JP5865575B2 - 裏込め材、透水層の形成方法、透水層 - Google Patents
裏込め材、透水層の形成方法、透水層 Download PDFInfo
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アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、
吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、
アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤と、を混合してなり、
前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、
前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより前記硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合されていることを特徴とする。
地盤内に透水層を形成する方法であって、
アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤とを混合してなり、前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより前記硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合された裏込め材を地盤内の隙間に充填することを特徴とする。
アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤と、が混合状態で地盤内の隙間に充填されてなり、
前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、
前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合されていることを特徴とする。
本実施形態に係る裏込め材は、シールドトンネルを施工する際にテールボイドに充填するものであって、図1に配合を示すように、硬化材と、膨張剤と、吸水性材料である吸水性ポリマーと、を混合したものである。
かかる硬化材としては、例えば、従来から裏込め材として一般的に使用されている一液型のモルタル等を用いることができるが、二液型のものを用いてもよい。
かかる膨張剤として、本実施形態においては、太平洋ソイル株式会社が販売しているFフォーマー(セルテック株式会社製)を用いた。Fフォーマーは、アルカリと反応して水素ガスを発生し、それにともなって膨張する性質を有する。そして、本実施形態においては、膨張剤としてFフォーマーを3kg配合する。
かかる吸水性ポリマーとして、例えば、ポリアクリル酸塩架橋体重合物を用いることができる。ポリアクリル酸塩架橋体重合物は、自重の数十倍から数百倍の水を吸収保持することが可能である一方、アルカリと接触すると、保持していた水を脱水する性質を有する。本実施形態においては、ポリアクリル酸塩架橋体重合物を15kg配合する。
なお、裏込め材は、流動性を保持した状態で、テールボイド内に充填されるので、テールボイド内の隅々まで行き渡ることができる。
図3に示すように、硬化材、膨張剤及び吸水性ポリマーをそれぞれ所定の割合で配合して、5種類の試験体No.1〜No.5を作製した。なお、試験体No.4は、図1に示したものと同一の配合割合である。
そして、試験体No.2は、試験体No.1に、粉状の吸水性ポリマーを混合したものである。また、試験体No.3は、試験体No.2よりも硬化材の配合割合を増加させたものである。また、試験体No.4は、試験体No.2よりも膨張剤及び吸水性ポリマーの配合割合を増加させたものである。
そして、試験体No.5は、試験体No.1に、吸水性ポリマーと水とを混練してゲル状にしたもの(図3中のB材)を混合したものである。
なお、試験体No.2〜No.4においては、試験機45内に充填する直前に、粉体の吸水性ポリマーを、硬化材と膨張剤とを混練した混合物と混合した。また、試験体No.5においては、試験機45内に充填する直前に、ゲル状の吸水性ポリマーを、硬化材と膨張剤とを混練した混合物と混合した。
なお、本実施形態においては、2kgf/cm2の圧力を加えたが、この値に限定されるものではなく、裏込め材を充填する各現場条件等により適宜、決定することができる。
なお、本試験では、すべての試験体No.1〜No.5において、加圧後における砂の厚さ及び試験体の厚さは加圧試験前と同一であり、膨張していないことを確認した。
図5に示すように、試験体No.1の内部には、空隙がごくわずかな数だけ形成されていた。また、ひび割れは全く形成されておらず、空隙同士の連通は確認できなかった。
図6に示すように、試験体No.2の内部には、空隙が多数形成されていたが、ひび割れは形成されておらず、空隙同士の連通は確認できなかった。
一方、図10に示すように、試験体No.2の表面付近は、ばらばらに粉砕されていて、吸水性ポリマーによる空隙形成の効果が確認できた。
図7に示すように、試験体No.3の内部には、小さい空隙が多少形成されていたが、ひび割れは形成されておらず、空隙同士の連通は確認できなかった。
また、図11に示すように、試験体No.3の表面には、空隙やひび割れは形成されなかった。
図8及び図12に示すように、試験体No.4は、ばらばらに粉砕されていた。粉砕された破片は、塊状で固く、硬化体としての強度を有するものであった。試験体No.4が粉砕した理由は、吸水性ポリマーが収縮したことにより硬化材中に空隙が形成されるとともに、膨張剤の膨張により硬化材に多数のひび割れが形成されたことにより、空隙同士が連通し、最終的に粉砕に至ったものである。したがって、試験体No.4は、良好な透水性が得られると考えられる。
図9に示すように、試験体No.5の内部には、空隙が多数形成されていたが、ひび割れは形成されておらず、空隙同士の連通は確認できなかった。
一方、図13に示すように、試験体No.5の表面付近は、ひび割れが形成された。
また、試験体No.1より、吸水性ポリマーを含まないと硬化材中にひび割れが生じないことがわかる。
15 膨張剤
20 吸水性ポリマー
30 空隙
35 (膨張した)膨張剤
40 (収縮した)吸水性ポリマー
43 ひび割れ
45 試験機
50 コンプレッサー
Claims (10)
- 硬化後に透水性を発現する裏込め材であって、
アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、
吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、
アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤と、を混合してなり、
前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、
前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより前記硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合されていることを特徴とする裏込め材。 - 前記吸水性材料は前記裏込め材を注入する直前に、前記硬化材と前記膨張剤とを混練した混合物と混合されることを特徴とする請求項1に記載の裏込め材。
- 前記硬化材は前記裏込め材を注入する直前に、前記吸水性材料と前記膨張剤とを混練した混合物と混合されることを特徴とする請求項1に記載の裏込め材。
- 前記吸水性材料として、ゲル状又は粉状の吸水性ポリマーが混合されることを特徴とする請求項1〜3のうち、何れか一項に記載の裏込め材。
- 地盤内に透水層を形成する方法であって、
アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤とを混合してなり、前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより前記硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合された裏込め材を地盤内の隙間に充填することを特徴とする透水層の形成方法。 - 前記隙間に裏込め材を充填する直前に、前記吸水性材料を、前記硬化材と前記膨張剤とを混練した混合物と混合することを特徴とする請求項5に記載の透水層の形成方法。
- 前記隙間に裏込め材を充填する直前に、前記硬化材を、前記吸水性材料と前記膨張剤とを混練した混合物と混合することを特徴とする請求項5に記載の透水層の形成方法。
- 前記吸水性材料として、ゲル状又は粉状の吸水性ポリマーを混合することを特徴とする請求項5〜7のうち、何れか一項に記載の透水層の形成方法。
- 地盤内に形成される透水層であって、
アルカリ性を有するとともに、流動状態から時間の経過とともに自身が硬化する硬化材と、吸収した水をアルカリ性環境で脱水して自身が収縮する吸収性材料と、アルカリと反応して水素ガスを発生する膨張剤と、が混合状態で地盤内の隙間に充填されてなり、
前記硬化材、前記吸水性材料、及び前記膨張剤は、
前記吸水性材料がアルカリ性の硬化材と接触することで脱水して収縮することにより前記硬化材中に生じた複数の空隙が、前記膨張剤が発生した水素ガスにより前記硬化材中に形成されたひび割れによって連通し、該ひび割れが水みちとなって、透水性を発現するように配合されていることを特徴とする透水層。 - 前記吸水性材料は、ゲル状又は粉状の吸水性ポリマーであることを特徴とする請求項9に記載の透水層。
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