JP3775399B2 - 組積造躯体の補強方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レンガやブロック等(砂岩や安山岩などの石材も含む。)を母材として構築した組積造躯体を補強する方法の技術分野に属し、特に歴史的な建造物で老朽化した躯体表層部の意匠性に影響を与えない補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、老朽化した組積造躯体(以下、単に躯体という場合がある。)などを補強する方法としては、以下の(i)〜(iii)の技術が公知である。
【0003】
(i)躯体に生じた空隙へセメントスラリー等の無機系注入材料を充填して躯体を補強する方法。具体的には、躯体表層部に生じた空隙に沿って複数個の孔を掘削し、その掘削孔へホース等の充填用ノズルを差し込む。前記充填用ノズルの周辺及び当該空隙の開口部を目止め材で塞ぎ、同充填用ノズルから無機系注入材料を充填し硬化させる。この補強方法は温度等に影響を受けない無機系注入材料を使用するので、長期的に安定した補強効果を発揮できる長所を有する。しかも躯体表層部に付着しても簡単に洗い流せるので、施工性が良い。
【0004】
(ii)躯体に生じた空隙へエポキシ樹脂等の有機系注入材料を充填して躯体を補強する方法。例えば、特許文献1には、有機系注入材料の充填用プラグを差し込むための複数個の孔を躯体に掘削し、その掘削孔へ有機系注入材料の充填用プラグを差し込み固定し、前記充填用プラグを通じて有機系注入材料を充填し硬化させ、その後、躯体表面に突き出る充填用プラグの突出部を撤去し、掘削孔内に固定した充填用プラグの差し込み部を埋め殺す補強方法が開示されている。この補強方法は、粘性体である有機系注入材料を使用するので、空隙の隅々まで充填することができ、精度の高い補強を施すことができる長所を有する。しかも充填用プラグを躯体内に埋め殺すので、有機系注入材料の充填と共に当該充填用プラグを補強用アンカーとして躯体内に設置することができる。
【0005】
(iii)躯体に鋼棒等を埋め込み躯体を補強する方法。例えば、特許文献2には、レンガ壁体の内側面に孔を掘削し、その掘削孔へプライマーを充填した後に鉄筋を挿入し、該掘削孔の入口をレンガ粉により修正する補強方法が開示されている。具体的には、上記掘削孔は亀裂を挟む両側に配置し、レンガ壁体の厚さ方向略中央部で、亀裂の断面と交差するように掘削している。その中に鉄筋を挿入しプライマーで定着している。この補強方法は、レンガ壁体の内側面から施工しているので、レンガ壁体の外観の意匠性を健全に保つことができる長所を有する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−242446号公報
【特許文献2】
特開平7−217225号公報
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
上記(i)の補強方法は、通例粒子(セメント類)と水が混在した状態の無機系注入材料を空隙へ充填するため、不連続又は微細な空隙では、狭隘な部分を通過する際に圧力の上昇などの要因で水のみが周辺に吸収され、残された粒子が堆積し目詰まりが生じる。したがって、空隙の隅々まで無機系注入材料を充填することは期待できず、精度の高い補強方法とは云えない。
また、上記目止め材が躯体表層部に残り、意匠性が損なわれる問題点がある。
【0008】
上記(ii)の補強方法に使用するエポキシ樹脂等の有機系注入材料は、紫外線や、温度変化で劣化するので、躯体の表層部近傍の補強に適さない。しかも、躯体表層部に有機系注入材料が付着すると、除去が面倒で、躯体表層部の意匠性を損なう虞があり、特に歴史的な建造物の補強には適さない。
充填する部位によって有機系注入材料の粘度を調整することは行われていない。
【0009】
上記(iii)の補強方法は、交差する鉄筋相互をしっかりと一体化させないと適当な強度が発現しないので、比較的長い鉄筋を使用する。すなわち、当該鉄筋を挿入する孔を深く掘削する必要があり、機材が大型化し施工性が悪い問題点がある。
【0010】
本発明の目的は、躯体の表層部近傍に生じた空隙へは安定で変質しにくい注入材料、例えば無機系注入材料を充填し、躯体内部に生じた空隙へは充填性が高い注入材料、例えば有機系注入材料を充填することで、躯体表層部の意匠性を健全に保つと共に、該躯体に精度の高い補強を施すことができる組積造躯体の補強方法を提供することである。
【0011】
本発明の次の目的は、施工性の良い組積造躯体の補強方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る組積造躯体の補強方法は、
レンガやブロック等を母材として構築された組積造躯体の補強方法であって、
躯体の表層部近傍に生じた空隙へは、同空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ差し込んだ充填用ノズルを用いて安定で変質しにくい注入材料を充填し、躯体内部に生じた空隙へは前記注入材料を躯体表層部の目止め材に利用し、躯体に掘削した孔へ差し込んだ充填用プラグと高圧ポンプを用いて充填性が高い注入材料を充填することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した発明に係る組積造躯体の補強方法は、
レンガやブロック等を母材として構築された組積造躯体の補強方法であって、
躯体の表層部近傍に生じた空隙へは、同空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ差し込んだ充填用ノズルを用いて無機系注入材料を充填し、躯体内部に生じた空隙へは前記無機系注入材料を躯体表層部の目止め材に利用し、躯体に掘削した孔へ差し込んだ充填用プラグと高圧ポンプを用いて有機系注入材料を充填することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載した組積造躯体の補強方法において、
安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、躯体の外壁面から施工し、充填性が高い注入材料又は有機系注入材料の充填工程は、内壁面から施工することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法において、
充填性が高い注入材料又は有機系注入材料は、充填する部位によって粘度を調整することを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法において、
安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、組積造躯体の建具を取り外し、該建具を取り外すことにより現れた空隙に安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料を充填し硬化させ、その後、補修した又は新たな建具を躯体へ組み戻すことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法において、
安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、空隙亀裂が生じた外壁面・内壁面の母材、及びその周辺の母材を躯体から取り外すこと、
前記母材を取り外すことにより現れた空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ充填用ノズルを差し込むこと、
前記ノズルの周辺及び当該空隙の開口部を目止め材で塞ぎ、安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料を充填し硬化させ、その後、取り外した母材を躯体へ組み戻すことを特徴とする。
【0018】
【本発明の実施形態、及び実施例】
以下に、請求項1〜6に記載した発明に係る組積造躯体の補強方法の実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
【0019】
本発明の補強方法は、一例としてレンガ1を母材として構築された老朽化した歴史的な建造物2の躯体3に実施される。
【0020】
先ず、前記建造物2の躯体3の表層部近傍に生じた空隙4aへは、安定で変質しにくい注入材料、例えばセメントスラリー等の無機系注入材料5(以下、無機系注入材料等5と省略する。)を充填する。
【0021】
具体的には、前記建造物2の躯体3から、傷んだ建具6(一例として窓枠)を交換するために取り外す。前記建具6を取り外すことにより現れた空隙4aへ、鏝等を用いて無機系注入材料等5を塗り込み充填する。前記無機系注入材料等5を硬化させた後に、補修した又は新しい建具を組み戻す(図1を参照、請求項5記載の発明)。なお、建具6近傍の空隙4aへ充填する無機系注入材料等5としては、養生期間中に垂れ落ちたりすることを防ぐために粘度のあるモルタル等を使用する。
【0022】
建造物2の躯体3の内側又は外側の表層部近傍に生じた空隙4aは、図2に示すように、その末端の亀裂が躯体3の外壁面及び内壁面まで達していることが多いので、目視により空隙4aの亀裂が現れている箇所を確認する。前記空隙4aの亀裂が現れている箇所のレンガ1a、及びその周辺のレンガ1bを、図3に示すように躯体3から取り外し、前記レンガ1a、1bを取り外すことにより現れた空隙4aに沿って複数個(図3では2個)の孔7…を掘削し、該掘削孔7へ無機系注入材料等5の充填用ノズル8を差し込む。前記充填用ノズル8の周辺及び当該空隙4aの開口部を目止め材9で塞ぎ、無機系注入材料等5を空隙4aへ注入して充填し硬化させる。その後、取り外したレンガ1a、1bを躯体3へ組み戻し、元の状態に復元する(請求項6記載の発明)。したがって、目止め材9は組み戻したレンガ1aと1bに隠れ躯体の外壁面及び内壁面に現れることがなく、該躯体表層部の意匠性を健全に保つことができる。
【0023】
次に、上記無機系注入材料等5を躯体表層部の目止め材に利用し、建造物2の躯体3の内部に生じた空隙4bに充填性が高い(良好な)注入材料、例えばエポキシ樹脂等の有機系注入材料10(以下、有機系注入材料等10と省略する。)を充填する。本実施形態の有機系注入材料等10の充填工程は、上記特許文献1に記載の脆性構築体用の高圧注入器具と漏斗治具を使用し、それを用いた高圧注入工法によって施工する。なお、前記充填工程は、躯体3の外観の意匠性をより健全に保つために、躯体3の内壁面から施工する(請求項3記載の発明)。
【0024】
具体的には、躯体3の内壁面から、有機系注入材料等10の充填用プラグ11(高圧注入器具)を差し込むための複数個の孔12…を、水平目地13の位置から他の複数本(図1では3本)の水平目地13…を跨ぐように下方へ傾斜させて、躯体3に掘削する。なお、前記掘削孔12の配置や個数は、サンプリング試験を実施することにより決定する。本実施形態では、図4に示すように略正三角形状の頂部位置に配置され、その一辺の長さLは260mm程度とされている。そして、前記掘削孔12の深さT(図1を参照)は躯体3の厚さ方向の略中間位置まで到達する600mm程度とされている。
【0025】
上記有機系注入材料等10の充填用プラグ11は、図5に示すようにバルブ部11aとパイプ部11bと継手部11cとで構成している。ちなみに、前記充填用プラグ11の長さMは330mm程度とされている。
【0026】
前記パイプ部11bの先端部には、その外周と掘削孔12の内周との隙間を埋めるスポンジ製のシール材14を設け、他端部には漏斗型に形成したゴム製のガイドキャップ15(漏斗治具)を設けている。
【0027】
前記ガイドキャップ15は、その内周先端部に設けた嵌合部15aをパイプ部11bの外周に沿って形成した溝部11dへ嵌め込んで固定し、上記充填用プラグ11は当該ガイドキャップ15で掘削孔12の開口部をしっかりと塞ぐように差し込む。その結果、前記充填用プラグ11の先端(バルブ部)は、掘削孔12の略中間位置(深さ300mm程度)に到達する。
【0028】
また、前記ガイドキャップ15は、プラグ固定用の有機系注入材料等10’を充填するノズル16の挿入孔15bを有しており、その挿入孔15bへ前記ノズル16を差し込む。そして、上記充填用プラグ11のシール材14の後方で形成されたパイプ部11bの外周と掘削孔12の内周との隙間17へ有機系注入材料等10’を注入し充填する。このとき、前記シール材14は、充填した有機系注入材料等10’がバルブ部11a周辺に滲入することを防ぎ、前記バルブ部11aの目詰まりを防ぐことができる。
【0029】
上記の充填工程は挿入口15bから有機系注入材料等10’が溢れるまで行い、その後、前記有機系注入材料等10’を硬化させ上記充填用プラグ11を掘削孔12内へ固定する。前記充填用プラグ11は掘削孔12内へ強固に固定されるので、高圧で有機系注入材料等10を注入し充填した際に当該充填用プラグ11が掘削孔12から抜け出たり、不安定になることがない。また、掘削孔12は有機系注入材料等10’により塞がっているので、躯体内部へ充填した有機系注入材料等10が掘削孔12から逆流し、躯体3の内壁面に溢れ出すことがない。前記充填用プラグ11は、充填工程時にシール材14及びガイドキャップ15によって、掘削孔12内へしっかり固定され安定しているので、上記充填用プラグ11の固定作業が簡易である。
【0030】
前記充填用プラグ11は掘削孔12内へ固定するので、プラグ固定用の有機系注入材料等10’が躯体3の内壁面に付着することがほとんどない。特にガイドキャップ15の口部15cが躯体3の内壁面から離れているので、充填工程時に前記ガイドキャップ15の口部15cから有機系注入材料等10’が垂れ落ちても、躯体3の内壁面に付着することがない。そのため躯体表層部の意匠性を健全に保つことができる。
【0031】
前記充填用プラグ11の継手部11cに、高圧ポンプ18から有機系注入材料等10を充填用プラグ11へ供給する供給管19を連結し、有機系注入材料等10をバルブ部11aから躯体3の内部へ注入し充填する。具体的には、取り外さなかった建具6近傍に生じた空隙4bから、注入した有機系注入材料等10が溢れ出さないように、先にその周辺へ、詳細は後述するが高粘度の有機系注入材料等10を注入し、当該取り外さなかった建具6近傍に生じた空隙4bに充填する。その後、前記先に充填し硬化させた有機系注入材料等10と無機系注入材料等5を目止め材に利用してその他の箇所へ有機系注入材料等10を注入し充填する。
【0032】
充填した有機系注入材料等10は、上記充填用プラグ11やそのシール材14等に反力を取りながら、微細な空隙を伝って躯体3の内部の空隙4bへ充填される。なお、歴史的な建造物の母材とされるレンガは、吸水率が高いので、本実施形態では中・高粘度の有機系注入材料等を使用する。このとき、建具6近傍に生じた空隙4bへ充填する有機系注入材料等10は、該空隙4bから有機系注入材料等10が溢れ出し建具6へ垂れないように、高粘度の有機系注入材料等を使用する。その他の空隙4bへ充填する有機系注入材料等10は、空隙4bの隅々まで充填し易いように中粘度の有機系注入材料等を使用する。つまり、充填する部位によって有機系注入材料等10の粘度を調整するのである(請求項4記載の発明)。したがって、有機系注入材料等10がレンガに吸収されることがほとんどなく、隣接するレンガ同士のつなぎ材として、確実に機能する。しかも、充填する部位によって有機系注入材料等10の粘度を調整するので、躯体表層部の意匠性の健全化と、充填作業の簡易性とを両立することができる。
【0033】
前記中・高粘度の有機系注入材料等10を充填できるように、上記高圧ポンプ18には高い圧送能力を有するものを使用する。本実施形態では、一例として特開平11−325391号公報に記載の高圧ポンプ(最大圧送能力9.8Mpa)を使用する。
【0034】
上記充填する有機系注入材料等10の容量は、サンプリング試験により概ね定められており、上記有機系注入材料等10が空隙4bに充填されたか否かは、前記容量と、高圧ポンプ18の圧送速度等から判断し、最終的に微細な空隙を伝って躯体表層部まで溢れ出てきた時点で終了する。このとき、有機系注入材料等10が躯体表層部に溢れ出ても、前記有機系注入材料等10は粘度があるので垂れ落ちない。そのため、溢れ出した有機系注入材料等10を直ぐ除去すれば、該有機系注入材料等10が躯体表層部に付着して残ることがなく、意匠性を健全に保つことができる。
【0035】
充填終了後、掘削孔12から突出する充填用プラグ11の突出部をハンマー等で叩いて、そのパイプ部11bに形成した溝部11dをねじ折り、前記突出部を成すパイプ部11bの端部とガイドキャップ15及び継手部11cを撤去する。このとき、掘削孔12の開口部と充填用プラグ11との間にガイドキャップ15が配置されているので、前記開口部の端部が欠損したりすることを防ぐことができ、やはり躯体表層部の意匠性を健全に保つことができる。
【0036】
最後に、前記掘削孔12の開口部は無機系注入材料等で塞ぎ、該掘削孔12内に固定した充填用プラグ11の差し込み部を埋め殺すと、補強作業が完了する。そのため、充填用プラグ11の撤去がほとんど必要なく、施工性が良い。また、プラグ固定用の有機系注入材料等10’及び充填用プラグ11をそのまま補強手段として利用することができる。
【0037】
上記補強方法は、躯体表層部の空隙4aへ無機系注入材料等5を充填して補強するので、躯体3の通気性能や吸湿保湿性能を阻害することがない。そして、躯体内部の空隙4bへ有機系注入材料等10を充填するので、前記空隙4bだけでなく、無機系注入材料等5を完全に充填することができずに残った空隙にも有機系注入材料等10を充填することができ、精度の高い躯体補強を施すことができる。
【0038】
なお、上記実施形態はレンガ1を母材とする歴史的な建造物2について説明したが、この限りでない。比較的吸水率が高い砂岩や安山岩などの石材ブロックを母材とする組積造躯体でも同様に実施できる。
【0039】
また、本実施形態では、有機系注入材料等10を充填するための孔12を一辺が260mm程度の正三角形状の頂点位置に配置したが、この限りでない。格子状などに配置しても良く、その一辺の長さもサンプリング試験によって決定する。また、その深さは、躯体の厚み等によって適宜変更する。
【0040】
更に、上記実施形態では、無機系注入材料等5の充填工程を躯体3の内壁面及び外壁面から施工したが、該躯体3の内観の意匠性が要求されない場合は、躯体3の外壁面のみに施工しても良い。
【0041】
【本発明の奏する効果】
請求項1〜6に記載した発明に係る組積造躯体の補強方法は、躯体の表層部近傍に生じた空隙へ安定で変質しにくい注入材料、例えば無機系注入材料を充填し、該注入材料を躯体表層部の目止め材として利用し、躯体内部に生じた空隙へ充填性が高い注入材料、例えば有機系注入材料を充填するので、有機系注入材料等が躯体表層部に付着することがほとんどなく、意匠性を健全に保つことができる。しかも付着した有機系注入材料等の除去作業がほとんど必要なく、施工性が良い。
【0042】
また、躯体内部の空隙だけでなく、無機系注入材料等を完全に充填することができずに残った空隙にも有機系注入材料等を充填することができ、精度の高い躯体補強を施すことができる。
【0043】
充填する部位によって有機系注入材料等の粘度を調整しているので、躯体表層部から垂れ落ちることを防ぐと共に、空隙の隅々まで有機系注入材料等を充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る組積造躯体の補強方法の実施形態を概念的に示した断面図である。
【図2】躯体表層部に現れた空隙を概念的に示した図である。
【図3】無機系注入材料等の充填工程を概念的に示した図である。
【図4】有機系注入材料等の充填用プラグを差し込む孔の配置を示した図である。
【図5】掘削孔へ差し込み固定した有機系注入材料等の充填用プラグを示した図である。
【符号の説明】
1 レンガ
2 建造物
3 躯体
4a、4b 空隙
5 無機系注入材料等
6 建具
7 掘削孔
8 充填用ノズル
9 目止め材
10 有機系注入材料等

Claims (6)

  1. レンガやブロック等を母材として構築された組積造躯体の補強方法であって、
    躯体の表層部近傍に生じた空隙へは、同空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ差し込んだ充填用ノズルを用いて安定で変質しにくい注入材料を充填し、躯体内部に生じた空隙へは前記注入材料を躯体表層部の目止め材に利用し、躯体に掘削した孔へ差し込んだ充填用プラグと高圧ポンプを用いて充填性が高い注入材料を充填することを特徴とする、組積造躯体の補強方法。
  2. レンガやブロック等を母材として構築された組積造躯体の補強方法であって、
    躯体の表層部近傍に生じた空隙へは、同空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ差し込んだ充填用ノズルを用いて無機系注入材料を充填し、躯体内部に生じた空隙へは前記無機系注入材料を躯体表層部の目止め材に利用し、躯体に掘削した孔へ差し込んだ充填用プラグと高圧ポンプを用いて有機系注入材料を充填することを特徴とする、組積造躯体の補強方法。
  3. 安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、躯体の外壁面から施工し、充填性が高い注入材料又は有機系注入材料の充填工程は、内壁面から施工することを特徴とする、請求項1又は2に記載した組積造躯体の補強方法。
  4. 充填性が高い注入材料又は有機系注入材料は、充填する部位によって粘度を調整することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法。
  5. 安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、組積造躯体の建具を取り外し、該建具を取り外すことにより現れた空隙に安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料を充填し硬化させ、その後、補修した又は新たな建具を躯体へ組み戻すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法。
  6. 安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料の充填工程は、空隙亀裂が生じた外壁面・内壁面の母材、及びその周辺の母材を躯体から取り外すこと、
    前記母材を取り外すことにより現れた空隙に沿って複数個の孔を掘削し、該掘削孔へ充填用ノズルを差し込むこと、
    前記ノズルの周辺及び当該空隙の開口部を目止め材で塞ぎ、安定で変質しにくい注入材料又は無機系注入材料を充填し硬化させ、その後、取り外した母材を躯体へ組み戻すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した組積造躯体の補強方法。
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