JP2000248124A - ヒートシール材料 - Google Patents

ヒートシール材料

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JP2000248124A
JP2000248124A JP11056556A JP5655699A JP2000248124A JP 2000248124 A JP2000248124 A JP 2000248124A JP 11056556 A JP11056556 A JP 11056556A JP 5655699 A JP5655699 A JP 5655699A JP 2000248124 A JP2000248124 A JP 2000248124A
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ethylene
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polyolefin
vinyl alcohol
unsaturated carboxylic
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JP11056556A
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Hitoshi Tateno
均 舘野
Hiroyuki Shimo
浩幸 下
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、保香性、フィルム成形性、ヒ
ートシール性に優れ、外観にも優れたヒートシール材料
を得ること。 【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体アイオノマー(C)、及び、ポリオレフ
ィン(D)を特定の比率で配合して得られる樹脂組成物
からヒートシール材料を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性、保
香性、溶融成形性に優れた、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレン−
不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)、及び、
ポリオレフィン(D)を配合して得られる樹脂組成物か
らなるヒートシール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン等の各種ポリオレフィン
は、優れた透明性、柔軟性、及び、衛生性の観点から、
食品等の包装材料として広く使用されている。しかしな
がら、これらの樹脂は単体として使用するとガスバリア
が不足して、食品或いは薬品などの高度な保存性が求め
られる商品の包装材料に対する要求性能を満足できない
場合がある。
【0003】そこで、例えば、共押出成形技術を用い、
酸素に対するガスバリアがポリオレフィンに比較して著
しく良好なエチレン−ビニルアルコール共重合体を積層
して得られる多層フィルムが、バリア性が必要とされる
食品分野等において広く用いられている。
【0004】このエチレン−ビニルアルコール共重合体
はヒートシール性がポリエチレンなどのように良好でな
いところから、高温熱シールで包装フィルムの熱変形を
伴い外観を損ねたり、内容物の高速充填ができないなど
の問題がある。このため、エチレン−ビニルアルコール
共重合体が内層材として用いられることはきわめて少な
く、主に3層以上の複合フィルム又は成形物の中間層と
して使われる場合が多い。
【0005】しかしながら、このようなエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体を積層して得られる多層フィルム
は、他のバリア包装材料に比べて性能は優れているもの
の高価であり、一般食品包装材料としては使いづらい欠
点があった。
【0006】また、エチレン−ビニルアルコール共重合
体は保香性に優れるという特徴を有するものの、上記ヒ
ートシール性の問題から内層材として用いることは困難
であるために、その保香性の良さを生かしきることがで
きなかった。
【0007】従って、高度なガスバリア性と保香性を有
するエチレン−ビニルアルコール共重合体に良好なヒー
トシール性を付与し、最内層材として使用ならしめるこ
とは、コスト的な要因は元より、包装材料の機能化の観
点からも好ましく、切望されるところである。
【0008】このようなエチレン−ビニルアルコール共
重合体の欠点を解決するために、他の樹脂をブレンドす
る種々の手法が取られてきたが、すべての性能を満足さ
せるような解決策は未だ見出されていない。
【0009】例えば、特開昭48−7038号公報で
は、エチレン−ビニルアルコール共重合体の耐衝撃性な
どの機械物性を改良するために、低密度ポリエチレンと
エチレン−ビニルアルコール共重合体を所定量で配合す
ることを提案している。しかしながら、この提案では低
密度ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合
体の相容性が良くないために、その実施例、比較例に記
載されたような満足な形状の薄膜フィルムが得られなか
った。
【0010】この相容性の問題を解決するために、特開
昭48−75646号公報では主鎖または側鎖にカルボ
ニル基を有する熱可塑性重合体を相容化剤として用いる
ことを提案している。しかしながら、この方法でも相容
性は十分でなく、その実施例、比較例に記載されたよう
な満足な形状の薄膜フィルムが得られなかった。
【0011】更に、相容性の問題を解決するために、特
開平5−25332号公報、特開平5−163391号
公報ではエチレン−α−オレフィン共重合体の無水マレ
イン酸グラフト変性体を相容化剤として用いることを提
案している。この方法では、ある程度の薄膜フィルムの
成形は可能であったが、このような樹脂はエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体と化学反応を起こすために、ブ
レンド物中にゲル、フィッシュアイが発生し、フィルム
外観、機械強度、耐衝撃性において必ずしも良好な結果
が得られていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はこのような
現状に鑑み、エチレン−ビニルアルコール共重合体の優
れたガスバリア性と保香性を保ちながら、ブレンド物中
にゲル、フィッシュアイが発生することなく、薄肉でも
フィルム外観に優れ、且つ、ヒートシール性の良好なヒ
ートシール材料を得るべく誠意検討を行った。
【0013】その結果、後記するエチレン−ビニルアル
コール共重合体(A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)、お
よび、ポリオレフィン(D)を有し、この(A)〜
(D)の樹脂を特定の比率で含有する樹脂組成物からな
るヒートシール材料によってその目的が達せられること
を見出した。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリアミド樹脂
(B)、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノ
マー(C)、及び、ポリオレフィン(D)からなり、配
合重量比が下式(1)〜(4)を満足する樹脂組成物で
あって、ポリオレフィン(D)が連続相、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(A)が分散相となる樹脂組成
物からなるヒートシール材料に関する。 0.6≦W(A+D)/W(T)≦0.995 (1) 0.005≦W(B+C)/W(T)≦0.4 (2) 0.2≦W(A)/W(A+D)≦0.5 (3) 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.98 (4) (但し、W(A+D);組成物中の(A)と(D)との
合計重量 W(A);組成物中の(A)の重量 W(B);組成物中の(B)の重量 W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量 W(T);組成物の合計重量)。
【0015】好ましい実施態様では、本発明のヒートシ
ール材料は、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)の200℃における溶融粘度ηaとポリオレフィ
ン(D)の200℃における溶融粘度ηdとの比が下式
(5): 0.05≦ηa/ηd≦1 (5) を満足する樹脂組成物からなる。
【0016】より好ましい実施態様では、本発明のヒー
トシール材料は、配合重量比 W(B)/W(B+C)
が下式(6): 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.5 (6) を満足する樹脂組成物を有する。
【0017】さらに好ましい実施態様では、本発明のヒ
ートシール材料は、ポリアミド樹脂(B)とエチレン−
不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)を先に溶
融混合してから、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)及びポリオレフィン(D)と共に溶融混合して得
られる。
【0018】また、さらに好ましい実施態様では、本発
明のヒートシール材料のエチレン−不飽和カルボン酸共
重合体アイオノマー(C)が、不飽和カルボン酸含有量
が2〜12モル%、金属カチオンによる中和度が10〜
80モル%の範囲にある。
【0019】そして、好ましい実施態様においては、本
発明のヒートシール材料のポリオレフィン(D)が、低
密度ポリエチレン、線状低中密度ポリエチレン、及び、
エチレン重合割合が80モル%以上のエチレン−不飽和
カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エス
テル重合体、及びエチレン−ビニルエステル共重合体か
らなる群から選択される少なくとも1種である。
【0020】さらに、好ましい実施態様においては、本
発明のヒートシール材料のポリオレフィン(D)が、
(メタ)アクリル酸含量が1〜10モル%の範囲にある
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体である。
【0021】上記の発明により、エチレン−ビニルアル
コール共重合体の優れたガスバリア性と保香性を保ちな
がら、ブレンド物中にゲル、フィッシュアイが発生する
ことなく、薄肉でもフィルム外観に優れ、且つ、ヒート
シール性の良好なヒートシール材料が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(A)とポリオレフィン(D)
とを相容させる際に、相容化剤としてポリアミド樹脂
(B)とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノ
マー(C)の2成分を必須成分として使用することが第
一の特徴である。
【0023】ポリアミド樹脂(B)とエチレン−不飽和
カルボン酸共重合体アイオノマー(C)との組み合わせ
を使用することにより、エチレン−ビニルアルコール共
重合体(A)とポリオレフィン(D)との相容性を著し
く改善することができ、優れた特性を有する樹脂組成物
を得ることが出来る。換言すれば、溶解性パラメータが
大きく異なり相容性の悪いエチレン−ビニルアルコール
共重合体(A)とポリオレフィン(D)との相容性を向
上させる方策として、エチレン−ビニルアルコール共重
合体(A)に相容性の良いポリアミド樹脂(B)とポリ
オレフィン(D)に相容性の良いエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体アイオノマー(C)を配することによ
り、相容性の勾配を適度にコントロールすることができ
る。
【0024】本発明の第二の特徴は、エチレン−ビニル
アルコール共重合体(A)とポリオレフィン(D)の粘
度差の厳密なコントロールであり、これによりポリオレ
フィン(D)が連続相、エチレン−ビニルアルコール共
重合体(A)が分散相であるにも拘わらず、良好なヒー
トシール性とガスバリア性、保香性の両立が達成され
る。
【0025】本発明に用いられるエチレン−ビニルアル
コール共重合体(A)としては、エチレン−ビニルエス
テル共重合体をけん化して得られるものが好ましく、そ
の中でも、エチレン含有量は15〜70モル%、好適に
は20〜65モル%、最適には25〜60モル%である
ものが好ましく、さらに、ビニルエステル成分のけん化
度は85%以上、より好ましくは90%以上のものが使
用できる。エチレン含有量が15モル%未満では溶融成
形性が悪く、耐水性、耐熱水性が低下するところがあ
る。一方、70モル%を超える場合は、バリア性が不足
するところがある。また、けん化度が85%未満ではバ
リア性、熱安定性が悪くなるところがある。さらに、エ
チレン含有量が70モル%を超えるか、もしくはけん化
度が85%未満では、ガスバリア性が低下するところが
ある。
【0026】エチレン−ビニルアルコール共重合体の製
造時に用いられるビニルエステルとしては酢酸ビニルが
代表的なものとしてあげられるが、その他の脂肪酸ビニ
ルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル)
も使用できる。また、エチレン−ビニルアルコール共重
合体は共重合成分としてビニルシラン化合物0.000
2〜0.2モル%を含有することができる。ここで、ビ
ニルシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β
−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシ
プロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好
適に用いられる。
【0027】さらに、本発明の目的が阻害されない範囲
で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレン、或
いは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル
もしくはメタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン
酸またはそのエステル、及び、N−ビニルピロリドンな
どのビニルピロリドンを共重合することもできる。
【0028】本発明に用いるエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体の好適なメルトフローレート(MFR)(1
90℃、2160g荷重下)は、0.2〜100g/1
0min、最適には0.5〜50g/10minであ
る。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超え
るものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測
定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの
対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で示
す。これらのエチレン−ビニルアルコール共重合体はそ
れぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0029】本発明に用いられるポリアミド樹脂(B)
は、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の縮
合重合物、ジカルボン酸とジアミンの縮合重合物などが
挙げられ、具体的にはポリカプロアミド(ナイロン
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラ
ウリルラクタム(ナイロン12)、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバ
カミド(ナイロン6、12)の如き単独重合体、カプロ
ラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/1
2)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体
(ナイロン6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノ
ナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/
ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナ
イロン6/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジ
アンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウ
ムセバケート共重合体(ナイロン6/66/612)、
アジピン酸とメタキシリレンジアミンとの共重合体、あ
るいはヘキサメチレンジアミンとm、p−フタル酸との
共重合体である芳香族ナイロンなどを代表例として挙げ
ることができる。これらのポリアミド樹脂は、それぞれ
単独で用いることもできるし、2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0030】本発明に好適なポリアミド樹脂としては、
エチレン−ビニルアルコール共重合体との相容性の点か
ら、ナイロン6成分を含むポリアミド樹脂、例えば、ナ
イロン6、ナイロン6、12、ナイロン6/12、ナイ
ロン6/66などを挙げることができる。さらに、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体とポリアミド樹脂は高
温での溶融過程で反応してゲル化するため、これを抑制
する観点から、ポリアミド樹脂の融点は240℃以下、
好ましくは230℃以下であることが好ましい。
【0031】本発明に用いるポリアミド樹脂の好適なメ
ルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷
重下)は、0.2〜100g/10min、最適には0.
5〜50g/10minである。但し、融点が210℃
付近あるいは210℃を超えるものは2160g荷重
下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶
対温度の逆数を横軸、MIの対数を縦軸にプロットし、
210℃に外挿した値で示す。
【0032】本発明で用いることのできるエチレン−不
飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)は、エチレ
ン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体のカルボキシル
基の一部が金属カチオンで中和された構造のものをい
う。 ランダム共重合体がグラフト化合物に比べて優れ
ている理由は、グラフト化合物では相容性を発揮するに
必要な高い酸含量を得ることが難しいためである。更
に、不飽和カルボン酸、例えば無水マレイン酸のグラフ
ト化合物の場合は、エチレン−ビニルアルコール共重合
体中の水酸基とグラフト化合物中のカルボキシル基とが
反応して、ゲル・フィッシュアイ発生の原因となるた
め、好ましくない場合がある。
【0033】本発明に好適なエチレン−不飽和カルボン
酸共重合体アイオノマー(C)としては、エチレン成分
が88〜98モル%、特に90〜97モル%、不飽和カ
ルボン酸成分、すなわち不飽和カルボン酸及び不飽和カ
ルボン酸塩成分が2〜12モル%、特に3〜10モル
%、その他の不飽和単量体成分が0〜15モル%、特に
0〜12モル%の割合で共重合されているのが好まし
い。また、総和が上記要件を満たす限り、不飽和カルボ
ン酸成分単位の異なるものを2種以上用いてもよい。
【0034】本発明に用いられるエチレン−不飽和カル
ボン酸共重合体アイオノマーの不飽和カルボン酸含有量
は2〜12モル%、好ましくは3〜10モル%範囲にあ
ることが望ましく、金属カチオンによる中和度は10〜
80モル%、好ましくは15〜75モル%範囲にあるこ
とが望ましい。不飽和カルボン酸の含有量が2モル%未
満、或いは、金属カチオンによる中和度が10モル%未
満の場合は、ポリアミド樹脂との相容性が不足して、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体とポリオレフィンの
相容化効果が低下する。 不飽和カルボン酸の含有量が
12モル%を超える場合は、高圧法プロセスにおいての
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノマーの製
造が極めて困難となり、生産性やコスト面から現実的で
ない。また、金属カチオンによる中和度が80モル%を
超える場合は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体ア
イオノマーの溶融粘度が著しく高くなり、樹脂組成物の
溶融混合が難しくなる。
【0035】本発明に用いるエチレン−不飽和カルボン
酸ランダム共重合体は、高温高圧下、各重合成分をラン
ダム共重合することによって得ることができ、他の不飽
和単量体成分、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸n-ブチルのようなアクリル酸エステルや
メタクリル酸エステル、あるいは酢酸ビニルなどのよう
な不飽和エステルが共重合されていてもよい。
【0036】本発明に用いるアイオノマーの中の不飽和
カルボン酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、マレイ
ン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステ
ル、無水マレイン酸などが例示され、特にアクリル酸あ
るいはメタクリル酸が好ましい。
【0037】エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイ
オノマー(C)における金属カチオンとしては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネ
シウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛など
の遷移金属が例示され、特に亜鉛を用いた場合がポリア
ミド樹脂に対する相容性の点で好ましい。
【0038】本発明に用いるエチレン−不飽和カルボン
酸共重合体アイオノマーのメルトフローレート(MF
R)(190℃、2160g荷重下)は、好ましくは
0.2〜100g/10min、さらに好ましくは0.5
〜50g/10minである。これらのアイオノマー
は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を
混合して用いることもできる。
【0039】本発明に用いられるポリオレフィン(D)
は、低密度ポリエチレン、線状低中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1
などのα−オレフィンの単独重合体、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1などから選ばれたα−
オレフィン同士の共重合体、エチレンとアクリル酸、メ
タクリル酸などの不飽和カルボン酸との共重合体、並び
に、酢酸ビニルなどのビニル化合物や(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルなどの
不飽和カルボン酸エステルとの共重合体などが挙げら
れ、好ましくは、低密度ポリエチレン、線状低中密度ポ
リエチレン、及び、エチレン重合割合が80モル%以上
のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不
飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−ビニルエ
ステル共重合体であり、さらに好ましくは(メタ)アク
リル酸含量が1〜10モル%の範囲にあるエチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体である。
【0040】本発明に用いるポリオレフィン(D)のメ
ルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷
重下)は、好ましくは0.1〜50g/10min、さ
らに好ましくは0.2〜40g/10minである。こ
れらのポリオレフィンは、それぞれ単独で用いることも
できるし、2種以上を混合して用いることもできる。
【0041】これらのポリオレフィンは、ヒートシール
性に優れ、好ましい低温ヒートシール性を有すること
と、比較的良好な保香性を有するところから選択され、
特にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が最も好適
である。
【0042】本発明のヒートシール材料は、上記エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリアミド樹脂
(B)、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノ
マー(C)、及び、ポリオレフィン(D)を配合した樹
脂組成物からなり、配合重量比が下式(1)〜(4)を
満足する樹脂組成物であって、ポリオレフィン(D)が
連続相、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)が
分散相となる樹脂組成物からなる。 0.6≦W(A+D)/W(T)≦0.995 (1) 0.005≦W(B+C)/W(T)≦0.4 (2) 0.2≦W(A)/W(A+D)≦0.5 (3) 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.98 (4) (但し、W(A+D);組成物中の(A)と(D)との
合計重量 W(A);組成物中の(A)の重量 W(B);組成物中の(B)の重量 W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量 W(T);組成物の合計重量)。
【0043】好適には、 0.65≦W(A+D)/W(T)≦0.99 (1’) 0.01≦W(B+C)/W(T)≦0.35 (2’) 0.22≦W(A)/W(A+D)≦0.48 (3’) 0.05≦W(B)/W(B+C)≦0.95 (4’) (但し、W(A+D);組成物中の(A)と(D)との
合計重量 W(A);組成物中の(A)の重量 W(B);組成物中の(B)の重量 W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量 W(T);組成物の合計重量)。 である。
【0044】W(A+D)/W(T)が0.995を超
える場合あるいはW(B+C)/W(T)が0.005
未満の場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)とポリオレフィン(D)との相容性が低下し、本
発明の効果が得られない。また、W(A+D)/W
(T)が0.6未満の場合あるいはW(B+C)/W
(T)が0.4を超える場合には、組成物全体の量のう
ちエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオ
レフィン(D)の比率が低下するために、本来エチレン
−ビニルアルコール共重合体(A)の有するバリア性能
や保香性や、ポリオレフィンの有するヒートシール性等
の性能が低下する。
【0045】W(B)/W(B+C)が0.02未満の
場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポ
リアミド樹脂(B)との相容性が低下し、W(B)/W
(B+C)が0.98を超える場合、エチレン−不飽和
カルボン酸共重合体アイオノマー(C)とポリオレフィ
ン(D)との相容性が低下する。各樹脂成分間の相容性
が低下すると、樹脂組成物の薄膜フィルムの成形性が困
難となり、得られたフィルムの機械強度や耐衝撃性も低
下する。
【0046】また、熱安定性の観点から、W(B)/W
(B+C)が0.5以下の場合が好ましく、より好適に
は0.45以下である。W(B)/W(B+C)がかか
る範囲にあることで、樹脂組成物の溶融安定性が改善さ
れ、長時間に及ぶ溶融成形においても良好な外観のフィ
ルムが得られ、生産性が向上する。この理由は必ずしも
明らかではないが、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(A)とポリアミド樹脂(B)との反応によるゲルの
生成が、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノ
マー(C)を所定量共存させると抑制されるものと推定
される。
【0047】本発明のヒートシール材料は、ポリオレフ
ィン(D)が連続相、エチレン−ビニルアルコール共重
合体(A)が分散相である。このような分散形態を得る
ためには、W(A)/W(A+D)の値は0.2以上、
0.5以下の範囲にあることが望ましく、好ましくは0.
22以上、0.48以下の範囲である。W(A)/W
(A+D)の値が0.2未満では、バリア性や保香性が
低下し、0.5を超えるとポリオレフィン(D)が連続
相を形成し難くなり、ヒートシール性が低下する。
【0048】前述のように、本発明のヒートシール材料
は、ポリオレフィン(D)が連続相、エチレン−ビニル
アルコール共重合体(A)が分散相である。一般に、ポ
リオレフィン(D)が連続相である樹脂組成物は、ポリ
オレフィン(D)の占める容積が大きいほどヒートシー
ル性を発現することは容易になるが、逆にガスバリアや
保香性を得ることは難しい。しかしながら、エチレン−
ビニルアルコール共重合体(A)の200℃における溶
融粘度ηaとポリオレフィンの200℃における溶融粘
度ηdとの比(ηa/ηd)を0.05以上、1以下の
範囲、好ましくは0.1以上、0.95以下の範囲に保つ
ことにより、ポリオレフィン(D)が連続相であり、樹
脂組成物が良好なヒートシール性を持ちながらも、適度
なガスバリア性と保香性が達成される。ηa/ηdが
0.05未満の場合は粘度差が大きくなりすぎて樹脂成
分の溶融混合が巧くいかなくなり、逆に1を超える場合
にはバリア性や保香性が低下する。
【0049】溶融粘度比が上記範囲にあると、エチレン
−ビニルアルコール共重合体(A)は分散相であるもの
の、恐らく薄い平面板状に層を成した構造を形成するも
のと推定され、樹脂組成物中に占めるエチレン−ビニル
アルコール共重合体の配合割合から期待される性能をは
るかに凌ぐ、ガスバリア性と保香性が得られる。
【0050】本発明に用いられる樹脂組成物中には、前
記(A)〜(D)の樹脂の他に、適切な添加剤(例え
ば、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着
色剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止
剤、フィラー、他の樹脂)が含まれてもよいが、これら
の添加剤は、本発明のヒートシール材料の有する効果を
阻害しない範囲で使用される。
【0051】本発明に用いられる樹脂組成物は、通常の
溶融混練装置により、各成分を溶融混練することにより
容易に得ることができる。ブレンドする方法は、特に限
定されるものではないが、エチレン−ビニルアルコール
共重合体(A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレン−不
飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)、及び、ポ
リオレフィン(D)を同時に単軸または2軸押出機など
で造粒し乾燥する方法、或いは、まず最初にポリアミド
樹脂(B)とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイ
オノマー(C)を溶融混合し、造粒・乾燥してから、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオレフ
ィン(D)と共に、単軸または2軸押出機などで造粒し
乾燥する方法などが挙げられる。
【0052】なかでも、後述する実施例でも示されてい
るように、まず最初に、ポリアミド樹脂(B)とエチレ
ン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)を溶
融混合し、造粒・乾燥してから、エチレン−ビニルアル
コール共重合体(A)とポリオレフィン(D)と共に、
単軸または2軸押出機などで造粒し乾燥する方法が好ま
しい。この理由として、各成分を同時に溶融混練する場
合には、相容性の良い樹脂成分同士の混合(例えば、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリアミド
樹脂(B))が優先して進む場合があるために、4成分
からなる樹脂組成物のモルフォロジーを安定に制御する
ことが難しいことがある。しかしながら、ポリアミド樹
脂(B)とエチレン−不飽和カルボン酸共重合体アイオ
ノマー(C)のブレンド物を予め作製しておくことによ
り、溶融混合時の条件にあまり影響を受けずに、安定し
たエチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオ
レフィン(D)の相容化効果が得られる。
【0053】なお、溶融配合操作においては、ブレンド
が不均一になったり、ゲル、フィッシュアイが発生する
可能性があるので、造粒装置はなるべく混練性能の高い
押出機を使用し、ホッパー口を窒素ガスでシールし、低
温で押し出しすることが望ましい。
【0054】本発明のヒートシール材料からなる薄膜フ
ィルムを得る方法としては、一般のポリオレフィン分野
における適切なフィルム成形機、例えば、インフレーシ
ョンフィルム成形機、Tダイ・キャストフィルム成形
機、押出コーティング成形機などが挙げられる。さら
に、本発明のヒートシール材料からなる薄膜フィルム層
と、基材フィルムとの接着を容易にするための接着層を
積層する目的で、多層インフレーションフィルム成形
機、多層Tダイ・キャストフィルム成形機、多層押出コ
ーティング成形機などを用いることもできる。
【0055】本発明のヒートシール材料からなる薄膜フ
ィルムは、これを最内層とする包装体を形成するため
に、基材フィルムに積層して使用することができる。こ
のような基材フィルムは単層のものでも、2層以上から
なる多層構成のものでもよく、例えば、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、
プロピレン−α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、
エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリ−4−メチル
−1−ペンテン、ポリ塩化ビニルなどのフィルム、アル
ミ箔のような金属薄膜、アルミ、シリカ、アルミナ、マ
グネシウムなどの蒸着フィルム、紙などを挙げることが
できる。これらは、一軸あるいは二軸に延伸されたもの
であってもよい。
【0056】本発明のヒートシール材料からなる薄膜フ
ィルムと基材フィルムの積層方法としては、一般のポリ
オレフィン分野における適切な積層方法、例えば、ドラ
イラミネーション法、ポリエチレン等を中間層とする熱
サンドラミネーション法、直接押出コーティング法など
が挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例に用いた原料の組成と物性を
表1〜表4に示し、樹脂物性の測定方法と得られたフィ
ルムの物性測定方法を1.評価方法に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】1. 評価方法 1.1. メルトフローレート(MFR) 所定の温度(190℃、210℃)、2160g荷重
で、10分間にメルトインデクサーより流れ出る溶融ポ
リマーの重量(g/10min)を測定する。但し、融
点が所定の温度付近あるいはその温度を超えるものは2
160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対
数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MIの対数を縦軸に
プロットし、所定の温度に外挿した値で示す。
【0063】1.2. 溶融粘度 B型粘度計を用い、200℃で溶融状態にある樹脂の粘
度をJIS K−2207に準拠して、回転数30mi
n−1の条件で測定する。
【0064】1.3. 酸素透過度(ガスバリア性) フィルムサンプルをModern Control社の
酸素透過率測定装置(OX−TRAN TWIN)に装
着し、50%相対湿度下、23℃、24時間のコンディ
ショニングを行った後に酸素透過度を測定する。
【0065】1.4. d−リモネン吸着量(保香性) フィルムサンプルを室温で3日間、d−リモネン原液に
浸せき後、表面に付着したd−リモネンを拭き取り重量
増加率を測定する。
【0066】1.5. ヒートシール強度 フィルムサンプルを2枚重ね合わせ、ヒートシール温度
150℃、ヒートシール圧0.2MPa、ヒートシール
時間0.5秒で片側加熱を行い、引張試験機INTES
CO IM−20を用い、試験速度300mm/min
で引張試験を行った時の引張強度を測定する。
【0067】1.6. 分散形態 フィルムサンプルを、フィルムの流れ方向及びそれに垂
直な方向に垂直な面で切断し、その切断面のエチレン−
ビニルアルコール共重合体をよう素で染色し、中央付近
を光学電子顕微鏡で観察することにより、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体が樹脂組成物中で連続相、分散
相のどちらを形成しているのかを確認した。
【0068】(実施例1)表1〜表4に示すエチレン−
ビニルアルコール共重合体(A−1)40重量部、ポリ
アミド樹脂(B−1)3重量部、エチレン−メタクリル
酸共重合体アイオノマー(C−1)7重量部、及び、エ
チレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)(D−1)
50重量部からなるブレンド物を以下の方法で得た。即
ち、まず(B−1)と(C−1)とを二軸押出機(スク
リュー30mm径、同方向非噛み合い型)を用い、樹脂
温度200℃で押出し造粒を行い、得られたペレットと
残りの(A−1)及び(D−1)を同様の方法で溶融混
合し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0069】こうして作成された樹脂組成物を用い、5
0mmφスパイラルダイを装着したインフレーションフ
ィルム成形機(スクリュー30mm径)により、樹脂温
度200℃、引取速度3.3m/minで、厚さ50μ
m、折幅200mmのインフレーションフィルムを作製
した。このフィルム成形時のバブルは安定しており、厚
みや折り幅の安定したフィルムを得ることが出来た。得
られたフィルムの酸素透過度、保香性、ヒートシール強
度を、前記1.評価方法に従って測定し、結果を表5に
示す。
【0070】(実施例2および3)表1〜表4に記載の
樹脂を、表5に記載の配合で用いた以外は実施例1と同
様にして、厚さ50μm、折幅200mmのインフレー
ションフィルムを作製し、実施例1と同様に評価して、
結果を表5に示す。
【0071】(実施例4)各成分の樹脂を、二軸押出機
(スクリュー30mm径、同方向非噛み合い型)を用い
て一括して溶融混練を行った以外は、実施例1と同様に
して厚さ50μm、折幅200mmのインフレーション
フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果を
表5に示す。
【0072】(実施例5)表1〜表4に記載の樹脂を、
表5に記載の配合で用いた以外は実施例1と同様の方法
で作成した樹脂組成物のペレットを用い、ダイ幅850
mmのストレートマニホールドダイを装着した押出コー
ティング成形機(スクリュー65mm径)により、樹脂
温度240℃、ライン速度100m/minで、予め市
販のイソシアネート系アンカー剤を塗布した、厚み15
μmの二軸延伸ナイロンフィルム上に、樹脂組成物の溶
融膜の押出コーティングを行った(厚さ25μm)。得
られた本発明の樹脂組成物と二軸延伸ナイロンフィルム
とからなる積層フィルムを実施例1と同様に評価して、
結果を表5に示す。
【0073】(比較例1)ポリオレフィンをD−3と
し、表6に記載の配合で用いた以外は実施例1と同様に
して厚さ50μm、折幅200mmのインフレーション
フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果は
表6に示すように、配合比や粘度比が規定の範囲を外れ
る場合には、ヒートシール性が不足する。
【0074】(比較例2〜4)表1〜表4に記載の樹脂
を、表6に記載の配合で用いた以外は実施例1と同様に
して厚さ50μm、折幅200mmのインフレーション
フィルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果は
表6に示すように、各成分の何れかが欠けると、バリア
性や保香性が悪化するか、フィルム成形性が悪化する。
【0075】(比較例5)表1〜表4に記載の樹脂を、
表6に記載の配合で用いた以外は実施例1と同様にして
厚さ50μm、折幅200mmのインフレーションフィ
ルムを作製し、実施例1と同様に評価した。結果は表6
に示すように、エチレン−ビニルアルコール共重合体が
連続相となるような配合割合ではヒートシール性が発現
しない。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【発明の効果】本発明により、ガスバリア性、保香性、
フィルム成形性、ヒートシール性に優れ、外観にも優れ
たフィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 123/02 C09J 123/02 123/08 123/08 123/26 123/26 129/04 129/04 S 177/00 177/00 //(C08L 23/02 29:04 77:00 23:26) Fターム(参考) 4F100 AK03B AK06B AK46B AK48A AK69B AK70B AK71B AT00A BA02 CB03B EJ38A GB23 JB20 JD02 JD03 JK06 JL12B 4J002 BB031 BB071 BB081 BB102 BB121 BB171 BB234 CL003 GF00 GG02 4J004 AA02 AA07 AA08 AA16 AB03 CA03 CA04 CA05 CA06 CA07 CA08 CC02 FA06 4J040 DA001 DA021 DA031 DA032 DA041 DA051 DA071 DA082 DA101 DA121 DA131 DA172 DD032 EG012 EG022 JA09 JB01 LA01 LA08 LA11 NA06 QA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレン−不飽和カル
    ボン酸共重合体アイオノマー(C)、及び、ポリオレフ
    ィン(D)からなり、配合重量比が下式(1)〜(4)
    を満足する樹脂組成物であって、ポリオレフィン(D)
    が連続相、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)
    が分散相となる樹脂組成物からなるヒートシール材料。 0.6≦W(A+D)/W(T)≦0.995 (1) 0.005≦W(B+C)/W(T)≦0.4 (2) 0.2≦W(A)/W(A+D)≦0.5 (3) 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.98 (4) (但し、W(A+D);組成物中の(A)と(D)との
    合計重量 W(A);組成物中の(A)の重量 W(B);組成物中の(B)の重量 W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量 W(T);組成物の合計重量)。
  2. 【請求項2】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)の200℃における溶融粘度ηaとポリオレフィ
    ン(D)の200℃における溶融粘度ηdとの比が下式
    (5)を満足する樹脂組成物からなる、請求項1記載の
    ヒートシール材料。 0.05≦ηa/ηd≦1 (5)
  3. 【請求項3】 配合重量比 W(B)/W(B+C)が
    下式(6)を満足する樹脂組成物からなる、請求項1ま
    たは2記載のヒートシール材料。 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.5 (6)
  4. 【請求項4】 ポリアミド樹脂(B)とエチレン−不飽
    和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)を先に溶融混
    合してから、エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)及びポリオレフィン(D)と共に溶融混合して得
    られる樹脂組成物からなる、請求項1ないし3いずれか
    の項に記載のヒートシール材料。
  5. 【請求項5】 エチレン−不飽和カルボン酸共重合体ア
    イオノマー(C)が、不飽和カルボン酸含有量が2〜1
    2モル%、金属カチオンによる中和度が10〜80モル
    %の範囲にある、請求項1ないし4いずれかの項に記載
    のヒートシール材料。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン(D)が、低密度ポリエ
    チレン、線状低中密度ポリエチレン、及び、エチレン重
    合割合が80モル%以上のエチレン−不飽和カルボン酸
    共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合
    体、及びエチレン−ビニルエステル共重合体からなる群
    から選択される少なくとも1種である、請求項1ないし
    5いずれかの項に記載のヒートシール材料。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン(D)が、(メタ)アク
    リル酸含量が1〜10モル%の範囲にあるエチレン−
    (メタ)アクリル酸共重合体である、請求項1ないし5
    いずれかの項に記載のヒートシール材料。
  8. 【請求項8】 基材フィルムに、エチレン−ビニルアル
    コール共重合体(A)、ポリアミド樹脂(B)、エチレ
    ン−不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(C)、及
    び、ポリオレフィン(D)からなり、配合重量比が下式
    (1)〜(4)を満足する樹脂組成物であって、ポリオ
    レフィン(D)が連続相、エチレン−ビニルアルコール
    共重合体(A)が分散相となる樹脂組成物からなるヒー
    トシール層が積層されてなる積層フィルム。 0.6≦W(A+D)/W(T)≦0.995 (1) 0.005≦W(B+C)/W(T)≦0.4 (2) 0.2≦W(A)/W(A+D)≦0.5 (3) 0.02≦W(B)/W(B+C)≦0.98 (4) (但し、W(A+D);組成物中の(A)と(D)との
    合計重量 W(A);組成物中の(A)の重量 W(B);組成物中の(B)の重量 W(B+C);組成物中の(B)と(C)との合計重量 W(T);組成物の合計重量)。
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