JPH09317195A - ハイブリッド外壁改修工法 - Google Patents

ハイブリッド外壁改修工法

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JPH09317195A
JPH09317195A JP14009896A JP14009896A JPH09317195A JP H09317195 A JPH09317195 A JP H09317195A JP 14009896 A JP14009896 A JP 14009896A JP 14009896 A JP14009896 A JP 14009896A JP H09317195 A JPH09317195 A JP H09317195A
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Akio Baba
明生 馬場
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原田  進
Daiji Koseki
大司 小關
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KENCHIKUKOU KOUHOU KENKYUSHO K
KENCHIKUKOU KOUHOU KENKYUSHO KK
KENSETSUSHO KENCHIKU KENKYU SH
KENSETSUSHO KENCHIKU KENKYU SHOCHO
Fujikawa Kenzai Kogyo Ltd
Original Assignee
KENCHIKUKOU KOUHOU KENKYUSHO K
KENCHIKUKOU KOUHOU KENKYUSHO KK
KENSETSUSHO KENCHIKU KENKYU SH
KENSETSUSHO KENCHIKU KENKYU SHOCHO
Fujikawa Kenzai Kogyo Ltd
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場打設鉄筋コンクリート造、プレキャスト
コンクリート造、ブロック造、石造、レンガ造、ALC
造等の建築構造の躯体、仕上げの劣化に対して適用で
き、構造躯体のひび割れ、中性化の進行、鉄筋腐食、表
面劣化等の補修、仕上げの剥落防止、新しい表面仕上げ
層の増設による躯体保護性能の強化を同時に実現できる
ハイブリッド外壁改修工法を提供する。 【解決手段】 無機質硬化物の改修部分に、特定の一液
硬化型樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセメント
ペーストを塗着して透湿性を損なうことなく補強し、欠
損が生じている部分には特定の下塗り用モルタル組成物
を充填して防錆硬化を付与し、浮きが生じている部分に
は特定の剥落防止連結材を固定して剥落を防止すると共
に温度変化や乾湿による収縮等に起因するムーブメント
を抑制、吸収し、その後、改修部分全面に中塗り用モル
タル組成物、網材、特定の上塗り用モルタル組成物を塗
着して表層を補強すると共に透湿、防錆効果を付与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造建築物及び同構造部材に適用できる改修工法であっ
て、現場打設鉄筋コンクリート造は勿論、プレキャスト
コンクリート造、ブロック造、石造、レンガ造、ALC
造等の建築構造の躯体、仕上げの劣化に対して適用でき
るハイブリッド外壁改修工法に関する。さらに詳しく
は、構造躯体のひび割れ、中性化の進行、鉄筋腐食、表
面劣化等の補修、仕上げの剥落防止、新しい表面仕上げ
層の増設による躯体保護性能の強化を同時に実現できる
ハイブリッド外壁改修工法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート等の腐食性金属材料が
埋め込まれた無機質硬化物は、雨水の侵入などにより腐
食性金属材料に錆が発生すると、その体積膨張で無機質
硬化物に亀裂を発生させたり、破砕したりする。特に、
無機質硬化物中に高濃度の塩素イオンが混入している場
合、比較的容易に腐食性金属材料は腐食する。一方、腐
食性金属材料が埋め込まれていなくても、温度変化及び
乾湿等による収縮や地震等の外力によって、無機質硬化
物の表面層が剥落して事故を引き起こしたり、内部の躯
体を露出させて劣化を促進させることもある。
【0003】従来より、上記したような無機質硬化物の
亀裂発生や破砕、表面層の剥落などを防止する方法が種
々提案され、部分的な処方としては優れたものも幾つか
提案されているが、実用性が高く、且つ総合的に満足で
きるものは未だ見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、前記のような
無機質硬化物の亀裂発生や破砕、表面層の剥落などの問
題全てを長期間に亙って防止することができ、且つ現場
打設鉄筋コンクリート造は勿論、プレキャストコンクリ
ート造、ブロック造、石造、レンガ造、ALC造等の建
築構造の躯体、仕上げの劣化に対しても幅広く適用で
き、施工の信頼性を確実にし、現場廃材の量を減少させ
るような改修工法が嘱望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、無機質硬化物の改修部分に、イソシアネ
ート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を
(珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有し
て分子量が3000〜50000であるポリマーを主成
分とする一液硬化型樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリ
マーセメントペーストを塗着した後、欠損が生じている
部分には〜に示す下塗り用モルタル組成物を充填
し、浮きが生じている部分にはフレキシビリティを有す
るヘアピン状の2又形状軸体の折曲げた膨出部に棒状或
いは円環状の係止部材を遊嵌して連結してなる剥落防止
連結材を、厚み方向に穿設した挿入孔に2又形状軸体を
挿入し、その鉛直方向に刻設した溝部に係止部材を挿入
すると共に前記透湿性ポリマーセメントペースト又はエ
ポキシ系接着剤を挿入孔及び溝部に充填する状態で固定
し、その後、改修部分全面に合成樹脂を混入した中塗り
用モルタル組成物を塗着すると共に無機質硬化物を補強
する網材を点付けして押圧することにより網材を埋設し
た後、以下の〜に示す透湿性を有する上塗り用モル
タル組成物を塗着するようにしたことを特徴とするハイ
ブリッド外壁改修工法に関するものである。
【0006】前記下塗り用モルタル組成物としては以下
のものを用いることができる。 多孔質骨材中に防錆剤又はアルカリ金属塩が内蔵さ
れ、且つその表面がセメントで被覆されている骨材を配
合してなるモルタル組成物。 粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜1.5,
吸水率15〜500wt%の多孔質骨材を配合してなる
モルタル組成物。 粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜1.5,
吸水率15〜500wt%の多孔質骨材中に防錆剤又は
アルカリ金属塩が内蔵され、且つその表面がセメントで
被覆されている骨材を配合してなるモルタル組成物。 前記上塗り用モルタル組成物としては以下のもの、或い
は以下のものを適宜に組み合わせて用いることができ
る。 合成樹脂を混入したモルタル組成物。 SiO2 を主成分とする無機質防水剤が含有されてい
るモルタル組成物。 (=)粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜
1.5,吸水率15〜500wt%の多孔質骨材を配合
してなるモルタル組成物。 (=)多孔質骨材中に防錆剤又はアルカリ金属塩が
内蔵され、且つその表面がセメントで被覆されている骨
材を配合してなるモルタル組成物。 (=)粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜
1.5,吸水率15〜500wt%の多孔質骨材中に防
錆剤又はアルカリ金属塩が内蔵され、且つその表面がセ
メントで被覆されている骨材を配合してなるモルタル組
成物。
【0007】
【発明の実施の形態】前記下塗りモルタル組成物、上塗
りモルタル組成物における多孔質骨材とは、微細孔を有
し、吸水性能を有するものであれば良く、特に材質及び
性状を限定するものではない。したがって、無機質骨材
に限らず、例えば、エチレン−酢酸ビニル発泡骨材のよ
うな有機質発泡骨材などを前記多孔質骨材として使用し
ても良い。尤も、以下に示すような粒度及び気乾嵩密
度、吸水率を有する多孔質骨材を使用することにより、
これを配合したモルタル組成物のコテ塗り作業性を向上
させることができ、得られる無機質硬化物(層)の透水
性を低下させると共に、透湿性を向上させることができ
る。即ち、粒度はコテ塗り作業を考慮して、0.06〜
5mm、より好ましくは0.1〜2.5mmの範囲のも
のを使用すれば良い。また、気乾嵩比重は0.1〜1.
5のものを使用すれば良い。1.5以上になると、防錆
剤の含浸吸着能力が低くなり、得られる無機質硬化物
(層)の透湿性は低下する。また0.1以下になると、
得られる無機質硬化物(層)の強度が低下し、透水性及
び吸水性は高くなるので好ましくない。さらに、吸水率
は15〜500wt%のものをすれば良い。500wt
%以上になると、防錆剤及びアルカリ金属塩の含浸吸着
能力は高くなるが、得られる無機質硬化物(層)の強度
が低下し、透水性及び吸水性が高くなるので好ましくな
い。また15wt%以下になると、防錆剤びアルカリ金
属塩の含浸吸着能力が低くなり、得られる無機質硬化物
(層)の透湿性は低下する。
【0008】上記した気乾嵩比重,吸水率の多孔質骨材
としては、天然ゼオライト(モルデナイト、クリノプチ
ロライト、xM(2/n)O・Al23 ・ySiO2
・zH2 O)の破砕粒状物、顆粒品、造粒ペレット品、
造粒粒状物,アロフェン(Allophane ,天然シリカアル
ミナゲル,Al23 ・mSiO2 ・nH2 O+Al
(OH)3 )の粒状品、顆粒品,珪藻土造粒焼成粒子
物,或いは凝灰岩系天然ガラス焼成品,流紋岩系天然ガ
ラス軽石,ケイ酸カルシウム破砕粒子,発泡ガラス粒
子,耐火レンガ破砕粒子,ALC破砕粒子等を例示する
ことができる。
【0009】また、前記下塗りモルタル組成物、上塗り
モルタル組成物における防錆剤としては、JIS A6
205「鉄筋コンクリート用防錆剤」に規定されるよう
なものを使用することができ、例えば亜硝酸カルシウ
ム、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩や、ピルオキシエチ
レンビスグリセロールポレイト、ポリオキシエチレンビ
スグリセロールポレイト・オレイト等のホウ酸エステ
ル、有機カルボン酸塩系などを挙げることができる。上
記防錆剤を前記多孔質骨材中に内蔵させ、且つ表面にセ
メントを被覆させて被覆させて硬化・造粒させるには、
防錆剤の水溶液を多孔質骨材に加えて吸水させた後、乾
燥することなくセメントをその表面に被覆させれば良
く、セメントは、養生することにより多孔質骨材の表面
の水分で硬化する。尚、上記セメントとしては、例えば
ポルトランドセメント、ポルトランド系混合セメント、
白色セメント、ジェットセメント等を使用することがで
き、細骨材、無機質混和剤、分散剤、増粘剤等を配合
し、使用時に水を加えて練ったものである。こうして得
られた骨材は、その表面がセメントで被覆されているの
で、内蔵された防錆剤の溶解性が遅くなり、これを配合
した無機質硬化物(層)の防錆効果は、より長期化す
る。
【0010】また、防錆剤の代わりに、例えばケイ酸リ
チウム、亜硝酸リチウム等のアルカリ金属塩を多孔質骨
材中に内蔵させ、且つその表面にセメントを被覆させて
被覆させて硬化・造粒させるようにしてもよい。
【0011】こうして作製された骨材は、一般に使用さ
れる他の骨材と適宜に混合してモルタル組成物に配合す
ることができ、防錆剤を内蔵する骨材とアルカリ金属塩
を内蔵する骨材とを併用するようにしても良い。
【0012】このような骨材を配合してなるモルタル組
成物を養生して得られる無機質硬化物(層)は、防錆剤
或いはアルカリ金属塩が均一に分散混合され、この防錆
剤或いはアルカリ金属塩が徐々に微量づつ溶解し、長期
間に亙って防錆効果を発揮する。その際、アルカリ金属
塩は長期間に亙って無機質硬化物をアルカリ性にし、そ
の中性化速度を遅延して防錆する。したがって、前記下
塗り用モルタル組成物〜を欠損が生じている部分に
充填することにより長期間に亙る防錆効果が付与され
る。同様に前記上塗り用モルタル組成物〜を塗着す
ることにより、表層部分にも長期間に亙る防錆効果が付
与される。
【0013】また、前記上塗りモルタル組成物における
合成樹脂を混入したモルタル組成物は、アクリル系樹
脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマル
ジョン、エチレン,酢酸ビニル,スチレン系,アクリル
酸エステル系からなる多元系合成樹脂エマルジョン、S
BRラテックス、エポキシ樹脂エマルジョン等をモルタ
ル組成物中に混合して透湿性を高めたものであり、前記
の防錆剤やアルカリ金属塩を配合したものでも良い。
【0014】さらに、前記上塗りモルタル組成物におけ
るSiO2 を主成分とする無機質防水剤が含有されて
いるモルタル組成物は、セメントと珪砂とを主成分と
し、収縮低減剤、はっ水剤、増粘剤を添加したモルタル
組成物において、SiO2 を主成分とする無機質防水剤
1〜40wt%及び雲母粉末0.2〜5wt%が含有さ
れているものでも良く、その固形物は吸水性が低く(吸
水量20g以下)、透水量が低く(透水量0.5ml以
下)、透湿性が高い(後述する測定法による透湿度10
00g/m2 ・24h以上)ものとなる。
【0015】上記SiO2 を主成分とする無機質防水剤
は1〜40wt%、好ましくは2〜30wt%配合す
る。無機質防水剤の配合量が1wt%より少ないと前記
の効果が発揮されず、40wt%より多いとそれ以上効
果が向上せずに無駄となる。上記無機質防水剤は具体的
には「BBconcentrate」(日本バンデック
ス製)であり、SiO2 を主成分とし、BaSO4 、Z
nS、微量の鉱物油を含むものである。
【0016】また、水密性を向上させ、硬化物中に水酸
化カルシウムの存在を少なくし、硬化時、或いは硬化後
の水濡れによる白華防止のために、高炉水砕スラグ粉末
を5〜50wt%、好ましくは比表面積3000〜60
00cm2 /g程度のものを5〜30wt%配合するの
が良い。さらに、強度や水分特性、作業性を考慮し、粒
子径約0.01〜2mmの範囲から適宜粒度を選定し、
無機質骨材の中から耐久性を考慮して選定し、珪砂、寒
水石等を5〜60wt%配合する。好ましくは10〜5
0wt%配合するのが良い。また、作業性の向上、クラ
ック防止、透水性、吸水性を少なくするために雲母粉末
を0.2〜5wt%配合する。好ましくは作業性及び仕
上がり面を考慮し、1mm以下程度の粉末を0.5〜2
wt%程度配合するのが良い。加えて、作業性を考慮
し、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、パル
プ粉砕品、ドロマイトプラスター、フライアッシュ等の
無機質混和材等を配合しても良い。また、収縮の低減の
ため、スルホン化メラミンホルマリン縮合物塩系、ナフ
タリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系等の高性能減水
剤、無機系膨張性収縮低減剤等の収縮低減剤等を配合し
ても良い。モルタルの強度、ヤング率等を考慮し、通常
使用されているドロマイトプラスター、フライアッシ
ュ、消石灰、ベントナイト等の無機質混和材、EVA−
炭酸カルシウム発泡粒子等を配合しても良い。透水性、
吸水性を小さくするために、通常使用されているステア
リン酸カルシウム等の金属セッケン、シリコーン系のは
っ水剤、ジルコニウム系、脂肪酸系の防水剤等を併用し
ても良い。また、モルタルの接着性を向上安定させるた
めに、アクリル系、SBR、EVA系等のセメント混和
用ポリマーディスパージョンまたはEVA系、酢酸ビニ
ル系、アクリル系等の再乳化系粉末樹脂を透湿性が低下
しない程度の範囲において使用しても良い。
【0017】本発明では、まず一液硬化型樹脂組成物や
透湿性ポリマーセメントペーストを塗着するが、この一
液硬化形樹脂組成物は、イソシアネート基を0.5〜1
0重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子を基準と
して)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3000
〜50000であるポリマーを合成し、これを主成分と
し、消泡剤等の添加剤を配合して塗料化するようにして
も良いが、例えばビニロールOLX−5766(昭和高
分子株式会社)等のような市販品を使用しても良い。上
記一液硬化型樹脂組成物は、分子量が低いので、一般に
固形分10〜20%で粘度10〜30cpsというよう
な低い粘度となる。したがって、この一液硬化型樹脂組
成物は低分子量であり且つ低粘度の溶液であるため、無
機質硬化物の微細な空隙への浸透性が優れている。ま
た、上記一液硬化型樹脂組成物は、従来のプライマーと
比べて数倍の高い透湿性を有する層を形成する。したが
って、上記一液硬化型樹脂組成物は、老化の著しい無機
質硬化物の改修部分に塗布した場合、その表面の微細な
空隙に深く浸透して極めて高い接着性を示す。また、硬
化した後は高い透湿性を有するので、内部に結露水など
を生ずることもない。一方、透湿性ポリマーセメントペ
ーストは、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン・酢
酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン,酢酸ビニ
ル,スチレン系,アクリル酸エステル系からなる多元系
合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポキシ樹
脂エマルジョン等をセメントペーストに混合して透湿性
を高めたものであり、前記一液硬化型樹脂組成物と同様
の効果を示す。この透水性ポリマーセメントペーストに
は前記のような防錆剤やアルカリ金属塩を配合させてお
くようにしても良い。両者の何れか一方のみを用いても
良いが、両者を併用すると、即ち前記一液硬化型樹脂組
成物を塗着させた後、透水性ポリマーセメントペースト
を塗布すると、さらにその上に塗着する下塗り用モルタ
ル組成物との接着性を向上させることができる。
【0018】その後、欠損が生じている部分には前記下
塗り用モルタル組成物を塗着するのであるが、この下塗
り用モルタル組成物の塗着により長期間に亙る防錆効果
が付与されることについては既に説明した通りであるの
で、省略する。
【0019】次に、前記剥落防止連結材とその施工方法
について説明する。前記のように剥落防止連結材は、厚
み方向に延在するヘアピン状の2又形状軸体とその鉛直
方向に延在する棒状或いは円環状の係止部材とからな
り、前記2又形状軸体は、基端である膨出部から先端に
向かって脚部が拡開する形状であり、揺動可能に係止部
材をその膨出部に遊嵌して連結している。例えば図1に
示す剥落防止連結材1は棒状の係止部材5を用い、図2
に示す剥落防止部材1は円環状の係止部材6を用いた実
施態様であるが、2は先端、3は膨出部、4は2又形状
軸体を示す。また、図3に示す実施態様のように2又形
状軸体4の一方若しくは両方の先端2を外側に折曲して
もよい。そして、厚み方向に穿設した挿入孔に2又形状
軸体の脚部を挿入し、その鉛直方向に刻設した溝部に係
止部材を挿入すると、厚み方向の深部に埋設部分が、浅
部に係止部分が位置するように固定されるので、厚み方
向の深部と浅部とを部分結束させ、剥落を防止すること
ができる。この剥落防止部材は、特にその構成、材質及
び寸法等を限定するものではないが、2又形状軸体並び
に係止部材との連結構造はフレキシビリティを有するの
で、温度変化及び乾湿等による収縮や地震等に多少追従
することができ、その結果生ずるムーブメントを抑制、
吸収することができる。また、挿入孔の径を脚部の拡開
寸法より小さく形成すると、弾性により下面からの挿入
であっても強固に結束することができる。さらに、この
剥落防止連結材は、物品製造が容易である。また、特に
先端を外側に折曲したものは挿入孔への物理的な挿着強
度が高いものとなる。尚、挿入孔の穿設や溝部の刻設に
際しては清掃後、剥落防止連結材の挿入並びに前記透湿
性ポリマーセメントペースト又はエポキシ系接着剤の充
填を行えば良い。
【0020】さらに、網材の敷設施工について説明す
る。前記のように中塗り用モルタル組成物を塗着し、網
材を金鏝等で押圧して網材を埋設する。上記中塗り用モ
ルタル組成物は、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン,酢酸
ビニル,スチレン系,アクリル酸エステル系からなる多
元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポキ
シ樹脂エマルジョン等を混合したものであり、前記の防
錆剤やアルカリ金属塩を配合したものでも良い。このよ
うに網材を敷設することにより、その内面側の無機質硬
化物(層)の板状性を蘇らせることができる。そして、
集成板的機能が生じるので、自然環境下における温度差
によるムービング及び強風時に生じる負圧等による孕み
現象が抑制され、無機質硬化物(層)の剥落防止を図る
ことができる。
【0021】その後、前記上塗り用モルタル組成物を塗
着するのであるが、この上塗り用モルタル組成物の塗着
によりして内部の水分を蓄積しない効果、長期間に亙る
防錆効果等が付与されることについては既に説明した通
りであるので、省略する。
【0022】以上のように本発明のハイブリッド外壁改
修工法は、老化した無機質硬化物の改修部分に、透湿性
が優れ、且つ表層部分を補強する改修層を形成して内部
の水分を外部に放出することができ、欠損が生じている
部分や鉄筋等が露出している部分には防錆効果を付与す
る下塗りモルタル組成物を塗着し、浮きが生じている部
分には剥落防止連結材により剥落を防止するとともに温
度変化や乾湿による収縮等に起因するムーブメントを抑
制、吸収することができ、さらにその上に敷設する網材
により表層を補強するようにしたものである。
【0023】このような本発明により改修された外壁
は、改修部分の最下層から最上層に亙る各層においてそ
れぞれ優れた透湿効果、防錆効果を有するので、それら
各層の相乗作用によって中性化の進行、鉄筋腐食、表面
劣化等に対する防止効果が著しく高いものとなる。即
ち、従来には、極めて狭い部分的な処方が行われるに過
ぎず、その効果も極めて狭い範囲に限定され、しかも長
期間効果が持続するものではなかったが、本発明では、
欠損部分や浮き発生部分にはそれぞれに応じた補修を施
し、前記のように透湿効果、防錆効果を広い範囲におい
て長期間持続できるもので有り、それに加えて剥落防
止、躯体保護性能の強化をも行う同時に行うことができ
るものである。
【0024】
【実施例】
試験1;ピンの性能評価 [ピンの引き抜き試験] (1)試験用基板 試験に用いるコンクリート基板は、表1に示すように水
セメント比60%の建築における標準的な配合とし、コ
ンクリートを練り混ぜた後、合板型枠300mm×30
0mm×厚さ50mmの大きさに打設し、試験室で48
時間養生した後に脱型した。その後、20℃±2℃の水
中で5日間養生し、さらに恒温恒湿室(温度20℃±2
℃、湿度65%±10%)で21日間以上養生したもの
を試験用基板とした。
【表1】
【0025】(2)試験体の作製(n=3) 前記試験用基板に電動ドリルを用いて直径8mm、深さ
30mmの孔を開け、孔の内部を清掃した後、アンカー
ピン用接着剤(エポキシ系接着剤:『ストラクトボンド
300S』三井東圧化学株式会社製)を注入し、図1に
示す形状の剥落防止連結材をセットした。恒温恒湿室
(温度20℃±2℃、湿度65%±10%)で材令4週
まで養生して試験体とした。また、図3に示す形状の剥
落防止連結材についても同様に試験した。さらに、前記
アンカーピン用接着剤に代えて前記実施配合例1のポリ
マーセメントペーストを注入し、図1に示す剥落防止連
結材をセットしたものについても同様に試験した。比較
のため、従来のアンカーピン(=T型ピン)を用いたも
の、アンカーピン用接着剤を使用しない機械式定着型の
もの(頭部を叩くと先端が開くタイプ)も同様に試験し
た。
【0026】(3)試験方法 前記試験体をオートグラフ(島津AG−5000C)に
セットし、クロスヘッド速度2mm/minで引っ張り
荷重を加え、最大荷重を測定した。
【0027】(4)試験結果 結果は表2に示した。
【表2】
【0028】[ピンの頭部保持力試験] (1)試験用基板 試験に用いるモルタル板は、表3に示す配合組成で練り
混ぜた後、合板型枠300mm×300mm×厚さ30
mmの大きさに打設し、試験室で48時間養生した後に
脱型した。その後、20℃±2℃の水中で5日間養生
し、さらに恒温恒湿室(温度290±2℃、湿度65%
±10%)で21日間以上養生したものを試験用基板と
した。
【表3】
【0029】(2)試験体の作製(n=3) 前記試験用基板に電動ドリルを用いて直径8mmの孔を
穿設し、孔の内部を清掃した後、図1に示す形状の剥落
防止連結材をセットした。裏面側よりアンカーピン用接
着剤(エポキシ系接着剤:『ストラクトボンド300
S』三井東圧化学株式会社製)を注入し、ピンを固定し
た後、材令4週まで恒温恒湿室(温度20℃±2℃、湿
度65%±10%)で養生して試験体とした。また、図
3に示す形状の剥落防止連絡材についても同様に試験し
た。比較のため、従来のアンカーピン(=T型ピン)を
用いたもの、アンカーピン用接着剤を使用しない機械式
定着型のもの(頭部を叩くと先端が開くタイプ)も同様
に試験した。
【0030】(3)試験方法 前記試験体をオートグラフAG−5000C(島津製作
所株式会社製)にセットし、裏面側からクロスヘッド速
度2mm/minで引っ張り荷重を加え、最大荷重を測
定した。
【0031】(4)試験結果 結果は表4に示した。
【表4】
【0032】試験2;ポリマーセメントモルタルの基本
物性 (1)試験体の作製及び試験方法 表5に示す配合組成で各ポリマーセメントモルタルを作
製し、透湿性を除く各試験項目についてはJIS A
6916に準じ、透湿性試験については日本建築仕上学
会B法に準じて試験を行った。尚、同様に、昭和高分子
株式会社製一液硬化型アクリル樹脂『EX−1500』
を塗着したものの透湿性も同様に試験した。
【表5】
【0033】尚、表5における防錆剤含有骨材(富士川
建材工業株式会社製)は、以下の方法で製造した。ゼオ
ライト(『ゼオライト1424』粒度1.2〜0.7m
m,気乾嵩比重0.54,吸水率50〜70wt%,新
東北化学工業株式会社製)480部と、水道水180部
と、防錆剤(『パリックC』藤沢薬品工業株式会社製)
90部と、を混合した後、普通ポルトランドセメント2
60部を加えて混合造粒し、48時間養生後、乾燥し
た。また、表5におけるアルカリ金属含有骨材(富士川
建材工業株式会社製)は、以下の方法で製造した。ゼオ
ライト(『ゼオライト1014』粒度1.2〜0.7m
m,気乾嵩比重0.59,吸水率50〜70wt%,新
東北化学工業株式会社製)480部と、アルカリ金属塩
(『LINI25』亜硝酸リチウム水溶液,日産化学工
業株式会社製)250部と、を混合した後、普通ポルト
ランドセメント260部を加えて混合造粒し、48時間
養生後、乾燥した。
【0034】(2)試験結果 結果は表6に示した。
【表6】
【0035】試験3;ポリマーセメントモルタルの既存
仕上げ材に対する付着性 (1)試験用基板 試験に用いるコンクリート基板は、水セメント比60%
の建築における標準的な配合(前記表1)とし、コンク
リートを練り混ぜた後、合板型枠300mm×300m
m×厚さ50mmの大きさに打設し、試験室で48時間
養生した後に脱型した。その後、20℃±2℃の水中で
5日間養生し、さらに恒温恒湿室(温度20℃±2℃、
湿度65%±10%)で21日間以上養生したものを試
験用基板とした。
【0036】(2)試験体の作製 1-1)タイルの貼り付け 前記試験用基板に表7に示すタイル貼り付け用モルタル
を用いてタイル〔磁器質施ゆう外装タイル(50二丁)
つやあり〕を貼り付け、恒温恒湿室(温度20℃±2
℃、湿度65%±10%)中で材令4週まで養生して下
地板とした。
【表7】
【0037】1-2)建築用仕上げ塗材の塗布 前記試験用基板に各種仕上げ塗材(外装薄塗材E,複層
塗材E,複層塗材RE)の標準塗布量(1.8kg/m
2 ,1.5kg/m2 ,2.3kg/m2 )を仕様によ
り塗布し、恒温恒湿室(温度20℃±2℃、湿度65%
±10%)で材令4週まで養生し、下地板とした。
【0038】2)ポリマーセメントの塗布 前記各下地板に前記配合例1のポリマーセメントペース
トの標準塗布量(0.45kg/m2 )を塗布し、恒温
恒湿室(温度20℃±2℃、湿度65%±10%)で材
令2週まで養生して試験体とした。また、表1に示すコ
ンクリート板に、昭和高分子株式会社製一液硬化型アク
リル樹脂『EX−1500』を下塗り塗着したものの上
に前記配合例1のポリマーセメントペーストを塗布した
ものも同様に試験した。比較のため、前記比較配合例1
のポリマーセメントペーストを用いたものも同様に試験
した。
【0039】(3)試験方法 前記試験体をオートグラフAG−5000C(島津製作
所株式会社製)にセットし、クロスヘッド速度1mm/
minで引っ張り荷重を加え、最大荷重を求め、付着強
さを測定した。3ケの平均値で示す。
【0040】(4)試験結果 結果は表8に示した。
【表8】
【0041】試験4;ガラス繊維ネットの既存モルタル
の補強効果の確認 (1)試験用基板 試験に用いるモルタル板は、既調合モルタル(ラスモ
ル:富士川建材工業株式会社製)を練り混ぜた後、合板
型枠300mm×75mm×厚さ40mmの大きさに打
設し、試験室で48時間養生した後に脱型した。その
後、20℃±2℃の水中で5日間養生し、さらに恒温恒
湿室(温度290±2℃、湿度65%±10%)で21
日間以上養生したものを試験用基板とした。
【0042】(2)試験体の作製(n=3) 前記試験用基板の合板型枠面側に仕様に基づき、前記配
合例2のポリマーセメントモルタルでガラス繊維ネット
等(内容は表9に合わせて示した)を貼り付け、恒温恒
湿室(温度20℃±2℃、湿度65%±10%)で材令
10日まで養生して試験体とした。
【0043】(3)試験方法 前記試験体を図4に示すようにオートグラフ(島津AG
−5000C)にセットし、クロスヘッド速度0.5m
m/minで1点曲げ荷重を加え、最大荷重、ひび割れ
発生時の荷重及び試験開始時から試験終了時(フルスケ
ールの0.5%荷重まで)までのエネルギー値を求め
た。また、ガラス繊維ネット等の補強がないものと比較
した。
【0044】(4)試験結果 結果は表9に示した。
【表9】
【0045】試験5;複合改修工法の耐久性試験 (1)試験体の作製(N=1,n=5) 前記試験3において説明した方法と同様に下地板を作製
し、養生終了後、前記配合例1のポリマーセメントペー
ストを塗布した後、前記配合例2のポリマーセメントモ
ルタル(中塗り用モルタル組成物)でガラス繊維ネット
(日本電気硝子株式会社製『耐アルカリ性ガラス繊維T
D5×5』)を貼り付け、恒温恒湿室(温度20℃±2
℃、湿度65%±10%)で材令4週まで養生して試験
体とした。同様に前記比較配合例1のポリマーセメント
ペーストを塗布した後、前記比較配合例2のポリマーセ
メントモルタルを塗り、平滑として比較用とした。
【0046】(2)熱冷繰り返し試験 表面温度が70℃になるように105分間赤外線ランプ
を照射し、その後15分間散水することを1サイクルと
して300サイクル継続した。但し、水温は15±5
℃、試験体1体当たりの散水量は毎分6リットルとし
た。300サイクル終了した後、試験体を恒温恒湿室
(温度20℃±2℃、湿度65%±10%)に24時間
放置した後に試験を行なった。
【0047】(3)試験結果 熱冷繰り返し試験の終了した試験体をオートグラフ(島
津AG−5000C)にセットし、クロスヘッド速度
0.5mm/minで1点曲げ荷重を加え、最大荷重を
求め、付着強さを測定した。また、外観を目視により観
察した。結果は表10に示した。
【表10】
【0048】試験6;複合改修工法の現場施工実験 外壁薄塗材Eで仕上げてあるコンクリート構築物(約4
000m2 )約10年経過物件で改修工事を実施した。
まず、壁面を高圧水洗し、鉄筋の爆裂部分は、はつり取
り、鉄筋の錆をワイヤーブラシで除去した。その後、前
記配合例1のポリマーセメントペースト(透湿性ポリマ
ーセメントペースト)に防錆剤を混入したものを塗り、
防錆処理を施した。その後、配合例3のポリマーセメン
トモルタル(下塗り用モルタル組成物)を欠損部に塗
り、補修した。この壁面を約50cm間隔で直径20c
m程度のディスクサンダーで外装薄塗材Eの仕上げ部分
を円形に剥がし、躯体内部の水分が抜け易くした。モル
タルの浮きの部分には図1に示す剥落防止連結材を約5
0cm間隔でピンニングし、エポキシ系接着剤(『スト
ラクトボンド300S』三井東圧化学株式会社製)で固
定した。その後、前記配合例2のポリマーセメントモル
タル(中塗り用モルタル組成物)を全体に塗り、直ちに
ガラス繊維ネット(日本電気硝子株式会社製『耐アルカ
リ性ガラス繊維TD5×5』)を貼り、こてですり込み
ポリマーセメントモルタルと馴染ませた。翌日、再度配
合例2のポリマーセメントモルタル(中塗り用モルタル
組成物)を全体に塗り、平滑な下地とした。その後、2
週間の養生期間をとり、高透湿性無機質仕上材(富士川
建材工業株式会社製)で仕上げた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明のハイブリッ
ド外壁改修工法は、老化した無機質硬化物の改修部分
に、透湿性が優れ、且つ表層部分を補強する改修層を形
成して内部の水分を外部に放出することができ、欠損が
生じている部分や鉄筋等が露出している部分には防錆効
果を付与する下塗りモルタル組成物を塗着し、浮きが生
じている部分には剥落防止連結材により剥落を防止する
とともに温度変化や乾湿による収縮等に起因するムーブ
メントを抑制、吸収することができ、さらにその上に敷
設する網材により表層を補強するようにしたものであっ
て、構造躯体のひび割れ、中性化の進行、鉄筋腐食、表
面劣化等を補修し、仕上げの剥落防止、新しい表面仕上
げ層の増設による躯体保護性能の強化を同時に実現する
ことができるものである。
【0050】したがって、本発明により改修された外壁
は、改修部分の最下層から最上層に亙る各層においてそ
れぞれ優れた透湿効果、防錆効果を有するので、それら
各層の相乗作用によって中性化の進行、鉄筋腐食、表面
劣化等に対する防止効果が著しく高い。即ち、従来に
は、極めて狭い部分的な処方が行われるに過ぎず、その
効果も極めて狭い範囲に限定され、しかも長期間効果が
持続するものではなかったが、本発明では、各層の相乗
効果により、透湿効果、防錆効果を広い範囲において長
期間持続でき、しかも欠損部分や浮き発生部分にはそれ
ぞれに応じた補修が施され、加えて剥落防止、躯体保護
性能の強化を同時になされたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】棒状係止部材を用いた剥落防止連結材の一実施
例を示す斜視図である。
【図2】円環状係止部材を用いた剥落防止連結材の一実
施例を示す斜視図である。
【図3】棒状係止部材を用いた剥落防止連結材の他の一
実施例を示す斜視図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:06 14:20 24:38 14:28 24:42 16:02 16:06 24:26) 103:44 103:61 103:65 111:72 (72)発明者 原田 進 神奈川県横浜市磯子区田中2丁目4番13− 103号 (72)発明者 小關 大司 福岡県田川市大字奈良1587−117

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質硬化物の改修部分に、イソシアネ
    ート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を
    (珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有し
    て分子量が3000〜50000であるポリマーを主成
    分とする一液硬化型樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリ
    マーセメントペーストを塗着した後、欠損が生じている
    部分には多孔質骨材中に防錆剤又はアルカリ金属塩が内
    蔵され、且つその表面がセメントで被覆されている骨材
    を配合してなる下塗り用モルタル組成物を充填し、浮き
    が生じている部分にはフレキシビリティを有するヘアピ
    ン状の2又形状軸体の折曲げた膨出部に棒状或いは円環
    状の係止部材を遊嵌して連結してなる剥落防止連結材
    を、厚み方向に穿設した挿入孔に2又形状軸体を挿入
    し、その鉛直方向に刻設した溝部に係止部材を挿入する
    と共に前記透湿性ポリマーセメントペースト又はエポキ
    シ系接着剤を挿入孔及び溝部に充填する状態で固定し、
    その後、改修部分全面に合成樹脂を混入した中塗り用モ
    ルタル組成物を塗着すると共に無機質硬化物を補強する
    網材を点付けして押圧することにより網材を埋設した
    後、透湿性を有する上塗り用モルタル組成物を塗着する
    ようにしたことを特徴とするハイブリッド外壁改修工
    法。
  2. 【請求項2】 無機質硬化物の改修部分に、イソシアネ
    ート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を
    (珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有し
    て分子量が3000〜50000であるポリマーを主成
    分とする一液硬化型樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリ
    マーセメントペーストを塗着した後、欠損が生じている
    部分には粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜
    1.5,吸水率15〜500wt%の多孔質骨材を配合
    してなる下塗り用モルタル組成物を充填し、浮きが生じ
    ている部分にはフレキシビリティを有するヘアピン状の
    2又形状軸体の折曲げた膨出部に棒状或いは円環状の係
    止部材を遊嵌して連結してなる剥落防止連結材を、厚み
    方向に穿設した挿入孔に2又形状軸体を挿入し、その鉛
    直方向に刻設した溝部に係止部材を挿入すると共に前記
    透湿性ポリマーセメントペースト又はエポキシ系接着剤
    を挿入孔及び溝部に充填する状態で固定し、その後、改
    修部分全面に合成樹脂を混入した中塗り用モルタル組成
    物を塗着すると共に無機質硬化物を補強する網材を点付
    けして押圧することにより網材を埋設した後、透湿性を
    有する上塗り用モルタル組成物を塗着するようにしたこ
    とを特徴とするハイブリッド外壁改修工法。
  3. 【請求項3】 透湿性ポリマーセメントペーストには防
    錆剤やアルカリ金属塩を配合したことを特徴とする請求
    項1又は2のいずれか一項に記載のハイブリッド外壁改
    修工法。
  4. 【請求項4】 中塗り用モルタル組成物には防錆剤やア
    ルカリ金属塩を配合したことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一項に記載のハイブリッド外壁改修工法。
  5. 【請求項5】 透湿性を有する上塗り用モルタル組成物
    として、合成樹脂を混入したモルタル組成物、SiO2
    を主成分とする無機質防水剤が含有されているモルタル
    組成物、粒度0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜
    1.5,吸水率15〜500wt%の多孔質骨材を配合
    してなるモルタル組成物、多孔質骨材中に防錆剤又はア
    ルカリ金属塩が内蔵され、且つその表面がセメントで被
    覆されている骨材を配合してなるモルタル組成物、粒度
    0.06〜5mm,気乾嵩比重0.1〜1.5,吸水率
    15〜500wt%の多孔質骨材中に防錆剤又はアルカ
    リ金属塩が内蔵され、且つその表面がセメントで被覆さ
    れている骨材を配合してなるモルタル組成物の何れかを
    用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に
    記載のハイブリッド外壁改修工法。
  6. 【請求項6】 2又形状軸体は、一方若しくは両方の先
    端を外側に折曲したものであることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のハイブリッド外壁改修工
    法。
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