JPH05228366A - 金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類 - Google Patents

金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類

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JPH05228366A
JPH05228366A JP8054892A JP8054892A JPH05228366A JP H05228366 A JPH05228366 A JP H05228366A JP 8054892 A JP8054892 A JP 8054892A JP 8054892 A JP8054892 A JP 8054892A JP H05228366 A JPH05228366 A JP H05228366A
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JP
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algae
metal ion
hot water
adsorption
filterability
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JP8054892A
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Takao Kuwabara
孝夫 桑原
Akira Yazawa
彬 矢澤
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 水溶液中の金属イオンを吸着する藻類の濾過
性と金属イオン吸着能力の改善を目的とする。 [構成] 熱水浸出処理を施して熱水可溶成分を除去し
たことを特徴とする上記目的の藻類であり、特に藻類を
わかめとした場合にその効果が大きく、金属イオンとし
ては塩化金酸イオンにおいてその吸着能力の改善効果が
著しい。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] [0001]本発明は、水溶液中の金属イオンを吸着す
る藻類において、熱水浸出による前処理を施すことによ
り金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類に関するも
ので、従来イオン交換樹脂あるいは活性炭などの金属イ
オン吸着剤が用いられている種々の水溶液処理、特に金
属イオンの濃縮、相互分離による金属の回収および精製
あるいは廃水処理を利用分野とする。 [従来の技術] [0002]水溶液中に溶存する金属イオンの吸着剤と
しては、従来からイオン交換樹脂や活性炭が用いられて
いるが、これらはいずれもかなり高価である。近年これ
らの人工吸着剤に代わるものとして、藻類が注目を浴び
つつある。藻類のうち、入手の容易なわかめ、こんぶ、
うすばあおのり、あらめ、うみとらのおという海藻と、
クロレラおよびスピルリナについて、これらを水洗、乾
燥、粉砕したものを、コバルトイオン、塩化金酸イオン
あるいは塩化パラジウム酸イオンを各金属濃度として約
12mg/l含む各種のpHの水溶液と固液比 3mg
/mlにおいて1時間接触させて各種藻類に吸着させた
結果を図1,2および3に示す。これらの図において、
藻類の符号は次のとおりである。 SP…スプルリナ、CV…クロレラ、UN…わかめ、L
S…こんぶ、EB…あらめ、EL…うすばあおのり、S
T…うみとらのお これらの符号は以下の図や表において共通である。 [0003]これらの図によれば、陽イオンとして存在
するコバルトイオンは、水溶液が酸性の場合より中性付
近の場合に吸着率が高く、塩化金酸イオンのような陰イ
オンは酸性サイドで吸着率が高いことが分かる。また、
一定のpHにおける同一種類のイオンの吸着率を比較す
ると、あらめ、わかめ、こんぶ、うみとらのおは陽イオ
ンに対する吸着率が高く、クロレラ、スピルリナは陰イ
オンに対する吸着率が高いことが分かる。 [0004]次に、各金属イオンの吸着率が最高となる
ようなpHに水溶液を保持しつつ、該金属イオンの濃度
を大幅に変動させつつ、その他の条件は図1,2,3の
説明において上記したとおりとして吸着を行わせた場合
の各種藻類1gあたりののコバルト吸着能力と金吸着能
力を吸着前液の金属イオン濃度に対してプロットした図
を図4および5に示す。これらによると、上述の図1,
2の考察において陽イオンあるいは陰イオンに対する吸
着率が高かった種類の藻類がそれぞれ吸着能力も大きく
なっていることが分かる。 [発明が解決しようとする課題] [0005]藻類のうち最も安価に入手しやすい海藻で
あるこんぶとわかめについて次の二つの欠点が目立つ。
第一にこれらの海藻は濾過性がわるく、工業的に使用す
る場合にも吸着終了後の固液分離にかなりの支障を来す
と予想されることで、特に4以上の中性付近のpHでは
液がコロイド状になるため、直径11cmの濾紙を用い
て約20mlのスラリーを実験用ガラス製ロートで濾過
する場合に、濾別終了まで2時間以上を要するほどで、
この状況は液が水の場合も金属イオン含有水溶液の場合
も同様である。藻類を最初の水洗に引き続き希酸で洗浄
することによって可溶性有機物質を除去することも推奨
されているが、それによる効果は決して顕著なものでな
く、またこの操作によって藻類に付着酸が残るため、金
属イオン吸着反応の際のpHを中性付近に維持する場合
には水酸化アルカリのような中和剤を使うことにつなが
り、これが吸着成績を悪化させ、ばらつかせることにな
るので、この方法な避けた方がよい。また、濾過性向上
など藻類吸着剤の操作性の改良の方策としては、特開昭
64−15133に開示されているようにポリアクリル
アミドなどで藻類をカプセル化するとか、シリカで固定
化する方法があるが、いずれもかなりのコストアップを
もたらす方法である。 [0006]第二の欠点は図5に見られるように、こん
ぶとわかめはスピルリナやクロレラに比ベて金の吸着能
力が小さいことである。金、パラジウムのような貴金属
を吸着剤から溶離するのは、決して容易なことではない
ので、これら貴金属を吸着した吸着剤はそのまま乾式製
錬工程で処理されることになると思われるが、そのため
にも含金吸着剤の最終金品位を左右することになる金吸
着能力が大きいことが必要である。 [0007]本発明は、藻類特にわかめやこんぶのよう
な入手しやすい安価な海藻に前処理を施すことにより、
金、パラジウムに対する吸着能力が大きく、しかも濾過
性の良好な吸着剤を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] [0008]本発明者らは、藻類を水洗したのち、オー
トクレーブで熱水浸出処理を施して熱水溶出成分を濾別
除去することによる有機性付着物質の徹底除去を試み
た。その結果、吸着反応pHに殆ど無関係に濾過性の良
好な吸着剤を作成し得たが、驚いたことには、このよう
な前処理の施された藻類吸着剤の塩化金酸イオン、塩化
パラジウム酸イオンの吸着能力が飛躍的に向上した。 [0009]本発明は次の構成を有する。 (1)熱水浸出を施して熱水可溶成分を除去したことを
特徴とする金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類。 (2)熱水浸出の温度が100ないし200℃であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の金属イオン吸着性と濾
過性を改善した藻類。 (3)藻類がわかめであることを特徴とする請求項1に
記載の金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類。 (4)金属イオンが塩化金酸イオンあるいは塩化パラジ
ウム酸イオンであることを特徴とする請求項1に記載の
金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類。 以下本発明を詳細に説明する。 [0010]熱水浸出の温度は,80℃では効果が不十
分なので、100℃以上が望ましく、従ってオートクレ
ーブを用いることが望ましい。 [0011]熱水浸出の場合、後述の実験例では、オー
トクレーブで常温から加熱により昇温し、設定温度での
保持時間を4時間とし、以後常温まで放冷したので、常
温以上の時間が約20時間に達しているが、必ずしもそ
の必要はなく、設定温度に1時間以上保持すれば十分と
思われる。熱水可溶成分の除去には、濾過水洗が望まし
いが、沈降および上澄み液除去によっても可能である。 [作用] [0012]熱水浸出処理によって貴金属イオン吸着性
と濾過性が改善される理由は明確には分からないが、こ
の処理によって除去される熱水可溶成分は、糖類などを
主とするコロイド化しやすい細胞質成分と思われ、熱水
不溶性残分は繊維質など細胞壁構成成分と思われ、後者
が陰イオン吸着性にすぐれているものと推察される。以
下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 [実施例] (実施例1)熱水浸出処理サンプルの作成 [0013](1)わかめ50gを十分に水洗したの
ち、容量11の電熱オートクレーブ中で蒸留水0.6l
を用いて熱水浸出した。温度は80,100,125,
150,175および200℃とし、それぞれ常温から
昇温を開始し、所定温度に達したら4時間温度保持した
のち電熱を切り、ほぼ15時間の放冷により室温に達し
てから、濾紙で濾過することによって熱水可溶成分を除
去した。得られた熱水不溶性残分を水洗、乾燥、粉砕し
たものの重量はそれぞれ約4gで、これらを各吸着実験
用サンプルとした。 (2)こんぶについても同様な熱水浸出処理を行った。 (3)クロレラ、スピルリナについては150℃熱水浸
出処理だけ行った。 (実施例2)濾過性の調査 [0014]各藻類サンプル0.060gを0.020
lの各種pHの水とともに撹拌してから、11cm径の
5B濾紙でガラス製ロートを用いて濾過に要する時間を
測定し、濾過性の良否を判定した。表1にその結果を示
す。これによれば100℃好ましくは125℃以上の温
度で熱水浸出処理した藻類サンプルの濾過性は藻類種類
あるいは液pHの如何にかかわらず良好となった。 【表1】 (実施例3)金の吸着成績 [0015]各藻類サンプル0.060gを0.020
lの含金水溶液中でpH約2において1時間撹拌した後
の各サンプル1gあたりの金吸着量を吸着前液の金濃度
を横軸として未処理藻類と150℃熱水浸出処理藻類を
対比して図6に示す。また、150℃以外の温度で熱水
浸出処理されたわかめをpH2において1000mgA
u/lの水溶液と接触させた場合の金吸着量を、未処理
わかめのそれと対比して表2に示す。これらによれば、
熱水浸出処理によって金の吸着能力が向上し、特にわか
めの場合、2倍以上に増大している。 【表2】(実施例4)パラジウムの吸着成績 [0016]パラジウム含有水溶液に対する図6対応図
を図7に示す。この結果によればわかめを150℃熱水
浸出処理したもののパラジウム吸着能力は未処理わかめ
のそれの約50%増となっていることが分かる。 [発明の効果] [0017]本発明により、安価で、濾過性が良く、貴
金属吸着能力の大きな藻類吸着剤を得ることができ、金
属回収精製や廃水処理の用途に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】 図1は各種藻類を水洗乾燥粉砕して吸着実験用サンプル
にしたものに、12mg/lのコバルトイオンを含む水
溶液を固液比3mg/mlにおいて1時間接触させた場
合のコバルト吸着率を液のpHに対比して示したもの
で、図2は塩化金酸イオンの吸着、図3は塩化パラジウ
ム酸イオンの吸着の図1に対応する図である。図4は、
横軸を吸着前液コバルトイオン濃度とした場合の各藻類
のコバルト吸着能力であり、図5は、金吸着能力につい
ての図4に対応する図である。また、図6は、各藻類サ
ンプル0.060gを0.020lの含金水溶液中でp
H約2において1時間接触させた場合の各藻類サンプル
1gあたりの金吸着量を、吸着前液の金濃度を横軸とし
て未処理藻類と150℃熱水浸出処理藻類を対比して示
したもので、図7は、パラジウム吸着能力についての図
6対応図である。 [符号の説明] 各図中の藻類の符号は次のとおりである。 CV…クロレラ、 SP…スピルリナ、 UN…わか
め、 LS…こんぶ、EB…あらめ、 EL…うすばあ
おのり、 ST…うみとらのお、 CG−400…陰イ
オン交換樹脂、 CG−120…陽イオン交換樹脂、
C…活性炭 また、図中、下線の施された記号は150℃熱水浸出処
理藻類を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [請求項1]熱水浸出を施して熱水可溶成分を除去した
    ことを特徴とする金属イオン吸着性と濾過性を改善した
    藻類。 [請求項2]熱水浸出の温度が100ないし200℃で
    あることを特徴とする請求項1に記載の金属イオン吸着
    性と濾過性を改善した藻類。 [請求項3]藻類がわかめであることを特徴とする請求
    項1に記載の金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻
    類。 [請求項4]金属イオンが塩化金酸イオンあるいは塩化
    パラジウム酸イオンであることを特徴とする請求項1に
    記載の金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類。
JP8054892A 1992-02-17 1992-02-17 金属イオン吸着性と濾過性を改善した藻類 Pending JPH05228366A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010001812A (ko) * 1999-06-08 2001-01-05 우명우 미역 폐기물을 이용한 시안 폐수 처리
JP2006290776A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Natural Group Honsha:Kk 有害物質の吸着除去剤、飲食品又は飼料
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WO2013035301A1 (ja) * 2011-09-07 2013-03-14 株式会社デンソー 貴金属吸着剤及び貴金属の回収方法
KR101458008B1 (ko) * 2013-05-28 2014-11-04 한국원자력연구원 갈조류 생물흡착제를 이용한 우라늄 오염폐액의 정화방법

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