JPH05222845A - コンクリート構造物類の亀裂補修方法 - Google Patents

コンクリート構造物類の亀裂補修方法

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JPH05222845A
JPH05222845A JP5722992A JP5722992A JPH05222845A JP H05222845 A JPH05222845 A JP H05222845A JP 5722992 A JP5722992 A JP 5722992A JP 5722992 A JP5722992 A JP 5722992A JP H05222845 A JPH05222845 A JP H05222845A
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water
crack
cracks
polyurethane prepolymer
concrete structure
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JP5722992A
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Minoru Sawaide
稔 沢出
Junichi Iketani
純一 池谷
Takayuki Nagura
貴之 名倉
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易・確実で、かつコンクリート構造物類の
水密性を回復した亀裂補修工法の提供。 【構成】 亀裂を有するコンクリート構造物類の亀裂部
に削孔穴を形成し、該削孔穴に、一液型親水性ポリウレ
タンプレポリマーと吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊維を
充填すると共に、該削孔穴表面を閉塞することにより、
一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと吸水・膨潤し
た高吸水性樹脂繊維中の水との発泡硬化物でコンクリー
ト構造物の亀裂部を隅々まで圧入・密封する。又は、亀
裂を有するコンクリート構造物類に表層部において亀裂
に沿った横溝を削成し、内部に吸水・膨潤した高吸水性
樹脂繊維を充填したメッシュパイプをその横溝に嵌挿し
た後、その表面部を所々に垂直孔部を残して封止し、し
かる後同垂直孔部から、一液型親水性ポリウレタンプレ
ポリマー注入することも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木・建設分野におけ
るコンクリート構造物、岩石・石材構造物等のヒビ割れ
・亀裂を補修、及び文化財等の亀裂(ひび割れ)を補修
・保全等する方法に関し、特に一液型親水性ポリウレタ
ンプレポリマーと高吸水性樹脂繊維に吸収された水との
反応による発泡と体積膨張を利用して、コンクリート構
造物類等中の全ての亀裂個所にウレタン発泡硬化体を充
填して補修・保全する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンク
リート構造物類に発生する亀裂(ひび割れ)は、建造物
本来の機能を損なうばかりでなく、漏水の直接の原因と
なるので、これらの亀裂を速やかに、そして信頼できる
確実な方法で補修することが、建造物を維持・管理する
上で重要である。そこで従来、漏水又は湿潤状態にある
コンクリート構造物類の亀裂補修方法として、その亀裂
中へ一液型親水性ポリウレタンプレポリマーを注入し、
これと漏水あるいは湿潤水との反応による発泡圧を利用
して、ウレタン発泡体をコンクリート類の亀裂中へ圧入
する補修方法が知られている(例えば、特公昭62−2
36884号公報)。しかし、該方法を乾燥状態にある
コンクリート構造物類の亀裂補修に適用するには、その
部位へ予め反応に十分な水を注水して染み込ませる前作
業が必要であり、さらにコンクリートのはつり、ウレタ
ン注入管のセッティングなど、作業量が多く、かつ発泡
に必要な最適水量の確保・供給も困難である。
【0003】さらにコンクリート構造物類に存在する亀
裂の補修は、一般にエポキシ樹脂等接着剤を注入する注
入法により行われるが、該方法によって全ての亀裂が補
修できるものではない。すなわち、以下に列記するよう
な亀裂の場合は、エポキシ樹脂等の接着剤の注入が可能
であっても、亀裂の一体化ができないものであること、
あるいは接着剤の注入が非常に困難か又は不可能なもの
であって亀裂の補修が困難であることが経験的に知られ
ている。 (1)水が流れている亀裂:水が流れ出て流水圧がある
ようなときには全く不可能である。 (2)濡れている亀裂:亀裂の内部が濡れている場合に
は、エポキシ樹脂系接着剤が亀裂面に密接できない。亀
裂面に存在する水をはじいて接着する材料の提供が望ま
れる。 (3)油類が浸透している亀裂:工場の床、水槽、排水
路等に発生した亀裂で油やピッチ系プライマーが浸透し
ているもの、あるいは亀裂から滲み出ている場合には、
エポキシ樹脂系接着剤を注入しても亀裂の接着は全く期
待できない。 (4)表層だけに見られる収縮亀裂:接着剤の注入の際
に亀裂内部に存在している空気を抜くのが難しく、十分
な注入が期待できない。普通、機械注入方法が採用され
るが、注入圧が高いので樹脂が亀裂表面を走り、亀裂内
部まで注入することができない。
【0004】(5)貫通してない亀裂:一方向だけに開
いている亀裂はたとえ亀裂幅が広く開いていても亀裂内
部の空気を抜くことができないから樹脂を亀裂すべてに
入れることはできない。 (6)0.2mm以下の幅のせまい亀裂:亀裂幅が広い
所で0.2mm以上あれば亀裂の末端部や枝の部分で
0.2mm以下であっても幅の広い部分から順次追いな
がら接着剤を注入していけば注入可能であるが、亀裂の
最大幅が0.2mm以下である場合は完全な注入は望め
ない。 (7)厚さ600mm以上に発生した亀裂:大ばり、擁
壁等の貫通亀裂でコンクリートの厚さが600mm以上
ある場合は、接着剤樹脂注入時の抵抗が増大し、注入が
困難である。亀裂幅がせまい場合には注入圧が高くなり
過ぎて、シールがパンクしたり座金付注入パイプが取れ
たりして注入できない事態となる。 (8)連続していない断片的な亀裂:せん断力を受けて
発生した亀裂、収縮亀裂等にみられるものである。亀裂
が連続していないので貫通していない亀裂(5)の場合
と同じであり、完全に接着剤を注入することはできな
い。 (9)亀甲状の亀裂:このような亀裂が発生したコンク
リートで耐力低下が問題となる場合には、亀裂への接着
剤の注入は難しいので鉄板張付け方法等が採用される。 (10)軽量コンクリートの亀裂:シンダーコンクリー
トやALC板に発生した亀裂に接着剤を注入すると施行
時には注入できたように見えるが、時間がたつと樹脂が
コンクリートに吸われてしまう。この現象は粘度が低い
ほど顕著であり、また粘度が高いと注入できない。 (11)片側のみシール可能な亀裂:外壁躯体コンクリ
ートに発生した亀裂で、内装を取り除くことができない
か、あるいは逆に外装がタイル張りなどで仕上げられて
いるものでは亀裂の一方しかシールできない。このよう
な亀裂では、樹脂の粘度調節をしても亀裂全面に注入で
きない。注入最中あるいは注入後にシールできない方よ
り接着剤が漏れ出るのが普通である。 (12)動いている亀裂:機械基礎の亀裂等動いている
亀裂に対してはシール剤の方が亀裂の変化に追従できな
い部分が出るのでシールが不完全となり注入した樹脂が
漏れ出る。
【0005】したがって本発明の目的は、上記の従来方
法における問題点のいくつかを解決し、簡易・確実で、
しかもコンクリート構造物類の水密性を回復した亀裂補
修方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】そこで本発明者
は、前記のような問題点を解決すべく研究を重ねた結
果、コンクリート構造物類中に存在する亀裂の隅々まで
に、ポリウレタンプレポリマーと十分量の水との反応物
が侵入・硬化して、発泡ポリウレタン樹脂硬化体の接着
効果あるいはそれと繊維による追加的補強効果によって
コンクリート構造物類中の全ての亀裂を密封して強度及
び水密性を回復するコンクリート構造物類の亀裂補修方
法を開発した。すなわち本発明は、(1)亀裂を有する
コンクリート構造物類に削孔穴を形成し、該削孔穴に、
一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと吸水・膨潤し
た高吸水性樹脂繊維を充填すると共に、該削孔穴表面を
閉塞することにより、一液型親水性ポリウレタンプレポ
リマーと吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊維中の水との発
泡硬化物がコンクリート構造物の亀裂部を隅々まで圧入
・密封することを特徴とするコンクリート構造物類の亀
裂補修方法、及び(2)亀裂を有するコンクリート構造
物類に表層部において亀裂に沿った横溝を削成し、内部
に吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊維を充填したメッシュ
パイプをその横溝に嵌挿した後、その表面部を所々に垂
直孔部を残して封止し、しかる後垂直孔部から、一液型
親水性ポリウレタンプレポリマーを注入すると共に、そ
の後該注入孔を閉塞することにより、一液型親水性ポリ
ウレタンプレポリマーと吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊
維中の水との発泡硬化物でコンクリート構造物の亀裂部
を隅々まで圧入・密封することを特徴とするコンクリー
ト構造物類の亀裂補修方法である。
【0007】本発明において使用できる高吸水性樹脂繊
維は、既に公知(例えば特公昭58−10508号公
報)のものであって、例えば、アクリル繊維とアルカリ
水溶液中で加熱して加水分解と架橋を行い、繊維外層部
の約30%をポリアクリル酸化して高吸水性樹脂となす
ことで得られるもので、水に接触させると繊維の外層部
が、自重の50〜200倍の水を吸水してヒドロゲル化
し、直径方向に5〜15倍膨潤するものである。この吸
水膨潤したヒドロゲル層は、一液型親水性ポリウレタン
プレポリマーの発泡反応に必要な好適水量を確保し、そ
れを供給し得るものであって、長期にわたって膨潤保水
状態を維持し得るものである。高吸水性樹脂繊維の外層
部を構成する高吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸ソ
ーダ系、デンプン/ポリアクリル酸系、ポリビニルアル
コール系、カルボキシメチルセルロース系等のものが挙
げられる。
【0008】また、本発明における一液型親水性ポリウ
レタンプレポリマーは、ポリエーテルと芳香族系ポリイ
ソシアネートを主原料として反応生成される、分子末端
にイソシアネート基を有する一液型親水性ポリウレタン
(1液型水架橋ポリウレタン)であり、周知のものであ
るが、水に接触すると、それと反応して炭酸ガスを生成
して発泡すると同時に架橋重合して硬化するものであ
る。また、ポリエステルグリコール、ポリエーテルグリ
コール等のポリオールと、末端にイソシアネート基を有
する化合物とを反応させた反応生成物であって、例えば
エチレングリコールにエチレンオキシドとプロピレンオ
キシドとを重合させて得られる共重合体と、トリレンジ
イソシアネートとの反応物である。
【0009】本発明方法によれば、コンクリート構造物
や岩盤等の亀裂・空隙に挿入された一液型親水性ポリウ
レタンプレポリマーと十分に吸水膨潤している高吸水性
樹脂繊維の水分とが化学反応して、徐々に発泡し体積を
膨張させるので、その時の膨張圧を利用して反応物を亀
裂等の隅々まで充填させることができ、強度の回復と水
密性の回復を計ることかできる。水分は高吸水性繊維に
保持されているので、従来法のごとく水と一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーとを混合させなくとも、一液
型親水性ポリウレタンプレポリマーが高吸水性繊維に接
触しつつ移送される段階で、水分を徐々に取り込みなが
ら亀裂部内へ侵入する。
【0010】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。まず、本
実施例で用いられる材料の一液型親水性プレポリマーと
高吸水性樹脂繊維について説明する。 [一液型親水性ポリウレタンプレポリマーについて]ポ
リエーテルと芳香族ポリイソシアネートを主原料として
反応させて得られる、分子端末にイソシアネート基を有
する一液型親水性ポリウレタンプレポリマーである「N
Lペースト」(商品名:武田薬品工業株式会社製)を用
いた。その性状は下記表1のとおりである。
【0011】
【表1】
【0012】一液型親水性ポリウレタンプレポリマーで
ある「NLペースト」は、水に接触させると比較的短時
間で反応を開始し発泡する。実測テストによれば、この
時の発泡過程で発生する温度(反応熱)と圧力の経時変
化は、1→3時間では発泡圧力は0kg/cm、発泡
温度変化は25→37℃であるが、4→6時間後では
0.2→1.4kg/cm、45→80℃となって発
泡圧力も高まって行き、7→9時間後では2.4→3.
3kg/cm、101→122℃となって、十分な発
泡圧力が得られるようになり、反応も増大してくる。そ
して10→15時間後で3.6→4.2kg/cm
125→118℃となり、発泡圧力は最高値付近に達
し、反応は最高点から下降して行き、16→26時間後
では、4.3→4.5kg/cmとなって発泡圧力変
化もほとんどなくなることが判った。
【0013】上記テストでの発泡圧等の測定方法は、約
1000mlのステンレス製高圧容器中に、「NLペー
スト」100gと水道水4.4gを計量、投入し、すば
やく30秒間撹拌した後、フタを完全密閉状態として、
「NLペースト」と水の混合開始1分後から発泡温度と
発泡圧力を測定することによって行った。なお、該フタ
には、温度測定用端子、圧力計及びリークバルブが装着
されており、また、高圧容器は放熱を防ぐためにマント
ルヒーターの中にセットした。
【0014】ところで、発泡体の連続気泡率が高いこと
は、気泡がつながっている割合が大きいので、それだけ
水が発泡体に浸入することになる。したがって、止水効
果を期待するには発泡体は独立気泡率が高くなければな
らないが、独立気泡率(%)は80%以上の値が得られ
るので、使用ウレタン樹脂の発泡体は止水用としても有
効である。
【0015】[高吸水性樹脂繊維について]高吸水性樹
脂繊維は、例えば、アクリル繊維とアルカリ水溶液中で
加熱して加水分解と架橋を行い、繊維外層部の約30%
をポリアクリル酸化することで得られる。吸水すると繊
維の外層部がヒドロゲル化し、直径方向に5〜15倍膨
潤し、自重の50〜200倍の水を吸水する。例えば、
高吸水性繊維「ランシールF」〔商品名:日本エクスラ
ン工業(株)製〕はアクリル繊維を原料とし、ポリアク
リル酸塩に変性された外層部とアクリル繊維内層部との
二重構造を有する繊維であり、吸水すると繊維の外層部
がヒドロゲル化し、直径方向に約12倍膨潤し、自重の
150倍の水を吸収する性質をもっている。「ランシー
ルF」はアクリル繊維をアルカリ水溶液中で加熱して加
水分解と架橋を行い、繊維外層部の約30%をポリアク
リル酸塩化することにより作られる。高吸水性樹脂繊維
は、その形状が繊維状であることから、一般の粉末状高
吸水性樹脂と異なり、一般の繊維加工機を使用して他
のさまざまな繊維と混綿した加工品を作ることが可能で
あり、毛細管現象による透水性と表面積が大きいこと
から吸水速度が速く、芯をもつ二重構造であるから吸
水後ゲルの流動がなく、垂直方向に使用でき、吸水して
も繊維強度を保持できる等の、特徴をもっている。
【0016】また、接着強度については、一般のポリウ
レタンでは亀裂注入後のコンクリート体強度の回復は期
待できないが、本発明実施例の方法では、下記表2に示
すように、エポキシ樹脂には劣るものの、かなりの程度
の強度回復が期待される。
【0017】
【表2】
【0018】なお、実測テスト条件は以下のとおりであ
る。 (1)コンクリート供試体(φ10mm、h20cm)
をコンクリートカッターにて中央より半分に切断する。 (2)0.8mmの隙間を結束線を入れて作り、そこへ
吸水膨潤したヒモ状の高吸水性樹脂繊維(「ランシール
F」)に十分な水を吸収せしめて直径方向に約12倍膨
潤させたものを挿入する。 (3)同隙間に注入管と空気抜管を配置し、エポキシ樹
脂系パテ剤でそれら周囲をシールする。 (4)ウレタンを注入管入口から圧入し、発泡させる。
そして、3日間20℃で養生する。 (5)割裂引張試験に供する。
【0019】飽和吸水させた紐状、綿状の高吸水性繊維
をそれぞれ一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと反
応硬化させた時の発泡体の発泡倍率および比重の測定結
果の一例を下記表3に示す。なお、試験はいずれもポリ
容器(容量180ml)へあらかじめ飽和吸水させた高
吸水性繊維(「ランシールF」)を所定量計量後、一液
型親水性ポリウレタンプレポリマーを添加し、そのまま
放置して行った。
【0020】
【表3】
【0021】[具体的な実施例方法]A.片側のみシール可能な亀裂の場合 (これは、通常の亀裂補修困難例として先に列記した
(1)〜(3)、(5)〜(7)、(10)〜(12)
が該当する。ただし、(1),(2)では亀裂内部にあ
る水を利用して直接ウレタンを注入することができ
る。) この亀裂補修方法においては、図1に示す処理工程にし
たがって、亀裂補修を行う。 .まず図1の(a)に示すごとく、ドリルを使用し
て、コンクリート構造物1の亀裂部2に沿って断面V字
型溝3を形成する。 .次に図1(b)に示すごとく、前記断面V字型溝3
に、吸水膨潤したヒモ状の高吸水性樹脂繊維4が内に入
っているネットホース5(外径10mm)を、同溝3と
の接触面に接着剤としてのモルタルあるいは樹脂系即効
性接着剤を所々に塗着して押接して固定する。これによ
り、亀裂が天井壁にある場合でも作業が容易となる。 .(c)に示すごとく、超早強セメント又はパテ状エ
ポキシ樹脂よりなるシール材6をコンクリート構造物1
表面に沿って築盛し、V字型溝3内のネットホース5を
覆うごとくして、シールする。その際に、ニップル8付
きアルミニウム製補修剤注入管7を、シール材6を貫通
して挿設する。この時、注入管7は適当な間隔をおいて
多数個を列設する。 .その後、(d)に示すごとく、NLペースト入りの
圧入容器9をニップル8に連結して、NLペースト10
をシールされたV字型溝3内に注入する。この操作を、
列設された多数個の注入管7・・に順次実施して行く。
注入後は、各注入管7の外出部をペンチで折り曲げて封
止する。すると、NLペースト10とネットホース5内
の吸水膨潤したヒモ状の高吸水性樹脂繊維の膨潤水とが
重合反応しながら、発泡し、その発泡圧力により、NL
ペースト発泡物が亀裂部2の隅々まで押入される。最後
に、注入管外出部を削除あるいは押圧し、そしてシール
材6面を平面化して全処理工程を終了する。
【0022】B.連続していない断片的な亀裂の場合 (先に列記した注入できない亀裂の(4),(6),
(8),(9)の場合)以下の順で処理を行う。 .亀裂部の一本の亀裂の長さの中心に、直径6〜30
mmの穴を深さ5〜15cmで穿孔する。この時、コア
ードリルは亀裂がコンクリートの切粉でふさがってしま
うので不適当である。振動ドリルを使用する場合、鉄を
削って孔をあけるのに用いられるホールドリルで穿孔す
るのが望ましい。亀裂幅が0.2mm以下の様な場合、
ドリルの刃がダイヤモンド製のもので水を用いて穿孔す
る無振動ドリルが本方法に適する。 .穿孔した孔の内部を圧縮空気、ブラシによる水洗い
等でコンクリートの切粉を取り除く。湿っているコンク
リートの場合には切粉が壁面にへばりつくので、特に清
掃は水洗いにより念入りに行う必要がある。 .孔の中に十分に吸水させたヒモ状又は綿状の高吸水
性樹脂繊維を充填する。 .注入ガンを用いて孔の奥の方からポリウレタンプレ
ポリマーを注入する。 .孔をコルクのセン等を用いて、発泡したウレタンが
出てこないように密閉する。 .亀裂表面にあふれ出た発泡体は、硬化後に皮すきナ
イフ等を用いて取り除く。必要に応じて亀裂に沿ってあ
らかじめシールする場合もある。
【0023】C.油類が浸透している亀裂の場合 (施行手順は図1に示す(a)〜(d)に従って、すな
わち前記A.に準じて、実施する。) 亀裂の中には油で汚れたものもある。一液型親水性ポリ
ウレタンプレポリマーの大きな特徴の一つとして、油分
が存在していても十分対応できる(接着力が期待でき
る)ということがある。本補修方法に使用する一液型親
水性ポリウレタンプレポリマーは液状の油であれば動物
油、植物油、鉱物油のいずれの場合であっても、おおよ
そ30%の容積比でその硬化物中に油を取り込むことが
出来るので油で汚れた亀裂に対しても補修が可能であ
る。この能力は他の補修方法にはみられないものであ
る。
【0024】
【発明の効果】上記のごとく本発明によれば、コンクリ
ート構造物類の亀裂内に挿入された一液型親水性ポリウ
レタンプレポリマーと十分に吸水膨潤している高吸水性
樹脂繊維の水分とが化学反応して、徐々に発泡し体積を
膨張させるので、その時の膨張圧を利用して反応物を亀
裂等の隅々まで充填させることができ、強度の回復と水
密性の回復を計ることかできる。水分は高吸水性繊維に
保持されているので、従来法のごとく水と一液型親水性
ポリウレタンプレポリマーとを混合させなくとも、一液
型親水性ポリウレタンプレポリマーが高吸水性繊維に接
触しつつ移送される段階で、水分を徐々に取り込みなが
ら亀裂物へ侵入する。また、高吸水性繊維の芯部が繊維
として残存することにより、亀裂内に補強構造のウレタ
ン硬化物が形成され、コンクリート構造物の強度維持も
保証される。さらに、強度の高い繊維との混紡品を用い
ることにより、一層の補強構造を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明実施例方法の各工程を
示す断面説明図。
【符号の説明】
1:コンクリート構造物 2:亀裂部 3:断面V字型溝 4:高吸水性繊維 5:ネットホース 6:シール材 7:補修剤注入管 8:ニップル 9:圧入容器 10:一液型親水性ポリウレタンプレポリマー 10’:発泡硬化物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亀裂を有するコンクリート構造物類の亀
    裂部に削孔穴を形成し、該削孔穴に、一液型親水性ポリ
    ウレタンプレポリマーと吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊
    維を充填すると共に、該削孔穴表面を閉塞することによ
    り、一液型親水性ポリウレタンプレポリマーと吸水・膨
    潤した高吸水性樹脂繊維中の水との発泡硬化物でコンク
    リート構造物の亀裂部を隅々まで圧入・密封することを
    特徴とするコンクリート構造物類の亀裂補修方法。
  2. 【請求項2】 亀裂を有するコンクリート構造物類に表
    層部において亀裂に沿った横溝を削成し、内部に吸水・
    膨潤した高吸水性樹脂繊維を充填したメッシュパイプを
    その横溝に嵌挿した後、その表面部を所々に垂直孔部を
    残して封止し、しかる後同垂直孔部から、一液型親水性
    ポリウレタンプレポリマーを注入すると共にその後該注
    入孔を閉塞することにより、一液型親水性ポリウレタン
    プレポリマーと吸水・膨潤した高吸水性樹脂繊維中の水
    との発泡硬化物でコンクリート構造物の亀裂部を隅々ま
    で圧入・密封することを特徴とするコンクリート構造物
    類の亀裂補修方法。
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