JPH05225914A - 電子放出素子及びこれを用いた平面ディスプレイ装置 - Google Patents

電子放出素子及びこれを用いた平面ディスプレイ装置

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JPH05225914A
JPH05225914A JP2257992A JP2257992A JPH05225914A JP H05225914 A JPH05225914 A JP H05225914A JP 2257992 A JP2257992 A JP 2257992A JP 2257992 A JP2257992 A JP 2257992A JP H05225914 A JPH05225914 A JP H05225914A
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electron
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Abstract

(57)【要約】 【目的】動作電圧の低い電子放出素子及びこれを用いた
平面ディスプレイ装置を提供することにある。 【構成】第2の絶縁膜15を挟んで基板12上に積層さ
れるとともに電子放出用の溝17を介してそれぞれ分割
されたエミッタ14とゲ−ト16とを備え、エミッタ1
4及びゲ−ト16の縁部20a、20b及び21a、2
1を溝17内に突出させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、真空マイクロ
エレクトロニクス技術を利用した冷陰極管及びこれを用
いた平面ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、真空マイクロエレクトロニクスの
分野において、微構造真空三極管(電子放出素子)及び
この微構造真空三極管を利用した平面ディスプレイ装置
の開発が盛んに行われ始めている。
【0003】図11及び図12に一般的な微構造真空三
極管の冷陰極管の形状を示す。各図に示すように円錐状
のエミッタ1が基板2上に突設されており、このエミッ
タ1は電子銃となる。基板2上には絶縁膜3及び導電性
薄膜4が積層されている。そして、両膜3、4に跨がっ
て丸孔5が設けられており、エミッタ1はこの丸孔5の
内側に位置している。そして、エミッタ1の先端は丸孔
5の開口部に達している。上記導電性薄膜4はゲ−ト
(以下、ゲ−ト4と称する)であり、このゲ−ト4は引
き出し電極となる。
【0004】この冷陰極管は電界放出型であり、真空中
でエミッタ1とゲ−ト4との間に電界を発生させてエミ
ッション電流を流す。そして、上述のようにエミッタの
形状が円錐状である冷陰極管はスピント型と呼ばれる。
【0005】このスピント型の冷陰極管に対し、図13
及び図14に示すようにエミッタを薄膜化したものは平
面型と呼ばれる。即ち、この平面型の冷陰極管において
は、基板上6に絶縁膜7が形成され、この絶縁膜7上に
導電性薄膜からなるエミッタ8とゲ−ト9とが積層され
ている。エミッタ8とゲ−ト9とは離間して縁部を向い
合わせており、エミッタ8及びゲ−ト9の下側の部分
は、それぞれの縁部が突出するようエッチングされてい
る。
【0006】さらに、エミッタ8の縁部は鋸歯状に成形
されており、エミッタ6の先端の尖った部分から電子が
放出される。このタイプの冷陰極管においては、作製プ
ロセスが容易なことが特徴である。
【0007】これらの冷陰極管を平面上に多数配列すれ
ば平面ディスプレイが実現される。冷陰極管を利用した
平面ディスプレイ装置は、液晶ディスプレイ装置と比較
すると、応答性、輝度、耐環境性など多くの点で優れて
いる。このため、この種の平面ディスプレイ装置は、近
い将来、ディスプレイ産業の主流を占める可能性がある
と言われている。
【0008】また、電界を利用して光を励起するEL
(エレクトロルミネッセンス)が知られている。このE
Lの分野においては、カラ−素子の豊富な有機EL素子
を利用する試みが盛んである。最近は、有機EL薄膜を
三層重ねて電界を加えることで発光効率を高めたデバイ
スも発表されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷陰極管におい
ては、動作電圧(エミッタ−ゲ−ト間にエミッション電
流を流すための電圧)を低くするために、半導体素子製
造プロセスの微細加工技術、特にパタ−ニング技術を利
用してエミッタ−ゲ−ト間の距離を小さくする努力が行
われている。
【0010】しかし、パタ−ニング技術は光縮小投影露
光装置(ステッパ)や電子ビ−ム露光装置などのレジス
トパタ−ニングに頼らざるを得ず、距離の縮小化は、自
ずとレジストパタ−ニングの解像度の影響を受ける。そ
して、エミッタ−ゲ−ト間の距離は現状で0.1μm以
上に制限されている。従って、従来の冷陰極管を利用し
た平面ディスプレイ装置には、現在の液晶ディスプレイ
装置に比べて動作電圧が高くなるという問題がある。
【0011】また、微構造真空三極管から放出される電
子は低加速電子線であり、この低加速電子線を利用した
デバイスとして代表的なものに蛍光表示管がある。これ
らのデバイス用の蛍光体として例えばZnO:Zn
(緑)などがあり、カラ−用としては例えばZnS:A
g、Cl+In2 3 (青)や(Zn,Cd)S:A
g、Al+In2 3 (赤)などがある。しかし、これ
らの蛍光体のうち、ZnO:Zn以外の蛍光体には、閾
値が高いこと、輝度が低いこと等の不具合がある。この
ため、微構造真空三極管を利用した輝度の高い蛍光表示
管の実用化は困難である。
【0012】上述の蛍光体に対し、有機EL素子には、
カラ−が豊富で、輝度が高いという長所がある。しか
し、金属電極と有機EL薄膜、或いは有機EL薄膜同志
の界面の適合性の判断、時間の経過に伴う輝度の低下、
及び、種々の界面の酸化など様々な問題があり、有機E
L素子の利用も困難である。本発明の目的とするところ
は、動作電圧の低い電子放出素子及びこれを用いた平面
ディスプレイ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明は、絶縁膜を挟んで基板上に積層さ
れるとともに電子放出用の溝を介してそれぞれ分割され
たエミッタとゲ−トとを備え、エミッタ及びゲ−トの縁
部を溝内に突出させた電子放出素子にある。また、本発
明は、エミッタ及びゲ−トの縁部に、尖った部分を有す
る突起を設けた電子放出素子にある。
【0014】また、本発明は、第1の基板上に積層され
たアノ−ドと、このアノ−ド上に積層された蛍光体と、
第2の基板上に積層されたエミッタ及びゲ−トとを備
え、蛍光体をゲ−トに向けて第1の基板と第2の基板と
を重ね、エミッタから放出された電子を蛍光体に供給し
て発光する電子放出素子にある。また、本発明は、発光
する前記電子放出素子を集積化してなる平面ディスプレ
イ装置にある。そして、本発明は、動作電圧の低い電子
放出素子及びこれを用いた平面ディスプレイ装置を得ら
れるようにした。
【0015】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1〜図10に基
づいて説明する。
【0016】図1(a)及び(b)は本発明の第1の実
施例を示しており、両図中の符号11は二極の電子放出
素子である。この電子放出素子11は基板上に絶縁性材
料及び導電性材料を交互に堆積してなり、四層の薄膜を
有する。
【0017】すなわち、電子放出素子11においては、
Si等からなる基板12上に第1の絶縁膜13が形成さ
れており、この第1の絶縁膜13上に、導電性薄膜から
なるエミッタ14が積層されている。そして、エミッタ
14の上に、第2の絶縁膜15を介して、導電性薄膜か
らなるゲ−ト16が積層されている。エミッタ14−ゲ
−ト16間は第2の絶縁膜15により絶縁されている。
【0018】そして、電子放出素子11の中央部には電
子放出用の溝17が形成されており、この溝17はゲ−
ト16に開口するとともに、上の三つの層を通過して第
1の絶縁膜13の途中の部位に達している。エミッタ1
4及びゲ−ト16は、それぞれ間隙18、19を介在さ
せて二分割されている。また、第1及び第2の絶縁膜1
3、15は、間隙18、19の周囲の部分を除去されて
いる。
【0019】エミッタ14の縁部20a、20b及びゲ
−ト16の縁部21a、21bはそれぞれ略平行に向い
合っており、第1及び第2の絶縁膜13、15に対して
突出している。そして、各縁部20a、20b及び21
a、21bには、図1(a)中に示すように、エミッタ
突起及びゲ−ト突起(以下では、ともに突起と称する)
22a、22b及び23a、23bが設けられている。
【0020】各突起22a、22b及び22a、23a
の形状は三角形に設定されており、各突起22a、22
b及び23a、23bは間隙18、19の中心に向って
突出している。さらに、各突起22a、22b及び23
a、23bは溝17の幅方向に並んだ二つを一組として
配設されており、尖鋭な先端24a、24b及び25
a、25bを離間させるとともに対向させている。
【0021】図2及び図3に電子放出素子11の作製プ
ロセスの一例を示す。電子放出素子11の作製プロセス
は、大まかには、成膜、パタ−ニング、及び、エッチン
グの各工程からなる。
【0022】まず、図2(a)に示すように、基板12
上に絶縁性材料からなる薄膜31、32及び導電性材料
からなる薄膜33、34が交互に四層堆積し、図2
(b)に示すように、最上層の薄膜34上にレジスト3
5が塗布されてパタ−ニングが行われる。この後、図3
(c)に示すように、レジスト35をマスクとしてRI
E(反応性イオンエッチング)が行われ、上三層が複数
の三角形の部分を有する形状に加工される。
【0023】例えば絶縁性材料にSiO2 を用いるとと
もに導電性材料にWSiを用いた場合は、RIE用のガ
スとしてCF4 とO2 を導入すれば、エッチングが可能
である。
【0024】つぎに、例えばHFを用いたウエットエッ
チングが行われ、図3(d)に示すようにSiO2 (絶
縁性材料31、32)だけが選択的にエッチングされ
る。導電性の薄膜33、34の縁部20a、20b及び
21a、21bの周辺の絶縁材料が除去され、縁部20
a、20b及び21a、21bが絶縁膜13、15が残
される。そして、三角形の突起22a、22b及び23
a、23bを備えたエミッタ14とゲ−ト16とが作製
される。
【0025】この工程において、エミッタ14及びゲ−
ト16の十分な突出量が確保される。したがって、この
工程は、真空中でエミッタ14の先端とゲ−ト16の先
端との間に効率良くエミッション電流を流すために必要
である。
【0026】こののち、Fラジカルを用いたCDE(Che
mical Dry Etching)が行われ、エミッタ突起22a、2
2bの先端24a、24b、及び、ゲ−ト突起23a、
23bの先端25a、25bだけが選択的に尖鋭化され
る。ここで、図2(a)〜図3(d)中においては、エ
ミッタ14とゲ−ト16とに突起22a、22b及び2
3a、23bが、それぞれ二組ずつ示されている。
【0027】上述のような電子放出素子11において
は、エミッタ14及びゲ−ト16が薄膜化されており、
第2の絶縁膜15を介して積層されている。そして、エ
ミッタ14−ゲ−ト16間の距離は第2の絶縁膜15の
厚さによって決まる。つまり、エミッタ14及びゲ−ト
16は、パタ−ニング技術ではなく、製膜技術により作
製されるので、作製プロセスが容易であるとともに、エ
ミッタ14−ゲ−ト16間の距離の縮小化及び調整が容
易である。そして、エミッタ14−ゲ−ト16間の距離
を縮小化できるので、エミッション電流を流すための動
作電圧を低くすることが可能である。
【0028】第2の絶縁膜15の製作方法には、拡散炉
を利用した熱酸化膜形成技術やCVD技術、或いは、ス
パッタ技術等があるが、いずれの場合も膜厚の制御が容
易であり、成膜装置によっては、膜厚を例えば100オ
ングストロ−ム以下にすることもできる。さらに、エミ
ッタ14−ゲ−ト16間の距離は、レジストパタ−ニン
グの解像度に因らないので、レジストパタ−ニングの解
像度はさほど要らない。
【0029】なお、同じ電圧の下でのエミッション電流
の値は、各突起20a、20及び23a、23bのそれ
ぞれの先端24a、24b及び25a、25bの曲率半
径が小さい程大きい。そして、本実施例においては、F
ラジカルを用いたCDEにより各突起22a、22b及
び23a、23bが尖鋭化されているので、より大きな
値のエミッション電流を得ることができる。そして、具
体的には、エミッション電流の値は従来の電子放出素子
に比べて2倍になった。
【0030】なお、本実施例においては、突起22a、
22b及び23a、23bの形状が三角形に設定されて
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例え
ば図4(a)〜(c)に示すように種々の形状を採用す
ることができる。(a)においては突起26a、26b
が長方形に加工され、(b)においては突起27a、2
7bが正方形に加工されている。また、(c)において
は突起28a、28bが星形に加工されている。
【0031】つまり、鋭利な部分が存在すれば効率良く
エミッション電流を流すことができる。特に(c)に示
すように星形を採用した場合には、鋭利なエッジが多く
形成され、ト−タル電流値が高くなる。つぎに、本発明
の第2の実施例を図5及び図6に基づいて説明する。な
お、第1の実施例と同様の部分については同一番号を付
し、その説明は省略する。
【0032】両図中の符号41は電子放出素子であり、
この電子放出素子41は三極管である。電子放出素子4
1は積層構造のエミッタ14とゲ−ト16、及び、透明
な基板42上に積層された導電性薄膜からなるアノ−ド
43とを備えている。透明な基板42の材質には石英ガ
ラス等が用いられており、アノ−ド43にもITO等の
ように透明な材質が利用されている。
【0033】アノ−ド43には低加速電子線用の蛍光体
44が積層されており、この蛍光体44の材質としてZ
nO:Znなどが利用されている。透明な基板42は、
他方の基板12に対して適当な間隔で離間している。こ
の基板12にはエミッタ14とゲ−ト16とが積層され
ている。そして、透明な基板42の蛍光体44がゲ−ト
16に対向している。両基板12、42は互いに接合さ
れており、接合方法として例えば静電接合が採用されて
いる。そして、この静電接合は以下のように行われる。
【0034】まず、透明な基板42に例えばNaやKを
含むパイレックスガラスを用い、透明な基板42の表側
(蛍光体44が積層された側の面に対して反対の面)4
5の周辺に例えばAlなどの金属を着けて透明な基板4
2を他方の基板12に重ね合わせる。透明な基板に着け
られた金属と他方の基板12との間に電界を与えると、
NaイオンやKイオンが移動し、両基板12、42の界
面に電化空乏層が生成する。このため両基板12、42
が静電力により密着する。
【0035】この工程を真空雰囲気内で行えば、電子放
出素子41を大気圧下に取出した後でも、両基板12、
42間の真空を保つことができる。また、真空引きのた
めの穴を両基板12、42間に前もって設けておき、接
合後に両基板12、42間を真空引きして密封しても、
両基板12、42間の真空を保つことができる。
【0036】図6中に示すように、エミッタ14及びゲ
−ト16と電源アノ−ド43とは電源46とスイッチ4
7とを介して接続されており、エミッタ14とゲ−ト1
6との間には電源48によって電圧が印加されている。
【0037】このような構成の電子放出素子41におい
ては、エミッタ14−ゲ−ト16間に電圧が加られて電
子が引き出される。この後、エミッタ16−アノ−ド4
3間に更に高い電圧が加えられ、エミッタ14−ゲ−ト
16間に引き出された電子が、図5中に矢印A、Aで示
すようにアノ−ド43の側に引き寄せられる。この電子
はアノ−ド43に到達する直前に蛍光体44に衝突して
蛍光を発生させる。
【0038】このような電子放出素子41を各画素とし
て多数個を配列すれば平面ディスプレイ装置が得られ
る。この種の平面ディスプレイ装置においては、各画素
を構成する電子放出素子41…を近接させても、電子放
出素子41…間の距離がエミッタ14−ゲ−ト16間の
距離よりもわずかでも大きければエミッション電流は流
れない。
【0039】このため、画素同志の間隔を小さくして画
素を緻密に配設し、透明な基板42側、及び、他方の基
板12側にそれぞれ直交する複数の配線を形成してもク
ロスト−クなどの問題は生じない。したがって、駆動方
式に単純マトリクス方式を採用することが可能である。
また、本実施例においては両基板12、42の接合に静
電接合が採用されているので、電子放出素子内の真空を
容易に保つことができる。つぎに、本発明の第3の実施
例を図7に基づいて説明する。なお、前述の各実施例と
同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略
する。
【0040】図7中の符号51は電子放出素子であり、
この電子放出素子51は五極管である。電子放出素子5
1においては、絶縁膜と導電膜が基板12の上に交互に
4層ずつ堆積しており、エミッタ14、ゲ−ト16の上
に、第3の絶縁膜52、加速電極53、第4の絶縁膜5
4、及び、偏向電極55が順に形成されている。
【0041】この電子放出素子51においては、図中に
矢印B、Bで示すように加速電極53が、エミッタ14
から放出された電子に蛍光体44を励起するための適度
なエネルギを与えながら任意の方向に曲げる。そして、
例えば蛍光体8をパタ−ニングによってR(赤)、G
(緑)、B(青)の三色に分ければ、上記偏向電極11
を用い、一色だけを選択して発光させることができる。
つぎに、本発明の第4の実施例を図8に基づいて説明す
る。
【0042】図8中の電子放出素子61においては、加
速電極53の前段に収束可変電極62が設けられてお
り、六極管が構成されている。収束可変電極62は電子
群に電界を作用させ、図中に矢印C…で示すように電子
群の収束程度を制御する。電子群は、例えば電界の正負
或いは強弱の変化に伴って、絞られたり拡げられたりす
る。そして、この電子放出素子61においては、例えば
三色を同時に発光させたりに、或いは二色を選択的に光
らせたりすることができ、多色表示が可能である。つぎ
に、本発明の第5の実施例を図9に基づいて説明する。
【0043】これまで述べてきた各種の電子放出素子は
光透過型のものであるが、反射型も同様の作製プロセス
で製作できる。図9に反射型の電子放出素子71が示さ
れている。構造の大部分は透過型のものと同様である
が、エミッタ14側の基板72に例えば石英ガラスなど
のように光透過性の高い材質が採用されており、蛍光体
44の側の基板73にはSiなどのような不透明な材質
が採用されている。また、アノ−ド74にはAuなどの
ように不透明で反射率の高い材質が採用されている。
【0044】蛍光体44から発せられた光は、直接に、
或いは、アノ−ド74で反射して透明な基板72の側へ
向かう。そして、蛍光体44から発せられた光は、図中
に波状の矢印D、Dで示すように全て一方向へ送り出さ
れる。ここで、エミッタ14やベ−ス16に例えばIT
Oなどの透明な材質を採用すれば、光量の減少を抑える
ことができる。
【0045】このタイプの電界放出素子71において
は、透過型の電界放出素子に比べて乱反射が少なく、輝
度が高い。なお、基板72と第1の絶縁膜13とに透明
な絶縁性材料を採用すれば、基板72と第1の絶縁膜1
3とを一体化できる。また、反射型の電子放出素子を利
用した平面ディスプレイにおいては、透過光と反射光と
の遅延時間を短くすることができる。つぎに、本発明の
第6の実施例を図10に基づいて説明する。
【0046】本実施例の電子放出素子81の構成は第2
実施例の電子放出素子41と略同様であるが、蛍光体8
2に有機EL薄膜が採用されている。有機EL薄膜にお
いては、内部にホ−ルと電子とが供給されると、一重項
励起子が生成し、これが基底準位に戻る際に光が発生す
る。
【0047】つまり、エミッタ14−ベ−ス16間に電
界を与えて電子を引き出し、エミッタ14−アノ−ド4
3間に更に高い電界を与え、上記電子をアノ−ド5側に
引き寄せて有機EL薄膜に供給する。また、高い電界が
エミッタ14−アノ−ド43間に与えられたことに伴
い、ホ−ルが有機EL薄膜の内部に供給される。ここ
で、8−キノリノ−ルAl錯体などのようにホ−ル輸送
性のある有機EL薄膜を選択すれば、発光効率はより向
上する。
【0048】有機EL薄膜には、カラ−ディスプレイに
必要な赤、青、緑などの色をもつものが豊富に存在す
る。例えば、赤色のための物質にペリノン誘導体などが
在り、青色のための物質にTPDなどが在る。また、緑
色のための物質にフタロペリノン誘導体などがある。
【0049】上述のような電子放出素子81を一画素と
して多数配列し、一画素ごとに赤、青、緑などの色をも
つ有機EL薄膜をパタ−ニングによって区分けすれば、
平面カラ−ディスプレイ装置が得られる。なお、本発明
は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能
である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、絶縁膜を
挟んで基板上に積層されるとともに電子放出用の溝を介
してそれぞれ分割されたエミッタとゲ−トとを備え、エ
ミッタ及びゲ−トの縁部を溝内に突出させた電子放出素
子である。また、本発明は、エミッタ及びゲ−トの縁部
に、尖った部分を有する突起を設けた電子放出素子であ
る。
【0051】また、本発明は、第1の基板上に積層され
たアノ−ドと、このアノ−ド上に積層された蛍光体と、
第2の基板上に積層されたエミッタ及びゲ−トとを備
え、蛍光体をゲ−トに向けて第1の基板と第2の基板と
を重ね、エミッタから放出された電子を蛍光体に供給し
て発光する電子放出素子である。また、本発明は、発光
する前記電子放出素子を集積化してなる平面ディスプレ
イ装置である。したがって、本発明は、電子放出素子及
び平面ディスプレイ装置の動作電圧を低減できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施例を示す平面図、
(b)は前記(a)中のE−E線に沿った断面図。
【図2】(a)及び(b)は本発明の第1実施例の電子
放出素子の製造工程を順に示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施例の電子放出素子の各製造
工程を[図2]に続いて順に示す説明図。
【図4】(a)〜(c)は各々突起の形状の変形例を示
す平面図。
【図5】本発明の第2実施例の要部を示す構成図。
【図6】本発明の第2の実施例を示す説明図。
【図7】本発明の第3実施例の要部を示す断面図。
【図8】本発明の第4の実施例の要部を示す説明図。
【図9】本発明の第5の実施例の要部を示す断面図。
【図10】本発明の第6の実施例の要部を示す断面図。
【図11】従来例を示すもので、(a)はスピント型の
冷陰極管の斜視図、(b)はスピント型の冷陰極管を多
数配列してなる冷陰極管アレイを示す同じく斜視図。
【図12】[図11]の(a)中のF−F線に沿った断
面図。
【図13】平面型の冷陰極管を示す斜視図。
【図14】[図13]中のG−G線に沿った断面図。
【符号の説明】
11…電子放出素子、12…基板、13…第1の絶縁
膜、14…エミッタ、15…第2の絶縁膜、16…ゲ−
ト、17…電子放出用の溝、22a、22b…エミッタ
突起、23a、23b…ゲ−ト突起、43…アノ−ド、
44…蛍光体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁膜を挟んで基板上に積層されるとと
    もに電子放出用の溝を介してそれぞれ分割されたエミッ
    タとゲ−トとを備え、上記エミッタ及び上記ゲ−トの縁
    部を上記溝内に突出させたことを特徴とする電子放出素
    子。
  2. 【請求項2】 上記エミッタ及び上記ゲ−トの縁部に、
    尖った部分を有する突起を設けたことを特徴とする[請
    求項1]記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 第1の基板上に積層されたアノ−ドと、
    このアノ−ド上に積層された蛍光体と、第2の基板上に
    積層されたエミッタ及びゲ−トとを備え、上記蛍光体を
    上記ゲ−トに向けて上記第1の基板と上記第2の基板と
    を重ね、上記エミッタから放出された電子を上記蛍光体
    に供給して発光することを特徴とする電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記[請求項3]記載の電子放出素子を
    集積化してなることを特徴とする平面ディスプレイ装
    置。
  5. 【請求項5】 上記螢光体として有機EL素子を用い、
    前記[請求項3]或いは前記[請求項4]記載の電子放
    出素子を使用した平面カラ−ディスプレイ装置。
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