からなるフイルム成形機を用い
て、押出温度230℃で、厚み50μmのフイルムを作成し
た。フイルム作成は厚み変動およびゲル発生もなく順調
であつた。このフイルムの酸素透過率をモダンコントロ
ール社製OXTRAN 10/50Aを用いて、20℃、65%RHで測定
したところ、2.5cc・20μ/m2・day・atmであつた。
なお使用した12−ナイロン単独フイルムの酸素透過率
は7800cc・20μ/m2・day・atmであつた。
は7800cc・20μ/m2・day・atmであつた。
比較例1 エチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル%、MI
(190℃、2160g荷重下)1.3g/10分のEVOHペレツト70重
量部と12−ナイロンペレツト30重量部のタンブラー混合
ペレツトを実施例1と同じ装置で、押出温度230℃でペ
レツト化を行つた。ダイから引き取られるストランドの
太さが流れ方向に変動して、ストランド切れが多発し、
連続化が困難であつた。このペレツトを用いて実施例1
と同じ装置で50μmのフイルム作成を行つたところ、フ
イルム連続製膜は可能であつたが、得られたフイルムは
ゲルが認められ、また流れ方向の厚み変動があり、商品
価値の無いものであつた。
(190℃、2160g荷重下)1.3g/10分のEVOHペレツト70重
量部と12−ナイロンペレツト30重量部のタンブラー混合
ペレツトを実施例1と同じ装置で、押出温度230℃でペ
レツト化を行つた。ダイから引き取られるストランドの
太さが流れ方向に変動して、ストランド切れが多発し、
連続化が困難であつた。このペレツトを用いて実施例1
と同じ装置で50μmのフイルム作成を行つたところ、フ
イルム連続製膜は可能であつたが、得られたフイルムは
ゲルが認められ、また流れ方向の厚み変動があり、商品
価値の無いものであつた。
実施例2 エチレン含有率44.5モル%、鹸化度99.5モル%、MI
(190℃、2160g荷重下)5.5g/10分のEVOH50重量部、6
・12共重合ナイロン(共重合比6/12=90/10)50重量部
のタンブラー混合ペレツトにパラオキシ安息香酸2エチ
ルヘキシル4重量部を押出機ホツパーで添加しつつ、実
施例1と同装置、同条件でペレツト化を行つた。ペレツ
ト成形は順調で、ダイから吐出されるストランドの太さ
は流れ方向に均一であつた。このペレツトを用いて実施
例1と同装置、同条件でフイルム製膜を行つた。フイル
ム作成は厚み変動およびゲル発生もなく順調であつた。
実施例1と同様に酸素透過率を測定したところ、18.6cc
・20μ/m2・day・atmであつた。
(190℃、2160g荷重下)5.5g/10分のEVOH50重量部、6
・12共重合ナイロン(共重合比6/12=90/10)50重量部
のタンブラー混合ペレツトにパラオキシ安息香酸2エチ
ルヘキシル4重量部を押出機ホツパーで添加しつつ、実
施例1と同装置、同条件でペレツト化を行つた。ペレツ
ト成形は順調で、ダイから吐出されるストランドの太さ
は流れ方向に均一であつた。このペレツトを用いて実施
例1と同装置、同条件でフイルム製膜を行つた。フイル
ム作成は厚み変動およびゲル発生もなく順調であつた。
実施例1と同様に酸素透過率を測定したところ、18.6cc
・20μ/m2・day・atmであつた。
なお使用した6・12共重合ナイロン単独フイルムの酸
素透過率は240cc・20μ/m2・day・atmであつた。
素透過率は240cc・20μ/m2・day・atmであつた。
実施例3 エチレン含有率47.5モル%、鹸化度99.6モル%、MI
(190℃、2160g荷重下)14g/10分のEVOH80重量部、6−
ナイロン20重量部およびエチレン−プロピレン共重合体
ゴム25重量部のタンブラー混合ペレツトを、実施例1と
同じ装置で250℃でペレツト化を行つた。ペレツト成形
は順調で、ダイから吐出されるストランドの太さは流れ
方向に均一であつた。このペレツトを用いて実施例1と
同じフイルム成形機で押出温度250℃で50μmのフイル
ムを作成した。フイルムはほとんど変色もなく、厚み変
動およびゲル発生も無く順調であつた。得られたフイル
ムの酸素透過率は7.3cc・20μ/m2・day・atmであつた。
(190℃、2160g荷重下)14g/10分のEVOH80重量部、6−
ナイロン20重量部およびエチレン−プロピレン共重合体
ゴム25重量部のタンブラー混合ペレツトを、実施例1と
同じ装置で250℃でペレツト化を行つた。ペレツト成形
は順調で、ダイから吐出されるストランドの太さは流れ
方向に均一であつた。このペレツトを用いて実施例1と
同じフイルム成形機で押出温度250℃で50μmのフイル
ムを作成した。フイルムはほとんど変色もなく、厚み変
動およびゲル発生も無く順調であつた。得られたフイル
ムの酸素透過率は7.3cc・20μ/m2・day・atmであつた。
なお使用した6−ナイロン単独フイルムの酸素透過率
は130cc・20μ/m2・day・atmであつた。
は130cc・20μ/m2・day・atmであつた。
比較例2 実施例3からエチレン−プロピレン共重合体ゴムを除
いてペレツト化を行つた。ストランドは黄変しているも
のの、流れ方向の太さ斑は無く、引取は順調であつた。
このペレツトを用いて実施例1と同じ装置で50μmのフ
イルム製膜を行つたところ黄変がさらに進み、ゲルが認
められた。
いてペレツト化を行つた。ストランドは黄変しているも
のの、流れ方向の太さ斑は無く、引取は順調であつた。
このペレツトを用いて実施例1と同じ装置で50μmのフ
イルム製膜を行つたところ黄変がさらに進み、ゲルが認
められた。
実施例4 ω−ラウロラクタムの開環重合体の12−ナイロン60重
量部、エチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル%、
MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10分のEVOH40重量部
の混合ペレツトに、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド6
重量部を押出機ホツパーより添加しつつ、押出機(40mm
φ、L/D=28)、ダイ、冷却水槽、引取カツターからな
るペレツト化装置を用いて230℃で溶融混合ペツト化を
行つた。ペレツト成形は順調で、ダイから吐出されるス
トランドの太さは流れ方向に均一であつた。このペレツ
トを用い、押出機(40mmφ、L/D=28)、Tダイ、引取
機からなるフイルム成形機を用いて、押出温度230℃で
厚み300μmのフイルムを作成した。フイルム作成は厚
み変動およびゲル発生もなく順調であつた。
量部、エチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル%、
MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10分のEVOH40重量部
の混合ペレツトに、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド6
重量部を押出機ホツパーより添加しつつ、押出機(40mm
φ、L/D=28)、ダイ、冷却水槽、引取カツターからな
るペレツト化装置を用いて230℃で溶融混合ペツト化を
行つた。ペレツト成形は順調で、ダイから吐出されるス
トランドの太さは流れ方向に均一であつた。このペレツ
トを用い、押出機(40mmφ、L/D=28)、Tダイ、引取
機からなるフイルム成形機を用いて、押出温度230℃で
厚み300μmのフイルムを作成した。フイルム作成は厚
み変動およびゲル発生もなく順調であつた。
このフイルムおよび対照として厚さ300μmのブチル
ゴムと厚さ860μmのNBRを用いて、ASTM D1434に準じ
て、35℃における窒素ガス透過率(cc・20μ/m2・day・
atm)、70℃におけるフロン12ガス透過率(cc・20μ/m2
・day・atm)を測定したところ次の結果を得た。
ゴムと厚さ860μmのNBRを用いて、ASTM D1434に準じ
て、35℃における窒素ガス透過率(cc・20μ/m2・day・
atm)、70℃におけるフロン12ガス透過率(cc・20μ/m2
・day・atm)を測定したところ次の結果を得た。
このフイルムを用いて、真空熱成形機で所定の形状に
成形したものの両側に未加硫ブチルゴム賦形品を張り合
わせた後、150℃、4時間加硫して、膨潤タンク用のダ
イヤフラム(平均総厚み1.0mm、中間層フイルム平均厚
み75μm)を作成した。得られたダイヤフラムはブチル
ゴム単体のダイヤフラムとほとんど変わらない柔軟性を
有しており、ガス透過性も約1/6に改善されている。
成形したものの両側に未加硫ブチルゴム賦形品を張り合
わせた後、150℃、4時間加硫して、膨潤タンク用のダ
イヤフラム(平均総厚み1.0mm、中間層フイルム平均厚
み75μm)を作成した。得られたダイヤフラムはブチル
ゴム単体のダイヤフラムとほとんど変わらない柔軟性を
有しており、ガス透過性も約1/6に改善されている。
実施例5 実施例4と同じ組成のペレツトを用いて、押出機(40
mmφ、L/D=26)、円形ダイ、サイジング装置、冷却装
置および引取装置からなるチユーブ成形機を使用して、
230℃で溶融混合して外径12.5mmφ、肉厚500μmのチユ
ーブを作成した。チユーブ作成は厚み変動なく順調で、
ゲルの発生もなかつた。このチユーブの外層に編組補強
したNBR層を構成し、スチーム加熱による加硫処理して
総肉厚5.0mmのフレオンホースを作成した。内層チユー
ブ層には溶融変性は全く認められなかつた。またこのホ
ースはチユーブを組込まないホースと比較してほとんど
変わらない柔軟性を有していた。次にASTM D 1680に準
じて、100℃、72時間でのフロン12ガスの透過量を比較
したところチユーブ組込みホースはチユーブを組込まな
いホースの1/12の透過量となつた。
mmφ、L/D=26)、円形ダイ、サイジング装置、冷却装
置および引取装置からなるチユーブ成形機を使用して、
230℃で溶融混合して外径12.5mmφ、肉厚500μmのチユ
ーブを作成した。チユーブ作成は厚み変動なく順調で、
ゲルの発生もなかつた。このチユーブの外層に編組補強
したNBR層を構成し、スチーム加熱による加硫処理して
総肉厚5.0mmのフレオンホースを作成した。内層チユー
ブ層には溶融変性は全く認められなかつた。またこのホ
ースはチユーブを組込まないホースと比較してほとんど
変わらない柔軟性を有していた。次にASTM D 1680に準
じて、100℃、72時間でのフロン12ガスの透過量を比較
したところチユーブ組込みホースはチユーブを組込まな
いホースの1/12の透過量となつた。
実施例6 ω−ラウロラクタムの開環重合体の12−ナイロン40重
量部、エチレン含有率44.2モル%、鹸化度99.5モル%、
MI(190℃、2160g荷重測定)5.5g/10分のEVOH60重量部
およびエチレン−プロピレン共重合体ゴム30重量部のタ
ンブラー混合ペレツトを、実施例4と同じペレツト化装
置で220℃で溶融混合ペレツト化を行つた。成形は順調
で、ダイから吐出されるストランドの太さは流れ方向に
均一であつた。このペレツトを用い、実施例4と同じフ
イルム成形機を用いて、押出温度220℃で厚み50μmの
フイルムを作成した。フイルム作成は厚み変動およびゲ
ル発生もなく順調であつた。得られたフイルムのガス透
過率は次の通り優れたものであつた。
量部、エチレン含有率44.2モル%、鹸化度99.5モル%、
MI(190℃、2160g荷重測定)5.5g/10分のEVOH60重量部
およびエチレン−プロピレン共重合体ゴム30重量部のタ
ンブラー混合ペレツトを、実施例4と同じペレツト化装
置で220℃で溶融混合ペレツト化を行つた。成形は順調
で、ダイから吐出されるストランドの太さは流れ方向に
均一であつた。このペレツトを用い、実施例4と同じフ
イルム成形機を用いて、押出温度220℃で厚み50μmの
フイルムを作成した。フイルム作成は厚み変動およびゲ
ル発生もなく順調であつた。得られたフイルムのガス透
過率は次の通り優れたものであつた。
実施例7 ω−アミノウンデカン酸の縮合重合体の11−ナイロン
60重量部とパラオキシ安息香酸2エチルヘキシル10重量
部の溶融混合ペレツトとエチレン含有率32.0モル%、鹸
化度99.6モル%、MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10
分のEVOHペレツト40重量部のタンブラー混合物について
実施例4と同じペレツト化装置で220℃で溶融混合ペレ
ツト化を行つた。ストランド成形は順調で、ダイから吐
出されるストランドの太さは流れ方向に均一であつた。
このペレツトを用い、実施例4と同じフイルム成形機を
用いて、押出温度220℃で厚み50μmのフイルムを作成
した。フイルム作成は厚み変動およびゲル発生も無く順
調であつた。得られたフイルムのガス透過率は次の通り
であつた。
60重量部とパラオキシ安息香酸2エチルヘキシル10重量
部の溶融混合ペレツトとエチレン含有率32.0モル%、鹸
化度99.6モル%、MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10
分のEVOHペレツト40重量部のタンブラー混合物について
実施例4と同じペレツト化装置で220℃で溶融混合ペレ
ツト化を行つた。ストランド成形は順調で、ダイから吐
出されるストランドの太さは流れ方向に均一であつた。
このペレツトを用い、実施例4と同じフイルム成形機を
用いて、押出温度220℃で厚み50μmのフイルムを作成
した。フイルム作成は厚み変動およびゲル発生も無く順
調であつた。得られたフイルムのガス透過率は次の通り
であつた。
比較例3 ω−アミノウンデカン酸の縮合重合体の11−ナイロン
60重量部とエチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル
%、MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10分のEVOH40重
量部のタンブラー混合ペレツトを実施例4と同じペレツ
ト化装置で220℃で溶融混合ペレツト化を行つたとこ
ろ、ダイから吐出されるストランドの太さが流れ方向に
変動して、ストランドの切れが多発して、連続化が困難
であつた。このペレツトを用い、実施例4と同じフイル
ム成形機を用いて、押出温度220℃で厚み50μmのフイ
ルム作成を試みたところ、フイルムの連続作成は可能で
あつたが、得られたフイルムは厚薄斑があり、ゲルが認
められ、商品価値の無いものであつた。
60重量部とエチレン含有率32.0モル%、鹸化度99.6モル
%、MI(190℃、2160g荷重測定)1.3g/10分のEVOH40重
量部のタンブラー混合ペレツトを実施例4と同じペレツ
ト化装置で220℃で溶融混合ペレツト化を行つたとこ
ろ、ダイから吐出されるストランドの太さが流れ方向に
変動して、ストランドの切れが多発して、連続化が困難
であつた。このペレツトを用い、実施例4と同じフイル
ム成形機を用いて、押出温度220℃で厚み50μmのフイ
ルム作成を試みたところ、フイルムの連続作成は可能で
あつたが、得られたフイルムは厚薄斑があり、ゲルが認
められ、商品価値の無いものであつた。
比較例4 実施例4と同じフイルム成形機を用いて、実施例4の
12−ナイロン単独でフイルム製膜を行い厚み300μmの
フイルムを得た。このフイルムのガス透過率は下表のよ
うにガス遮断性能の低いものであつた。
12−ナイロン単独でフイルム製膜を行い厚み300μmの
フイルムを得た。このフイルムのガス透過率は下表のよ
うにガス遮断性能の低いものであつた。
比較例5 実施例4と同じフイルム成形機を用いて、実施例4の
EVOHで単独フイルム製膜を行い、厚み300μmのフイル
ムを得た。フイルム製膜は順調で、ゲルのない均一な厚
みのフイルムを得た。このフイルムのガス遮断性は次の
通り優れたものであつたが、極めて硬くゴムの柔軟性を
損うことが予想された。このフイルムの両面に厚さ1mm
の未加硫NBRを貼つたのちスチーム加硫処理したとこ
ろ、EVOH層が溶融変形して厚み斑を生じていた。
EVOHで単独フイルム製膜を行い、厚み300μmのフイル
ムを得た。フイルム製膜は順調で、ゲルのない均一な厚
みのフイルムを得た。このフイルムのガス遮断性は次の
通り優れたものであつたが、極めて硬くゴムの柔軟性を
損うことが予想された。このフイルムの両面に厚さ1mm
の未加硫NBRを貼つたのちスチーム加硫処理したとこ
ろ、EVOH層が溶融変形して厚み斑を生じていた。
F.発明の効果 本発明の多層構造体に用いられる樹脂組成物は溶融成
形性に優れ、ガス遮断性に優れ、耐高温湿熱性にも優れ
おり、さらにポリアミド樹脂として11−ナイロン、12−
ナイロンを使用して得た成形物は柔軟で特にゴムと積層
してゴムのガス遮断性を改善するのに極めて優れてい
る。
形性に優れ、ガス遮断性に優れ、耐高温湿熱性にも優れ
おり、さらにポリアミド樹脂として11−ナイロン、12−
ナイロンを使用して得た成形物は柔軟で特にゴムと積層
してゴムのガス遮断性を改善するのに極めて優れてい
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 77/00 C08L 77/00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36
Claims (1)
- 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、(B)エチレン−
ビニルアルコール共重合体および(C)芳香族酸アミ
ド、芳香族酸エステルおよびオレフィン系エラストマー
から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂組成物からな
る層とゴム層の少なくとも二層からなる多層構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1244640A JP2790334B2 (ja) | 1989-09-19 | 1989-09-19 | 多層構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1244640A JP2790334B2 (ja) | 1989-09-19 | 1989-09-19 | 多層構造体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05648098A Division JP3273755B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03106953A JPH03106953A (ja) | 1991-05-07 |
JP2790334B2 true JP2790334B2 (ja) | 1998-08-27 |
Family
ID=17121758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1244640A Expired - Fee Related JP2790334B2 (ja) | 1989-09-19 | 1989-09-19 | 多層構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2790334B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3229158A1 (de) * | 1981-08-05 | 1983-02-24 | American Can Co., 06830 Greenwich, Conn. | Molekular orientierte folie oder verbundfolie und verfahren zu ihrer herstellung |
-
1989
- 1989-09-19 JP JP1244640A patent/JP2790334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03106953A (ja) | 1991-05-07 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |