JP4545963B2 - 脆性構築体用の高圧注入器具及びそれを用いた高圧注入工法並びに固定用薬液の漏斗治具 - Google Patents

脆性構築体用の高圧注入器具及びそれを用いた高圧注入工法並びに固定用薬液の漏斗治具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、亀裂、ひび割れ、隙間等の空間部が発生している脆性構築体に薬液注入用穴を形成し、薬液注入用穴を介して当該空間部及び/又は脆性構築体に接着性薬液を高圧で注入する際使用する脆性構築体用の高圧注入器具及びそのような高圧注入器具を用いて行う脆性構築体用の高圧注入工法に係り、特に、明治時代からある東京駅や広島の原爆ドーム、あるいは、万里の長城やアンコールワットといった世界遺産的建造物のような脆性構築体の修理、補修にも用いることができる脆性構築体用の高圧注入器具及び脆性構築体用の高圧注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
万里の長城やアンコールワットといった世界遺産の中で、危機にさらされており修復又は保存しなければならない対象は多々存在する。その中でも問題となっているものの多くは石による建造物で、その保全に困難をきたしている。日本でも明治時代からあるレンガ建の東京駅や広島の原爆ドーム等はまさに今のままの姿で残さねばならないものである。材質が石、コンクリート、レンガなどで当時の技術では最高材料を使用してきている。ただ、これらの材料は加工のし易い安山岩や御影石で、また、レンガは高温の焼き物ができなかったことにより、天日干しに近い材料であった。コンクリートも石灰のような材料で造っていた。このような構築物が100年、1000年を経過するとぼろぼろと回りから崩れたり、大きな塊は亀裂が入り割れてくる。これらの原因の多くは、地震や温度変化、紫外線、炭酸ガス等による自然的破壊である。最近は、酸性雨、人間による崩壊等が加わり、益々崩壊の進行が加速されている。
【0003】
このような貴重な建造物を原形や機能を失わず補修し保存するには最新の技術が要求される。これらの構築物は近代のそれとは異なり石は切り出し易い素材、レンガは日干しに近い硬度と密度、コンクリートは粘土をこねたような材料が多く使われている。また、補強用の鉄筋等は使われていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような構築物には現在の工法は対応しにくく、接着用薬液の低圧注入工法や高圧注入工法も採用することはできない。従来の高圧注入工法は高圧注入用プラグを薬液注入用穴に圧着・固定して薬液を高圧注入するものである。しかしながら、高圧注入用プラグの強力なパッカー機能は石やレンガ等の脆い材料に対しては用いることができないため、高圧注入用プラグは結局使用することができないこととなる。このような脆い材料を強力に押し広げると穴は崩壊してしまいシール機能を失うからである。
【0005】
また、近代構築物の補修には少量(1ケ所当たり30〜100cc)の薬液、例えば、接着剤や止水剤等で機能を改修できる。これに対して、古代の構築物には隙間が多く且つそれぞれが大きいため、近代構築物の10〜100倍もの薬液と補強用のアンカーが必要となる。
また、歴史的建造物、レンガ作りの建造物、コンクリート建造物には、種々の原因でひび割れ、亀裂、レンガとレンガとの間にあるべきセメントの未充填空間などの空間部が発生又は存在する。これらの脆性構築体は、接着用薬液を高圧で注入すると、思わぬ部位からかえって破壊し、取り返しがつかないといった事態を引き起こす。そこで、このような脆性構築体に対しては、たとえ、専門業者であっても接着用薬液の高圧注入はできないと言われてきた。
【0006】
このような高圧注入に対し、低圧で脆性構築体のひび割れ等に接着剤、止水剤、防水剤等の流体を注入する工法、あるいは、そのような工法に使用する機器の開発も種々行われてきた。低圧工法には、大別して2つの種類がある。接着剤、止水剤、防水剤等の接着用薬液に、ばねの圧縮力、輪ゴムやゴム製袋の収縮力を掛けて容器に収納された流体を押し出す工法と、流体に発泡剤及び硬化剤を加えその発泡力を利用してひび割れ、亀裂、表面材の浮き上がりによる隙間に時間を掛けて流体をじわりと注入する工法である。この低圧注入工法は、発泡薬液がひび割れの奥まで届かないことがあり、補修効果が十分発揮できない欠点があった。
その場合に、発泡の圧力を高くすると、低圧注入ポンプや注入プラグが薬液注入用穴から外れる恐れが生じ、また、発泡薬液の漏れの問題があって高く出来なかった。
【0007】
さらに、低圧注入工法で使う薬液は粘度が低いためほとんどがレンガ、石などの材料に吸い込まれてしまい、レンガ、石などの固まり同士を繋ぐことには利用されない。レンガ、石同士の隙間もこれらの構築物では極めて大きく、注入薬液量も通常の30〜50ccではなく500〜2000ccとなる。よって、現在の低圧注入工法は、これらの脆性構築体に対しては用いることができない。
本発明者らは、このような古い構築物を現状の耐震性や構築物の外壁材の落下防止などについて鋭意検討した。その結果、構築物の内部空間部に高粘度の樹脂を充填し、強度の不足はアンカーを加えてレンガ、石の塊など各ブロックを接合することが最良であることを見出した。
【0008】
そこで、このような樹脂の充填とアンカーの設置を可能とする脆性構築体用の高圧注入器具及びそのような高圧注入器具を用いた脆性構築体用の高圧注入工法の開発が要望されていたのである。
さらに、補修対象である脆性構築体が歴史的建造物であった場合、薬液が表面に付着したり染み込んだりすることは許されない。従って、そのようなことを未然に防ぐための治具の開発が要望されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一態様は、前記要望に応えたもので、亀裂、ひび割れ、隙間等の空間部が発生している脆性構築体に薬液注入用穴を形成し、薬液注入用穴を介して当該空間部及び/又は脆性構築体に接着性薬液を高圧で注入する際使用する脆性構築体用の高圧注入器具であって、接着用薬剤を通す中央孔を持ち、薬液注入用穴の内径よりも小さな外径を有し、外周面に雄ねじが設けられると共に所定の機械的強さを有してアンカーとしての役割を果たす細長いパイプ部材と、パイプ部材の中央孔一端側に設けられ、薬液注入ポンプに流体的に接続可能なニップル部材と、ニップル部材の内部に組み込まれ又はパイプ部材の中央孔他端側に別部品として設けられ、該パイプ部材の中央孔を通過して薬液注入用穴の奥側に注入される薬液の逆流を阻止する逆止弁手段と、そして、パイプ部材の中間部外周に取り付けられ、薬液注入用穴の内径よりも大きな直径を有し且つ容易にそれよりも小さな直径に変形可能なパイプ部材を薬液注入用穴に固定するための固定用薬液の封止部材であって、固定用薬液を薬液注入用穴とパイプ部材との間に注入した場合に、当該固定用薬液が当該封止部材を越えて接着性薬液が注入される薬液注入用穴の奥に流れ入ることが無いように塞き止める独立気泡性のスポンジ状部材によって形成される封止部材とを含んで構成されてなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具を提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、逆止弁部材として別途製造された逆止弁手段及び/又はニップル部材は該パイプ部材の端部にねじ係合により固定されてなることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、封止部材は、円筒状のスポンジ状部材の両端部をパイプ部材に固定して設置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、パイプ部材のニップル部材を取り付けられる側から所定の長さの位置に、ハンマなどの殴打器具の殴打によりパイプ部材のニップル部材を取り付けられる側が薬液注入用穴に残っている側から破壊・分離することができるようにする構造的弱点部位が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、逆止弁部材が、軸方向に延びる中央穴と、該中央穴の奥部から放射方向に延び外部に通じる少なくとも1つの横孔と、横孔の外側開口を弾性的に封止するOリングと、そして、回動治具と係合し当該逆止弁部材をパイプ部材に対して相対的に回転させる当該逆止弁部材の外周部に設けられた係合手段とを含んで構成されてなる事を特徴とする。
【0013】
本発明の第二の態様は、亀裂、ひび割れ、隙間等の空間部が発生している脆性構築体に接着性薬液を高圧で注入する脆性構築体用の高圧注入工法であって、脆性構築体に薬液注入用穴を形成するステップと、本発明の第一の態様に係る脆性構築体用高圧注入器具を、高圧注入器具のニップル部材が取り付けられる側の一部が薬液注入用穴から突出するようにして当該薬液注入用穴の内部に挿入するステップと、高圧注入器具と薬液注入用穴との間に固定用薬液を注入・硬化させて当該高圧注入器具を当該薬液注入用穴に固定するステップと、そして、高圧注入器具のニップル部材に接着用薬液の注入ポンプを流体的に接続し、接着用薬液を薬液注入用穴に注入するステップとを含んで構成されてなる脆性構築体用の高圧注入工法を提供する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、薬液注入用穴が脆性構築体の内側に向って15〜45度の下り傾斜で穿設されることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、垂直方向に多数穿設された薬液注入用穴に挿入された高圧注入器具に対し、下の方から順に接着用薬液を注入するようにしてなることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、ニップル部材が取り付けていない状態で高圧注入器具を薬液注入用穴に挿入しておき、接着用薬液を下位に位置する高圧注入器具に注入した際、上位に位置する高圧注入器具から接着用薬液が溢れ出てくるのを確認して当該薬液注入用穴への接着用薬液の注入を停止するステップと、そして、上位に位置する接着用薬液が溢れ出た高圧注入器具にニップル部材を取り付け、接着用薬液を注入するステップとを含んで構成されてなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、接着用薬液の注入ステップ後、さらに、高圧注入器具の薬液注入用穴より突出している部分を殴打し除去するステップを含んでなることを特徴とする。
【0016】
請求項に記載の発明11は、請求項6又は7に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、脆性構築体に発生した空間部は当該脆性構築体の表面に繋がる亀裂又はひび割れであり、薬液注入用穴を亀裂又はひび割れの一方の側から当該空間部を通り抜けて他方の側に至るように、そして、その隣に形成される薬液注入用穴は他方の側から一方の側に至るようにと千鳥状に形成され、高圧注入器具をニップル部材が取り付けていない状態で薬液注入用穴に挿入しておき、接着用薬液を一の高圧注入器具に注入した際、それに隣接する高圧注入器具から接着用薬液が溢れ出てくるのを確認して当該薬液注入用穴への接着用薬液の注入を停止するステップと、そして、接着用薬液が溢れ出た隣接する高圧注入器具にニップル部材を取り付け、接着用薬液を注入するステップとを含んで構成されてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の第三態様は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入器具に取り付けて使用する漏斗治具であって、脆性構築体に穿設した薬液注入用穴に高圧注入器具を挿入し接着用薬剤を高圧で注入する前工程で、該高圧注入器具を薬液注入用穴に固定するため固定用薬液を高圧注入器具と薬液注入用穴との間に注入する際使用する固定用薬液の漏斗治具において、ほぼ円筒状をなし、内部軸方向に高圧注入器具のパイプ部材を挿入する挿入孔及び該挿入孔に隣接して設けられた固定用薬液を注入するノズルを挿入するガイド溝を有する穴シール栓部と、そして、穴シール栓部に連続して一体的に形成されたスカート状部とを含んで構成されてなる固定用薬液の漏斗治具を提供する。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の固定用薬液の漏斗治具において、穴シール栓部とスカート状部との連結部外表面に薬液注入用穴の口部と接する止め部が形成されてなり、さらに、穴シール栓部の挿入孔下端部に、高圧注入器具のパイプ部材に形成された構造的弱点部位に嵌り込む位置決め用の突起が形成されてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る脆性構築体用の高圧注入器具及びそれを用いた脆性構築体用の高圧注入工法を図示された実施の形態に基づいて、更に詳しく説明する。
図1は、本発明に係る脆性構築体用の高圧注入器具の一実施態様の縦断面図でである。
【0020】
図1に図示されているように、本発明に係る高圧注入器具10は、概略的に、細長いパイプ部材12と、パイプ部材12の一端側に固定されるニップル部材14と、パイプ部材12の他端側に別部品として固定される逆止弁部材16と、そして、パイプ部材12の中間部外周に取り付けられるスポンジ部材18とを含んで構成されている。
【0021】
パイプ部材12は、金属製のパイプである。アンカーとしての役割を果たすため所定の機械的強さを有する。パイプ部材12の外周面全体には、後述する理由により雄ねじ12bが設けられている。パイプ部材12には、また、軸方向に貫通する中央孔12aが形成されている。パイプ部材12の外径は、薬液注入用穴1の内径よりも小さい。パイプ部材12のニップル部材14が取り付けられる側から所定の長さの位置に、くびれ部12cが形成されている。本発明の高圧注入器具10を薬液注入用穴1に挿入して接着用薬液を注入した後、図示されていないハンマなどの殴打器具によりニップル部材14を殴打する。これにより、このくびれ部12cより外側が薬液注入用穴1に残っている側から容易に破壊・分離される。
【0022】
ニップル部材14は、薬液注入ポンプの薬液注入用カップリングに着脱可能に取り付けられる。図示された好ましい実施例では、中央孔14aの内側に形成された雌ネジ14bをパイプ部材12の雄ねじ12bにねじ係合させている。
【0023】
逆止弁部材16は、パイプ部材12の下端側に別部品として設けられるものである。この逆止弁部材16は、種々の逆止弁機構を採用することができるが、図示された好ましい実施例では、安価に製造することができ且つ小型化が容易なOリングタイプのものを採用した。すなわち、逆止弁部材16は、軸方向に延びる中央穴16aと、該中央穴16aの奥部から放射方向に延び外部に通じる少なくとも1つの横孔16bと、横孔16bの外側開口を弾性的に封止するOリング16cと、そして、図示されていないスパナなどの回動治具と係合し当該逆止弁部材16をパイプ部材12に対して相対的に回転させる当該逆止弁部材の外周部に設けられた六角ナット面16dとを含んで構成されている。
【0024】
この逆止弁部材16により、パイプ部材12の中央孔12aを通過して薬液注入用穴1の奥側に注入された薬液の逆流を阻止することができる。逆止弁手段は、また、図2に示された他の実施態様のように、ニップル部材14の内部に組み込むことができる。従来周知のグリースニップルをそのまま利用することができ、安価に調達することができる。図2に示されているように、本実施形態に係るニップル部材15は、中央孔15aの口部付近にボール15bが配置されており、これをばね15cで口部に向って押圧することによって薬液の逆流を阻止する。
この場合、図1に示されているような逆止弁部材16をパイプ部材12の下端部に設ける必要はなくなる。
【0025】
スポンジ部材18は、独立気泡性のものが好ましい。薬液に侵されないためである。スポンジ部材18の外径は、普通の状態では薬液注入用穴1の内径よりも大きな直径を有している。しかしながら、高圧注入器具10を薬液注入用穴1に挿入する際に、容易に収縮して薬液注入用穴1の内径よりも小さくなり、小さなさな力で高圧注入器具10を薬液注入用穴1に挿入可能とする。それにもかかわらず、薬液注入用穴1と高圧注入器具10の間に固定用薬剤を注入した場合に、このスポンジ部材18を超えて固定用薬液が薬液注入用穴1の奥の方に流れ入ることが無いように塞き止める。
【0026】
固定用薬液は、硬化する際に収縮する傾向があるが、パイプ部材12の外周面全体に雄ねじ12bが設けられていると、パイプ部材12と固定用薬液との結合が強く外れ難くなる効果を有する。スポンジ部材18は、種々の方法でパイプ部材12の外周面に固定することができる。図示された好ましい実施例では、スポンジ部材18は、その両端部を紐で縛り付けパイプ部材12に固定している。
【0027】
次に、図3〜図5を参照しながら、本発明の第一態様に係る高圧注入器具10を用いて行う脆性構築体用の高圧注入工法について詳細に説明する。
図3は、レンガ壁に本発明に係る脆性構築体用の高圧注入工法を行う場合の薬液注入用穴1の形成位置を説明する為の正面図である。
【0028】
図示されているように、通常、レンガ壁を構成するレンガ3は、目地5の部位が揃うことが無いように互い違いに積み上げられている。そして、薬液注入用穴1は、この目地5の部位にほぼ等間隔となるように複数穿設される。図4は、AA線に沿って取った縦断面図であり、図5は、BB線に沿って取った縦断面図である。垂直方向に着眼してみると、AA線に沿って穿設された薬液注入用穴1は、BB線に沿って穿設された薬液注入用穴1に比べてレンガ3の一段分ずれて形成されている。また、図4及び図5に明示されているように、薬液注入用穴1は、レンガ壁の内側に向って15〜45度の下り傾斜、好ましくは、23〜37度の下り傾斜で穿設される。薬液注入用穴1の長さが30〜50cmとして、この角度の範囲では複数段のレンガ3を貫通して形成されることとなり、アンカー効果が極めて良好となる。また、複数段の目地5及びレンガ3に接着用薬剤が浸透して、それらを効率良く一体的に連結することができる。
【0029】
次に、図4を用いて本発明の第二の態様に係る脆性構築体用の高圧注入工法について説明する。
本発明に係る脆性構築体用の高圧注入工法は、図6に示されているように、概略的に、多数の薬液注入用穴の形成ステップ(ステップ1)と、薬液注入用穴1への高圧注入器具10の挿入ステップ(ステップ2)と、固定用薬液の注入ステップ(ステップ3)と、接着用薬液の高圧注入ステップ(ステップ4)と、そして、ニップル部材14側部分の叩き割りステップ(ステップ5)とを含んで構成されている。
【0030】
多数の薬液注入用穴の形成ステップ1は、図示されていない電動ドリルを用いて、図3に示されるように、均等に分散されるように薬液注入用穴1を多数穿設する。薬液注入用穴1は、構築物の補修すべき部位、例えば、レンガ壁の半分乃至5分3程度の厚み位置まで達するように穿設する。また、目地5の幅は通常2〜15mm程度ある。従って、高圧注入器具10のパッカーとしての機械的強度を考えると、直径10mmのものが最良であると推測される。水平に対する角度は、約30度が作業のし易さから好ましかった。
【0031】
本実施形態では、薬液注入用穴1の下位のものから上位のものへ連続作業する方式を採用した。そこで、高圧注入器具10は図1のものを使い、ニップル部材14をパイプ部材12の一端にねじ係合させていないものを用意した。薬液注入用穴への高圧注入器具の挿入ステップ2で、これらを多数の薬液注入用穴1に挿入する。高圧注入器具10は、構築物の補修すべき部位、例えば、レンガ壁の半分程度の厚み位置まで達するように挿入する。
【0032】
そして、固定用薬液の注入ステップ3で、細ノズル7aを有する注入ポンプ7を用いて、順次、薬液注入用穴1と高圧注入器具10との間に固定用薬液を注入する。この注入ポンプ7は、特に、高圧であることを要しないものである。また、固定用薬液は接着用薬液と同一のものを使用することもできるが、作業性を重視するのであれば、硬化速度の早いものを使用することが好ましい。
【0033】
固定用薬液が硬化し、薬液注入用穴1に高圧注入器具10がしっかりと固定された段階で、接着用薬液の高圧注入を開始する。接着用薬液の高圧注入ステップ4では、例えば、図3のAA線に沿って配置された薬液注入用穴1から始める場合、その最下部のものから行う。接着用薬液の注入に用いるポンプは高圧のもの、すなわち、高圧注入ポンプ9が用いられる。例えば、最高圧力7〜15MPで注入すると、この種の接着用薬剤(3〜30万CP)500〜1000ccを一ケ所数秒から十数秒で作業完了することができる。かかる高圧注入することにより、レンガ壁内に存在する空間部、すなわち、セメントの未充填部やレンガに生じた亀裂、割れ目にも素早く且つ奥のほうまで充填される効果がある。また、レンガそのものの内部にも浸透してゆき、しばらくすると、注入している高圧注入器具10の上位の高圧注入器具10から接着用薬剤が滲みでてくる。
【0034】
そこで、当該高圧注入器具10に対する接着用薬剤の注入を終了すると共に、接着用薬剤が滲みでてきている上位の高圧注入器具10へニップル部材14をねじ込み高圧注入ポンプ9を接続する(ステップ6)。本ステップは、ステップ5前又は後に行われる。かかる作業をAA線に沿って最上部に至るまで続け、それが終了したら次の列に移行する。
所定の時間が経過した後、高圧注入器具10の薬液注入用穴1より突出している部分、すなわち、ニップル部材14の部位をハンマなどで殴打し、当該部分を叩き割る。一方、高圧注入器具10の主要部分は薬液注入用穴1の内部に残されており、この部位がアンカーとしての役割を果たす。
【0035】
薬液注入用穴1は、栓やパテなどで穴塞ぎをすることもできる。また、表面にモルタルなどを塗り付ける場合は、ニップル部材14の部位をハンマなどで殴打する代わりに、モルタル付着用の網をニップル部材14又はその付近に連結固定することもできる。
【0036】
図7は、脆性構築体に発生した空間部が脆性構築体の表面に繋がる亀裂又はひび割れである場合における脆性構築体用の高圧注入工法を説明するための概略図である。
図8は、本発明に係る脆性構築体用の高圧注入工法である他の実施形態のフローチャートである。
【0037】
脆性構築体に発生した空間部が脆性構築体2の表面に繋がる亀裂又はひび割れ4である場合には、先ず、薬液注入用穴を亀裂又はひび割れの一方の側表面から当該空間部を通り抜けて他方の側内部に至るように、そして、その隣に形成される薬液注入用穴は他方の側表面から一方の側内部に至るようにと千鳥状に形成する(ステップ10)。そして、前述の第一の実施形態と同様に、高圧注入器具10をニップル部材が取り付けていない状態で薬液注入用穴1に挿入する(ステップ11)。さらに、細ノズルを有する注入ポンプを用いて、順次、薬液注入用穴1と高圧注入器具10との間に固定用薬液を注入する(ステップ12)。
【0038】
固定用薬液が硬化し、薬液注入用穴1に高圧注入器具10がしっかりと固定された段階で、接着用薬液を一の高圧注入器具10に注入する(ステップ13)。注入中の高圧注入器具10に隣接する高圧注入器具10から接着用薬液が溢れ出てくるのが確認されたら、当該薬液注入用穴への接着用薬液の注入を停止する(ステップ14)。次に、隣接する接着用薬液が溢れ出た高圧注入器具10にニップル部材14を取り付け、しかる後、高圧注入ポンプ9を用いて接着用薬液を注入する(ステップ15)。これを全ての高圧注入器具10に接着用薬剤を注入し終わるまで継続する。
【0039】
次に、図9を用いて本発明の第三態様に係る固定用薬液の漏斗治具について詳細に説明する。
図9(a)及び(b)は、それぞれ、本発明に係る固定用薬液の漏斗治具の一実施形態を示す縦断面図及びその左側面図である。
図示されているように、本発明に係る固定用薬液の漏斗治具20は、ほぼ円筒状をなす穴シール栓部22と、穴シール栓部22に連続して一体的に形成されたスカート状部24とを含んで構成されている。好ましくは、弾性を有するゴム又は軟質のプラスチックで一体成型する。穴シール栓部22は、内部軸方向に、例えば、前述の高圧注入器具10のパイプ部材12を挿入する挿入孔22a及び挿入孔22aに隣接して設けられた固定用薬液を注入する注入ポンプ7の細ノズルを挿入するガイド溝22bを有する。
【0040】
図示された好ましい実施例では、穴シール栓部22とスカート状部24との連結部外表面に薬液注入用穴1の口部と接する止め部26が形成されている。さらに、穴シール栓部22の挿入孔22a下端部に、高圧注入器具10のパイプ部材12に形成された構造的弱点部位12cに嵌り込む位置決め用の突起22cが形成されている。この突起22cがパイプ部材12に形成された構造的弱点部位12cに嵌り込むようにして、漏斗治具20は高圧注入器具10に取り付けられる。
【0041】
従って、突起22cから止め部26までの距離を適切に設定することにより、薬液注入用穴1への高圧注入器具10の挿入位置を簡単且つ正確に制御することができる効果を有する。すなわち、漏斗治具20の止め部26が薬液注入用穴1の口部と接するまで挿入することで、高圧注入器具10の構造的弱点部位12cが自然と適切な折れ位置に配置されることとなる。また、高圧注入器具10全体も、薬液注入用穴1の適切な位置に配置される効果がある。さらに、漏斗治具20が弾性材料又は軟質材料で作られている場合には、薬液注入用穴1をシールすることができ、固定用薬液が壁面を汚染するといったことをほぼ完全に回避することができる。
【0042】
図10は、図9に示された漏斗治具を高圧注入器具に装着して、薬液注入用穴に挿入した状態を示した断面図である。
図示されているように、脆性構築体2に穿設した薬液注入用穴1に高圧注入器具10を挿入するにあたって、ニップル部材14又は15を外した状態で、漏斗治具20を装着する。このとき、突起22cがパイプ部材12に形成された構造的弱点部位12cに嵌り込むようにして、漏斗治具20は高圧注入器具10に取り付けられる。かかる高圧注入器具10を薬液注入用穴1に挿入すると、漏斗治具20の止め部26が薬液注入用穴1の口部と接する位置で停止する。
【0043】
漏斗治具20のガイド溝22bに注入ポンプ7の細ノズルを挿入し、固定用薬液を高圧注入器具20と薬液注入用穴1との間に注入する。所定時間が経過して、固定用薬液が硬化し、高圧注入器具10が薬液注入用穴1に強固に固定した段階で、高圧注入ポンプ9を用いて接着用薬剤を高圧注入器具10に注入する。前述のように、予めニップル部材14又は15を装着して高圧注入器具10を薬液注入用穴1に挿入する場合は、そのまま高圧注入ポンプ9を取り付けて、また、それらが装着されていない場合には、必要に応じてニップル部材14又は15を装着してから接着用薬剤を高圧注入する。所定の時間が経過して、接着用薬剤が硬化した後、ハンマ等の殴打部材を用いて高圧注入器具10の頭を殴打する。これにより、脆性構築体2の表面から突出している高圧注入器具10のニップル部材14又は15側を破・分離する。
【0044】
このように本発明の漏斗治具20を用いると、固定用薬液を注入した際、こぼれた薬液は、スカート状部24により受け止められ、壁面を薬液で汚すといった事態を回避することができる。従来、接着用薬剤の注入作業の2〜3倍の時間を壁面の接着剤削り落とし、洗浄に費やしていたが、本発明によれば、このような作業を完全に不必要とした。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、接着用薬剤を通す中央孔を持ち、薬液注入用穴の内径よりも小さな外径を有する細長いパイプ部材と、パイプ部材の中央孔一端側に設けられ、薬液注入ポンプに流体的に接続可能なニップル部材と、ニップル部材の内部に組み込まれ又はパイプ部材の中央孔他端側に別部品として設けられ、該パイプ部材の中央孔を通過して薬液注入用穴の奥側に注入される薬液の逆流を阻止する逆止弁手段と、そして、パイプ部材の中間部外周に取り付けられ、薬液注入用穴の内径よりも大きな直径を有し且つ容易にそれよりも小さな直径に変形可能な固定用薬液の封止部材とを含んで構成されてなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具が提供されるため、樹脂の充填とアンカーの設置を可能とする脆性構築体用の高圧注入器具が提供される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高圧注入器具の一実施態様の縦断面図である。
【図2】本発明に係る高圧注入器具の他の実施態様の縦断面図である。
【図3】レンガ壁に本発明に係る脆性構築体用の高圧注入工法を行う場合の薬液注入用穴1の形成位置を説明する為の正面図である。
【図4】図3のAA線に沿って取った縦断面図である。
【図5】図3のBB線に沿って取った縦断面図である。
【図6】本発明に係る脆性構築体用の高圧注入工法の一実施形態のフローチャートである。
【図7】脆性構築体に発生した空間部が脆性構築体の表面に繋がる亀裂又はひび割れである場合における脆性構築体用の高圧注入工法を説明するための概略図である。
【図8】本発明に係る高圧注入工法である他の実施形態のフローチャートである。
【図9】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明に係る固定用薬液の漏斗治具の一実施形態を示す縦断面図及びその左側面図である。
【図10】図9に示された漏斗治具を高圧注入器具に装着して、薬液注入用穴に挿入した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
1 薬液注入用穴
3 レンガ
5 目地
7 注入ポンプ
9 高圧注入ポンプ
10 高圧注入器具
12 パイプ部材
14 ニップル部材
16 逆止弁部材
18 スポンジ部材
20 漏斗治具
22 穴シール栓部
24 スカート状部
26 止め部

Claims (13)

  1. 亀裂、ひび割れ、隙間等の空間部が発生している脆性構築体に薬液注入用穴を形成し、薬液注入用穴を介して当該空間部及び/又は脆性構築体に接着性薬液を高圧で注入する際使用する脆性構築体用の高圧注入器具であって、
    接着用薬剤を通す中央孔を持ち、前記薬液注入用穴の内径よりも小さな外径を有し、外周面に雄ねじが設けられると共に所定の機械的強さを有してアンカーとしての役割を果たす細長いパイプ部材と、
    前記パイプ部材の中央孔一端側に設けられ、薬液注入ポンプに流体的に接続可能なニップル部材と、
    前記ニップル部材の内部に組み込まれ又は前記パイプ部材の中央孔他端側に別部品として設けられ、該パイプ部材の中央孔を通過して前記薬液注入用穴の奥側に注入される薬液の逆流を阻止する逆止弁手段と、そして、
    前記パイプ部材の中間部外周に取り付けられ、前記薬液注入用穴の内径よりも大きな直径を有し且つ容易にそれよりも小さな直径に変形可能な前記パイプ部材を前記薬液注入用穴に固定するための固定用薬液の封止部材であって、前記固定用薬液を前記薬液注入用穴と前記パイプ部材との間に注入した場合に、当該固定用薬液が当該封止部材を越えて前記接着性薬液が注入される薬液注入用穴の奥に流れ入ることが無いように塞き止める独立気泡性のスポンジ状部材によって形成される封止部材と、
    を含んで構成されてなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具。
  2. 請求項1に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、
    前記逆止弁部材として別途製造された逆止弁手段及び/又は前記ニップル部材は該パイプ部材の端部にねじ係合により固定されてなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具。
  3. 請求項1又は2に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、
    前記封止部材は、円筒状の前記スポンジ状部材の両端部を前記パイプ部材に固定して設置されていることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、
    前記パイプ部材のニップル部材を取り付けられる側から所定の長さの位置に、ハンマなどの殴打器具の殴打により前記パイプ部材のニップル部材を取り付けられる側が薬液注入用穴に残っている側から破壊・分離することができるようにする構造的弱点部位が設けられていることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具。
  5. 請求項2に記載の脆性構築体用の高圧注入器具において、
    前記逆止弁部材は、軸方向に延びる中央穴と、該中央穴の奥部から放射方向に延び外部に通じる少なくとも1つの横孔と、
    前記横孔の外側開口を弾性的に封止するOリングと、そして、
    回動治具と係合し当該逆止弁部材を前記パイプ部材に対して相対的に回転させる当該逆止弁部材の外周部に設けられた係合手段と
    を含んで構成されてなる事を特徴とする脆性構築体用の高圧注入器具。
  6. 亀裂、ひび割れ、隙間等の空間部が発生している脆性構築体に接着性薬液を高圧で注入する脆性構築体用の高圧注入工法であって、
    前記脆性構築体に薬液注入用穴を形成するステップと、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の脆性構築体用高圧注入器具を、高圧注入器具のニップル部材が取り付けられる側の一部が前記薬液注入用穴から突出するようにして当該薬液注入用穴の内部に挿入するステップと、
    前記高圧注入器具と前記薬液注入用穴との間に固定用薬液を注入・硬化させて当該高圧注入器具を当該薬液注入用穴に固定するステップと、
    前記高圧注入器具のニップル部材に接着用薬液の注入ポンプを流体的に接続し、接着用薬液を薬液注入用穴に注入するステップと、
    を含んで構成されてなる脆性構築体用の高圧注入工法。
  7. 請求項6に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、
    前記薬液注入用穴は脆性構築体の内側に向って15〜45度の下り傾斜で穿設されることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入工法。
  8. 請求項6又は7に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、
    垂直方向に多数穿設された薬液注入用穴に挿入された高圧注入器具に対し、下の方から順に接着用薬液を注入するようにしてなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入工法。
  9. 請求項8に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、
    前記高圧注入器具はニップル部材が取り付けていない状態で前記薬液注入用穴に挿入しておき、前記接着用薬液を下位に位置する高圧注入器具に注入した際、上位に位置する高圧注入器具から接着用薬液が溢れ出てくるのを確認して当該薬液注入用穴への接着用薬液の注入を停止するステップと、そして、
    上位に位置する接着用薬液が溢れ出た高圧注入器具にニップル部材を取り付け、接着用薬液を注入するステップと、
    を含んで構成されてなる脆性構築体用の高圧注入工法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、
    接着用薬液の注入ステップ後、さらに、前記高圧注入器具の前記薬液注入用穴より突出している部分を殴打し除去するステップを含んでなることを特徴とする脆性構築体用の高圧注入工法。
  11. 請求項6又は7に記載の脆性構築体用の高圧注入工法において、
    前記脆性構築体に発生した空間部は当該脆性構築体の表面に繋がる亀裂又はひび割れであり、前記薬液注入用穴は亀裂又はひび割れの一方の側から当該空間部を通り抜けて他方の側に至るように、そして、その隣に形成される薬液注入用穴は他方の側から一方の側に至るようにと千鳥状に形成され、前記高圧注入器具はニップル部材が取り付けていない状態で前記薬液注入用穴に挿入しておき、前記接着用薬液を一の高圧注入器具に注入した際、それに隣接する高圧注入器具から接着用薬液が溢れ出てくるのを確認して当該薬液注入用穴への接着用薬液の注入を停止するステップと、そして、
    接着用薬液が溢れ出た隣接する高圧注入器具にニップル部材を取り付け、接着用薬液を注入するステップと、
    を含んで構成されてなる脆性構築体用の高圧注入工法。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の脆性構築体用の高圧注入器具に取り付けて使用する漏斗治具であって、前記脆性構築体に穿設した薬液注入用穴に前記高圧注入器具を挿入し接着用薬剤を高圧で注入する前工程で、該高圧注入器具を薬液注入用穴に固定するため固定用薬液を高圧注入器具と薬液注入用穴との間に注入する際使用する固定用薬液の漏斗治具において、
    ほぼ円筒状をなし、内部軸方向に高圧注入器具のパイプ部材を挿入する挿入孔及び該挿入孔に隣接して設けられた固定用薬液を注入するノズルを挿入するガイド溝を有する穴シール栓部と、そして、
    前記穴シール栓部に連続して一体的に形成されたスカート状部と、
    を含んで構成されてなる固定用薬液の漏斗治具。
  13. 請求項12に記載の固定用薬液の漏斗治具において、
    前記穴シール栓部と前記スカート状部との連結部外表面に前記薬液注入用穴の口部と接する止め部が形成されてなり、前記穴シール栓部の挿入孔下端部に、前記高圧注入器具のパイプ部材に形成された構造的弱点部位に嵌り込む位置決め用の突起が形成されてなることを特徴とする固定用薬液の漏斗治具。
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