JPH0522343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はプレス機のベツド上などに取付ける
プレス型などを固定するクランプ装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

プレス機において、そのベツド上に金型あるい
はダイセツトの下枠などを固定するクランプ装置
は公知である。

この公知のクランプ装置において、そのクラン
プ爪を作動させる駆動手段として、手動操作によ
るカム式のものは、カムの回転軸芯がクランプ爪
の揺動中心である横軸と平行になつているものが
多い。

そして、上記カムの端部のハンドル係合部をク
ランプ本体の側面から突出させ、この係合部に係
合させたハンドルにより回動してクランプ爪を作
用させるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のようなカムの回転中心とクランプ爪の横
軸が平行で、カムの端部にハンドル係合部があ
る。従来のクランプ装置はプレス機のベツド上に
取付けるとき、ハンドル係合部が前向きになるよ
うに本体を固定すると、プレス機の正面から作業
ができるので作業上便利であるが、このように設
置すると、クランプ爪はベツドの前から見て横向
きとなる。

しかし、加工の都合上、クランプ爪を前後方向
にしてベツド上に取付けなければならない場合も
ある。この場合、前記のような従来のクランプ装
置ではハンドル係合部が横向きになつてしまい、
操作上きわめて不便になる場合がある。

また、特開昭61−92307号公報に記載されたも
ののように、カムの駆動軸をクランプ爪の揺動中
心としての横軸に対して直交するように取付けて
その端部のハンドル係合部を本体の端部から突出
させたものもあるが、この公知の装置はカムの回
転軸芯がクランプ爪の取付用横軸の軸芯と平行で
あるため、カムとその駆動軸とをリンクで連動さ
せる必要があり、駆動軸を進退させるために、中
空ナツトとねじを用いた極めて複雑な機構が必要
となるなどの問題があつた。

この考案は上記のような問題点に鑑みて、プレ
ス機に対してクランプ爪が前後方向になるように
取付けた場合、ハンドル係合部がプレス機の正面
に向くようにするとともに、機構の簡単なクラン
プ装置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案はクラ
ンプ爪を本体に取付ける横軸と直交する駆動軸に
クランプ爪を上下に揺動させるカムを一体に形成
して、このカムの回転軸芯を前記横軸と直交状と
なし、上記カムをクランプ爪の後部の凹溝内に回
動自在にはめ込むとともに、上記凹溝の下面中央
の弧状凹部には、欠円状の伝達子の弧状面を回動
自在にはめ込み、この伝達子の平面状の下面を上
記カムの外周に摺動自在に接触させた構成を採用
した。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、クランプ爪
を前後方向にしてその本体をプレス機のベツド上
に固定すると、駆動軸の端部のハンドル係合部が
プレス機の正面に向く。

この状態でクランプ爪の先端部の下側に金型や
ダイセツトの側縁のような被加圧物を入れ、前記
係合部に係合したハンドルを操作してカムを回動
すると、伝達子を介してクランプ爪の後端下部が
押し上げられるので、同爪の先端部がその下側の
被加圧物を加圧してベツド上などに固定する。

〔実施例〕

図面に示す実施例において、１はプレス機のベ
ツドなどの基板で、この基板上にボルト止めなど
の手段で本体２を固定する。

３は本体２の前端から後方へ向けて形成した切
欠で、この切欠３にクランプ爪４をはめ、切欠３
を横断する横軸５によりクランプ爪４を摺動自在
に支承する。

６は本体１の後端から切欠３の方へ向けて形成
したカム取付孔で、この孔６にカム８を回動自在
に装着する。

カム８は円形断面の駆動軸９の中間部に形成し
たもので、この駆動軸９は取付孔６に同芯にはま
り、後端に６角形などのハンドル係合部１０が形
成してある。

また、後部の駆動軸９には周溝１１を形成し、
この周溝１１には、本体２の後部のネジ孔にねじ
込んだ係止ピン１２の内端を係合させて抜け止め
とする。

前記クランプ爪４の後端下部から前方へ向けて
形成した凹溝１４内に前記カム８の上部がはまつ
ており、同凹溝１４の下面中央に形成した弧状凹
部１５に欠円状の伝達子１６の弧状面を回動自在
にはめ込む。

１８は複数の止ネジにより本体２上に固定した
押え板で、この押え板１８の下面とクランプ爪４
の凹孔の間に押バネ１９を装着してクランプ爪４
の後部をバネ１９により押下げ、伝達子１６の平
面状の下面をカム８上に圧着せしめる。

上記実施例の作用を説明すれば、カム８が不作
用位置にあるとき、すなわち、カム８の低い部分
が伝達子１６の下面に接しているときは、クラン
プ爪４の先端部２０は上つている。

この状態で、基板１上の被加圧部材としてのプ
レス型の側縁３１をクランプ爪４の先端部２０の
下側へ入れ、ついで、係合部１０のハンドルを係
合させてカム８を回動すると、カム８の外周が伝
達子１６の下面に接触しつつ摺動して、同伝達子
１６を押し上げる。

上記のように押上げられた伝達子１６は、クラ
ンプ爪４の後端を押し上げるので、先端部２０は
下がり、側縁３１を基板１上へ押圧して固定す
る。

また、側縁３１の押圧解除の操作は係合部１０
に係合させたハンドルによりカム８を締付け時の
逆に回動すれば、カム８による伝達子１６の押し
上げが解除されるので、バネ１９によりクランプ
爪４の後部が押し下げられ、先端部２０は側縁３
１から離れる。

〔考案の効果〕

この考案はカムとその駆動軸を一体に形成した
ので、駆動軸とカムとをリンクで連結したものに
比較して構造が著しく簡単となり、部品点数も少
なくなる。また、カムとクランプ爪とを連動させ
る伝達子は欠円状のきわめて簡単なもので、その
弧状面がクランプ爪の凹溝に設けた弧状凹部には
めてあるのでカムの回転とクランプ爪の揺動の際
に伝達子がきわめて円滑に揺動してカムの作用を
クランプ爪に伝達する。さらに、カムと伝達子は
接触しているだけでピンによる連結部がないので
強度も十分で組立てが容易であり、故障のおそれ
が少ないなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す縦断側面
図、第２図は同上の平面図、第３図は第１図−
線の縦断後面図、第４図はカムの斜視図であ
る。 １……基板、２……本体、４……クランプ爪、
５……横軸、８……カム、９……カム軸、１０…
…ハンドル係合部、１６……伝達子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板上に固定した本体にクランプ爪を横軸によ
   つて揺動自在に取付け、本体の所要部には、前記
   クランプ爪の後端を上下させるカムを設け、この
   カムの駆動軸を前記横軸と直交するように取付け
   て、その端部のハンドル係合部を本体の端部から
   突出させたクランプ装置において、上記カムを上
   記駆動軸に一体に形成して、このカムの回転軸芯
   を前記横軸と直交状となし、上記カムをクランプ
   爪の後部の凹溝内に回動自在にはめ込むととも
   に、上記凹溝の下面中央の弧状凹部には、欠円状
   の伝達子の弧状面を回動自在にはめ込み、この伝
   達子の平面状の下面を上記カムの外周に摺動自在
   に接触させたクランプ装置。