JP2017040090A - 躯体劣化部分の補修方法及び補修状態検査方法 - Google Patents

躯体劣化部分の補修方法及び補修状態検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 躯体の補修箇所のシール性を確保し得るような躯体劣化部分の補修方法、並びに、補修状態を簡単且つ的確に検査し得る補修状態検査方法を提案する。【解決手段】 躯体1の劣化部分2を斫って該躯体1の表面1aに開口部4aを有する削溝4を形成し、ついで、上記開口部4aから、上記削溝4内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記削溝4の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を開口部4aの略全域から外方へ溢出させて硬化させる。係る構成によれば、削溝4内の空気は、発泡性樹脂の発泡膨張に伴って次第に外方側へ押し出され、削溝4内の発泡樹脂層10内に空気溜りが発生すること、さらにこの空気溜りに起因して躯体1内に空洞が発生することが可及的に防止され、この結果、補修箇所におけるシール性が向上し躯体内への雨水の浸み込みが可及的に防止されるとともに、結露による鉄筋の腐食が防止され、これらの相乗効果として、躯体強度が良好に維持される。【選択図】 図7

Description

本願発明は、躯体に生じた劣化部分、例えば、ひび割れ発生部分を発泡性樹脂によって補修する補修方法、及びその補修状態の検査方法に関するものである。
コンクリート壁等の躯体には、経年劣化等によってヒビ割れが発生する場合があり、係るヒビ割れが発生した劣化部分はそのシール性が損なわれて躯体内への雨水の浸入とか、この浸入雨水により躯体内の鉄筋が腐食されて躯体強度が低下する等の問題があることから、このような劣化部分はこれを補修してその機能、強度性能等の回復を図ることが必要となる。
係る躯体の劣化部分の補修手法の一つとして、このヒビ割れの生じた劣化部分を斫って除去し、その斫り跡である削溝内に発泡性樹脂を注入し、これを発泡硬化させる、即ち、斫り除去されたコンクリート部分を発泡性樹脂の硬化層で置換して補修する手法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2 参照)。
特許文献1に示される補修工法は、コンクリート構造物の表面に露出した亀裂の部分を所定大きさに削孔して凹部を形成し、次に、この凹部の開口部を急結材でシールした後、該凹部内に一液型親水性ポリウレタンポリマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂を注入し、該ポリウレタンポリマーを凹部内で発泡・硬化させるとともに、この時の発泡圧及び体積膨張によって該ポリウレタンポリマーを亀裂の狭間中に侵入させて亀裂を密閉することで亀裂部分を補修するものである。
特許文献2に示される補修方法は、ヒビ割れ部分が壁の厚さ方向に貫通している場合において、このヒビ割れ部分を補修するものであって、先ず、ヒビ割れの背面側の内部を発泡性硬化性樹脂組成物等でなる反応硬化型のコーティング材で被覆し、次いで、正面側の内部を同じく反応硬化型のコーティング材で被覆し、しかる後、ヒビ割れ部分の内部の空隙に硬化性エポキシ樹脂組成物等でなるグラウト材を注入することでヒビ割れ部分を補修するものである。
特開平5−202620号公報 特許第3763876号公報
ところで、躯体の劣化部分を発泡性樹脂を用いて補修する場合においては、発泡性樹脂の発泡膨張時における空気の巻き込みによって発泡樹脂層内に空気溜りが生じ、この空気溜りに起因して硬化後の発泡樹脂層内に空洞が生じることを未然に防止することが極めて重要である。これは、硬化後の発泡樹脂層内に空洞が存在すると、この発泡樹脂層のシール性が損なわれ、躯体内に雨水が侵入し易くなり、また侵入した雨水とか空洞内での結露により生じた水分によって躯体内の鉄筋が腐食され、躯体の強度低下を招来することが懸念されるためである。
ところが、特許文献1の補修工法では、急結材でシールされた凹部内にポリウレタンポリマーを注入し、これを該凹部内で発泡・硬化させるものであることから、ポリウレタンポリマーが発泡膨張する際、凹部内の空気は、外部へ放出されることなく発泡膨張するポリウレタンポリマー内に巻き込まれて空気溜りとなり、硬化後においてはこの空気溜りが空洞として残ることになる。この結果、このポリウレタンポリマーの発泡層におけるシール性が損なわれ、鉄筋の腐食によってコンクリート構造物の強度低下を招来することになる。
一方、このような発泡性樹脂の発泡膨張時における空気溜りに起因する空洞の発生を未然に防止することが極めて重要であることは勿論であるが、それと同時に、もし発泡樹脂層内に空洞が生じてしまった場合には、これを早期に発見し、例えば補修作業のやり直し等の所要の対策を講じることも重要であり、このことから補修状態の検査方法の開発が要請されるところである。
ところが、特許文献1の補修工法では、ポリウレタンポリマーが充填・硬化される凹部が急結材でシールされていることから、該凹部内のポリウレタンポリマーの発泡状態を外部から確認することができず、例えポリウレタンポリマー発泡層の内部に空洞が生じていたとしても、これを見つけ出して所要の対策を講じることは不可能である。
また、特許文献2の補修方法では、ヒビ割れ部分の内の空隙にグラウト材を注入する工程が補修作業の最終工程であるため、このグラウト材の表面の状態は外部から確認できるが、グラウト材の内部の状態を確認することはできず、例えグラウト材の内部に空洞が生じていたとしても、これを見つけ出して所要の対策を講じることは不可能である。
そこで本願発明は、躯体の補修箇所のシール性を確保し得るような躯体劣化部分の補修方法、並びに、補修状態を簡単且つ的確に検査し得る補修状態検査方法を提案することを目的としたなされたものである。
本願の第1の発明に係る躯体劣化部分の補修方法では、躯体の劣化部分を斫って該躯体の表面に開口部を有する削溝を形成し、ついで、上記開口部から、上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記削溝の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させ、しかる後、硬化した樹脂のうち上記開口部から外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る躯体劣化部分の補修方法において、上記削溝が上記躯体をその表面側から裏面側へ貫通して形成される構成である場合に、該削溝の裏面側の貫通口をシーリング材で閉塞し、表面側の開口部から上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、該発泡性樹脂の硬化後に上記シーリング材を除去することを特徴としている。
本願の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る躯体劣化部分の補修方法において、上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記削溝の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させることを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第1、第2または第3の発明に係る躯体劣化部分の補修方法によって補修された部分の補修状態を検査する補修状態検査方法において、上記開口部から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することで補修状態の良否を検査することを特徴としている。
(a)本願の第1の発明
本願の第1の発明に係る躯体劣化部分の補修方法によれば、躯体の劣化部分を斫って該躯体の表面に開口部を有する削溝を形成し、ついで、上記開口部から、上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記削溝の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させるようにしているので、上記削溝内の空気は、該削溝内で発泡膨張する発泡性樹脂部分に封入されることなく、発泡性樹脂の発泡膨張に伴って次第に上記削溝内から上記開口部を通って外方側へ押し出され、上記発泡性樹脂内に空気溜り、及びこれに起因する空洞が発生することが未然に防止され、補修箇所の高いシール性が確保される。この結果、躯体内への雨水の浸み込みや結露等による鉄筋の腐食が防止され、躯体強度が良好に維持されることになる。
また、上記開口部から上記削溝の外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することで、上記削溝内の発泡性樹脂によるシール性を維持したまま、補修部の美観性を確保することができる。
(b)本願の第2の発明
本願の第2の発明に係る躯体劣化部分の補修方法によれば、上記削溝が上記躯体をその表面側から裏面側へ貫通して形成される構成である場合に、該削溝の裏面側に開口した貫通口をシーリング材で閉塞し、表面側の開口部から上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させるようにしているので、該削溝内に注入された発泡性樹脂は発泡して該削溝の略全体を満たすとともに、その一部は表面側の上記開口部の略全域から外方へ溢出して硬化することから、該削溝の深さの大小に影響されることなく、上記(a)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
また、上記発泡性樹脂の硬化後に上記シーリング材を上記躯体1側から除去することで、上記削溝の裏面側の開口部においては、躯体裏面と発泡樹脂層の端面が同一平面を形成し、その美観性が確保される。
(c)本願の第3の発明
本願の第3の発明に係る躯体劣化部分の補修方法によれば、上記(a)または(b)に記載の効果に加えて、以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記削溝の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させるようにしているので、上記削溝内に発泡樹脂層が多層状に重ねて形成される。このため、万一、これら多層状の発泡樹脂層の何れかに空気溜りとか硬化不良が生じたような場合でも、これ以外の他の発泡樹脂層が空気溜りとか硬化不良の無い正常な発泡樹脂層であれば、この正常な発泡樹脂層によって補修箇所のシール性が確保され、延いては、躯体強度が良好に維持される。
(d)本願の第4の発明
本願の第4の発明に係る補修状態検査方法によれば、上記開口部から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することで補修状態の良否を検査するようにしているので、上記発泡樹脂層の比較的深部で生じている硬化不良とか、空気溜りに起因する空洞の発生を高い確率で発見することができ、目視検査による検査精度及び信頼性が向上する。また、これによって補修箇所の信頼性が担保されるとともに、もし、検査によって硬化不良や空気溜りとか空洞が発見された場合には、補修施工のやり直し、あるいは部分的な補修施工等の対応措置を迅速に執ることができる。
本願発明の補修方法及び補修状態検査方法が適用される第1の実施形態における躯体の要部正面図である。 図1のA−A断面図である。 躯体表面の劣化部分を削除して形成された削溝を示す正面図である。 図3のB−B断面図である。 上記削溝内へ発泡性樹脂を注入する樹脂注入工程のうち、第1発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記樹脂注入工程のうち、第2発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記樹脂注入工程のうち、第3発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記劣化部分の補修完了状態を示す正面図である。 図8のC−C断面図である。 本願発明の補修方法及び補修状態検査方法が適用される第2の実施形態における躯体の要部正面図である。 図10のD−D断面図である。 躯体表面の劣化部分を削除して形成された削溝を示す正面図である。 図12のE−E断面図である。 上記削溝内へ発泡性樹脂を注入する樹脂注入工程のうち、第1発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記樹脂注入工程のうち、第2発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記樹脂注入工程のうち、第3発泡樹脂層の形成作業を示す断面図である。 上記劣化部分の補修完了状態を示す正面図である。 図17のF−F断面図である。 本願発明の他の実施形態に係る躯体劣化部分の補修状態を示す断面図である。
「第1の実施形態」
第1の実施形態は、図1及び図2に示すように、躯体1の表面1aからその厚さ方向へ枝状に延出するとともに、該表面1a上を折曲線状に延出するヒビ割れ3を含む所定範囲を劣化部分2とし、この劣化部分2の補修に、発泡性樹脂を用いた本願発明に係る補修方法を適用し、さらに、この補修方法を適用して補修された補修箇所の補修状態を本願発明に係る補修状態検査方法により検査するものである。
以下、本願発明に係る補修方法を適用して実施される上記劣化部分2に対する補修作業を、作業工程に沿って具体的に説明する。なお、この実施形態では、補修作業における作業工程として、「斫り工程」と「樹脂注入発泡工程」と「切除工程」と「検査工程」を備え、さらに上記「樹脂注入発泡工程」は「第1注入発泡工程」と「第2注入発泡工程」及び「第3注入発泡工程」で構成されている。
A:斫り工程
斫り工程では、図3及び図4に示すように、斫り具5を用いて、上記躯体1の劣化部分2に対応する表面1aの上記ヒビ割れ3の形状に沿った所定範囲を所定深さに斫り、該表面1a上に開口部4aを有する削溝4を形成する。この削溝4の形成によって、上記ヒビ割れ3のうち、表層部ヒビ割れ3a(図2参照)は斫り取られ、その深層部ヒビ割れ3bのみが上記削溝4の底面に露出開口した状態となる。即ち、この削溝4の大きさは、躯体1の強度性能上許容される範囲内で設定すれば良く、必ずしもヒビ割れ3の深さ方向の全てを除去する必要はない。
B:樹脂注入発泡工程
樹脂注入発泡工程は、上記削溝4内に上記開口部4aから注入ガン6を用いて発泡性樹脂を注入し、これを発泡硬化させる工程である。この発泡性樹脂の注入は、一度の注入作業によって全量の注入作業を完了する手法を採用することもできるが、この実施形態では、上記削溝4内に形成される発泡樹脂層のシール性をより一層確実にする(後述)観点から、注入作業を3回に分けて段階的に行うようにしている。
なお、この発泡性樹脂の注入作業の回数は、必要に応じて任意に設定できるものであって、上述のように1回で注入する方法、3回で注入する方法の他に、例えば、2回あるいは4回以上に設定することも可能である。そして、この実施形態では、発泡性樹脂の注入を3回に分けて段階的に行うようにしたことから、樹脂注入発泡工程の中に、第1注入発泡工程と第2注入発泡工程及び第3注入発泡工程を設定している。
ここで、上記発泡性樹脂について説明すると、この発泡性樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはオレフィン系樹脂など、液体の樹脂原料に、窒素、LPGまたはフロン等の気体を導入して気泡を形成させつつ硬化させることができる樹脂が好適である。また、この発泡性樹脂の硬化方法としては、化学反応、紫外線照射、加熱または冷却などの方法が好適である。特に、2種類の原料液の混合により化学反応で硬化する硬質ポリウレタン樹脂は、扱い易く、硬化後の圧縮力強度が大きいため、より好ましい。
B−1:第1注入発泡工程
第1注入発泡工程は、図5に示すように、上記削溝4の奥部に第1発泡樹脂層11を形成する工程であって、注入ガン6を上記開口部4aから上記削溝4の奥部側に差し入れて、発泡性樹脂を所定量注入し、これを発泡硬化させて第1発泡樹脂層11を形成する。この工程での発泡性樹脂の使用量は、想定される全使用量(上記削溝4内を充填し且つその一部を上記開口部4aから外方に溢れ出させるに十分な発泡性樹脂の使用量)の略1/3程度の量とするのが好適である。
このように上記削溝4の奥部で発泡性樹脂が発泡膨張して第1発泡樹脂層11を形成する場合、該削溝4内の空気は上記発泡性樹脂の膨張に伴って、次第に上記開口部4a側へ押し出される。この結果、空気が上記第1発泡樹脂層11内に巻き込まれてここに空気溜りを形成するということが確実に防止されるとともに、硬化した第1発泡樹脂層11内に上記空気溜りに起因する空洞が形成されるのが防止される。
B−2:第2注入発泡工程
第2注入発泡工程は、図6に示すように、1層目の上記第1発泡樹脂層11の上側(即ち、上記削溝4の深さ方向の手前側)に重ねて2層目の第2発泡樹脂層12を形成する工程であり、上記第1発泡樹脂層11がある程度硬化した後、再度、上記開口部4a側から上記削溝4内に上記注入ガン6を差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第1発泡樹脂層11の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口部4a側へ向けて膨張し、上記第1発泡樹脂層11の表面上に新たな第2発泡樹脂層12を形成する。この第2発泡樹脂層12の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口部4a側へ押し出され、上記第2発泡樹脂層12内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第2発泡樹脂層12内に空洞が形成されることも確実に防止される。
B−3:第3注入発泡工程
第3注入発泡工程は、図7に示すように、2層目の上記第2発泡樹脂層12の上側に重ねて3層目の第3発泡樹脂層13を形成する工程であり、上記第2発泡樹脂層12がある程度硬化した後、再度、上記開口部4a側から上記削溝4内に上記注入ガン6を差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させるとともにその一部を上記開口部4aから外方へ溢出させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第2発泡樹脂層12の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口部4a側へ向けて膨張し、上記第2発泡樹脂層12の表面上に新たな第3発泡樹脂層13を形成するとともに、その一部は上記開口部4aの略全域から外方へ溢出して盛り上がり状態とされる。なお、以下においては、この第3発泡樹脂層13のうち、上記開口部4aから外方へ溢出して形成された部分を溢出樹脂部14という。
この第3発泡樹脂層13の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口部4a側へ押し出され、上記第3発泡樹脂層13内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第3発泡樹脂層13内に空洞が形成されることも確実に防止される。
C:切除工程
切除工程は、上記第3発泡樹脂層13のうち、上記開口部4aから外部に溢出して硬化した上記溢出樹脂部14を、切除線Lから切除する工程である。この溢出樹脂部14の切除によって、上記削溝4内には三層の発泡樹脂層、即ち、相互に密着された上記第1発泡樹脂層11と上記第2発泡樹脂層12及び上記第3発泡樹脂層13が一体化されてなる発泡樹脂層10が形成される。
以上の作業工程を経て形成された上記発泡樹脂層10においては、これが上記第1発泡樹脂層11、第2発泡樹脂層12及び第3発泡樹脂層13からなる多層状に形成されており、しかも各発泡樹脂層11〜13はその内部に空気溜りが無く且つ硬化状態においてもその内部に空洞が発生しないようにして形成されていることから、これら各発泡樹脂層11〜13それぞれのシール性が高く、したがって、これら各発泡樹脂層11〜13を多層状に重ねて得られた上記発泡樹脂層10も高いシール性を有し、該発泡樹脂層10部分からの雨水の浸入が確実に防止される。
また、例えば、万一、これら多層状の発泡樹脂層11〜13の何れかに(例えば、第1発泡樹脂層11に)何らかの原因によって空気溜りとか硬化不良が生じたような場合であっても、これ以外の他の発泡樹脂層(即ち、第2発泡樹脂層12及び第3発泡樹脂層13)が空気溜りとか硬化不良の無い正常な発泡樹脂層であれば、この正常な発泡樹脂層12,13によって補修部分(即ち、発泡樹脂層10全体)のシール性が確保されることになり、シール性に対する信頼性が高められる。
D:検査工程
検査工程は、上記発泡樹脂層10による躯体1の劣化部分2の補修状態を検査確認する工程である。上記樹脂注入発泡工程の第1〜第3注入発泡工程では、上記削溝4内において発泡性樹脂を発泡膨張させることで、上記各発泡樹脂層11〜13内に周辺の空気が閉じ込められて空気溜りが発生することが防止され、またこの空気溜りに起因して硬化した発泡樹脂層内に空洞が発生することが防止されることは既述の通りである。しかし、万一、何らかの原因で空気溜りあるいは空洞が発生している可能性も完全には排除できない。
また、例えば、発泡性樹脂の注入作業時の温度状況によっては、上記各発泡樹脂層11〜13が十分に硬化しない硬化不良が発生している可能性もある。
そして、このような発泡樹脂層10内の空洞とか硬化不良の存在の有無は、該発泡樹脂層10の強度性能の良否、延いては該発泡樹脂層10によって補修された上記躯体1の強度性能の良否の判断要素の一つとなり得るものである。
そこで、この実施形態では、本願発明の補修状態検査方法を適用して、上記第3発泡樹脂層13から上記溢出樹脂部14を切除したことで形成される上記第3発泡樹脂層13側の切除面を目視し、該切除面に空洞とか硬化不良が生じているかどうか、またこれらが発泡樹脂層10の内部に存在している可能性を示す何らかの形跡があるかどうかを確認する。
この場合、上記空洞とか硬化不良は、上記発泡樹脂層10の成形表面(即ち、上記溢出樹脂部14の表面)に露出して発生する可能性よりも、該成形表面の内部において発生する可能性の方が高いことが経験的に知られている。したがって、この実施形態のように、上記発泡樹脂層10の成形時の表面(即ち、上記溢出樹脂部14の表面)を目視検査するのではなく、上記第3発泡樹脂層13から上記溢出樹脂部14を切除した後の切除面を目視検査することで、上記発泡樹脂層10における空洞とか硬化不良の有無を、より高い確率で確実に発見することができ、目視検査による検査精度及び信頼性が向上することになる。
この切除面の目視検査によって、例えば、空洞とか硬化不良の存在あるいはその可能性が確認された場合には、発泡樹脂層10の除去及び再形成という施工のやり直し、あるいは発泡樹脂層10の部分的な補修等の必要な対応措置をとることになる。
なお、補修状態の検査により、上記発泡樹脂層10内には空洞とか硬化不良もなく適正に補修がなされていると判断されることをもって上記劣化部分2に対する補修作業が完了する。そして、補修作業の完了状態においては、上記躯体1の表面1aは、コンクリート面の中に発泡性樹脂面が存在した斑面となるが、通常、この躯体1の表面1aは塗装とか化粧パネルの取り付け等の化粧手段が施されるので、美観上の問題は生じない。
「第2の実施形態」
第2の実施形態は、図10及び図11に示すように、サッシ枠21が取り付けられたサッシ枠取付用開口20を備えた壁状の躯体1の該サッシ枠取付用開口20の下縁近傍の劣化部分2(即ち、上記躯体1の厚さ方向に貫通するヒビ割れ3が上記サッシ枠取付用開口20の下縁方向に延びた部分)を補修し、該劣化部分2におけるシール性を回復させるものであって、この劣化部分2の補修に本願発明に係る躯体劣化部分の補修方法を適用し、さらに、この補修方法を適用して補修された補修箇所の補修状態を本願発明に係る補修状態検査方法により検査するものである。
以下、本願発明に係る補修方法を適用して実施される上記劣化部分2に対する補修作業を、作業工程に沿って具体的に説明する。なお、この実施形態では、補修作業における作業工程として、「斫り工程」と「シーリング工程」と「樹脂注入発泡工程」と「切除工程」と「検査工程」を備え、さらに上記「樹脂注入発泡工程」は「第1注入発泡工程」と「第2注入発泡工程」及び「第3注入発泡工程」で構成されている。
A:斫り工程
斫り工程では、図12及び図13に示すように、斫り具5を用いて上記躯体1の上記劣化部分2に対応する部分を斫って、該躯体1の表面1a(室外側の面)から裏面1b(室内側の面)に貫通し、且つ上記サッシ枠取付用開口20の下縁に開口して横方向に延びる略長矩形の削溝4を形成する。この削溝4の形成によって、上記ヒビ割れ3を含む劣化部分2は全て躯体1から取り除かれる。
B:シーリング工程
シーリング工程は、上記削溝4が上記躯体1をその厚さ方向に貫通して形成されているため、上記躯体1の裏面1b側に開口した貫通口を閉塞し、上記躯体1の表面1a側の開口部4aのみから上記削溝4への発泡性樹脂の注入を可能とすべくシーリング材23を取り付ける工程であり、具体的には、図13に示すように、室内側の上記貫通口4bにシーリング材23を取り付けて該貫通口4bを閉塞するものである。
なお、上記シーリング材23は、上記開口部4bを閉塞する機能に加えて、上記躯体1の裏面1bと上記サッシ枠21の裏面側の端縁との間の隙間を遮蔽して該隙間から発泡性樹脂が溢出するのを規制する仮設板としての機能も有している。また、上記躯体1の表面1a側においては、該表面1aと上記サッシ枠21の表面側の端縁との間の隙間を遮蔽して発泡性樹脂の溢出を規制するために、仮設板24を取り付けている。
C:樹脂注入発泡工程
樹脂注入発泡工程は、上記削溝4内に室外側の上記開口部4aから注入ガン6を用いて発泡性樹脂を注入し、これを発泡硬化させる工程である。この発泡性樹脂の注入は、一度の注入作業によって全量の注入作業を完了する手法を採用することもできるが、この実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、上記削溝4内に形成される発泡樹脂層のシール性をより一層確実にする観点から、注入作業を三回に分けて段階的に行うようにしている。
なお、この発泡性樹脂の注入作業の回数は、必要に応じて任意に設定できるものであること、及び上記発泡性樹脂として、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂またはオレフィン系樹脂など、液体の樹脂原料に、窒素、LPGまたはフロン等の気体を導入して気泡を形成させつつ硬化させることができる樹脂が好適であり、特に硬質ポリウレタン樹脂が好ましい点は、上記第1の実施形態の場合と同様である。
C−1:第1注入発泡工程
第1注入発泡工程は、図14に示すように、上記削溝4の奥部(上記シーリング材23寄り部位)に第1発泡樹脂層11を形成する工程であって、注入ガン6を上記開口部4aから上記削溝4の奥部側に差し入れて、発泡性樹脂を所定量注入し、これを発泡硬化させて第1発泡樹脂層11を形成する。この工程での発泡性樹脂の使用量は、想定される全使用量(上記削溝4内を充填し且つその一部を上記開口部4aから外方に溢れ出させるに十分な発泡性樹脂の使用量)の略1/3程度の量とするのが好適である。
このように上記削溝4の奥部で発泡性樹脂が発泡膨張して第1発泡樹脂層11を形成する場合、該削溝4内の空気は上記発泡性樹脂の膨張に伴って、次第に上記開口部4a側へ押し出される。この結果、空気が上記第1発泡樹脂層11内に巻き込まれてここに空気溜りを形成するということが確実に防止されるとともに、硬化した第1発泡樹脂層11内に上記空気溜りに起因する空洞が形成されるのが防止される。
C−2:第2注入発泡工程
第2注入発泡工程は、図15に示すように、1層目の上記第1発泡樹脂層11の上側(即ち、上記削溝4の深さ方向の手前側)に重ねて2層目の第2発泡樹脂層12を形成する工程であり、上記第1発泡樹脂層11がある程度硬化した後、再度、上記開口部4a側から上記削溝4内に上記注入ガン6を差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第1発泡樹脂層11の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口部4a側へ向けて膨張し、上記第1発泡樹脂層11の表面上に新たな第2発泡樹脂層12を形成する。この第2発泡樹脂層12の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口部4a側へ押し出され、上記第2発泡樹脂層12内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第2発泡樹脂層12内に空洞が形成されることも確実に防止される。
C−3:第3注入発泡工程
第3注入発泡工程は、図16に示すように、2層目の上記第2発泡樹脂層12の上側に重ねて3層目の第3発泡樹脂層13を形成する工程であり、上記第2発泡樹脂層12がある程度硬化した後、再度、上記開口部4a側から上記削溝4内に上記注入ガン6を差し入れて所要量(全使用量の略1/3程度の量)の発泡性樹脂を注入し、これを発泡させるとともに、その一部を上記開口部4aから外方へ溢出させる。
この場合、新たに注入された発泡性樹脂は、上記第2発泡樹脂層12の表面上に密着した状態で発泡を開始し且つ上記開口部4a側へ向けて膨張し、上記第2発泡樹脂層12の表面上に新たな第3発泡樹脂層13を形成するとともに、その一部は上記開口部4aの略全域から外方へ溢出して盛り上がり状態とされる。なお、以下においては、この第3発泡樹脂層13のうち、上記開口部4aから外方へ溢出して形成された部分を溢出樹脂部14という。
この第3発泡樹脂層13の発泡形成時には、その周辺の空気は発泡性樹脂の発泡膨張に伴い、開放されている上記開口部4a側へ移動し、上記第3発泡樹脂層13内に巻き込まれて空気溜りを形成することが確実に防止され、したがって、硬化した第3発泡樹脂層13内に空洞が形成されることも確実に防止される。
なお、上記シーリング材23と仮設板24は、上記第3発泡樹脂層13の硬化後に上記躯体1側から取り外される。
D:切除工程
切除工程は、図16に示すように、上記第3発泡樹脂層13のうち、上記開口部4aから外部に溢出して硬化した上記溢出樹脂部14を、切除線Lから切除する工程である。この溢出樹脂部14の切除によって、図18に示すように、上記削溝4内には三層の発泡樹脂層、即ち、相互に密着された上記第1発泡樹脂層11と上記第2発泡樹脂層12及び上記第3発泡樹脂層13が一体化されてなる発泡樹脂層10が形成される。
以上の作業工程を経て形成された上記発泡樹脂層10においては、これが上記第1発泡樹脂層11、第2発泡樹脂層12及び第3発泡樹脂層13からなる多層状に形成されており、しかも各発泡樹脂層11〜13はその内部に空気溜りが無く且つ硬化状態においてもその内部に空洞が発生しないようにして形成されていることから、これら各発泡樹脂層11〜13それぞれのシール性が高く、したがって、これら各発泡樹脂層11〜13を多層状に重ねて得られた上記発泡樹脂層10も高いシール性を有し、この発泡樹脂層10による補修部分からの雨水の浸入、室内側への雨漏りが確実に防止される。
また、例えば、万一、これら多層状の発泡樹脂層11〜13の何れかに(例えば、第1発泡樹脂層11に)何らかの原因によって空気溜りとか硬化不良が生じたような場合であっても、これ以外の他の発泡樹脂層(即ち、第2発泡樹脂層12及び第3発泡樹脂層13)が空気溜りとか硬化不良の無い正常な発泡樹脂層であれば、この正常な発泡樹脂層12,13によって補修部分(即ち、発泡樹脂層10全体)のシール性が確保されることになる。
E:検査工程
検査工程は、上記発泡樹脂層10による躯体1の劣化部分2の補修状態を検査確認する工程である。上記樹脂注入発泡工程の第1〜第3注入発泡工程では、上記削溝4内において発泡性樹脂を発泡膨張させることで、上記各発泡樹脂層11〜13内に周辺の空気が閉じ込められて空気溜りが発生することが防止され、またこの空気溜りに起因して硬化した発泡樹脂層内に空洞が発生することも防止されることは既述の通りである。しかし、万一、何らかの原因で空気溜りあるいは空洞が発生している可能性も完全には排除できない。
また、例えば、発泡性樹脂の注入作業時の温度状況によっては、上記各発泡樹脂層11〜13が十分に硬化しない硬化不良が発生している可能性もある。
そして、このような発泡樹脂層10内の空洞とか硬化不良の存在の有無は、該発泡樹脂層10の強度性能の良否、延いては該発泡樹脂層10によって補修された上記躯体1の強度性能の良否の判断要素となり得るものである。
そこで、この実施形態では、本願発明の補修状態検査方法を適用して、上記第3発泡樹脂層13から上記溢出樹脂部14を切除したことで形成される上記第3発泡樹脂層13側の切除面を目視し、該切除面に空洞とか硬化不良が生じているかどうか、またこれらが発泡樹脂層10の内部に存在している可能性を示す何らかの形跡があるかどうかを確認する。
この場合、上記空洞とか硬化不良は、上記発泡樹脂層10の成形表面(即ち、上記溢出樹脂部14の表面)に露出して発生する可能性よりも、該成形表面の内部において発生する可能性が高いことが経験的に知られている。したがって、この実施形態のように、上記発泡樹脂層10の成形時の表面(即ち、上記溢出樹脂部14の表面)を目視検査するのではなく、上記第3発泡樹脂層13から上記溢出樹脂部14を切除した後の切除面を目視検査することで、上記発泡樹脂層10における空洞とか硬化不良の有無を、より高い確率で確実に発見することができ、目視検査による検査精度及び信頼性が向上することになる。
この切除面の目視検査によって、例えば、空洞とか硬化不良の存在あるいはその可能性が確認された場合には、発泡樹脂層10の除去及び再形成という施工のやり直し、あるいは発泡樹脂層10の部分的な補修等の必要な対応措置をとることになる。
なお、補修状態の検査により、上記発泡樹脂層10内には空洞とか硬化不良もなく適正に補修がなされていると判断されることをもって上記劣化部分2に対する補修作業が完了する。そして、補修作業の完了状態においては、上記躯体1の表面1a及び裏面1bは、コンクリート面の中に発泡性樹脂面が存在した斑面となるが、通常、この躯体1の表面1a及び裏面1bは塗装とか化粧パネルの取り付け等の化粧手段が施されるので、美観上の問題は生じない。
「その他」
上記第2の実施形態では、躯体1のサッシ枠取付用開口20にサッシ枠21が取り付けられたものにおいて、該サッシ枠21と上記サッシ枠取付用開口20の境界部分に生じた劣化部分2を補修するものであったが、これとは異なって、本願発明の他の実施形態においては、例えば、図19に示すように、サッシ枠の取り換え工事において、躯体1のサッシ枠取付用開口20に取り付けられた既設のサッシ枠31の内側に、これより小寸法の新設のサッシ枠32を配置し、且つこの既設のサッシ枠31と新設のサッシ枠32の間を発泡樹脂層30によって接続固定する構成の場合で、しかも上記躯体1のサッシ枠取付用開口20と既設のサッシ枠31の境界部分に劣化部分2が生じているような場合には、上記劣化部分2を斫って除去し、ここに発泡樹脂層10を形成して補修する劣化部分補修作業と、既設のサッシ枠31と新設のサッシ枠32との隙間部分33に発泡性樹脂を注入して発泡させ、その発泡樹脂層30によってこれら両者を接続固定するサッシ枠固定作業を、同時に行うことができる。したがって、この場合には、例えば、これら両工事を別々に行う場合に比して、全体工期の短縮及びコスト低減を図ることができる、極めて経済的である。
本願発明に係る躯体劣化部分の補修方法及び補修状態検査方法は、躯体に発生した劣化部分の補修作業において利用されるものである。
1 ・・躯体
2 ・・劣化部分
3 ・・ヒビ割れ
4 ・・削溝
4a ・・開口部
5 ・・斫り具
6 ・・注入ガン
10 ・・発泡樹脂層
11 ・・第1発泡樹脂層
12 ・・第2発泡樹脂層
13 ・・第3発泡樹脂層
14 ・・溢出樹脂部
20 ・・サッシ枠取付用開口
21 ・・サッシ枠
22 ・・建具
23 ・・シーリング材
24 ・・仮設板

Claims (4)

  1. 躯体の劣化部分を斫って該躯体の表面に開口部を有する削溝を形成し、
    ついで、上記開口部から、上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、発泡した樹脂で上記削溝の略全体を満たすとともに、該発泡した樹脂の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させ、
    しかる後、硬化した樹脂のうち上記開口部から外方へ溢出した溢出樹脂部を切除することを特徴とする躯体劣化部分の補修方法。
  2. 請求項1において、
    上記削溝が上記躯体をその表面側から裏面側へ貫通して形成される構成である場合、該削溝の裏面側の貫通口をシーリング材で閉塞し、表面側の開口部から上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させ、該発泡性樹脂の硬化後に上記シーリング材を除去することを特徴とする躯体劣化部分の補修方法。
  3. 請求項1または2において、
    上記削溝内に発泡性樹脂を注入して発泡させるに際し、樹脂注入作業を複数回に分けて行うものとし、
    先の樹脂注入により形成された発泡樹脂層の上に、後の樹脂注入に係る発泡樹脂層を順次重ねて形成することで上記削溝の略全体を発泡樹脂層で満たすとともに、最終の樹脂注入による発泡樹脂層の一部を上記開口部の略全域から外方へ溢出させて硬化させることを特徴とする躯体劣化部分の補修方法。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3に記載の躯体劣化部分の補修方法によって補修された部分の補修状態を検査する補修状態検査方法であって、
    上記開口部から外方へ溢出して硬化した溢出樹脂部を切除することで形成される樹脂断面を観察することで補修状態の良否を検査することを特徴とする補修状態検査方法。
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